2011年中は甘えさせて
貧乏ながらも楽しい家族。
数年前に夫が間違って私に送ってきた違う女性あてのメール。
うやむやにしてがんばってきたけど完全なセックスレス。毎日遅い帰宅。
仕事がんばってるのね。
来年小学生のこどもはパパ大好き。
ダンナのかばんの中から見覚えのない高そうな名刺入れ。
他の名刺と別のポケットにダンナの会社の後輩の名刺。
「ずっと大好きです。すべてがうまくいきますように。」
「愛してます。これからも隠し事なしで仲良くしていきましょう。」
かわいい字でメッセージあり。
手が震えて、心臓がバクバクいってる。
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夫は私の気持ちをフォローしてくれなかった。
私は夫の為に努力することをやめた。
夕飯は作るけど、帰宅が遅ければ自分で温めて。
お風呂いくときは着替え自分で用意して。
愛してくれない人を愛せないよ。
私に何か問題があるの。
私、知らないだけでものすごく臭いとか。
痩せすぎで気持ち悪いとか。
パートで仕事をしている私は身なりも気を使っていたし、同年代の人より肌も髪も若さを保ってると思う。
なんなの。
なにが悪いの。
「おまえは何も悪くないよ」
夫は言う。
じゃあなんで私の気持ちに寄り添ってくれないんだろう。
メールの人とはまた違う人。
私は彼女に会ったことがある。夫の会社の家族ぐるみのキャンプなどで。
太めで、目が小さく、おとなしそうで、たばこを吸っていた。あかぬけてないけど、従順そうで、仕事はできそうな人だった。
今思えば、うちのこどものお世話をやたらしていた。
今年のキャンプは夫が「おれがこども連れて行ってくるから、おまえは1日自由にしてなよ」と出かけて行ったっけ。
今思えば私がいたら邪魔だったんだろう。
名刺入れをテーブルの上に出し、夫に言った。
「これはなに」
「自分で買ったんだよ」
1万円しないノーブランドのお財布を買うのにグズグズ迷う人が、バーバリーブラックレーベルの名刺入れか。
そう言えば、もっと前にポールスミスのバッグも車に隠してたな。
私はわかっていたけど、わかりたくなくて、ずっと自分をだましつづけていたんだよ。
名刺入れから例のメッセージ入りの名刺を抜き、ばんばんとテーブルに並べた。
「あなた、Aさんと付き合ってたの」
夫の顔色はみるみるかわり、「違う…違う…」と言っていたが、もうムリだと悟ったのか、キッと鋭い目つきをして、「ああ、そうだよ。おれだってつらかったんだよ」
夫の言い分。
彼女との付き合いは1年半。セックスレスに耐えかねて。
私が夫の容姿をバカにする。
男として見てもらえない。
家がかたづいていない。
お金の工面がつらい。
仕事がつらい。
私がなにかあると離婚離婚言う。
努力が足りないことばかり言われるが、自分は子育てにも熱心で、こどもと嫁をいちばんに考えてきた。
私の言い分。
私には持病があり、簡単なことができなかったりする。きついときもあり、夫は家事よりも体を大事にと言ってくれていたし、最低限のことはしている。
平日帰りが遅い。たまに早くてもパチンコ。お金なくてもなぜか飲み会。(今思えば彼女と会っていたんだろう)
土日こどもが泣いて引き止めてもパチンコ。(あまりに強引だった日はやはり彼女と会っていたのかも)
妊娠中、入院した私に付き添ってくれなかった。
メールの女性のこと、納得いく説明がなかった。
私は自分の気持ちを伝えてきたけど、うやむやにされてばかりだった。
離婚離婚と安売りしていない。夫が向き合ってくれないので離婚を真剣に考えていたけど、それでもうやむやにされた。
今回私は理由がわかってむしろスッキリした。
「もう離婚だね」
「おう。離婚だ」
タイミングよく夫の母から電話がかかってきた。
「お母さん、お話があります。
○○さん(夫)に女性がいました」
「えっ…○○に…ばかなことをして、だねこさんは知ってたの?」
「ずっとなにかあるなとは思っていたので…今からそちらに行きます」
夫は母子家庭で育っている。
私は二十歳のとき両親が離婚して父しかいない。
お母さんは子どものためにこらえて欲しいと言った。
「お母さん、言ってなかったけど、これで2度目です」
お母さんはすごく驚いていた。
「お母さんを見て育ったのに、あんたは…」とお母さんは夫を責めた。
夫は憮然とした顔で「ああ、全部オレがわりぃんだよ」
そのときこどもが
「パパとママ、りこんするの?わかれるの?」
涙がにじんだ。まだ6才。とてもかわいい子。
「○○(こども)、パパとママは別れても、パパはずっと○○のパパだ。いつだって会える。今度の休みは公園に行こう。絶対約束だ。」
「ちょっと、勝手な約束しないで。」
「オレには権利がある。」
ちなみにお母さんは夫を父親に会わせていない。別れた父親が別に家庭を持ちこどもができたり、関心が薄れこどもに会いに来なくなったり、こどもの心を傷つけることもあるかもしれない。
また、毎週当然な顔で会いに来られたら、私たちは前向きに新しい暮らしができない。
夫にそんな想像力はない。
お母さんは「今からだねこさんの家に行きます。お父さんにおわびしなければ。」
夜も遅いので止めたが、みんなで行くことになった。
私は途中、車の窓を開け、結婚指輪をぬき、窓から捨てた。
思えばこれも自分で買ったものだったけど…。
あらかじめ父には連絡しておいたので、戸惑い気味の表情で待っていた。
「出戻ってきたよー」私は明るく言ったけど、つらい。
「あらすじはねー、会社の後輩の女の子と1年半お付き合いしてるんだってー。ちなみに言ってなかったけど、うちに2人目できないのはできるようなことを全くしていなかったからだよ~」
父は1度目のメール騒動のときは夫をかばった。
今回は1年半と期間が長く、相手が会社の女性というのがあんまりだと父は言った。
経済力もなく、妻子も裕福な暮らしをしているわけでもないのに浮気か。
だねこはだめなところもあるし気の強いところもある。
だけどこどものことは頑張ってただろう?
ほかの男に色目を使うような女でもないだろう。
家庭だけを見ていたじゃないか。
私はまた涙が出そうになった。人に言われて気づいたけど、私ホントに家庭だけを見てたのにな…。
私の母は男ができて家庭を捨てた。
その後何度も「会いたい」と言ってきたが、会ってもないし何のリアクションも返してない。
何かを得れば何かを失う。家庭を捨て男を得た母。その幸せの下には私たちの涙がある。私はもう母の人生の喜びにはならない。
私のおいたちは夫もよく知っている。
「彼女と関係をもったときに、こどもに一生会えなくなるとは思わなかったの」と私は夫にきいた。
「ハッ?言っとくけどオレはこどもにあうからな。」
「お父さん、だねこさんには何を言ってもムダです。女とは別れます。でもだねこさんともムリです。」
私と夫はにらみ合った。
悲しいかな、夫の口から私への未練や引き留めるような言葉は出なかった。
「明日はどうするの」
「オレ仕事休まないから。またいつか来るわ。」
「じゃ、次は離婚届を持ってきて。」
「ハイ。いつかわからんけど。」
お母さんはひたすら謝り、「しばらくだねこさんとこどもをこちらで預かってください」と言って、2人は帰っていった。
2人が帰ったあと、父はふーっとため息をついた。
「お父さん、私は相手の女性に会うつもりはないんだけど、内容証明を送って慰謝料請求しようと思ってる。彼女は独身だし、金額うんぬんより親御さんに知ってもらいたい。そして私は離婚するよ。」
こんなことやりすぎとか、離婚考えなおせとか、父は反対だろうなと思った。
父は
「お父さんもそれがいいと思う。」
意外にも父は賛成してくれた。
「○○くん(夫)の態度は良くないね。離婚は調停にした方がいい。彼は信用できない。決めごとには法的な拘束力をもたせた方が安心だ。」
あんな態度だから父からの信頼もなくしたんだよ。
情けないかな、私は夫を本当に愛していた。向き合ってほしくていろんなことをした。勘違いな努力もした。
だけど
「だねこさんとはムリです」
夫からの強い拒絶の言葉と目つき、バカにした態度。
吐きそう…。
その日は眠れなかった。当然か。
彼女と夫の生々しいシーンが浮かぶ。
彼女のメッセージ。
すべてがうまくいきますように
私がいなくなれば、夫は彼女と結ばれる。こどもは彼女になついているから、こどもも大好きなパパと一緒にいられる。
まあ、私はそれでしんであげる程、お人好しではないんだけど。
次の日、天気が良く、外仕事の父は仕事日和だったけど仕事を休んだ。
かばんにむぞうさに詰めてきた着替えは足らないものが多かった。父は財布から5万数千円を抜き、「だねこ、お金持ってないだろう。これを使いなさい。足りないものは買いなさい。」と言ってくれた。私は「お父さん、あの人仕事行ったろうから、今のうちに着替えとりに帰ろうかと思う。お金はありがとう。でもこんなにいらない。」と私は数千円を今後の実家での食費として頂いた。
お父さんと私、こどもで家へ向かった。
家と実家は車で高速を使い1時間というところ。結構遠い。
家ではお母さんが掃除をしていた。お母さんはあわててお茶を沸かし、また昨日のことを詫びていた。
「着替え、取りに来ただけですから」
私の下着、こどものパジャマ、持病の薬…
そして彼女からうちに届いた年賀状と印鑑。住所ゲット。
お湯が沸く前に私たちは退散した。
帰りにユニクロに寄りフリースのパジャマを買った。自分のはずっと買えなかったから。ワンピースタイプのフリースにモコモコのレギンス。
こどもにもフリースのパジャマとフリースのジャケットと靴下。
もし何事もなかったら、クリスマスに夫におねだりしようと思ってた。私へのプレゼントはいつも2千円くらいのアクセサリー。お金ないから、それでもうれしかった。私はもうちょいいいものあげてたけど…。
でも、バーバリーブラックレーベルの名刺入れくれる彼女には、もうちょいいいものあげてたかもね。
ショッピングモールでランチ。
父はお寿司。こどもはてんぷらうどん。
私は全く食べ物を受け付けず、ひたすらコーラを飲んだ。
途中父が私の貧相なムートンブーツを見て靴を買おうかと言ったけど断った。
お父さんにはこれからも迷惑かけそうだから。
お父さんはこどもがいなかの実家で退屈しないようにと色鉛筆とスケッチブック、マンガ雑誌を買ってくれた。
夕飯は私が作ったハンバーグ。たまねぎとコーンが入ってる。
私には弟が2人いるのだけど、1人は家を出て働いていて、1人は実家でひきこもり。きちんと進学就職した私に強いコンプレックスがあり、私は嫌われている。母が出て行ったとき、弟はまだ高校生だったから、私に母を重ねているのかもしれない。
「ごはんだよー」
どうせ出てこないだろうと声をかけた。
すると弟は2階から降りてきた。
「私おまえに報告があるんだけど」
「だいたいのことはわかってる。離婚すんだろ。」
2階で聞いてたらしい。
みんなで夕飯を食べた。不思議と食べれた。私は料理もたいして上手じゃないけど、みんな「うまいよ」とお世辞をくれた。気を使ってくれてるんだなとジーンとした。
その後弟はこどもの遊び相手になってくれた。
私も年内は離婚成立に集中だけど、年明けたら就職活動しなきゃな。いなかだから給料安いけど、家はあるし、みんなで生きていこう。却ってひきこもりの弟には私の離婚は励みになるかも。そして私でも情けない思いをしているのだと、親しみを感じてくれたかもしれない。
夕飯を終えると、私は昔からの友人にメールをした。
ダンナに女がいて帰ってきた。今回は離婚になりそう。
すぐに電話がかかってきた。
「あんた熱くなって離婚とか言ったらダメよ。周りにバツイチの人いるけど、本当に大変なんよ」
私は今回の件はメールのときよりたちが悪いこと、昨日までの出来事を話した。
「そっかぁ。ダンナむかつくな。」
「相手の子、会ったことあるんだけど、見た目はまぁ、アレなんだけど、確かに性格は良さそうなんよ。常識的というか…」
「不倫する人が常識的なわけないでしょうが」
まあ、そうだ。
「私前の彼も結構ブスい子に取られたんだけど、私はなんか前世てとんでもないことしたとか、性格が極悪だとか、なんかあるんかな」
「あんたは美人だし優しいよ。ただ付け入られがちだね。」
確かに、私は言わなくても伝わると思っていることが多いけど、付き合いが長くなると気遣いは当たり前になり気づいてさえもらえなくなる。
「いなくなってからわかるわよ。ざまみろ」
私なんてびっくりするような美人じゃない。なんせもう36才で、夫にもうとまれている。夫に言われた私のダメなとこが毎日ぐるぐるしてる。
ちょっと評価甘めの友人の励ましが、また私を少し元気にした。
そう言えば、もう1人の弟にもまだ言ってなかった。電話電話。
ことの顛末を話す。
弟は「オマエのダンナはバカだな。」
弟は私のこどもが大好きで、お正月には高価なオモチャを抱えて帰ってくる。
すぐにこどものことがよぎったのだろう。
「盆と正月くらいしかオマエのダンナに会わなかったけど、オレ、なんか嫌い。」
そうだろうね。一緒にご飯食べに言っても夫はほとんど話さないし、実家に泊まると夜8時には寝ちゃう。
私は夫のお母さんにも親戚のおばちゃんにもよく話したし、夫なしで会うこともあったし、春からはお母さんと狭いアパートで同居の予定だった。
弟にはひきこもりの弟と2人、ひきこもり続けないように励まされ電話を切った。
この日はよく眠れた。って発覚して2日目だけど。
新しいフリースのパジャマは抜群に暖かく、ちょっと幸せさえ感じてしまった。
昨日今日と、急に冷えてきたなぁ。
今朝、6時すぎに携帯が鳴って目が覚めた。
夫からのメールだった。そう言えば、この時間に起きなければ会社に間に合わない。
ちゃんと起きれたこと、2人いなくなり静かなこと、寒いけど2人とも体調は
といった内容だった。
最後にあったときよりだいぶ柔らかくなった感じ。
涙腺がゆるむ。
だけど、夫が私を愛していないことは痛いほどわかっていた。彼女の愛情のこもったメッセージ、同じくらいの気持ちを彼女に返しただろう。こどもの為、親の為、愛のない女のもとに戻る。それが夫の選択だろう。
私はみじめだ。
そう言えば昨日、夫から話しあいに実家に来たいとメールがあった。
発覚から1日空けて話し合いを求めてくる。私はそうなると思っていた。空いた1日で彼女を切り、翌日「別れました」と頭をさげにくるだろうと。
だけど私は話し合いは水曜日の夜に、とお願いした。
なぜなら、明日私は法テラスに行くから。今後の方針をしっかり決めた上で話し合いに望みたい。
感情は抜きにして、もう事務的に離婚をすすめるのだ。
もちろん、法テラスで、調停にそなえて夫との話し合いを避けるように言われればそうするつもりだ。
こどもが目を覚ますと着替えさせ、ロールパンと果汁を用意した。特別に足つきのワイングラスに果汁をついであげると大喜びだった。
その後洗濯をすませ、こどもと神社で遊んだ。そしてスーパー(というか、いなかの商店みたいなお店)に行き、シャボン玉とおかしを買った。
船着場でシャボン玉を吹いた。そう言えばメールの騒動のときも、ここでシャボン玉吹いたな。
お昼ご飯はチャーハンとスープ。
お昼は帰らないと言っていた父も帰ってきた。手にはお惣菜。私信用ないな。お昼くらい用意するわよ、居候なんだから。ありがとう。
食後、こどもは弟と楽しそうに遊んでいる。
気になったのが、こどもがわざと弟のことを「パパ」「お父さん」と呼んでいること。
まだ離婚が正式に決まった訳ではないけど、こどもには説明をしてあげなくてはいけないのかもしれない。
「パパとママ、りこんするの?わかれるの?」こどもがお母さんの家で言った言葉。ママ、あなたがこんなこと言えるなんて思ってなかったよ。
「パパもママも○○(こども)が大好き。だけどパパはママのこと、好きじゃなくなったの。ママとは違うお姉さんが好きなんだって。でもお嫁さんはひとりだけしかなれないの。だから、ママはパパのお嫁さんをやめる。そしたらおうちもなくなるから、じいじの家に来たんだよ。この家はママが生まれた家なんだよ。」
「ぼくはパパもママも一緒がいい」
「ごめんね。ママはパパに嫌われちゃったから。でもママは○○のお世話はパパよりがんばるからママと一緒にいて。」
「全部はわからないけど、ちょっとだけわかったよ。ぼくは名前がかわるんだね。」と、私の旧姓に自分の名前を続けて言っていた。
いつだって親の勝手に振り回されるのはこどもだ。私と夫はそれをよく知っていたハズなのに。
父が仕事を終えて帰ってきた。
今日は昼から仕込んでおいたおでんが夕飯。
「明日ダンナ来るって。でも法テラスで会わない方がいいと言われたら会わないわ。」
父は難しい顔をして「あいつは何を言いにくるんだ?だねこが許さないからもう別れますしか言えないんだろ。自分の気持ちを説明できないなら来ても意味ないぞ。」
「私のカンだけど、昨日彼女と話して、嫁にバレたからおわりーとか言って、明日は女と別れました。もう一度チャンスをくださいとか言うんじゃない。朝も寂しいみたいなメールきてたし。」
そう答えた私を父は怪訝な顔で見た。
ハッとした。まるで自分が夫に愛されているかのようなセリフ。あんなにはっきり拒絶されたのに私はバカだ。だからダマされるんだな。
いまだに夫は私に意味のない嘘をつきまくりだし。
彼女と別れる。
多分それは別れると思う。こんなことになってまで口裏あわせて少し間をおこうなんてしないと思う…
いや、
するかも。
なんせ最近の夫は卑怯だ。昔からこんな人だったっけ。
あ~、私のこと嫌いだからか。
でも、それを防ぐ為にも彼女に慰謝料請求する。ご両親が未来ある彼女を止めてくれることを願う。
彼女のメッセージを思い出す。
ひたむきな気持ち。
彼女にも私にもこどもにも、うれしいとか悲しいとか感じる心がある。夫にそれを実感して欲しい。
恋人や配偶者が不貞を働いたとき
女性は浮気相手の女性を許せず、男性は自分のパートナーを許せないとか。
私は断然夫を許せません。男性よりな感情。
彼女にも慰謝料請求するんでしょ、怖い女。
でも私にはこどもがいるの。
彼女は私のこどもに接しているとき罪悪感はなかったのか。
夫はやましい気持ちはなかったのか。
ただただ、2人の間にはお花畑が広がっていたのか。
たった今、夫からメールでなく、電話が入った。
明日の時間の確認。
法テラスは3時半から30分間の予約。JRで1時間かけて実家に戻る。多少時間がのびても、仕事を終えてからウチにくる夫よりは早いだろう。
まあ、もちろん夫にはそんな予定言わないけど。
「○○(こども)に電話かわれる?」
「かわれない」
「なんで?」
今はまだ混乱するからだ、こどもの気持ちになれ。
「ごめん、本当にごめん。また明日」
ごめん、本当にごめん。愛せなくてごめん。
そんなところか。
強がりかもしれませんが、私は離婚したあと夫が彼女と再婚しても構いません。
私は私なので。
わざと近況を知らせダメージを与えようとか、そんなのはめげますが。ただ愛してないだけでなく、嫌いなのかと落ちるので。
知らないところで幸せでも不幸でも、どうでもいいです。
ただ、私たちにはこどもがいるので完全に縁が切れることがないのがつらいです。夫もこどもに執着してるし。
正直今自分に全く自信が持てません。なんで私愛されないんだろう。
私、もう男はこりごり。前の彼と夫はタイプが違うのに結末は同じなんて。
こどもを大事にして、前向きに生きたい。
私がそういうことを言うと父は
「1年はまあがんばれ。それからは他の男にも目をむけなきゃ。多分、いなかだからうわさがすぐ広がって、興味本位で男がいっぱい寄ってくる。その中にいい男がいればいいな。そんな風にやり直しの家庭はいっぱいある。○○(こども)だってうまくやっていくよ。」
そうかな。
私は自分の見る目に自信がないよ。
さあ、明日は法テラスだ。与えられた時間は30分。
私が聞きたいことは
夫も私も離婚を望んでいるが、調停にしたい。
こどもとの面会は月に1度程度。自宅以外で第三者(父や母など)立ち会いのもとで。
養育費や慰謝料の相場。
相手女性への慰謝料請求。
ちなみに明日、父が仕事を休んで連れて行ってくれるつもりだったようだか、JRで行くことにした。お天気のいい日は仕事してね。
こどもを連れて法テラス…と気合いを入れていたら、ひきこもりの弟が「コイツをみてるくらいなんでもない。動画サイトでおもしろ映像でもみせとくわ」と申し出てくれた。ちょっと不安だけど、こどももなついてるし、お願いしよう。
みんなありがとう。
私、免許あるんですけど、完全ペーパードライバーです。
それでみんなに迷惑かけてます。
いなかで暮らしていくには車の運転もできるようにならなきゃ。
ちなみに私に免許を取らせてくれたのは夫のお母さんです。
今日は眠れない。
夫の声を聞いたからだろうか。
こどもが寝言か、
「ママ…寒い」と言った。
今日はそんなに寒くない。寒いのは心なんだろうね。
私はこどもを抱きしめた。
「ママはぼくと別れないよね…」
バカだね。
あなたがママにとってどれだけ生きる力になっているか。あなたがいなかったらママはがんばれないんだよ。
夫と彼女。
あなたたちの快楽が私たちを今不幸にしてるよ。
自分がやったことの重さがわかりますか。
もう着替えもお化粧も洗濯も済んだ。
昼には家を出よう。
伸びかけの肩までの髪。段が入っていたのでバラバラ。
整髪料の類は持ってきてない。
ま、いいや。私などなんの価値もない女だ。
「長い髪の女が好きなんだよね」
知ってる。
最近夫があらためてそう口にしたとき、脳裏には彼女がいたのだろう。
実家に来て体調がすごくいい。
持病の薬を飲まなくも体が軽い。夫とくらしているときは、薬や治療をしても体調が悪かった。
膠原病なのだが。
それに…
「しにたい…」
無意識に声に出して言っていた言葉を、実家では1度も口にしてない。
完全なセックスレスになって1年半。
彼女と夫の交際が夫いわく1年半。
私は知らないうちに病んでいたんだね。
すべてがうまくいきますように
あれは呪いだったんだね。私が気づいたから、呪いが解けたんだ。
お化粧のノリがいい。
今JRに乗った。
父も心配して、私が家を出る前に仕事から帰ってきた。
「あんな男には思えなかったんだけどな…」父はため息をついていた。父は意外と夫に理解あったもんね。夫は私の家族には気遣いなかったのに。
みんな、迷惑かけてごめんね。私、しっかり話きいてくるから。
疲れた…
昨日は大仕事をした。
弁護士さんに相談したところ…
夫への離婚調停は例のメッセージカード一枚で証拠十分らしい。
彼女への内容証明送付は意味がないので訴えましょうとのこと。
「私は彼女に会いたくありませんが、できますか?」
「あなたにはキツいだろうけど、彼女に会ってみませんか?」
えー…
「そんなこと…できると思えません…」
「夫に彼女と謝罪に来るよう伝えてください。2人で過ちを詫びれば復縁を考えるとか言って、文書を書かせたら、あとは考えるとか言って帰してください。」
な、なるほど…
できるかな💧
弁護士さんとは24日にまた会う約束をして法テラスを出た。
早速夫に電話。
「今日来るって言ってたけど、何しにくるの?」
「話し合いだよ」
「離婚に向けて具体的な話をしにくるのかな?」
「…謝っても許してもらえないかもしれないけど…だねことこどもに帰ってきて欲しいと思ってる…」
良かった。
ここで離婚の話前向きにしたいとか言われたらアウトだった。
「では申し訳ないんだけど、彼女もうちに来てもらえるかな。」
「ハッ?」
「あなたたちは同じ会社でしょ。私が戻ったあと、また寄りを戻されたらたまらない。2人して私たちに謝って、謝罪文でも書いてよ。もし2人がまたつきあうようなことがあれば、私はその謝罪文を使わせてもらう。」
夫はかなり混乱していたが、断ることなどできるはずがない。
「オレ、もう携帯から彼女の番号も消したし…もう会わないって言ったし…今日はオレだけじゃだめなの?」
「もう会わないって、同じ会社じゃん。連絡取れないなら、私が本社に電話しようか?それにね、彼女に私に謝りにきてくださいって私がお願いすること?
あなた私の為に努力したことある?彼女より私が大事だと思わせてよ。」
「…わかった。」
私こわーい
JRに乗り家へ帰る。
こんなことしたら確実に離婚だな。
覚悟決めなきゃね。
ばかみたいにまだ夫が好き。
でもそんな気持ちを夫はわざと踏みにじっている。
別れるにしても、今まで一緒に過ごしてきた私に少しの優しさをみせてくれたら…
優しさはタダだったのに出ししぶると慰謝料は300万円。
もちろん請求するときはまだ多めの金額を提示することになるだろう。
人に接するときは真心をもって。イタい教訓になるだろう。
愛してたよ。
でももうない愛をもとめても仕方ないよね。
弟に
「ねぇ、私年明けたら仕事探すよ。おまえも一緒に探そ。給料なんて安くてもいいじゃん。みんなでちょっとずつ出し合ってやっていこうよ。」と言った。
ひきこもりの弟に仕事の話はタブーだった。
でも弟は少し笑って
「(家を出ようと思ってたけど)ここらへんで仕事探すか…」と答えた。
一緒にがんばろう。
いなかだからいろいろ言われるだろうけど、私はなんとも思わない。
でも、今は離婚成立に集中させて。
2011年中はぐだぐだでだめだめな私を許して。
2人とも車通勤だから2台の車で来れば良いのだ。
時間も遅いのに話し合いが終わったらまた2人で車に乗って帰るのか。
夫は高速を使わないので片道1時間半。
なんで私がデートのお膳立てをしなきゃならないのか。
2人で同じ車で来ようという発想がすでに恋人同士の自然な発想なんだけど。
そうか、世間的に妻は私だけど、夫の頭の中ではパートナーは彼女で、今日は2人で敵地にやってくるという感覚なんだね。
良かった。
私もスイッチ入った。迷いは吹き飛んだ。
徹底的にやる。
11時。
2人がやってきた。
彼女は昔より痩せていた。
昔はデブで顔色も悪く、化粧っ気もなかったが、今は綺麗にお化粧もして、オシャレメガネをかけていた。なんだかツヤツヤして見えた。
これが愛されて綺麗になるということか。
夫は私ではなく父にぐだぐだと中身のない謝罪をしていた。
私は「Aさん(彼女)、夫との体の関係を認めてくれる?」
彼女は消え入りそうな声で「…ハイ…」と答えた。こりゃレコーダーはムリだな。
「私にもこどもにも会ったことあるよね。」
無言
「会ったことあるよね」
「すみません…」
「それにね、こんな時間に不倫関係の2人が1台の車で来るってどういうこと?」
「それはだねこが急に言うから…」
「急に言うからって2人とも車通勤でしょ。Aさん、車どうしたの?」
「会社に置いてきました。」
2人とも頭の中お花畑だな。
「○○さん(夫)、もし今回私が気づかなかったら、私をいつまで飼っておくつもりだった?」
「何も考えてなかった」
私のここしばらくの苦悩はなんだったんだろう。
まさに私は檻に閉じ込められていたんだね。
もうセリフを追うのは精神的にもたないので要約。
会うのは月に1~2度
コンビニの駐車場などで話していた。
(だからウチの車や夫の持ち物が急にタバコ臭くなったのか。喫煙者×2だもんね)
初めて関係を持ったのは街のラブホ。飲み会のあとで。(だから飲み会帰りは毎回3時なのか)
私とセックスレスになった期間と交際期間が同じ。
だが関連性を夫は否定。(要は私のせいと言いたい)
「じゃ、謝罪の気持ちと自分たちのやったことを書面に書いてもらおうか?」
「書面って…」
夫狼狽。
「私○○はー、○○さんとー、いつから肉体関係をもっています。月に1~2回会ってましたー。いつも街のラブホでー…」
「やめてくれ!もう会いませんだけでいいだろう!」
「ダメだよ。」
「そんなんだねこの自己満足だろ!」
「満足させに来たんじゃないの?」
「わかった…」
彼女の前におかれたノートを夫は怒りに震える手でとりあげた。
「オレだけでいいだろう。」
「彼女をかばうの?あなただけじゃ意味ないのよ。」
ちなみに、私はこんなに悪趣味ではありません。文章は弁護士さんから必ず盛り込むように言われた点です。やり方はエグイですが、夫は私が性悪で書かせてると思っているので、徹底的に性悪キャラになりきってます。
「後半はー、きちんと謝罪入れてねー。」
夫は読めない程汚い字で、文句を散々言いながら謝罪文を書いた。彼女はこんな状態だから見逃してくれとも言っていた。
こんな状態ね。
私がかわいそうなときは何も考えられなかったのに。
さっさと書いて帰ってよ。
2人は深夜に帰っていった。
この期に及んでも今回の離婚についての原因は私にあるかのように言う夫。
家事の至らないところは体調を重視してと言い、今回まで言われたことがなかった。
いつもお金がないことについてはギャンブル好きで土日はほぼ自分ひとりで遊んでいた。(そしてウィークデーは不倫なんだからたまらない)
子ども手当も私に渡す金額は半分以下。(数千円しか渡されなかったことも)
離婚離婚と責められた、って私は不安やさびしさを訴えてきたのに無視しつづけたからだ。
私への不満なんて自己保身の後付けばかりじゃないか。
朝7時過ぎ、
夫からメール。
「まだ許してもらえないと思うけど、だねこの仕事やこどもの保育園もある。2人の為にもこちらに帰っておいで。」
まだ許してもらえない?
2人の為?
許すことはもうない。
こどもの為はわかるけど、私の為にはならない。
「仕事先には今日辞めると連絡します。」
「まだ待てよ」
私のパート先はちょっとめずらしいくらい好条件なところだ。
朝8時30分から午後1時までの事務。来客や電話応対がメインの仕事。こどもの病気のときなども快くお休みをくれて、時給もいい。
正直、辞めたらこんないい仕事見つけられない。
でも私の実家からは通えないし、自立するにはお給料が足りない。
辞めるしかない。
雇い主の奥さんに連絡。
「奥さん、お休みの理由、父の体調不良なんて言いましたが、実は私離婚することになりました。実家に戻るので、急ですが、そちらを辞めさせてください。」
奥さんはびっくりして、「まさか…だねこさんが離婚だなんて…」
事情が事情なだけに、奥さんは了承してくれた。
ただ、来週奥さんには外出の用事があり、人手が足りない為、最後のご恩返しに来週だけは仕事に行くことにした。
「いつ帰ってくるの?」
「日曜日の午後」
「迎えに行くよ」
「迎えはいらない。私たちが着く前には出てて。」
「だねこはもうオレとはムリなのか?」
「あなたは私に帰って欲しいと言うけど、話し合いに来る度に私への不満しか言わない。ただ好きじゃないを通り越して憎しみを感じる。
なぜ私があなたのところに帰らなきゃいけないの?」
「…すきだよ…」
絞り出すように見え見えの嘘。
「こどもはすでにあなたのこと、前のパパって呼んでる。私は男はこりごりだけど、こどもは誰かをまたパパと呼びたいんだって。」
「…」
「それに、あなたは私じゃなくて父の方を向いて話すけど、父は離婚に賛成よ。そして昨日の書面、私が趣味で書かせたと思う?」
「いや…」
「出るとこに出たら通用するように書いてもらったのよ。」
「もう本当にダメなのか」
「愛のないところに帰れない。」
「オレはだねことこどもに幸せになって欲しい」
「これからなるのよ。あなたにとっては不要な女でも大事にしてくれる人はいるかもしれないわ。私は誰かに抱きしめてもらって幸せになる。」
「でも日曜日は迎えに…」
「会いたくないのよ」
夫は力なくなにか言いかけ電話を切った。
夜、こどもを寝かしつけて幼なじみに電話。最初に離婚のことを知らせた友人とあと数人で時々女子会をする仲間だ。
最初に知らせた友人は独身なので「まだみんなには黙っとくけど、私じゃ抱えきれないからMちゃんにも相談してみなよ。彼女は主婦だし。」と言われた。
早速幼なじみMに電話。
彼女は「悪い冗談かと思った。」と言いながら、親身に話を聞いてくれた。
自分のことのように怒り、解決策など出ないけど、いつでも頼ってと言ってくれた。
2時間も話していた。
おかげで気持ちが軽くなり、ゆっくり眠れた。
その後、夫からの連絡はなくなった。
翌日は雨だった。
外仕事の父は休みだ。
「だねこ、お父さん散髪に行くけど、だねこも美容院行くか?」
「行くー🎵」
こどももちょっとかわいい服を着せた。
私は持ち帰った服が少ないのでジーンズにセーターに着替えた。
結婚して9年違う土地で暮らしていたから美容院と言われてもどこに行ったらいいのかわからない。
父が知り合いの女性に聞いてくれて、予約を入れた。
美容院は50代とおぼしき夫婦が切り盛りしていて、正直不安だったが、ショートカットが肩まで伸びた髪にストレートパーマをかけて、うまく調節してもらう程度のカットをお願いしたので、あまり技術力はわからなかった。
こどもは「カッコ良くしてください」と自分で言って、ソフトモヒカン風にセットしてもらった。
美容院のおじさんが、「カッコ良くできたから写メ撮ったら?」と言ってくれた。私よりもおじさんがノリノリで写メを撮ってくれた。
美容院の隅ではネイリストの娘さんが結婚生活のグチを友だちに話していた。
「あの子ワガママなんですよ」と母であるおばさんが言っていた。
ワガママ言える結婚生活っていいな。
美容院は3時間もかかった。
「うちはまつげエクステもしてるんですよ」と言われたが、施術に1時間、料金9000円と言われやる気がうせた。
美容院代17000円。
いままで3000円のカットしかしてなかった私には高額だけど、愛されて綺麗になった彼女と、愛もお金もなく生活に疲れてしまった私を思えば使ってもいいと思えた。
髪はサラサラだ。
パーマ液の匂いが臭いな。
夕飯の買い物にショッピングセンターへ。父と合流。
カッコ良く仕上がってご満悦なこどもを父がおだてる。
ショッピングセンターには化粧品カウンターがある。平日だし、いなかの為、美容部員さんはいない。
「お父さん、ちょっと時間くれない?5分でいい。化粧品欲しいの。
「お金あるのか」
「大丈夫」
私はローズ系のリキッドルージュを手に取った。こんな赤い色、つけたことない。というか、私が使う口紅は通販で1200円くらいの発色の悪いベージュ系口紅だ。
これ買う。
あと、実家は男所帯でお風呂場にシャンプーとボディソープしかない。
マシェリのシャンプー、コンディショナー、トリートメントの箱入りのセットがあった。
これも買お。
夕飯はシチュー。
「お父さんが作ると2時間くらいかかるんだけど。」と父が言う。
なんでそんなにかかるんだ。お茶を飲むためのお湯が沸くまえに切った野菜や肉を鍋にポンポンいれながら炒めていく。
でも、私のシチューは月並みな味だか、几帳面な父が作るとなぜかおいしかったりするのだけど。
ただ、買い物に無駄が多く、食費や支度が大変なのがわかる気がする。
父は食事の支度や片付けをしなくて済むだけでも助かると言ってくれた。
私の方が助かってるよ。みんなで食卓を囲むことが私とこどもにとってどれだけ力になっていることか。
食事を終え、お風呂タイム。
マシェリをもってしてもパーマ液の匂いは取り去れなかった。
お手入れどころじゃなかったな。お風呂あがりはボディクリームを塗って、以前のようにきちんと顔もお手入れした。
そうだ、写メ、夫に送ってあげよう。
しばらくすると夫から電話がかかってきた。
「こどもかわいいな。どこの散髪屋だ?」
「サービスで送ってあげたのよ。あまりにもかわいくて。地元の美容院に行ったのよ。」
私も今日はストレス発散していたので声が明るく、ちょっと得意気に言っていた。
「だねこ、来週は日曜日に帰ってくるんだよね。何時くらいになりそう?」
「時間はわからないけど午後にはアパート空けといて。」
言ってたと思うが。
「1時間でもいい。来週いつでも会えないだろうか。」
「それはムリ。」
「こどもに会いたいんだ。」
写メは悪影響だったか。
「こどもと2人は絶対ダメ。」
「なんで?」
彼女に世話させたことがあるからだ。
ただ、これでは私がこどもをダシに夫を翻弄しているようで気分が良くない。
「お母さんが同席してくれるなら…。」
「なんで!3人で会ってよ。」
こどもをダシにしているのはあっちか。
「こどもに会わせないとは言わない。でも離婚が成立するまでは会わない方がいい。私は年内成立を目指すから。そしたら面会もできるよ。」
「だねこ、もしかして今後は弁護士を通してしか話さないとか言わないよな?」
「確かに弁護士には相談してる。でもこうして電話にも出るし、メアドも変えてないでしょう。」
「…そうだね、ありがとう。でも、なんとか会ってくれ。」
「重ね重ねいうけど、会ってなんの話するの?また私の悪口大会?私、実家帰ってから嘘のように体調が良くなったの。あなたの話聞くと気分悪くなるだけ。」
「体調いいんだね。良かった。心配してたんだ。」
医療関係の知人に、積もり積もったストレスが悪化の原因って言われたんだけどね。
「とにかく会う気はないよ。アパートに車停まってたら入らないから。来週祝日もあるけど、その日も絶対来ないで。」
「本当に別れるのか…」
「うん。決めたよ。迷うこともあったけど、彼女と1台の車でうちに来るようなことがあって、迷いは吹き飛んだよ。今年中は離婚成立に集中して、まわりには泣き言言ったりして甘えさせてもらう。
でも年が明けたら、もう弱音は吐かない。幸せになるために前向きにやってくつもり。」
夫はこどもとも話した。いつもより長めな気がしたので、またできない約束をしているのではないかと不安になった。
電話後、こどもが「パパにいつ会えるの…」と言ってきた。
かわいそうなことをしてしまった。思い出させたね。
私はこどもを慰め、大好きなマンガ雑誌を読んであげた。こどもは眠りについた。
お昼ご飯はそば屋さん。
父はホームセンターや大人のゲームセンター(パチンコ)に行くからと、別行動になった。
2日間雨で、少ない着替えでは間に合わないので、こどもと私の下着をユニクロで買った。
こどもはゲームコーナーで仮面ライダーのゲームをしたり、乗り物に乗ったり楽しそう。ゲームコーナーのサービスで仮面ライダーの絵が入った銀色の風船をもらった。
実は夫が仮面ライダーの変身ベルトをこどもへのクリスマスプレゼントに用意している。
だから、ベルトに使えるスイッチのおもちゃを買ってあげた。
家に帰ると夕方4時。
私はこどもの保育園の園長に電話した。
離婚の為、来週いっぱいで退園を伝えると園長はびっくりしていた。
「こんなこと言っちゃなんだけど、どうしたの?」
「いえ、ダンナが浮気山ほどで。こどもは卒園まで通わせてあげたかったんですが…」
鼻の奥がツーンとする。
この日は眠れなかった。
夫に対する怒りがこみ上げてコントロールできない。
夜中1時、メールをする。
あなたは私がHを拒否したというけど、3分ももたないひとりよがりなH。私はいつも悲しい気持ちになってた。
ホテル行く程元気なんじゃん。
私の気は静まらない。
携帯メールの受信ボックスにある過去に夫から送られたメールをそのまま送信する。
誰もかばってなんかいないよ。浮気なんてしてないし。
変なところがあったとすれば、仕事で疲れてたからかな。
今日は早く帰るよ。
家族3人でゆっくりしようよ。
オレは最低だな。
うん。過去に会った人の中で最もひどい。
こどものことがなければ一生会いたくない。
あなたと彼女が吐いたたばこの煙臭い車には一生乗らない。
信じてもらえないだろうけど、車には乗せてない。
また嘘だよ。
車でウチに来たじゃん。コンビニでお会いになってたでしょうが。
家に行くときのはカウントしてなかった。コンビニでもウチの車には乗せてない。
ハイハイ。
車に乗せてないことになんでそんなにこだわるんだろ?そんなこと今更ちっさいことだし。
て言うか、絶対乗ってる。尋常じゃない臭さだもん。
日曜日。
いよいよアパートへ帰る日だ。荷物は出来るだけ軽くして、アパートを再び出るときにたくさん持ち出したい。
電車で行こうと思っていたが、心配した父が送ってくれることになった。
父は私の決断を見守るつもりのようだ。
内心はどうなのかなと思うがかなり協力的だし、私の決心が鈍ることの方が心配なのではないだろうか。
あちらでしかできないことを出来るだけしてくるよ。
週末にはちゃんと帰ってくるからね。
途中、昼ご飯を食べて食材の買い物をし、1時すぎにアパートへ着いた。
父は「こどもにおかしとかジュースとか用意してくれてたりしてな。」と言っていたが…
部屋はお母さんがピカピカに掃除していた。
昨日まとめて洗ったであろう食器類(ありとあらゆるコップがでていたので…)が水切りのザルにならんでいる。
ベランダには洗濯物。取り込んでたたむけど、アイロンはかけてやらない。
こどものスイミングのレッスン料の封筒の上に端数の小銭だけが綺麗に並べられている。あと二千円くらいなんだからいれといて欲しかったけど。
給料日前でお金ないんだろうな。
でもキッチンにはビールの空き缶やたばこの空き箱がたくさん捨ててあった。
やっぱり、こんなもんか。
とにかくアパート周辺に潜んでいて強引に会おうとするなんてことはなさそうなので父は帰っていった。
私はこどもを公園で少し遊ばせると、疲れてアパートへ戻った。
洗濯をし、お米を研いだ。
こどもは私の携帯のデータフォルダに入っているヒルクライムの大丈夫という曲を何度も聞いて必死で歌おうとしている。
この曲は1人でずっと思い悩んでいた私の支えになっていた曲だ。
こどもも何か感じるところがあるんだろう。2人で大合唱。
6才の心の中の大人な部分に驚かされっぱなしだ。
大人にならざるをえなかったのかもしれないが。
こどもはやがて携帯を握りしめたまま眠った。
眠っていたこどもが目を覚ました。
ねぼけているのか、また「大丈夫」のサビを突然歌い出した。
サザエさんを見て、お風呂に入った。
お風呂あがり、化粧水をつけたりしていたら、こどもが真顔で
「ママ、ボクたちなんでこんなことになっちゃったんだろう。このお家で、ずっと暮らしていくはずだったのに。小学校にもいくはずだったのに。」
ごめん。
ママも自分のどこが悪かったのかはっきりわからないんだよね。クレヨンしんちゃんのママくらいの暮らしだったと思うんだけど、それじゃダメみたい。
私は家庭を持つ他の友人たちと特別違うところがあるのかな。
夕飯を作ろうとキッチンへ。
ふと、体重計が目についた。
きっとやせてるだろうな。
もともとここ数カ月は悩みが深くて太れなかった。さらにこんなことになったから…。
42kg
私の身長は161cm。
趣味にもよるけど、痩せすぎだと思う。昔ふくよかだった胸も見る影もない。
こんなだから浮気されたのか。
浮気されたからこんなになっちゃったのか。
どうでもいいや。
3kgくらいは増えるといいな。
今日の夕飯は豚ヒレのガーリックソテー(塩こしょうとニンニクで炒めただけですね…)にスープ、付け合わせにブロッコリー。
ひとくちカツ用のお肉だが、カツなんて私もこどもも気分じゃない。
ちゃっちゃと調理していたら、こどもがキッチンにやってきた。
そばにいないと不安なのかも。
ゴミ箱にたばこの空き箱が3つくらい見える。
「ママ、たばこの箱がいっぱいある。」
「そうだね。」
「…パパが寂しくていっぱい吸ったのかな。」
ママにはパパの気持ちはわからない。ママはパパのこと、よく知ってるつもりだったんだけど、それはママの驕りだったみたい。
でもあなたのことをパパもママも愛しているのは本当だよ。
>> 123
ななさんありがとうございます🍀
離婚を乗り越えられ、今は幸せなんですね。私も希望の持てるお話で嬉しいです。
私の友人たちも夫婦げんかはそれなりにありますが、そんな夫婦がうらやましいです。
私は何年も向き合ってもらえなかったので。
私も自分で強いなと思います。
時々出てくる前の彼と別れた時は2~3カ月立ち直れなくて、仕事中突然泣き出したりして、周りをどん引きさせました。死のうとまで思いました。
でも私にはそんなことムリで、それがわかったら彼をあきらめられました。
当時1999年で、いつも家族で大みそかを過ごすのに、その時に限って家族が出かけてしまいノストラダムスの預言があたってしまえとか思いました。
ひとりでサザンのカウントダウンライブをテレビで見て、でっかい声で一緒にカウントダウンしました。
そしたら嘘のように心が晴れました。そして2000年の1月に夫に出会いました。
なんか皮肉な話ですが、その時の感覚が今私をがんばらせています。
夫の態度は未練がましいようにみえるが、夫が私のことが大事で愛していることに気付いたから必死になっているわけではないことは痛いほどわかっている。
それがわかっているから復縁なんて想像できない。
でもこどもの為に何度も何度も想像してみる。
でもいつも想像は途中で途切れる。
そして若い彼女への嫉妬心が湧く。
あんな風になれば私を見てくれる?
私は夫しか見えていなくて、彼女のことなんてどうでも良くなる。
堂々巡り。
抜け出すには前を向くしかない。
みじめな私を終わりにしたい。
>> 126
だねこさん、初めから読ませていただきました。今、苦しいですね…。痛いですね…。経験者として、心中お察しします。
私は、37歳の晩婚でした。や…
麻琴さんありがとうございます🍀
麻琴さんはご主人の度重なる浮気を飲み込んで生きていらっしゃるんですね。
浮気のあとに授かったお子さんが力になっているのかもしれませんが、私とはまた違う強さをお持ちだと思います。
そんな状態で美しく輝けることも素敵です。
私は夫といることで若さや輝きが削ぎ落とされていくようです。
私が離婚を選ぶことは逃げなのかもしれないと思うこともあります。
でも夫が私と向き合わなかったように、私も夫に向き合う価値を見いだせなくなっています。
私は私の人生を取り戻したい。究極な話、夫が目に入らないところに行ってしまえばどうなろうと構わないんです。どこかで私の悪口言い回ろうと再婚しようと。
私はこどもとともにワガママに生きていくことを選択しました😃
- << 135 だねこさんの中では、もう決心されていたのですね…。 本当に押し付けがましく失礼しました。勝手に、私はまだご主人にもお気持ちがあるのでは…と勘違いし、それならば、急がずゆっくりと葛藤するご自分の気持ちと息子さんとの関係…etcと向き合ってはどうかと、みっともなく私自身の経験をレスをしてしまいました。 よくよくだねこさんのレスを読み返してみると、今回の事はきっかけに過ぎず、それ以前の問題ですね…。 私も両親は離婚しており、今では頼れる身内はいません。息子を授かった時に、この子を全力で守ると決めました。なので、私のレスは私の気持ちであり、主人も周りも知らない事です。 私は強くありません。あの苦しみや辛さを封印し、逃げているだけです。 だねこさんの後悔の無い人生を応援しています。
>> 128
ご自分が浮気をスルーできるようになったからといって、他人にスルーしませんかと言うのは間違っていると思います。
子供の幸せと言いますが、…
あさやんありがとうございます🍀
私の両親も離婚しています。
母は家事も育児もダメで、父はなんでこんな人と結婚したのか謎ですが、そんなダメなところも家族は受け入れていました。
そんな母が外で働きだし男がいるとわかったとき、心が引き裂かれる思いでした。
母は精神的にも追い詰められ、私たちこどもにまで暴言を吐き続けました。
それでも母を慕う本能がみじめでした。
私は母を多分今も愛しているでしょうね。
でも一生会いません。
私のこどもが将来どう考えるかわかりませんが、今は私の心のままにさせてもらっています😃
>> 129
許せるなら許していると思いますよ…
色々な想いを抱きながらも離婚を決心して前に進むべく頑張っているだねこさんの気持ちをわかってあげてほしい…
ドルチェ♪さんありがとうございます🍀
うちはさらに夫も母子家庭なんですよね…。夫の方が過去は壮絶です。
結婚してから少しずつ話を聞いて行きました。あまりこのことは夫はペラペラしゃべりません。
夫は結婚するとき、離婚だけは絶対しないと言いました。
私は、親が離婚しているから私は離婚しないとは言えないと言いました。
夫は何をしても離婚をしないことに価値があるとでも思っているのでしょうか。
夫も私も親のトラウマから抜け出せていないのかも。
こどもに負の連鎖をおわせないようがんばります😃
>> 130
主さんの悩み苦しみがリアルタイムに書かれているのを読めばどれだけの思いなのかわかりませんか?他にも書かれている人がいますが子供が両親揃ってい…
専業主婦さんありがとうございます🍀
今日は午前中仕事に出たのでお返事遅れてすみません。仕事も金曜日で最後ですが。
テレビでお笑い芸人の大御所さんたちが「芸人の妻は浮気くらいでいちいち騒いではいけない」というようなことを言いますが、あれってなんなんでしょうね。
女性にも感情はあるのに。裕福な暮らしをさせてもらうかわりに愛は求めないってことでしょうか。
そんな女でいいんですかね…。
私はお金握らされても愛をあきらめられません。両方あるとベストですけどね😃
こどもっぽい考え方なんでしょうか。
こどもに気をつかわせないようにがんばらなきゃ。
>> 135
だねこさんの中では、もう決心されていたのですね…。
本当に押し付けがましく失礼しました。勝手に、私はまだご主人にもお気持ちがあるのでは…と勘…
麻琴さん気にしないでください🍀
人にはいろいろやり方があって、私のやり方も麻琴さんのやり方もありだと思います。人生は綺麗事ばかりじゃありませんね💧
私はまだ夫を愛してます。でもやり直すことが想像できません。
発覚したとき、麻琴さんのご主人は必死で麻琴さんを引き留め、その後お子さんまで授かりました。でも私は引き留めてもらえませんでした。「愛しているから必要だ」そう言ってくれたら私はこんなに急に舵をきりませんでした。
いまさら言われても無意味ですが、いまだに言われません。
情けないかな、私は捨てられた女なのです。
そこが麻琴さんと違って残念なところなのです😠
>> 136
自分だったら…息子を抱えて毅然としていられるだろうかと考えながら読ませていただいています。
日記であり、リアルタイムな事なので不躾なお…
ママごんさんありがとうございます🍀
毅然となんかしてないんです。
夜中に夫にイヤミっぽいメール送ったり、彼女の若さに嫉妬したり。
唯一自分でほめてやりたいのは、見境なく泣きわめいたりしていないことです。
そこがまたかわいくないんでしょうが…。でも、もうかわいく思ってもらわなくてもいいですしね😠
なんか大事な人を亡くしたらすぐに涙は出ないといいますが、そんな気持ちに近いのかも。いつか気持ちが落ちてしまうのではないかと不安がよぎることもあります。
でも私は大丈夫。
ただこどもには心配なことがあるので、夕方小児科に行こうと思っています。
感想スレ…なんかハッピーなお話じゃないし、おこがましいかな、なんて思います。
>> 137
だねこさん、私旦那が不倫したおかげでなんて👄が裂けても言いたくないけどあの時よりきれいになった😼悔しさをバネにあらゆるダイエットの本を読んだ…
みうさんありがとうございます🍀
みうさんのだんなに向き合ってもらう為でなく、自分の為ってすごくわかります。
私も自分の人生を取り戻したいともがいているところで、みうさんの経験談は心強いです。
でも、心の奥底では夫が激しく後悔すればいいのに、とか、もう一度私に夢中になってコテンパンに振ってやりたいとか、悪魔的なことも考えちゃうんですが。
2011年中はそんなバカな自分も許してやるかと。
叶わぬ夢です💧
それより自分を磨いて幸せオーラを出したいです。
昨日からこどもの様子がおかしい。
やはりアパートに戻ってきて激しく動揺しているようだ。
「ママ、おしっこ」
トイレから戻ってきたらまた「おしっこ」。何度も何度も繰り返す。
膀胱炎かなとも思うが痛みはないらしい。
なんでも「精神的なもの」と言ってはいけないが、そうなんだろうな。
とりあえず保育園が済んだら病院に連れて行こう。
今日は職場に一週間ぶりに出勤。
奥さんが早めにきて待ってくれていた。
退職について説明を受ける。パートの私に奥さんはとても配慮をしてくれた。
「もう決心はついたの?」
「はい」
奥さんは突然私を抱きしめた。外国人のような感情表現に正直驚いたけど、私のこと、こんなに思ってくれる人がいると思うと、またウルウルしてしまった。
泣かないけど。
他の従業員のみなさんには説明も辞めることも奥さんの配慮で詳しく伝わっておらず、不自然な点は感じているだろうけど、しつこく聞かれることもなく今日の仕事を終えた。
スーパーへ買い物。
こどもは夕飯を鍋にしてって言ってたけど、2人で鍋はなぁ…と思っていた。
でも夫がいたときも毎日夕飯は2人だったし、今日は鍋だ。
弁護士にも電話。24日午前中に予約してたけど、私はバカだ。その日は仕事だ。
28日月曜日の午前中に変更してもらった。
さあ、今から退職願い書かなきゃ。
みなさんありがとうございます🍀
一括のお礼で失礼します。
私のダメダメ日記をたくさんの方に読んで頂いて、励ましの言葉まで頂き、自分を肯定されたようでうれしく思っています。
みなさんの体験談は今後の参考であり希望です。
ですが、自レス設定をというお声も多いので、設定しました。
今日もいろいろやらかしました。
早速書きます💧
4時過ぎ、こどもを保育園に迎えに行く。
担任の先生が「お母さん⤵ホントですか~?」と声をかけてきた。
私は急な退園を詫び、金曜日までこどもをお願いしますと頭をさげた。
こどもと家に戻り着替えをしたら小児科へ。
アパートのある街に帰ってきた昨日から、こどものトイレがやたら近い。行っては戻りの繰り返しだ。
小児科で尿検査。
結果は異常なし。
医師の説明は
「お母さん、これは精神的頻尿です。精神的ストレスが原因で起こります。おもらしを強く叱ったりしませんでしたか。」
もともとオムツが外れるのも早かったし、失敗はめったにない。もしおもらししてもからかうくらいで、ストレスを与える程叱ったりしていない。
それに先週実家でも1度も失敗はない。
「…先生、実は私、離婚をすすめているところなんです…」
先生は困った顔をして
「関係ありますよ。できるだけ大人の話し合いを見せないようにね。お子さんの心の安定を一番に考えてあげてください。
これから他の症状がでないとも限りませんよ。」
医師は尿検査の結果に「尿所見なし。精神的頻尿」と書き、私にくれた。
また怒りが沸々とわいてくる。
私が嫌いなら私に嫌がらせすればいい。
私を追い出せば良かった。
私は強いから。
不倫ってなに?
こどもまで傷つけて。
一回だけ言わせて。
あんたがいなくなればいい。
すべてうまくいきますように
夫にメール。
こどもが頻尿で病院にきた。
原因は精神的ストレスと言われた。
あんた本当になんなの?
マジか。
オレのせいだな。
頼むからこどもにあわせてくれ。
この人はバカだ。
一言、怒りにまかせてメールした。
身を引け
夫の返事
身は引くよ。
離婚も覚悟してるよ。
だけど今日は違うだろ。
オレに会えないことがストレスになってるんだよ。
とにかく今日は行くから。
オレに会えないことがストレス?この人はなんておめでたいんだろう。
会ったとしても、もう一緒に暮らせない。別れのシーンを何度も繰り返すだけ。
以前の暮らしは帰ってこない。パパとママは別々に暮らしていく。
自分の力ではどうにもならない不幸。
これがストレスだと思う。
オレが会うことがこどもの為だ。
今日はなにがなんでも会うからな。
今会えばより混乱するだけよ。そんなこともわからないの?
警察呼ぶよ。
家主が帰ってくるだけだから警察なんて来てくれるわけないんだけど、効いたみたい。
しばらくして今度は電話がかかってきた。
「今日行くから、少しでもいいからあわせてくれ。」
「ダメよ。だいたいこどものストレスは自分に会えないからだなんておめでたい人ね。不倫する人が考えそうなことだわ。」
「オレたちのことは関係ないだろ。」
「どういう意味?今度も私のせい?」
「オレは何度もアタマをさげたじゃないですかぁ?それを認めないのはだねこじゃないんですかぁ?」
「何その話し方。ごめんごめんって意味なく言うだけ。それは私のこと愛せなくてごめんって意味だよね。」
はー絶対離婚しよう。
「昨日、会いたいならお母さんと一緒ならって私が言ったら拒否したのはあなたよ。私とこどもが2人でいるときを見計らってグダグダ言うのは卑怯なんじゃないの。」
「それはオレの勘違いで…」
トーンダウン
「じゃ、おかんを連れてきたら会ってくれるのか?」
「考える。」
「いや、はっきり言ってくれ。」
「…わかった…」
「じゃ、今からおかん迎えに行く」
「は?一体何時に来るつもり?今日はムリよ。」
「わかった。じゃ、明日。」
でもよく考えたら明日夫やお母さんに会って、2人が帰ったあとを想像すると、こどもの落ち込みようはハンパないだろう。
金曜日までは2人でアパート暮らし。
まずいな。
金曜日に会えば、その日落ち込んでも翌日には実家に帰れる。父や弟に会えたら寂しさも紛らわせられるだろう。
金曜日だ。
夫に電話。
「やっぱり金曜日にして。」
「3人で会ってくれるのか?」
「そんなこと言ってない。」
「何時くらいまでならいいの?」
「8時くらいまでね。」
夫が仕事を終えてお母さんを迎えに行ってうちに8時にやってくるのは難しい。
会いたかったらムリしなさい。
「なんで金曜日なん?」
「こどもが精神的に落ちても翌日には実家に帰れるからよ。」
「やっぱさ~金曜日は遅いんじゃない…あの…」
急にゴニョゴニョ言い出した。飲み会か、まさかまた女か。
それとも私たちを精神的に追い込むことが目的だったのか。
「金曜日がムリなら、会う気はない。」
何か言っていたが電話を切った。
すぐ電話が鳴ったがトイレからこどもが呼んでいる。
私もメイク落としの最中だった。
出なくていいや。
今日は気分が重い。
やはりこちらに戻ってきたら体調が悪い。
今日は夫とメールのやりとりをしたが、内容は不毛なものだった。
そういえばお母さんには発覚した日以来会っていない。
仕事も保育園もやめることになったし、電話してみよう。
「まあだねこさん」
「お母さん、仕事も保育園も金曜日まででやめることになりました。」
「まあ、卒園までなんとかしてやれなかったの…」
「別居しながら通わせることもできますが、どっちにしても小学校の手続きがあるので。」
「明日はお休みでしょ?」
「明日は水族館に連れて行こうと思ってます。」
「そのあと、会えないかしら?」
「お母さん、○○さん(夫)にも言いましたが、私たち金曜日までアパートで2人きりなんです。
こちらにきてこどもは精神的に心配なこともあります。会うなら私たちが実家に帰る前日の金曜日か当日の土曜日にしてもらえませんか?
そうすればパパとばあばが帰ったあともうちの実家にじいじや弟がいるので寂しい気持ちになりません。2人が帰ってしまったあと、こどもの気持ちを考えたら…」
「それは誰が言ったの?」
「え?」
「誰が言ったの?だねこさんが言ってるだけでしょ?それともお父さんなの?」
お母さん…
夫にしろお母さんにしろ、なんで私が言ってることが通じないんだろう。
私は会わせないとは言ってない。
今週の水曜日じゃなくて金曜日か土曜日にしてということがそんなに横暴なことだろうか。
それに理由もきちんと説明している。
私の意地ではないのに。
「○○にはこどもに会う権利があると思うの」
出た権利。
「そんなにこどもが大事ならなんでこんなことしたんでしょう。
浮気も夫婦仲もすべて私が悪いのだとしたら、私に言えば良かったことです。
こんなやり方をすれば私だけでなくこどもも傷つくことは誰でもわかります。」
「そう。あの子はバカなの。
でもこうなった十分の1でも、だねこさんに原因が…」
十分の1の原因を作った人間にどれだけ謝罪を求めるつもりなんだ。十分の9悪い人間は開き直って暴言三昧だというのに。
「私がすべて悪いというのなら、第三者に判断を委ねるべきだと思います。」
「裁判ね。すればいいわ。」
なんか、私がこどもを盾に被害者ぶってるから、いざ裁判(調停だけど)すれば私のいたらないところが露呈し、恥をかくとか思ってるんだろうか。
そんなどうでもいいぐうたらぶりをアピールされても調停員も悪口にしかとらず余計心証悪いと思うけど。
夫はメッセージカード一枚でアウトらしいですよ、お母さん。
お母さんはこどもと話したいと言うので電話をかわった。
こどもは元気な声で保育園のお友だちとお別れすることなどを話した。
あとでこどもに聞いたが、「パパがすごいおもちゃ買ってる」とか言ったらしい。
それは多分サンタクロースからだから言わないでください。
こどもは元気に「それじゃ、バイバーイ」と私に電話を戻した。
なんか落ち込む。
私そんなに間違ったこと言っただろうか。会う日を2~3日先にしただけで支障があるんだろうか。
もしや…
パパやばあばに会って、気落ちしたこどもを私に見せつけてより混乱させる作戦か…。
だからかたくなに実家に帰る前日を拒否なのか…。
もうつかれたよ。
今日は勤労感謝の日。
こどもが自分の小銭入れを引っ張り出し、
「ママ、いつもお仕事がんばってるから今日はボクがどっか連れてくよ。」
「ありがとう。
でも○○(こども)もママの為に我慢してくれてるんだから、今日は2人で水族館に行こう。」
「やったー」
早速着替えをしながらこどもが言った。
「前のパパはどうして他の女の子好きになったのかな。ママかわいいのに。」
「ありがとう。○○がキャンプで会ったお姉ちゃんの方がパパにはかわいく見えたのよ。」
「じゃあさー、もうママも新しいパパもらえば?」
「(笑) ママは○○が一番だよ。」
「じゃあ、ボクが好きな男の人がいたらその人をパパにしてくれる?」
「そのときは考えるわ。」
こどもの心も日々揺れている。
「昨日お母さんに電話したんだけど、なぜか今日こどもに会わせろと強硬で、こどもが寂しがるから金曜日か土曜日にしてって言ったら、それはだねこさんが言ってるだけでしょッて怒られた。
おまけに十分の1でも悪いところがないのかとか言われた。」
「心配するな。
あきらかに○○くん(夫)が悪いから。
たいがい浮気とか不倫して離婚する奴はそういうこと言うんだ。お母さんも所詮は○○くんのお母さんだからね。
お父さんが離婚するときもお母さんの兄さんが、うちの叔父さんにまで電話して○○(父)にも悪いところがあるとか言うんで叔父さんが○○(父)は全く悪くないって一喝したよ。
まあ、何を言っても悪い奴はあきらかだよ。」
「そうだよね。
私なんか、お母さんや○○さん(夫)と話してたら自分が気が触れてるみたいな言い方されるから洗脳されそうになる。
バカにしてるよね。」
「今日は1日楽しんで来なさい。」
はーい
バスを乗り継ぎ水族館へ。
意外にバスの本数多いし、バス代も安くすんなり水族館へ行けた。
こどもは6才だが、まともに水族館にも行ったことがなかった。1度夫の会社のイベントで行ったが、時間がなく、なぜかバックヤードツアーしかしてない。
今日はお客さんとして堂々と表から水槽見るぞ。
巨大なエイ、小さなサメ、なんかよくわからない魚…。
お昼はラーメンとカレーをそれぞれ頼んだけど、2人とも残す…。
食べれないよね。
ちょっとした遊具もあり、たくさん遊ばせた。
お昼からはセイウチのショー。
私もこどもも手を叩いて大喜び。
立ち寄ったのはアパートの近くの護国神社。
私は数えで37才の本厄だ。
自分が気をつけても防げない災難が降りかかっていて、もう立っていられないので、今年もあと少しなのに厄払いに来たのだ。
ついに神頼み。
こんな年末になって、小さい子を連れて思いつめた顔で厄払いを依頼する女。
まわりは遅めの時間に参拝に来た七五三の幸せそうな親子連れ。
うちも去年来たんだけどな。
思えばその頃も彼女と付き合っていたのか。
さあ、
払ってもらわなきゃ。
他に誰もいない社殿で私とこどもはお祓いを受けた。
その後、帰りにおみくじをひいた。
末吉
神様はすべて見ている。正しいものが最後に勝つ、というような詩みたいなものが添えられていた。
今朝もそんなこと聞いたな。
そして
あらそい
よし。さわぐな。
恋愛
あきらめなさい。
神様~。
メールの送受信を確認する。
当時の様子が良くわかる。
2010年1月、微熱がある私はもしや2人目妊娠ではと送っている。
夫もはしゃいだ返事をしている。
あとは連日パチンコに行ってる夫からのメール。
生命保険を解約してパチンコ三昧でけんかをした。
だけど、私は夫にお弁当箱やお守りのブレスレット、ハンカチなどを買っている。夫も感謝のメール。
もちろん毎日お弁当をもたせていた。
帰宅時間も8時くらいか。(今から帰るよのメールから)
様子が激変するのが、夫の海外社員旅行後。
帰国後2週間1日たりとも夜9時までに帰宅していない。12時を過ぎた日もある。
2週連続飲み会。
内一回は朝4時に帰宅。
浮気を疑った私とけんか。
私は体調を崩し勤め先を2日も休んでいる。
その後実家に帰っている。
こうやって過去のメールを追うと、私すごく早く気づいてたんだね。
夫はいつも浮気を否定。でも私を見てくれてないのがわかる。
そしてセックスレス。
メールを見る限り、そのあたりからけんか頻発。
夫はひたすら答えず、嵐が去るのをご機嫌とりながら待つだけ。
壊れていく私。
夫の1回目の浮気。
こどもを生んでずっとセックスレスだった。
初の出産だし、夫も怖いのかなと思った。育児も大変だったし、あまり考えないようにしていた。
こどもが1才半のとき、夫は会社の社員旅行で一週間海外に行くことになった。
(海外社員旅行がらみ多い…やめてくれないかな)
こどもができて初めて夫が一週間も不在。心配だし心細かった。
その頃も帰宅が遅くて母子家庭みたいだった。
すぐに夫から電話。
「だねこ!ごめん!違うんや」
「何が違うん?どこに帰るん?」
「いや。同僚が、オレの携帯で飲み屋のねえちゃんにメールしようとして間違ったんや」
「他人の携帯からメールなんかしないわ。宛先フォルダーからわざわざ妻を選ぶような間違いしないわ。飲み屋のねえちゃんに朝8時半にメールなんかしないわ。」
「じゃ、同僚にかわるから」
「あ…同僚です。飲み屋のねえちゃんにメールしようとして…。ふざけてすみません。」
「もういい!」
帰国後、遠い道のりを夫は私を迎えにきた。
父には事情を説明済み。
夫は浮気なんてしてない、ふざけていただけだと釈明。
ただし毎回微妙に話の内容が違う。
つっこんでもはぐらかす。ちなみにこの時点で同僚がメールしたということはなくなっている。
浮気相手Tさんはファンタジーで想像上の生き物らしいです。
ユニコーンみたいな。だから会わせてもらえないそうです。
あきれる父。
怒りが収まらない私。
その日夫はお土産だけ置いて帰った。
夫からのお土産は7万円くらいするピンク色のブランドものの財布だった。
ケチな夫にしては珍しく私にお金つかったな。
(と思ったらクレジットカードで買っていて、あとが大変だった)
よく覚えてないけど、夫は仕事おわり2~3回、うちの実家まで私を迎えに来て頭を下げ、父も「こどもも生まれたばかりだ。次はないと言って許してあげなさい」と言うし、友だちにも散々グチって結構スッキリしていた私は、Tさんについて深く追及することもなく、夫の車に乗ってしまったのだった。
以降、私はTさんの亡霊に苦しめられることになる。
ちなみに、今回の騒動のついでに聞いてみたがTさんは実在するそう。
産後でセックスレスではなくTさんと浮気してたからセックスレスだったと今回確信。
夫は外に女を作るが、抱く女は常にひとりだ。
妻である私がいちばん貧乏くじだ。
当時Tさんは想像上の生き物だったので、夫は秘密裏に彼女を切り、ぬけぬけと私に「そろそろ関係を復活させたいと思ってたんだ」と言った。
Tさんにしても今回の彼女にしても夫の対応は冷酷だ。
私は彼女に慰謝料請求すると公言しているが、彼女にそれを伝えた様子もない。私を止めもしない。
確かに既婚者と知って関係を持った彼女は罰を受けるべきだけど…。
夫はまわりから人望があるし、夫の性格を悪く言う人はいない。私もバカっぽくて明るい夫が好きだった。
だけど本当は私の知らない、本人も自覚がない底知れない無機質な部分があるような気がして怖い。
こどもの保育園も今日が最後。
こどもからは今日は遅めに迎えに来てと言われているので5時くらいに迎えに行った。
他のお母さんたちが
「○○くん(こども)お引っ越しなんですね。うちの子寂しがってるんですよ。」
などと口々に話しかけてくる。
このお母さんたちと私、どこが違うって言うんだろう。
私も頼れるパパに寄りかかりたいよ。
安心したい。
今の夫ではムリだけど。
こどもがかばんを持って出てくると、
あとから他の子たちが一斉についてくる。
「○○くん!元気でね。」
「○○くん!忘れないでね。」
みんな最後の挨拶をしてくれる。
私は
「みんなありがとう」
って一言言いたいんだけど、涙があふれそうで声が出ない。
涙目の私を見てこどもたちは
「あー泣いてるー!」
「涙が出てるー」などとこどもらしい無神経さで騒ぐ。
事情を知る園長先生は
「お母さん…元気出してね…」
きちんと最後の挨拶をしなきゃ
きちんと最後の挨拶をしなきゃ
ごめんなさい
今話せば涙が止まらなくなるから、無愛想かもしれないけど、何も言えない。
こどもは普段通り元気にしている。
でもお菓子を買った帰り道
「ママ…ボク寂しい。また保育園に遊びに行けるかな?」
多分、行けない。
「ママ、泣きたいんなら、我慢しなくていいんだよ。」
あ⤵
私はこどものことになると滅法弱い。
今日は夫とお母さんが来る。
早めに起きて片付けと身支度を済ます。
落ち着いてから朝食。
朝8時半夫からメール。
「今日はオレ1人で行きます。11時くらいでいいかな?」
「どうぞ」
昼くらいにはお父さんが迎えに来てくれるし。
こどもにパパが来ると話す。
「…前のパパ、何しに来るの?」
「○○(こども)に会いに来るんだよ。」
「ボクと遊んでくれるの?もうけんかしないの?」
「ママはパパと仲直りはしないけど、○○はパパと遊んでいいよ。」
「やったー。でもボクママ大好きだからね。」
11時になり夫がアパートに来た。
ピンポーンとインターホンが鳴る。
鍵は持ってるはずだから出ない。
こどもは「パパー!」と走っていった。
ガチャガチャとドアが開き、
「○○~元気だったか~」
とハイテンションな夫の声。
いつまでも玄関で話している。
「だねこ、入ってもいいかな。ここで話した方がいいかな?」
「入ればいいじゃない。あなたの家よ。」
夫はいつもよりペラペラとこどもに話しかけている。
私はテレビや雑誌に視線を落とし関わらないようにした。
「あの…だねこ?」
「何?」
「これからどうするつもりだ?」
何度も言ったような気がするけど。
私は今後のことを手短に話した。
仕事、保育園はもうすっかり退職退園したこと。
今年は何もする気がないこと。
実家に住み、こどもは地元の小学校に行かせること。
小学校にあがる前には離婚を成立させたいこと。
夫を信用できない為、離婚は調停にすること。
夫は
「職場や保育園にはなんて言ったの?」
「離婚して実家に帰りますって言った。」
「信じてもらえないかもしれないけど、もう嘘はついてないし、おまえたちの幸せの為になんでもするつもりだ。」
「今はそう言うの。
だけどあなたもいずれ再婚し、こどもができるかもしれない。そうでなくても離れていたらこどもへの愛情も醒めていく。それでまたこどもに悲しい思いをさせたくない。
調停にして法的にあなたに義務を果たさせる。」
「わかったよ。
年賀状にだねことこどもの名前載せていい?」
「やめといて」
何考えてんだ💧
夫はこどもの写メを撮ったり、柱にこどもの身長を刻んだりしていた。(賃貸アパートです…)
そうこうしている間に父が来た。
父はスーパーで人数分のお弁当を買って来ていた。
気まずい4人で昼ご飯。
今まで父が遊びに来てもちっとも話さなかった夫は、息つく間もない程ペラペラとこどもに話しかけ続けている。
こどもが茄子の天ぷらを芋の天ぷらと言い張り食べていることをみんなでからかい笑いもあった。
夫は
「○○、野菜もいっぱい食べるんだぞ。ママとじいじの言うことちゃんときくんだぞ。パパ、○○がちゃんとしてたかママに聞くからな。」
こどもは夫に応えるように一生懸命お弁当を食べた。
「じゃ、行くから。」
私は気の利いた一言をいいたかったんだけど、やはりこみ上げてくるものがある。
「お世話になったね。この9年は私にとって…幸せで…不幸で…」
もう、いいや。
泣くとカッコ悪い。
捨てられた女はさっさと出て行くだけだ。
夫も立ち上がりなにか言ったが、忘れちゃった。
たいしたこと言わなかったんで。
ただ、こどもにはまたすぐに会いたいから、来週だか再来週だかに連絡すると言っていた。
次回からはアパートや実家はやめて外で会うことにした。
面会は月一回でと頼んだ。
夫は次回はこどもに映画を見せようと言った。
「いつもママとしか行ってなかったからね…」
そうだよ。
こどもは夫と別れても意外に平気だった。この子がいちばん運命をうけいれているのかも。
父の車に乗り込んだ。
「アイツは何も言わなかったな。」父が言った。
父は夫からの復縁の申し出を期待していたのかもしれない。
「そういう人なんだから仕方ないよ。私も早く幸せになりたい。」
「意外と男の方が再婚って早いもんだぞ。」
「だろうね。あれだけ浮気できるんだから再婚もあるかもね。先を越されたら、私また落ち込みそう…」
私はニットにパーカーという軽装だが、今日は寒い。
というか今週ずっと寒かったのだけど、歩いていける場所にあったクリーニング店がまさかの閉店で、今週は重ね着で乗り切った。
「お父さん、地元帰ったらクリーニング出したいから帰りに寄って。」
高速を下り、いつも行く地元のショッピングセンターに着いた。
私はスーツのジャケットとダウンとウールのコートをクリーニングに出した。
染み抜きをお願いしたのとダウンがあったからか、クリーニング代は3000円を超えた💧こんなにするものなの?
父が払ってくれた。
父は
「だねこ、クリーニング出したら上着ないんじゃないか?」
「今日着てるパーカーがあるよ。どっか行く予定もないし。」
「月曜日弁護士に会いに行くんじゃなかったか。」
「はっ!そうでした。」
父は苦笑しながら
「2万円までで上着買いなさい。」と言ってくれた。
なにからなにまですみません💧
田舎のショッピングセンター内にはそんなに洋服のブランドは入ってない。
ファミリー向けのコムサイズムがあったのでそこを見てみた。
父はマネキンが着ている優しい白とグレーの千鳥格子のコートをすすめてきた。
父はマネキンが着てたらすぐ買っちゃう人だが。
それにかわいいけど予算越えてるよ。
昔から私に甘い父。
店員さんはベージュのフェイクムートンのコートをすすめてきた。
私は普段の私が絶対買わないど派手なものを買おうと思った。このお店の服はベーシックなものばかりなので色が派手ということになる。
私は赤いダッフルコートを手に取った。
「このコートは細身だからお客様の体型なら綺麗に着こなせますよ。」
店員さんもすすめる。
私は赤いコートとベージュのコートを羽織ってみた。
父は「だねこはいつも黒かグレーだからな。ベージュも落ち着くけど、赤が着たい気分なら、赤にしなさい。」
「じゃ、今日の記念に赤で。」
予算内だし。
それになんか生まれ変わろうとしてる私の気合いのよう。
こどもにもパンツを一本買った。
これは私のパート代で。
あとは夕飯の買い物。
こどもが「今日は鍋!」というので鍋にすることにした。
一週間2人でご飯はやっぱり寂しかった。今日は4人でご飯。
こどもが勝手に買い物カゴにカニを入れた。
…ま、今日はいっか。
家に帰ると夕方4時。
私はお茶を淹れて、友人たちにメールした。
まだしらせていなかった友人には離婚することを伝え、もう知らせていた友人には地元に帰ってきたことを伝えた。
返信はすぐには来ない。
私は夕飯の支度を始めた。
父は冷蔵庫のポン酢の賞味期限が過ぎているのに気づき、近所の商店へ出かけた。
すると
「すみませ~ん」
と玄関から女性の声がする。
やだ…父の知り合いのおばちゃんとかだと私が帰ってる理由イロイロ聞いてくるだろうな。私の性格上、はっきり答えちゃうから離婚成立前に噂が広がっちゃうな…
でも居留守使うわけにもいかず玄関に出ると、幼なじみのMだった。
「えーっ!どうしたん?わざわざ来てくれたの?」
Mの実家はうちの地元だが、今はショッピングセンターの近くの賑やかなあたりにマイホームを構えている。車で30分くらい。
「今日はたまたま実家に帰ってたんよ。親を買い物に連れて行ってたら、おじちゃん(私の父)の車とすれ違って、後部座席にだねこが乗ってた気がしたから。今メールも来たし。」
「ありがとう…」
「もう夕方だから帰らなきゃいけないんだけど、心配だったから。顔見て安心した。」
久々に感じる家族以外の人の優しさ。
私は今日のことをさらっと話した。
夫がこどもと会ったってくらいで、私とどうこうはないんだけど。
「あんたはこれ飲みなさい。」
Mは私に温かい甘そうな缶のカフェオレを手渡した。
家にいるので缶のカフェオレは微妙な感じもしたが、私はMの気持ちがとてもうれしたった。
とりあえずかけつけてくれたってのがうれしい。
Mはこどもをはげまし、人見知りしないこどももニコニコ話している。
「じゃ、またね。メールするし、飲み会も企画するから。」
Mは帰っていった。
夫に電話
かなりコールしたが出た。
「どうしたの?」
「もう一回聞くけど、彼女と付き合い始めたのいつから?」
「ひにちまでわからんけど社員旅行のあとから。」
「メッセージカードの日付は社員旅行2日目だけど。」
「そ、それは…」
夫の説明によると日付はあとから入れたものらしい。
社員旅行くらいから仲良くしゃべるようになり、お付き合いの記念日をその日からに決めたんじゃないですか。
聞かなきゃ良かった。なんか2人の恋人同士のうきうき感を肌で感じてしまい吐きそう…。
JRに乗り、弁護士に会いに行く。
1時間半の道のり、夫にメール。
「わざわざあとからお付き合いの日付をいれてもらうなんて、彼女を本気で愛していたのね。私が2人を別れさせたから恨んでいるのね。」
「恨んでなんかいない。全部オレのせい。
愛していたのかと言われれば愛していたんだけど、家族をひきかえにするなんて考えてもみなかった。
今は取り返しのつかないことをしたと思っている。
だねことこどもの幸せを願っている。」
「私は家族であって、女としての役目は終わっていたということね。」
「そんなことはない。」
まだ夫の愛を求めてしまう私。
でも夫の言葉の中にはそれを感じられない。
それでいいんだ。
弁護士と2度目の対面。
夫と彼女の謝罪文を見せる。
「あ~、拇印はダメですね。印鑑もらってきてください。」
簡単に言うよね。
彼女の謝罪文に印鑑をもらい、私の戸籍謄本を取り寄せたら来月にでも訴訟に踏み切る。
12月の裁判所は年末休暇が長い。急がなければ。
訴訟費用はだいたい45万円くらい。
さらに支払われた慰謝料の10パーセント。
とりあえず来週月曜日に15万円を支払うことにした。
夫に関して。
弁護士さんは
「本当に離婚でいいんですか?
別居したままお子さんが成人するまで生活費を支払わせるという方法もありますよ。」
なに言ってんの、弁護士さん。
それじゃ私の人生、一生夫にとらわれたままじゃない。
私は新しい人生を選ぶよ。
方法としては
1、調停で養育費・慰謝料・離婚を一気に話し合う。
2、先に離婚届を提出し、協議離婚を成立させ、養育費・慰謝料を調停で話し合う。
2は、私がこどもを小学校入学までに私の苗字に変えたい為、そちらに重点を置いた方法で、一般的には1の方法が良いようです。
これはちょっと考えてから結論を出すことにした。
しかし、離婚届はもらっておいて損はないので近々書いてもらおう。
弁護士事務所を出ると夫に電話。
もちろん彼女と夫に謝罪文に印鑑を押してもらう為。
夫はまたもや大慌て。
「やめてくれ。必ず印鑑はもらうから今日はやめてくれ。」
言うと思ったよ。
時間とお金をかけ、こどもを弟に預けてここまで来たんだ。
私は仕事が早いのだ。
彼女は本社勤務。夫は隣の市の営業所勤務。
本社に電話。
「○○(夫の苗字)と申します。Aさん(彼女)はいらっしゃいますか?」
受付の女性
「Aはただいま他の電話に出ております。」
「そうですか。ではお手数ですが、お電話くださるようお伝え頂けますか。」
「はい。○○様、よろしければ会社名も教えて頂けますか。」
「○○とお伝え頂ければわかると思います。よろしくお願いします。」
夫の苗字はよくある苗字だ。
○○営業所の○○の妻です、なんて名乗っていない。
これで私がかけたとバレたなら、はじめから社内で不倫が噂になっていただけのこと。
「この間の謝罪文にあらためて印鑑を押して欲しいの。三文判でいいわよ。」
「スタンプ印でいいですか。」
パートの子持ちと思ってバカにしてるな。私だって会社員時代があるのよ。
「スタンプ印はインクです。朱肉と違って薄れていきます。盤面もゴムだし、こういうとき使えないのは当たり前にご存知ですよね。」
彼女悔しそう。
「お持ちじゃなかったらこの機会に手配してください。今から参ります。」
「わかりました。手配いたします。」
現れた彼女は、前回とうって変わって、キラキラ感が消えていて、疲れた感じだった。
黒ずくめの服装に化粧っ気のない顔。
うけ口だな。
まあ、こんな人に負けた私はもっとヤバイけど。
「すみません」
彼女は素直に印鑑を押した。
「もうおわかりだと思うけど、私には弁護士がついてる。
早ければ来月にもあなたの自宅に裁判所から手紙が届く。
その手紙はポストに投げこまれるような手紙じゃない。
必ず家の人に手渡しされる。」
「ご両親にはまだ話してないんでしょう。
私はあなたに慰謝料請求します。
夫とは離婚します。
慰謝料はあなたの想像より高額だと思います。」
田舎の事務員の年収は超えてると思うよ。
「私は今後、あなたと何度もお会いしたくありません。こんなお付き合いは早く終わりにしたいです。
ぜひ慰謝料は一括でお支払いください。
そのためにもご両親にはよくよくご相談なさってください。」
彼女は苦々しい顔で下を向いたまま
「はい」と答えた。
「それじゃ。」
本当にわかってんのかな?
今日は歯が痛い。
帰りに歯医者行こう。市役所で離婚届ももらわなきゃ。
市役所では男性の係員が丁寧に記入方法やこどもの苗字の変更について教えてくれた。
こどもの苗字の変更は離婚届とは別に家裁で手続きが必要とは知らなかったのでお話を聞けて良かった。
本社からバスで駅まで戻り、またJRで1時間半かけて帰る。
ちなみに地元で歯医者に行ったが、悪いところはないと言われてしまった。
ストレスで歯痛ってあるのかな。
まあ、私は持病もあるから、そっちの病院も行かなきゃね。
父に迎えにきてもらい車で30分かけて家に帰る。
今日は1日出掛けていて、緊張から飲まず食わずトイレ行かずだった。
私ってやる気を出せばがんばれるんだな。
でも夕飯は今日は出来合いのお惣菜でごめんね。
家に帰ると、こどもは弟からコンビニでオモチャをたくさん買ってもらったらしく、「ママ~見て~」となにやらイロイロ持ってくる。
私は「まずはだっこー。今日はお留守番させてごめんよー。」と、こどもを抱きしめる。
今日は夕飯が終わっても、みんな茶の間から離れがたかったようで、4人で団欒といった雰囲気。
こどもはスケッチブックに描いた自作のモンスターを切り取り、じいじに戦いごっこをせがんでいた。
明日も天気はいまいちのようだ。
天気が良ければ小学校までお散歩するのに。
すぐ電話がかかってきた。
「いや、印鑑のことならもう本社行ったんならいいかと思って。」
本当に彼女のことしか考えてないんだな。夫の分の謝罪文にも印鑑いるし、離婚届書いて欲しいって言ったはずだか。
「それと、本社来るのは違うやろ。みんなだねこのこと知ってるんだから。」
「苗字しか名乗ってないし、外で待ってたわよ。」
あ、今日お目立ちな赤い新しいコート着てたけど。
「もしこれで2人の不倫がばれたなら、はじめから社内の噂になってたのよ。」
「とにかくやめてくれ。」
へんなの。
私は家を追われ、仕事を辞め、戸籍にバツがつくのよ。
私は離婚届を書いてくれるよう頼んだ。
「離婚届は慰謝料や養育費のことが決まるまで書くつもりはない。」
それは不倫された側が言うことだと思うが。
「考え方が2つあって、調停で慰謝料も養育費も決めて、納得の上、離婚届を出す方法があるよね。
私もこれが理想的だと思う。
でもこれだとこどもの小学校入学に間に合わず、学期の途中で苗字変わるでしょう。いじめられたりしないか不安。
とにかく、どうするかは未定だけど、事前に書いててくれる?
もちろん提出するときは報告するから。」
夫は
「オレも自分で調べるから、まだ届は書かない。でも謝罪文には印鑑押しに土日にでも行くよ。」
「それから、12月10日から仮面ライダーの映画だよね。だねこ、オレといると体調崩すって言うから、最悪こどもだけでもいいんだけど、映画みて、ご飯でもどう?」
「私に来るなって言ってんの?」
「イヤ、へんな意味に取らないでくれ。こどもの為には3人で行くのがベストだ。
来てくれたら嬉しい。
考えておいて。」
今日は訴訟に備えて戸籍謄本を取り寄せようと本籍の市役所に朝から電話。
夫の出身地はアパートのある市と違う上に、近年の市町村合併で、私には全く縁もゆかりもない町が本籍だ。
郵送でやりとりしようとしていたら、父が車で本籍地の市役所まで連れて行ってくれて、無事戸籍謄本も手に入った。
利用している通販関係も実家の住所と旧姓で送ってもらうようにした。
いつも使っているお化粧品も無事届いた。
保湿保湿。
昨日は何もする気にならず、ゴロゴロしてしまった。
夕飯の買い物にも行かず、父まで若干私をうっとおしそうにしている。
簡単な買い物だけ父にお願いし、夕飯を作った。
普通、夫に裏切られ、離婚する女は涙にくれるのだろうけど、テレビを見て笑っている私を見れば、みんなもう大丈夫と思うよね。
まだ発覚から3週間も経っていないのだ。
大丈夫なわけないだろう。
私は鉄みたいに強いとみんな思っている。
そんな私が弱さを見せられる人がかつての夫だった。
夫の心が離れ、夫の前でも鉄みたいに自分を閉ざした私はもう壊れてしまいそうだ。
今はふにゃふにゃな自分でいいんだ。
今日は雨。
父が作り付けの引き出しを私たち用にあけてくれたので、衣類を移した。
小学校に入る頃までに学習机も買ってあげたいけど、置くとこがない。
弟が2部屋贅沢に使っているので退去させなくては。
まあ、おいおいやろう。
土曜日には夫が家に来る。謝罪文への捺印をしに来るのだが、その時離婚届への記入も頼んでいる。
スムーズにいけばいいけど。
今日は2時に夫が来ることになっていたが、来たのは3時頃だった。
何をしていたのか知らないが、こういうところにも誠実さが感じられない。
もしかしてお母さんも一緒かなと思ったが、1人で来た。
うちも、事務的な話しだけだからと父には仕事に行ってもらった。
謝罪文への捺印と離婚届への記入捺印をお願いしたら素直に応じた。
迷いナシ。
考えなおしてくれ、など言われるかなとか思ったけど。
「一切引き留めず、ノータッチで離婚だね。」
「オレは引き留めたよ。戻りたかったよ。」
「土下座した頭を踏まれてもすがるような努力した?
むしろあなたはこうなったのは彼女と関係ない。私のことが前から嫌いだった。離婚は私のせいと言ったのよ。」
「初めはオレも逆上してたから…」
「初めだけじゃないよ。」
「そうか…こうなったのはオレと彼女のせい。だねこのせいじゃないよ。」
「慰謝料と養育費、どう考えてる?」
「実はオレも弁護士に相談に行ったんだ。
慰謝料は150万円、養育費は月1万5千円が妥当だって。」
「低いね。」
「オレ借金あるから。ホントなら借金もだねこと半分だ。どんな理由の借金だろうとね。
でも借金はオレが払うよ。それを差し引いて150万円だ。
分割で毎月5千円くらいになると思うけど。
3年くらいで借金の返済は終わるからその後はもう少し増やせると思うけど。
あまりムリすると自己破産なんてことになってだねこが損するって弁護士が言ってた。」
なんか、私が不当な請求をしていて、自分は被害者って感じ。
まあ、今日は考えを聞いておくだけにして、対応は弁護士と考えよう。
「毎月の負担はおかんとの同居もあるし、ムリできないんだ。でも総額はだねこの希望にできるだけ応えたいと思ってる。でも、調停をすれば損するのはだねこだよ。弁護士が言ってた。
あと、こどもとの面会のことなんだけど…。
やっぱり月2回くらいはいいって弁護士が言うんだよね。
泊まりもOKって言ってたんだけど、それはさすがにだねこが許さないよね。
でも、まわりの人にも聞いたけど、こどもが小さいうちは頻繁に面会した方がいいってみんな言うよ。」
「○○さん(夫)、
法律はなんと言ってるか知らないけど、私は面会はあなたがこどもに会う権利ではなく、こどもがあなたに会う権利だと思ってる。
だから、私はあなたのこと許せないけど、面会を禁じたいとは言ってない。当たり前のように毎週会いに来ることがこどもの為になるとは思えない。
仮に月に2回会うとして、月日を重ねるごとに、あなたの都合で2回が1回になったりしたらこどもはどう思うだろう。
生活もまだ見通したたないし、初めからムリしない方がお互いの為じゃないかな。」
「信じてもらえないだろうけど、オレはずっとこどもに会いに来るよ。」
「早速だけど、12月10日の件は考えてくれた?だねこが嫌ならこどもだけでもいいから。もちろんちゃんと帰すよ。変なことはしない。」
だねこはいなくていいから、ですか。
「私もこどもに聞いてみたんだけど、こどもは今、元気なようでやはり不安なの。私が行かないとイヤだと言うのよ。」
夫は自分がこどもに好かれているという自負があるし、私のことが信用できないのか、こどもにたずねた。
「なあ、○○(こども)、パパと2人で映画見に行こうよ。」
「ママと一緒じゃなきゃイヤだ。パパとママと、みんな一緒がいい。」
「ね、言ったでしょ。映画は2人で見ればいいわ。行き帰りは私も同行する。これでいいかな。」
「ありがとう。あと…クリスマスもできたら会いたい。24日がいちばんうれしいけど、ムリなら23日でもいいよ。」
私にはこの人がなに考えてるのか、ホントにわからない。
夫はこどもとしばらく遊び、帰って行った。
なんだかんだ良く会っているのに今月あと2回も会うのかと思うと気が重い。
なんで不倫した方があんなに都合良く振る舞っているのやら。
離婚届を眺める。
涙は出ない。
もし今回の不倫に気づかなければ、私は夫の気持ちが自分にない理由がわからずこれから先何年も苦しんだだろう。
夫と彼女は私をあざ笑いながら関係を続けただろう。
良かったんだ。
あとは粛々と離婚を進めるだけだ。
今日、職場から離職票が届いた。
来週は職安に行こう。
父が仕事から帰ってきた。
「○○君(夫)は帰ったのか。」
「うん、あっさりと離婚届書いてくれたわ。」
「何か言ってたか。」
お父さんが期待するようなことを言える男ではないの。
ホントごめんね。
私は夫が提示した慰謝料と養育費の額と面会の希望を伝えた。
「こどもにそれくらいの援助しかできないのに自分の権利ばかり主張するんだな。やっぱりお父さん居てやったら良かったな。言ってやったのに。」
父からしたらそんな気持ちになるのもムリはない。
父も若くない。
私も働くつもりだが、田舎でそんなに稼げないのもわかっている。
いつまで父が面倒をみていけるかわからない。
金銭的なことだけでなく、日常こども優先で過ごしている私たち。
夫は不倫し家族を捨てたのにいいとこ取りに感じる。
夫に金銭的に余裕がないのは仕方ないけれど、言い方に誠意がないのが残念すぎる。
一度は愛し合って結婚した2人なのにね。
こどもの頻尿がまた始まった。
眠たいのに「おしっこ」「おしっこ」と繰り返す。
やっぱり、夫に会ったからかな。
こどもは夫を嫌いでこうなったのではない。
むしろパパが大好き。
だけど、6才のこどもでも今回の出来事は許せないことなのだ。
大好きだけど、もう一緒には暮らせない。ママはパパを許さない。
だけど、こどもがパパを慕う気持ちは止められない。
精神がもたなくなる。
私はこどもを抱きしめて大丈夫だと言い続けるだけ。
実はこのスレを夫に見てもらった。
弁護士の話などがネタバレするので離婚成立まで教えないつもりだったけど、生々しいお金の話とか、こどもを盾にして面会を阻害してるとか、会社に現れて彼女に迷惑かけたら訴えるぞとか、憎しみあいの要素が出てきたので、私の気持ちを知って欲しかった。
夫は時間をかけて読んでくれたらしい。
後半の印象が強いのか、私とこどもの体調を気にして、もうしばらく面会はしないと言ってきた。
こどもはもう映画楽しみにしてるから、それは予定通りにしようよと言った。
面会はこどもの権利だから、全くしないのもダメだよ。
私が意地悪で面会を制限しているわけではないことはわかってもらえたようだ。
私の夫への気持ちもわかったよと言ってくれた。
ありがとうと。
ありがとう。
でも2人の愛は終わったみたい。
何年かしたら、元夫、元妻としてこどもを見守る同志のようになれるだろうか。
お互いの幸せを祈ることができるだろうか。
今朝は少し泣けた。
優しい母親、肩幅の広い恋人、抱きしめて欲しい人はいない。
女子会で発散するか。
また私のこと、女として愛してくれる人に出会えるといいな。
さあ、お化粧して弁護士に会いに行くぞ。
まだ離婚成立してないんだから。
早く終わったので持病を診てもらっている病院に行った。
先生が
「だねこさん、2人目のお子さんのご予定は?」
「先生…私離婚することになりました。
だから2人目を産む予定はこの先もずっとありません。」
先生は驚いた様子で
「最近多いよねぇ…お子さん引き取るの?だねこさん…不幸になって欲しくないねぇ…」
「元気にならなきゃいけないね。
ちょっと強いお薬出していいかな。知ってると思うけど、使ってる間は妊娠しちゃいけないよ。」
「大丈夫です。」
「だねこさん…新薬の治験に参加してみない?
治療費タダになるし謝礼も出るよ。」
「いいですよ。おまかせします。」
「治験はまた改めてお話するね。今回は強い薬と今までの薬出しとくから。」
「よろしくお願いします。」
死ななければ何してくれてもいいよ。
家に帰りくつろいでいると、ご近所のおじさんが回覧板を持ってきた。
父がいなかったので私が応対した。
まさか娘が出てくると思ってなかったおじさんはニヤニヤしながら私をジロジロ見ていた。
ハイハイ。
私が出戻りの娘ですよ。
近所の神社にこどもといたとき、別のおじさんに
「だねこちゃん、2人目できたんかい?宮参りか?」と聞かれた。
「違うよ。」
そろそろ噂が広まってるな。
回覧板は歳末たすけあい運動の募金だった。
パンフレットのイラストは幸せそうな家族の絵。
パパとママ
男の子と女の子
後ろに見えるおうちにおじいちゃんとおばあちゃん
イラストを見てこどもが
「これはママ、これはママがまた結婚するパパ、これはボク、この女の子はママがこれから産む赤ちゃん、ボクの妹…」
そんな絵に描いたような幸せあるのかな。
薬を飲もう。
今日はこどもが通うはずだった小学校に電話をした。
事前健康診断は済んでいたが引っ越すので通えないと連絡を入れた。
教頭先生が対応してくれた。正式には私が転居届を提出すれば学校に連絡が行くらしい。
転居届、住民票の異動。
やらなきゃな。
今日父は隣の家に仕事を頼まれたので、家のまわりにいる。
こどもは自分でタンスから着替えを引っ張り出して着替えると、1人で外に飛び出して行った。
アパートに住んでいたときは1人で外に出すなんて絶対に考えられなかったが、ここはとんでもないいなかなので、あまり心配がない。
じいじの仕事に興味津々だ。
こどもはいなかに来て体が一回り大きくなった。
職人の家である実家は昔から夕飯の時間が早い。家族揃って食事するのも当たり前だ。
みんなで楽しく食事するから気が散らないし、よく食べる。
先月ブカブカだったパンツを今日は問題なく履いていた。
「紹介もなにも私離婚成立してないし。」
「うん。だから話半分でかたく考えないで聞いて。」
Mの親戚からの話。
41才の男性。
東京の会社に属しているが、在宅でSEをしていて、月に数回上京。
家は資産家で家賃収入もあるようなお宅。
「そんなお宅がバツイチ子持ちの病弱な女を嫁に欲しい訳ないよ。」
「まあ、ウソかホントか、バツイチでもかまわないって。その人のお母さんが私たちと地元が一緒で、同郷の人がいいんだって。
Sちゃん(まだ独身の女子会メンバー)にも話したんだけど反応悪くて。」
Sちゃんは祖母の介護の為、仕事を辞め、ちょっとした引きこもりだ。
女子会メンバーには私が最初に離婚を報告した友人もいて、彼女もまだ独身だ。
友人Hとしよう。
Hは同郷ではないが、紹介する男性の現在の住まいには近いところに住んでいる。
それにHは学生時代からモテモテで、多分その環境に慣れちゃって婚期を逃したタイプ。
けして問題があるわけではなくかわいいのだ。
HとSちゃんを紹介すれば良い。
Mは
「だから、難しく考えないで。
お付き合いも結婚も考えなくていい。
好みじゃなくてもおもしろい人なら友だちになればいいし。
人間関係広がるよ。
それにだねこの為に出てきてって言えば出不精なHとSちゃんもしぶしぶ出てくるからね。
女子会で話してみるよ。
ちなみに身長180cm以上あるらしいよ。でも在宅SEだからデブかもね。」
条件良くて結婚できないってなんかあるんだろうな~。
でもHやSちゃんに紹介する席に同席したら確かにおもしろいかも。
正直私にとってはリハビリみたいなもので、私がすぐ男性とお付き合いすることなんてない。
Mはこまめに私を心配するメールをくれたり、こんな紹介話を持ってきたり、ホントにありがたい友人だ。
今日は職安に行って来た。
離職票を提出して失業保険の手続き。
対応してくれたおばちゃんがありえないくらい仕事ができず、1時間おばちゃんの前に座っているのに一向に手続きが完了しない。
「今日は担当者がいないから…。」
しまいには私にPCの操作方法を聞いたり、資格をコードにした一覧表から私の持つ資格を探させたり💧
このおばちゃんは普段なんの仕事をしてるんだ…。
私が職安で働きたいくらいだ。
椅子に笑顔で座って待ち続けた私はえらい。
職安にはこどもを連れてひきこもりの弟と一緒に来た。
弟は私がおばちゃんと対峙している間、こどもをみながら仕事探しをしていた。
いい仕事なかったそうだが。
私は時間が余ればどんな仕事があるのかついでに見ておきたかったが、おばちゃんのせいで時間切れだ。
今日は歯医者を予約している。
悪いところはない、ということだったが、なんだかんだ通っている。
厄年だ。
悪いところはみんな治す。
不要なものは落ちていく。
昨日もう1人の弟(家を出て働いている方)からメールがきた。
「ボーナス入ったイケメンが、お前に1万円のこづかいをやろう。口座番号を申請ください。」
「ツケメーン、心配するな。私は元気よ。」
「女子会に行ってたらふく飲むがいい。」
弟は姉におこづかいを送ってくれた。
今朝、父も私の飲み会代を稼がなきゃなとか言っていた。
私はかなりお酒が飲めるのだが、こどもができてからは深酒しないようにしている。
こんな悲しいことがあってもヤケ酒などしない。お風呂あがりに缶チューハイ一本か、父のとっておきのワインを一杯お相伴するくらいだ。
悲しいことがあったなら、美容ドリンクを飲んでキレイに投資だ。
でも17日の女子会はお言葉に甘えてはじけちゃおっかな。
今日は弟からのおこづかいもあったので夕飯をすき焼きにした。
飲み会代はお父さんお願いします。
失業保険をもらうことなど考えず、職探しします。
2011年中はダラダラなはずなのに、ヤバイやる気出てきた。
今日は雨。
だらごろしよう。
疲れを癒やし、太るのだ。
今日は昔のことを思い出した。
夫とまだお付き合いしてた頃。
夫が私に隠れて合コンに参加💧
運悪く女性の中に私の高校時代の同級生がいてバレた。
私は夫のことが大好きだったけど、過去の大失恋の傷が癒えておらず、どんなに好きでもケチがついたら別れようと決めていた。
私は夫に別れを告げた。
夫は涙を流し、私に隠していたことを聞いてもいないのに自らすべて教えてくれた。風俗行ったとか、結構な隠し事が…💧
そして「おまえのいない人生は考えられない。想像しただけでつまらない。
オレといることはおまえの幸せではないかもしれない。でもオレにはおまえが必要なんだ。」
そう言ったときの夫は本気だったと思う。
だから今、夫にその時の気持ちがなくなってしまったことも、私にはわかる。
昨日夫から10日土曜日の映画は大丈夫かと確認のメールがきた。
こどもは映画をとても楽しみにしている。
もちろん大丈夫だと返信。
夫はこどもの立場に立って考えず、自分勝手に振る舞い私たちを傷つけたと反省しているようだ。
一方、彼女を愛したことに後悔はないのだろう。
こどもはどうしても私とセットになってしまうので仕方ないことなのだが、今や彼の人生にいらないものは私だけだ。
あまり夫のことばかり考えず、自分の存在をもっと大事にしよう。
私だって価値あるひとりの女性だ。
父にとっては大事な娘。
こどもにとってはただ1人の母。
弟たちにとっては無邪気な姉。
友人たちにとっては困ったちゃん。
そしていつか出会う人にとってはただ1人の女。
夜、父は友だちとカラオケに出かけた。
居間では私とこどもだけでテレビを見ている。
「ママ…ボク、前のくらしに戻りたい。」
「ごめんね。ムリなんだよ。」
「ママがパパを許してくれたらいいのに。」
「…ママが許さないんじゃないんだよ。パパがママのこと、嫌いになっちゃったんだよ。
○○(こども)がキャンプで会ったお姉ちゃんのことをパパは好きになっちゃったんだ。だからママはパパのところには帰れないんだよ。
もし、○○がどうしてもパパと暮らしたいなら、仕方ないね。でもママはここで暮らすよ。」
「ママと居る…。でもパパのこと、忘れなくてもいい?」
「忘れなくてもいいよ。」
「泣いてもいい?」
「泣いてもいいよ。」
こどもは少し泣いた。
今日、夫と会った。
朝11時頃迎えに来た。
もう2度と乗らないと誓った車に乗る。
こどもと一緒に後部座席だが。
やはりたばこ臭い。
車に乗ると夫はこどもにCDをプレゼントした。仮面ライダーの主題歌集の2枚組みCD。新品だ。
早速CDをかけながら出発。
途中のコンビニで飲み物を買う。
私は温かいコーヒーを買ってもらった。
「それと、これ。
ボーナス入ったから。」
銀行の封筒を手渡された。5万円入っていた。
「ありがとう。」
ボーナス入っても、いつも私には1万円くらいしか渡さなかったのに、がんばったな。
でも正直、複雑な気持ち。
映画はショッピングセンターにある映画館で見る。
夫は私なしでもこどもに会いたいと言っていたので映画は2人で見ればいいと伝えていたが、私の分もチケットを買ってくれていた。
まずは昼ご飯を食べようとレストランやフードコートがあるところに来た。
こどもはラーメンやチャーハンが食べたいと言った。
フードコートには安いラーメン屋があるが、夫はお値段やや高めの中華レストランに入った。
青菜のチャーハン、海老がたくさん入った中華そば、大きな餃子を頼み、シェアして食べた。
私は夫の斜め向かいに座り、こどもは夫の隣に座った。
夫の顔を見ることができない。話をするときは、夫も私を見るし、私も話を聞いている証に夫に顔を向けるけど、目から入った情報が脳に届かない。
夫がどんな顔でどんな表情をしていたか、全く思い出せない。
食事が終わると映画を見に行った。
少し時間が早く、夫はこどもと映画グッズを買っている。
私は3人分の飲み物とポップコーンを買って、時間まで窓の外を見ていた。
私たち、どんな風に見えてるんだろ。
他の家族連れにもこんなワケあり家族いるのかな。
夫は私の服装を誉めた。
ブラウスとスカートがドッキングしたワンピースに赤いコート。スカートがコクーンシルエットで、痩せすぎた私をまあるくフォローしてくれる。
ブラウスはV開きで華奢さが目立つ。
「だねこ、また痩せた?」
一昨年の健康診断時は46kg
去年が43kg
今年が42kg
多分今40kg
私は今回の件でも堪えたけど、日常的にあなたと彼女に痛めつけられてきたのよ。
もう痩せるとこなんてないわ。
ふっくらとやわらかい私を取り戻す。
映画は意外と内容充実で、2時過ぎから4時過ぎまでかかった。
途中私はウトウトしてしまったが、こどもは館内のこどもたちの中でいちばんはしゃいでいた。
映画が終わって夫はこどもにせがまれておもちゃを買うことになった。
いつもならここでもケチるのだが、こどもが欲しがった3千円近いおもちゃを買ってくれた。
こどもは大きな箱を抱えてご満悦だ。
最後にケーキ店でお茶を飲んだ。
喫煙席ではキレイな女の子がたばこをふかしている。
こどもを抱いた若いお母さんもたばこの煙を思い切り吹いている。
夫はこんな女性嫌いだったはずだが、彼女もこんな感じだ。
うちの父は彼女の印象を20代の若さがなく、暗く、清潔感がないと言っていた。
私も正直、そう思う。
でも夫はそんな彼女にはまっている。多分そんな女性にはまると却って抜け出せないんだろうな。
ケーキ店で座った席はテーブル中央に柱が立っており、夫があまり見えない。
私は落ち着いて紅茶を飲んだ。
店を出ると外はもう暗かった。
夫はこどもに写メを撮らせてと頼んだ。
もうすぐ帰ることを察したこどもはなかなか写メを撮らせてくれない。
今日はこどももとびきりかわいい服装だ。
モコモコの黒いダッフルコートに凝ったデニム。なんちゃってティンバーランド風ブーツ。
遠い駐車場に車を停めていたので夫が車を取りに行った。
ショッピングセンターの出入り口で車を待っていると、こどもは隅にうずくまり、
「もうパパ、このままボクたちを迎えに来ないんじゃないの?」と言った。
私は
「大丈夫。パパが来なければじいじを呼ぶし、ママも大人なんだから、ここで2人で泣いたりしないわよ。」と答えた。
そうこうしている間に夫の車が来た。
こどもは走って行った。
車に乗るとこどもはすぐに眠ってしまった。
私と夫には楽しい話題などない。
夫は私の体調を尋ねた。私は日常生活を送れない程の病人ではないつもりだが。
私は最近病院に行ったことを話した。
離婚が決まったことで積極的な治療に踏み切ったこと、詳しく話を聞いてないが新薬の治験への参加を提案されていることなど。
「新薬の治験?」
夫の反応は渋い。
夫には実験台という危ないイメージが強いようだ。
確かに新薬なので思わぬ副作用もあるかもしれないが、考えようによっては最先端の治療を無料で受けられる。
それに、まず命がなくなることはないんじゃないかと考える私。
「まあ、なんかあったらあなたとお母さんでこどものこと、よろしくね。」
私は半分冗談めかして言った。
夫は取引先の医療関係の人にも話をきいてみると言った。
はっきり言うと治験には反対らしい。
ただ、治療費のことがあるので、別れることを決めた今、強く言えないということろ。
取引先の話が出たことで夫の仕事の話になった。
来年の異動の噂話。
私は夫の社内不倫、少なくとも気づいている人はいると思っている。みんながみんなバカではないだろう。
夫は遠方に飛ばされるかも。
しかし夫は得意気に
「オレは本社って話だよ。」
私はめまいがした。
彼女は仕事を辞めず、相変わらず本社にいる。
そこに夫が配属されたら…。
悲劇の主人公2人が揃い、お花畑な日々が繰り返されるだろう。
私はまた、彼らの恋愛のエッセンス。
耐えられない。
「もし、また彼女と付き合うなら、私にバレないようにして。」
「今は何も考えてないよ。」
今は・何も・考えてない
今後は・何が起こるか・わからない
神様は私にばかり苦しみを与える
夫の返事
邪魔者だとか思ってない。
異動も噂でしかない。
苦しめて悪いと思っている。今はだねことこどものことしか考えていない。
言い回しには気をつける。
今日は久しぶりに3人で会えて楽しかった。
だめなんだよ、私の不安はそんなんじゃ消えないんだよ。
私は不安に飲み込まれてしまうんだよ。
しつこくメール
ずるいけど、やっぱり会うのつらい。
こどもの為、私は母親だとわりきらなきゃいけないんだけど、気持ちがついていかない。
もう戻れないのもわかっているし、彼女と同じ土俵に立つことなんてないのに。
あなたは彼女を愛しているし、それ以前に私をただの同居人のように扱った。
気持ちがなくなったときになぜ別れてくれなかったの。こどもを授かってこんなことになるなんてあんまりよ。
言っても仕方のないことなのにね。
夫の返事
何を言っても信じてもらえないだろうけど、だねこを同居人なんて思ってないよ。妻として女として見てたよ。
もうこれ以上だねこを苦しめたくない。
しばらく会うのは控えるよ。
そうじゃない
そうじゃないんだよ。
私が言って欲しいのはそうじゃないんだよ。
なんでもう彼女に気持ちはないと言ってくれないの。
まだ彼女を愛しているの。
それならもう私たちのことはあきらめてよ。
バカな私。
こどもとお風呂に入るけど、母親スイッチが入らない。
夫との面会は私の精神衛生上良くない。
こどもの為、と気を張っているけど、やはり無理だ。
夫の言うようにしばらく会うのは控えよう。
こどもがわざと気を引こうと浴槽で足を滑らせ、足先が私の内股に触れた。
「やめて!」
びっくりするような声がでた。
私は裸の内股や胸を自分以外の人や物が触れるだけでひどい嫌悪感がわく。
それだけでなく、バラエティー番組などで上半身裸の男性芸人がローションまみれでふざけあっているシーンを見ただけで猛烈な吐き気に襲われる。
性的なものを連想させるものすべてが、夫と彼女の行為を連想させて私を不安定にする。
お風呂を済ませ、昨日作っておいたおでんの鍋をのぞくと、まだ誰も食べていないようだ。
鍋に火を入れ、夕飯の支度をする。
弟を呼び、遅めの夕飯。父は地区の集まりに出ていたが、食事の途中で帰ってきた。
私は夫との面会の様子を明るく話した。
自分でもお風呂で泣いていたのが嘘のようなハイテンションぶりだなと思った。
「今回はダンナ、ケチらなかったのよー。」
だが、父は夫が先日弁護士と相談して考えている慰謝料、養育費に関する考え方が気に入らないようで、すっかりアンチ夫だ。
「早く自己破産させて会社もクビになればいい。恥ずかしくてこどもの父親なんて言わなくなるだろう。」
10時になると猛烈な疲れに襲われて私はこどもより先に寝てしまった。
こどもは嵐のテレビ番組を父と一緒に見ている。父はこどもに寝なさいと何度もすすめていたが、テレビや新しいおもちゃに関心が注がれ眠る気はないようだ。
じいじ、よろしく。
夫にメール
彼女をまだ愛しているのならもう私たちに会うのはあきらめて
彼女が会社を辞めないならあなたが辞めて
自己破産してもかまわない。そのときはこどもの父親であることはあきらめて
なにもかもは手に入らない
まわりがいつも自分にあわせてくれると考えないで
夫の返事
今はもう愛していない。
仕事は辞めない。
こどもの父親をやめるなんてありえない。2人の幸せを邪魔しようとも思わない。義務を果たすよう努力する。
会うことはあきらめられない。でもしばらくは控える。
やっと彼女を愛していないと言ってもらえた。
いや、言わせた。
私なんかいなくなればいい。
携帯のデータフォルダにYUIのGreen a.liveが入っている。
今の私の心境みたいだと聴いていた。
曲が終わると突然こどもが大きな声で泣き出した。
「どうしたのっ?」
「パパと別れたんでしょうっ!」
そうだけど、なんで今頃?
「パパを思い出したんだよ!」
こどもは顔をゆがめてわんわん泣いた。
YUIの歌詞は難しいと思ったけど、こどもの心にも響いたようだ。
ホント、神様は誰の味方をするんでしょうね。
悩むくらいなら早く働きたい。
弁護士に状況確認の電話をした。
かったるそうな対応にむかつくが仕方ない。
彼女への訴状は先週提出したそうだ。
「結局和解すると思いますよ~」
それを決めるのは私だ。
こちらが泣き寝入りのような形での和解は絶対にしない。
誠意を持ち合わせていないなら金銭で対価を支払わせるまでだ。両親までバカでないことを願う。
夫に関して、夫が弁護士に相談した内容を簡単に説明した。
これには私のなまけもの弁護士も腹がたったようだ。
調停すれば損をするだけ
これを伝えると
「調停しましょう。そして不調にして裁判しましょう。
借金は確かに養育費の金額には関係します。ですが、損害賠償は別です。
ふざけてますね。」
借金がある人は罪が許される、なんて特例はない。
自分たちがしたことを金銭に置きかえて社会的に償う。
私の気持ちは慰められないが、人の心を持たない人間には1円でも罪の対価として支払うことはこたえるだろう。
明日また戸籍謄本を取りに行き、その足で家裁に調停を申し立てに行こう。
今日はついに裁判所に離婚調停を申し立ててきた。
まず本籍地に行き戸籍謄本をゲット。
裁判所に行き調停申し立て。
申し立て理由を書くの、つらかった。何度も夫が他の人を好きになって私とこどもを捨てたと文章にするのは消耗する。
年金分割もするので情報通知書を年金事務所で取り寄せ。ここでも戸籍謄本がいるので、余分にもらってて良かった。
郵便局にも行く。
自分あてに実家にハガキを出す。これは職安に提出する現住所証明の為。
そして郵便物の転送の手続き。
ここまでやると夕方5時。あたりは暗く、青いイルミネーションが大通りに点灯している。
密着したカップル、元気な高校生の女の子、クリスマスムードを楽しんでいる。
私は今日、夫に離婚調停を申し立てに来た不幸せな女。
すごく寂しかった。
さびしくてさびしくて泣きそうだ。
駅のホームには人がいっぱい。私より不幸な人いる?
もうその辺のこぎれいな男の人を無理やり壁に押し付けて濃厚なキスをしたいくらいだ。痴女だわ。
さびしいよ。
私は夫に電話していた。
でもいざ夫が電話に出ると、言うことがない。
「どうしたの?」
「ちょっと声が聞きたかっただけ。」
私はすぐ電話を切った。
こんなことしても仕方ないのだ。
感情では夫を愛していても、現実には戻れないとわかっている。
もう私も夫もお互いがいない生活をはじめている。
夫は自炊しているそうだ。年内にはお母さんも仕事を辞め、夫と同居を始めるらしい。
夫は私に今も戻って欲しいと言ってくれる。でも、それはそう言うのが礼儀だからだ。
私はもうお母さんと同居する気はない。
それに一緒に暮らせば彼女のことを嫌でも思い出す。夫の帰宅が遅いとき、飲み会のとき、社員旅行のとき…
その都度フラッシュバックする私を夫は救えないだろう。
ましてや1年半、キスもハグもなかった私と夫が愛し合えるの?
夫は一回りも年下の女を1年半も堪能している。
私と愛し合うことなんて苦痛でしかないだろう。
私も抱かれる度にみじめな気持ちになるのはイヤ。
頭は理解してる。
心はダダをこねる。
みんなこうやって病んでいくの?
夫はクリスマスは会社の忘年会。
酒が入ると弱い男だし。
来年だか再来年だか、また海外社員旅行もある。
早く離婚したい。
離婚すれば見なくてすむ。
もう面会なんかしたくない。
一生会いたくない。
次の恋が見つかればこの苦しみから救われるのに。
先日、嵐の番組を見ていたら、こどもが
「ママ、ボク桜井 翔君みたいなパパがいい。翔君に結婚してくださいって言いにいこう。」なんて言い出した。
「だめだよ。結婚してくださいってのは男の子から言わなきゃ。」
「じゃ、翔君がママに結婚してくださいって言ったらどうする?」
「うーん、どうしよっかな~って答える。」
「なんで!すぐいいですよって言わなきゃ!」
「そんなに安売りしちゃだめなのよ。」
桜井 翔君ファンのみなさんごめんなさい。私も翔君大好きです。
でもこどもは私を大好きなので身の程知らずなのです。
また別の日、テレビに生田斗真君が出ていたら、こどもが突然、
「ママ!安売りしてっ!」
あまりに唐突なのでなんのことだかわからなかったのだが、生田斗真君があまりにもかっこよかったので私に連れてこいと言ってたよう💧
(もったいつけずに口説いて来いということで安売りしろと…)
こどもはジャニーズ好きだな。
そんなハイレベルな出会いはないわ。
あっても掴めませーん。
離婚を考えるにあたって、私はこどもはもっとパパに執着して私を困らせるだろうと思った。
パパは1人だけ、ママは今後誰とも結婚しないで。
パパが悪いのはわかった。でもボクだけのママでいて。
これくらいのことは言われると思った。
もしそう言われたらできるだけこどもの心に寄り添おうと思っていた。
だけど、どちらかと言うとこどもの方がパパを欲している。
いちばんいいのはもちろん「前のパパ」だろう。
私も親が離婚しているのでわかるが、感情は理屈抜きで血縁のあるパパを忘れられない。でもパパが許されないことをしたのもわかる。
ママも自分も新しい幸せをさがさなきゃ、6才はそう考えているのだろう。
私もこどもも、もうモラルなんてどうでもいいじゃん、前のパパが好きだよと、感情の波に飲み込まれることがある。
でも朝が来て、しっかりしなきゃと自分を立て直す。
こどもは
「じいじはボクのパパじゃない。
○○(私の弟)もボクのパパじゃない。
ボクは誰をパパと呼んだらいいの?」
と言う。
「ママは○○(こども)のママでパパだよ。」
と答える。
一緒に夕飯を食べて、一緒にお風呂に入り、一緒にテレビを見て、一緒の布団で眠る。
そんな新しいパパができるといいね。
今日は引き続き気分が下がったままだ。
夫にまた仕方ないメールをする。
自分から彼女と別れるつもりはあったのか
ラブホ代はあなたが払ってたのか
プレゼントを贈ったりしたのか
避妊はしていたのか
彼女は私より良かったか
私のこと2人で話したのか
いつか2人一緒になりたいねとか言ったのか
怒涛の質問ラッシュ
わかっているのだ。
別れる気があれば1年半も続かない。
高価なプレゼントをもらえばお返しもしたろう。
一回りも年下の女とデートすれば見栄を張ってないお金出すだろう。
私は持病の薬も買えなかったのに。
私より彼女の方がいいに決まってる。聞くまでもない。
避妊は中で出さなきゃいい程度だろう。
出来たときは彼女を迷わず選べばよい。
2人して私の愚痴を言い、関係を正当化していただろう。
だいたい毎日のこんなメールにもうんざりなんだよ
ってとこだろう。
意味はあるのだ。
私は私の悪い予想を全否定して欲しいのだ。
あきらかに嘘っぽい夢見がちなドラマみたいなセリフで
おまえがいいに決まってる。
仕方なくあの女を抱いたのだ。
おまえをずっと抱きたかったのだ。
あの女に物を贈ったことなどない。
利用してやったのだ。
かわいそうだと思ってるよ。
そんな風に彼女をぐっずぐずに捨てて、私を真綿でくるむように夢見させて欲しいのだ。
こんな自分、私も嫌いだ。
メールアドレスを変えた。
電話番号は変えられないので夫の番号を拒否した。
短縮ダイヤルのリストから夫を消去した。
もうこれでバカなメールをすることもない。
話し合いは調停で。
金銭のやりとりだけを話し合えばよい。
私たちにはそれだけだ。
見知らぬPHSから電話。
まさか夫?と淡い期待を抱く私。
かかりつけのクリニックからだった。
「だねこさん、治験の件ですが、12月中にお話できませんか?」
私は今週金曜日にクリニックに出向くことにした。
治験は今日は説明だけ。
2週間ごとに通院しなければならない。
また、私が最後に使った薬剤の影響を避けるため開始は約3カ月後。
仕事決まってたらムリだな。
それに…
3カ月後には私健康になってる気がする。もちろん治療は必要だけど、今のお薬で十分な回復をしそう。
先月まで、私はどんな治療も効果がないほど不調だった。
原因は精神的なものだと思う。
毎日帰りが遅い夫。
寂しいよ、と言えば
「朝20分通勤のときしゃべってるじゃん。」
飲み会の帰りが遅い。
「代行に待たされてさ。」
浮気してるでしょ。
「してない。」
じゃあなんで私を抱かないの。
「ごめん。」
出かければ時計を気にする、ケチる。
パチンコ行かなきゃ。
こんな1年半だった。
原因がわかり、言いたいこと言ってやってスッキリだ。
ムダにした人生を思えば、抑えようのない怒りがくすぶる。
病院が終わって、こどもとお好み焼き屋に来た。
夜は居酒屋らしく、家族連れが来る雰囲気はない。
こどもは
「ママとお酒飲みに来たみたい。」とはしゃいでいる。
お値段は高いが、味付けは凝っていて、えびやイカなどの具も豪華。
ごちそうさま。
17日は女子会だった。
こどもは弟とお留守番。
カニ鍋を用意した。
弟とこどもはとても仲がいい。
食材の買い出しに行くときも、手をつないで楽しそうに歩いている。
ひきこもりの弟も、こどもと一緒なら出かけるのも苦ではないようだ。
2人はカニ鍋をした後、弟特製の雑炊をするそうで、私を陽気に送り出してくれた。
待ち合わせの焼き鳥屋までは地元に住んでいるSちゃんの車で一緒に行った。
相変わらず運転が下手なSちゃん。
私も来年から運転しなくちゃいけないんだけど、Sちゃんの運転見てると、なんとかなるんだなと変な安心感がわく。
いつもは閑散としているいなかの飲み屋街も年末、クリスマスムードでにぎわっている。トナカイのかぶりものをしたおじさんが歩いていたりする。
私にSちゃん、最初に離婚を相談したHとM、もうひとりLの5人で女子会開始。
結婚しているのはMとL、2人ともご主人はカッコ良く、経済的にもまずまず裕福でかわいいこどもがいる。
普通の家庭を持っていることがまぶしい程うらやましい。
「さあ、乾杯なんだけど、何て言ったらいいのかな。」
困惑気味にHが言う。
私は生ビールのジョッキを持ち上げ、
「メリークリスマス、そして独身に返り咲いた私に乾杯。」
と言うと、みんな緊張の解けた顔で
「かんぱーい!」と続いた。
うーん、やっぱり缶ビールとは違うわ。
Mが、「だねこ、あまりにもいつもと変わらないから未だに冗談なんじゃないかと思う。」としみじみ言った。
「で、相手の女どんな女よ。」
夫より12才年下のさえない受け口の女で、私とこどもにも何食わぬ顔で対応してた。
「なにそれ。っていうかダンナ気持ちわるっ。12才年下はいいけど、そんな女が隣で寝ててOKなんや。
ましてやこどもの世話させるなんてサイテー。」
「私、結婚するとき、Hに、ダンナと私は似合わないって言われたよね。今回のことでHの言いたかったことがわかった。
価値観が違うと言えばそこまでなんだけど、善悪の基準とか、常識の範囲が違いすぎて話が通じないの。2年付き合って9年結婚してたけど、まるで知らない人と話してるみたい。」
「○○ちゃん(こども)はどうしてる?」
「時々パパを思い出して布団の中で泣いてるけど、うちは父や弟もいるから食事の時なんかは楽しそう。実家に帰ってから大きくなったもん。
アパートではダンナ全然帰って来ないし、土日もこどもと私はずっとDVD見てるような生活だったし。
10日にダンナと会ったんだけど、過去にないくらいいいパパだった。あの人も月に一度くらいパパ業するのがいちばん集中力が出ていいのよ。」
「だねこ、メアド変えたじゃん?
やっぱりダンナと縁切る為?」
「うん、私も気持ちが落ちることがあって、ダンナにメールとかしちゃうから思い切って変えた。調停の日程も来月13日で決まったし。
今年はもう会うつもりもないしね。」
「そっかぁ…本当に離婚するんだね。
でもだねこのダンナ、浮気2回目だし、戻ってもだねこが幸せになれるとは思えないし、何より帰ってきてくれて不謹慎だけどうれしい。」
「しかし、だねこのダンナ、なんでそんなしょーもないんだろうね。」
「私の考えだけど…
あの人はこどもの頃、親が離婚してて、お母さんに置いていかれてお父さんと暮らしてた時期があるんだよね。その話をきくと、私は小さな頃の夫を思って涙が出てしまうんだけど、夫はお父さんもお母さんも恨んでいないの。
そこが素敵だと思った。私は自分の母を許せないから。
でも、夫はこどもの頃、大人に翻弄されたり転校を繰り返したりして、自然と人に嫌われない術を身につけていったんじゃないかと思う。
裏切られるのが怖いから、自分は心から相手を信用しないというか、誰も自分の心に踏み入らせない。
私とは逆よ。
私は簡単に人を信じないから人付き合いは広がらないけど、一旦心を許した人にはなんでもさらけ出しちゃう。
ダンナが私と結婚したのは私が絶対ダンナを嫌いにならないと思ったからだって。
でもダンナは私にも彼女にも心を許すことはなかったんだけどね。
自分本位、とも言えるかな。」
「でも、もういいの。
一生そばにいるのなら、私はあの人にそう教えてあげて、立ち直らせて支えてあげる。
でも私はもうあの人から離れることにしたから。
今のままだと誰と一緒にいてもあの人は幸せになれない。
そんな付き合いを繰り返しながらあの人は生きていくんだと思う。自分で気付く日は来ないかも。」
「そうだね…。
だねこは自分の人生取り返さなきゃね。」Hがうなづきながら言う。
焼き鳥屋の後は、遅い時間でも甘味を出すバーに行った。
みんな健康茶みたいなものを飲んでいる。
私もブルーベリーのハーブティーにぜんざい。あずきが甘くて幸せ。
独身になったらどんな彼が欲しいか、など馬鹿らしい話で盛り上がった。声をかけてくる男性もいたけど、無視してガールズトーク。
ちなみに私は次にお付き合いするならギャンブルしない人にします。デートにパチンコなんて言う人はナシです。
バツイチ子持ちのクセに贅沢言うな、と言われても、バツイチ子持ちだからこそ、妥協してまでお付き合いする必要はないんです。
私には相棒のこどもがいるんですから。
そういえば、保育園で栄養士をしている友人Lは、私たちが住む地区の新小学1年生について聞いてくれていた。
今現在、男児2人女児1人の3人だが、唯一の女児は引っ越し予定。
うちのこどもが入れば男児3人の新1年生になるらしい。
お母さんは私より年上のようだ。
私もこどもも気合いだな。
入学式はパリッと決めるぞ。
こどものいい友だちになってくれるといいな。
今日は職安の説明会。
早く仕事見つかるといいな。
夫とはメアドを変えて以来連絡していない。私やこどもはまだまだ心が不安定になり、夫を求めてしまうときもあるけど、夫にはそんな気持ちはないんだろうな。
最後にメールをやりとりした時、元に戻りたいと思っているのは本当だと言っていたけど、優しさのかけらもない言い方だった。
会社を辞め、転職。
給料は私が管理。
現在の携帯は解約。
私名義で契約。通話明細を取り、設定も私がする。
お母さんと同居しない。
飲み会は原則不参加。参加しても12時には家に帰宅していること。
これが全部できたら、愛がなくても帰るよ。
私たちの為に努力を見せてみなさい。
何ひとつできないでしょ。
職安が終わって、そば屋でランチ。
運転手の弟とこどもも一緒。
こどもが
「ママ、パパの好きになった女の子の名前教えて。」
「Aちゃんだよ。」
「ママ、Aちゃんを夢の中で殺して。」
「なんで…」
「夢の中でいいから。」
こどもは排尿のコントロールが乱れたままだ。
思っているより精神的なケアが必要なのかもしれない。
職安で2~3良さげな職場を見て来た。
給料は安いし、正社員じゃないところもあるが、贅沢は言っていられない。
一年毎の契約社員でも、真面目に働いて正社員になってみせる。なくてはならない人と言われるようにがんばる。
始めから正社員の職場が本命だけど。
職安の初回認定日は早速今週木曜日。
離婚調停中の36才の子持ち、これといった特技ナシの女を雇ってくれる職場はなかなかないだろう。
始めから玉砕覚悟だ。
いっぱい面接受けるぞ。
履歴書を書く。
笑える。
自分の名前が空欄のまま書けない。
旧姓に早く戻りたい。中途半端がイヤ。
夜になると気持ちが不安定になる。
やめとけばいいのに携帯のデータフォルダーに入っている、謝罪文を書かせたときのやりとりを録音したものを聞く。
「2人が付き合っていたことと、私たち夫婦がこうなってしまったことは関係ないと夫は言うんだけど。」私が彼女に詰め寄る。
無言が続く。
「どうなの?」
さらに詰め寄る私。
「それは関係ない。」
ゆっくりはっきり夫が言う。
「オレはそう思う。」
夫はあからさまに彼女をかばう。
私の父も居たのに。
2人は私に交際宣言しに来たのか?
私はまた夫に電話していた。
夫は電話に出た。
私へのメールも電話もつながらないので実家に電話しようか、実家に行こうかとお母さんや弟と対応を相談していたそうだ。
もちろん実家に来てもないし、電話もなかったけど。
「そんなことしなくても調停の通知行ったでしょ。」
「オレは調停に詳しくないんだけど、だねこと直接話す機会はないんだろ。
オレは会って話したくて。」
「何を話すの?」
夫はなかなか言わない。
「お金のこと?」
私はイライラして言った。
「いや、これからのこと。」
は?意味わかんない。これからのなんだ?
「やり直せないかと…」
「彼女未だに会社辞めてないんでしょ。あなたが辞めれるの?同じ会社にいる限り、私は2人は続いてると思ってるわ。」
「辞めたら戻ってくれるのか。」
あら、珍しくがんばるわね。
「そうね。
会社辞めて。
携帯も解約して。私の名前で契約して通話明細も取って、暗証番号も私が設定して教えない。
お母さんと同居なんかしない。
これができたら愛がなくても帰ってあげるわよ。」
「わかった。前向きに考える。
それと愛がないなんて思ってない。」
「1年半も女と続いていてよく言うわ。
あなた謝罪文を書けと私が彼女に言ったとき、コイツはこんな状態だから見逃してくれと言ったわね。
1年半の間に私がみるみる痩せていったのに気付かなかった?
このまま私があなたたちの不倫に気付かなかったら私はどうなってたと思う?
私は何度もあなたに限界だと言ったよね?
私はあなたが変わってしまった理由もわからず悩んだ。このままの状態なら離婚だと言ったら、あなたは彼女のことを秘密にしたまま、私の申し出を受け入れるつもりだったと言ったよね?」
「あのときはどうかしてた…。」
「私はこうなってしまったのには必ず理由があるはずと、あなたの携帯や鞄をチェックしてたのよ。
毎日神様に、どんな結果でもいい、理由を教えてくださいって祈ってたわ。
名刺入れを見つけたとき、ショックだったけど、理由がわかって私はやっと救われたのよ。
愛してるですって?
何言ってるの?」
「オレは愛してるよ。体のことはかわいそうだってずっと思ってた。」
だから、あんたのせいだって。
それに、彼女は一時期会社を辞めていて、その後復職したのだが、辞めている期間中に交通事故を起こしている。車をバスにぶつけたときいたが、その時、偶然夫が通りかかり、話をしたと言っていた。
「あの事故のとき、偶然じゃなくて会っていたんでしょう。」
「隠してもしょうがない。会ってた。」
平日の昼間、仕事中のデート。
私の為にそんなことしてくれたことは、お付き合いの期間を入れても一度もない。
「オレは元に戻ることがだねこの為、こどもの為だと思っている。」
は??私の為???
なんで愛のない男と一生を過ごすことが私の為なの?
「こどもと会わせないっていうのも違うだろ?」
会ったし。
「あ、そういえば産後にメールしてたTさんのこと聞いてない。」
「言ったやろーが!何回言えばいいんか!どうせ信じないクセに。」
「これから復縁したいって人がそんなに逆ギレしてちゃ話にならないわね。一緒に暮らせば私はいろいろ思い出してたびたび落ち込むわ。その度いちいちフォローもできないなら初めから復縁なんて言わないで。だいたいTさんのことは一度もきちんと話してないよ。」
「わかった。飲み屋の子だよ。あれは浮気でもなんでもない。体の関係もない。」
「でもあの時も私たちセックスレスだった。」
「産後は1年くらいしたらいけないんだろ?」
「産後の検診一緒に行ったよね。お医者さんから解禁も言われたよね。なのに2年間セックスレスだった。私は1度も拒否してない。求められなかっただけ。
そしてTさんのことがバレた。」
いろいろ話したけど、結局夫が逆ギレしたので電話を切った。
やはりあの人は私をバカにしてる。
なにが私の為だ。
こどもの為というより、自分がこどもをそばに置きたいのと、世間体、お母さんの面倒を見てくれるような嫁が他にいない、そんなとこだろう。
家族で何話し合ってるんだ。
まるで人買いだ。
私には私の人生があるんだ。
こどもが「温泉に行きたい」と言う。
前回夫がこどもに「次は温泉に行こうな」と言ったからだ。
行かないわ。
勝手な約束しないでよ。こどもが毎日楽しみにしてしまうでしょ。一緒に暮らしてる私は迷惑なのよ。
こどもと夫は親子だけど、私と夫は他人だ。
たとえ男女別でも温泉なんて行かない。
なので今後夫がこどもとお風呂に入ったり、同じ布団で寝たりすることは一生ない。
ショッピングモールとか遊園地とか公園とか、無難なところでしか面会をするつもりはない。
そのかわり、私はこどもに約束した。
ママがお仕事決まったら、最初のお給料で夕飯を食べに出かけよう。
夏休みには行ったことがない旅行をしよう。行き先は決めてある。
隣県のコテージ村。
近所に動物園や遊園地もあるし、コテージ村自体にも温泉施設や動物園、レストランがある。宿泊費もリーズナブルなのに、ドーム型のコテージはこどもたちにウケがいいらしい。
その頃にはこどもは小学生で、離婚も成立していることだろう。
私も車を運転できるようになっていて、私の運転で親子旅するのだ。
私の夢をよそにこどもは
「ママが旅行連れて行ってくれるってー。じいじも来るー?」
「おーぅ。」
えっ…!
そんな夢も私の仕事が決まらなければ始まらない。
明日は職安の認定日。職安に行くついでに2社、面接の申し込みをしようと思う。
ダメ元だが、受かればラッキー。
夫に足元見られたような発言をされることもなくなるだろう。
生活の基盤を作るのだ。
夫に電話して面接用のスーツを送ってくれるように頼んだ。
「おう!面接か!」
がんばれよと言わんばかりに声がはずんでいる。
こちらに就職すると言うことは、夫の許には帰らないということを意味する。
賛成ということは離婚に同意ということだ。
この間の仕事辞めてまで私たちと一緒にいたいという気持ちはまた嘘か。
がんばるわ。
私にとって夫はお付き合いした2人目の男性。24才のとき出会った。
私は見た目派手かもしれないけど、男性に関してはかなり真面目だと思う。
モテなかったんでしょ、と言われればそれまでだけど、彼がいるのを知りながらずっと手紙をくれた人や、ダメ彼を捨てて自分と結婚前提で付き合って、とか言ってくれた人もいた。相手が真剣な程、私は申し訳なくて悩んだ。
でも、私はいつもお付き合いしている彼を選んだ。
頂いた手紙は結婚が決まったとき処分した。
彼は私を裏切ったけど、私は彼を裏切らなかった。
昔話。
情けない私。
愛されていないことはうんと前からわかっていた。
「愛してる」という嘘にすがりたかった。たとえ別れることになっても、愛はあったと思い込みたかった。
夫をねじ伏せて言わせようとした。
ないものはない。
明日は温泉でも行きたいな。自然の熱で温められたら心も温まるかな。
お正月は遠出して宮崎県の高千穂に行こう。パワースポットなんだって。
パワーをチャージして調停は2回で終わらせたい。
こどもも何かを察した。
もうダメだとわかった。パパに電話するときかない。涙声を聞かれたくないからと涙を拭って電話する。
何度かけても留守電。
ごめんね…
ママにはサンタクロースは来ない。
ママが欲しいものは手に入らない。
昨日海外から荷物が届いた。
通販で取り寄せた激安の美白クリーム。ハイドロキノン配合で刺激があるかも。
こんなものを敏感肌の私が買ったのにはワケがある。
夫の不倫が発覚した日、逆上した夫はなぜか、私の顔にシミがあるのを自分は黙っていてやったと言ったのだ。
シミがあることくらい知ってるし、私はいつも気にしていた。
産後に出現したいわゆる肝斑で、左右の頬に5ミリから1センチくらいの丸いシミがある。メイクは腕に覚えアリなので普段は綺麗さっぱり消している。メイクを落とすとどうしても…
クヨクヨせず自虐ネタにしてたけど。
レーザー治療するお金なんかないし、産後の産物なんで、自分的には名誉の負傷って感じだった。
そりゃ、こども生んだことない彼女にはないものだろうけど。
父にそんなことをポロリと言うと
「病院で治療してもらってもいいんだぞ」と言ってくれた。
もういいんだ。
でも絶対綺麗になる。
私は怪しいクリームを塗る。
だいたい私は勘違いな努力が多い。
まだ不倫のことを知らず、問い詰めてもはぐらかされてばかりの頃、私はなぜ夫が私を求めなくなったのかわからなくて、キスしたくなるグロスとか、思わず抱きしめたくなる香水とか、頭をナデナデしたくなるヘアオイルとか買ったもんです。
恥ずかしい💧
効果はナイです。
でも今はバストアップするクリームにも手をだしちゃってます。なりふり構わず。
愛してる人に愛されるなら、女はなんだってする。
このムダな努力がいつか夫以外に活かされればまだ救われるけど。
グダグダでダメダメな私。
でもまだ2011年だよ。まだいいでしょ。
来年は前向き発言しかしないから、私を甘やかして。
サンタさん、何かください。愛とか優しさとか。
私全然強くなんてないよ。
抱きしめられて、こどもみたいにおいおい泣けたら。
日が登ればまたお母さんの顔をしなきゃ。
このままだと寂しさに負けて夫にすがりつきそうだ。
許せなかった点を整理しよう。
まずはTが実在したこと。
Aを愛していたこと。
それを秘密にしたまま私と離婚しようとしていたこと。
私を抱かなかったこと。
Aと海外旅行していること。
Aにこどもの世話をさせたこと。
Aと昼間デートしていたこと。
私と父の前でAをかばったこと。
私が弱っていくのをなんとも思わず関係を続けたこと。
うちの車にAが乗っていること。
このクリスマス、会社の忘年会でAと会うこと。
ずいぶん前から私を愛していないこと。
逆ギレ
こどもの気持ちすらわからない
もう十分傷ついている私を、家の為に愛していると嘘をつきつなぎとめようとした。
まだあるけど自分で書いててつらくなってきた。寝よう。
宝くじ当たったら、夫は必死に復縁せまるかなぁ。
バストがEカップに戻ったら、惜しい女だったと思ってくれるかなぁ。
残念ながら今の生身の私はなにもないの。
誠実さとか、セクシーじゃないの。
家政婦としては及第点。
今日は本当に温泉に出かけた。
父の運転で遠出。
お昼には温泉につき、レストランで昼食をとった。
食事した人は入浴料が割引になり、なんと3人で700円で露天風呂に入れた。
支配人は夏にぜひ泊まりに来て下さいと言ったが、私は冬がいい。
木のぬくもりのあるラウンジでコーヒーを飲み、中庭のもみの木のまわりをこどもが走る。
母子家庭じゃなきゃ、なお良い。
こどもは父と男湯に入ったので私はひとり女湯へ。
ちょうどお昼くらいだからか、夏のキャンプ客がメインだからか、なんと私ひとりで貸切状態。
ひのきの内湯と、外の露天。
露天からは雄大な山の景色がパノラマで広がる。
う~ 感動。
こりゃパワーもらえるわ。
もう離婚することが決まったし、夫とは普通に接しようと思う。
とても仲良し、ではなく、こどもを通じて話す父兄のお付き合いみたいな?
まだ離婚成立までいろいろ話し合わなきゃいけないけど、成立したら月に一度会えば十分かな。
こどもの小学校の手続きも急がなくてはならない。
今、男の子2人しかいない地元小学校ではきっと歓迎されるだろう。
ダチョウ倶楽部体制だね。
1月5日に病院に行くので、ついでに市役所で転居届を出そう。
ランドセル買ってあげなきゃ。
おぎゃーと生まれて、ついに小学生か。
私うれしいよ。
こどもがパパに電話したいと言うのでダイヤルして携帯を渡した。
クリスマスプレゼントをサンタクロースにパパからもお願いして欲しいと必死に頼んでいる。
今日温泉に行ったよ。
パパ パパ パパ
と連呼する。
「昨日電話したんだよ。2回も3回も4回も。」
電話を切り、こどもはまた泣きながら私に抱きついてきた。
「パパはお仕事で電話出られなかったんだって。
ボクはあのお姉ちゃんとまたお酒を飲んでいるのかと思った。違って良かった。」
わかりませんけどね~。
こどもはしゃくりあげながら泣いている。
「パパがかわいそうで涙が出る。
もう一回電話する。
もう一回電話してママが好きか聞く。ママのこと好きって言ったらママ…」
パパを許してあげろって?
ママはもうパパがママを好きか聞いたよ。
それで離婚することになったんだよ。
結局こどもはまたパパに電話し
「パパはママが大嫌いなの?」と聞いた。
大嫌いです、なんてこどもに言えるわけないし、好きではないだけで大嫌いまではないと私も思いたい。
25日、夫は会社の忘年会が終わってからうちに来ることになった。これは私のイジワルで、クリスマスに会いたいと夫が言うので25日ならと言ったのだ。
夫はひるまず、来ると言った。ただ、会社の忘年会には出席するので6時半からうちに向かうらしい。
2次会で彼女に会うのを阻止できただけでもスッキリかな。
ま、阻止なんて結局できないんだけど。
今度こそこどももスッキリかなと思ったが、やはり涙ぐんでいた。
「ママ、パパはママのこと、好きって言ってたよ。」
好き、の意味が違うって6才になんて言ったらいいのかな。
「パパがママに好きって言うのとお姉ちゃんに好きって言うのは違うんだよ。うーん、簡単に言うと、お姉ちゃんとはラブラブなんよ。」
「そっかぁ…ママ、明日の明日(25日)は今より笑って。笑ってるママはかわいいよ。綺麗にお化粧もして。そしたらパパはコイツかわいいなぁって思って、お姉ちゃんよりママを選ぶよ。」
…。
「ごめんね。」
「なんで?ママは悪くない。こんなことになっても…ボクはもういいよ。」
こどもの目から涙がポロポロこぼれた。
イブだ。
携帯の占いで、私はずばり今日運命の人に出会うらしい。
出かける予定ないけど。
父はクリスマスケーキを買いに行った。
夫から荷物が届いた。
中身はこどもへのオモチャと私の就活用スーツ。おかし。
こどもは早速オモチャをあけて遊んでいる。おかしは、チョコレートと甘栗は私向けらしい。
クリスマスシーズンだから仕方ないけど、こどもはオモチャ買いすぎ。
両親の離婚という、本人にはどうしようもない不幸の中にあるので、ついつい甘やかしてしまうが、気をつけよう。
夫にも今後は会う度に高価なオモチャを買うのはやめようと伝えた。
こどもの心を育てるような面会をこころざしで欲しい。
オモチャで釣らなくても親子の絆は今のところあると思う。
今日は夫は休みだが仕事だそうだ。
普通にイブを彼女と楽しんでいたら、あきれる。
今月は週末が5週あった。私たちは明日会えば3回会うことになる。
「こどもに会わせないのは違うやろ。」
この言葉を撤回して欲しい。
まだ会わせろというのは違うやろ。
私たちは家族じゃない。
夫が本当のことを話そうとしていたときに聞きそびれたことがある。
それは彼女ときちんと避妊していたか。
私はしていなかったと思う。
これを思うとやるせない気持ちになる。
私だけでなく、こどもをも裏切っているからだ。
だから私は夫がこどもに執着する理由がわからない。
執着するわりに親権は始めから放棄している。まあ、有責配偶者に親権を取れる勝算はないが。
どうも近い未来、こどもをさらに傷つける結果に終わるのではないかという予感がする。
そして私のこういう予感は今までだいたい的中している。
こどもを守れるのは私だけだ。
こどもも本能でそれがわかっているから私を選んだのだと思う。
夫が彼女とどんなことしてたか、なんて考えたらイライラするだけだ。
この間ポロリと夫がバラしたが、2人で飲みに行って、ホテルに行ってたらしい。みんなと飲んだ流れじゃなく。
私たちの家から、私の洗濯した服を着て、女とデート。
古典の筒井筒の話みたい。
私流あらすじはこうだ。
通い婚の当時、女の両親が亡くなり、女は落ちぶれる。男は「2人揃って貧乏暮らしなんかしたくない。」と女の家から別の女の家に通うようになる。
女はなにも言わず男を送り出すので、勝手な男は女が浮気してるんじゃないかと他の女の家に行くフリをして庭に隠れて女を見張る。
女は美しく装って庭に出て、他の女の家に向かう男の道中を心配する歌を詠む。
男は心打たれて、しばらくは別の女のところに通っちゃうのだが、やがて別の女を捨て、帰ってくる。
筒井筒と違うのは、私が筒井筒の妻と違いこどもがいたので強気に動いたこと。
そして夫が家庭に戻らなかったこと。
でも筒井筒の話を最近よく考えてしまう。
書店で伊勢物語買おうかな。
ぐずぐず考えないいちばんの方法は、私が早くいい男見つけて、うーんと甘えて、身も心も満足することかな。そしたら私のことだから、サクッと夫を月1面会するこどもの親としか見なくなるだろう。
私は恋愛体質。
もちろん、恋愛にうかれてこどもに寂しい思いなんてさせない。そんなことしたら夫と変わらない。
きちんと離婚して、私の交際はこどもにもオープンにする。
我が家はみんな独身。
なにも恥ずべきことも隠すこともない。
夫にもう必要なこと以外連絡すまいと思っていたけど、意志薄弱な私。
「なんで私と向き合ってくれないんだろ。
私は離婚を了承しているし、聞く心構えもあるのに。
私に気持ちがなくなったから別れて欲しいと言って欲しいよ。
お母さんもあの日以来、うちから逃げてる。
不義理だよ。
離婚後良好な関係を築きたいならしっかりして。」
とメールした。
夫から返事。
「向き合って話すよ。30日、2人で外で会おう。」
2人で会うのかー。
私電話で良かったんだけどなぁ。
面と向かって私に気持ちがなくなったとか、それに付随する言い訳とか聞くのキツいな。
でも、心構えはできていると言ったのだ。
行くしかない。
外ってどこだ。
私としてはお母さんと夫に正式に離婚の挨拶(ってなんだ)に来て欲しかったんだけど。
父に詫びて欲しかった。
結婚は家同士の話でもあるから。
以前最後に2人でデートしたかったねと夫に言ったから勘違いしたのかな。
夫に着うたフルでB'zの「いつかのメリークリスマス」を送った。
今の心境かな、と。
夫が想う「君」は、彼女かもしれないけど。
夫からは一言、「いい曲だね。」と返事が来た。
迷惑だったかな。
以前、いきものがかりの「帰りたくなったよ」を初めて聴いたとき、私は涙が止まらなかった。
毎日帰りが遅い夫は、あの歌の主人公のように、本当は私たちの待つ家に早く帰りたいんじゃないかと私は泣いた。
私の勘違いで、夫は帰りたくなかったんだけど。
最後に一度、抱かれたかったな。
彼女がなでまわした夫の身体。
彼女とキスした唇。
心まで奪われた。
私はバカか。
性欲からじゃない。
もうずっとHなんてしてないから性欲なんてない。
夫を全身で感じたい。すれ違ってばかりの心をぶつけたい。
私を刻みつけたい。
でも、もしワガママを言って抱いてもらったとしても、夫はもう私とは最後までできないかもしれない。
やせっぽっちの胸。
最初から最後まで目隠ししてもらうしかないわ。
まあ、そんなシチュエーションもうないか。
それに一生会わないならいいけど、私はこどもの母として、夫と向き合っていかなければならない。
感情の波に飲み込まれるな、私。
昔話。
高校生のときお付き合いした彼は、体が大きく、顔もイマイチで成績も悪かった。ただ人柄だけは良かった。
入学してから一年間ずっと口説かれた。
私を笑わせようと毎日いろんなことをした。
2年生になりクラスが離れた。彼は休み時間のたびに私を訪ねてきて、有名になってしまった。
私は気になる人がいたが、彼の熱意にほだされてお付き合いすることになった。
気になっていた人も、私のこと好きだったと後から知った。
私は揺れた。
彼のこと好きなのかもわからない。
彼はそんな私に不満だった。
彼は同じクラスの女の子と遠出のデートをした。
私と仲が良かったその女の子は私を避けるようになった。
彼は見せつけるように彼女といちゃついた。
私は彼に別れを告げた。
彼は泣き、私にすがった。
私は彼を避ける為、休み時間は女子トイレに隠れ、授業が終わると走って帰った。
彼は放課後毎日、自転車に乗り、広い街中を私を探して走った。
当時、携帯はなかったが、恐れず家の電話も鳴らした。
私は何も言わず切った。
ストーカー、という言葉は当時なかったので、私は彼の熱意にまたもや心打たれた。
彼は私の気持ちが自分にないのではと不安で彼女を利用したと言った。
私は彼を許した。
しかし、彼女は納得できなかった。
彼女は私が卑怯な手を使い、彼を無理やり取り戻したと言いふらした。私は彼のクラスの女の子たちから白い目で見られた。彼女は「彼が本当に好きなのは私」と言い続けた。
私は彼に助けて欲しいと言った。
彼は私と彼女が争うところを見て、自分が愛されていることを実感したいので何もしなかった。
私は彼女に無視されても、会えば挨拶をした。彼のことを彼女に言うことはなかった。
このときの経験が、浮気や不倫をする女は意外とイメージが良く、本命の彼女や妻は悪者になるものなのだと私に悟らせた。
今日は夫に会った。
私はドタキャンされるんじゃないかなとずっと思っていた。
夫は高速でこちらに来るというので、高速の出口あたりのファミレスで待ち合わせをした。
最近病んで夫にメールばかりしていた私に夫は会いたくないんじゃないかと不安だった。
あきらかに気持ちの整理ができてなくて未練たらしい私と、すっぱり離婚を決めている夫。
憂鬱。
ファミレスについた。
入り口にガチャガチャがあり、土下座ストラップなるものが売っている。
土下座しているサラリーマンのおじさんのフィギュアの携帯ストラップ。
思わず買ってしまった。
夫にあげよう。
ガチャガチャのカプセルをあけようと奮闘していたら夫も着いた。
夫の薬指にはまだ結婚指輪が光っていた。
私の胸は苦しくなった。
「指輪、まだしてるんだ。」
「うん、年明けに外すつもり。」
聞かなきゃ良かった。
極力平静を装う。
夫は食べてきたからとサラダとノンアルコールビールを頼んだ。
私はドリアでこどもはグラタン、ドリンクバー付き。
あんなに緊張していた私も比較的自然に話せている。会社の話など、気になる話になるとフリーズしてしまうけど。
夫もメールではひどい対応だが、会って話すときは割と答えにくいことでも話してくれる。
気持ちは計り知れないが、彼女とよりを戻すことはなさそうだ。
それだけでも良しとしなきゃな。
それに会話の流れの中で私の苦しみに思いを馳せていたことを思わせた。
私のこと、自分の身内だと思ってくれてたんだね。
夫はこどもを膝に乗せ、こどもは幸せそうな笑顔をしている。
絵のように幸せな親子。私の目に涙がこみ上げてくる。
ドリンクバーに行ってこよう。
なんでこんなことになっちゃったのかな。
なんで夫は私に気持ちがなくなっちゃったのかな。
名残惜しいけど帰ることにした。
夫は明らかに疲れているようだが、私は家まで送ってとワガママを言った。
今までワガママ言わなかったから、いいでしょ。
夫は快く引き受けてくれた。
帰り際、レジで友人Lがこどもを連れているところに出くわした。
今年は夫に会わないと宣言していたから気まずい。
Lのご主人はパチンコしてるようで、Lたちはご主人をファミレスで待っていたらしい。
Lも大変だね。
車に乗る。
私はいつもこどもと一緒に後部座席だが、今日は助手席に乗った。
もうすぐ他人になるのだ。夫は迷惑かもしれないが、今のうちに甘えてやるのだ。
離婚は了承してる。
でも私は今も夫を愛している。
情緒不安定な私。
「お母さんと同居しない」という私の踏み絵に見事に引っかかり、家の為に私と復縁したかったなんていう人に迫ったって気持ち悪がられるだけだ。
言葉の端々に夫が離婚後の生活をしっかり考えているのがわかる。
ちょっと会って優しくされたからって、私はバカだ。
もう30日に夫に会うのもつらい。きっと迷惑に思ってる。
2人で会うのが怖い。
もう、調停もなにもどうでもいいから、手元にある離婚届をさっさと提出して消えたい気分だ。
私はどうしたいんだ。
夫に愛されたかった。結婚とか離婚とか復縁とか同居とかどうでもいい。
心から愛されたかった。
夫と彼女の不倫は私にいろんなことを気付かせた。
家族や夫を私が愛していたこと。
生活の中で大切なものを見失っていたこと。
夫の愛がなくなっていたこと。
気付いたけど、遅かった。
私はどうしたらいい?
前を向くしかない。
生活やお金のことをみんな心配するけど、私はそんなこと心配してない。
私はどうにかするだろう。
私が心配なのは私の心がぶっ壊れてしまうんじゃないかってことだけ。
彼女との裁判も、夫との離婚調停も控えている。
心を立て直せ。
夫と会うと私は乱れる。気持ちを止められなくなる。
こどもとの面会は月に1度、私と夫と第三者立ち会いのもとで、が私の当初の希望。
今の希望は
こどもとの面会は月に1度、夫とこどものみで、だ。
会わないこと。
これがいちばんの薬だ。
30日は2人で会う最後の日にしよう。
ミクルを見始めたきっかけは、毎日悩んで悩んで、自分ではどうすることもできなくて、携帯の検索で「悩み」と入れたら、お悩み板にヒットしたのがきっかけだ。
同じようにセックスレス、不倫、離婚で悩んでいる人たちがいる。私は夢中で読んだ。
自分の力で解決した人がいないかと。
おまじない的なスレも見た。あるサイトが復縁に効果があると書かれていた。
私はサイトをのぞいた。高価なおまじないグッズを買うことは、さすがの私もなかったが、無料でダウンロードできる携帯の待ち受け画面のお守りをダウンロードした。
これは夫と彼女が不倫真っ只中で、私はまだ彼女の存在を知らなかった頃の話だ。
その頃からずっと、私の携帯の待ち受け画面は「復縁」のお守り画像だ。
そう言えば、彼女に私からの訴状は届いているだろうが、なにも連絡はない。
ずっと思っていたが彼女側からはなんのリアクションもない。
父と話していたが、もし私が不倫をして、彼の奥さんに訴えられたりしたら、私の父は黙っていないだろう。
温和な父もきっと私を張り倒し、相手の家に誠心誠意謝罪に行くだろう。
私も涙ながらに家族に詫び、もうあなたの夫に会うようなことはない、私が言うのもなんだけど幸せになってくださいと言うだろう。
会社も辞める。
彼女も彼女の両親も、何を考えているのだろうか。
私たちとは常識が違うのだろう。
もしも夫を恨むのなら、それは筋違いだ。
彼女は27才で、右も左もわからない未成年ではない。
それに私は彼女に何度も会っている。
私に媚びる感じ。
夫が既婚者であることは百も承知のはず。
夫を好きになったのは彼女だ。
私とこどもから夫を奪い、勝ち誇っていたのは彼女だ。
同情の余地は一分もない。
人の物を盗ってはいけません。
基本のしつけをされていないようだ。
裁判にご両親が同席されるなら、ぜひ教育方針をお伺いしたい。
私の父とはずいぶん方針が違うようだから。
なんとな~くだけど、
未だに彼女は夫にメールや電話をしている気がする。
そして
なんとな~くだけど、
夫は返事をすることはあるかもしれないけど、自分から彼女にメールや電話はしていない気がする。
彼女は何をしても夫の気持ちを取り返せない。
私を愛しているからではない。
夫に会って思った。
夫がこの世で唯一信じているもの、
自分の命に替えてもまもりたいもの、
唯一すべてをさらけ出せるもの、
それは こども だけだ。
こどもは小さかった頃の、満たされなかった頃の、彼自身の分身だ。
守るべき子だ。
こどもの気持ちを思いやることはできないが、夫が自分の心のまま求めるのはこどもだけだ。
そして、男女の愛ではなくなってしまったけど、こどもの母親は私だ。
彼をいちばん理解しているのも私だ。
彼女、さようなら。
夫の幼い頃にタイムスリップして、ひとりタクシーに乗っている小さな彼を、ずっと抱きしめてあげたいと思っていた。
現実にそれはムリで、私はただ涙を流すだけ。
でも私には、今、あの日の彼の分身がいる。
私は彼を今日も抱きしめて、大丈夫だ、何も心配ないと言って、眠る。
今日は夫の母に電話した。
最後にお母さんと話したとき、お母さんも取り乱していて、聞いたことない程きつい口調で後味が悪い感じだった。
さらに私が夫を試すため、お母さんと同居しないと言ったことがお母さんにも伝わっており、最後の会話が喧嘩腰だったことも気にしてか、お母さんはかなり落ち込んでいるらしい。
私も私の父も、離婚は仕方のないことだけど、こどもの祖母でいて欲しいと思っている。
離婚しても夫とこどもは会える。
私は今後面会は夫とこどもだけですれば良いと思っているので、その時、お母さんもこどもに会うことができるだろう。
何よりも、私はお母さんを恨んでなどいない、お母さんとこどもと夫の関係は何も変わることはないと伝えたかった。
こどももお母さんと話した。
こどもははしゃいで早口でいろんなことをまくしたてている。半分も伝わらないだろう。
お母さんは私が夫と話したか聞いてきた。私はお互い今回のことは納得できている、今後もいい関係でいると告げた。
30日に2人で会うことも告げた。
ただ、結論は出ているのでもめることはないとも伝えた。
お母さんは
「私は2人がいい方向へ向かってくれるのを今も願ってる」と言った。
私は
「人の気持ちばかりはどうしようもありませんから…」
でもお母さんの為に付け足した。
「長い人生なにがあるかわかりません。
いつか○○さん(夫)に振り向いてもらえるようがんばります。」
この回答ではまだお母さんは不服のようだったが、お母さんが望むからと夫の気持ちを曲げることはやめて欲しい。
心から2人が求め合うなら私たちは引き離そうとしてもくっつく。
私もお母さんも最後は涙声でお互いを気遣い電話を切った。
人生には、ただの通りすがりの人と、共に歩む人がいる。
私、夫、こどもは、たとえ離れても、それぞれの人生に置き去りにされることはない。
それは絆というものでつながれているから。
彼女は私、夫、こどもの人生を通り過ぎていく。
でも覚えておくわ。
彼女につける名は
「過ち」
あやまちって、字の通り、過ぎていくものなんだよ。
ある晴れた春の日に、スーツ姿の夫とお母さんが、祝い酒を持ってうちに来た。
夫は自信に満ちた晴れやかな顔で、お母さんは緊張した顔で、父は複雑な顔で、私は少し恥ずかしい顔をしていた。
「僕といることがだねこさんにとって幸せかはわかりませんが、僕にとってだねこさんといることが幸せです。
だねこさんを幸せにします。
結婚させてください。」
いつか泣きながら私に言った言葉を夫は父にも言った。
時間がゆっくり流れているような、幸福なとき。
私にとって幸せは
ありあまるお金でも、美貌でも、名誉でもない。
そんなものもあったらうれしいけど。
毎日家族で食卓を囲み、その日あった出来事を話し、自分のことのように共感し、一緒に眠りにつくこと。
お腹が出ても、ハゲても、変わらない。
そんな苦もなく叶えられそうな幸せが叶えられなかった。
私は毎日ひとりで家族でくらす部屋の壁と天井を見ていた。
私は笑わなくなった。
なんでもひとりでできるようになった。
ずっと愛しています。これからも隠し事なしで仲良くしていきましょう。
これからが、あると思った?
不倫が発覚する前の1ヶ月、夫の帰宅が早い日が増えた。
夫の中で何かが変わりはじめていると思っていた。
それが家庭に戻る決意だったのか、私と別れる決意だったのか、今となってはわからない。
ただ、こうなって夫は結果の重大さに後悔している。彼女を愛していた日々が、この結果に値するものではなかったと感じている。
現実に私と別れても彼女とは結ばれない。彼女にも覚悟はなかっただろう。
愛しています。
安い言葉だ。
押し切って結婚したらどうなるか。
私とこどもの気配が濃厚に残る狭いアパートで、夫と彼女の新婚生活が始まる。
お母さんと同居だ。
お母さんは彼女に優しいが目を合わせてくれない。
直接話しかけてくれない。
世間体が悪く、彼女は会社を辞める。
でも慰謝料養育費を払う為、仕事はする。
夫は私やこどもへの面会をあきらめない。
今度は彼女が私やこどもにおびえる。
不満が募る。
自分の両親は結婚してもなお、夫を許さないので両家は不仲。
自信があるなら、やってみればいい。
いずれにしても彼女にはいばらの道が待っている。
彼女にとっても、夫は通りすがりの人だとしても、過ちだとしても、結果は大きい。
慰謝料を払うという現実的な損失だけでなく、既婚者と知りつつ確信犯で肉体関係を結び、妻に裁判にかけられたという経歴が、後の人生に、人間関係にどれほどの影を投げかけるだろう。
私が彼女の友人なら、怖くて恋人を紹介しない。
彼女が将来、結婚を望んだとき、相手方にこの事実が知れたらどうなるか。
彼女は今後の人生、人よりもかなり努力をしなければならない。
とりあえず、イメージの悪いタバコはやめるべきだね。
見た目も知性も常識も、人よりかなり磨かないと、この過去は相殺されないだろう。
私は訴えられたことないからわからないけど、訴えないでって一応頼むかな。
彼女は私の怒りや悲しみを、裁判を受けることで受けとめようと、償おうと思っているのかもしれない。
私の彼女の内面の第一印象は悪くなかったので。
滑稽なことに、私は、彼女が事故にあったとき、夫にその話をきいて「なんで事故処理が終わるまでついていてあげなかったの。女の子ひとりで心細かったはず。今からでも電話してどうしたか聞いてあげなよ。」と言ったのだ。
まさか夫が仕事中に彼女とデートしていたとも知らずに。
まあ、私はまんまと騙されていたわけだけど。
もしかして、また私のかいかぶりで、彼女は私に真っ向勝負を挑んでくるつもりか?
それなら負けない。
今回のケースはこどもにも接触していて、不倫案件の中ではかなり悪質な方らしいから。
でも私はもう彼女にはなんの感慨もない。今後の彼女を見ることもないし、早く裁判を終えて私の人生から退場して欲しい。
私は夫のことやこどものこと、これからのこと、考えなければならないことがたくさんある。
弁護士はこの件にいちばん情熱を燃やしているが、私はさっさと彼女と縁を切りたい。
夫と彼女がこうなったキッカケ。
バカな妻だと思うかもしれないが、私は彼女の方が夫に迫ったと確信している。
彼女が海外旅行中、夫の携帯を無理やり奪い、データフォルダの中の私の写真に見入っていたと夫に聞いた。
このとき、「彼女はあなたのことが好きだね。」と私は夫に言っている。
夫は否定するが私へのお土産選びにも口出ししている。
普段テンションがさほど高くなさそうな彼女が私やこどもにはかなり媚びる。
過去、私は彼を他の女性に取られたことがあるが、たいていこうやって「奥さん(彼女さん)キレイですねー」と言いながら男の反応を伺う。
男からグチのひとつでも聞き出せれば、あとは怒濤のようにうんうん、わかる、そうなんだ、それはひどい、私ならあなたを幸せにしてあげるとなだれこんでくる。
私は不倫が発覚した日、夫に「どうせあなたから彼女に手を出したんでしょ!」とかみついた。
その時の一瞬の夫の表情を私は見逃さなかった。
夫はすぐ彼女をかばうため「そうだ。」と言ったが、私は彼女からだと悟った。
もちろん私にとっては夫がいちばん悪いことに変わりない。
誘いに乗った時点で家族を捨てたのだ。
だが、彼女自身と彼女の家族は、彼女を責めるべきだ。
軽率で、不倫にスリルを感じ、色欲を愛と呼ぶ彼女を。
今日も幼なじみのMから様子伺いのメールが来た。
家庭を持ち、仕事もしていて、私も気にかけてくれる。
ありがとう。
昨日は年賀状を出した。去年年賀状をもらった人全員ではなく、女子会メンバーと前の職場の人たちだけ。
私の名前は職場の人たちには夫の姓で、女子会メンバーには旧姓で出した。
それと、履歴書も送った。
名前は夫の姓で、配偶者の欄は無しに○をつけた。
職安が必要ないくらい情報(私の今の状況)を流しているので書類選考でダメかもしれないけど。
今年ももうすぐ終わりだ。
ものすごい厄年だったけど、厄年って、自分の人生の問題点があぶり出されるときでもあるらしい。
かなりあぶり出されたなあ。
すべて前向きに捉えて、幸せになりたい。
悲しくて
つらくて
苦しくて
涙が出る。
私はこどもの母だ。しっかりしなくては。
わかっている。
寂しい。
声が聞きたい。
会いたい。
寄りかかりたい。
だめだ。
拒絶される。
手に入らないものに触れれば心が死ぬ。
しっかりしなきゃ。
しっかりしなきゃ。
どうにもならない。
すべて放り出して消えてしまいたい。
私の心の中の悲しみの箱はもう一杯で溢れ出ている。
これ以上私に努力はできない。
いますぐ救いあげないと死んでしまう。
なにも言うことはない。
なにもできることはない。
愛はない。
私は沈んでいく。
もう浮かばない。
君が笑えば すべてが良くなる
夫はCMソングのこのフレーズが心に響いたと言った。
なにも考えずそう言ったのか。
夫の想う「君」は誰なのか。
自分自身なのか。
こどもなのか。
彼女なのか。
もしも私なら、
私にもう一度笑って欲しいなら、
私が笑顔になれるように、人生の灯になってください。
私の支えになってください。
私の涙が止まるまで温めてください。
努力をしてください。
もしも、私でないのなら30日を待つ必要はない。
私を自由にしてください。
私は臆病者だ。
鬱の入り口に立っているのだろうか。
30日、会う自信がないと夫に断った。
別れの言葉を聞く覚悟はあると言ったのに、ダメな奴。
やはり面と向かって言われるのはムリだ。外で会うって、どこで会うつもりだったかわからないが、私が涙でぐしゃぐしゃになって取り乱している姿が容易に想像できる。自力で家に帰り着く自信もない。
だいたい私はバカだ。
もう気持ちはないと散々聞いたのに、何を聞くつもりだったのか。彼女のことはもうどうでもいいし。
会って話すことなどないのだ。
夫は今の自分の気持ちを伝えたいと言うが、聞くのが怖い。
自分のしたことの謝罪と私たちの幸せを願う言葉、別れの言葉。
そんなもの聞くくらいなら、調停で離婚を成立させるまで会わない方が幸せだ。
すべてが終わればそんな言葉も聞けるかもしれない。
夫は手紙を書くよと言った。
私はどうしたいのか、自分で自分がわからない。
私が「戻ります」と言えば戻れるだろう。
私の家族は反対するだろう。
お母さんとこどもは涙を流して喜ぶだろう。
夫はそんな2人を見て自分の心に蓋をするだろう。
私は心のない夫を側に縛り付けて、自分を満足させることはできない。
私は戻れない。
戻っても、戻らなくても、私の欲しいものは手に入らない。
だったら私は夫の目に入らないところにいたい。
今日の夫のメールはだいぶ心がこもっていた。
私が言って欲しいことは書いてないけど。
私が望む気持ちが夫にないから書いてないんだけど、精一杯私に配慮しているのが伺える。
11月からのメールを追っていく。
一見心配しているような夫のメールに垣間見える悪意。
こども、こどもと連呼し、暗にお前はいらないのだと伝える。こんな事態になったことに対する私への八つ当たり。
時間が経つにつれ、メールがマシになってくる。
彼女に対する気持ちや私に対する気持ちは言わず、ひたすら謝罪。
そしてようやく私に気持ちはあると言い出す。でも、気持ちはあるよ、愛してるよ、でも言ったって無駄だろ、もうメールしない、みたいな内容。
確かに伝わってこない。
その後、お母さんたちと相談して私に謝ろうとしてた、同居しないなら離婚でいいと言われた。
本当に愛してるならこんな言い方しないよね。
ないものを探して過去のメールを見る。
今日は生きている実感がまるでない。
離婚にしろ、気持ちを伝えることにしろ、リードするのはいつも私。
私が動かなければどうなるの?
私に聞かれなくてもどうしたいか言ってよ。
私はいつも待ちぼうけ。
いつも壁と天井を1人で見つめて泣いている。
夫に電話した。
DVDを見ていた。
結構一人暮らしをエンジョイ。
寂しくて電話してしまったと言った。
夫はメールも電話もつらいだけだと言っていたけど。
私は話を聞く、けして電話を切ったりしないからと言った。
夫は心の準備ができていないと言いつつ話してくれた。
まず言われたのが、仕事を辞め、こどもの保育園を辞めさせる決断が早すぎる。
私はまさか第一声が批判とは思わなかったので面食らった。
別居しつつ3月まで通わせてやれば良かったのに。
私だってそうさせてやりたかったけど、小学校入学の手続きもある。ずっとアパートにいるわけにはいかない。
それに一週間待った。夫が私たちを取り戻そうと働きかけたのはメールで「帰っておいで」「まだ待てよ」と言っただけだと思う。
真剣さがないと思う私は間違っているだろうか。
なんで私怒られてるの?
俺はお前が好きだよ、戻って欲しいよ。
でも苦しめるだけだから別れるよ。
私はあなたのことが好きだよ。戻りたいよ。でもあなたはそうやってすぐあきらめる。
じゃあ、戻ってよ。
そのかわり戻ったら今みたいな言い争いはなしだ。
言い争い?気持ちを聞くことが言い争いなの?それに、戻って私は毎日グズグズ言うつもりはない。でも、ふとした時にフラッシュバックしないとは言い切れない。その時あなたが私を支えると言ってくれなければ戻れない。
じゃあムリだ。
おかしくない?なんで私がお願いしなきゃいけないの?あなたは批判から入って謝罪もしないの?
本当に悪かったと思ってる。でも言い争いはこどもにも悪いだろ。なんて言えばわかるの?
私は「俺が支えるから戻って欲しい」って言って欲しいよ。
それは言えない。俺は毎日苦しんでる。こんな会話もつらい。お前も努力が必要だろう。
不倫されたのは私よ。私は彼女のことを飲み込んで戻るのよ。すでに努力してるじゃない。私だって毎日文句言わないのよ。辛いとき支えて欲しいの。私の為に努力してよ。
俺は努力してるよ。俺は毎日辛いんだ、病んでるんだ。
私だって…
じゃあ別れるよ。
もう別れていい。
もういい、もういい。
電話を切った。
2コールで出た。
「う~ん?」
いつもこうやって感情に突き動かされて、どうにかしようとするのは私。
俺は何度も言うけどお前が好きだよ。戻りたいよ。
戻るならこんな話はやめてくれ。
今、戻るか戻らないかを話しているのよ。後々こんな話したくないなら、今きちんと話すべきでしょう。
そうだな。
俺はお前に戻って欲しい。
私も努力する。でもあなたには私よりもうちょっと多めに努力してほしいの。
ハ~ン?努力するよ。
バカにしてる?
いいや~。
私はあなたと彼女が一年半いろんなことしてるのを乗り越えて…
あ~、は~?
ちょっと。
俺毎日寝てないんだよね。仕事もキツイしさぁ。30、31、1、2、3日のどれかに会って話そ~
もう、いい。
悲しい。
自分のバカさ加減が。
私は毎日寝てないよ。仕事はしてない。でも昼寝もしてない。
今ショックでめまいが止まらないよ。
そう言えば夫は
「そりゃ大変、別れなきゃ」って言うだろう。
普通、男はすまないと言って女を抱きしめるんじゃないの?
お前が努力しろってなに?
まわりの人もみんな私に努力しろと言ってるらしい。
何を言ってもお前には伝わらない。
伝わるわけないだろう。
私の感情より、今やっと理性が戻ってきた。
この男はダメだ。
会う必要はない。
調停でフルボッコだ。
感情に突き動かされて好きだ、愛してると言い続け、なんでもするから戻ってくれと言うならまだしも、あの上から目線のオレ様な態度はなに?
なにかっていうと俺はつらい、俺は病んでる。
夫は一年半若い女を抱き、家庭を捨てたのだ。そして病んでる?性病じゃないの?
こどもの父親を名乗る資格もない、こどもにとっても恥にしかならない人間だ。
家族が再生する為に、誰がいちばん努力しなければならないかわからないとは。
こどもでもわかるわ。
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