龍の棲む星
「洪水」
「地震」
「干ばつ」
「火山噴火」
各地に残る龍神話。
彼らが再び暴れ出した時。
世界が…変わる!!
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【召集】
「待たせたね。」
そういって彼は中央の椅子に静かに腰掛けた。
アンティーク調の家具で揃えられた室内は落ち着きがあり、主人のセンスのよさを思わせる。
その男、ポロニウは室内をぐるっと見回し、客人にお酒を勧める。
「前置きはいい。本題に入れ。」
紋付き袴を着込み、口を真一文字に曲げた男が杖に顎をのせながら言う。
「全く爺さんはせっかちね~美味しいわよこのワイン。あなたも飲んだら石化してる下のモノもちょっとは柔らかくなるかも。」
「うるさい。おまえの様な女が跡継ぎとは嘆かわしい事だ。」
老人は女を睨み付け、
「あいつは一体何を考えておる…」
と愚痴をもらす。
「お祖母様は私の実力をちゃんと分かってるのよ。そして新しい時代に何が必要かもちゃんと分かってる。古くさい頭のあなたとは違うのよ。」
女は悪びれもせず、得意げにワインを飲み干す。
真っ赤なミニドレスにブラウンの髪。
赤いドレスと反対に深緑の瞳が印象的だ。
一見上等なコールガールに見えなくも無いが、彼女の瞳からはそれらの女が持つような淫美さは無い。
強い力を宿した瞳は見つめられると心まで見透かしてしまいそうである。
「まぁまぁお二人とも。久しぶりなんですから仲良くして下さいよ。」
背の高い男が二人の間に割って入る。
銀縁のメガネから覗く瞳は薄紫。
背の高さに反しその顔にはどこか幼さが残る。
「久しぶりねロイ。あの夜よりもイイ男になったわ。」
女は何事も無かったかのように男の方へ向き直り、頬にキスをした。
「サハナさんもお元気そうで何よりです。勿論Mr.神楽も。」
ロイと呼ばれたその男は女を笑顔で受け流しながら、老人への配慮も忘れない。
「皆さんお変わりないようで何よりだ。Mr.神楽の言うように皆さん忙しい中集まってもらってる。さぁ、本題に入ろうか。」
一連の流れを見守っていたポロニウが静かにいう。
「昨日。解読を終えた。」
その一言に一瞬にして室内が静まり返った…。
「それって……!!」
最初に静寂を破ったのはサハナだった。
平静を装ってはいるが、声はわずかに震えている。
「うるさい。最後まで話を聞け。」
すかさずMr.神楽が一喝する。
「そうね…続けて。」
室内の緊張感を察したのか、老人に噛み付く事なくサハナが言う。
「皆も知っているだろうが。この星はいずれウォータークロックに入る。これまで漠然とは分かって居たが、何世紀後なのか、何十年後なのか、はたまた何日後なのか…。とにかく、正確な日付が分からなかった。
しかし、昨日、全ての解読を終え、判明した。」
「…いつになるのですか?」
ロイが控え目にきく。
ポロニウは全員の顔を見渡した後、言葉を確かめるようにゆっくりと話す。
「…今から丁度一か月後…。来月の19日だ。」
【器】
「一か月後とは…。
時間が無いのぉ…。」
Mr.神楽が眉間に深い皺を作る。
「しかし、今分かって幸運でした。それこそ解読が『目覚めの日』に間に合っていなければ、どうなっていた事か…。」
ロイの言葉にサハナが頷く。
「確かにそうね。まさか私の代でこんな大きな役回りが来るなんて思ってもみなかったけど…。でもまぁ、間違なく末代にまで名は残せるわね。」
サハナが長い足を組み替え、フゥーと煙草をふかす。
するとすかさず、
「汚名にならねば良いがね…。」
Mr.神楽が呟いた。
「爺さん聞こえてるわよ!!!」
「おぉ~そうかぃ。イカれてる割に、耳だけ!は良いようじゃな。」
「何ですって!?耳さえも悪い老いぼれに言われたくはないわ!!」
(ギャーギャーギャー)
いつもは周りをハラハラさせる二人のやり取りも、この時ばかりは場の緊張感を和らげた。
「まぁまぁまぁ。」
懲りずに皮肉をぶつけ合う二人をポロニウが苦笑しながらなだめる。
「皆さん冷静で何よりだ。各種族を束ねるあなた方がパニックになったらどうしようかと心配していたのだ。」
そして再び表情を引き締め、続ける。
「しかし、状況は急を要している。一刻も早く器を準備せねばならない。」
そう言うと、各自の前に分厚い資料を置いた。
「誠に微力だが、器になり得る者のリストを作成した。何分急だったので、適性の度合いも精査ができていない。よって、このリストは参考程度と思ってくれ。これから先は『ケアード』の力を持つ各々方に委ねる。『目覚めの日』までに…宜しく頼む。」
こうして、会議は終了した。
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