犬と人と、お前と俺と。

レス25 HIT数 1235 あ+ あ-


2007/07/03 23:10(更新日時)

犬は人間の言葉がわからないなんて、誰が言ったんだろう。


俺は問いたいね。
お前は犬になったことがあるのか?って。


いつだって俺は理解っていたんだ。あんたの言葉、気持ち、考えていることも全て。

そう、あの時だって…

No.507747 (スレ作成日時)

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No.25

だが、




それでも俺たちは
お前が愛しい。

No.24

例え治療はできなくても、
どんなに哀しくても、辛くても、


最後のときには側にいてほしい。


それは、全ての犬たちの願いではないのだろうか。

そして、犬と生活する者の義務ではないのだろうか。



その責任を負えない者に、動物と生活する権利があるのだろうか。

No.23

そいつの人生って何なんだろう。


今まで、好きで好きでたまらなかった家族に連れられてきた場所。

冷たくて、

寂しくて、

暗くて、

哀しくて、

無意味な、残酷な時間を過ごした後に訪れるのは、
















死。


それだけだ。

No.22

そのシュナウザーは、癌になったんだそうだ。

完治は難しいし、
治療にお金がかかるから、
家族は、
そいつを捨てた。







動物管理センターには、そんな奴らが最近たくさん来るらしい。









その家族のなかには、子供もいた。





子供は、それを当たり前と感じるのだろうか。

No.21

シャチョーは、貰い手が見つかったんだな、良かったな、って思ったそうだ。


だが、その家族の人が記入している用紙をチラッと見ると、






それは、

この犬を置いていきます

って書類だったらしい。

No.20

~6~「責任」

用事があって、シャチョーが動物管理センターに行ってきた。

シャチョーがセンターの職員と話をしていると、隣でシュナウザーを抱いた家族がいたそうだ。

No.19

ハラキリしたからって、子供を産めなくなるわけじゃないらしい。


また同じところをハラキリして、産むことだってあるっていうから驚くよな。


強ぇなぁ…

No.18

ダックスのハラキリは、そこまで多くない。


チワワとか小せぇ犬もそれなりにハラキリするらしいが、一番多いのは顔の潰れた奴らなんだとさ。

フレンチブルだとかパグだとかは、ほとんどハラキリで生まれるらしい。


だから、1頭の値段も高いんだとか。



あのクシャクシャな顔の裏に、そんな苦労があったなんてな…

No.17

~5~『切開』

今日、ダックスが帝王切開の為に病院に行った。

あ、このダックスは俺達とは面識はなくて。
店の犬ってのは、店頭の10数頭の他に、シャチョーの家に数十頭いるんだ。店の犬の中にも、シャチョーの家の犬がいて……


………



なんかややこしいし、俺も意味が分からなくなってきたから今度話そうな。



とりあえず、帝王切開。

簡単に言やぁハラキリだ。ハラキリ。

No.16

綺麗なガラスケースの中で遊んでいる、あいつらを見る限りじゃ想像も出来ねぇが。


死んでるんだ。
実は。

見えないようにしているだけで。
鳥も、ネズミも、あんな小せぇんだもんな。









お陰様で、氷の“美味い率”が30%くらい下がったみたいだ。
俺はガリガリと音をたてて噛み砕き、一気に飲み込んだ。

No.15

この店には犬しかいないが、前にキミサンが働いていた所は犬・猫・小動物・魚・鳥と、結構何でもいたらしい。俺はてっきりヘビとかの、餌用のネズミなのかなと思った。あいつらはネズミやヒヨコを食うからな。



だが、




「ハムスターとか小鳥って、弱いんだよねぇ…」












違った。

死体安置所だった。

No.14

店には冷凍庫がある。
残ったアイスクリームは、そこで次回の猛暑まで保管された。

クッキー&クリームをちびちび食べながら、キミサンが言った。

「この店はいいよねぇ。アイスクリーム入れておける冷凍庫があって」

スギが聞いた。

「前の職場には無かったんスか?」

「ううん、あったけどね…











ネズミが入ってたから……。」

皆のスプーンがピタリと止まった。

No.13

~4~『アイス』

その日はとても暑かったから、誰かがアイスクリームを買ってきた。“はぁげんだっつ”ってカップのアイスだ。

俺たちにも、冷たい氷が1つづつあたった。
氷ってのは面白い。ガリガリと歯触りが心地よく、かと思えばいつの間にか床の上で水になっている。

氷の食べ方にはコツがある。
細かく砕いてはいけない。大きく割って、1つ1つ確実に食べるのだ。

No.12

~3~『散歩』


ウミは、休憩時間になると俺を連れて散歩に出かけた。
15分あるか無いかの休憩時間。ゆっくり飯でも食ってりゃいいのに、物好きなヤツだ。


時には自転車で風のように。時にはゆっくりと景色を見ながら歩いた。


たくさんいる犬の中で、どうして俺なんだろう。
出かける時にいつも、他の奴らの視線が死ぬほど痛かったが、

ウミは気づいているのかいないのか、いつも俺だけを連れていった。

No.11

シェパードの龍と、ゴールデンのエデタ。

この2匹が、俺がここに来たときにまず目に飛び込んできた奴らだ。




ちなみに、店の犬ってのは繁殖の犬か売れ残りの犬。どっちかだ。

俺?俺は――

No.10

俺たちが普段生活してる場所から、柵で隔てられたところにいるのがエデタだ。柵といっても、とても低いもので、彼女以外は軽く飛び越えることができた。

エデタは下半身不随だった。

今年で12歳を超える彼女は、数年前から腰をいためていた。誰よりも弱く、そして誰よりも強かった。
エデタが吠えると、あの龍でさえも縮みあがった。俺は嫌いではなかったが、彼女は他の犬にはあまり好かれていなかった。皆、避けていた。

風鈴ってダックスだけが、いつもエデタの傍にいた。

No.9

~2~『せわされいぬ』


『せわびと』の次は俺達『せわされいぬ』の番だな。
せわされいぬは、さっきも言ったが10頭以上いる。全部は面倒くせえから、目立つ2頭だけとりあえず紹介しとく。

まずは、リーダーの龍。
龍は一番身体がでけぇから、誰も逆らえない。オーストラリアンシェパードって種類なんだが、そのなかでもズバ抜けてでかい。コイツがウ~ッと唸ると、皆黙る。汲んできた水を一番最初に飲む特権もコイツが持っている。
龍には、桜って名前の気の強い女がいる。今までに30頭以上子供を産んだ、強ぇ女だ。

No.8

ちなみに俺は、誰になつくわけでもなく、常にヒトと一線置いて生活している。

いや、別に噛みついたり唸ったりする訳じゃない。
尻尾をふったりもするし、呼ばれれば行ってやる時もある。


馴れ合うことをしないだけ。

少しだけ、距離を置いたほうが楽なだけだ。

No.7

シャチョーは怒ると怖ぇから、全ての犬から一目置かれている。

全部の犬を平等に可愛がるキミサンは、全部の犬から平等に好かれている。

ウミは犬を叱ることをしないから、気の強い犬からはナメられている。だが逆に、怖がりな犬のウケはいい。

スギは、ウミのまったく逆だ。遊び好きな犬に好かれ、臆病な犬には少しビビられる。


人間ってのは本当に面白い。

No.6

~1~
『せわびと』


俺たちの飯の準備をしたり掃除をしたりする人間は、全部で4人だ。
犬に1匹1匹違った性格があるように、人間も1人1人が全然違うから面白い。

まずはシャチョー。
シャチョーは一番偉い人で、あちこちを行ったり来たりしている。だから店には居たり居なかったりだ。酒が好きで、時々二日酔いになる。

次にテンチョー。
名前が木宮サンだから、キミサンって皆呼んでいる。だから俺もそう呼ぶ。
キミサンは、実はシャチョーよりも偉い。と俺は密かに思っている。キミサンが丸といえば、たいていは丸になる。開店からずっと働いている。彼女がいなければ店は潰れるかもしれない。芸歴10年以上のベテラントリマーだ。

そしてウミ。
海山だからウミ。ウミは俺の少し後に店にきた。それまでは違う人が働いていたのだが、俺もあまり会ったことがないので良くは知らない。彼女は、専門学校からまっすぐこの店に来た。経験浅いペーペーの新人。

最後に、スギ。
杉浦のスギ。スギはトリミングはしない。犬の送り迎えとか、パソコン担当だ。彼は、ウミの何ヶ月か後にやって来た。テンション高いムードメーカーだ。

No.5

俺が此所に住むようになって1年が経った。

この場所にも慣れた。案外、慣れると楽しいものだ。


店のドアには、相変わらず里親募集のチラシが貼ってある。日光に当たりすぎて色褪せた、古いチラシ。
子犬でもない、血統書もない…こんな犬を飼おうだなんて気違いは居るのだろうか。




あれから前の飼い主は、一度も店には来ていない。

No.4

こうして俺は、一時的な店の看板犬?の1匹となったわけだ。


初めは色々大変だった。なんせ店には10頭以上犬がいるんだぜ?
慣れるのに大分苦労した。
俺は今まで生活してきた環境のせいか、1匹でいることが好きだったのだが…
そこにはきちんとしたグループができていて、酷く居心地が悪かった。

まぁ、その事はまた今度ゆっくり話そう。

No.3

俺の一つ前の飼い主は、中年の夫婦だった。
なかなか良く面倒をみてくれたが、奥さんの方が身体を悪くして入院することになった。
旦那は毎日病院に通い、仕事の他に慣れない家事も加わって、犬どころではなくなっていた。

そして1週間が経ったある日、俺を手放す決心をしたようだった。


俺はそんな小せぇ犬ではないし、顔もちょっと怖かったので引き取り手が見つからなかった。仕方なく旦那は、あるペットショップに俺を連れていった。

里親を探して欲しい。新しい里親が決まるまで、世話をして欲しい。と。

ペットショップは、駄目なら保健所に行くしかない…と半分脅しのように頼み続ける旦那を断りきれなかったのだろう。
長い交渉の末、仕方なく了承した。

No.2

俺にはたくさんの名前がある。

野良だった頃の名前と、あいつに飼われていた頃の名前、今の名前…たくさんだ。

テン、バロン、武、ぴー太、リック…

犬、なんてふざけた名前を付けた奴もいたっけ。




今の名前は
『スィー』

微妙な発音が、なかなか気に入っている。

No.1

最大のペットブーム到来!
な~んて言われている現在。

3分の1家庭だか4分の1家庭だか…詳しいことは忘れたが、とにかくたくさんの人間が動物を飼っているらしい。

コンパニオンアニマル~なんて呼ばれて、ペットと言うより家族、伴侶として可愛がられている動物がたくさんいる中。
同じくらい“ペットブーム”の影に消えていく、たくさんの儚い命がある。

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