【私と母】~私の半生日記番外編~

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2010/02/22 13:56(更新日時)

【私の半生日記】の番外編、【私と母】です。



私と母の関係をメインに
私が結婚に至った経緯、母としての私、現在の私を記していきたいと思います。


【私の半生日記】ほどドキドキハラハラはありませんが
お付き合い頂ければ幸いです。





毒女

No.1162892 (スレ作成日時)

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No.101

>> 99 しかし、母は不在でした。 私は、息子の写真を印刷した出産の報告をハガキを母に出しました。 そのハガキが到着したと思われるころ … 「野良犬以下」
「可哀想な子供」
「ロクな人生を歩めない」

母のその発言を聞いた私は、無意識のうちに言葉が出ました。


「何度も私を捨てておいて・・・あなた(母)にとっての私は、もともと野良犬同然だったんでしょ。



でも、私の息子は
「可哀想な子供」ではない。

両親に愛されていれるから。

私はあなたみたいに、子供を捨てたりしません!!」


堰を切ったように出た私の本音を遮り、母が怒鳴りました。

「ほらね。やっぱり出たよ、あなたの本性が!!

あなたは『誰も恨んでません』って健気ないい子ちゃんぶりながら、本当はそうやって親を憎み続けてたんでしょ?

こっちの苦労や事情も知らずに!!

腹黒いあなたの本性がやっと出たね!!」


「親の愛を求めて好かれるように振る舞うことを、腹黒いって言うの?」


「親の愛?
あなたがそんなモノを求めていたようには見えないけど?

グレて、家族に悪影響を与えただけじゃない!!」

母はヒステリックに叫びました。

No.102

>> 99 しかし、母は不在でした。 私は、息子の写真を印刷した出産の報告をハガキを母に出しました。 そのハガキが到着したと思われるころ … 「とにかく」

母は一呼吸置いてから続けました。


「あなたの子供になんて、一切興味がないから。
不倫で生まれた子供なんて、抱くのも汚らわしい。

お父さんも、生きていたら同じ事を言うでしょうね」



パパ・・・


本当にそう言うだろうか・・・


「分かりました。
今後一切連絡はしませんので」


私はそう締めくくり、電話を切りました。



私の喋り声も気にせずに、すやすや眠る息子を見ながら


ごめんね・・・
ごめんね・・・
私は何度も呟きました。


息子には、
可愛がってくれる祖父母は、一人も居ない。

でも、その分を補うような愛を
私と磯部部長があげるからね。


ごめんね…

No.103

私の産休明けと同時に、社長のご好意で
磯部部長が九州に転勤となりました。


家族3人で過ごす九州での生活はとても幸せでしたが、
家事と育児とハードな仕事の両立は非常に大変でした。

もちろん磯部部長も手伝ってくれましたが、睡眠不足のせいで疲労感は溜まる一方。


息子が1歳を迎えたある日、私は仕事中に倒れ救急車で病院へと運ばれました。



点滴を受け安定した私は、看護師の様々な質問に答え
血液検査と尿検査を受けました。

しばらくして、
病院まで同行してくれた磯部部長が担当医師に呼び出されました。


私の居ない場所で、磯部部長と医師が話をするのは何故?

もしかして、私は重い病なのかも…


私は病気なんかになるわけにはいかない!!


神様・・・
息子と夫を遺して、死ぬわけにはいかない!!



磯部部長が戻るまでの数10分は
永遠にも感じる長さでした。

No.104

ガラガラガラ・・・


病室の扉を開き戻って来た磯部部長の顔には
満面の笑みが浮かんで居ました。



なに?
なに?



それは、余命の短い私を勇気づける為の笑顔なの?


そうなんでしょ?



パニックになった私は、磯部部長が口を開くより先に泣き出してしまいました。


驚く磯部部長に、私は聞きました。


「私、重い病なの?
もう死ぬの?

お願い・・・はっきり言って!!」




泣きながら言う私に、磯部部長は声を上げて笑いながら言いました。



「毒は全然死なないよ(笑)

死ぬどころか、産まれるんやて♪」




「産まれる?」





「毒、妊娠してるみたいやで♪」

No.105

翌日、私はエコー検査を受けました。


医師は
「おめでとう。

えっと・・・



妊娠・・・5ヶ月半ですね。

今まで全く気付かなかったなんて(笑)」

医師と私と夫は、顔を見合わせて爆笑しました。




長男を母乳で育てていた私は、生理が来ないまま妊娠。


慌ただしい毎日に追われ、妊娠に気付かないまま日々を過ごし
過労と貧血で倒れたようでした。


しかし、赤ちゃんは至って健康。

しかもたった4ヶ月後には、もう出産。


会社にはまた迷惑を掛けてしまうけれど、
新しい命を心の底から喜びました。

No.106

出産までの日々は瞬く間に過ぎました。
予定日ギリギリまで仕事をしていた私の勤務中に、その連絡は入りました。






「お母さんが倒れた」



弟からの電話でした。





「今は落ち付いてるけど、お母さんはうわごとで毒ちゃんの名前をずっと呼んでいた」



弟はそう言いました。


詳しく聞くと母は昨夜、脳梗塞を起こしたそうでした。


一命を取り留め今は安定したものの、朦朧とした意識の中でずっと私の名前を呼んでいた・・・と。


「無理にとは言わないけれど、良かったら会いに来てやってくれないかな」
弟は、遠慮がちに言いました。



「うん。分かった」

No.107

「うん、分かった」

私はそう答えましたが、行く気はさらさらありませんでした。


いつ陣痛が来てもおかしくない体だから。

そんな正当な理由を建て前として考えていましたが
もう母と関わり落胆したくないのが本音でした。

最後の最後まで私を罵倒する為に、私を呼んでいるのかも知れない。

「もうこれ以上、母に傷付かせられるのは嫌だ」
そうまとめれば、綺麗に収まる。


でも私の本心は
「母なんて、もう知ったことではない。死ぬなら勝手に死ねばいい。
死に際になってようやく私とね和解を求めるなんて、自分勝手過ぎる。後悔しながら死ねばいい」


心の底からそう思っていた私は、
弟からの再三に渡る連絡にもかかわらず
母には会いに生きませんでした。

No.108

無事に長女を出産した私は、産休を使い切ってから会社を退職しました。


「せめて幼い間ぐらいは、子供のそばに居てあげたい」


それが、私達夫婦の共通した考えでした。






あれから5年。


この春、下の子供も小学校に上がります。



100点満点ではないけれど、
自分が憧れていた「お母さん」になりつつある私。


小さなトラブルはあるけれど、
私が欲しかった「幸せな家族」を手にした私。



今に至るまでの人生は、悲しみの連続だったけれど
全ての悲しみは「今の幸せ」を得るために必要だった道のり。


数々あった試練のうち、もしどれかひとつでも欠けていれば
今の幸せはなかったのだと思っています。



そして、あの時に悩み抜いて出した答えは
全て正解だったのだとも思えるようになりました。



しかし、


私にはあとひとつ、下さないといけない決断が残っています。



それは




「母と私」について・・・

No.109

母が倒れたという知らせを受けた3年後、

母から手紙が届きました。



その手紙は、達筆な母からのものとは思えないほど乱れたものでした。


脳梗塞の後遺症で、文字が上手く書けなくなったのでしょう。


母からの手紙には、こう記されていました。

No.110

母からの手紙には、こう記されてありました。


毒ちゃんへ


(前文略)

毒ちゃんは、自分は母親に憎まれていると思っているでしょうね。


でも私は、毒ちゃんのことを憎んではいません。


ただ、どうやって付き合えば良いのか分からなかっただけなんです。


不良グループと付き合い、冷めた目で私を見下ろす毒ちゃんに戸惑い苦悩した私の気持ちも分かって下さい。


あなたはずっと私のことを、「母親ではない」と思っていたでしょう?


私は、それがつらかったんです。



(中略)



次、脳梗塞を起こせば、多分もう私の命はないと思います。


毒ちゃんとの関係をこのまま終わらせるのは、悔いが残ります。


私がつらかったことを、どうか毒ちゃんにも理解して欲しいです。
そして最後に、毒ちゃんと毒ちゃんの子供の顔を見させて下さい。





こんな内容の手紙でした。

No.111

この手紙を読んだ瞬間、私はすぐさま破り捨てたい衝動に駆られました。



かろうじて気持ちを落ち着け再読するものの、
最初に感じた嫌悪感は増す一方でした。



私自身が「子を持つ親」でなければ多分、母からの手紙の内容に涙したかも知れません。


しかし今の私は、子を持つ親。


母の文面こそ丁寧ですが、内容は一環して
「自分はつらかった」
「自分は困っていた」
「自分は戸惑った」
ばかり。




捨てられ、暴力を受けた私の気持ちになんて、一切触れていない。


全ての文面が「自分は・・・」



私はこの手紙で、改めて母の愛情のなさを感じました。



しかも、
「最後に一度だけ、毒ちゃんの子供に会わせて欲しい」



私の子供は、人形じゃない。

母が何度も私を捨てたような、野良犬じゃない。


「『一度だけ』と言うのは、言葉のアヤやろ・・・そんな風に揚げ足を取るなよ」


手紙を見た夫は言いましたが、
私には最も許せない表現でした。

No.112

手紙を受け取った時、長男は幼稚園生でした。

祖父母がいない息子には、
おじいちゃん=老人
おばあちゃん=老夫人

という概念がありましたが


幼稚園では「おじいちゃん」「おばあちゃん」という本当の意味も教わって来ます。


幼稚園で聞いたけど、なんでボクにはおじいちゃんとおばあちゃんが居ないの?


なんでお母ちゃんとお父ちゃんには、両親が居ないの?
全員死んじゃったの?
そんなの、寂しい!!
ボクもおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に遊びたかった!

そう言って泣く息子に、胸が張り裂けそうになった記憶があります。


ごめんね…
タックン(息子)には、おじいちゃんもおばあちゃんも居ないんだよ・・・



本人はそれから二度と言わなくなりましたが、
私の胸には今も息子の涙が焼き付いています。

No.113

だから尚更
「一回だけ会わせて」
その言葉が許せませんでした。


子供は、あなた(私の母)の都合で動く人形じゃない。


感情もある。
記憶もある。
考える力もある。


自分の都合で
「抱くのも汚らわしい」だの「会わせて欲しい」だの
子供まで振り回すのは止めてくれ!!

私だけなら構わない。

でも、私の子供たちまであなたに振り回されるのはまっぴらごめんだ!!



私はそう思いました。



私は鬼かも知れません。



多分、
親に対する恩も愛情も感じない鬼と言われるでしょう。



でも、鬼になってでも
私には守るものがあるのです。

No.114

広島のオカマちゃんに言われた

「しない後悔より、する後悔」


この言葉は今も鮮やかに蘇ります。


母に会いに行かなければ、きっと私は後悔するだろう。



許すのは、憎み続けるよりずっと簡単なことです。

憎み続けるには、かなりの膨大なエネルギーが要ります。
許してしまえば、もうそのエネルギーは必要ない・・・


分かってはいても、私は許すことが出来ずにいました。





「子供たちの為に、母とは関わりたくない」




次第にはそれが建て前なのか、本音なのかも分からなくなりました。

No.115

そして昨年の10月。


母が二度目の脳梗塞を起こしました。



すぐさま駆けつけた私を見た母は
朦朧としていた目を開け、そして言いました。



「お母ちゃん、ごめんな。
お母ちゃん・・・ごめんな。

本当にごめんな


お母ちゃんの子供で良かった・・・


大好きやで…お母ちゃん・・・」



母は、私をお母ちゃん(私の祖母)と勘違いしているようでした。



私はそっと母の手を握り



「もういいよ。
謝らなくていいよ・・・。
私も大好きやで…」





母は涙を流しながら、目を閉じました。




母はその後、奇跡的に一命を取り留めましたが
もう、私は二度と母を面会することはないでしょう。





朦朧とした母は、私と祖母を勘違いしていたけれど


母から聞けた
「ごめんね」
「大好きやで」の言葉。





もうその言葉だけで、私の中で全ての争いに終止符が打たれた気がします。





しかし、母にはもう二度と会う気持ちはありません。


また傷つけられるのが怖いから。



「大好きやで」



母からのこの言葉を、最後にしたいから…












No.116

毒さん、お疲れ様でした。前作、そして番外編と読ませていただき色々考えさせられました。感想スレが有るのにすみません、つい感動してレスしてしまいました。

No.117

>> 116 ■ちゃむさん■

長期間に渡りお付き合い下さいまして、本当にありがとうございました。


私も、ここで書き綴ることで
母との関係を整理できたと思います。


ありがとうございました。

No.118

毒女さん
今 どうされて居ますか?
今朝方カラ初めて読ませてもらい 考えさせられました。
ワタシと娘の関係…。

No.119

毒さん、全部拝見致しました。色々な思い解ります☆

今は磯部部長と幸せに過ごしているんですね☆感動もしました☆

毒さん体に気をつけて有難う御座いましたm(_ _)m

No.120

主様 小さいうちから壮絶な人生を歩んできたんですね😢

自分の中の葛藤…本心… いろんな思いをした主さんは 月日はかかったけど やっと 安住の地を見つけたんですね👍

一時はあんなひどい暴力までした人と将来を誓いあって 素敵な笑顔をくれる お子様が2人もできたんだから 自分の…家族の幸せを一番に 頑張ってくださいね⤴

お幸せに🔔❤

No.121

うーん、やはり主さん文才ありますね。

ずっと思ってたんですが磯部部長から受けた暴力を許せる(?)って凄いですね。俺なら付き合ってる人からそんなことされたら、もう何があろうと絶対顔を合わせることはないですが…。仮に顔合わせても、たぶん即行で帰ります。

主さんの生気の強さに感動しました。

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