悪徳弁護士

19の短大の頃
同じ年の彼がいながら
私は47のｵｼﾞｻﾝと付き合う


鈴木さんとのセックスは抜群に気持ちが良かった



当時の私は
初めての官能的な大人の世界に馬鹿みたいに腰を振る

• 共感0

それはマニュアル通りの丁寧な愛撫ではなくて
乱暴過ぎるくらいな
強い愛撫ばかりだった


自分のテクニックをひけらかす幼さが見え隠れする彼氏とは
全然ちがう・・・

• 共感0

そこにはいつも
魂で私の全身を楽しむ
「余裕さ」があり


私はその大人な部分に惹かれながら
少しばかりの嫉妬をしながら



鈴木さんとのセックスに明け暮れた

• 共感0

鈴木さんが言う


「この事 彼氏 知っとるんか」




「知るわけないじゃん」





「いやらしい女やな。怖い」

• 共感0

昼間は学校に行きながら
夜は友人のトモに誘われて
水商売で働いてた私



鈴木さんは その店によく来ていた

• 共感0

お店でNo.1の子の接客を
私はずっと目で追い
話し方
笑い方
声のトーン
立ち振る舞い

いかに女っぷりを売るかを
自分なりに勉強した

• 共感0

No.1の子のヘルプにつくことが増えた



彼女を間近で観察すればするほど
彼女の魅力に女の私でさえ目がくらむ



こりゃ男がはまる訳だ

• 共感0

「そこの陰気くさいあの子がええんやけど」



そう言うと鈴木さんは私を初めて指名してきた

• 共感0

鈴木さんのテーブルにつくも
すぐに苦手意識が働いた
会話が弾まない




タバコを吸うペースが速く
鈴木さんのタバコに火を点けるを繰り返す



指名しておいて
・・・これかよ



正直 だるかった

• 共感0

「ここが終わったら ちょっと付き合ってもらえん？」


鈴木さんの言葉に
「アフターは店のママがうるさいから」
私は やんわりと断った

• 共感0

これでも自分には
ささやかな戒律があった

この世界に どっぷりはまらない
枕営業なんてする女にはならない

• 共感0

また次のバイトの日も
鈴木さんが私を指名した



相変わらずスローテンポな
つまらない会話を繰り返した





「彼氏おらんのか」
「親は娘がこんなバイトしてるの知っとるんか」
「こんな所 辞めた方がいい」




そんな単語っぽいことを
口にしてくる始末

• 共感0

私の彼氏は
退屈なくらいに優しい男だった
どんな私の我が儘さえ
愛しいと口にする




当日の私は
そんなお人よしな彼氏を尻目に好き勝手していた

• 共感0

沢山の嘘を重ねながらも
寂しくなったり
少し心が弱くなったり
気が向いた時には
自分から彼氏に近寄って甘えてみせた


二股ばかりを繰り返し
つじつま合わせに苦労しながらも私はキープを続けていた

• 共感0

私の父は弁護士をしていた
母は専業主婦
二人の兄は大学卒業後それぞれ大学院に進学し
長男は弁理士の資格を取り特許事務所に就職
次男は在学中に司法試験を受け弁護士になり渉外弁護士として都内で働く

• 共感0

天秤が刻印されている向日葵の銀バッジ



必ずしも
そこに大輪の向日葵が咲くとは限らない

• 共感0