私の過去と恋愛年表
小説…初心者の者です。
三十路を目前に、今まで自分の人生を振り替えってみたいと思い投稿しました。
他愛もない人生…
でも、恋愛も幾度となく繰り返してきた…
誤字、脱字はもちろん途中で文章がおかしくなる部分もあると思いますが、暇潰し程度に読んで頂けたら嬉しいです。
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友達はすぐに出来たものの、寮生活を送る私は完全にホームシックになってしまった。
ひとりで泣くこともあった。
そんな生活に私は慣れていくことになるのだが、1年のうちは何とも肩身が狭いものだった。
人生で初めて、親のありがたみを感じることが出来たのはこの頃だった。
私が入学した家政学科は女子だけのクラスで、昔で言えば【将来の農家のお嫁さん】を育成する学科だ。
当然、この高校に入学してくる男子は農家の跡取りが多かった。
この1年間は何とか耐えることは出来た。
高校2年の春
ある先生が私の視界に飛び込んできた。
簿記会計の茂樹先生。
長身でがっちりとした体格。
色黒で眼鏡をかけている。
非常勤講師だが、生徒からはシゲちゃんとの愛称で親しまれていた。
年齢は当時27~28位だっただろうか…
私は選択教科で簿記会計の授業を選んだ為、このシゲちゃんと出会った。
シゲちゃんは事業の合間に雑談をよくしてくれた。
特に私の好きな【怖い話】を語ってくれた。
シゲちゃんは霊感があり、今まで幾度なく心霊体験を経験したと言う。
シゲちゃんのリアルな恐怖体験の話は生徒達を怖がらせていたが、当の本人は笑い話をする感覚で語ってくれた。
そんなシゲちゃんのどこに惹かれていたのかは当時はよく分からなかったけど、今思えば、シゲちゃんは貫禄があり私はそこに心惹かれていたのだと思う。
ある日の簿記会計の授業
シゲちゃん
『今日の授業はここまで。あ、まだ時間があるなぁ~何か聞きたい話はあるか?』
私 おもいっきり挙手をし『先生の怖い話が聞きたいでーす(*^O^*)』
シゲちゃん
『○○さん(私)は怖い話が好きなんか?笑』
私『はい!好きです 笑』
(本当は先生が好きですっ!!!)
心の中では、そう…思っていた。
週に一度のシゲちゃんの授業が楽しみだった。
授業中はシゲちゃんの顔ばかり見ていた。もちろん、真面目に授業を受けしっかりノートも録っていた。
友達にはシゲちゃんが好きだなんて言えなかった。
ひとりでシゲちゃんの事を考えていては、想いをふくらまかしていた。
妄想もしたか、ひとりでニヤニヤするのはさすがに気持ち悪いかなと思いつつ、表情は抑えていた。
(シゲちゃん…彼女いるのかなぁ…)
私が高校2年(17歳)だから、シゲちゃんの年の差は約10歳で…普通に大丈夫じゃないか?
あのシゲちゃんの大きくて強そうな腕…
あの腕に抱かれたら、どうなるんだろう…
等と頭の中でモワモワと考えていた私は
この頃から度を越えたスケベだったのだろう。私はこの頃から腕フェチだった。
周りの友達は校内恋愛をしたり地元に彼氏がいるような娘ばかりで、女の子だけのクラスならではの話で盛り上がる事が多かった。
特にエッチな話が多かった。
初めては痛いだの
どこでしたかのだの
エッチでイッタのだのイッテないのだの
皆、それなりに経験してる様で、私はそんな話が出来なかった。
彼氏もいなければ、まだ経験もしてなかったから。
そもそも、エッチとか嫁入り前にするものだと思っていた。
男の人のを見たり、自分の体を見られたりするのは恥ずかしい。
でも、今では思う…
お互いに好きだったら、恥じでも何でもないということ
シゲちゃんは毎朝片道2時間かけて通勤しているらしい。
先生達の駐車場は校舎の中庭にあるのだが、私のクラスがある校舎は中庭側で、しかもシゲちゃんは私のクラス側のスペースにいつも車を停めていた。
運が良い時には、窓から中庭を覗けばシゲちゃんを見かけることが出来た。
シゲちゃんを見れるのが密かな私の楽しみだった。
また、シゲちゃんは簿記会計の授業の他にも農業実習の担当もしていた。
一度だけ、シゲちゃんと農業実習をしたことがあった。
学科の男子達と楽しそうに話ながら収穫物の品分けをするシゲちゃんを見て私はうっとりしていた。
シゲちゃんは先生というよりは友達感覚で生徒から慕われていた。
(何か話しかけたいけど、何を話しかけたらいいか分かんないよぉ(-_-))
そんなことを思っていた時、シゲちゃんが私に話しかけて来てくれた!!
シゲちゃん
『○○さん(私)、何だか眠そうだね。疲れてる?笑』
私『?!!!!!え?大丈夫ですよ(@ ̄□ ̄@;)!!』
動揺した私をみてシゲちゃんはニコニコ笑っていた。
(あぁ、シゲちゃん…笑顔が素敵)
なぁんて思っていたら、私と一緒に農業実習に参加してた友達が
『みなこ、ぼーとしすぎじゃない?笑』
等と私に突っ込みを入れてきた。
シゲちゃんに見とれてた…なぁんて事は言えず
私『そうかな?普通だよ?笑』
恥ずかしいと思ったけど、シゲちゃんから話しかけるた私は嬉しくて嬉しくて堪らなかった。
そして夏休み
私の夏休みは殆どが部活だった。
中学の時からやっていたバドミントンを高校でも続けていた。
あんまり上手くはなかったし、夏場のトレーニングはかなりきつかったけど、友達とワイワイやったりそれなりに楽しく過ごしてた。
外のランニングは学校から海までの約3㌔の道のりを炎天下の中を走り、海に着けば浜辺をトータル10回はダッシュする。
いつも部活動を終えた後は気力を無くしてた。
私は夏休みは登校日と農業実習の日以外は実家に戻っていた。
部活は実家から通っていて、バスで行ったり時々、自転車で行ったりもしていた。
そんなある日の夜
この日は久しぶりにビデオを借りに行こうと、実家近くのレンタル屋まで自転車で向かった。
そのレンタル屋はコンビニが隣接していて甘党の母から何か甘いものを買ってきて欲しいと言われ、コンビニにも立ち寄った。
しばらくコンビニの中をブラブラして帰ろうとした時、私の向かい側から原チャリに乗ったチャラチャラした男が来た。
その原チャリの男とすれ違った時…一瞬
(……あれ…?見たことある顔…)
と、私は男を振り返る。
カズ君だった。
カズ君も私の事に気がついていた。
カズ君『あれぇ?みなこさんじゃねぇ?久しぶりぃ(*^O^*)何してんの?』
中学校の頃は坊主頭だったけど、この時のカズ君は長髪ヘアーでまばらの金髪だった。
背も少し伸びた感じでややふっくらした様にも見えた。
いきなり、カズ君とバッタリ会ってしまったので緊張してしまった。
私『カズ君こそ、久しぶりだね☆何か印象変わったね 笑今は何してるの?高校は?』
カズ君『俺、今ねプータローだから 笑
高校?俺が行くわけねーじゃん(((・・;)』
私『そうだね 笑中学の頃も、あんまし学校きてなかったもんねカズ君は 笑』
カズ君『だろ?笑 みなこさんは高校行ってるんだっけ?』
私『うん~行ってるよ(-。-)y-~しんどいけどね 笑』
こんな感じで、カズ君と立ち話をした。
夜も遅かったので、私からじゃぁねとカズ君から別れたのだか、私は馬鹿だった…
(カズ君に番号とメアド聞けば良かった…)
カズ君と会えた事が嬉しかった。
この時はカズ君に対して特別な感情はなかったけど、心の何処かで
(また…カズ君に会えるといいなぁ)
と、願ってる自分がいた。
そして2学期が始まり、夏休みに見かけることが出来なかったシゲちゃんの姿にうっとり…
同じクラスのめぐちゃんは、シゲちゃんとは別の学科の先生のことを気に入っているらしい。
その先生はイケメン枠に入るくらいの格好いい先生で、年はシゲちゃんと同じくらい。
芸能人で言えば池内博之が顎ひげを少し伸ばした風の容姿の先生だ。
めぐちゃんは友達に『あの先生、超かっこよくない?!!笑 私何かあの先生好きなんだけどー』
と言っていたので、めぐちゃんにだったらシゲちゃんが好きだと言うことを打ち明けても大丈夫だろうと思い、ある授業中にめぐちゃんにシゲちゃんのことを話した。
でも、この打ち明けたタイミングがいけなかった。
私は、こっそり…めぐちゃんにシゲちゃんの事を話した。
ここまでは良かった。
だか、私が予想以上な事を打ち明けた為にめぐちゃんがびっくりした。
つい、大きい声が出てしまったのだ。
めぐちゃん
『えーーーっ?!!みなちゃんてシゲちゃんが好きなのーーーっ?!!』
もちろん、クラス全体に聞こえ、結果…皆に知られてしまうこととなった。
皆だけなら良かった。
授業で教壇を立ってた学科の先生にまで知られることになった。
先生『なんだぁ○○(私) お前、茂樹先生が好きなんか?笑』
先生はニヤニヤ顔で、私にそう聞いてきた。
私『いゃいゃ(汗)違いますって!!』
そんな焦る私をよそにクラスの皆が笑いながら『ヒューヒュー(*^O^*)☆☆☆☆』
と、私を冷やかす。
(あぁ…穴があったら入りたいよ…)
私の感情は恥を通り越していた。
それからというもの、シゲちゃんを校内で見かける度に友達から冷やかされることとなった。
でも、冷やかされようがからかわれようがシゲちゃんが好き!!
でも、そんな私の思いとは裏腹に2学期の半ばを過ぎた頃には、シゲちゃんの姿を見かけなくなっていた。
シゲちゃんは非常勤講師で、前に自分のことを『俺はバイトみたいなもんだから 笑』と言っていた。
だから、シゲちゃんはこの学校に居られる期間が決まってる。
私は毎日、シゲちゃんの姿を学校で探した。
この…今の気持ちをシゲちゃんに伝えたいとも思った。
今の段階でシゲちゃんと私は教師と生徒
付き合える訳がない…けど、もし…私が高校を卒業したら、先生…私を彼女にしてくれるかな?
そんな事を思っていた。
シゲちゃんの事を忘れようかと考えていた…
私の高校生活は
寮≫学校≫部活≫寮
こんな繰り返しの毎日。
ごく普通の高校生であれば、学校が終われば、友達同士で街をブラブラしプリクラなんぞ撮ってキャーキャー言いながら帰宅するものだと思っていたが、私の高校生活は何ともシビアなものだった。
学校が終わって遊んだことなんて一度もしたことない。
何とも地味な高校生活…
そんな毎日だったけど、皆で楽しくやっていた。
試合で遠征に行った時は夜の街を皆で歩きプリクラも沢山撮った。
夜遅くまでキャーキャー言っていた。
楽しい思い出はこれくらい。
シゲちゃんが学校からいなくなり、私の恋も終わった。
簿記会計の授業はシゲちゃんの後任に年配の先生が受け持つことになった。
もっと沢山シゲちゃんに話しかけれは良かった…
ダメ元でもいいから、シゲちゃんに気持ちを使えれば良かった…
私は後悔ばかりしていた。
そんな寂しさは時間が解決してくれた。
私は、それから高校を卒業するまでは恋はご無沙汰だった。
私は何故だか、いじられキャラで、友達や部活仲間、そして他の学科の男子におちょくられる事が多かった。
いじめ等ではないのだが、友達いわく私の反応(リアクション)が面白いらしい。
良い意味で可愛がられていた。
最初はそんないじられる自分が嫌で嫌で仕方がなかったのだが、ある友達が言うには『みなこにしかないキャラ』だと。
そう言われて、嬉しかった。
それまで私は、馬鹿にされていると思っていたから。
そして高校2年の秋
私が一番好きな季節がやってきた。
当時はまだ週休2日制ではなく、私は2週間に一度は実家に帰省していた。
1年生の頃は母に迎えに来てもらっていたが、部活動もしているので2年になってからはバスで帰省する事が多くなった。
さすがにこの時期は夕方5時を過ぎると薄暗くなり、私がバスに乗る6時には辺りは暗くなっていた。
私はこの時間の星空を、眺めながら帰るのが好きだった。
バスの中ではカセットラジカセで音楽を聴き疲れた体を休ませていた。
当時よく聴いていたのは【宇多田ヒカル】【浜崎あゆみ】
高校から地元の停留所までは約30分の道のり。停留所から実家までは徒歩で15分。
帰り道、実家の近くに街が見渡せる丘があるのだが丘から街を眺めることも好きだった。私の地元は田舎なので街も小さいけど、帰ってくると心が落ち着いた。
こんな事…恥ずかしくて友達に言ったことなんてない。
暗い夜道を帰り、実家に着いた。
私『ただいまぁ』
母が出迎えてくれて
母『あら、お帰り~今日も部活してきたんね?えらく帰りが遅いがて思ってた所やったわ~先にお風呂入んないよ。』
台所からは夕飯の良い匂い…
私『お腹すいた~早く御飯食べたぁい』
母『まだダメよ 笑 御飯は お父さんとお兄ちゃんが帰ってきてからよ』
当時の私の家は
父は単身赴任
兄は大学生で家を離れて独り暮らし
私は高校で寮生活
母は家で独り暮らし
家族みんながバラバラだった。
父と兄は住んでる所がお互いに近いと言うこともあり、週末になると一緒に帰ってきてた。
家族が揃って食事をするのが私の実家では当たり前だった。
そして高校3年生の春
(いよいよ3年かぁ…)
何て思っていると新入生が入寮してきた。
そして、卒業後の進路を決める時期でもあった。
この頃の私は興味がある仕事が幾つかあった。
やりたい仕事
その①ペットトリマー
犬が大好きだから。私は幼少期に何度も犬に噛まれているのだが、何度噛まれようとも犬は大好きだ。
だから、トリミングの学校に行きたいと思いながらも独り暮らしなんて出来たらいいなぁと考えていたら、父に即効反対された。
その②
マッサージ師
私は、時々友達にマッサージをしていた事もあり、この仕事にも憧れを持っていた。
結局どれも親には反対されるのだが、両親からは他所に私を出すつもりはないのだと言われた。私の地元は田舎なので、当時は進学するとなると親元を離れるケースが多かった。
簡単に言えば私には地元で就職して、地元で結婚して欲しいから、もし進学するにしても独り暮らしなさせられないとの事。
この両親の考えも理解は出来た。
両親が私にこう願うのは、私がひとり娘ということもあった。
私が、進路の事で悩んでいたら叔父が
『みなちゃんは女の子だから、いずれは結婚もしないといけない。まだ高校生だから早いとは思うけど、みなちゃんが良ければ誰か良い男性を紹介するよ?』
と言われた。
叔父の言葉に一瞬…びっくりしたのだが、さすがの私も、それは断った。
そんなある日
実家に帰省していた時の事
夕方、友達のゆうこちゃんからメールが届いた。
【みなこぉ、久しぶり☆元気にしてる~?高校と寮生活はどう?私の高校は勉強ばっかりで退屈だよ~カズの事覚えてる?カズがね、みなこの携帯の番号とメアド教えて欲しいって言ってるんだけど私から教えても大丈夫かな?】
カズ君が…………?
ゆうこちゃんからのメールの内容が凄く嬉しくて、すぐに返信した。
【ゆうこちゃん久しぶりだね☆カズ君の事は覚えてるよ~私の教えて大丈夫だよ~】
ゆうこちゃんとは高校は別々だけど、中学校を卒業してからも何度か会ったりはしていた。
私は農業高校に通っているので、入学して初めて授業で栽培したスイトコーンをゆうこちゃんに持っていた記憶がある。
そして、しばらくして私の携帯が鳴った。
知らない番号…カズ君だと、すぐに分かった。
『もしもし…』
『もしもし~みなこさん?俺、カズだけどぉ元気?』
『うん。元気だよ☆カズ君は元気?そういえば去年コンビニで会ったりよね 笑あれ以来だね☆カズ君は相変わらず元気そうやね☆』
この時…私はかなり緊張していて、携帯を持つ手と声は震えていた。
カズ君はただの同級生なのに…何でこんなにも緊張するんだろう。
『俺、今超ヒマだからさ、良かったら時々メールしたりしない?笑』
『良いよ』と言いたかった…
私の高校は携帯所持禁止で先生にでも見つかったら取り上げられる。
私は寮にいる時だけは母に携帯を預けていた。
その事をカズ君に伝えた。
カズ君『マジでぇ?笑みなこさんの高校厳しくね?でもさ、家に帰ってる時は携帯持ってるんやろ?そん時で良いからさ、連絡して?』
私『うんうん☆するよ 笑』
それからというもの、実家に戻ってる時だけカズ君とメールをしていた。
学校の事や部活や寮の事。3年生なので卒業論文を作成しないといけないというような話をした。
カズ君は自分の事をあんまり話さない方で、いつも私の方がベラベラ話してたぐらいだ。
私『カズ君て、今彼女いるの?笑』
カズ君『彼女はいないよ~みなこさんは?彼氏いる?』
私『彼氏なんていないよ( ; ゜Д゜)いるわけないよ~じゃ、今はカズ君も私もフリーだね 笑』
カズ君『だな。お互い寂しいね 笑』
自然に、こんな話もしていた。
(カズ君…彼女いなんだ……私と付き合う……?いやいや、一度振られてるしカズ君とは友達までだろうなぁ)
と思っていた。
また、カズ君を好きになることないと思っていた。
この時は…
6月に入り、高校総体を最後に私は部活を引退した。
部活はキツかったけど、それなりに楽しんでいた。
部活を引退した時、友達のゆりちゃんが私にこう言ってきた。
『みなちゃん、楽器とか興味ない?』
ゆりちゃんは吹奏楽部に所属していて、人数も少ないとの事で、ゆりちゃんは私を勧誘してきた。
私の友達にはあと二人吹奏楽部に所属している娘がいる。
ゆりちゃんの誘いに【考えとくね】と返事はしていたが、さすがに部活を引退すると放課後が暇になった。
そこで、私は見学だけでもと私はゆりちゃん達に連れられて吹奏楽部にお邪魔した。
吹奏楽部はもちろん音楽室で活動していて、教室の後ろには楽器が沢山置かれている。
顧問の先生は時々来る程度らしく、先生が居ない時は、個人で練習しているとの事だった。
ゆりちゃん達が
『みなちゃん、何か好きな楽器ある?』
私『う~ん分からない(((^^;)』
私はそれまで楽器なんて扱った事がなく、小学校の時に習ったリコーダーにはいつも悪戦苦闘していた。
恥ずかしい話…楽譜は読めないし、音感なんてない。おまけに私は音痴。
その事をゆりちゃん達に伝えると
『みなちゃん、そんなに気にしなくていいよ 笑 私だって最初は楽譜は読めなかったし、それに今だって分からない所は沢山あるよ』
(そんなもんかなぁ……)
とりあえず、色んな楽器を鳴らしていた。
そこにゆりちゃん達が
『みなちゃん、そういえばね、トランペットの人数が足りてないんだけど、トランペットやってみない?』
と言って、トランペットを倉庫から出してきた。
(トランペットなんて、なんだか難しそうだなぁ)
と思いながら、ゆりちゃん達から吹き方を教わった。
この見学を期に、私は吹奏楽部に入部することとなった。
吹奏楽部に入ったものの、この時期は進路を確定しなくてはならない時でもあった。
色々悩んだ…
両親は地元で進学することを望んでいる。
担任からは、これから進学.就職するにも資格をどんどん取りなさいっとまで言われていた。
そんな時、母の叔父から医療福祉の学校を薦められた。
以前、叔父がその学校で講師として赴任していたしく、叔父が私を学校に紹介してくれると言うのだ。
この話に両親も賛成しており、私も元々おじいちゃんおばあちゃんは好きだし、介護福祉に興味が無いわけでもなかった。
しかも、その学校は実家からはかなり近い距離にあった。
さっそく担任に相談したところ、推薦枠で、その学校を受けることとなった。
注:)コネ入学ではありません。
試験は10月の中旬に行われる。
推薦だから、試験は作文と面接だと聞いた。
それまで私は吹奏楽部で楽しく過ごす事が出来た。
予想以上にトランペットは難しかった。
(ドレミファソラシド…)は何とか出来る様にはなったが、それ以上の高い音を出すのに苦戦していた。
友達のゆりちゃん達は、初心者にしては上出来だよっと言ってくれた。
少しずつ部活の娘達とも打ち解けてきた。
2年生のはるかちゃん、はるかちゃんは次期部長になる娘で色白で雰囲気がふんわりしている。
そんな、はるかちゃんから
『前から思っていたんですけど、みなこ先輩は可愛らしくて先輩と話してると何だか和んでくるんですよ。』
と言われた。
『いやいや、全然可愛くないよ(゜ロ゜;
はるかちゃんの方が可愛いし(^∀^)>』
はるかちゃんの言葉がかなり嬉しかった…
そんな事を聞いていたゆりちゃん達が
『そうそう☆はるかちゃんね、みなちゃんの事ずっとそう言ってたんだよ。だから私がみなちゃんが吹奏楽部に入ってくるかもしれないよってはるかちゃんに話したら、凄く喜んでたんだから 笑』
そんな事を聞いた私は照れながらも、涙が出る程嬉しかった。
少しずつ他の子達とも打ち解けてきた。
私とトランペットを担当している谷口君と高瀬君は1年生なのだか、2人とも私と同じくトランペットは初心者らしい…が、呑み込みが非常に早い2人は大会に出場できる程の腕前で、私は2人にはとてもついてはいけなかった。
一見、クールな2人かと思いきや、慣れればいじりあいをしていた。
私は、この頃から後輩からもいじられるようになる。
私を一番いじる後輩…クラリネットの杉もっちゃん。
草食男子でチワワ似。だから部活ではみんなからチワワと呼ばれていた。
この杉もっちゃんとは実習活動も何度か一緒だったこともあり、校内で顔を合わせることが多かった。
私に対しては怒らせるような事ばっかり言ってくるので、よく杉もっちゃんを追いかけ回していた。
はたから見れば、じゃれあってるように見えたらしい。
当の私は『このクソガキがぁ(*`Д´)ノ!!!』と言いながら本気モードで杉もっちゃんを追いかけていた。
学校は楽しかった…けれど、この頃からカズ君とメールが出来なくなっていた。カズ君にメールを送信してもエラーで返ってくる。
(どういうこと…?私、カズ君に何か悪い事言っちゃったのかな?)
(私、嫌われちゃったのかな…?),
ただただ、それだけが不安だった。
電話をかけようと、カズ君の携帯番号を押そうとしたが、カズ君の反応が恐くて…リダイヤルボタンを押せず。
心の中がモヤモヤした。
思えば、メールでも電話でも私がいつも一方的に話をしていて、カズ君はずっと私の話をうん、うんと言いながら聞いてくれてた。
(もう、私の話を聞くのが嫌になったんだろうな…)
後悔だけが残っていた。
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