スペースシャトル
結婚して夫と子供達と過ごす毎日
周りから見たら たぶん
どこにでもいる普通の女性
そんな女性の生い立ちから現在までを書いてみたいと思います
初めての挑戦なので、小説とは言えないと思いますが頑張って書いていきます
事実をもとにしていますが名前は仮名に、地名、地域は一部変えています
内容上、不快に思われる方はスルーお願いします
知識不足から間違いもあるかと思います
よろしくお願いします
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透がその時、どうしていたかは、わからない
もう二度と会わなかったから
どのくらい寝ただろう
布団がかけられてた
麻里、シャワー浴びてきなよ
ずっとお風呂も入っていない
ありがとう
私は何度も体を洗った
皮膚が真っ赤になるくらいに
コーヒー飲も
敦子
あのコーヒーは今でも一番のコーヒーだよ
何があったか話せる?
私は敦子に、あの日、店を出てからの事を話した
敦子も聞きながら泣いていた
私たちが店を出た後、みんなは二人で出たと言ってたらしいが、敦子が私は急用で先に帰ったと言ってくれていた
警察に行く?
そんな事、考えもしなかった
だけど私は行きたくない、とだけ言った
警察に行けば、また話さなくてはならない
思い出すのも嫌だった
そしてしばらく敦子の部屋に、居させてもらうことにした
その日はそのまま寝てしまった
安心したのか、宏子が起きたのも気付かないで、昼過ぎまで寝ていた
テーブルに手紙がある
麻里へ
短大に行ってくる
事務にはもう少し休むって伝えとくね!
起きたら好きに部屋使って
有り難かった
私は短大のことなんて、すっかり忘れていたのだ
健二と別れた時のことを思い出した
また実家に連絡がいっただろうか
どうしよう…
健二と別れた時
父は10分もアパートにいなかった
それだけの時間のために、電話じゃなくわざわざ何時間もかけて来てくれた
心配かけたくない
とにかく実家に電話してみた
もしもし
あ、お母さん
麻里、ちゃんとご飯食べてる?
うん
短大休んでるの言われたらどうしよう…
あ、そうそう
夏休みは帰ってくるの?
あー、うん
近くなったら電話するよ
なんか送る物ある?
ううん、ないよ
たまには電話してきなさいよ
わかった
じゃ、またね
母の様子だと短大を休んでるのを知らないようだ
それもそのはず
敦子が短大の事務に私が休んでる理由を言ったのだ
親の実家の方に用があり、両親と一緒に行ってるから少し休む
これなら実家にも連絡はいかない
敦子もよく考えたもんだ
敦子は
浩二達と合コンの日、連絡すると言ったのに私から連絡がない
透と一緒なのを知っていたから、そういう事になってるんだろうと思っていた
翌日、私が短大を休んでも気にしなかった
2、3日過ぎても私は休んでる
おかしいと思ったから、この前のこともあり、先に短大に手をうったのだ
敦子はバイト先で、浩二からある話を聞いていた
合コンから数日後、用があって透のアパートに行ったら留守だった
透のバイト先にも行ったけど、何日か前から休んでると言われた
まさかこんな事になってると思わない浩二は
透が熱でも出して、どうせ寝てるんだろうと言っていた
敦子はその話を聞いて
あの日、私たちはうまくいって一緒にいるんだと思った
だからうちの電話が留守電のままでも怪しまなかった
そして同じ頃、宏子からも電話がきていた
何十回も
私が透の部屋にいる間、宏子と食事に行く予定があったのだ
約束の時間になっても私は来ない
家の電話は留守電だったから
麻里、遅刻だ
いくら待っても来ない
宏子はアパートに帰った
それから何度かけても留守電のまま
毎日連絡がつかない
おかしいと思って宏子は私のアパートまで来た
何度チャイムを鳴らしても出ない
連絡もなくアパートにもいない
携帯なんてまだない時代だ
連絡の取りようがない
宏子はそのままアパートに帰った
その日は授業が終わると
敦子はまっすぐ帰ってきた
普段じゃ絶対あり得ないことだ
それだけ心配してくれていたんだろう
私は敦子に他の友達には、言わないでほしいと頼んだ
敦子は了解してくれた
それだけ私はひどい姿だった
もう薄着の季節
手足のあざは隠しきれない
それに顔
何度も殴られ顔の半分は腫れあがり、肌の色もすごい色だ
病院に行こう
私はあざなら時間が経てば消えるだろうと思って、病院も行かなかった
とりあえず顔の状態が落ち着くまで学校も休み、敦子の部屋にいることになった
幸い、敦子は他の友達にも、事務と同じ話をしてくれたので何とかなりそうだ
夜になって私は宏子に電話した
この前は行けなくてごめん
そんなことより
今どこにいるの?
何回電話しても留守電だしアパートには居ないし
あんた一体どこで何してんの?
まくしたてるように宏子が言った
私はどう説明したらいいか困って黙っていた
人に言えないような事やってるわけ?
違う
じゃ、なんなのよ
黙ってたらわかんないでしょ
静かな部屋で電話したから敦子にも聞こえていた
敦子が
私が話すよ
かわってくれた
もしもし、敦子だけど
あれ?久し振り
今、麻里と一緒なの?
私ん家から電話してるんだ
敦子は電話じゃなく私と会って話して、と宏子に頼んだ
最寄りの駅を宏子に教えて明日会う約束をした
敦子は
宏子、迫力あったね
それだけ麻里を心配してるんだよ
そう言って
布団を敷いてくれた
まだ疲れてるでしょ
そろそろ寝よ
いつも夜更かしの敦子が私にあわせてくれた
ここに来てまだ一日
もし透に見られてたら
実際見られてはいないし、敦子も私がいることは宏子にしか話していない
あんな目にあったからか、小さな音やアパートの他の住人の足音も気になった
次の日も起きたら昼過ぎだ
敦子からの手紙には
学校が終わったら宏子と帰ってくると書いてある
私はシャワーを借り着替えてから、冷たい水で何度も顔を洗った
気休めにしかならないけど
熱いコーヒーを入れて飲んでいると
ただいま~
敦子たちが帰ってきた
アパートまでの間、敦子は宏子からすごい勢いで私の事を聞かれたが
絶対に答えなかった
理由は
麻里を見ればわかる
私は玄関に背を向けて座っていた
宏子は
麻里~と言いながら私の前に来た
ひゃっ…
私の変わり果てた顔を見ると、そのまましゃがみこんだ
私は
ごめん、こんなひどい顔で
私ではなく宏子が震えている
敦子は宏子に
ショックかもしれないけど、ちゃんと麻里を見て
麻里がどんなにひどい目に遭ったか、どんなに辛かったか
本当に麻里の友達なら
目をそむけて震えてなんかいないで、しっかり麻里を見てあげて!
泣きながら叫んでいた
飲み物買ってくる
敦子は出かけていった
麻里…
何があったの?
誰がこんな………
私は宏子に透のことを話した
宏子は話を聞き終わると
警察は?
病院は?
私は
行きたくない、思い出したくない
そう言った
わかった
気がかわったら私でも敦子でもいいから言うんだよ
私は、うなずいた
敦子が帰って来て、二人が食事の用意をしてくれた
ずっと食べてなかったけど食欲はない
少し食べたらお腹一杯で眠くなった
ごめん、少し横になってくるね
この時は一日の大半は寝ていた
その間敦子たちは、私のこれからを相談していた
私のアパートに行き、最低限必要な服とかを運びだす
顔が落ち着くまでは敦子のアパートに、その後、宏子のアパートに行き様子を見る
友達にも誰にもこの事は言わない
宏子のアパートに行く時、みっくんに車で来てもらう
宏子はみっくんにも今回の事は言わないつもりだ
じゃ、麻里のこと頼むね!
宏子は帰っていった
数日後
私は顔の腫れも引き、ほとんどあざも目立たなくなった
敦子にお礼を言った
どんなに言っても足りないくらい
敦子は
命の恩人だから…
みっくんは体育会の合宿なのを宏子は忘れていたので宏子の友達に送ってもらった
なんか自分ちより落ち着くかも
私が言うと宏子は
確かに!馴染んでるよね
みっくんが合宿なのも私にはちょうど良かった
じゃなきゃ、宏子たちのお邪魔虫になってしまう
二週間ぐらい宏子にお世話になり、私はアパートに戻ることにした
不安だったけど、ずっと世話になるわけにいかない
宏子にも何度も礼を言って自分のアパートに帰ってきた
それから夏休みまで、毎日忙しかった
短大だから二年で卒業だ
就職は当時バブル絶頂期
学生は売り手市場だ
私はすでに内定をもらっていた
休んでいた間の授業はノートのコピーがある
問題は単位だ
ただ何も言われてないから大丈夫
そう思うことにした
夏休みになったらすぐ実家に行こう
なんとなく実家でのんびりしたかった
少しの間、部屋を空けるので、簡単に掃除することにした
透とのことで敦子や宏子の部屋にいた時は、あまり動かなかったから掃除だけでも息が切れる
季節も暑くなってきたからだろう
休み休みの掃除になった
私は
体の異変に気付いていなかった
生理が遅れていたが、精神的なことで遅れたりもする
それに透のことは忘れたかったから、毎日何かをして考えないように必死だった
そして夏休みに入り、私は実家に帰った
実家に帰って、地元の友達とカラオケに行ったり食事したり
家に帰れば上げ膳据え膳
というより、規則正しくない生活だから、食事がテーブルにあるだけだが
久しぶりに帰ったからか、母は文句を言わない
父とも普通に過ごせた
以前はやはり反抗期だったのかもしれない
1週間ぐらいでアパートに戻るつもりだった
敦子の部屋にいた時、バイトに行けなくて、そのまま辞めていた
両親からは毎月決まった金額が振込まれていて、家賃、公共料金が引き落とされた残りが生活費
それにバイト代
今からすればぜいたくな暮らしだ
地元に来て思ったが、都会と違って車がないと不便だ
免許とろうかな
戻ったらバイト探さなきゃ
居心地がいいせいか、予定より長く実家にいた
夜寝る頃、胸やけする
キッチンにいき、冷たいものを飲む
吐く
それが何日か続いたある日
麻里は妊娠してるんじゃないか
父が母に言った
父は
私が夜中に吐いている
目の下にくまができている
これだけで、妊娠してるから病院に連れて行くように母に言ったそうだ
父は物知りだ
医学部にいた訳でもないし医学を勉強したのでもない
父が入院した時なんか、来たばかりの研修医より知識がある、そんな感じだ
実際には研修医や医師より知らないと思うが、若い研修医は父が何か言っても言い返せない
気の毒だが逆にやりこめられていた
(嫌な患者だろう(笑))
両親の寝室は二階でキッチンは一階
吐いてるのを父に見られていない
でも、見てなくても聞こえていたのだと思う
胸やけや吐くのがつわりなんて思わなかった
私だって知らないわけじゃない
透にあんな事をされたのだ
妊娠してもおかしくないのに、なぜかそれは頭に浮かばなかった
母が私に言った
麻里、妊娠してるんじゃない?
…………………
私は言葉が出ない
お父さんがね…
父から言われたことを母は言った
心当たりはあるの?
透だ
私は震えてきた
よく考えれば、避妊なんかしてくれる訳がない
妊娠の可能性を最初に考えなきゃいけないはずだった
透から逃げ出した後、妊娠のことより恐怖の方が大きかった
また会うんじゃないか
ここを知ってるんじゃないか
また同じめにあうんじゃないか
それに
あの頃はそんな言葉はなかったけど
フラッシュバック
翌日
病院にいき診察が終わると
4ヶ月です
まさか…
妊娠週数の計算の仕方を知らなかった私は、4ヶ月と聞いて信じられなかった
母は
明日入院させます
そう言って受付で何か話していた
私はその日、帰ってから一度も部屋から出なかった
そして朝になり、母に付き添われて病院に行った
私が子供を産む
この選択肢は最初からなかった
父が
麻里にはまだ先がある
あの子には、これからもっと幸せが待ってるから
自分に言い聞かせるように話していたそうだ
きっと両親も悩んだだろう
私にとってどうするのが一番いいのか
短気な面もあり、怒ると声が大きい父が感情的にならなかった
逆にそのくらい辛かったのだろう
入院した私は三日後に赤ちゃんの処置をすると聞いた
その日に手術があると思っていたから、何だか不安だった
その日の午後、今まで経験したことのない痛みが襲ってきた
たまたま前を通った看護師さんにお腹が痛いことを告げると、薬を入れたから痛くなったと言われた
陣痛だ
私の場合、月数が進んでいて人工的に出産させるようなやり方をすると言われた
そして
三日目
私は赤ちゃんとお別れをした
お腹の子に何も気持ちがなかったわけじゃない
私の月数なら、そんなにたたないうちに胎動も感じただろう
考える時間が短かったのだ
最初の診察の時、医師はエコーのモニターを私に見せなかった
母と私の様子や問診で、なぜ病院に来たのか、私の妊娠がどういうものかわかったからだ
私が病室で休んでいると医師が声をかけてきた
医師は穏やかな女医で、なぜ自分が産婦人科の医師になったか話してくれた
とても悲しい話だった
だから、私の気持ちが分かる
辛いのは当たり前だし、無理に気持ちをしまい込まなくていい
ただそれだけでは駄目
ゆっくりでいいから、前に進まなきゃいけない
それが今後の私のためでもあり、私を助けてくれた人、心配してくれた人
そして
旅立った赤ちゃんもそれを望んでいる、と
入院中、高校で仲が良かった香織が来てくれた
誰かと話したくて病院から電話したのだ
病院が香織の勤務先から近かったので仕事帰りに寄ってくれた
なんで麻里が
香織は泣いていた
少し話をして香織は帰った
これからどうしよう
私は退院して体調が落ち着いたらアパートに戻ることにした
香織にもその事を話していた
実は香織は病院の帰りに私の実家に行っていた
両親は短大を辞めて地元に来るように言っていたのを香織が説得に言ったのだ
特に父は私でも説得する自信がない
何を話したか今も教えてもらえないが、説得は成功したのだ
そして私はアパートに戻り残りの夏休みを過ごした
以前は某ファーストフードでバイトしたが、立ち仕事はまだキツいと思い、カルチャーセンターのような所の受付のバイトを始めた
宏子と敦子にはアパートに戻ってから入院したことを話した
二人とも透をどうにかしてやりたかったようだが、私がもう関わりたくないのを知ってたから、何も言わなかった
時間が経つにつれ、以前の生活に戻っていった
相変わらず短大に行けば、敦子を中心に
今日はどこ行く?
○○で可愛い服が売ってる
そんな事ばかりやっていた
何しに行ってるか、わかったもんじゃない
宏子とも同じだ
もうすぐ卒業
そんな頃、白石君から電話が来た
進級した頃以来だ
白石くんは私に何があったか知らない
そして、私も白石君や健二、真一や美奈に何があったかも知らなかった
電話の内容は
専門学校も二年で卒業する
みんな地元に就職するから仲間内でお別れ会をやる
その時私に来いと言うのだ
行けない
私は白石君に言った
何度、来てくれと言われても、気持ちはかわらない
私は健二を嫌いにはなれなかった
健二から突然、別れを言われて私だって傷ついた
それに透のこと
もちろん白石君や健二は知らない
私は自分が汚く思えて仕方なかった
私は健二に会えない
それしか言わない私に白石君がキレた
おまえアイツがどんな気持ちでいたか、わかんねーのかよ
わからないよ
それに私の気持ちだってわからないでしょ
……………
おまえの気持ちはわかってるよ
どうしようもなく健二が大好きだったんだろ
体調崩すほど、好きだったんだよな
健二も同じだぞ
お前にした事、どれだけ後悔したか
いつも自分ばかり責めて
余計にわかんないよ
だったらなんで健二はあんな事言ったの?
仕方なかったんだ
それしか方法がなかったんだよ
白石君から全て話を聞いた
なぜ美奈と付き合ったのか
うそ………でしょ?
真一が学校を辞めた理由は私たちとは関係なかったが、美奈は健二にした事が周りにバレて、学校にいられなくなったらしい
美奈はやはり薬を使って健二をはめたのだ
白石君は全部話せば、私がOKすると思っただろう
だけど
聞いたら、尚更私は
健二と会えない
私は会っちゃいけない
そう思った
お別れ会には行かない
一方的に電話を切った
もっと早くわかってれば
健二と続いてたかもしれない
もしかしたら、私はあんな目にあわなかったかもしれない
今とは何かが違っていただろう
考えれば考える程、悔しさや辛さが込み上げてきた
健二
今すぐ会いたいよ…
結局その後、白石君から連絡はなかった
私もお別れ会の事を忘れていた
短大の卒業式
みんなそれぞれ違う道に進む
私は都内のある会社に就職が決まっていた
卒業式が終わって何日かすると、宏子から電話が来た
今から○○に来て!
じゃあね~
なんだ?
知ってる店だけど
なんだ急に?
支度をしてその店までは、たぶん一時間くらいかかるだろう
そして言われた店につき、入り口から宏子を探すと
まり~~~~!
あたたっ、宏子声でか過ぎ
呼ばれた席に行くと
お別れ会の真っ最中
宏子にやられた………
そして
健二も
他のみんなも
いた
あ……………
健二と目が合った
けん…!
私が健二、と言おうとしたとき
麻里ちゃーん
あ〰あねさん
みんな変わらない(笑)
おかげで健二と感動的な再会もなく、かといって
湿っぽくなく
自然と話すことができた
この前の電話で白石君から
健二とやり直せば?
今度はうまくいくんじゃねぇ?
と言われた
もしかしたらうまくいくかも
でも私はもう健二とは付き合わない
そう感じた
離れている間に
傷つきすぎた
だから
友達でいい
そう心から思った
それにしても、この人達の元気には圧倒されてしまう
それに私と健二が普通に話せるようにしてくれてるのが、手に取るようにわかる
そのうち私の前に健二が座った
久しぶりだね
おぅ
元気だったか
うん
健二と会えて嬉しいのと、悲しいのが入り交じったような気持ちだった
お別れ会
というか、ただの飲み会はお開きになった
健二とはもう会わないだろう
私は健二に
あの時の話を全て聞いたこと
そして
私のためにありがとう
そう言って宏子の所に行った
今日泊まらせてぇ
OK!
宏子の部屋で朝まで話した
健二のこと、透のこと、これから始まる仕事のこと
宏子はみっくんとの、ノロケ話
こうして私は4月から社会人になる
そして数ヵ月後、健二と意外なことで再会した
入社式も終わり、研修の毎日からやっと解放された
私は自社で扱う製品の全てを、説明できなくてはいけない、という部署に配属された
実際に全部は覚えてはいないが…
他の仲良くなった新入社員と食事に行き、そこから以前、受付をしていたバイト先が近かったので、差し入れを持っていくことにした
そして、途中のファーストフード店の前を通ると、私がいた頃のバイト仲間の雅人がいた
いらっしゃいませ!
あ、麻里じゃん
まだバイトしてたんだ
俺はまだ学生だからな
雅人は私の一つ上だ
麻里…ちゃん?
………!
瞳ちゃん?
健二の妹だ
雅人も交えて三人で少し話して店から出た
私は
瞳が雅人を好きなのがわかった
雅人には彼女がいる
瞳ちゃん………
心配になった
その日の夜
健二から電話が来た
瞳がかけろって
(やっぱり…)
話は雅人のことだ
瞳も雅人に彼女がいるのは知っているが浮気相手は嫌だ、と
週末のバイト帰りに二人で食事に行くから、その時ハッキリさせたい、だから近くにいてほしいと頼まれた
週末
バイト帰りの二人のあとをつける
二人が店内に入って少ししてから私たちも入った
食事に、といっても居酒屋だ
明るすぎない店内で良かったと思いながら、会話が聞ける席に座った
一時間ほどして瞳が泣きだし、敦子は怒りだした
敦子は少し飲み過ぎたせいもあるが…
敦子をなだめていた私だが雅人のある言葉に突然キレた
そして
ビールの入ったジョッキを手に雅人の後ろへ
あんたサイテー
雅人の頭からビールをかけた
瞳は雅人のことは忘れると言った
敦子は翌日早かったので帰り、瞳を一人にするわけにもいかず
健二に電話して迎えに来てもらった
待ってる間、瞳は少しずつというより
すごい速さで回復した
羨ましいなぁ(笑)
待ったか
健二が来た
久しぶりに健二の車を見た
瞳が
遅いから麻里ちゃんもうちに来なよ
………無理………
車はアパートじゃなくそのまま健二の家に着いた
麻里ちゃん、久しぶり!
健二の母だ
OLさんなんだって!!!
はい(笑)
なんかオバサン憧れちゃうわ~
部屋行くぞ
健二の母は相変わらずだ
……………
……………
健二がキスをした
震えが止まらない
なんでか言えるはずもない
怖かったのだ
もちろん健二は透みたいなことはしない
わかっているのに
怖かった
健二は美奈のこと、いきなりしようとしたことで、私が嫌がってると思い謝ってきた
違うの、私のせいなの
ごめんね…
心の中で言い続けた
そのまま健二は腕枕をしてくれた
私は眠れなかった
健二を怖いのではない
この状態でも震えなかった
健二に抱かれたい気持ちもある
だけど怖いのだ
それに健二でもダメだったことにショックを受けた
翌日、朝食を食べていると
瞳が
昨日麻里ちゃんスゴかったんだよ
あの時のバカ男に
ビールぶっかけたぁ
私それ見てスッキリしちゃって~~~~
えっ!
みんな固まってると思ったら
よくやった!
お父さんにほめられた
お母さんはワクワクしている
それを見て
行くぞ!
駅に行く途中
健二は近場をドライブしながら
少し遠回りした
きっと最後のデートかな
もう会わないだろう
そんな気がした
それから会社とアパートの往復
たまに友達と会ったり、職場の人とカラオケ行ったり
仕事に慣れてきた頃、私は上司に
○○支店に移れますか?
実家の近くの支店だ
研修の時に、希望の支店があれば秋に異動できる
条件があり認められればの話だが
私は実家から通いたいと上司に言った
数日後
異動が決まった
休みにアパートを片付けた
ここに来てから色々なことがあった
嬉しいこと、悲しいこと
でも、全部私の事
少しの着替えを残し、実家に荷物を送った
実家に帰り落ち着く暇もなく、新しい職場に出勤した
お偉いさんはそれなりだが、全体的に若い社員が多い
私は営業のサポート的な仕事についた
商品知識は私の方がある
忙しかったが余計なことを考えなくてすんだ
営業の早川君
高校を卒業して今の会社に入った
実は白石君と中学が同じで、高校時代、私が白石君と一緒にいる時に会っていた
何となく覚えていたので、これにはびっくりした
早川君が
杉本さんて彼氏いるの?
いないよ
紹介したい奴がいるんだけど…
誰かと付き合うなんて考えてなかった私は
友達からなら…いいよ
そして、聡と会った
第一印象は特に悪くもよくもなく
友達として
また会う約束をした
私は友達を連れてったり、二人で食事したりした
一緒にいても、あまり楽しいと思わない
何回目かに会った時
俺と付き合って
私は考える時間をもらった
友達は彼氏がいたほうが生活に潤いができる
と
わかるようなわからないアドバイスをくれた
彼氏として付き合えば、楽しくなるかな
私はOKした
聡はスゴく喜んでくれた
こんな私でも喜んでくれるんだ
こんな私でも………
それはすぐに起こった
カラオケに行った帰り
家まで送ってくれた車の中で、いきなりキスをされた
私は車から降り、急いで家に入った
震えが止まらない
なんで…
このままずっと、こうなのかな
自分が嫌だった
次に会った時、聡は何もしなかった
その次も
しばらくそんな感じだったが長くは続かない
少しずつ強引になった
ある日、無理矢理キスをしてきた
私が震えだすと
聡は謝った
聡が悪いんじゃなくて私が
このままじゃ、聡に悪い
そんな事ばかり思っていた
そしてまた送ってもらう途中で
聡は方向を替えホテルに入った
部屋に入ると聡はすぐに求めてきた
私は怖さのあまり震えて泣きだしていた
今まで我慢してたけどよ、俺達、付き合ってんじゃねえの?
こんなんじゃ、俺が悪いことしてるみたいじゃん
つまんねー女
そのまま聡と別れた
その後は彼氏もできたが、私は先を考えるとまたダメかも…
結局長くは続かない
その頃、地元の友達は結婚ラッシュ
香織や友代は年上の優しい人と
宏子はみっくんと
他の友達も数人バタバタと結婚した
年頃だし焦らないわけじゃない
杉本の両親を安心させたい
麻里が結婚するまでは
父はそういって仕事を続けている
両親の中で私の結婚はある意味、区切りなのだろう
そんな時、智之を紹介された
私より二つ上
友達が会社の人と飲み会をやってた時、私もそこにいて一度会ったことがある
私を紹介して欲しいと頼まれたそうだ
何度か会うとまた同じ事の繰り返し
それでもキスはなんとか平気になった
智之も無理にする感じでもなかったし、私も努力した
付き合っていれば、求めてくるだろう
何となく今日はそうなるかも
私はお酒をいつもより飲んで、かなり酔ってしまった
気が付くとホテルで寝ていた
大丈夫だったみたい
酔って記憶がない
だから平気だったのかもしれない
それからは必ず酔うまで飲むようになった
そんな事を続けていたある日
俺と結婚してくれ
プロポーズだ
私は結婚して両親を安心させたい
その気持ちが強かった
智之といると自然に笑顔が増えたのも事実だ
ずっと一緒にいれば、何かかわるかもしれない
一瞬で頭に色々浮かんだ
うん
私はその場で返事をした
こうして両親への挨拶
結納、式の準備と着々に進んでいった
智之には悪いが恋愛感情の好き、という気持ちは持てなかった
結婚は、相手から望まれてするほうが女は幸せ
母がそう言っていた
特に気分が盛り上がらなくても、何十年もいるってこんな感じかな…
勝手にそう思い込んでいた
聡の家族は両親、姉
そして、敷地内の別棟に住む祖母と、入院している祖父
祖父は痴呆が進み寝たきりで、ずっと入院してるそうだ
家は私の家から車で30分ぐらいだ
結婚したら同居
聡の地元では当たり前
聡の両親は私たちの部屋を増築してくれた
クロスやカーテンを選ぶようにカタログを渡され、私達は二人で選んでいた
選ぶのは割と時間がかかるが、意外と楽しい
いくつか候補を決めた中から、業者に選んでもらうよう聡の母に頼んだ
部屋が完成したので見においで、と聡から電話がきた
どんな部屋になったかな
楽しみにして行くと
部屋を見た瞬間
なにこれ…
私たちが、選んだ物ではなかった
もちろん業者が参考にと、選んでおいた物でもない
聡の母が勝手に決めたのだ
私は、あまり柄物が好きではない
シンプルなほうが好みだ
新居となる部屋は
花柄の派手なカーテンに訳のわからない模様のクロスが貼られていた
(ヒドッ………)
聡に
選んだのと全然違うね
と言うと
母ちゃんが決めたみたいだぞ
(だぞ、じゃなくてさ)
なんか嫌な感じ(-ロ-;)
この時に聡と別れてれば
…………………
式場で衣装を選ぶ時
私と母は
これがいいね
お義母さんは
………
ドレスは私の選んだ物にした
打ち掛けを選んでいると
聡の母が持ってくるのは、言っちゃ悪いが趣味が悪い
立場上、あんまり出しゃばっちゃいけない
母は黙って見ていた
式場の人が見兼ねて
お嬢さんは背がおありだから、そういう柄よりこちらのほうがお似合いですよ
いくつか選んでくれた中で、他と違う色合いの二点を私は気に入った
悩んで最初に目がいったほうにした
智之の母は苦虫を潰したような顔だ
他もそうなのだろうか
私の住んでる地域は、貰う側が式場の費用を多く出す
だからか知らないが、衣裳も智之の家で決めた物しか、着れないのだろうか?
友達はみんな、衣裳は自分で決めていたのに…
さっきのでいいです
私は頭に来て、そう言った
が、式場の人が
こちらは、あなたの肌の色に合いません
せっかくの晴れの日なのだから、こちらのほうが来客の方も満足されると思いますよ
少し強めの口調だった
それぐらい、智之の母の態度は酷かったのだ
内心ホッとしたのも束の間
じゃあ、この中で一番高いのにしてください
智之の母が言うと
こちらです
私が選んだ物だった
そして引出物
田舎の方は○○
二言目には、智之の母はこの言葉を言っていた
田舎ったってうちの隣の市だ
そう違いはない
引出物なんて、この辺は大体同じ物だ
引出物も決まり、この日やる事は終わった
智之は仕事を休めなかったから、ここに来るときは、私が智之の母を迎えに行った
帰りも送ると言うと、智之の父に来てもらうから大丈夫だと言われた
私たちは先に帰り、車の中で私は文句ばかり言っていた
母は
しょうがないでしょ
こっちがお嫁に行くんだから
その頃、智之の母は私たちに内緒で食器をもう一つ
それと
披露宴の食事にフルーツの詰め合せを追加した
どちらも、杉本の親戚は遠くから来るから、と私たちが却下した物だった
式まであと2ヶ月
智之の同級生とその彼女の合計8人で、鍋パーティをしていた
なぜ鍋だったのか、よくわからないが…
実は私はアルコールに強い
会社の宴会で、土鍋の蓋の穴を押さえ、そこに並々と日本酒を入れて、先に飲み干したら三千円
そんなおバカなゲームをしたところ
三連勝!
上司がおまけしてくれて、一万円貰ってしまった
でも平気だった
だから酔うまで飲むのは、かなりの量を飲む
他のみんなが酔っても、私には
まだまだ、だ
智之に送ってもらう私は
そろそろ帰ろうと言った
外に出ると、パーティをやった家の、茂樹と彼女の里美が出てきた
車に乗り、智之が窓を開け
里美ちゃぁん
おやすみのキス💋
と言った
茂樹も里美も酔ってるからか、そのまま💋しそうになった
は?
私以外の三人は笑っていた
こいつらバカじゃないの?
そして💋はせず、智之は車を出した
広い通りに出る手前で私は車を停めさせた
自分が何したかわかってんのかよ
これは私が言ったセリフだ
智之は酔っててヘラヘラしている
私が怒ってるのは辛うじてわかったようだ
話にならない
私は車から降りた
大通りに出ても智之は来ない
すぐ走れば私を抜かすのに
私は悲しいより、怒りと呆れた思いでイライラした
酔ってふざけ過ぎた
だけかもしれない
私たちは婚約している
これから結婚する相手の前で、酔ってふざけたといっても、あんな事を私の目の前でするか!
私には理解できない
別れよう
そんな事を考えながら、車を降りてから一時間以上も歩いていた
都会と違って、広い通りでも夜中は車が走っていない
周りはたんぼで
真っ暗
この時は頭に血が上って、考えなかったけど
今思うと
危なかったと思う
そのうち、ありえない方向から智之の車が来た
酔いがさめてきたのか
ごめん
一言、謝ってきた
今まで何やってたか聞くと
おまえの会社の近くとか、俺んちの方に行ってた
?
家に帰るのに、なんでそんなとこに私が行くのか
酔っ払いのやることはわからない
とりあえず車に乗り家まで送ってもらった
降りるとき
少し考えさせて
私はそう言って家に入った
私は別れるつもりだったが結婚するのを喜んでる両親に、申し訳ないとも思っていた
実はこの結婚は両親どころか、母の知人や私の友達、智之の近所の人
誰もが心配していたのを、この時の私は知らなかった
この事がなくても私は悩んでいた
透にされたことのトラウマ
酔うほど飲んでないと無理
かなりの量だ
結婚してそれが出来るだろうか
結婚したら夫婦生活はあるだろう
普通なら当たり前かもしれない
でも、夫婦それぞれの事情でレスになることもある
智之に透のことを話すべきか…
私の友達は
全員NOだ
問題がなければ言う必要はない
自分でもわかっている
受け入れられなかったら…
別れを意味する
この先ずっと一緒にいるなら
私の事を知った上で、そばにいてほしい
でも、この先も透のことを智之に話すことはなかった
周りから心配されてるなんて知らない私は
智之と結婚しようと決めた
結婚式前日
遠方から伯母が来てくれた
今日はうちに泊まるそうだ
夕食を食べながら、伯母は泣いていた
伯母は母の姉にあたる
私の知らない母を知っているのだろう
感極まって
そんな感じだった
結婚式当日
智之は出来上がっていた
披露宴でほろ酔い気分の新郎を見たことはあるが、智之はベロベロだ
私は隣で笑顔を作りながら心の中でさめていた
途中、私の友人の何人かが泣いていた
健二や透のことを知っている子達だ
心配かけたから幸せにならなきゃね
そして、披露宴の最後に
互いの両親に挨拶に行ったとき
智之はろれつが回らない
私は知らないふりをして、智之の父、母に挨拶をした
この時の智之の母の顔
私のドレス姿を上から下まで見て
また苦虫を潰したような顔をした
なにもこんな時まで…
私は悔しさのあまり泣いた
普通なら花嫁が泣いて感動の………
周りにはそう見えただろう
私は
嬉しくて泣いてるんじゃないっ
叫びたかった
二次会でも智之は飲んでいた
私はずっと友達と話していた
二次会も終わり、智之の家に帰った
新居だ
私はあの趣味の悪い部屋にいき、新婚旅行の準備をした
智之はベッドで寝ている
私は二人分の荷物をスーツケースに積めて休んだ
空港に行くのも飛行機に遅れそうになった
旅行前も旅行中も私は不機嫌だった
智之の情けなさが………
初めての場所だし、海外だし
なんてことは全く関係ないことで情けなくて、早く帰りたかった
我慢しなきゃダメなんだろうなぁ………
私は結婚が決まってから、仕事をかえた
同居するのが当然の人たちが、私の意見など聞く訳がない
週休二日の仕事だと、同居は耐えられないよ
友達のアドバイスを素直に聞いたのだ
幸い、知人の紹介ですぐに仕事が決まった
サービス業だから基本的に土日は仕事
週末は交替で休みがもらえた
早出、遅出もある
私には都合が良かった
いくらうちの実家と智之の家が近くても、うちの両親はもともと他県の人間だ
特に、味付けが全然違う
そこへきて義母は野菜以外は食べない
おまけに、甘い辛いの好き嫌いもある
何食べてるんだ?
これで毎日、献立を考えるのは難しい
私は週の半分だけ食事の支度をした
義母は食事の支度をしない
私が作らない時は義姉が作っていた
義父は気をつかってるのか食べるが、義母は嫌いなものには箸も付けない
私は何度も皿ごと捨てた
食事中、会話は普通にあるから、智之も私の不満はわからないみたいだ
心配してることが起きた
ある日、智之が求めてきたのだ
夫婦だから当然だろう
アルコール類がない家だ
私は具合が悪いと言って、拒否した
そんな事が何度か続いた日
私が寝てるときに智之は勝手に私の中に入ってきた
爆睡して気付かなかった私は、その衝撃で飛び起きた
智之は果てた
そして、隣で寝てしまった
私が拒み続けていたから
智之は悪くないのかもしれない
わかってはいたけど
つらかった
半年ぐらいは、私が寝てる時に…
それが数回あった
この頃には智之の親戚から
子供はまだ?
お決まりの言葉をよく言われていた
私は
もう少し二人でいたいからと、心にもない事を言っていた
智之は優しい
私からすれば
弱かった
私の事も最後まで好きでいてくれた
私は好きではなかったが、嫌いでもない
そういう感情が智之にはなかった
敷地内に住む祖母とは、この頃に初めて会った
私の仕事の時間が不規則なのもあるが、母屋に祖母が来ることもない
野菜なども、智之や義姉が持っていく
結婚式にも来なかった
少ししか話さなかったが、私には優しかった
智之に祖母のことを聞いてみた
智之が小さい頃
嫁姑の喧嘩が耐えなかったらしい
後から知るのだが、義母はとても気が強く、近所でも有名だった
今の母屋に建て直した時に祖父母の部屋もあった
いくら年寄りでも、家の中で一日中陽が当たらない、三畳間の部屋
事情はあるだろうが、私はかわいそうな気がした
そして別棟を建て別居したそうだ
義母は絶対に祖母と話さない
息子の義父も義母も、
家まで建てて祖父の入院も面倒見て、なんの不満かあるんだ
そんな感じだった
祖父がいる病院はお年寄りしか入院していない
地元じゃ、あそこに入ったら死ぬのを待つだけ
誰もがそう思う病院だった
結婚して一年たった頃
智之が私の会社に突然来た
夜の9時すぎだ
祖父が危篤だと連絡があったから、これから病院に行く
そう言いに来た智之は、同僚と飲んでいてフラつき、ろれつも回らない
私は上司に話し病院に向かった
初めて祖父を見た
今すぐではないが、二、三日がやまだろうと言われ、私たちは帰った
二日後
祖父は亡くなった
智之の家は親戚や近所の人がたくさん来た
この辺は、家で葬儀をやる場合、義母は何もやらない
食事の用意やその他のことは、近所の奥さんたちがやるのだ
何もわからない私は、他の奥さんに聞いたが、今はやる事が無いと言われた
親戚の女たちが集まって、通夜の準備をしている部屋に行くと
この人、誰?
智之の従姉妹が言った
あーっ(怒)
どいつもこいつも
義姉にやることを聞き、さっさと終わらせた
私は居場所が無い
ほとんど初めて会うか結婚式以来だ
自分達の部屋に行き、休んでいると智之がきた
この後の予定を言って、部屋を出ていった
その日はみんな座敷でどんちゃん騒ぎ
私達は、眠れないまま葬儀を迎えた
火葬場へ行く車は
先頭は祖母以外の家族
2番目に祖母と義父の兄弟
次は○○と、義父が決めていた
では、みなさん
となって、私は智之に文句を言いにいった
私は行かなくていい?
乗る車ないし
うちの両親来てるの知ってるよね
場所がどこかも説明しないで…
このまま帰ってもらうから
智之は慌てて
ごめん
最後に付いてきて
私は父の車を運転し、杉本の両親と一緒に行った
私は自分の両親に申し訳なく思った
智之の両親より年齢も上だ
式を挙げる前、挙げてからも、祖父の病院に何度も足を運んでいる
それを智之達も知っているのに、あまりにも配慮に欠けている
嫁の両親だからと特別扱いしなくてもいい
義父母はともかく、智之の態度に頭にきた
火葬が終わり控え室で食事をとる時に、お茶を配りながら、私は自分の両親がいないことに気が付いた
廊下に出ると、椅子に座っていた
私が中に入るように言うと
人がいっぱいで座る場所もないし、食事は無くてもいいからここで休んでるよ
あなたは中を手伝いなさい
両親にこう言われ、私は控え室に戻った
確か席は空いてたはず
やはり空いていた
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