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2013/09/26 21:57(更新日時)

ショート・ストーリー

ショート・ショート

13/08/21 11:59 追記
読後感想など書き込みしていただけると嬉しいです。短編なので、皆様のSSもお待ちしております。

と、体のいい事を書きましたが主は、ネタ切れ状態です…

13/09/13 20:32 追記
途中の章から長編になってしまいました。
あえて題名をつけるとしたら【PTA】です。フィクションですが、私が過去に経験した題材でもあります。ご興味のある方は、読んで下さい

No.1985796 (スレ作成日時)

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No.151

>> 150 「パパ!それ僕のおもちゃだよ!壊しちゃ嫌だ!」

「僕が、泣いてたのは、おもちゃの動かし方が分からなかったからだよ!」

「もうやめて!!」

No.152

>> 151 守る者の叫び声が聞こえた時には、悪者は、すでに原型をとどめぬ位に破壊したあとだった。

これが正義だ。

守る者を守ったのだ。

No.153

>> 152 「あなた!子どものおもちゃをこんなにしちゃって!」

「パパなんて嫌いだ!」

No.154

>> 153 守る者たちの絶賛が聴こえる。やはり正義は正しい。悲しむ者も喜んでいる。喜びの涙を流している。

これぞ正義!

No.155

>> 154 「パパ、最近、疲れているのね…」

「今度また、新しいおもちゃを買ってあげるね」

「パパ、なんで僕のおもちゃを壊しちゃうの?」

「うわーん…」

No.156

>> 155 新しい…そう聞こえた。

また、新しい悪者が来るのか?俺は、何度でも戦うぞ!正義のために…

守る者たちの悲しむ姿は見たくない。

No.157



【小休止】


No.158

奈緒美は、しばらくの間そこにたたずんていた。

やっぱり、洗濯物は別にしとくべきだったと後悔した。

No.159

>> 158 義理の父母と同居の話は、結婚する前から出ていた。
奈緒美28歳。夫となる彼は31歳。ただし彼は一人っ子だった。

奈緒美には兄がおり実家で二世帯住宅を建て住んでいる。まるっきり玄関も別々だ。義理の姉さんは、父母とも仲良くやっているようだった。

No.160

>> 159 実家を二世帯住宅に建て直したのは、奈緒美が結婚をし実家から嫁いで間もなくだった。

No.161

>> 160 時折、実家に帰る時はあるが奈緒美が育った家はもうない。真新しい新築の匂いのする、よその家に帰る錯覚を起こすほどだった。

No.162

>> 161 母も兄の子どもが出来ると、孫命になったが飽きるのも早かった。

孫は、そりゃ可愛いよ。でもさあ…
愚痴の始まりになる。

No.163

>> 162 奈緒美にも、今年の早春に子どもが生まれた。

そして、なるべく話題にしないようにしていた同居の話が、にわかに浮上してきた。舅が強く望んだのだ。

No.164

>> 163 実家のように二世帯住宅を建てると言う話も出た。しかし、夫の実家は、ふた家族が住むには丁度よい広さもあり、なんと言っても、夫の会社まで近距離だった。

No.165

>> 164 奈緒美が初めての子を育てるには大変だと言う大義名分も付け加えられた。

No.166

>> 165 奈緒美も、やはり不安だったのだろう。うやむやのうちに、同居とあいなったのだ。

No.167

>> 166 姑も飛び上がらんばかりに喜んだ。

奈緒美の心の内なぞ、これっぽちも尊重されなかった。

No.168

>> 167 実家にも帰りずらく、また同居のストレスも重なった。夫の家族にとっては、初孫である。しかも男の子だと言う事もあり、義母は先輩ママとして、家の中心として君臨した。

No.169

>> 168 同居に際しお互いのルールを決める事になったが、義母の思い通りのルールだった。

No.170

>> 169 ダイニングキッチンはひとつ。お風呂もひとつ。

唯一、トイレだけは2箇所ある。

居間も、義母の好みで埋め尽くされていた。

奈緒美夫婦は、二階の夫が子どもの時に使っていた、六畳間と四畳半。それが奈緒美の家であり、そこで一生暮らす事になる。

No.171

>> 170 二階の部屋はもうひとつ六畳間がある。そこは、義父母の部屋だった。

No.172

>> 171 夫の物が六畳間にあふれていた。夫が小さい頃から住んでいるのだから仕方ないのは仕方ない。

しかし、赤ちゃんはすぐに大きくなる。いずれ自分の部屋を持ちたがるだろう。

No.173

>> 172 嫁に嫁いで、何がストレスになるのか?

それは、自分の居場所がない事…

No.174

>> 173 ダイニングキッチンにも、それは当てはまる。

冷蔵庫の中は義父母の食べ物で溢れかえっていた。

No.175

>> 174 後悔先に立たず…

奈緒美は、一週間も過ぎた頃から、それを痛感した。

No.176

>> 175 まず我が子が義父母のおもちゃのように扱われる。

あれこれと着せ替え人形のようになった。

生まれて、まだ6ヶ月である。

No.177

>> 176 最初に腰を抜かすほど驚いたのは、まだ授乳中だと言うのに、姑がベビー用のお菓子をたべさせようとした事。姑をママと呼んでねと、まだおしゃべりも出来ぬ赤ちゃんに、囁くように何度も。何度も。言っていた事。

No.178

>> 177 我が子が、ぐずりはじめると待ってましたとばかりに、リビングにいた義母が飛んできて、奈緒美が授乳する準備をしている間に、かすめ取るように抱き寄せて、階下に行ってしまった。

No.179

>> 178 キッチンには粉ミルクがあった。

奈緒美は、立派に授乳出来るほどの乳房をふたつも持っている。

No.180

>> 179 この時ばかりは、奈緒美も母親の威厳を持ち、義母に抗議をした。

No.181

>> 180 その晩は大変だった。義母は舅に泣き叫びながら、奈緒美を罵る。

今度は、夫の帰宅を待って夫が家に帰るや否や、昼間起こった事を、大袈裟に帰る泣きながら文句を言っている…

No.182

>> 181 毎日、毎日、義母と顔を付き合わせ昼間は、我が子と奈緒美と義母だけだ。

No.183

>> 182 入浴の時も大騒ぎをする。
まず風呂の順番から始まって、誰が浴室を掃除するか?まで、事細かに指示を出す。

No.184

>> 183 入浴をすれば洗濯物が出るのは当然だ。

赤ちゃんのベビー服は、私が買ってやったものだから高級品なのだからと義母は、張り切って洗った。

No.185

>> 184 自分の夫である舅のものは、奈緒美さん洗濯してね。嫁なんだから当然。

私のものには、触らないでね。手垢がつくからね。

えっ?

No.186

>> 185 義父母は、まだ五十代。
健康そのものだった。

奈緒美の夫、義母にとっては息子。若くして授かった子どもだった。

No.187

>> 186 一事が万事、この生活。

義母、中心。家が廻る。

No.188

>> 187 夜は夜で夜泣きをしないように気を使う。

奈緒美は、結婚前はとある出版社に勤めていた。OLとはまた異なり、自分で企画した原稿やモニタリング中心のコラムなどを手掛け、それなりに有望株でもあった。

No.189

>> 188 退職したのは彼だった夫のひと言だった。

俺が幸せにする。奈緒美は、働かなくとも充分に生活させるから…

夫は、それなりの名の通った大手の会社に勤めている。地位も本社にいる限り平均的なサラリーマンよりも給料はよい。

No.190

>> 189 夫と知り合うきっかけになったのは、広報担当の部署の人が外注を、初めて奈緒美の会社に依頼しコラムを掲載するために夫の会社に訪問した時に、彼と出会ったのだった。

  • << 192 職場に戻りたい。 奈緒美は、自分の選んだ道が途方もない事を思い知らされた。 結婚って? こんなにも苦しくて、惨めで悲しいものなの?

No.191

続きます…

No.192

>> 190 夫と知り合うきっかけになったのは、広報担当の部署の人が外注を、初めて奈緒美の会社に依頼しコラムを掲載するために夫の会社に訪問した時に、彼と出… 職場に戻りたい。
奈緒美は、自分の選んだ道が途方もない事を思い知らされた。

結婚って?
こんなにも苦しくて、惨めで悲しいものなの?

No.193

>> 192 同じ生活空間にいながら、まったく違う世界の人たち。それが義父母。

もう嫌だ。
耐えられない…

No.194

>> 193 さあさ、今日もママと一緒にお風呂に入りましょうね~

孫に向かってママと言う姑。背筋が寒くなる…

No.195

>> 194 三食の食事作りは、嫁である私がやるべきだ。と、キッチンの事をいろいろ説明された。

戸棚の中にある乾物類は、賞味期限を半年もすぎているものもあった。

買い出しは、勿論私の仕事になった。

No.196

>> 195 後部座席にはチャイルドシートがある。車でしか行けない遠いスーパーに、子どもを乗せ毎日、買い物に行った。

これが、一番の気分転換だった。

No.197

>> 196 車は、3台。夫と舅が乗る車。そして、私が独身時代に購入した。軽。

買い物の時、姑は、子どもを置いていけと騒いだ。

No.198

>> 197 あんたが買い物中は、私が子どもの面倒をみるからと。

とんでもない!
姑に預けたら何をされるか分かったものではない。

No.199

>> 198 スーパーの近くには、子どもを遊ばせるには丁度よい公園がある。

まだ、お座りしか出来ぬ我が子ではあるが、レジャーシートを敷き、そこでつかの間の親子だけの時間が取れる。

No.200

>> 199 少しでも遅くなると、携帯が鳴りっぱなしになる。勿論、姑からだった。

いつまでも、こうしていたい…
あの家には、帰りたくない。涙がこぼれた。

  • << 201 同居して二ヶ月。もう限界をとっくにすぎている。 顔も声も聞きたくない。見たくない。 奈緒美は心の奥底から、そう思った。
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