注目の話題: これからの時代子ども作っても大丈夫？; 自然消滅？ご意見お願いします！！; 美人や可愛い子は恋愛で苦労しない

リレー小説

レス3　 HIT数 1484 あ+ あ-

小説大好き（ ♀ ）
23/01/04 00:32(最終更新日時)

「世の中は悪意に満ちている」

平凡な主婦の妙子は鉛色の空を見上げて呟いた。

旦那の帰りが遅い。
休日も仕事に行く。

怪しんではいるけど探偵をつける余裕などない。

妙子のする事と言えば、いつもより高い肉を買い、たらふく食べ憂さ晴らしをする事ぐらいだった。

しかしそれも最近は儘ならない。
弛んだ脇腹を摘まみ溜め息をついた。

スーパーの硝子に写った自分と目があう。
そこには、無化粧の冴えない女が立っていた。

妙子はトボトボ歩き出し新しくオープンした美容室を覗いた。
興味はあったが入る勇気はない。
妙子は、華やかな場所に行くのを怖がっていた。

昔からそうだった訳ではない。
むしろ妙子は、夜遊びをし男と遊んできた女だった。

今は、過去の華やかな記憶にすがりつくだけの日々だった。

「昔はよかったな」

また独り言を言う。

泣きそうな気持ちになり鼻の奥がツンとした。

そうだ、寄り道してみよう。

いつもは目的以外に行く場所なんてない妙子だったが、その日だけは何故か遠回りしたくなった。

なぜあの時に寄り道したのかと、後になって妙子は思うのであった。

【バトンタッチ】