ちび猫とわたし　３

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匿名
2018/12/19 03:32(更新日時)

ちび猫ことクロは妙な遊びを覚えた。
ある日、不要な書類を丸めテレビ横の屑入れに放り投げたことがあった。丸めた書類は屑入れに入らなかった。

するとクロは丸めた書類を口にくわえて持ってきた。
わたしの前に置いてまん丸な顔を上げ見つめた。

もう一度投げれ。

何故かそう言っているように思えた。
わたしが無言で投げると、やはり口にくわえて持ってきた。
一メートル程の距離だ。
わたしが投げる。クロが持ってくる。わたしが投げる。またクロが持ってくる。
延々と続いた。

おまいは犬か？

少し愉快になり同じ動作を繰り返していると、突然クロはこの遊びを止めた。そして、お座りしたまま冷静な顔を向けた。

一人で何やってるの？

みたいな冷めた目に、わたしも自分で何をやっているのかと、丸めた書類を持ち、立ち上がり無言で屑入れに入れた。
カリカリカリという音に、クロが食事中だと知る。

勝手なものだ。
わたしも含めたクロの遊び道具だったのだ。

そうは思ったが不快には成らなかった。