ママ友
妊娠5ヶ月。
安定期に入り、旦那が転勤になりました。
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私は25歳、旦那は32歳。
結婚してからは、旦那の会社の借上げ社宅に暮らしていた。
東横線沿いの高級住宅地にあるマンション。
そこが、最初の新居だった。
2Kのマンションだったが、家賃は15万円。
会社の家賃補助があるにしても、持ち出し7万円はキツイ。
駐車場は別に月5万円もかかる。
近くに病院はあるし、特に問題は無かったので、車は持ってなかった。
最初の転勤地は、大阪だった。
初めての土地。
なんの知識もない。
旦那が会社の人から聞いてきた。
よその土地から大阪に住むなら、北大阪急行沿いか阪急千里線沿いがいいと。
家探しの時間は、1泊2日しかない。
妊娠中で無理もできない。
5箇所ほど回って、あるマンションに決めた。
大阪は物価が安いと思った。
家から大阪の中心地・梅田まで、徒歩・電車合わせて30分以内にも関わらず、
家賃は11万円で、3LDKのマンションを借りられた。
都内なら、あり得ない金額。
これから生まれてくる子供に、広い部屋を借りられた。
喜びしかなかった。
引っ越しの日。
新横浜まで、私の両親が見送りにきた。
お父さんが、「大阪はまだ差別地域がある。お父さんも出張で行くと、その話しが出るが、関わらない様にしている。関西は古い歴史のある地域。その点が関東出身には分からないから、気をつけるようにな」と言われた。
お父さんたら、差別地域なんて…。今の時代に…。心配し過ぎなんだから!
と、気にしなかった。
後で、大間違いだと知った。
引越しの荷物は少なかった。
すぐに運び入れ終わった。
がらーん。としていた。
上下の部屋と、同じ階には3つの部屋があったので、計5部屋に早速、挨拶に伺った。
最初が、肝心!
特に、子供が生まれたら、近所付き合いが始まる。
自然と気合が入る。
ニコニコして、愛想良く!!頑張るぞ!
挨拶の品は、鎌倉の鳩サブレーにした。地元の名産品。
家探しをした時に、子供の多いマンションだと知ったので、
子供でも大人でも喜ばれるお菓子、そして日保ちもする。
会話のきっかけになるかな・・・そんな気持ちで、選んだ。
最初は上下の部屋に伺った。
引越しで、足音がうるさかったかな?と心配になり、
先に挨拶に伺った。
しかし、どちらも留守だった。
次に、隣りの部屋に行った。
ウチは、角部屋だったので、隣は片方だけ。
ピンポーン。
チャイムを鳴らすと、40代くらいのメガネをかけた女性が出てきた。
奥さんだろう。
「初めまして。隣りに越してきた田中です」
緊張しながら、挨拶をする。
すると、その女性のそばに、女の子が来た。
旦那が女の子に「こんにちは」と声をかけると、
照れたように、お母さんのスカートの陰に隠れる。
カワイイ!
「おいくつなんですか?」
「今、4歳で、幼稚園の年少なんですよ」
聞くと、上に小学生の男の子2人がいる。
男、男、女の計3人。
旦那が、「いや、ウチも12月に子供が生まれるんですよ」と嬉しそうに説明する。「こっちに誰も知らないので、ウチの奴に色々と教えてあげてください」
「あら、そうなんですか!私で良かったら、いつでも頼ってくださいね」とその女性も愛想良く、返事をくれた。
ホッと一安心。
「お隣さん、良い人そうで、よかったね」と言いながら、その隣りの部屋へ行く。
名前を見てビックリ。「smith」。スミスさん?外人さんか?
ちなみに、うちは3階の端、304号室。
お隣さんは、伊藤さんで、303号室。お子さんが3人いる。
そのお隣は、スミスさん。外人さん?302号室。
どんな人だろうか?ドキドキしながら、チャイムを鳴らす。
ドアが開いた。
「はーい」。小さな女の子が出てきた。さっきの伊藤さんの娘と同じ年齢くらい。
けど、髪は栗毛色、色白で、目はパッチリ。やっぱり外人さんか!
「こんにちは」と挨拶をすると、
女の子は部屋に駆け戻った。
「ママ。知らないおばさんが来たー」
おばさん・・・か。苦笑した。
そうだよな、25歳は子供にとったら、もうおばさんだよな。
「はーい」と言って、出てきた奥さんは、
30代半ばくらいの、見るからにアジア人の女性だった。
そうか。旦那さんが外人さんで、あの娘はハーフなんだな。
「304号室に越してきた田中と申します」と挨拶をした。
すると「あんたたち!挨拶したんか!!」と娘に向かって、怒鳴りつけた。
ビックリした。
あんたたち?と思ったら、女の子の後ろに、小さな男の子がいた。
姉弟は、小さな声で「こんにちは」と挨拶をしてくれた。
姉は3歳、弟は1歳だと言う。
怖い人かと思ったら、スミスさんは親切な人だった。
「うちも、去年、引っ越してきたばかりなんですよ。このマンションは小さな子供が多いし、ママさんたちも仲が良いから、暮らしやすいと思います。お互い様ですから、何か困ったことあったら、なんでも聞いてくださいね」
「よろしくお願いします」
しっかりしたお母さんなんだな。
次に、301号室に行こうとしたら、スミスさんが「お隣りはいないですよ」と教えてくれた。
301号室は、内田さん。夏休みの間は、奥さんの実家に子供を連れて帰ってるという。
「奥さんは、千葉出身の人だから、同じ関東で気が合うんじゃないかしら」
スミスさんにそう教えられた。
この内田さんが、ママ友グループのボスママだった
とは言っても、妊娠中はママ友とは、全く関係が無い。
旦那は、「スミスさんはしっかりした良い人だし、子供の年齢近いから、あの人と仲良くすれば」と言った。
スミスさんに会うと、いろいろと教えて貰うようになった。
「産婦人科は、皆さん、どの病院へ行ってるんですか?」
「多いのは、△△病院かしらね。けど、あそこは妊娠3ヶ月の時に分娩予約を取らないと入れないから・・・」
ビックリした。少子化と言われてるのに、予約がもう取れないなんて!
「それは、大丈夫です。実家近くの病院で分娩するつもりなんです。妊娠9ヶ月まで診察してもらえる病院を探しているので」
「そう!だったら、△△病院が良いと思うわよ!場所はね・・・・・・・」
旦那の言った通り。スミスさんはしっかりした親切な人だった。
大阪の夏は、暑かった。
妊娠中だから、なおさらなのかもしれない。
車を持っていなかったから、夕方になって少し涼しくなると、歩いて買い物に出かけた。
お米やお酒等の重い荷物を持って歩くのが、だんだんキツくなってきた。お腹に力を入れると、赤ちゃんが心配だ。
ある日、音が鳴っているので下を見ると、大きなトラックが来ていた。
『生協』と書いてある。
昔、母が生協に入っていて、食材を買っていた。
そうか。生協だったら、家まで荷物を運んでくれるよな。
私も、頼んでみよう!!
マンションのエントランスに行くと、何人かのお母さんたちが集まっていた。
スミスさんもいた。
食材を持っている。
みんな、生協で頼んでいるんだな!
生協のお兄さんを捕まえた。
入会の仕方を聞いていると、スミスさんが「生協に入るの?」と声をかけてくれた。
生協には、個人宅配とグループ宅配の2つがあるという。
個人宅配は、家の前まで持ってきてくれるが、手数料がかかる。
グループ宅配は、マンションのエントランスまで持ってくるが、食材の仕分けは仲間同士でする。その代わり、手数料がいらない。
スミスさんは、グループ宅配をママ友たちでしている。
「一緒にどう?」と声をかけてくれた。
本当は、家の前まで持ってきてくれる方がありがたかったが、ここで断ると、せっかく声をかけてくれたのに失礼だ。
ちょっと悩んだが、グループ宅配の仲間に入ることにした。
>> 10
生協は、毎週水曜日の10時にくる。
それ以外の日は、暇で仕方ない。
家事なんて、すぐに終わる。
引っ越し前までは、仕事をしてたので、時間を持て余していた。
ネットで、何か無いかな?と探していると、
地域の掲示板にマタニティスイミングが紹介されていた。
水泳は、得意だ。
同じスクールで、ずっとライバルだった女の子がオリンピックに出場したのが、
私の唯一の自慢だ!
オリンピック選手と、小中学生まではライバルだったんだよ!と。
高校に入ったら、すごい差がついたけど。
早速、旦那に習いに行きたいと話すと、快く了解してくれた。
週に2回。
当たり前だが、みんな、妊婦だった。
水泳だけじゃなく、マタニティ体操や、出産時の呼吸方法など、
いろいろな事を教えてくれる。
そして、水泳が終わると、皆でランチに行く。
たいていの人は、初めての妊娠だが、中に二人目、三人目さんがいると、
皆で、出産の事、子育ての事を聞きたがった。
私も皆と同じく、会話に参加して、話しを聞いていた。
>> 11
8月終わりの水曜日。
生協の時間。
エントランスに行くと、ちょっとビックリ、人数が増えてる。
いつもは3人ほどだったが、今日は7人!
なんで、こんなに人数が増えてるんだろう。
戸惑っていた。
スミスさんは、小柄な女性と話している。
「あ!田中さん。この人が301号室の内田さんよ!!今日、千葉から戻ってきたのよ」
「あ、初めまして。304号室の田中です」と慌てて、挨拶をした。
すると「こんにちは!スミスさんから、メールで聞いたわ~。お腹にお子さんがいるって。痩せてるから、全然、分からないわ」
愛想が良く、話しかられた。
明るくて、飾らない性格の様だ。
エントランスや、外に駆け出していく、子供たち。
大人だけじゃなく、子供も増えている。一気に賑やかになった。
生協の食材を手に入れた。
すると内田さんが「今日の午後ね、もし暇だったら、うちにお茶しにこない?マンションのみんなも誘ってるから」と話しかけてくれた。
スミスさんが、「あ!出た!!早速、誘ってるのね。もう、会う人みんなに声かけるんだから・・・」と、からかう様に、嬉しそうに笑ってる。
そっか、スミスさんは、この内田さんの事が好きなんだな・・・。
>> 12
内田さんの部屋に伺った。
13時過ぎに行ったら、まだ私だけだった。
早すぎたか!と焦った。
「すみません、早すぎたかしら」
「いいのよ~。ゆっくりしてて、そのうちみんな集まるから」と言われた。
ダイニングテーブルに案内された。
内田さんは、子供が2人だった。
女の子が幼稚園の年少さん、男の子が2歳だと言う。
内田さんが言うように、ピンポーンとチャイムが鳴り、続々と人が集まってきた。
みんな、内田さんの家に慣れた様に入ってきた。
303号のスミスさん。女の子3歳、男の子1歳。
501号の坂田さん。男の子1歳。
隣りのマンションの山崎さん。女の子3歳と2歳、そして3人目を妊娠中。
それから、「初めまして」と言って、女性と男の子2歳が入ってきた。
内田さんが「昨日、隣りのマンションに引っ越してきたんですって。こちら木下さんよ」とみんなに紹介していた。
あ!私だけが、初めてじゃないんだ。ホッとした。
スミスさんがすかさず、「え!!昨日、引っ越してきたばかりの人を誘ってるの。どこで会ったの?」と驚いていた。
ニコニコしながら、内田さんは「引越しのダンボールを片付けてるから、もしかして!と思って、声をかけたのよ」と言った。
すごいな~誰とでも、仲良くできるんだな・・・。
内田さんの事を、感心した。
話題は、夏休みにどこに行ったか、どう過ごしたか、と言う話題だった。
私からは、『出産って、痛かったですか?』という質問をした。
今、一番、気になってる事だった。
『私はね・・・破水から始まってね・・・』とか、『帝王切開は、傷口が痛い』だとか、痛くて怖い話を沢山、聞いた。
ますます出産に対する恐怖が募ってくる。
坂田さんのお子さんは(男の子1歳)は、どうやら怖がりの様で、お母さんのそばを離れない。
「まーくん、みんなと一緒に遊んでおいで」と言って、何度か席を立って、子供の輪の中に入っていった。
妊婦の山崎さんと話をした。
予定日が同じ12月で近かった。
山崎さんは、上2人が女の子だけど、旦那さんが跡継ぎに男の子が欲しいとの事で、3人目を妊娠したという。
性別の話で、盛り上がった。
確かに、みんな、良い人そうだ!
>> 14
けど、私の隣りの伊藤さんは、来ないんだな・・・と思った。
生協でも見かけない。
内田さんの女の子と、伊藤さんの女の子は、同じ年少さんで、同じ階に住んでるのにな・・・と、ちょっとした疑問が、頭をかすめた。
9月に入って、少し涼しくなってきた。
夜はエアコンを止めて、窓を開けて過ごすことにした。
すると、大きな怒鳴り声が聞こえてきた。
女性の声。何を言ってるのかは分からない。けど、怒ってるのは分かる。
なんだろ?
まさか・・・虐待。
テレビでよく事件が放映されてるけど・・・まさかな?
なんか、怖くなった。いやいや、敏感になってるだけだ、きっと。
けど、怒鳴り声が延々と続く。
気になって、気になって、仕方が無い。
怖いけど、思い切って、ベランダに出て、何を叫んでるのか聞いてみた。
どうやら、お隣の伊藤さんが叫んでいる様だ。
あのメガネをかけた、大人しそうなお母さんが?
にわかには信じられない。
>> 15
旦那が帰ってきた。
早速、お隣りの伊藤さんが怒鳴っていた話をした。
すると旦那は、「え!今ごろ、気づいたの?もう、越してきてから、ずっとだよ」と。
逆にビックリした。
「何で、教えてくれないの!!」
「いやいや、知ってると思ったから・・・」
旦那はベランダで、タバコを吸う。その時に、聞こえてたという。
「あれさ、まさか虐待じゃ無いよね。今日さ、8時から、1時間くらい怒鳴ってたけど、大丈夫かな」
「俺も最初は気になって、何を怒鳴ってるのか、聞いてたんだけど。手を上げてはいないみたいだぞ!たぶん、子供が宿題をやらないから、怒鳴ってるみたいだな」
「そっか!小学生の男の子が2人いるって、言ってたもんね」。
ホッとした。
「けどさ、あんだけ怒鳴られたら、勉強なんて、する気が失せるよな」
旦那が苦笑していた。
>> 16
私は旦那ほど、のん気に思ってはいられなかった。
もし自分だったから・・・?と考えると、
自分もイライラして子供にあたる様になってしまうかも、と心配になった。
子供3人…知らない世界。
きっと大変なんだろうな。
ある時、ドアを開けて、外に出ると、伊藤さんとスミスさんがいた。
「こんにちは~」と挨拶したが、なんだか重たい空気。
どうしたんだろう?
後で、スミスさんが文句を言ってるのを聞いた。
「またなのよ!伊藤さんちの子!!あの子たち、全然躾がなってない!まったく、どうにかして欲しいわ!!」怒っていた。
よく聞くと、伊藤さんちの小学生の男の子が、マンションの階段を駆け下りたのが、危ない!というのだ。
駆け下りるなんて、小学生くらいの男の子なら普通じゃないのかな?と内心では思った。
スミスさんは、伊藤さんに抗議をしたという。
「けどさ、伊藤さんは、ウチの子(スミスさんの子)の方が部屋でキャーキャー叫んで、うるさい!って、逆に文句を言ってきて。子も子なら、親も親よね!!」
そっか。伊藤さんとスミスさんはお隣同士なのに、仲が悪いのか!
あの怒鳴り声は、もしかしたらストレスなのか!
>> 17
伊藤さんの子供の行動をよく見る様になった。
階段を駆け上がる…けど、飛んだり、猛ダッシュしたり、危険な遊びはしてない。
私をみると、「こんにちは‼」と元気に挨拶している。
躾がなってない、なんてスミスさん、大袈裟だよ。良い子じゃん。
スミスさんの方が神経質なんだと思った。
伊藤さんに、たまたま出会った時に言った。
「上のお兄ちゃんたち、いつも私をみると、大きな声で挨拶してくれるんですよ。もし私も男の子だったら、伊藤さんのお兄ちゃんみたいな元気で明るい子になって欲しいです」
若干、誇張して話したが、良い子だと思ってるのは、本当だった。
伊藤さんは、パァ~と明るい顔になった。
子供が褒められて、嬉しいんだろうな。良いお母さんじゃん。
伊藤さんに、子供の話を聞く様になった。
一番上のお兄ちゃんは、勉強が苦手。塾に行かせてるが、宿題をなかなかやらない。
怒ってるのは、これかぁ、と思った。
二番目のお兄ちゃんは、ヤンチャで、元気いっぱい。スミスさんに怒られたのは、この子だった。
三番目の女の子。どうしても、女の子が欲しくて、三番目にやっと授かった。家族みんなで、溺愛していた。
>> 18
伊藤さんとは、会うと立ち話する程度の付き合いだったが、
自分の中では、親しくなった気がしていた。
子育てって大変なんだな…。
自分ひとりで、出来るんだろうか…。
知らない土地で、誰のアドバイスも無く、
出産が近づくにつれ、不安が大きくなる。
妊娠に気づいて、すぐ、マタニティ用の雑誌を買ってみた。
すると、中は、広告だらけ。
育児グッズを買う時は役に立つけど、子育てには向いてない。
一回買って、やめた。
図書館に行って、育児、躾などの本を読んでみた。
育児マンガは、子育てのドタバタ劇が書いてあって、面白かった。
けど、不安は消えない。
放送大学の講座が、10月から始まると分かった。
9月下旬の今でも、まだ間に合う!
発達心理学と児童心理学の2講座を頼んだ!
勉強しておけば、少なくとも、子育てで困った時に、役立つかもしれない。
生協の日。
内田さんが話しかけてきた。
「もし良かったら、ベビーベッド、いらない?ウチはもう、使わないから」
「いいんですか!すごい嬉しいです」
まだ育児グッズは、何も揃えてない。
早く見に行きたいが、旦那は土日も仕事の日が多く、車は無い、場所が分からない私だけでは、見に行けなかった。
ベッドの他にも、いろいろな用品を頂いた。
旦那が仕事でいないと言うと、内田さんのご主人が日曜日にウチまで運んでくれた。
夫婦揃って、良い人だな~と思っていた。
11月に入った。
中旬辺りから、出産の為に実家へ帰省するつもりだったが、
急に父からの連絡があった。
母が入院したという。
検査をしたら、手術が必要との事。
私が帰省したら、邪魔になってしまう。
実家には戻れない。
ここで、産むしかない。
>> 22
ネットで、調べてみた。
切迫流産は、おおかた子供(胎児)に原因があるとの事だか、
切迫早産は、やはり母体に原因がある場合が多かった。
やっぱり私のせいだ…。
私が悩んで不安に思ったから、この子を危険にさらしてしまった。
お腹の子の為にも、明るくなろう!と思ったが、気分は暗いまま。
唯一の息抜きだったマタニティスイミングも、やめなければいけない。
暗くて、家の中に閉じこもっていた。
すると、ピンポンが鳴った。
誰だろう?
暗い気持ちのまま、ドアを開けると、女性が立っていた。
「はじめまして。下に越してきました、島崎です」
私が挨拶に行った時に、留守だった204号室。
誰もいない部屋だった。
この部屋に新しく越してきた島崎さん…この人の事は、本当に大嫌いだった。
>> 25
母乳神話…。
今は全く気にしてない。神話は神話だ。
けど、この頃は信じ込んでいた。
母乳飲ませれば、免疫力が付いて、子供は健康に育つ!
絶対、飲ませなきゃ‼
三日間、寝込む事は、物凄い焦りになった。
早く飲ませないと、母乳が出ないかもしれない。
早く早く。
四日目、ジッと寝てるのが嫌で、とうとう自力で歩いて、食堂まで行った。
ほら、私は歩けるまで回復した!だから、大丈夫‼
本当は、めまいがヒドく、壁に寄りかかりながら、歩いた。
食堂に行くと、新米ママさんたち4人ほど席に座っていた。
私の次の日に産まれた2人と、次の次の日に産まれた2人。
すでに仲良くなっている様だった。
「一緒にご飯食べましょう」。
私を見かけると、声をかけてくれた。
席に座ると、痛い‼
悲鳴をあげそうになる。
私は子宮口が5カ所も裂けてしまい、
かなり奥の方まで縫っていた。
すると、その様子を見た、ひとりのママさんが笑い出した。
「あなた、本当に痛がりよね。私なんて、もう平気で椅子に座れるわよ」
ちょっとショックだった。痛がったら、いけないの?
すると、みんなに向かって、「私さ、この人と陣痛室が隣り同士だったんだけど、
もうさ、聞いてて、めっちゃ笑えたの。すごい声で、痛がってんだよ」。
私を馬鹿にして、みんなに吹聴していた。
恥ずかしかった。
本当に火が出るほど、恥ずかしい。
実際、痛がってたのは確かだが、理由があった。
子宮口が、全開大になるまで、陣痛の機械を付けたまま放置された。
助産師さんが気づいた時には産まれる寸前。
切開する暇もない。
たくさん裂けてしまい、出血が止まらずに、麻酔無しでザクザク縫われた。
産む時より、痛かった‼
>> 28
病気…って。
病気があるのに、妊娠して、出産して…って、なんだか違和感を感じた。
リスクがあるのに。
「私ね、パニック障害なの」
パニック障害、それ知ってる!
幼馴染のお母さんが、その病気になった。
その話を聞いて、病気を調べた事がある。
「そっか。パニック障害って、薬を服用しないといけないんですね」
「そうなの。妊娠中から、医者に相談しながらね、どうにか、あまり飲まない様にやってきたんだ」
「じゃあ、妊娠中から、いろいろと気を使わないといけなくて、大変でしたね」
「うん。でもね、私も子供がそろそろ欲しくて。高齢出産になったら、余計にリスクはあるし。旦那と相談して、高齢出産前に産もうって決めたの」
>> 29
就職してから、職場の人間関係に悩み、それでパニック障害になった。
それから、十年近く病気を持ちながら、働き続け、結婚し、今回は出産したと聞いた。
すごい‼
この人は病気と向きあって、病気を受け入れてるんだ‼
他の人がみんな、授乳してるのを見て、焦っていた。
なんで、私だけ…。
なんで、この子に母乳をあげられないんだ…。
危なかった…。
あやうく、悲劇のヒロイン気分に陥るところだった。
病気を受け入れて、前向きに頑張ってる姿。
これこそ、本当の強い母の姿なんだ!
自分も頑張らないと‼
健康に産まれてきてくれた。それだけでイイじゃん。
良い人と出会えた。
けど、連絡先の交換をしなかった。
なぜなら、私を「すごい声で騒いでた」とバカにしてきたママさんと、
このママさん、仲良くなっていた。
同じ日に、2人とも女の子を産んだとの事で、退院しても会いたいね、と約束していた。
好きな人と苦手な人が仲良かったら、どうしますか?
私は、面倒を避けた。
- << 35 私をバカにしたママさん。 ネタにしていた。 ちょっと痛がる顔をすると、 「お母さん、呼んでこようか」と大声で笑いながら、 みんなに聞こえる様に言う。 看護師、助産師の前でも、ネタにされて、なんだかみんなからバカにされてる様な気分に陥った。 自意識過剰だ、そんなこと皆は思ってない、自分の勘違い! と思い込もうとした。 けど、最終日。 会社のコネ=婦長さんが、私に挨拶にくると、 看護師、助産師の態度が一気に変わって、驚いた! バカにした事は、一切言わずに、丁寧に扱う。 なんだこれ? こんなに違うの? 看護師、助産師は、人を助ける、思いやりの深い人がなる職種だと思ってたが、 全然、違う、どんな職場も一緒なんだと分かった。
>> 30
就職してから、職場の人間関係に悩み、それでパニック障害になった。
それから、十年近く病気を持ちながら、働き続け、結婚し、今回は出産したと聞…
私をバカにしたママさん。
ネタにしていた。
ちょっと痛がる顔をすると、
「お母さん、呼んでこようか」と大声で笑いながら、
みんなに聞こえる様に言う。
看護師、助産師の前でも、ネタにされて、なんだかみんなからバカにされてる様な気分に陥った。
自意識過剰だ、そんなこと皆は思ってない、自分の勘違い!
と思い込もうとした。
けど、最終日。
会社のコネ=婦長さんが、私に挨拶にくると、
看護師、助産師の態度が一気に変わって、驚いた!
バカにした事は、一切言わずに、丁寧に扱う。
なんだこれ?
こんなに違うの?
看護師、助産師は、人を助ける、思いやりの深い人がなる職種だと思ってたが、
全然、違う、どんな職場も一緒なんだと分かった。
>> 36
私より旦那の方が8才年上。
お姑さんは、私の母よりも10才近く上になるから、
何を話していいのかよく分からなかった。
見かけは、優しそうなおばあちゃん。
けど、引っかかっていたのは、最初に電話で挨拶した時に、
旦那の元奥さんの悪口を言った事だ。
「あなた、料理が上手なんですってね。良かったわ~。前の奥さんは悪い子ではないけど料理が苦手でね。息子が胃腸の手術を2度したの知ってるでしょ?胃腸が弱いのに、料理ができないなんてね……。あなたと結婚してくれて、本当に安心してるのよ」
元妻との間には、子供はいなくて、共稼ぎと聞いている。
お姑さんは、まるで病気になったのは妻のせいだと言っているが、
自己管理でしょう。自分で、自分の健康を管理するのは当たり前なのに。
けど、旦那は「お袋は、ウチには女の子供がいなかったから、元妻の事を娘ができて、喜んでいた」等と言って、分かってない。
>> 37
そのお姑さん、早速、文句を言われた。
私が「寒いから、毛布をどうぞ」と言ったのが気に入らなかった。
「私の事を田舎者だと思って、バカにしてる。東北の寒さを分かってないわ‼」
隣りの部屋で、旦那に文句を言っているのが聞こえてきた。
私が隣りの部屋にいるのは、分かっている。ワザとだ。
寒さを心配しただけで、文句を言われるとは…。
お姑さんでなければ、一生、口をきくことは無いだろうが、
やっぱりお姑さんには逆らうのは抵抗がある。
寝不足と貧血でしんどかったが、お姑さんに気に入られ様と、
「お義母さんの料理は美味しいですね。料理を教えてください」等と、
持ち上げながら、料理を教えてもらい、嫌われない様に接していた。
>> 42
スミスさんの家に行くと、
知らない間に人数が増えていた。
私の下の階の島崎さんを始め、
5階の双子ちゃん(1才半)
隣りのマンションの男の子(3才)がいた。
ダイニングテーブルにママさんたちで集まったが
席が足りずに、お隣りの内田さんの椅子や簡易椅子を並べた。
部屋は、いっぱいだった。
ウチの子供(太郎)のお披露目。
一週間違いの山崎さんの息子と一緒に寝かせて、写真をとった。
山崎さんの息子は、プクプク太って、可愛かった。
それから、洋服80cmのお古を、みんなから沢山貰ったので、
山崎さんと二人で分けた。
スミスさんの娘と、山崎さんの長女が、春から幼稚園に入るという。
内田さんの娘が、行ってる幼稚園で、話題の中心は幼稚園だった。
それから、ほぼ毎日、内田さんち、スミスさんち、山崎さんちで、集まる事になっていく。
2月に入ると、お姑さんから連絡がきた。
「お金を送って!」という。
お金…?
「私では勝手に送れないから、旦那に聞いてみます」と答えて、旦那に相談した。
旦那がお姑さんと話をした。
旦那から、「年金は2ヶ月毎の振込だと言う事を、お袋は忘れてたみたいだ。支払いのお金が足りないって言うから、お金を振り込んで」と。
>> 44
お姑さんが、お金の入った封筒を掴んで、慌てて帰った日を思い出すと、
なんだか変な考えが頭に浮かんできた。
まさかな。
けど、旦那が渡せと言ってる。
旦那の稼いだお金だし、私が言うのもおかしいよな…。
銀行に振込に行くのは、嫌だった。
まだ生後1ヶ月の赤ちゃんを真冬の寒い中、ベビーカーで連れて歩く。
その後も、何度も何度も、お金の催促をされる。
その度に、旦那に相談するが、旦那は渡せという。
お姑さんに、旦那に直接、話してくれと言っても、
お姑さんは、私に必ず連絡をしてくる。
太郎は、抱っこして寝かせても、布団に置けば、すぐに起きてしまう。
だから、ずっと抱っこをしていて、重くて疲れ切っているのに、
そんな電話ばかり。
嫌になって、旦那と喧嘩する様になっていった。
>> 47
見ると、病院で話した、パニック障害を持つママさんだった。
「久しぶりです!もしかして、内祝いですか?」
「そうなのよ~。いろいろ見て回ってるのよ。あ!太郎君。うわ~しっかりしてきたね!」
お互いの子供の様子をいろいろと話した。
パニック障害のママの娘ちゃんは、退院してから、かなりビッグになっていた。
「ミルク好きでね、あげないと泣くから、ついつい沢山あげちゃうのよ」
私は、最初こそはミルクと母乳の混合だったが、一ヶ月を過ぎると完母になった。
母乳は赤ちゃんが欲しがったら、この時期だったら、いくらでも上げて良いと言われている。
そっか。ミルクは、量をコントロールするのが難しいんだ…。
>> 48
立ち話だったけど、楽しかった。
やっぱり、同じ時期に産まれた子だと、共感できる事が多いし、
お互いに頑張ってるんだな、と励みにもなる。
マンションのママは、先輩ママで、どうしても聞く立場になる。
教えて貰えるのは、ありがたいけど、共感とか励みとか、そういった気持ちではなかった。
やっぱり連絡先を聞こうかな…と思った。
けど、「この間ね、入院中のみんなで集まったんだよ!」
え!
聞くと、食堂で一緒だった4人のママさんと、家で集まり、
これからも一ヶ月に一回は集合するとの話だった。
- << 51 微妙な気持ちになった…。 私は呼ばれてない… …のは、当然だ。 だって、バカにしてくるママが嫌で、距離をとっていた。 けど、羨ましい…。 素知らぬ顔して、「え!みんなの赤ちゃん、元気だった?大きくなってた?」 笑顔で、聞いた。 帰ってからも、モヤモヤが直らなかった。 毎月一回会って、子供たちも親も仲良くなって、幼馴染の様に成長していくんだろうな。 私のせいで、太郎のそういったチャンスを逃したって事か。 モヤモヤする。
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私の煌めきに魅せられて36レス 404HIT 瑠璃姫
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✴️子供革命記!✴️13レス 96HIT 読者さん
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神社仏閣珍道中・改
煩悩を消し去って 道徳をまもって生きる人 感情に振り回されず …(旅人さん0)
253レス 8437HIT 旅人さん -
仮名 轟新吾へ(これは小説です)
なるほど【🍀謎が解けた❗】 あなたとの縁は、(過去世も) 今世も、…(匿名さん72)
192レス 2882HIT 恋愛博士さん (50代 ♀) -
私の煌めきに魅せられて
周りから聞こえてくる。 「いや歌和井さんの方が可愛いでしょ」 …(瑠璃姫)
36レス 404HIT 瑠璃姫 -
幸せとは0レス 73HIT 旅人さん
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猫さんタヌキさんさくら祭り
ポンとボンとタヌキさんの太鼓よこなりました、さあ春祭りにいこうとタヌキ…(なかお)
3レス 98HIT なかお (60代 ♂)
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🌊鯨の唄🌊②4レス 131HIT 小説好きさん
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人間合格👤🙆,,,?11レス 129HIT 永遠の3歳
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酉肉威張ってマスク禁止令1レス 142HIT 小説家さん
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今を生きる意味78レス 513HIT 旅人さん
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黄金勇者ゴルドラン外伝 永遠に冒険を求めて25レス 960HIT 匿名さん
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🌊鯨の唄🌊②
母鯨とともに… 北から南に旅をつづけながら… …(小説好きさん0)
4レス 131HIT 小説好きさん -
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人間合格👤🙆,,,?
皆キョトンとしていたが、自我を取り戻すと、わあっと歓声が上がった。 …(永遠の3歳)
11レス 129HIT 永遠の3歳 -
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酉肉威張ってマスク禁止令
了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 142HIT 小説家さん -
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おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1398HIT 檄❗王道劇場です -
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今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 513HIT 旅人さん
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まだ10時すぎなのにw
友達2家族と家で遊んでて別れ際に外で少し喋ってたら 近所の人に、喋るなら中で喋って子供も居るようだ…
70レス 4565HIT おしゃべり好きさん -
女性が座ったところに物を置くのはマナー違反ですか?
27歳の男です。 僕は昔から椅子に物を置く癖があり、仕事でもよくやっています。 最近、1年後輩の…
10レス 404HIT 教えてほしいさん -
保育園の先生は、保護者から旦那の愚痴を
保護者から旦那に関する愚痴を聞かされたら嫌ですよね? 旦那に関する愚痴というか、家庭内の状況が特殊…
8レス 246HIT 相談したいさん -
母とうまくやっていく方法
自分が何よりも1番正しいと思っている母と話をするのが苦手です。 母は話し合いをしようと言っても…
9レス 244HIT おしゃべり好きさん (20代 女性 ) -
🔥理沙の夫婦生活奮闘記😤パート1️⃣😸ニャン
きゃは(*≧∀≦*) 結婚生活のスレットからこちらにお引っ越し💨 皆さん初めまし😊 結…
130レス 1391HIT 理沙 (50代 女性 ) 名必 年性必 -
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