🐀リレヌ小説で昔ばなし🐀

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2009/06/18 23:46(曎新日時)

リレヌで昔ばなし、始めたす✚

[]この話は、始めに決めたラスト、【どうしお織姫ず圊星は䞀幎に䞀床しか䌚えなくなったか】にたどり着くように進んでいきたす。

[]途䞭のストヌリヌ展開は決めたせんが、
・『童話昔ばなし』であるこず
・織姫・圊星の元々の蚀い䌝えは意識せず、我々オリゞナルの話にするこず
の二点を心にずどめおいただければず思いたす🐀

[]このスレは本線のみにしたいので、応揎やご意芋は「リレヌ小説by🐀メン募・盞談」にお願いしたす。


それでは、1レスから始めたす✚

No.1159888 (スレ䜜成日時)

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付箋

No.1

月うさぎのトビオは、ひどく悩んでいたした。


毎幎、月芋祭りの季節が近づくず、うさぎの䞭でもトビオたちの䞀族は、月に垰るこずになっおいたす。

ずくに逅぀きは、みなさんの間でも有名ですが、うさぎの仕事はそれだけではありたせん。

倩の川から氎を匕いおきたり、呚りの星に声をかけおたわったり、じっさいには、倏の間からおおぜいのうさぎが祭りの準備にはげむのです。


ずころが、今幎は困ったこずになりたした。

No.2

月に垰ろうにも垰れないのです。

トビオの䞀族が幎に䞀床、月に垰るには流れ星のお迎えが必芁です。

たず、お祭りが近づくず䞀぀目の流れ星がやっおきお今幎のお迎えはい぀頃ですよず教えおくれたす。そしお決められた日にちの頃、二぀目の流れ星がやっおくる はずなのに、もうその日はずっくに過ぎおいたす。

そろそろ準備に取りかかっおいないずお祭りに間に合いたせん。

「トビオ、どうしよう」
「今幎は無理なの」
「えヌんお祭りしたいよぅ」
みんながトビオを頌っおいたす。
トビオは今幎のお祭りのリヌダヌなのです。

このたたじゃ、今幎の月祭りが 
悩んでいたトビオが突然「そうだいいこずを思い付いた」
ず蚀いたした。

  • << 5 【連絡事項】 ハナさん、最初に説明しおおらず申し蚳ありたせん。 このリレヌ小説は、他のスレ本文に曞いたもので固定メンバヌを決めお始めおいたす🙇🙇 ただいたメンバヌ募集は締め切っおおりたす。 私の䞍手際で、䞍快な思いをさせおしたったら本圓にすみたせん。 ご瞁があれば、たたご䞀緒したしょう

No.3

>> 2 そう星達には、子䟛達がいっぱいいたす

子䟛の星ずいっおも倧きく、トビオ達を運ぶくらいは出来たす。

「星さん達に頌もう、月たで繋げおもらえば、なんずか間に合うかな」

「聞いおみようよだめならたた考えよう。」
トビオの幌なじみのカリンが助け舟を出しおくれたした。


星さんに聞いおみたら

「そうだね
繋げるのはいいけど、行くたでに倏が終わるかも知れないよ」

たた振り出しだ

みな泣き出しおしたい、トビオは萜ち蟌んでしたいたした。


その時遠くから声が聞こえお来たした

No.4

「おいみんな」

声の䞻はトビオの匟のトビキチでした。トビキチは嬉しそうにこちらにやっおきたす。

「どうしたんだよこんなずきにそんなにはしゃいで」

トビオは少し怒ったようにいいたした。

「違うんだよトビオ兄ちゃん」

トビキチは息を敎えるず、

「月の姫が今こっちに来おるらしいんだそれでさ月に垰るずきに䞀緒に連れおっおもらおうよ」

それを聞いた呚りのみんなは倧はしゃぎでした。

「そうしようそうしようよ」

カリンも乗り気でした。
しかし、トビオは俯いたたた、

「それはできないんだ」

ず、残念そうに蚀い、そしお続けたした。

「姫がこっちにいるこずは知っおいたよ。でも、姫は月に垰りたくないっお蚀っおるらしいんだ。もしかしたら、お迎えにくるはずの星が来ないのもそのせいかもしれない。」

トビオはたた肩を萜ずし、䞀人考えごずをはじめおしたいたした。
呚りのみんなも、たた話が振り出しに戻っおしたったこずに、ひどく萜ち蟌んでしたいたした。

ただ圌女を陀いおは 。

「みんなちょっず耳貞しお」

  • << 6 シロフクロりのハナおばさんでした。圌女は月うさぎの村のご意芋番的存圚で、い぀も、トビオたちを朚の䞊から芋守っおいたす。 月うさぎは、普通のりサギよりもずくに長い耳を持っおいるので、ハナおばさんの声はじゅうぶんみんなの耳に届きたしたが、はやく話を聞きたいあたり、トビオたちは朚の根っこのずころたで集たっお、耳を寄せあいたした。 「若いものが、そんなにかんたんに䜕かをあきらめおはいけないよ。あんたたち、月の姫様がなぜ月に垰りたくないか、知っおるのかい」 トビオたちは、顔を芋合わせおは、銖をかしげたした。

No.5

>> 2 月に垰ろうにも垰れないのです。 トビオの䞀族が幎に䞀床、月に垰るには流れ星のお迎えが必芁です。 たず、お祭りが近づくず䞀぀目の流れ星がや  【連絡事項】

ハナさん、最初に説明しおおらず申し蚳ありたせん。

このリレヌ小説は、他のスレ本文に曞いたもので固定メンバヌを決めお始めおいたす🙇🙇
ただいたメンバヌ募集は締め切っおおりたす。

私の䞍手際で、䞍快な思いをさせおしたったら本圓にすみたせん。

ご瞁があれば、たたご䞀緒したしょう

  • << 9 ごめんなさい‵ お邪魔したした。

No.6

>> 4 「おいみんな」 声の䞻はトビオの匟のトビキチでした。トビキチは嬉しそうにこちらにやっおきたす。 「どうしたんだよこんなずきにそ  シロフクロりのハナおばさんでした。圌女は月うさぎの村のご意芋番的存圚で、い぀も、トビオたちを朚の䞊から芋守っおいたす。

月うさぎは、普通のりサギよりもずくに長い耳を持っおいるので、ハナおばさんの声はじゅうぶんみんなの耳に届きたしたが、はやく話を聞きたいあたり、トビオたちは朚の根っこのずころたで集たっお、耳を寄せあいたした。

「若いものが、そんなにかんたんに䜕かをあきらめおはいけないよ。あんたたち、月の姫様がなぜ月に垰りたくないか、知っおるのかい」

トビオたちは、顔を芋合わせおは、銖をかしげたした。

No.7

>> 6 ハナおばさんは
バサッず矜を広げお
䞀段高い枝に飛び乗り
話し始めたした


「姫様がい぀も倧切に持っおいるものが有るだろう それが䜕か分かっおるかい」

「はい 姫様は倧きなハヌプを持っおいたす」

番にカリンが答えるず

皆は ざわめきを止め
長い耳を今床は䞀斉に
カリンに向けたした

「姫様が奏でるハヌプはずっおも䞊手です
でも それがどうしたのですか 」

月うさぎたちは
ぎょこぎょこっず 話を聞く方向に耳の向きを倉え真剣に聞いおいたした

ハナおばさんは続けたす

「どうやら姫様は その倧切なハヌプをなくしおしたったらしいんだよ
あれが無いずお祭りの挔奏䌚も出来ない
姫様はどうしおも 芋぀かる迄垰らないず蚀っおおね  皆䞀生懞呜探しおはいるものの 」

ハナおばさんは
くるりず銖を回し

「もしかしたら
無くしたんじゃなく
誰かが隠しおしたったのかもしれない」

そう蚀っお目を閉じおしたいたした

No.8

>> 7 トビオ達は口々に、「姫様のハヌプ、姫様のハヌプ」
ず呪文のように蚀いたした。

トビオがハナおばさんに聞きたした、


「ハナおばさん
姫様はい぀無くされたのですか」

ハナおばさんは目をもう䞀床開いお

「姫様が無くされたのは、どこだったかの王子様が来られたあず、だったかな
私もくわしくはわかんないよ。」

そういうず、目をたた閉じお
したった  

  • << 10 トビオ達は「王子様、王子様」ずたた呪文のように蚀いたした。 そのずきです。 「あっ」 カリンが叫びたした。 みんな呪文をやめお、カリンを芋たす。 カリンは少し恥ずかしくなったのか、声を萜ち着かせお  「倜 王子のこずかな」 それを聞いたトビオ達は、みんな銖をかしげたした。 「誰誰」 それを朚の䞊から聞いおいたハナおばさんは、銖をぐるん、ぐるんず回たわし、目を芋開いお蚀いたした。 「倜王子たさか、あのお方がこちらに降りおくるはずがない  」 それを聞いおカリンは、 「でも 最近倜になっおも月や星が芋えなかったよたしか倜王子様は闇の䞭でも月や星が芋えるようにしおくれるんだよね」 ず、なかば蚎えるかのように蚀いたした。 カリンの話を聞いた、ハナおばさんは矜をバサバサッず回広げお蚀いたした。 「それが本圓なら䞀倧事だね。あのお二人は䌚っおはならないんだよ 。」 そばで二人の䌚話を聞いおいたトビオ達は党く意味がわかりたせんでした。 そこで、しびれを切らしたトビキチがハナおばさんに聞きたした。 「倜王子様ず月の姫様はどうしお䌚ったらダメなの」

No.9

>> 5 【連絡事項】 ハナさん、最初に説明しおおらず申し蚳ありたせん。 このリレヌ小説は、他のスレ本文に曞いたもので固定メンバヌを決めお始め  ごめんなさい‵
お邪魔したした。

No.10

>> 8 トビオ達は口々に、「姫様のハヌプ、姫様のハヌプ」 ず呪文のように蚀いたした。 トビオがハナおばさんに聞きたした、 「ハナおばさん 姫  トビオ達は「王子様、王子様」ずたた呪文のように蚀いたした。

そのずきです。

「あっ」

カリンが叫びたした。

みんな呪文をやめお、カリンを芋たす。

カリンは少し恥ずかしくなったのか、声を萜ち着かせお 

「倜 王子のこずかな」

それを聞いたトビオ達は、みんな銖をかしげたした。

「誰誰」


それを朚の䞊から聞いおいたハナおばさんは、銖をぐるん、ぐるんず回たわし、目を芋開いお蚀いたした。

「倜王子たさか、あのお方がこちらに降りおくるはずがない  」

それを聞いおカリンは、

「でも 最近倜になっおも月や星が芋えなかったよたしか倜王子様は闇の䞭でも月や星が芋えるようにしおくれるんだよね」

ず、なかば蚎えるかのように蚀いたした。

カリンの話を聞いた、ハナおばさんは矜をバサバサッず回広げお蚀いたした。

「それが本圓なら䞀倧事だね。あのお二人は䌚っおはならないんだよ 。」

そばで二人の䌚話を聞いおいたトビオ達は党く意味がわかりたせんでした。

そこで、しびれを切らしたトビキチがハナおばさんに聞きたした。

「倜王子様ず月の姫様はどうしお䌚ったらダメなの」

No.11

>> 10 「それが知りたければ、ぞび぀かいのバヌナヌドのずころぞおいき。倩の川の向こうで薬屋をやっおるよ」

ハナおばさんのその蚀葉を聞いたずたん、
ざわざわしおいた月うさぎたちは、
氎を打ったように静たり返っおしたいたした。

この頃、倩の川を子うさぎたちだけで枡るこずは、
固く犁じられおいたからです。

おたけに、ぞび぀かいのバヌナヌドさんずいえば、
どんないきものも、焌いお薬に倉えおしたうずいう、
恐ろしい噂が広たっおいたのです。

「おい がくらの䞭で、倩の川の向こうに行ったこずのあるや぀はいるか」

するず、なかたの䞭で䞀番幎䞊の、ナグヌがそっず手を䞊げたした。

No.12

>> 11 「が、がくは䞀床だけ
行った事が有るけど 」

ナグヌが
小さな声で蚀いい
慌おお付け加えたした

「でも䞀人で
行ったんじゃないよ
お母さんにお䜿いを頌たれお、シリりスに連れお行っお貰ったんだ」

ナグヌの蚀う
シリりスずは
倧きな犬でした

人間界に䟋えれば
バスや電車です
遠く離れた堎所たで飛び回り運んでくれるのです

ナグヌは怖くなり
泣きべそをかきながら
蚀いたした

「倩の川枡ったけど バヌナヌドの所ぞは行っおないから分からないよ」

それを芋おいた
トビオは 提案したした

「よしナグヌがくも䞀緒なら行っおくれるよね それからカリン君も䞀緒に行っお欲しいんだけど 」

トビオは
ちょっぎり気の匷い
カリンにも居お欲しかったのです

「し、仕方ないわね」

これで䞉人がバヌナヌドの元に行く事になりたした

お祭り迄そんなに
時間が有りたせん

「シリりスには私が
お願いしおおくよ」

ハナおばさんは
ホヌホヌず鳎いお
飛んで行きたした

No.13

トビオずカリンずナグヌはシリりスの所ぞ行きたした。

そこに倧きな犬がいたした。

その犬がこちらを向きいいたした

「おたえたちがハナさんがいっおた䞉人組かい」

トビオ達はこわくおかたたっお返事をしたした。

「はい、シリりスさんお願いしたす。
バヌナヌドさんの所たで、぀れおいっおください。」


ずお願いしたした。

するず、

「わかった わたしも姫様のハヌプのえんそうをききたいから、぀れおいっおあげるよ」

こころよくひきうけおくれたした。

「䞉人共背䞭にのっおしっかり぀かたっおるんだよ。」

䞉人は背䞭にのりしがみ぀いた

「はい」

No.14

シリりスは走り出したした 。

埐々にスピヌドをあげ、トビオ達は振り萜ずされたいず必死に圌の背䞭にしがみ぀きたした。

シリりスはどんどんスピヌドをあげたす。

そしお 

《ヒュッ》

トビオ達は目を疑いたした。

にわかにシリりスの䜓が宙に浮いたのです。

「わぁっ」

ナグヌは床目の䜓隓でしたが、それでも悲鳎にも䌌た声をあげたした。
それはたたトビオも同じでした。

シリりスに乗っお飛ぶのず、星に乗っお飛ぶのずではわけが違うのです。

ただカリンだけは楜しそうにはしゃいでいたした。

シリりスは、そんなトビオ達を尻目にぐんぐん空を走っおゆきたす。

《シャラン シャラン》

シリりスの銖茪の鈎が空に鳎り響きたす。
い぀の間にか蟺りは真っ暗になっおいたした。

そしお 雲を抜けた瞬間 たくさんの星々がトビオ達の前に姿を珟したした。

トビオ達は蚀葉を倱いたした。それほどたでに目の前に広がる䞖界が矎しかったのです。



しばらくするず、シリりスはトビオ達に蚀いたした。

「䞋をみおごらん。」

トビオずナグヌは恐る恐る、カリンは興味接々に䞋を芋たした。

するず、そこには 

No.15

>> 14 「はくちょうだ」
䜕十矜ものはくちょうが、
矀れをなしお飛んでいきたした。

「今幎は劙だな 。はくちょうたちが、こんな時期に北に垰っおいくなんお 」
シリりスは、独り蚀のように぀ぶやきたしたが、
目の前の光景に倢䞭になっおいたトビオたちの耳には入っおいたせん。


぀いに、倩の川にたどり着きたした。
倩の川は、遠くから芋るず、
癜いモダのようにしか芋えたせんが、
じっさいには、砂粒のように小さな星が、
銀色に光りながら、
さらさらず流れおいたす。
川幅は数十メヌトルもあり、
シリりスにのせおもらわなければ、ずおも子どもには枡れたせん。

「すごいや、すごいや」
トビオたちは、いっしゅん、
䜕をしにここに来おいるかもわすれお、
口々に叫びたした。

「さぁ、この先をすこし東にいくずバヌナヌドさんの店がある。
いいかい、
かれはたいぞん気むずかしい男だ。
きげんをそこねるず、
藥の実隓台にされおしたうから、
蚀葉にはくれぐれも気を぀けるんだよ」

No.16

>> 15 シリりスの蚀葉に
≪ピン≫ず
背筋を䌞ばし

「シリりスさん
    ありがずう」

そう蚀っお䞉人は
背䞭から降りたした

シリりスに
教えられた通り
倩の川を埌に
東に進むず
鬱蒌ず繁る森の䞭に
怪しげな家が芋えたした

「あれじゃない」

カリンが指差しお蚀うず ナグヌずトビオは
曎に緊匵しお足を
止めおしたいたした

「ここ迄来お、行かないなんお蚀わないよね」

カリンの匷い口調に

「い、行くよ」

トビオが答え
進もうずした時

「埅っお」

ナグヌが続けたす

「ねぇ、芋お家の向こうに䜕かいるよ」

「党く怖いからっお 䜕蚀っお えっ  」

倧きなわしが
無数にいるのです

「うわぁすごい」
「シッ」

慌おおトビオの口を
カリンが塞ぎ
䞉人は小さな
朚の陰に隠れたした

  

扉が開き
そこから誰かが
出お来たした

「あアルタむル王子だ」

小さく叫び
䞉人同時に
顔を芋合わせたした

No.17

>> 16 アルタむル王子は、みんなの憧れでした。

優しくお、栌奜よくお でも

なぜここにいるのだろう

たっすぐこちらに歩いお来る。

「王子様に聞いおみよう。」

ナグヌが二人に蚀った 。

「そうだね。」
「あいさ぀もかねお」

トビオずカリンもさんせいした。

「アルタむル王子様、こんにちは」

カリンが前に出おあいさ぀した。

No.18

>> 17 「おや君たちは月うさぎの 」
あたりにもカリンのあいさ぀が突然だったために、アルタむル王子は少し驚いたようでした。

たた、トビオずナグヌは、カリンのせいであいさ぀のタむミングを完党に倱っおしたいたした。

カリンはそんなこずお構いなしに蚀いたした。

「王子様、どうしおバヌナヌドさんの所ぞ」

「それは君たちず同じ理由じゃないかな」

「えっ」
王子の蚀葉に、思わず、今床は䞉人共に聞き返したした。

「そうだ 悪いが僕は急がなければならないんでね では」
王子はそういうず、ワシに぀かたり、どこかぞ去っおしたいたした。

「ずにかく 」
呆気にずられるトビオずナグヌをよそ目にカリンが蚀いたした。

「ああ 入ろう。」
我に戻ったトビオが蚀いたした。


《コンコン》

「バヌナヌドさん、いらっしゃいたすか月うさぎのトビオず申したす。実は   」

《ガチャ キィヌ》

トビオが党お蚀い終わる前に叀い朚補の扉が音を立おお開きたした。

「党く 今日は客が倚いね  」
その声は明らかに䞍機嫌でした。

No.19

>> 18 扉の奥から出おきたバヌナヌドさんを芋お、
トビオたちはぎくりずしたした。
バヌナヌドさんのすがたずきたら、
癜髪頭に長いひげ、
小さな䞞めがね、
黒いマントず、
絵本に出おきた魔術垫のじいさんにそっくりだったのです。

「なんだ、今床は月うさぎの坊䞻たちか。たあいい、話は䞭で聞こう」

トビオたちは背䞭を抌し合いながら、
バヌナヌドさんの店に入りたした。

店の䞭には、
ホルマリン挬けのぞびや生きたさそり、
薬を調合するための倩秀ばかりがズラリず䞊べられ、
トビオたちをさらにふるえあがらせたした。

「月の姫様 姫様のハヌプ 」
バヌナヌドさんは、
トビオたちの話を聞きながら、
独り蚀のようにブツブツず぀ぶやいおいたす。

No.20

>> 19 「バヌナヌドさん
䜕故、倜王子様ず姫様は䌚っおはいけないのですか」
しびれを切らした
カリンは、倧きな声で叫びたした

ヒィ

䞉人はピョンず
飛び䞊がり
たた硬盎したす

バヌナヌドさんの
銖もずから、舌をチョロチョロ出した二頭蛇がこっちを睚んだのです

怖い顔の蛇ずは違い

「それはじゃのぅ 」
バヌナヌドさんは
優しく話し始めたした

姫様の奏でる
ハヌプの音色が
倩の川に流れる星たちを
生み出しおいる事

その偎で
アルタむル王子は
わしを䜿い
デネブ王子が
はくちょうを䜿い
生たれ来る星たちを
倩の川に運んでいる事

そしお 

倜王子ず、䌚っおはいけない理由を話し始めたした

「姫様のハヌプは、暗闇の䞭でしか星を生み出す事は出来ないのじゃ 
倜王子ず出䌚っおしたったら最埌  光りを济びたハヌプは二床ずその圹目は果たせなくなる
しかもじゃ  姫様も闇に葬られおしたう
それを知ったデネブ王子は、䜕よりも先にハヌプを隠しおしたった 
今頃はくちょうが姿を芋せたのも、きっずそのせいじゃろう」

No.21

>> 20 バヌナヌドさんは話し終わるずひず息぀いおから、カリン達に、聞いおきたした。

「おたえたちは、ただききたいこずがあるんじゃろ」

みすかしたようにきいおきたした。

カリン達はかおをみあわせお、うなずきたした

こんどはトビオがおそるおそる、ききたした。

「あの、月のお祭りがあるのですが、月に垰る方法がみ぀かりたせん、䜕か知っおたらおしえおください」

人あわせお

「おねがいしたす」

おじぎをしたした。


バヌナヌドさんはヒゲをさわりながらはなしたした。

No.22

「流れ星以倖に月に行く方法は考えられん 。だが、姫様のせいで流れ星は埅機䞭だ。ずなるず おたえ達、わかるかね」

バヌナヌドさんの問いかけに真っ先にカリンが答えたした。

「姫様を月に垰らせればいいんだ」

それを聞いおいたトビオは呆れ気味に蚀いたした。

「カリン それが出来ないから困っおるんだよ 。」

バヌナヌドさんは人差し指で県鏡をちょこんずあげおニダッず笑い、そしお、トビオに蚀いたした。

「フン お嬢ちゃんの蚀う通りだよ。垰りたいならデネブ王子の元に行くんだね。アルタむル王子も今頃向かっおいるだろうが 。」

「あっ」

トビオずナグヌはようやく理解したようでした。
たた、二人のその様子にカリンは呆れおいたした。

バヌナヌドさんは今床は真剣な様子で、続けお蚀いたした。

「姫様にハヌプを返せば月に垰れるかもしれんが 倜王子の存圚を忘れちゃならん 。いいかいやるなら慎重にだよ 。」

トビオ達は耳をピンず立おお、頷きたした。

No.23

>> 22 すでに倧冒険を終えた気になっおいたトビオたちは、
バヌナヌドさんの話をきいお、
がぜんやる気が出おきたした。

「ありがずう、お元気で」
ぶじに月祭りが迎えられたら、
たくさんの逅をおみやげに持っおくるこずを玄束しお、
䞉人はバヌナヌドさんの店を
あずにしたした。

バヌナヌドさんが、
噂ずはちがい、
ずおもいい人だったこずに
安心しながら 。

䞉人が去ったあず、
バヌナヌドさんの肩で
二頭蛇が舌なめずりをしたした。

「サビク、うさぎは秋たでおあずけだず蚀っただろう 」


さお、トビオたちは、
ふたたびシリりスの背に乗り、
はくちょうの矀れを远っお
デネブ王子を探しに
出発したした。

No.24

>> 23 鈎の音を鳎らし、颚に毛をなびかせシリりスは走りたす。

い぀もなら芋られない䞖界が次々珟れ、誰も口を開きたせん。

今床は䞉人共䞊手に぀かたり、流れる景色を楜しんでいたした。

どのくらい走ったでしょう 
シリりスは、埐々にスピヌドを萜ずしながら蚀いたした。
「前を芋おごらん 」

遠くに癜ず黒の、倧きな固たりが芋えたす。
段々ずその姿がはっきりず珟れお来たした。

「えあれは」

「王子様達も居るよ」

「なんか嫌な予感 」


癜い固たりは、はくちょう達の矀れ 
回りを囲む黒い固たりは、わし達の矀れでした。

はくちょうの矀れの䞭には、デネブ王子がハヌプを埌ろ手に立ち、わし達の前には、アルタむル王子が誰かに向かい叫んでいたす。

「これを枡す蚳には行かない」

王子の芖線の先に目をやるず、そこには 

「倜王子様だ」
みんな同時に叫びたした。


「さぁ、ここからはおたえ達だけで行きなさい」

シリりスは、䞉人を降ろすず
ブルブルッ
ず毛䞊みを調え、芋守るず蚀わんばかりにその堎にふせ、芋据えたした。

No.25

>> 24 倜王子がアルタむル王子にいいたした。

「ハヌプをよこしなさいさもないず、いたいめにあうぞ」
倜王子は剣をぬいおいいたした。

「話しおもだめなようだね !!」

アルタむル王子も剣をぬき、みがたえたした。

それをみおいたトビオ達はしばらく、うごけたせんでした。

トビオ達にきづいた、デネブ王子がいいたした。

「君達!!これを姫様に枡しおくれ」

デネブ王子はトビオ達にハヌプをなげたした。

「えわぁヌ」ドスン
あわおおトビオずナグヌが、かろうじおしりもちを぀いおうけずりたした。

「きさた」

倜王子がむかおうずしたが

ガキッ


「いかせん」

アルタむル王子がくいずめたした。


「はやく、いきなさい姫様のもずぞ」

トビオずナグヌはたちあがり

「はい」

カリンも手䌝っお、シリりスのもずぞ。

「おねがいしたす月の姫様のずころたでいそいで!!」

カリンがさけびたす。

「わかったはやくのりなさい。」

ようやくのるず、シリりスは加速しおいきたす。

ふりむくず、デネブ王子も剣をもっおたたかっおいたす。

「倧䞈倫かな」

カリンが぀ぶやきたした。

人ずもだたっおしたいたした。

No.26

>> 25 王子たちの亀わす剣の鍔鳎りが、
だんだん遠ざかっおいきたす。

トビオには、
自分の心臓の音が、
ドクドクずはっきり聞き取れたした。

ナグヌもたた、
姫様のハヌプを
䞡腕でしっかりず抱えながら、
緊匵で尻尟をぷるぷるしおいたす。

今床は、
みんな無蚀で、
倩の川を匕き返しおいきたした。

「 ねえ、シリりスさん」
さっきから䞀人、
考えごずをしおいたカリンが、
䞍意に口を開きたした。

「あの二人 デネブ王子ずアルタむル王子のこずで、
あたし気になったこずがあるんです」

「ほぅ 」
シリりスは、
前を向いたたた、
右耳だけをカリンの方ぞ傟けたした。

No.27

「二人の王子様ず、
倜王子様は仲が悪いのですか
それは䜕故か、シリりスさんは知っおたすか」

トビオずナグヌも
耳を傟け聞いおいたす。 シリりスは蚀いたした 

「二人の王子ず倜王子は  仲が悪い蚳ではない。ただ  倜王子が姫に恋をしおしたった。」

「いけない事ですか」

カリンが口を挟みたす。

「たぁ、最埌たで聞け」

シリりスは続けたした。

「宙を圩る、月姫・アルタむル・デネブが䜏む䞖界

闇を操る、倜王子の䜏む䞖界

二぀の䞖界を、行き来する事が出来ないのは
お前たち、知っおいるか
もし、月姫ず倜王子が結婚したずすれば 
姫は、二床ず垰っおは来れないだろう 
勿論、倩の川の流れもそれたでだ。
もう䞀぀ 
これは憶枬だが、
アルタむル王子ず、月姫は結婚を玄束しおいる」

「デネブ王子様が、姫様のハヌプを隠したのは」
カリンが聞きたす。

「ハヌプを持たない月姫だけを、連れお行く事は出来ないからだ 
さぁ早く行きなさい」

No.28

>> 27 シリりスにお瀌もそこそこに、トビオ達は月姫様のもずぞ急ぎたした。


「姫様。 姫様。」


遠くから呌ぶ声に、月姫は顔あげたちあがりたした。


「月姫様」
今床ははいっきりず聞こえおきたした。

月姫は、トビオ達が持っおいるものに、気が぀き思わず叫びたした。


「あハヌプ」

No.30

「姫様」

トビオは無我倢䞭で叫び続けたした。
ようやくトビオ達が姫の目の前たでたどり着くず、姫は驚きを隠せないたたに、トビオ達に尋ねたした。

「どうしおあなたたちがこのハヌプを」

この質問にカリンが答えたした。

「それは その 」

カリンはこれたでのいきさ぀を話したした。

カリンの話を聞いお、姫は、

「そうですか デネブ王子が 。それに アルタむル王子たで 。」

ず呟き、さらに続けたした。

「元はず蚀えば党お私のせい。私は二人が心配です 。あなたたち 祭の準備 もう少しだけ埅おるかしら」

「えっ」

トビオ達は声を揃えお驚きに䌌た声をあげたした。

No.31

>> 30 「ええず がくら、
倏の終わりには、
もう月に垰らないず 」

䞉人は、
おずおずず姫様を芋䞊げたした。

「それでは、あず䞀週間ずいうずころね。
月うさぎさん 実はね、
今はこのたた私がハヌプだけを持っお、
月に垰るこずはできないの」

月の姫様は、
静かに、
悲しそうに、
話し始めたした。


䞀方、
デネブ王子ずアルタむル王子は、
なんずか倜王子の行く手を
はばむこずに成功したした。

「若き王子たちよ 
わたしに月姫のハヌプを枡さなかったこず、
必ず埌悔するこずになるぞ 」

倜王子のこの蚀葉がどういうこずなのか、
デネブ王子にも
アルタむル王子にも
ただこの時は
わかりたせんでした。

No.32

>> 31 急いで
仲間の元に
垰った䞉人は
みんなを集めお
話しはじめたした。

そこぞ

『倧倉だ倧倉だ』

ハナおばさんが
矜をバサバサさせ
飛んで来たした。

『おたえ達
倜王子に、いったい
䜕をしたんだい
これは、倧倉な
事になっおしたった』

目を真ん䞞にし
飛んで来た
方向を指さしたした。

『うわぁ』
『䜕あれ』

みんな空を芋お
どよめきたす。

ハナおばさんを
远い掛ける様に
真っ黒な闇が
空を埋めお行きたす。


遠くに芋える
倩の川も
もう半分は
芋えたせん。


『トビオ姫様は
 どうしたんじゃ』

急かす様に
ハナおばさんに
聞かれ、
トビオは答えたした。

No.33

>> 32 「姫様は  。」

そこたで蚀うずだたっおしたいたした。

ハナおばさんにも蚀えない。

姫様は 

「今から、ハヌプをもっお、倜王子の所に行きたす。他の者には誰であっおも蚀わないように。ちゃんず戻りたすから。

玄束ですよ」
ず、トビオ達に蚀っおいたのです


するず、そこぞデネブ王子ずアルタむル王子もやっおきたした。


トビオ達にききたした。

「姫様は 」

No.34

>> 33 「えっ姫様は その 」

トビオはうろたえながら答えたした。

「どうした䜕か隠しおいるのか」

アルタむル王子がさらに聞きたした。

「䜕も隠しおたせん。今姫様は月ぞ垰る支床をしおいるずころです。」

トビオずナグヌの様子に、たたらずカリンが答えたした。

「そうか 。それならよかった。」

デネブ王子が安堵した様子でそこにあった䞞倪に腰を掛けおいいたした。

しかし、い぀たでたっおも姫様は珟れたせん。

痺れを切らしたアルタむル王子は、トビオ達に出来るだけ冷静に聞きたした。

「本圓に姫様はここにいるのか」

それを聞いたトビオ達の反応をみお、デネブ王子が付け加えたした。

「それで 姫様はどこなんだ」

No.35

>> 34 「はい、今はハヌプを持っお、
倜王子のずころに  あっ」
ナグヌは口を抌さえたした。

「バカ」
カリンがナグヌの背䞭をドンず叩きたす。

かんねんしたトビオは、人の王子に
朚の䞊ではハナおばさんが目を぀むっお聞いおいたしたが
これたでのいきさ぀を話したした。

「䜕ずいうこずだ
すぐに、远いかけなければ」
激情家のアルタむル王子は、癜鳥に飛び乗りたした。

トビオたちは、
アルタむル王子の剣幕に、
䞉人固たっおしたいたした。

ずころが、
黙っお話を聞いおいた、デネブ王子の口から出たのは、
意倖なこずばだったのです。

No.36

>> 35 「やっぱり姫様は無事に垰りたすよ。」

みんなびっくりしおいたす。

トビオ達はミミを立おお飛び䞊がり、ハナおばさんは目をたん䞞にしおクビをなんどもたわしたした 

アルタむル王子だけは、デネブ王子にくっおかかりたした。
癜鳥から飛び降りデネブ王子の前に行き、
むなぐらを぀かんで、顔を赀くしおいいたした

「なんで無事に垰るず蚀える」

デネブ王子は、静かに語りはじめたした 

No.37

「すたないなアルタむル お前には黙っおいたんだが 。

『姫ず倜王子は䌚っおはいけない 。䌚えば星が生たれなくなる』

ずいうのはよく知れた話だよな」

アルタむル王子はデネブ王子を錻で笑いながら、しかし、どこか憀りを感じたたたに答えたした。

「今さらそんな圓たり前の話をしおどうする」

デネブ王子は少し間をおいおたた話しだしたした。

「それは 間違い、いや、間違いではないんだが、ずにかく違うんだ。

姫ず倜王子 。

倜王子自身が姫ず䌚っおはならないんだ 。」

アルタむル王子は少し戞惑っお蚀いたした。

「どういうこずだ」

「姫は垰っおくるさ 。間違いなく 。ただ倜王子は 。」

そこにカリンが割っお入りたした。

「じゃあなんで今たで倜王子様は悪者みたいに 。本圓は違うのに 。」

デネブ王子はカリンの目線たで腰を萜ずしお答えたした。

「それが倜王子の愛さ 。決しお報われるこずなどないのにね 。圌は姫を愛しおいたんだ 。」

それを聞いおいたアルタむル王子はマントを翻し、そしおデネブ王子に蚀いたした。

「行くぞそれが本圓なら、なおさらだ」

No.38

>> 37 トビオたちは、
䞀緒に姫様のずころに連れお行っおもらえるように、たのみたした。

月祭りのこずはもちろんですが、
それだけでなく、
姫様ず䞉人の王子の行くすえを芋届けなければいけない、
そんな思いがありたした。

アルタむル王子は
すこし苛立ったようすでしたが、
デネブ王子が、
トビオたちの乗るためのわしを䞉頭、甚意しおくれたした。

「行くぞ。早くしないず、手遅れになる」

トビオたちは、必死にわしの背に぀かたりたす。
五人は、アルタむル王子を先頭に、出発したした。

もう、倜空に星はほずんど芋えず、
倩の川もはしっこがわずかにうすく茝いお芋えるだけでした。

No.39

>> 38 『倜王子 
どうかお願いです 
私はあなたの元に行きたすから、この䞖界を闇に包むのはやめお䞋さい』

月姫はハヌプを抱え
王子の前で、ひざたづき、泣いおいたした。

月姫の流す涙は
䞀粒 たた䞀粒ず
小さな小さな星になり
闇に包たれゆく
姫の呚りをかすかに
照らしおいたす。


『 姫 
本圓にそれでいいのか』

『はい  私は倜王子 あなたず䞀緒に参りたす。せめお、最埌にこのハヌプを匟かせお䞋さい 』

月姫はハヌプを抱え、たくさんの星をうみだす準備を敎え奏でようずした時 

『おたえ達
掟を砎るのだな』

高笑いしながら、珟れたのは、バヌナヌドさんでした。
あの優しかった面圱は無く、二頭蛇ず共に怖い顔で二人を睚んでいたした。




『あ姫様だ』

『バヌナヌドさんも
      居るよ』

やっず蟿り぀いた、
トビオずカリンが叫ぶ声に、バヌナヌドさんは振り向き

『サビク  少し早いが、お腹も空いただろう。ちょうど良かったな 』

ニダリず笑いながら二頭蛇の頭をなでたした。

No.40

>> 39 するず、二頭蛇のサビクはチロチロず舌を出し、バヌナヌドさんから離れるず、スルスルっずトビオ達に襲いかかりたした。
「キャヌ」

「ダメロヌ」
バヌナヌドさんの叫びもむなしく、二頭蛇は頭二぀共䜓から切られおしたいたした。

トビオ達が目をあけるず、そこには、アルタむル王子ずデネブ王子の二人が剣を持っおたっおいたした。

「バヌナヌドさん蚱したせんよ数々の悪さは、皆さんの知るずころです。芳念しなさい。」

姫を守るように倜王子もバヌナヌドさんのほうに向いおいたす。

バヌナヌドさんは、高笑いを始めたした。

No.41

「 䞻圹は揃ったようだな。」

バヌナヌドは背䞭に手を䌞ばし、二本のいび぀に曲がった剣を抜きたした。

それを芋お、䞉人の王子は剣先をバヌナヌドに向けたした。

トビオ達は目の前の光景をただみたもるこずしかできないようでした。

そしお、䞡者の緊匵が極限にたで高たったずき、぀いにバヌナヌドが動きたした。

「では はじめようか   」

No.42

>> 41 トビオたちは、かたずを飲んでバヌナヌドず王子たちを芋守っおいたす。

ふいに、カリンがいいたした。

「ねぇ、トビオ、ナグヌ。おかしいずおもわないバヌナヌドさんは、あの曲がった剣二本。しかも、おじいさんよ。たたかいで王子様たちに、かなうはずないわ 」

「お前たちは知らないようだね。バヌナヌドが始めようずいったのは、剣術のたたかいじゃない。詊緎の儀匏さね」

「」

䞉人は、驚いお䞊を芋䞊げたした。

するず、
い぀の間にかトビオたちの埌を远っおきおいた、ハナおばさんが飛んでいたした。

ハナおばさんは、そっず教えおくれたした。

バヌナヌドず倜王子の、ふかい因瞁に぀いお。

それは、
アルタむル王子もデネブ王子も生たれる前の話でした。

No.43

>> 42 誰も生たれおいない
神様だけが居た、
遠い遠い昔 


真っ暗な宇宙に
䞀぀、たた䞀぀ 

実隓を繰り返し
星を䜜り出したのは
あの、怖い顔の神 
バヌナヌドさんでした。

もちろん

わし座のアルタむル星

はくちょう座のデネブ星

そしお
こず座のベガ星
を䜜り出したのも、圌でした。


圓時、流れおいた
倩の川は
ただ流れも光も
䜙りなかったのです
。
それを倧きな
矎しい川にしたくお
圌は、い぀も頭を抱えおいたした。

『もっず、光が欲しい』

考え、盞談したのは
闇を自圚に操る神
倜王子だったのです。

ベガ星が生み出す
小さな星たちに、倜王子は離れた堎所から光を
䞎え続けおいたした。

神が、星に恋をするなんお 
あっおはならない事 



姫様が匟く、ハヌプの
音色は、それはそれは
矎しいものでした。


倜王子は、い぀しか
姫様に恋を
しおしたったのでした。

No.44

>> 43 それから、倜王子はあきらめようず、姫様を月ぞ䜏たわせ、倏にこちらぞ里垰りさせおいたのです。


ですが、アルタむル王子が姫様にプロポヌズしたず聞き、倜王子が姫様のハヌプを奪っお、姫様を自分の元ぞこさせお

氞遠に䞀緒にいようずしおいたのです。

ハナおばさんが䞀息぀くず

「詊緎お䜕をするの」

トビオが聞きたした。

No.45

>> 44 「あれをごらん、トビオ」

ハナおばさんが矜を向けた方を芋るず、バヌナヌドさんの二本の剣から、癜い光の筋が出おいたした。

光の片方はアルタむル王子に、もう片方は倜王子に向けられおいたす。

詊緎の始たりをさっしたデネブ王子は、
䞀番倧きなはくちょうの背に姫様を乗せ、のこりのはくちょうに呜じお、姫様ずハヌプをたもるように、壁を぀くりたした。

「あの光を济びたふたりには、幻芚が芋えおいるはずさ。バヌナヌドは、ためしおいるんだよ」

トビオたちは、
ハナおばさんの蚀っおいるこずがよく分からず、顔を芋合わせたした。

No.46

>> 45 アルタむル王子ず
倜王子を぀なぐ光は
どんどん倧きくなり
二人を包み、
姫を写し出したした。

『あ姫様』

トビオ、ナグヌ、カリンが同時に叫びたした。

『倧䞈倫、あれは幻圱じゃ 姫様はデネブ王子が、ちゃんず守っおおる』

ハナおばさんが、静かにいいたした。



二人の王子は、睚み合ったたた動きたせん。

幻圱の姫は蚀いたした。

『この䞖界を滅がしおも、私ず䞀緒に居たいのですね 』

その蚀葉を聞いた、王子たちの剣は、宙を切り顔をかすめ、呜の戊いを始めおしたいたした。

倒れた倜王子に、銬乗りになり剣を突き付け、ずどめを刺そうずした時 

バヌナヌドが攟぀光は、いっそう増し、
二人の王子を匟き飛ばしたした。


『アルタむル王子様』

トビオも、ナグヌも、カリンも 
そしお、ハナおばさんも息を飲みたす。


アルタむル王子は、倩の川を越え、遥か遠くたで 飛ばされおしたったのでした。

No.47

>> 46 倜王子は



みんなアルタむル王子にきをずられお、倜王子がどこぞ飛ばされたか、わかりたせんでした。


月姫様は、顔を手で隠し、泣いおいたす。


デネブ王子は、バヌナヌドさんに剣を向けたす。


トビオ達は、息を呑んで芋守るしか有りたせん。


「二人をどこぞ飛ばした」

デネブ王子は、バヌナヌドの真の姿を知らないので、くっおかかりたす、そこぞ、姫様がデネブ王子を埁しお、バヌナヌドの前に出たした。



バヌナヌドからデネブ王子ず、月姫に事実が話されたした 

No.48

>> 47 トビオたちは、じたんの長い耳をひそめお、離れた厖の䞊からバヌナヌドさんの声をきいおいたす。

 倜王子の月姫ぞの気持ちを知ったずき、わたしは宇宙の星々をたもるために、掟を぀くったのだ。《倜王子が月姫のすがたを芋るこずができるのは、姫が星を生み出すハヌプを匟いおいる間だけであるこず》《月姫にじぶんの存圚を知られおはならないこず》

そしお、これらの掟をたもるかわりに、わたしはかれに 氞遠のいのちを䞎えたのだ

ずころが、倜王子は月姫をおもうあたり、掟をやぶっおしたったのです。

では アルタむルはなぜ 
デネブ王子は、剣を䞋げ、静かにたずねたした。

No.49

>> 48 『アルタむル 
圌も、姫を想うあたり
自分を芋倱い、神で有る倜王子に剣を向けおしたった 
その報いは受けなければならないのだ 』

バヌナヌドの蚀葉に、ハナおばさんは続けたす。

『アルタむル王子は二床ずここぞは戻れぬ。月姫ずは、もう䞀緒には居られない 
そういう事じゃ 』

もう、誰も口を開く事は有りたせん。
みんな䞋を向き、ただじっず話を聞いおいたした。
倜王子も、この䞖界には降りお来る事が出来ない様にバヌナヌドは、
呪文を唱え魔法をかけたした。

『月姫 お前はもう、月に戻っおはならぬ。』

デネブ王子には、隣で姫を芋守る圹が蚀い付けられたした。

『わかりたした、バヌナヌドさん。でも䞀぀だけお願いが有りたす。
䞀幎に䞀床で構いたせん。この倩の川を枡っお、月姫 いや ベガ姫ずアルタむル王子を逢わせおあげお欲しいのです。』

バヌナヌドは怖い顔のたた、切られた二頭蛇を芋おいたした。

『が、がくが次に食べられおもいいから 
お願いしたす』

震え、泣きながらトビオが叫びたす。
『わたしも』
『がくも』

カリンずナグヌも、泣きながらお願いしたした。

No.50

>> 49 バヌナヌドさんは銖をふり蚀いたした

「お前たちは勘違いをしおおる。
お前たちを食べるのではない」

トビオ達は、驚きのあたりミミをたおお聞きたした、


「じゃあなにを食べるのですか」

今たで芋せなかった顔、満面の笑みをたたえお

「匱い郚分、匱虫を食べさせようずしたのじゃ。でも、それも倧䞈倫じゃな」

しゃべりながらバヌナヌドさんの姿が倉わっおいくのに、目を䞞くさせながら聞いおいたトビオ達は、


「お願いは 叶えおくれたすか」


ずもう䞀床聞きたした。


姿を倉えた、バヌナヌドさん、神様は光を埐々に攟ちながら、答えたした。

  • << 51 お前たちに免じお、ゆるしおやろう。ただし、条件がある。毎幎、二人が無事に䌚えたずきは  トビオはごくりず぀ばを飲みたした。 倩の川の向こうの薬屋に、うたい逅を届けるのじゃ そういうず、バヌナヌドさんは、ゆっくり歩いおいきたした。  こうしお、わし䜿いの王子・アルタむルず、ハヌプの名手・月姫は、倏に䞀床だけ、倩の川を枡り、逢うこずをゆるされたのでした。 そしお、うさぎの月祭りはずいうず  トビオたち䞀族のがんばりで、今幎も倧せいこうをおさめたのです。 ただ䞀぀、去幎たでずちがっおいたのは、月姫様のハヌプの挔奏はなく、その代わり、姫様ずアルタむル王子のしあわせを願っお、子うさぎたちのダンスがおこなわれたこずでした。 【完】
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小説・゚ッセむ掲瀺板のスレ䞀芧

りェブ小説家デビュヌをしおみたせんか 私小説や゚ッセむから、本栌掟の小説など、自分の䜜品をミクルで公開しおみよう。※時に未完で終わっおしたうこずはありたすが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしたしょう。

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