学生なのに学生じゃない。

大阪府。ハート高校の1年A組、坂東並木。好きなことは…ない。今は何してる？そうだ、数学の授業だ。ぼーっとしてた…はぁ。だるw本でも読もう。あーそうだ、読み終わってたんだ。早く帰りたいな。「笑笑。坂東またうつ伏せ笑」「やっぱ隠キャは馴染めへん笑」
また、聞こえる笑い声と悪口。先生は相談しろよって言うけどさ…相談できるかよ。イライラが募る。もう今日は帰ろ。授業中にリュックを持って、無口で教室を出た。よくあることだし、みんなの邪魔にはなりたくないし。

第1話 突然のこと
バス停まで3分。近くてよかった。美術の伊藤先生ならついてくるから近くてラッキー。「…さん。…東さん。坂東さん」誰かがこんな私を呼ぶ。「…？」すらっとした足に長い髪の毛。丸い目に…言い出したら止まらない。「やっぱり！久しぶり。早退？早いね。」「…」彼女のことを私は忘れていた。今、思い出した。
彼女は…えっと。そうか、小島はるか。
うちのクラスの学級委員。でも、今は…用事でお休みしてた人…「坂東さん元気そうで良かった。みんな元気？」
「（コクリ）」「早く行きたいな〜学校。あ、バス来たよ。突然、話しかけてごめんね。じゃあね！」

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小島さんってあんな話しかけてきたっけ…？休んだ間に私のこと忘れたのか。私は、クラスの笑いものだ。普通にしてるだけなのに、隠キャってみんなふざけてるよね。ひどいな。私は、中学までは普通だった、友達もいたし…趣味はゲームだったし。けど、大阪に引っ越して、誰か話しかけてくれると思ったのに…気づいたら友達できないまま何ヶ月も経って。自分自身も暗くなったなー。
家にて
母 「並木。なおちゃんが元気か？って。メール来てたよ。」
最近は、スマホも家に置きっぱなし。スマホなしで生きていける自分が凄い。
並木 「そう。わかった。」
通知25件。自分でも過去最多の未読の量にびっくりした。
メールの内容 「並木、元気？久しぶり〜！こっちは元気。かえらも、クルミも元気だよ！また東京帰ってきてね？」
メールの相手は、舞川なお。中学時代の友達。かえらとクルミは小学校からの親友。みんな、引っ越したり、受験したりしてバラバラ。
「こっちも元気だよ。東京帰りたい。大阪嫌だな」

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そもそも話の始まりは、転校だった。
私達、坂東家は東京に住んでいた。だか、父が勤める会社の本社に移動することになったからだ。家族は猛反対で私も行くつもりは無かった。友達も作る自信がないし…大阪ってよくわからないし。でも、時間がないとかそういうことで転校。それで、自分もいつも通り過ごせなかったからこうなったんだ。いわゆる隠キャってやつ？wでも、私はinstagramとかもやってるし…言い訳するなら、クラスの奴らよりはるかに陽キャ。
次の日
A「坂東？wwwあんたinstaやってんの？」B「隠キャがキャッキャすんじゃねーよw青春もろくにできないねー」A「かっわいそーwww」
誰から知ったんだろう。instaやってること。誰？私に興味あるやつなんていないのにw。

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「いー加減やめたら？」誰の声？…。A「あんたには関係ないでしょ！」かばったのは…B組の武田大地？B「こんな隠キャの味方すんの？草w」「あー。お前らキモ。」と言って立ち去った。お礼言いたかったな…A「はぁ。おつ。」あの人、本気でかばったの？それとも共犯者なの？
下校中〜
「よっ。さっきの隠キャ」「ちょっとさぁ。あんたまで何なの？」「おいおいw嘘だって…。ごめんよ。ってか、キツく言えるならあいつらにも言えやw」「そんなの…私には無理。」こいつ。何者？

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