恋愛人生

No.26 08/02/23 23:12
詩人知らず ( mxeFh )
あ+あ-

≫25

――福原 侑香――


彼女の名前だ。


その名を知った時から何故だろう。


狂おしい胸の高鳴りが止まない―。


     6月
―――――June―――――


雨の多い鬱陶しい季節。

電車で通勤している尚之。天気は欠かさずチエックしている。

帰りに改札を抜けると、生憎の涙模様。


傘をさす。


いつも近所の子供達が、遊ぶ公園も閑散としている。


小雨降る中。急いでいたにも関わらず、何故気になったのか自分でも説明出来ない。


一輪。花が咲いた様な赤い傘に魅入る。


気が付くと、その傘に近付いていた。


―…ミャ-ッ ミィ ミャオ…――


耳に届く子猫の鳴き声。

雨に濡れた段ボール。

初夏だと言うのに肌寒い夕暮れ刻。


棄て猫か…。


その傘の持ち主の女性は

『ごめんね。ウチ、ペット禁止だから………寒いよね?』


そう言って、自分の赤い傘を差し掛けて行こうとする。


仕事帰りらしいスーツ姿の女に…


目を向ける。


哀しそうな瞳に思わず追いかけて声を掛けた。

自分の傘を手渡す。

遠慮されたが。
家が近い事を話し、半ば強引に 手渡していた―――。

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