明けない夜🌠

レス49 HIT数 8432 あ+ あ-


2009/02/28 16:20(更新日時)

〜幸せの時〜


私は遅くして結婚しました。独身時代に中絶の経験もあり、子供には恵まれないと思っていました。
そんな過去を持つ私を丸ごと受け入れてくれたのが主人のヒロでした。

結婚までの一年半、やはり子宝には恵まれなかった。
(…やっぱりダメか…)
落ち込み悩む私にヒロは「子供が出来なくても楽しめることは、沢山あるさ」と言った。ネガティブ😪な私にポジティブ😄なヒロ。

この前向きさに、このあと何度も救われる事になるとは、この時は想像もしていなかった。

No.935349 (スレ作成日時)

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No.1

結婚式は地味婚でしたけど、式を挙げられた事に素直に喜べた。新居ができるまでの1ヶ月間、お互いの実家を行き来する「週末婚」も、今では楽しい想い出です。

新居も出来上がり、いよいよ新婚生活が始まり、その月…
生理が来ない…

もしかして… 妊娠?
でも元々不順気味だった事もあって、にわかには信じられなかったからヒロには話せなかった。

No.2

>> 1 ~妊娠そして出産~


確信が持てず悩んでいただけの私。体の異変にヒロが気付くのに時間は掛からなかった。ある日一緒に寝ていたら、ヒロが「りん…なんか熱っぽいけど大丈夫か?」
私は「確信が持てないから言わなかったけどね…生理が来てないの。」それってもしかして、『妊娠?』
「ん~まだわからないけどね」と言うと、ヒロは一人で黙って何かを探し始めた。
電話帳をめくりだして何やら調べてるヒロ。
ま~病院を調べてるんだろうけど…。すると今度は携帯を取り出し、電話を掛け始めた。ちょっと!相談してよね俉ヒロは構わずメモをとりはじめて「この中でどこが良い?」って、何を根拠に選んでいるかと思ったら、

ヒロは土日もやってる病院をピックアップしてたんだ。「出来るだけ俺の休みの日に行ける所を探してみたんだ」

ヒロがどれだけ喜んでくれてるのか分かって、涙が止まらなかった。 嬉しかった。

No.3

>> 2 初診の日。二人で病院へ行き、待合室で待っている時に他の患者さんの子供がヒロを意識しているのを見た。ヒロは構わず本を読んでいたが、その子は遊んで欲しかったんだと思う。

ヒロには子供を魅き付ける何かがあったんだと思う。
私はそれを「無節操フェロモン」と名付けた。それが女性に向かなければ良いな…とひそかに願っていたっけ。

いよいよ診察の順番が来た。一通りの問診を終え、検査結果が… (…ドキドキ抦)

先生が「おめでたです。今6週目ですよ」と言ってくれた時、ヒロは待合室まで聞こえるような大きな声で「ありがとうございます」って言った。
嬉しくもあり、恥ずかしい(//△//)瞬間だった。

私達のベビは、結婚するまで待っててくれたんだねⅧ
ハネムーンベビー!
ようこそ我が家に!

No.4

>> 3 ヒロは検診の度、一緒について来てくれたけど、正直言うと毎回来ても退屈だったんじゃない?私は嬉しかったけど…

ベビも順調に育ってくれたし、出産まで大きな問題はありませんでした。
ヒロは男兄弟で育ったこともあって、女の子がいいなって言ってた。正直プレッシャーだったよ。男の子だったらって…昉
名前はヒロが考えてくれたけど、男の子の名前は出ていない!

私は「男の子だったらどんな名前がいいかな?」っていうと、「なんでもいいよ」っていう答え…
男の子だったら、可愛がって貰えないんじゃないか?って本気で心配したよ!

No.5

>> 4 出産は初産の割に軽かった。
元気な女の子…
名前を緋音(あかね)と名付けた。ヒロが考えてくれた名前。

これからの五年間は本当に幸せでした。
私はこれから起きる出来事など知る由もなかった。

No.6

>> 5 ~心の闇~


ある日ヒロが仕事を休んだ。理由は疲れがたまったからだと言っている…
この時は、そんな日もあると思っていた…

次の日も、その次の日も…。ヒロは出社拒否症になっていた。
「会社でなにかあったの?」と聞いても、答えてくれなかった。いつものヒロとは明らかに違っていた…

私はヒロを連れて心療内科へ行き、診察を受けた。緋音が産まれて、育児も家事も仕事も一生懸命やってくれたヒロに、私は甘えていたのかもしれない。

ヒロはストレスから『うつ病』を発症してしまった。次の日から、仕事を休職した。

No.7

>> 6 まだ幼く手がかかる緋音に、うつ病になってしまったヒロ…
この時の私もストレスのかたまりで、おかしくなりそうでした。

あんなに待ち望んだ緋音にも、あんなに優しく愛してくれたヒロにも、この時はイライラをどこにぶつけて良いか分からず、大きな声を出す事が多くなっていた。






読んで頂いてくれる方がいらっしゃるのかな?…

  • << 11 ヒロの病気も良くなったり悪くなったりの繰り返し… 良い時は、外へ散歩に出られる位なのに、悪くなるとベッドからも出られない…顔付きも表情が消えた感じで… ある日、ヒロが散歩に出掛けたまま戻って来ない。 心配で私は緋音を抱いて近くを捜しました。けれど、どこにも見当たらない…最悪の結末が頭をよぎる。

No.8

こんな時間にお邪魔してスミマセン。
ちょうど👶の授乳中で…。
りんさん、私は読ませて頂いてますよ。
先が気になります。
更新頑張って下さい✨

No.9

おはようございます😊

更新楽しみに読ませて頂いてますよ!


がんばって更新続けて下さいね❤

No.10

しーママさん、ホロロさん、ありがとうございます!
私の今の気持ちを少しでも前に向けるために書き始めました。

読んで頂いてくれる方がいらっしゃると励みになります俉
これからもよろしくお願いします珵

No.11

>> 7 まだ幼く手がかかる緋音に、うつ病になってしまったヒロ… この時の私もストレスのかたまりで、おかしくなりそうでした。 あんなに待ち望んだ緋音… ヒロの病気も良くなったり悪くなったりの繰り返し…
良い時は、外へ散歩に出られる位なのに、悪くなるとベッドからも出られない…顔付きも表情が消えた感じで…

ある日、ヒロが散歩に出掛けたまま戻って来ない。
心配で私は緋音を抱いて近くを捜しました。けれど、どこにも見当たらない…最悪の結末が頭をよぎる。

No.12

>> 11 辺りが暗くなって来た頃、ヒロが帰ってきた。私は努めて冷静を装い、「おかえりなさい」とだけ言った。ヒロの手には一冊の本があった。


後にヒロの心を癒し、バイブルとなる一冊だった。

その後一ヶ月でヒロの病気は復職できるまで回復していった。

うつ病の闘病生活は一年三ヶ月で終止符をうった。

  • << 18 ヒロさんを救ったという一冊の本は何というタイトルだったのでしょうか? 教えて戴けたら幸いです🙏

No.13

>> 12 ヒロを救った言葉はたくさんある…

ヒロを鬱から救った言葉。


小さな幸せ…
本当の幸せ…

大きな幸せの中に
いながら、それに
気付かず、その中の
小さな不幸を見つめて、幸せを感じられない人は、
小さな幸せしか得られない。


本当の幸せとは、
大きな不幸の中にいながら、小さな幸せだけを、見つめ続ける事が出来る人が
本当に幸せな人
なのではないか?



こんな言葉だった。また、どんな時も私がヒロの味方でいてくれたと言われた事は今でも覚えているよ…

No.14

>> 13 ~姉の病気~


その知らせは突然で拍子抜けするほど明るいものだった。電話で「大腸ガンだって🌀でも早期発見だったから手術ですぐに治るよ。」
確かに発見から、手術・退院まで15日間だったから早かった。私が心配する間もなかった…



でも、その明るい声に隠された姉の気持ちを判ってあげる事が出来なかった。
…その時は…

No.15

>> 14 姉は明るくて、行動的でアウトドアが大好きで、自信に満ち溢れているような人です。ケンカもしたけど私はそんな姉を目標にしていた。

姉の入院中にお見舞いに行けなかったので、退院後に会いに行った。
私の方が遥かに姉の事は知っている筈なのに、先に異変に気付いたのはヒロだった。私を外へ連れ出し、「お義姉さん、なんだか変じゃないか?」と言うヒロに、姉の事は私の方が知っていると言う自負が現実を見えなくさせていた…
「別に変じゃないよ!」と言った私の一言にヒロは、それ以上何も言わなかった。

帰り間際にヒロが姉と話をしていたが、私はそんなに気にしていなかった。

No.16

>> 15 姉の所へ見舞いに行った後、ヒロのⅠに頻繁に姉からが来る様になった。
ヒロいわく、「お義姉さん、精神的に参っているから話を聞いてるんだよ」と言ってたが、私にはそんな風には見えなかった。むしろ、のやり取りが楽しそうにすら見えてしまった。


だから、ヒロに姉との連絡をやめるように私が言った…
それが間違いだとは知らずに…

No.17

>> 16 ヒロが姉にしていた事は、心のバランスを保つ事だったのに…私は目標としていた姉の心を壊してしまったのだ。

数カ月後、姉は『パニック障害』を患い、鬱病を併発して自殺未遂を引き起こして入院する事になった。

激しい自己嫌悪に悩まされ、私自身も心のバランスを失いかけていた。そんな時も支えになってくれたのもヒロだった。
「自分を否定するな!」…今のままで良いのだと言われた時、少しだけど救われたよ。

  • << 20 ~姉の遺したもの~ 入院していた姉は、治療の効果も出ており回復していった。ただ、家族と一緒の生活が出来ないでいた。義兄さんが近くにいるだけで、震えが止まらなくなっていた。子供達と早く一緒に住みたいという気持ちが焦りになって行った。 回復期に見られる危険な兆候である。私は、姉に「焦らずゆっくり治そうね」と言った。 既にこの時には、私の声が届く事はなかった… 私は姉に謝りたかった。しかし、もうそれは二度と叶わない… 三日後… 姉は自殺した。

No.18

>> 12 辺りが暗くなって来た頃、ヒロが帰ってきた。私は努めて冷静を装い、「おかえりなさい」とだけ言った。ヒロの手には一冊の本があった。 後にヒロ… ヒロさんを救ったという一冊の本は何というタイトルだったのでしょうか?
教えて戴けたら幸いです🙏

No.19

>> 18 レスありがとうございます。

※この投稿は、本の宣伝を目的とするものではありません。

ヒロがバイブルとして常に持っていた本は、山崎房一 著
『心安らぐ魔法の言葉』という本です。タイトルをⅢで検索すると、いくつかの文章を見る事ができます。

No.20

>> 17 ヒロが姉にしていた事は、心のバランスを保つ事だったのに…私は目標としていた姉の心を壊してしまったのだ。 数カ月後、姉は『パニック障害』を患… ~姉の遺したもの~


入院していた姉は、治療の効果も出ており回復していった。ただ、家族と一緒の生活が出来ないでいた。義兄さんが近くにいるだけで、震えが止まらなくなっていた。子供達と早く一緒に住みたいという気持ちが焦りになって行った。

回復期に見られる危険な兆候である。私は、姉に「焦らずゆっくり治そうね」と言った。


既にこの時には、私の声が届く事はなかった…

私は姉に謝りたかった。しかし、もうそれは二度と叶わない…


三日後…

姉は自殺した。

No.21

>> 20 私は深い悲しみと、猛烈な後悔に支配され、何も考えられずにいた。

ヒロは私を黙って抱きしめ、「何があっても俺は味方だ」と言ってくれ、姉の事も「あれは事故だったんだ」と言い切った。
「本当は死にたくなかったんだ」とも、「死にたいのに死にたくない」とも言った。ヒロは私を慰める為、そんな事を言ったんだと思った…

  • << 23 私や姉の子供の心をケアする為、ヒロは走った。 そんなある日、姉の子供(乃里子18才)を養子にしないか?との話がヒロからあった。 あまりに突然で、突拍子もなく… まして、姉の死から1ヶ月も経っていないと言うのに…ヒロは乃里子が得意ではなかったはず。 それが何故?。 まずは、本人に電話。悲しみにくれる乃里子にそっと寄り添う様に話を聞くヒロに、乃里子の心は最初、氷の様に固まっていたが徐々に溶けて行った…ヒロの言葉によって。

No.22

教えて戴いてありがとうございます🙏
自分も病気と戦っているので知りたくて
本当にありがとうございます。

頑張って最後まで書いて下さいね😊
読みながら応援しています🌟

No.23

>> 21 私は深い悲しみと、猛烈な後悔に支配され、何も考えられずにいた。 ヒロは私を黙って抱きしめ、「何があっても俺は味方だ」と言ってくれ、姉の事も… 私や姉の子供の心をケアする為、ヒロは走った。
そんなある日、姉の子供(乃里子18才)を養子にしないか?との話がヒロからあった。



あまりに突然で、突拍子もなく…

まして、姉の死から1ヶ月も経っていないと言うのに…ヒロは乃里子が得意ではなかったはず。
それが何故?。

まずは、本人に電話。悲しみにくれる乃里子にそっと寄り添う様に話を聞くヒロに、乃里子の心は最初、氷の様に固まっていたが徐々に溶けて行った…ヒロの言葉によって。

No.24

>> 23 毎日毎晩2時間以上も電話に付き合い、乃里子の心を癒していった…


ヒロは乃里子にホームステイを提案した。
乃里子も前向きに考えられる様になって来た。 …ホッとした。

最初は「お母さんの所へ行きたい」とばかり言っていた乃里子だが、変化が訪れようとしていた…

No.25

>> 24 乃里子がしばらくの間、家で生活する事になった。緋音は乃里子の事が大好き戓
乃里子も緋音と遊んでいる時は、何も考えなくて良いから…と積極的に遊んでくれた。


…乃里子もまた、心に病を抱えており、自殺未遂を二度も起こしている。私は、乃里子を引き受ける事を躊躇う理由はそこにあった。

No.26

>> 25 ヒロは乃里子の心を元気にする為、私に三つの事を指示した。

① 就寝時間を決める
眠れなくても、横になる時間を決める。

② 挨拶は元気に

乃里子が元気でなくても、元気に声をかける。

③ 乃里子が辛い時は抱きしめてあげる

私達は無条件に味方だと言う事を体感させる。


この三つを必ず守る事を約束させた。

No.27

>> 26 乃里子も最初は窮屈そうだったが、少しづつ慣れて来た。

こちらの環境に慣れた事もあり、乃里子はバイトをしたいと言い出した。
(乃里子は実は社会適応障害を持っていてバイトの面接は22連敗中なのだ)

私は、心配だったが…
ヒロは「応援するから頑張って!」と乃里子の行動を後押しした。
乃里子は自分から積極的にバイトの面接を受け続けた。
三連敗…四連敗…五連敗…

6回目の面接が不調に終わると、乃里子は泣きながら自分の境遇を嘆き始めた。私は励ましたが、全く話を聞こうとしなかった…

(正直…面倒臭いと思った。)

No.28

>> 27 ヒロが仕事から帰って来た。私が乃里子とのやり取りを説明して、「疲れたし、少し面倒臭い」と言うと、ヒロは「自分の子供なら育児放棄だな」と言った。

…決して責める口調ではなく、淡々とした話の仕方だった。

そう言うと、ヒロは乃里子の所へ行き、いきさつを真剣に聞いた。そして乃里子を抱きしめると「ここには乃里子を責めたり、馬鹿にする人は誰もいないよ」と言うと、乃里子はヒロの胸で号泣した。
(19の娘が叔父の胸で号泣するか?と思った。)

少し落ち着きを取り戻した乃里子に、ヒロは「何度でも言うが、みんなは乃里子の味方なんだよ」と言い聞かせた。




後から聞いたが、この時ヒロが行っていた事は『育て直し』だったんだと知らされた。

No.29

>> 28 乃里子の心に変化の兆しが見え始めた。それと時期を重ねるように、完全な夜型だった乃里子は少しづつ早く眠るようになり、朝もみんなと食事が出来るようになっていった…

そして…
七回目のバイトの面接は見事採用となった。

No.30

>> 29 乃里子からⅠで採用の知らせを受けたヒロは、大袈裟な位喜んだ。そして夕飯は乃里子の好きな『ハンバーグ』をヒロが作り、みんなでお祝いした。

乃里子は「お祝いなんてしてもらったの、何年ぶりだろう…」と言うと、ヒロは「じゃあこれから皆で何回もお祝い出来るようになると良いね」と言った。

決して過度の期待をかけず励まし続けるヒロを見ていて、(本当の家族として迎える覚悟があるんだなと思った)

No.31

>> 30 乃里子は少しづつ元気を取り戻し、バイトで得たお金をお小遣いにして自分の洋服や身の回りの物を買ったりしていた。

そして、家に来て五ヶ月(バイトを始めて三ヶ月)経った頃、突然乃里子が『帰る』と言い出した。


自分が幸せに過ごせば過ごすだけ、弟の正樹が気になると言う…ヒロは引き止める事もせず、ただ『辛い時はいつでも帰って来な』とだけ言うと心良く送り出した。


家にいる間、乃里子の心が乱れる事はなかった。それを妹夫婦は『奇跡』と表現した。


この時に私の明けない夜は終わりを迎えたと思った…




この時は…

  • << 33 ~異変~ 緋音も小学生になり最初の夏休みを迎える頃、ヒロは身体の不調を訴える様になった。 身体が重くだるい… 食欲がわかない… 疲れたと言う事が増えた。 私は鬱病の再発を疑い、かかりつけの病院へ行く事を勧めた。ヒロはすぐに病院へ行き、カウンセリングを受けた。医師は、前回の病歴から鬱病の再発と診断した。 この時の私は、セカンドオピニオン等と言う事は全く考えていなかった…

No.32

読んでます

No.33

>> 31 乃里子は少しづつ元気を取り戻し、バイトで得たお金をお小遣いにして自分の洋服や身の回りの物を買ったりしていた。 そして、家に来て五ヶ月(バイ… ~異変~


緋音も小学生になり最初の夏休みを迎える頃、ヒロは身体の不調を訴える様になった。

身体が重くだるい…
食欲がわかない…
疲れたと言う事が増えた。

私は鬱病の再発を疑い、かかりつけの病院へ行く事を勧めた。ヒロはすぐに病院へ行き、カウンセリングを受けた。医師は、前回の病歴から鬱病の再発と診断した。



この時の私は、セカンドオピニオン等と言う事は全く考えていなかった…

No.34

>> 33 ヒロは薬を飲み、安静にしていたが本人は「ストレスの自覚はない」と言い、心ではなくどこか身体に不調があるのではないか?と訴えた。
私は「薬を飲み切ったら先生に聞いて見たらどう?」と尋ねると、「ん~、そうするか…」と言った。

No.35

>> 34 受診してから二週間後、先生に身体の不調を訴えたヒロは念のために胃部レントゲン撮影を行った。



結果は…

「ちょっと気になる所があるので、精密検査をして下さい。紹介状を書きますから」と先生に言われた。


そして紹介された病院へ行き、精密検査の予約を取り、数日後…検査を受けたヒロは耳を疑う結果を聞く事になる…









『胃癌』


即入院となった。

2008年8月8日

No.36

>> 35 ~闘病生活~


入院手続きを済ませ、ヒロが検査をしている時に先生から話を聞いた。


「癌の病巣は、胃の上部の噴門部にあります。検査の結果を見ないとなんとも言えませんが、少なくとも胃を全摘出しなければなりません」
更に「場合によっては、手術自体が不可能なケースもあります」

先生は
「御本人へ告知するかどうかは、奥様がお決めになって下さい」と言われた。




確かこんな内容の説明だったと思う。

あの時の私は、簡単な説明さえも記憶出来ない程動揺していた…

No.37

>> 36 手術の説明をする時、

胃癌であること。

胃を全摘出する必要であること。

以上をヒロに告知した。

ヒロは静かに「手術、よろしくお願いします。」とだけ言った…
私はヒロにどんな言葉をかけたら良いか分からず躊躇っていると「大丈夫だ。心配要らないよ」と言って私に笑いかけてくれた。



私は、「緋音の面倒を見なきゃならないから、今日は帰るね。また明日来るね」
そう言うと、病室を後にした。






その晩、私は一人で泣いた…何も考えられなくなるまで。

  • << 40 手術当日… 緋音は手製のお守りとヒロの似顔絵を渡すと、「パパ手術がんばって」と言った。 ヒロは緋音の描いた似顔絵を受け取り、「あーちゃん、本当にありがとう…パパ頑張るからね!」と言って緋音の小さな手を握りしめた…

No.39

>> 38 MINNIEさんレスありがとうございます。

覚えていて下さり、ありがとうございます。『明けない夜意見スレ』の方にレスして下さいね。

No.40

>> 37 手術の説明をする時、 胃癌であること。 胃を全摘出する必要であること。 以上をヒロに告知した。 ヒロは静かに「手術、よろしくお願いし… 手術当日…
緋音は手製のお守りとヒロの似顔絵を渡すと、「パパ手術がんばって」と言った。

ヒロは緋音の描いた似顔絵を受け取り、「あーちゃん、本当にありがとう…パパ頑張るからね!」と言って緋音の小さな手を握りしめた…

No.41

>> 40 手術後、先生から呼び出されて説明を受けた…


それは私にとって、到底受け入れる事の出来ない、厳しく辛い知らせだった…

No.42

>> 41 ~余命宣告~


先生は努めて事務的にヒロの身体の状態を説明してくれた。
「今、開腹しましたが転移が進んでおり、肝臓・すい臓にも癌が確認されました。正直申しまして、全ての病巣を取り除くのは不可能で………体力が………」

私は先生の声が途中から聞こえなくなる程のショックを受けた。



「それでヒロは…」

後に言葉が続かない…
聞かなければならないのに、事実を知らされるのが怖かった…


先生は言った。
「ご主人は持って一ヶ月位かと…」

私はこの時、口から出る言葉を持ち合わせていなかった。

No.43

>> 42 ~辛く悲しい嘘~

私は先生に
「ヒロは勘がいいので、下手な嘘は見抜かれてしまいます。かと言って正直に話すと…」と言うと、先生は「それでは三ヶ月とか、六ヶ月の余命でお話されたらいかがですか?」と言い、先生から説明してもらう事にした。


麻酔から目覚めたヒロに話をする先生の目から何かを感じ取ろうとするヒロは、自分自身である程度は覚悟していたのかも知れない。

ヒロが望んだのは『通院治療』だった。
残り少ない人生を家族と過ごしたいという強い意志が見て取れた。

No.44

>> 43 ~最後の出会い~

ヒロは手術後から、携帯のサイトに自分の心情を書き込んだ。絶望・葛藤・感謝・喜びを書き込む中で、色々な方達に出会い、心の安らぎを戴いた。

…結局は私がいたらないばかりに、ヒロの信頼を壊してしまったのだが…

その時に、ヒロを勇気づけて頂いた皆様には今でも本当に感謝しています。皆様はヒロが出会った最期の方達になりました。



ヒロ 2008年8月30日 永眠

No.45

>> 44 ~虚無の心~

ヒロを失って、半年…私の心は固くなり、その中身はカラカラで…ただひたすら緋音を育てています。




ヒロがいないと、ただの取り柄のないおばさんになっています。


…守るべきものも分からずに、今を生きています。

No.46

>> 45 ~命に換えても~

今、緋音は病院に入院中です。
いつもなら気付かない些細な異変を、携帯サイトでアドバイス下さった『れん』様のお陰で、緋音は生かされています。


ある日突然、緋音が『腕が痛い』と言い出し、見た目なんともなかったので様子を見ていましたが夕方になってもぐずぐず…

れん様が下さったアドバイスで大学病院へ行きました。



…急性骨髄性白血病……

今も病気と闘う日々です。


私の明けない夜はまだまだ続きますが、
ヒロの遺してくれた緋音を命に換えても守って行きます。



END

No.47

>> 46 あとがき



今日はヒロの誕生日。


この日に書き終えて、ヒロへのプレゼントにします。


……ヒロ、ありがとう…

No.48

>> 47 こんにちは😊
旦那さんと娘さんとお姉さんを心から思って書かれたお話ありがとう☺

欠かさず読んでいたんですが、昨日、旦那さんのお誕生日、娘さんの病気…なんと言葉を残していいか分からず書けませんでした。

1日あけ、やっぱり伝えたいと思いました。
素敵な旦那さん、強さを感じます!貴方の生きた証を、そして貴方がいたって事を知れて良かった!

お姉さん、あたなが気丈に振る舞う姿、家族を思う優しさを感じました!

娘さんが、元気になりスクスク育ってくれるよう、私からパワーを贈ります!

No.49

>> 48 レスありがとうございます。

優しくも力強いお言葉…とても嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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