忘却
織り成すように
描かれた画を
ゆっくりと
消し去ります
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今夜の空に星が見つからない。
こんな冷たい夜にも桜の葉っぱたちは紅く紅く染まり行く。
午後にはガラス越しの陽を感じながら何時の間にか眠っていた私…。
落ち葉を集めて樹の根元に被せる様にしていたら…
無心に気がついて
微笑んでいた。
何でもないことが
きっと幸せなのだと静かな秋風が教えてくれる。
言葉にしたら
きっと下らない事。
意味も無く不機嫌な顔を見せられて…
素知らぬ振りをしながら内心気にしている。
筋書の無い感情だらけの皺寄せに…
まただ…と感じながら遣り過ごす。
言い様の無い日常に足すか引くか答えは?で判断してしまう性質は否応なしに鬱憤を募らせて
日に日に私の器に蓄積されて行く。
これも今ある現実として
苦しみながら受けとめるしかない。
考えても解らない時には忘れるのが一番。
それでも忘れられない時には他ごとを考える。
些細なことに大きく悩んでしまうのも人間の特質。
それでもどうにもならない時には…
寡黙に時が立つのを待つこと。
もし今夜眠れなかったら
明日眠ればいい。
明日は心も身体もしんどいかも知れないけど…
どうにもならない小さな事だから…
そんなに長くは続かない。
それも人生だから。
木枯しが吹いていた。
川尻の波はまるで海が波打つように
大きく起状する。
うねりは
うっすらと浮かび上がる何かを掻き消すような
そんな強さがあった。
昨日見た風景なのに…
まるで今その場所にいるみたいに
思い描いている。
堤防の上から
川を見下ろしていた。
今の願い。
お金もいらない。
愛欲もいらない。
人がいない景色の中で
息を吐きたい。
3日でいいから…
忘れてしまいたい。
偽りと偽善で形作られたものからの解放は…
自由と孤独感を与えてくれた。
歪な私たちは
どれだけ続いても
歪なままだった。
終わりの15年は
目を覆いたくなる様な…
そんな日々で揺れていた。
それでも…
別れの時は訪れた。
自由と孤独感は私に空や木々や水辺の美しさを見せてくれた。
貧しい生活の中にいても心があれば
幸せを感じられる。
見たくない。
思い出したくもない。
忘れてしまいたい…
そんな自分の心は
何時の間にか対象を変えていた。
無くなったはずの感情は形を変えて
結局は今も生きている。
自分が持ち合わせるもの全てがそのままに続いている。
当たり前のことだが…私が無くならない限り、苦悩は無くならない。
忘却したい思い出は私が生きる限り、
消えずに私のなかに浮かんだままだ…
何も無くなってはくれない…
東側の赤い朝焼け空。
朝日に…
走り過ぎていくはずの私が
何時までも
追われている。
海の波間に
それは刹那に浮かび上がっては
沈んで行く。
回想と現実が
混沌としながら
心を掻き乱す。
どちらが私の過去でどちらが今なのか…理解し難いものに変化する。
何時からか…
どちらとも同じで
一つになっている。
解らなくなる。
…慟哭…
今夜の解放が
明日の夜には
絶望に変わる。
鏡の前で
二つを並べたら
きっと歪んでしまう。
群青色に染まる
穴の開いた空。
何を浮かべよう…
どうにもならない
融通の効かない
この呟きを浮かべよう。
叫ぶよりも
嘆くよりも
慈しみ
懐かしみ
寄り添う様に…
雪景色
白く心に落ちてくる
最近…疲れていたから…
当たり前に在るものを美しいと捉えられなくなっていた
でも
未来に続く大切な過程だから
そんな時もあったネ…と振り返る時が来ると信じて
前に進みたい
冬の空が
そこはかとない息を吐く
それは
灰の様に白く
微粒子みたいに小さい
冬の空は
河面に呑み込まれてしまったのか…
天と地は
同じ色を映し出す
サラサラと音を立てそれらを見逃す私が居る
愛しいはずの
昨日や今日が
また横を過ぎて行く
失われてしまったと勘違いをしたまま
生きていた
失われはしない
忘れていただけ
記憶には
忘れたい思いが残り
残して置きたいと願った砂時計は
何処かへ持ち去られてしまった
息も絶え絶えに
追いかけてみたが
見失ってしまった
だが
焦りはしない
諦めた訳でもない
迷ってもいない
ただ今を眺めている
1人の食卓…
今夜は水菜と油揚げを胡麻油で炒め、仕上げに少しだけお醤油をかけた。
鶏肉と冷蔵庫残り野菜のソテー…明日のお弁当にも使う。
だし巻き玉子…これも明日のお弁当にも使う。
お正月に作った田作りの残り物、片付け食べ終えました。
そしてインスタントのお吸い物。
ご馳走さまでした。
私は今日も幸せです。
辛さや苦しみを感じる日々があっても
感謝を思い浮かべられる日があるから
私は幸せです。
今日は次男の成人式。
またひとつ
人生の節目が訪れました。
何か清々しい様な…
久しぶりに晴れ渡る空が私の中に広がりました。
本当のお空も晴れ渡り、良い1日になりました。
私は今日も仕事でしたが…
休憩時間に少し思い浮かべただけで、何だかとても嬉しい気持ちになりました。
友達や彼女や
色々と成人式にちなんだイベントがあるようで
彼は昨夜からキャリーバックを持って出掛けて行きました。
明日夜に帰宅予定だそうです。
数年前
長男が成人を迎え
今日
また次男が成人式を迎えることが出来ました。
幼い頃
病気をしたり
心配事が続く時期もありましたが
二人が大きくなり
お母さんは幸せです…
私を母にしてくれて
「ありがとう。」
二人には
大切に想う彼女の存在が出来ました。
二人とも
私が大切に想い
愛していた人に
そっくりになりました…
何時か私が夢中になったように…
彼女たちを夢中にさせてあげて下さい。
そして
幸せにしてあげて下さい。
二人が
彼女との将来を
真っ直ぐに見つめられる様に…
母さんは二人に心配を掛けないように…
生きられたら幸せです。
頑張ります。
別れは必然だったと思う気持ちは
今も変わりません。
これで良かったのだと思っています。
唯ひとつだけ…
私ひとりでは
あの子たちを授かることは出来ませんでした。
貴方にもありがとうと心の中で伝えます。
「ありがとう。」
燃えて
融けるように燃えて
そして灰になった。
風が吹き付けて
灰なのに
白く白く…
地上に舞い散った。
広い海に面して
聳え立つ病棟の角から
紫色した夕焼けが見える。
空想が繋がりながら
画を描いているみたいに。
小さなこと。
心配や不安を抱かず生きていた。
私にとって大きなこと。
偽りの愛。
人生の岐路は10年に1度位の間隔で私に訪れる。
その度に気付く…
進む道から
苦難は無くなることがない。
姿形を変えて
常に在る。
1日中
陽当たりの良い場所では枯れてしまう花。
西陽だけを受けとめ息をして…
僅かな水を貰い
それでも咲き誇る。
乾いた土壌を好み…そんな場所でも伸び伸び育つ。
水を求めなくても
次々に花は咲く。
パンジーは8月まで咲いてくれた。
少しずつ切り戻すと数日で花の数が増えてきて蘇る。
じっと見つめると
さらに艶やかさを
増してくる。
季節の花たちが
自分たちの季節を見つけて
息を吹き返す。
優しいふりの声…
どんな音色で
どのくらいのリズムで話し掛けると
優しい音になるのか
片側の耳が聴こえなくなってから分かるようになった
なくして聴こえなくなった音と
なくして分かるようになった音がある
なくした時に
代わりに得られるものは確かに在る
それに気付かず
泣いてばかりいるのか
変化した自分に驚きを感じ
躍動するか…
全ては自分次第…
サイレンの音が聞こえる…。
携帯電話から伝わる救急車のサイレン音は少し間が抜けて歪んだ音になる。
それとは逆に
携帯電話で聞く父の声は普段より若く聞こえた。
朦朧とした意識が溢れて行く…。
死の境界線まで
ゆっくりと進む足取りだったとしても…心が空っぽだったから?
身体は宙に浮くようにフワフワとしていて
まるで誰かに
温かく包まれているのだと錯覚させた。
幾つか在る病棟の
1番古い病棟に母は居た。
8階の窓から眺める景色は…
長方形や正方形の様々な立方体が小さくなって遇てもなく広がっている。
まるで病のように…先行きの見えない不安を映し出す。
空が私に近づいて来ているような気分になった。
途切れそうな息……
苦しそうな寝顔でも
一度目をさませば
愛らしい笑顔を振りまいてくれる。
起き上がり歩くことが不可能になったとしても…
家族が病床に来て心配そうに見つめると
何事も無かったかの様に笑う母に励まされてそれぞれが家路に着く。
何処に帰れば良いのか…
解らなくなりそうになる。
数週間が過ぎて
母の病状に僅かな回復の兆しが見え始めて来た。
ずっと忘れていた我が子の名を呼んだり
たしなめる様に…
疾うに成人を過ぎてしまった我が子に向かい話し掛けたりする。
そんな母の向こう側には…
その声に驚き
戸惑いながらも喜ぶ子らの顔が在った。
20数年余り…
私は母に名前を呼ばれたことが無い。
母は私を色んな名で呼んだ。
そして他人行儀に
詫びの言葉ばかりを口にした。
母の中から…
愛する子どもたちは忽然と消えてしまっていた。
どんなに理解を求めても母は毅然と否定した。
私や兄弟の存在を決して認めたりはしなかった。
「どうしてこんな風になっちゃったんだろう…。」
母が呟く。
僅かな沈黙の後、
「運命だから…。」
今度は私が母に笑顔で語りかけた。
母は吹き出す様に笑って
「うんめい?」
…また私に問い掛けた。
それ以上の言葉が見つからなくて…
私はまた同じ言葉を繰り返す。
「そう…運命だよ。」
雨に濡れて
桜の花が散ってゆく…
後悔や矛盾がため息を生む…。
桜の開花と共に
母は病院から施設へと移っていた。
居室は四人部屋で、窓際の光が射すベッドは空いていた。
カーテンは四方に仕切られる様に引かれている。
午後も四時に近付くと…窓から届く光りは、次第に薄れて行く残された力の弱々しさしか映し出さなかった。
壁際に在るベッドには光りの美しさは届かない…
母の苦しさと
私の無力と
耳鳴りみたいに頭の中で響いていた。
融合しながら
過ぎていた時間が
いつの日からか胸を…胸を焦がす様に
ジリジリと迫り来る
追い掛けられても
逃げることをせず
与えられた時間に
未を刻み行く
このまま歩いて行くと…
何が見えるのだろう
何が起きるのだろう
何処へ向かっているのだろう
他人事みたいに
大切な自分の将来を茫然と浮かべてみる
情けない私。
時間を有効に使うのではなく…
泥の様に使う
丁寧に扱うのでは無く
ひたすら時間を早める
内容など皆無で
在るのは
唯、時間を縮小すること
中身がない
所詮は全てそんな世界でしかないのかも知れない
壊れてはいないが
確実に失われていく人間性
中身が無い
そこに在るのは
空洞だった
雨のように
繋がれていた。
雨粒は冷たい鎖に化し…解き放ちはしない。
どうにか動く脚を
数歩…進めるだけで
胸は締め付けられて
息切れがする。
行き先を変えよう…
考えること
暫く止めよう…。
貴女の生い立ちを
思い浮かべ
甦らせてみる。
其処に…
知りたい答えは在るのだろうか…。
知らなければならない残像を探し出せるのだろうか…。
考えること
暫く止めようと思っていたのに…
また考えている。
三合炊きのちっちゃな炊飯器。
風通しの良くない小さな部屋。
来る日も来る日も
仕事に向かう。
「お疲れ様…。」
唯一言くれた息子の言葉。
今の私にある宝物はそれだけでいい…。
それだけでいい。
如何なる時にも
定まることなど有り得ない。
不覚にも
そう錯覚する時があったとしても
それは一時の気の迷いに過ぎず
決して留まりはしない。
灰色かと思い違いを起こしてしまう様な真っ白の…。
あかく鉛色をした様な嘘の白を…。
現実と偽りを
見破れないままに。
流れが悪い …
流れの悪いまま
やり過ごしていたからだろうか…。
胸が焼き付くように熱かった。
ジリジリと燃えながら自分が尽きて行く。
目にすることは出来ないが
自分が少しずつ
焼け焦げていくのを体感していた。
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なんだか3️⃣は あっという間に 🈵️レスになった気がするなぁ(¯…(ピノ)
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