🔥炎の美人刑事〈麻生環〉✨

👠１…序章👠

別になりたくてなった職業でもなかったんです…ただ高校生の時友達が勝手に雑誌のﾓﾃﾞﾙｺﾝﾃｽﾄに応募しちゃって…何か断り切れないままあれよあれよと決勝まで残ってしまって…遂に7000人の中の一番になってしまったという訳です…元来優柔不断な性格のＯ型の私でしたからそのままｽﾞﾙｽﾞﾙとお仕事を続けていた訳ですが…やっぱり小学校からの夢は捨てきれませんでした…３年生の時､ﾃﾚﾋﾞで《太陽にほえろ》に出ていたﾃｷｻｽ刑事に憧れ…はい､私…警察官になりたかったんです！それもｶｯｺｲｲ私服警察官…いわゆる〈刑事〉って職業に大変な憧れを抱いていました…10年前に亡くなった刑事だった父の遺志を継いで私も父のような立派な刑事になりたくて…でも現実は厳しくていざ警察官になっても交通機動課に配属され毎日ﾐﾆﾊﾟﾄで違反車両にﾁｮｰｸ引いてばかり…あ～ぁ…って感じです…でも諦めず頑張って昇進試験受け続けて…遂に！遂にやりました！憧れの刑事になれたんです！…明日からいよいよ神奈川県警臍曲署に配属されます！右も左も分からず不安だらけだけど私､頑張ります！世の中の悪と真っ向から勝負したいと思います！

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>> 1 👠２👠

淡いｸﾞﾚｰのﾀｲﾄなｽｰﾂに身を包み､薄茶色の長い髪をﾎﾟﾆｰﾃｰﾙに束ね､麻生環（あそうたまき）は緊張の面持ちで神奈川県警〈臍曲（へそまがり）署〉の玄関をくぐった…古びた建物の一番奥の階段を登り､暗く長い廊下の一番端に環の勤務する〈機動捜査一班〉の札が掛かっていた…

《ﾌｩ～…落ち着いて～落ち着くのよ環っ！》

環は手を胸に当て自分自身に暗示をかけるように一度深呼吸をしてﾄﾞｱを開けた…

『失礼致します…！』

軽快に扉を開けた環の目の前に信じられない光景が入って来た！

『あっ…下手ｸｿｯ！俺に貸せっ』

『って！…野郎っ！いきなり取るんじゃねぇ！…ｺﾝﾄﾛｰﾗｰ潰れちまうだろがっ！』

『うっせ！！…せっかくﾀｰｷｰ取れるとこだったのによっ！』

環の眼前で数人の男性がﾃﾚﾋﾞｹﾞｰﾑのｺﾝﾄﾛｰﾗｰを奪い合っていた…

（…う…う…Wii…？）

環は一瞬自分の目を疑った…ここは確かに神奈川県警察署臍曲署機動捜査一班の部屋のはずだが…

『あ…あのぅ…すみません…』

『あぁ､こっちこっち！お嬢ちゃん！』

部屋の一番奥の席に座る上司らしき男性が環を手招きした…

（お…お…お嬢ちゃん…て…ﾊﾊﾊ…）

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>> 2 👠３👠

ｹﾞｰﾑに夢中の男性達は環の存在に気が付いていないらしくまだ必死にｺﾝﾄﾛｰﾗｰを奪い合ってﾎﾞｳﾘﾝｸﾞｹﾞｰﾑにいそしんでいる…環は間を縫うように上司らしき男性の机の前に立った…

『あ…あのぅ…今日からこの機動捜査一班に配属されました､麻生環と申します…』

『……履歴書っ！』

『？…は､はいぃ？』

『だ～か～らっ！…履歴書っ！』

男性は環の目を見る事なくさっきから過激な洋物のﾎﾟﾙﾉ雑誌を眺めﾆﾔｹている…

『あの…履歴書ぉ～というのは持っていないのですが…前勤の西横浜署から私に関する書類はもう送付されていると…』

男性は写真に掲載されているﾎﾟﾙﾉ女優の裸と環の身体を交互にｼﾞﾛｼﾞﾛと眺め返しﾌﾑﾌﾑと一人ﾆﾔｹている…

（な､何なの…この人…いきなりｾｸﾊﾗ…！）

『ﾑﾌﾌｩ～…そう…履歴書ないの…で､お嬢ちゃん…何ｶｯﾌﾟ？ﾑﾌﾌｩ…』

『は､はぃ？…どうし､どうしてここでそんな事言わないといけないんですかっ！』

『いやね…このｱﾝｼﾞｪﾗちゃんとどっちが大きいかなってね！…ﾑﾌﾌｩ…』

男性は指で雑誌の女優の胸を差し環に見せた…

（さ､…最…悪っ！何なのこの警察署っ！）

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>> 3 👠４👠

『ﾑﾌﾌｩ…見た目…Ｃの上って所かなぁ…いや､Ｄの下って感じかなぁ…ﾑﾌﾌｩ…』

『あ…あの！…そんな事どうでも…』

男性の執拗なｾｸﾊﾗ言動に環はかなり苛立っていた…

『いや…大きく見えて案外ﾊﾟｯﾄとか入れてるんじゃないかなぁ…ﾑﾌﾌｩ…意外とＢだったりして！』

『あの……！』

『まさか…Ａ…』

『んな訳ないでしょ！じ…Ｇｶｯﾌﾟですっ！！！』

我慢しきれず環は大声で胸のｻｲｽﾞを告白してしまった！その《Ｇ》という声に異様に反応するかのように先程までｹﾞｰﾑに夢中になっていた三人の男性が揃って環の方を振り向いた
『あ………』

部屋が一瞬にして静寂に包まれ男性陣全ての視線が環の胸に注がれていた！環は思わず顔から火が出そうになるくらい恥ずかしかった…

『あ…そなの…はいはい…』

上司らしき男性は我に帰ったかのようにｺﾎﾝと一度咳払いをして改めて椅子に座り直した…同時に三人の男性もまたｿﾞﾛｿﾞﾛと上司の机の周りに集まって来た

『…え～…済まなかった…今日新人刑事が赴任してくるとは聞いてはいたがまさか女性とは…ｱﾊﾊ…だから俺はてっきり新手のﾃﾞﾘﾊﾞﾘｰﾍﾙｽ嬢か何かだと…ｱﾊﾊ…』

（……）

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>> 4 👠５👠

『臍曲署にようこそ…紹介が遅れたな！…私はこの臍曲署機動捜査一班ﾁｰﾌ､倉本学警部補だ…趣味は女体研究､妻とｱﾄﾋﾟｰ性皮膚炎に悩む息子が一人居る…だからくれぐれも俺に惚れんでくれっ！…ｶﾞｯﾊｯﾊ…あ､ん～…そうだな…あだ名は《ﾎﾞｽ》とでも呼んでくれたまえ…！』

机の上で軽くﾈｸﾀｲを締め直すとその上司らしき男性､倉本警部補はﾆﾔｯと笑った…

（にょ…女体研究って…ふ､ふざけてるのかしら…頭は大丈夫…？）

環はまるで倉本を汚い物でも見るかのように眉間に皺を寄せて睨みつけた…

『！…あ､ｱﾝﾀもしかして…《安藤りんか》じゃないのっ？…いや､嘘まじでっ？何でこんな所にいるのっ？ｳｯﾋｮ～､やっぱり本物だよね？ね､？ね､？』

環の横からいきなり奇声を上げて一人素肌に牛皮のﾍﾞｽﾄを着たﾃﾝｶﾞﾛﾝﾊｯﾄの大男が声を掛けて来た！

『……あのぅ…貴方は？…』

倉本は笑いながらその大男を制止した…

『まあまあ…！お前ら､そう焦るなって…ゆっくり紹介していくからっ！』

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>> 5 👮良ければご意見ご感想などお寄せ下さい…あまり不評ならこれで終了させていただきたいと思いますので…（主）

• << 8 凄く面白かったです

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>> 6 とにかく続きが気になる‼
って感じです😂😂😂
上手く感想とか言えないんですけど、タイトルに引かれて読んでみたらハマっちゃいました💦(笑)

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>> 6 👮良ければご意見ご感想などお寄せ下さい…あまり不評ならこれで終了させていただきたいと思いますので…（主） 凄く面白かったです

• << 10 👠６👠 『ではまず､君の隣､目に黒い眼帯をして指に鍵爪のｵﾓﾁｬをつけてﾃﾝｶﾞﾛﾝﾊｯﾄを被った大男が迫田菊次郎巡査部長…通称《ﾆｯｸ》だ…服装が海賊ｶﾌﾞﾚしているが本人曰く､中世にﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞの海を荒らし回っていた海賊ｷｬﾌﾟﾃﾝ･ﾌｯｸの先祖らしい…まあ誰も信じちゃいないがな！嫌いなものは夢を持った子供とﾜﾆだ！』 『あ～､只今ご紹介に預りました《ﾆｯｸ》です！…お嬢ちゃん､乳ﾃﾞｶｲねぇ～！』 （……ﾋﾟｰ…ﾋﾟｰﾀｰﾊﾟﾝﾏﾆｱ？嫌だ！…目が…目がｽﾜｯてる…） 自称ﾆｯｸという男は環の手を取りﾆﾔｯと笑った… 『宜しくね､ﾃﾞｶﾊﾟｲちゃん！…で､ﾎﾝﾄにＧなの？』 『ｺﾗｯ！個人的な事は後から聞け！次…その横の一年中黒いﾛﾝｸﾞｺｰﾄを着た顔に無数の傷のあるﾁｮｯﾋﾟﾘ恥ずかしがり屋さんが黒岩作治巡査…通称《ｸﾛちゃん》だ…元医学部中退で昔は医師を志していたが何故か今は此処にいる…俺も以前に急性虫垂炎になりｺｲﾂにこの部屋で緊急ｵﾍﾟしてもらった事あるんだ…ｶﾞﾊﾊ！』 （い､いや…ｶﾞﾊﾊって無免許じゃん！…勝手にそんなっ…もしかしてﾌﾞﾗｯｸｼﾞｬｯｸﾏﾆｱ！？）

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>> 8 メッセージ有り難うございます‼ファンがいて下さる限り続けていきたいと思います

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>> 8 凄く面白かったです 👠６👠

『ではまず､君の隣､目に黒い眼帯をして指に鍵爪のｵﾓﾁｬをつけてﾃﾝｶﾞﾛﾝﾊｯﾄを被った大男が迫田菊次郎巡査部長…通称《ﾆｯｸ》だ…服装が海賊ｶﾌﾞﾚしているが本人曰く､中世にﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞの海を荒らし回っていた海賊ｷｬﾌﾟﾃﾝ･ﾌｯｸの先祖らしい…まあ誰も信じちゃいないがな！嫌いなものは夢を持った子供とﾜﾆだ！』

『あ～､只今ご紹介に預りました《ﾆｯｸ》です！…お嬢ちゃん､乳ﾃﾞｶｲねぇ～！』

（……ﾋﾟｰ…ﾋﾟｰﾀｰﾊﾟﾝﾏﾆｱ？嫌だ！…目が…目がｽﾜｯてる…）

自称ﾆｯｸという男は環の手を取りﾆﾔｯと笑った…

『宜しくね､ﾃﾞｶﾊﾟｲちゃん！…で､ﾎﾝﾄにＧなの？』

『ｺﾗｯ！個人的な事は後から聞け！次…その横の一年中黒いﾛﾝｸﾞｺｰﾄを着た顔に無数の傷のあるﾁｮｯﾋﾟﾘ恥ずかしがり屋さんが黒岩作治巡査…通称《ｸﾛちゃん》だ…元医学部中退で昔は医師を志していたが何故か今は此処にいる…俺も以前に急性虫垂炎になりｺｲﾂにこの部屋で緊急ｵﾍﾟしてもらった事あるんだ…ｶﾞﾊﾊ！』

（い､いや…ｶﾞﾊﾊって無免許じゃん！…勝手にそんなっ…もしかしてﾌﾞﾗｯｸｼﾞｬｯｸﾏﾆｱ！？）

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>> 10 👠７👠

（…何なの､ここは…欽ちゃんの仮装大賞の予選か何か？…この人達まるで刑事らしくない格好で…ｱｧ…私…頭痛がしてきたわ…！）

環はﾆｺﾆｺ笑う倉本の楽しそうな笑顔を冷たく見返した…

バキュゥゥゥ～ン！！
と､突然部屋中に激しい銃声が一発響き渡り､全員驚いて床に伏せた！

『ｦｶﾞｯ！…ｳｵｯ何だっ何だっ！…先週一掃した南橋本町の暴力団の報復かっ！？』

『Oh！…ｿｳﾘｰ！…俺ﾉ自慢ﾉ銃ｶﾞ暴発ｼﾁﾏｯﾀ！…悪ｲ悪ｲ…』

『ｸｫｯﾗｧ！ｼﾞｮﾝ！こんな所で銃の手入れするんじゃないっ！殺す気かっ！』

窓際に座っていた三人目の男性は裸足で汚れた白のﾗﾝﾆﾝｸﾞｼｬﾂにﾎﾞﾃﾎﾞﾃのｽﾞﾎﾞﾝを履いた青い目の外国人だった…

『ったく…あ､お嬢ちゃん…今銃を暴発させたこのｲｶﾚたｱﾒﾘｶ人は《ｼﾞｮﾝ･ﾏｸﾗｰﾚﾝ巡査》ﾆｭｰﾖｰｸ市警からの交換留学ﾃﾞｶだっ！』

（こ､交換留学刑事…って…そんなのあるんだ…）

『ﾄﾞｳｿﾞ宜ｼｸ！…今ﾊｺﾉ日本ﾉ【対ﾃﾛﾘｽﾄ特別捜査員】ﾄｼﾃ頑張ｯﾃﾙｾﾞ！気軽ﾆ《ｼﾞｮﾝ》ﾄ呼ﾝﾃﾞｸﾚ！ﾃﾞｶﾊﾟｲｶﾞｰﾙ！』

（…帰りたい…何だかもの凄く帰りたいよぉ…！）

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>> 11 👠８👠

（何なの一体この部署は…年中盛りのついた発情期満々の♂犬みたいなﾎﾞｽに眼帯を付けた海賊ｶﾌﾞﾚのﾏｯﾁｮﾏﾝに医学部中退の無免許医ﾓﾄﾞｷのﾈｸﾗ君に脳味噌の中まで反ﾃﾛﾘｽﾞﾑの塊のﾀﾞｲﾊｰﾄﾞ爆発男…ここにはまともな刑事一人もいないのかしら…！）

環は頭を抱えて今までについた事もないくらいの深いため息をついた…

『ところで…麻生環君…と言ったね…』

ﾎﾞｽの倉本が眼鏡越しに環を見上げた…

『え～資料によると…警察官になる前はぁ～､あぁ～ﾌｧｯｼｮﾝﾓﾃﾞﾙをしていたそうだね！…』

『あ…は､はい…それが何か？』

『そんな華やかな仕事をしていた君みたいなＧｶｯﾌﾟの女性がどうして刑事なんかに？…Ｇｶｯﾌﾟなのに…』

『……いや､その…今Ｇｶｯﾌﾟかどうかは何ら関係ないと思うんですがっ！！…てゆうか４人であんまり胸ばかり見ないで下さいますっ？！』

倉本はこれは失礼とばかり頭を掻いた…

『では本題に入ろうか！』

倉本ら刑事課の面々は一斉にﾎﾞｽの机を取り囲んだ…

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>> 12 👠９👠

『先日起きた《連続仏壇職人殺人事件》の進行具合はどんなもんだ？…ﾆｯｸ！』

倉本の顔が一瞬にしてｴﾛ親父から刑事の顔になる瞬間だった…

（す､凄いっ！…何だかんだ冗談言っててもこと事件になるとﾎﾞｽ､鋭いまるで餓狼の眼のようになったわ！……て､言うか…仏壇職人？）

倉本は環の困惑した顔に気が付いたらしく､すぐさま環に話かけた…

『あ､麻生…あそ､あっ…ﾁｯ！…何か呼びにくくて調子狂うなっ！…ｳﾁの部署は皆ﾆｯｸﾈｰﾑで呼ぶ事になってる…何かないか？…ていうか君は何て呼ばれたい？』

『い､いや…ﾎﾞｽ…私のﾆｯｸﾈｰﾑなんてどうでも…其よりも仏壇職人殺人事件の内容を聞かせてほ…』

『！！…ｸｫｯﾗｧ！其よりﾀﾞｧﾄｫ！ﾅﾒﾝなよっ！ｳﾁの部署は固い絆とﾁｰﾑﾜｰｸが生命線のﾌｧﾐﾘｰだっ！仲間ｳﾁでより良い関係を築くにはまずﾆｯｸﾈｰﾑからだろっ！ﾎﾞｹﾅｽｯ！』

倉本は血相を変えて環に噛みついた！

（…ﾎﾞ､ﾎﾞｹﾅｽって…ﾆｯｸﾈｰﾑごときで何もそ､そこまでお､怒らなくたって…やっぱり変…この部署…）

環は血圧がMAXまで上がりそうになった…

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>> 13 👠10👠

『確かに…この新人ﾃﾞｶさんのﾆｯｸﾈｰﾑは必要だ！俺はそうだな…《乳魔神》！どうだ！？…ｾﾝｽあるだろ！』

ﾆｯｸが微笑んだ…

（あ…あのねぇ…！）

『いや､ここはお洒落なﾊﾘｳｯﾄﾞｻｽﾍﾟﾝｽ大作風に《今そこにある乳》てのはどうだ！』

ｸﾛちゃんが割って入る…

『それ《危機》と《乳》かけてるだけだろっ！』

倉本のげすな突っ込みに一同ﾄﾞｯと笑いが起きた…

『あ…そんな事どうだって…今私は早く仕事を…！』

『ｳﾑ…私ｶﾞ考ｴﾀﾉﾊ､ｱｸｼｮﾝ超大作《ﾀﾞｲﾊｰﾄﾞ》ｦ文字ｯﾃ《ﾊﾟｲﾊｰﾄﾞ》ｯﾃﾉﾊ如何ﾃﾞｽｶ？ｲﾋﾟｶｲｴ～』

ｼﾞｮﾝが真顔で提案する…

『ﾝﾓｯ！いい加減に胸から離れて下さいっ！皆さん真剣に仕事する気があるんですかっ！』


『まあまあ！冗談冗談っ…怒った顔も可愛いね～…そうだ､君は我が部署の女神って意味で《ﾋﾞｰﾅｽ》ってのはどうだ？』

倉本の提案はｵｫ～ｯと各人から尊敬の眼差しが注がれた…

『ﾋﾞｰ…ﾅｽ…ですか…はいはい…何でも構いませんからっ！早く仏壇職人殺人事件の詳細をっ！』

『では麻生環巡査！…君は今日からﾋﾞｰﾅｽだ！』

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>> 14 👠11👠

『いいかﾋﾞｰﾅｽ！とにかく今は先輩刑事の後をしっかり追いこの刑事という仕事に慣れる事が先決だ！…先に断っておくがこの仕事は《甘え》なんてぇのは一切存在しない！男も女も関係ないからそのつもりで覚悟しておけっ！短いｽｶｰﾄ履きお色気使って駐車違反取り締まる交通課ﾐﾆﾊﾟﾄ婦警とは訳が違うぞ！分かったな！』

（…てゆうかｺｽﾌﾟﾚDVDの見すぎじゃないのっ！…今時そんな格好で仕事しないわよ誰も…）

ﾎﾞｽの欲情まみれの歪んだ偏見に環は頭を抱えた…

『おいﾆｯｸ！ﾋﾞｰﾅｽに刑事のいろはを叩き込んでやれっ！ﾋﾞｰﾅｽ！今からお前はこのﾆｯｸについて仕事を憶えるんだっ！詳しい事は全部このﾆｯｸ巡査部長に聞け！いいな！しっかり調教…あ､いや､教育してもらえっ！』

倉本は煙草を消すと黒板に先日までに殺害された二人の仏壇職人の写真を張り付けた…

『ｶﾞｲｼｬは山田吉四六50歳と佐藤彦一54歳…共に横浜東区仏壇組合の会員だ…この二人の共通点は無類のｺｽﾌﾟﾚﾊﾟﾌﾞ好きだという事…証拠はないがどうやらﾎｼはこいつらがあしげく通うｺｽﾌﾟﾚﾊﾟﾌﾞのｵｰﾅｰらしい…』

環は倉本の視線を感じた…

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>> 15 👠12👠

『そこでだ！…誰かにこのｺｽﾌﾟﾚﾊﾟﾌﾞに極秘に潜入し､ﾎｼの証拠を掴んで欲しいのだ！』

『しかしﾎﾞｽ…俺達三人は既に面が割れています…潜入捜査は無理ではないかと…』

『何故面が割れてるんだ？』

倉本の顔つきが豹変した…

『実は我々もこのﾊﾟﾌﾞの常連客でして…昨日もﾅｰｽの葵ちゃんと…その…ﾊﾟﾌﾊﾟﾌと…ｲﾋﾋﾋ！すみません…』

（……あぁ…頭痛い連中…助けてぇ…）

『そうか…それなら仕方ない…次に行く時は俺も誘えよっ！』

（…あぁ…ｱﾎだらけの刑事課…染りたくない…）

『かくなる上はﾋﾞｰﾅｽ！お前がｺｽﾌﾟﾚﾊﾟﾌﾞ店員になりすまし潜入捜査するしかないっ！』

『な､何でいきなりそうなるんですかっ！』

倉本は引き出しから何処で仕入れたのか分からない女性用の様々な制服を取り出した…

『こんな事もあろうかと密かに用意しておいたんだ！さあ！どれにする？』

『！…って！私そんなの着ませんからぁっ！！』

• << 18 👠13👠 『定番なら純白ﾅｰｽ､黒ﾀｲﾂ女医､眼鏡教師の白いﾌﾞﾗｳｽ…ちょっとﾏﾆｱに攻めたいならｲｹｲｹRQ､しっとり晴れ着､妖艷な喪服なんてのもありだぞっ！ﾋﾞｰﾅｽ！』 『ちょっとﾎﾞｽｯ！どういうつもりですっ！私絶対､ぜぇ～ったい嫌ですからっ！てか､こんな制服何処から仕入れてきたんですかっ！』 『以前ｺｽﾌﾟﾚ売春斡旋業者を一斉に摘発した時に押収したﾎﾞｽの宝物だっ！』 横にいたﾆｯｸは看護師の白衣をｸﾝｸﾝしながら答えた… 『！って！押収物はきちんとしかるべき保管場所に持っていって下さいよっ！何当たり前のように個人の所有物化してるんですか､ったく！』 『…この調書によりますとここのｵｰﾅｰはかなりのたらし男らしいです…何でも面接に来た可愛い娘を片っ端からｺﾞｯﾁﾝしてるという専らの噂です…』 黒ちゃんがｶﾞ○ﾀﾞﾑのﾐ○ｲ･ﾔｼﾏの水着ﾌｨｷﾞｭｱを眺めながら口を添えた… （もうｲﾔｯ！一体何なのこの職場っ！司法の風上にも置けない連中だわっ！ｲﾔｯ！ｲﾔｯ！ｲﾔｧｯ！辞めてやるっ！） 環の想像していた眩しい華やかな刑事の世界は儚い泡と消えそうだった…

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>> 16 💄臍曲署機動捜査一班💄ｺﾗﾑ🇯�

倉『んっ？…何やら面白い小説が始まってるじゃねぇか！…主役はこの俺､倉本学ってかぁ！』

環『ちょっと！ちょっとちょっと！違いますよﾎﾞｽ！わ～た～し！全国の男性ﾌｧﾝを魅了する超ｲｹてる美人刑事､麻生環が主役です！』

ニ『！…Ｇｶｯﾌﾟでﾆｭｰﾊｰﾌの刑事が活躍する話か？』

環『だ､誰がﾆｭｰﾊｰﾌですかっ！』

黒『下品です…みんな巨乳とかﾊﾐ乳とか…まるで松○明子の笑い声くらい下品ですっ！』

環『ってゆっか､胸…ﾊﾐでてませんからっ…！』

ジ『…Oh！ｼﾞｰｻﾞｽ！…私ﾉ国ﾃﾞﾊ《巨乳･ﾊﾐ乳》ﾊ最早立派ﾅ文化ﾃﾞｽｯ！ｱｯ！ﾃﾛﾘｽﾄめっけ！ﾊｧ～ﾝｽｯ！ﾃﾒｪ！』

環『何だか解りませんがこんな変な面々が絡む超最悪なﾎﾟﾘｽｺﾒﾃﾞｨ！皆様のご意見お待ちしてま～す！ｯって誰っ？今､天然って言ったの！許さないんだからっ！(笑)』🚬…

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>> 16 👠12👠 『そこでだ！…誰かにこのｺｽﾌﾟﾚﾊﾟﾌﾞに極秘に潜入し､ﾎｼの証拠を掴んで欲しいのだ！』 『しかしﾎﾞｽ…俺達三人は既に面が… 👠13👠

『定番なら純白ﾅｰｽ､黒ﾀｲﾂ女医､眼鏡教師の白いﾌﾞﾗｳｽ…ちょっとﾏﾆｱに攻めたいならｲｹｲｹRQ､しっとり晴れ着､妖艷な喪服なんてのもありだぞっ！ﾋﾞｰﾅｽ！』

『ちょっとﾎﾞｽｯ！どういうつもりですっ！私絶対､ぜぇ～ったい嫌ですからっ！てか､こんな制服何処から仕入れてきたんですかっ！』

『以前ｺｽﾌﾟﾚ売春斡旋業者を一斉に摘発した時に押収したﾎﾞｽの宝物だっ！』

横にいたﾆｯｸは看護師の白衣をｸﾝｸﾝしながら答えた…

『！って！押収物はきちんとしかるべき保管場所に持っていって下さいよっ！何当たり前のように個人の所有物化してるんですか､ったく！』

『…この調書によりますとここのｵｰﾅｰはかなりのたらし男らしいです…何でも面接に来た可愛い娘を片っ端からｺﾞｯﾁﾝしてるという専らの噂です…』

黒ちゃんがｶﾞ○ﾀﾞﾑのﾐ○ｲ･ﾔｼﾏの水着ﾌｨｷﾞｭｱを眺めながら口を添えた…

（もうｲﾔｯ！一体何なのこの職場っ！司法の風上にも置けない連中だわっ！ｲﾔｯ！ｲﾔｯ！ｲﾔｧｯ！辞めてやるっ！）

環の想像していた眩しい華やかな刑事の世界は儚い泡と消えそうだった…

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>> 18 👠14👠

『ここで着替えるのが恥ずかしいのならそこの男性更衣室で…』

『…って！そういう問題じゃなくてっ！私はまだ右も左も分からない今日配属されたばかりの新人刑事ですよっ！なのにそ…』

『ﾊﾞｯｷｬﾛｫ！！…舐めてんじゃねぇぞっ！お前何様だと思ってやがるっ！警察の道に足踏み入れた日からお前は刑事だっ！刑事なんだぞっ！いいかﾋﾞｰﾅｽ､刑事ってぇのはなっ､ﾁｬﾗﾁｬﾗした奴がなれるようなそんな甘ったるい職業じゃねぇんだよっ！犯罪を憎み､人々が平和に安全に暮らせるように俺達刑事はなっ､喜んで困難に立ち向かい､時には己を犠牲にしてでも犯人逮捕に向けて頑張らなきゃなんねぇんだっ！貴様俺達の仕事を舐めんなよっ！』

機関銃のように倉本は環を怒鳴りつけた！その顔つきは本物の熱き刑事魂そのものだった！

（…そうか…そうよね…ﾎﾞｽの言う通りよね…新人やﾍﾞﾃﾗﾝ関係ない…刑事になったからには皆同じ…自己を犠牲にしてまでも正義を貫く熱い人間でいなければならないのよね…！）

『ﾎﾞｽ､私間違ってました！…この潜入捜査…やります！』

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続き待ってまーす😊✨

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>> 20 🔫匿名20さん､応援ありがとう！麻生環だよ！…ほんっとこの部署の刑事達はみんな変な連中ばっかで困っちゃいます…けど私もなりたかった仕事だし､女だからって甘えたくないし…だから頑張るね！匿名20さんも応援宜しくね！皆様からも応援メッセージ宜しくお願いします！麻生環が直接答えちゃいます！以上､麻生環でした！ﾊﾞｲﾋﾞ～♀

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>> 21 👠15👠

『《尾張はじめ》56歳…10年前からこの緑商店街地区でｺｽﾌﾟﾚﾊﾟﾌﾞ【ｴﾛｲｶ】を開業…当時はまだｺｽﾌﾟﾚﾊﾟﾌﾞというｼﾞｬﾝﾙはあまり受け入れられなかったようだがこの4･5年でどんどん業績を挙げ､今や知る人ぞ知る西関東一の制服専門ﾊﾟﾌﾞにまでのしあがったようだ…』

ﾆｯｸは眩しそうにﾃﾝｶﾞﾛﾝﾊｯﾄを被り直すと､すぐ横を歩く環に視線を送った…

『とにかく私はｱﾙﾊﾞｲﾄ募集の貼り紙を見て来た純情少女の役をすればいいんですね！…でももし向こうが私を雇わなかったらどうすれば…』

『…ﾌｯ！…それなら大丈夫さ！あそこのｵｰﾅｰの尾張は無類の巨乳好きだ！…顔はまあそこそこでもとにかく爆乳､巨乳ちゃんであれば取り敢えず食い付いてくるはずだ！』

『…乳､乳って…ﾎﾝｯﾄ男性ってそこしか目にいかないのかしら…最低っ！』

膨れ面でため息をつく環にﾆｯｸは尾張の性格や女性の好みなどの情報を詳しく環に伝えた…

『さぁ､あのﾋﾞﾙの5階だ！俺はここで待機している…うまくいったら連絡をくれ！』

『はい､わかりました！…とにかくやってみます！』

環は見送るﾆｯｸを尻目にゆっくりと階段を登っていった…

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>> 22 👠16👠

薄暗い雑居ﾋﾞﾙの5階に辿りつくとそこには【ｴﾛｲｶ】と書かれた安っぽい看板だけが存在した…玄関ﾄﾞｱには○禁とだけ書かれてあり《貴方の思いのままのｼﾁｭｴｰｼｮﾝで》と小さな紙が貼られている…

（頑張れ環っ！…深呼吸して…そう…緊張しないで…ゆっくりと焦らずに…）

環は一度胸に手を当てよし！と唾を飲み込んで玄関ﾄﾞｱを開いた！

『す…すみま…せん…』

中は意外に広く色彩りどりの魚のﾐﾗｰﾎﾞｰﾙがゆらゆらと動き､何やら幻想的な空間でもある…

（す…すごい…個室になってるんだ…初めて見た…）

環が感心しながら辺りを見回していると奥からﾎﾞｰｲのような男が現れた…

『何かご用？』

足をｸﾈｸﾈと絡ませ小指を立てながら顔中化粧だらけで話すﾎﾞｰｲは環にはすぐに《ｶﾏ》だという事が分かった…

『あ､あのぅ…私こ､ここで…働きたいのですが…』

ｶﾏらしきﾎﾞｰｲは何も言わずただじっと環の全身を舐め回すかのように見つめ続けた…

（な､何なのよっ！気持ち悪いっ！）

両手で胸の辺りを隠しながら環はとにかく恥ずかしくなりうつ向いた…

『……ｳ～ﾝ…そうだわね～…まあまあだけど…一応ｵｰﾅｰに見てもらおうかしら！』

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>> 23 👠17👠

（このｶﾏ男が尾張でないとすると…やはり黒幕がいるのね！）

環はｼﾅｼﾅと歩くﾎﾞｰｲの後を気持ち悪がりながら歩くと突き当たりの扉に差し掛かった…

『さあﾐｽ！…ﾝﾌｩ～…ｵｰﾅｰがお待ちﾖﾝ！』

吐きそうになる投げｷｯｽを受けた環はﾎﾞｰｲの勧めるままにゆっくりとその扉を開いた！

『…！…何だ…誰だっ！おいっ､おいっ！』

『！…あ…そ､す､すいません…あのぅ…ｱﾙﾊﾞｲﾄ募集で来ました…そ…その…あの…』

『ﾋﾞ…ﾋﾞｨｨｨｨｨｨｨｨｨ～ﾝｺﾞｯ！！何､何､どうしたのさっ！君…ｽﾝﾊﾞらしい素材逸材ﾏﾃｨﾘｱﾙｶﾞｰﾙじゃないかっ！合格っ！てゆっか合格ｧｧｧｧ～ｸｯ！』

尾張らしきその髭ﾓｼﾞｬの丸刈り男は環を見るや否や歓喜の雄叫びを上げた…

（な…な､何なのっ…やだ…）

尾張は環の体を隅々まで見回すとｳﾝｳﾝと頷いて契約書にｻｲﾝをしなさいと言って来た…

『はい､こことここっ！…ﾊﾝｺないならﾎﾞｲﾝでも構わないよ！ﾎﾞｲ～ﾝとね！ｲｼｼｼ…』

（…最低…やっぱりこんな仕事…刑事のする仕事じゃないわ…男女雇用機会均等法の見直しを求めるわ…）

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>> 24 👠18👠

『あ…貴方が尾張さん…ですか？』

『んな事どうだっていいから！…で､で､いつから出られるﾜｹ？…明日？明後日？…何なら今からだっていいのよ！』

（…って…こいつもｶﾏ言葉になってきてる…）

『見ての通りｳﾁの店は色んな制服着て貰って男性常連客を接待して頂くﾊﾟﾌﾞなの…ｳﾌｯ…貴方みたいなｽﾀｲﾙ抜群の美人ならすぐにｳﾁのNo.1になれるわよ！』

（人の話まるで聞いてない…）

『あのぅ…どんな男性客が来るのですか？…私その…こういうの初めてで…』

『ﾝﾌｩ～！誰だって初めはそうやってｶﾏﾄﾄぶっちゃうも～の！だけど暫く働けばもうｺｽﾌﾟﾚのﾄ､ﾘ､ｺ！…ﾑﾌｩ～任せなさい！悪いようにはしないからぁ～ん！』

尾張は環の手を握ると手の甲にｷｽをした…

（ｳﾜｯ…し､…し､仕事じゃなきゃ…この変態親父､ｺ～ﾛ～ｽ…！）

『そうね～…よし！決まり！貴方には《ﾐﾆｽｶﾎﾟﾘｽ》を着て貰うﾜ～ﾝ』

（…って！それって…素にﾘｱﾙじゃん…！）

『じゃ明日からお願いね～！きっと出勤したら長蛇の列が出来ちゃってるからっ！ｳﾋｮﾋｮ…』

（とにかくここを我慢してこの男の尻尾を掴まなくちゃ！）

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>> 25 👠19👠

『…という訳で尾張接触に成功しました…明日から潜入捜査開始しますっ！』

『ご苦労だった…ﾋﾞｰﾅｽ…』

署に戻った環は倉本に成り行きを説明した…

『そうか…特に変わった所は無かったか…ﾋﾞｰﾅｽ､要は尾張と仏壇職人との間に何等かのﾄﾗﾌﾞﾙがあったのかどうかを確かめる必要があるな…』

『はい…そうですね…』

『しかしﾋﾞｰﾅｽのﾐﾆｽｶﾎﾟﾘｽ姿かぁ…一度拝みたい気もせんでもない！いいだろなぁ…このﾎﾞﾃﾞｨにﾋﾟｯﾀﾘなﾚｻﾞｰが…！』

『ち､ちょっとﾎﾞｽｯ！…私を見て想像を膨らまさないで下さいっ！それって立派なｾｸﾊﾗですよっ！』

『…最近の娘はちょっとｹﾂに手が触れただけでｾｸﾊﾗｾｸﾊﾗと…ったく！いい加減にｱﾎの一つ覚えは止めてくれっ！腹が立つっ！』

（いやいや…現職の警部補の言う言葉じゃないって…！あぁ…何か明日から不安になって来たわ…）

環ははしゃぐ署の男達を尻目に深いため息をついた…

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>> 26 👠20👠

潜入捜査初日…環は尾張に言われた通り座ると殆どﾊﾟﾝﾃｨの見えそうな赤いﾚｻﾞｰのﾐﾆｽｶﾎﾎﾟﾘｽの服を着てﾗｳﾝｼﾞに腰掛けていた…

『！…ん～ﾌﾞﾗﾎﾞ～！ｷｬｲﾝｷｬｲﾝｯ！やっぱり貴方よく似合うじゃないのぉ～ん～最ｯ高ｯ！』

拍手をしながら現れたｵｰﾅｰの尾張は環のすぐ横に吸い付くように腰掛けた…

（ち…ちょっと！…近寄り過ぎだって！）

『想像以上の素敵なﾎﾞﾃﾞｨじゃない！…ﾝﾌｩ～実は店に貴方の写真載せたら予約のお客がﾜﾝｻｶﾜﾝｻｶ！…ﾝﾓ～貴方は福の神よっ！』

話をしながら尾張の右手は環の太ももをゆっくりと撫で出した！

『！…ち､ちょっと…お､ｵｰﾅｰ…や､止めて下さいっ！』

（…思った通り､強欲色親父だわっ！ってゆっか…これ…し､仕事じゃなきゃ…ﾌﾞｯｺﾛｽ！）

『ﾝﾓ！ｳﾌﾞなんだからっ！そんな所もきっとﾊﾞｰｺｰﾄﾞ親父達の欲望をくすぐるわよ！じゃ､頑張って稼いでね！』

尾張は席を立つと奥の部屋へ消えていった…

（ﾌｩ…いけないいけない…ここはｷﾞﾘｷﾞﾘまで我慢しなきゃ…何とかして尾張の尻尾を掴まないとね…）

環は短いｽｶｰﾄの裾を直すと一度深呼吸をした…

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>> 27 👠21👠

店は夕方から次々とお客が来店し､かなりの賑わいをみせている…

『お､おいﾏｰ君…この椅子に座ってる行列は何の列？』

常連客の川上がｶﾏﾎﾞｰｲのﾏｰ君に尋ねた…

『ｱ～ﾝ…これねっ､今日から入った新人さん待ちの行列ﾖｯ…凄い人気であの子だけ時間制にしてもらってるのﾖｯ！現役巨乳ﾌｧｯｼｮﾝﾓﾃﾞﾙの麗美ちゃん！川上様もどうかしら？…はっきり言って昨日までｳﾁのNo.1だった《春日野》ちゃんなんて目じゃないんだからっ！凄いわよっ！吸い付きたくなるくらいの絶品ﾎﾞﾃﾞｨなんだから！』

ﾎﾞｰｲのﾏｰ君は言葉巧みに常連客の川上を誘った…

『そうか…じゃあちょいとお味見しようかなっ…なんちゃって…けどﾜｼこんな行列に並ぶ時間なんてないからなっ！何せ待つのが三度の飯より大嫌いときてるっ！』

『ｳﾌ…はい､心得ておりますわ…川上様を次にお入れさせて頂きます！』

『ﾌﾌﾌ…いつも悪いな…ﾏｰ君…』

川上はそういうとﾏｰ君にﾁｯﾌﾟを渡し､いつもの指定席に腰を下ろした…

『麗美ちゃ～ん！ご指名ﾖｫ～！こっちこっち！』

ﾏｰ君は環の手を取ると急ぎ足で環を川上のいる席に座らせた…

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>> 28 👠22👠

（何なの…このｳｼﾞｬｳｼﾞｬ湧いて出てくるお客さんはっ…！）

潜入捜査でじっくりと尾張の行動を観察出来ると思っていた環の思いとは裏腹に予想以上の《ﾐﾆｽｶ麗美》の人気は高く､当の環は席を立てない状態に陥っていた…

『あ､ｱﾊｯ…麗美ちゃん…てゆうんだ…ぼ､僕はね､この界隈で形成外科ｸﾘﾆｯｸを経営している望月ってゆうんだ！ﾓｯﾁｰって呼んでねっ！』

『ｱﾊｯ…は､ﾊｱ～ｲ､ﾓｯﾁｰ！』

（うわぁ､駄目っ…気持ち悪い…典型的なｴﾛ河童顔…）

『ﾝﾓ～！こっちも構ってよ～！僕はIT関係の仕事してる岡村ですっ､ね､ね､麗美ちゃん何ｶｯﾌﾟ？』

『あ…ﾊﾊ…じ､Ｇの上です…ｱﾊｯ』

（目線を胸から離せ､胸からっ！…あ～ぁ…これじゃ捜査なんて出来ないよっ！）

『麗美ちゃん！ほら､早く！常連様の川上様がお待ちよっ！』

ﾏｰ君が環の手を引き川上の横に座らせた…

『…ﾌﾝ…ﾋﾞｰﾙ！』

『…は､はい？』

『はい？じゃないだろ！ﾋﾞｰﾙを注がんかっ！気が効かないﾔﾂだなっ！』

川上は環が座るや否や怒鳴り声を挙げ環を叱りつけた！

（な､何なのよっ！…この横柄な態度はっ！）

• << 31 👠23👠 （そう…環…落ち着いてっ…ここでｷﾚたら潜入捜査が全部水の泡になっちゃうわ！…冷静に､冷静に…我慢して…） 環は心の中で川上の横柄な態度に腹を立てながらも顔だけは笑顔を振り撒いていた… 『…で､お前､ｽﾘｰｻｲｽﾞを言ってみろっ！』 『は…はぃっ？』 川上の手がｽﾙｽﾙと環の胸元に迫って来た… （ち､ちょっと止めてよ！ここはお触りﾊﾟﾌﾞじゃないっつぅのっ！…） 『い､ｲﾔ～ﾀﾞｧ～社長さんったら！ｲﾔらしいんだからっ！』 川上のｲﾔらしい手をうまくかわすと環は川上にお酒を注いだ… 『言っておくがな､ﾜｼはこの辺りを仕切る市会議員なんだぞ！この店だってこのﾜｼがいるから持っているようなもんなんだからなっ！』 川上は環の太ももをｽﾘｽﾘと撫でながらｲﾔらしく笑った… （市会議員？…尾張と何等かの繋がりがありそうね…今回の事件にも関与しているかも…よしっ！） 環は思い直したように今度は川上の腕に寄りかかると 『麗美はぁ…上からぁ…80､80､80…ってそれ《ﾄﾞﾗえもん》じゃないですかっ！って…ｷｬﾊﾊﾊ！』 （とにかく川上…こいつは要注意人物ね！） 『……なかなかﾕｰﾓｱｾﾝｽもあるじゃないか！』

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>> 29 💄臍曲署機動捜査一班ｺﾗﾑ💄

皆さんこんにちは！麻生環ですっ！…ほんと世の中の男性って変な人ばっかりで困っちゃいますよねっ！けど新人刑事麻生環､めげずに頑張りますっ！皆さんも応援宜しくお願いしますね！💄

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>> 29 👠22👠 （何なの…このｳｼﾞｬｳｼﾞｬ湧いて出てくるお客さんはっ…！） 潜入捜査でじっくりと尾張の行動を観察出来ると思っていた環の思い… 👠23👠

（そう…環…落ち着いてっ…ここでｷﾚたら潜入捜査が全部水の泡になっちゃうわ！…冷静に､冷静に…我慢して…）

環は心の中で川上の横柄な態度に腹を立てながらも顔だけは笑顔を振り撒いていた…

『…で､お前､ｽﾘｰｻｲｽﾞを言ってみろっ！』

『は…はぃっ？』

川上の手がｽﾙｽﾙと環の胸元に迫って来た…

（ち､ちょっと止めてよ！ここはお触りﾊﾟﾌﾞじゃないっつぅのっ！…）

『い､ｲﾔ～ﾀﾞｧ～社長さんったら！ｲﾔらしいんだからっ！』

川上のｲﾔらしい手をうまくかわすと環は川上にお酒を注いだ…

『言っておくがな､ﾜｼはこの辺りを仕切る市会議員なんだぞ！この店だってこのﾜｼがいるから持っているようなもんなんだからなっ！』

川上は環の太ももをｽﾘｽﾘと撫でながらｲﾔらしく笑った…

（市会議員？…尾張と何等かの繋がりがありそうね…今回の事件にも関与しているかも…よしっ！）

環は思い直したように今度は川上の腕に寄りかかると

『麗美はぁ…上からぁ…80､80､80…ってそれ《ﾄﾞﾗえもん》じゃないですかっ！って…ｷｬﾊﾊﾊ！』

（とにかく川上…こいつは要注意人物ね！）

『……なかなかﾕｰﾓｱｾﾝｽもあるじゃないか！』

• << 33 👠24👠 『ﾎﾞｽ…ﾋﾞｰﾅｽのﾔﾂ大丈夫でしょうかね…』 機動捜査一班のﾃﾞｶ部屋でﾆｯｸがﾊﾅｸｿをほじる倉本に話しかけた… 『…ﾝﾅｧ､ｱｲﾂなら心配ない…きっとうまくやれるだろう…何てったってＧｶｯﾌﾟなんだからな…』 『しかし俺達こんな所で油売っていてよろしいんですか！新人のﾃﾞｶが頑張ってるというのに…』 『Oh！同感ﾃﾞｽｯ…我々ﾆ出来ﾙｺﾄﾊ無ｲﾉﾃﾞｽｶｯ！』 黒ちゃんとｼﾞｮﾝが倉本に詰め寄る… 『だいたいお前らがあそこの常連客だったって事がそもそもこうなった元凶だろっ！今はﾋﾞｰﾅｽに託すしかない！な､ﾆｯｸ…』 『ﾁｸｼｮｳ！俺が一人前の海賊だったらﾋﾞｰﾅｽをこんな危険な目に遭わせることは…』 『ﾆｯｸ…意味分かんないぞっ！てゆーかどう頑張ってもお前はｵｰﾗﾝﾄﾞ･ﾌﾞ○ｰﾑやｼﾞｮ○ｰ･ﾃﾞｯﾌﾟにはなれないんだよっ！』 『Oh！《ﾊﾟｲｵﾂ･ｵﾌﾞ･ﾚｽﾞﾋﾞｱﾝ》ﾃﾞｽﾈｯ！私ﾓNYﾉ映画館ﾃﾞ見ﾏｼﾀ！』 『ｼﾞｮﾝ…それを言うなら《ﾊﾟｲﾚｰﾂ･ｵﾌﾞ･ｶﾘﾋﾞｱﾝ》だ…ほんとｳﾁの部署はﾊﾞｶばかりだな…』 倉本が頭を抱えた… 『とにかく皆でﾋﾞｰﾅｽの無事を祈ろう！』

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すみません………本当に｡
でも気になるんで聞いちゃいます。
………………まさか…………ﾋﾞﾘｹﾝ昭和💀さん❓

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>> 31 👠23👠 （そう…環…落ち着いてっ…ここでｷﾚたら潜入捜査が全部水の泡になっちゃうわ！…冷静に､冷静に…我慢して…） 環は心の中で川上の… 👠24👠

『ﾎﾞｽ…ﾋﾞｰﾅｽのﾔﾂ大丈夫でしょうかね…』

機動捜査一班のﾃﾞｶ部屋でﾆｯｸがﾊﾅｸｿをほじる倉本に話しかけた…

『…ﾝﾅｧ､ｱｲﾂなら心配ない…きっとうまくやれるだろう…何てったってＧｶｯﾌﾟなんだからな…』

『しかし俺達こんな所で油売っていてよろしいんですか！新人のﾃﾞｶが頑張ってるというのに…』

『Oh！同感ﾃﾞｽｯ…我々ﾆ出来ﾙｺﾄﾊ無ｲﾉﾃﾞｽｶｯ！』

黒ちゃんとｼﾞｮﾝが倉本に詰め寄る…

『だいたいお前らがあそこの常連客だったって事がそもそもこうなった元凶だろっ！今はﾋﾞｰﾅｽに託すしかない！な､ﾆｯｸ…』

『ﾁｸｼｮｳ！俺が一人前の海賊だったらﾋﾞｰﾅｽをこんな危険な目に遭わせることは…』

『ﾆｯｸ…意味分かんないぞっ！てゆーかどう頑張ってもお前はｵｰﾗﾝﾄﾞ･ﾌﾞ○ｰﾑやｼﾞｮ○ｰ･ﾃﾞｯﾌﾟにはなれないんだよっ！』

『Oh！《ﾊﾟｲｵﾂ･ｵﾌﾞ･ﾚｽﾞﾋﾞｱﾝ》ﾃﾞｽﾈｯ！私ﾓNYﾉ映画館ﾃﾞ見ﾏｼﾀ！』

『ｼﾞｮﾝ…それを言うなら《ﾊﾟｲﾚｰﾂ･ｵﾌﾞ･ｶﾘﾋﾞｱﾝ》だ…ほんとｳﾁの部署はﾊﾞｶばかりだな…』

倉本が頭を抱えた…

『とにかく皆でﾋﾞｰﾅｽの無事を祈ろう！』

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>> 33 👠25👠

『ほう…元ﾌｧｯｼｮﾝﾓﾃﾞﾙだったのか…道理でいい身体してると思ったわい！』

ほどよく酒が入ってきた市会議員の川上は環に吸い付くように抱いた肩をｽﾘｽﾘと撫で回している…

『ｲﾔだ､先生っ…あんまり可愛いからって手を付けないで下さいよっ！何せｳﾁの店の稼ぎ頭なんですからねっ！』

『分かっとるよ､ﾏｰ君…なら手は付けないでﾎﾞﾄﾙの方ﾂｹといて貰おうか…ｶﾞﾊﾊ！』

『ﾔｧﾀﾞ先生､上手いっ！麗美惚れちゃいそ～！』

（ﾊｧ…何やってんだろ私…）

川上のｵﾔｼﾞｷﾞｬｸﾞの応酬は環の脳髄まで疲れさせるものだった…

『ねぇ先生！…ｵｰﾅｰの尾張さんとはどういうご関係なの？』

『…そんな事お前が知ってどうする…』

『ｲﾝﾔ～ﾀﾞｧ！麗美聞きたいぃ～聞きたいぃ～！』

（何とかしてｺｲﾂから情報を得ないとね…）

『ならどうだ…今夜一晩ﾜｼに付き合ってくれたら尾張のﾔﾊﾞｲ秘密全部教えてやってもいいぞっ！』

酔った勢いで川上は耳元で環に告げた…

『え～…一晩ん～…そうだなぁ…どっしょっかなぁ…』

（これは危険な賭けだわね…けどここでいい所見せないと…出来るとこ見せないと…）

環は悩みに悩んだ末川上の要求を受け入れた…

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>> 34 👠26👠

『な､なにぃ！…容疑者の情報提供者と今晩ﾎﾃﾙに行くだぁ？…ﾋﾞｰﾅｽｯ！…気は確かかっ！？』

【はい…どうやら川上という代議士は容疑者の情報を掴んでいるようなので…大丈夫ですよ､ﾎﾞｽ…私も馬鹿じゃありません！自分の身くらい自分で守れますっ！】

仕事の合間に環は携帯電話で倉本に連絡を取った…

『ﾌﾌﾌ…羨ましいな…若さって…』

【何言ってるんですﾎﾞｽ…若さと行動力だけが私の取り柄ですから…ﾎﾞｽだって昔は敏腕刑事で通っていたとお聞きしていますよ！】

『違う…川上というﾔﾂ､こんな若い娘を抱けて羨ましいと言ったんだっ！』

【…ｺﾎﾝ…ﾎﾞ､ﾎﾞｽに向かって大変失礼だとは思いますが言います…頭…大丈夫ですか？…】

『あぁ…本心を言ったまでだ！…まあとにかく気をつけていけっ！こんな事もあろうかと念のためお前に盗聴探知機を付けておいた…３日前から…』

【ち､ちょっと…それって私生活まで盗聴してるって事じゃないですかっ！最っっ低っ！】

最低な上司に頭を抱える間もなく環は仕事に戻って行った…

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>> 35 👠27👠

『尾張には架空の銀行口座があってな…まあ税金逃れの隠し預金ってﾜｹだ…最近それに感づいたﾔﾂがいて尾張のﾔﾂ結構慌てていたなぁ…』

川上に誘われるがまま帰りのﾀｸｼｰに乗り込んだ環は酒に酔った川上から少しずつだが尾張の情報を聞き出すのに成功していた…

『で､…誰なんですか？…その人って…？』

『な､なんだお前…まるで刑事みたいだなぁ…』

（ﾋﾟﾝﾎﾟ～ﾝ…ご名答！）

車は繁華街を抜けﾎﾃﾙ街に差し掛かった…

『さぁて…髭親父のむさ苦しい話はこの辺にして…ｲﾋﾋ…おい運転手っ！…そこのﾎﾃﾙの横に停めろっ』

ﾀｸｼｰは洒落たﾎﾃﾙの玄関脇に停止した…

（やる事はやって帰るってﾜｹね…この強欲親父！）

環と川上は高級感漂う長い廊下を歩くと最上階の一番奥の部屋の中に入った…

『先にｼｬﾜｰを浴びさせてもらうよ！』

川上は千鳥足で浴室に入って行った…

【ﾎﾞｽ…ﾎﾞｽ聞こえますか？たま､あ､ﾋﾞｰﾅｽです…もしもし！もしもし？…】

ﾍﾞｯﾄﾙｰﾑから至急に捜査一班倉本に連絡を取ろうとした環だが向こうから返事は無かった…

（ちょっと何してるのよっ､ﾎﾞｽ…）

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>> 36 👠28👠

（尾張が人には言えない秘密があるって事は突きとめた…あとは殺された仏壇職人二人との関係ね…簡単に考えれば尾張の隠し預金が殺された二人にﾊﾞﾚてしまい…それで尾張は二人を殺した…とにかくもう少し粘って尾張と二人の接点を見つけ出さないとねっ！…ﾝﾓｩ､ﾎﾞｽったら…一体何やってんのかしらっ…）

環が苛立ちを見せながら頭を抱えていると浴室から川上がﾊﾞｽﾛｰﾌﾞ姿で現れた…

『ﾑﾌｩ…おい娘っ…お前ももう子供じゃないんだから…解るよなっ…ｲﾋﾋ…ﾜｼと付き合えば金には不自由しないぞっ…』

川上はｲﾔらしく環の体を見つめると環のすぐ横に座った…

（やっぱりﾏｽﾞかったわね…ﾎﾞｽ達の指示を待つべきだった…けどまあいいわ…いざとなったらこんな親父私得意のｸﾞﾚｲｼｰ柔術でひと捻りだ…け…ど…！！…）

突然環の意識がみるみる遠のき始めた！

（な､何こ…これっ？…まさ…か…す､睡眠…薬…う､嘘…）

『ｳﾋｮﾋｮ！…医者の友達に貰った強度の睡眠薬だ！…当分は目覚める事はないっ！ﾑﾌｩ…！こんな年寄り相手に暴れられたら勝てないからなっ！』

『ｸｯ…ひ､…卑怯…よっ…か……ｸｯ…ｳｩ…』

環はそのまま仰向けにﾍﾞｯﾄに倒れ込んだ

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>> 37 👠29👠

『あれほど部屋を空けるなと言っておいたじゃないかっ！』

倉本はﾆｯｸを怒鳴りつけた…

『す､すみませんﾎﾞｽ…どうしても見逃せない韓流ﾄﾞﾗﾏがありましてつい…』

『ﾋﾞｰﾅｽから連絡が入るかもしれんから誰か待機するようにと言っておいただろうがっ！で､他のﾔﾂらはどうしたっ？黒は？ｼﾞｮﾝは？』

倉本は頭を抱えて机に蹲った…

『黒ちゃんはｸﾞﾗﾋﾞｱｱｲﾄﾞﾙの握手会で秋葉原まで…ｼﾞｮﾝは前妻とﾃﾞｨﾅｰです…』

ﾆｯｸは申し訳なさそうに言った…

『今日は俺はｱﾄﾋﾟｰの息子の月に一度の病院の診察日だから署を空けるとあれ程言っておいたのに…ｱｲﾂは今川上という男と市内何処かのﾎﾃﾙに二人きりでいるんだぞ！もしﾋﾞｰﾅｽの身に何かあったらどうするんだ！あの豊満Ｇｶｯﾌﾟを……な事にでもされたら…ｱｧ…やばい…やばいぞﾆｯｸ…これじゃ居場所も分からんじゃないかっ！』

倉本はﾌﾞﾗｲﾝﾄﾞを上げて窓の外を見た…

『ﾎﾞｽ…ﾋﾞｰﾅｽなら大丈夫ですよっ！簡単に刑事とﾊﾞﾚるようなそんなﾍﾏはしないですよ！』

ﾆｯｸは倉本の肩を叩いて落ち着いてと慰めた…

（ｸｯ…盗聴探知機を外さないでいたら…）

倉本は唇を噛み締めた…

• << 40 👠30👠 薄暗い最上階のｽｨｰﾄのﾍﾞｯﾄの上で環は睡眠薬を飲まされ深い眠りについていた… 『ﾌﾌﾌ…ちょろいもんだな…え､お嬢ちゃん！』 赤ﾜｲﾝを片手に川上は勝ち誇ったような顔つきで横たわり眠る環の体を隅から隅までじっくりと眺め薄ら笑いを浮かべた… 『しかし見れば見る程綺麗な女だなぁ…こりゃゆっくり楽しめそうだ…』 川上はﾜｲﾝｸﾞﾗｽを置くとゆっくりと眠る環の側に近寄って喉の奥で唾を飲み込んだ…辛子色のｼｯｸなｼﾞｬｹｯﾄから黒いﾌﾞﾗｳｽが見える… 『宜･し･く…眠れる森の王女様っ！…ｲﾋﾋ…』 川上の手が環のﾌﾞﾗｳｽにかかったその瞬間…川上の目に思いもよらない光景が目に入り川上は思わずﾍﾞｯﾄから転がり落ちそうになる程驚愕した！ 『！…ｸｯ…ま､ま､まさ…ｶｯ！…う､嘘…だ…ろ？！』 川上は環の持っていたﾊﾝﾄﾞﾊﾞｯｸからﾁﾗﾘと見えた警察手帳に驚いた！ 『こっ…こ､この女っ…で､ﾃﾞｶかっ！！ﾁｸｼｮｳ！や､やばいっ！ど…どうすりゃ…どうすりゃいいんだっ…よりによってﾃﾞｶを酔わせちまうなんてっ！』 川上は部屋中をあちらこちらと這いずりまわりすっかり酔いが覚めたように慌てふためいた！

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>> 38 💄皆様こんにちは💦この作品に対してのご意見ご感想お待ちしております😁

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>> 38 👠29👠 『あれほど部屋を空けるなと言っておいたじゃないかっ！』 倉本はﾆｯｸを怒鳴りつけた… 『す､すみませんﾎﾞｽ…どうしても見逃… 👠30👠

薄暗い最上階のｽｨｰﾄのﾍﾞｯﾄの上で環は睡眠薬を飲まされ深い眠りについていた…

『ﾌﾌﾌ…ちょろいもんだな…え､お嬢ちゃん！』

赤ﾜｲﾝを片手に川上は勝ち誇ったような顔つきで横たわり眠る環の体を隅から隅までじっくりと眺め薄ら笑いを浮かべた…

『しかし見れば見る程綺麗な女だなぁ…こりゃゆっくり楽しめそうだ…』

川上はﾜｲﾝｸﾞﾗｽを置くとゆっくりと眠る環の側に近寄って喉の奥で唾を飲み込んだ…辛子色のｼｯｸなｼﾞｬｹｯﾄから黒いﾌﾞﾗｳｽが見える…

『宜･し･く…眠れる森の王女様っ！…ｲﾋﾋ…』

川上の手が環のﾌﾞﾗｳｽにかかったその瞬間…川上の目に思いもよらない光景が目に入り川上は思わずﾍﾞｯﾄから転がり落ちそうになる程驚愕した！

『！…ｸｯ…ま､ま､まさ…ｶｯ！…う､嘘…だ…ろ？！』

川上は環の持っていたﾊﾝﾄﾞﾊﾞｯｸからﾁﾗﾘと見えた警察手帳に驚いた！

『こっ…こ､この女っ…で､ﾃﾞｶかっ！！ﾁｸｼｮｳ！や､やばいっ！ど…どうすりゃ…どうすりゃいいんだっ…よりによってﾃﾞｶを酔わせちまうなんてっ！』

川上は部屋中をあちらこちらと這いずりまわりすっかり酔いが覚めたように慌てふためいた！

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>> 40 👠31👠

ｺｽﾌﾟﾚﾊﾟﾌﾞ《ｴﾛｲｶ》に倉本とﾆｯｸが駆け付けた時にはもう中には尾張の姿は無かった…

『あ～ら！ﾆｯｸじゃない～…最近来ないから寂しかったわ～』

『あ､葵ちゃん…き､今日は飲みに来たんじゃないんだ…ﾊﾊ…』

慌てふためくﾆｯｸに葵というｽﾀｯﾌが抱きついた…

『ｺﾗｯ！警察だ！ﾁｮﾁｮｸﾘ合うのは後にしろっ！…ｵｰﾅｰの尾張を出して貰おうかっ！』

いつになく真剣で凄んだ声で倉本は看護師姿の女性に声をかけた…

『ｵｰﾅｰは今は居ませんわ～！さっき出掛けるとだけ言い残し店出て行っちゃったもん！』

厚化粧に小太りのどう見ても40は行っちゃってる葵という女性は倉本にすり寄って来た…

『ﾆｯｸ…お前はこんなｳｰﾊﾟｰﾙｰﾊﾟｰと山椒魚の相の子みたいな女が好みなのか…』

『ﾌﾝｯ！失礼ねっ！』

『おい女っ！今日川上って常連客も此処に来てただろ？』

倉本はなるべく目線を合わせず葵に尋ねた…

『あぁ…川上さんなら麗美と何処かに行っちゃったみたいよ…きっと今頃は彼女ｺﾝｺﾝ～て…ﾋﾋﾋ…』

『何を言うっ！このｹﾞｽ女っ！』

怒りに燃える倉本をﾆｯｸが後ろから必死に押さえた…

『何処に行った！言えっ！言えっ！』

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>> 41 👠32👠

『何処行ったかなんて知る訳ないじゃんよっ！最低な刑事ね､ｱﾝﾀ！』

『っせぃ！黙って聞けっ､ｳｰﾊﾟｰﾙｰﾊﾟｰ！…いいか？…これは人一人の操…あ､いや…命がかかってるんだっ！麗美って女はｳﾁの所轄のＧｶｯﾌﾟﾃﾞｶだっ！ｱｲﾂは単身このﾊﾟﾌﾞに潜入し､仏壇職人殺しの容疑者であろう男を追う途中､川上という男から情報を探るべく市内何処かのﾎﾃﾙにわざと誘われたんだぞっ！もしも川上って男がこの事件に関与していたらｱｲﾂは…ｱｲﾂはﾁｮﾒﾁｮﾒされるだけじゃ済まされないんだぞっ！きっと最後は横浜港の埠頭からｺﾝｸﾘ詰めにされ…ｳｩ…さぁ何でもいいから話せっ！さぁ早くっ！』

興奮した倉本はﾆｯｸの制止を振りきり看護師葵に詰め寄った！

『け､警部補っ！何無関係な庶民に警察極秘捜査の一部始終を洗いざらいさらけ出してんすかっ！ﾊﾞｶｯ！ﾊﾞｶｯ！』

ﾆｯｸが必死に割って入るとようやく倉本は落ち着きを取り戻した…

『落ち着いて下さいﾎﾞｽ…そんなにﾑｷにならなくても…』

『馬鹿野郎っ！ｱｲﾂはまだ右も左も分からない新米刑事なんだ！俺達が守ってやらなきゃ誰が守ってやれんだよっ！』

ﾆｯｸは黙ってしまった…

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>> 42 👠33👠

『……！こ…此処は…どこ…？』

深い眠りからようやく目覚めた環の目に飛び込んで来たのは薄暗い倉庫のような風景と手錠をはめられた自由の効かない手足､そして不気味に光る３人の男の影だった…

『ﾌﾌﾌ…ようやくお目覚めかな…神奈川県警臍曲署巡査､《麻生環》さんよぉ！』

『！あ､貴方は川上っ！そして尾張っ…！』

暗い影に包まれた二人のその姿と声に環は見覚えがあった…

『ﾌｯ…潜入捜査ってか！やってくれるじゃねぇかっ！危うくお縄を頂戴する所だったぜ…』

『ｱﾝﾀ達っ！やっぱりｸﾞﾙだったのねっ！ｸｯ…』

とっさに立ち上がろうとした環であったが完全に拘束された手足が絡まり激しく転倒した！

『ｳｩ…痛ｯ…ｳｸﾞｩ…！ｱﾝﾀ達…警察官にこんな事して…ただでは済まされないわよっ！』

煙草をふかした尾張がﾋﾀﾋﾀと環に近づいてきた…

『おい…牝猫っ！何嗅ぎつけてたのか知らねぇけど､ちぃとおｲﾀが過ぎるんじゃねぇのか？ん？…この綺麗な顔に火のついた煙草擦り付けてやろうか？』

『脅し？…いいわ､やれるもんならやってみなさいよっ！その代わり…ｱﾝﾀ達全員…生きて帰さないわよっ！』

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>> 43 👠34👠

『ｵｫ～怖い怖いっ…美人に棘があるってのは本当だなっ！なぁおいっ！』

尾張のおどけてふざける様に男達はﾄﾞｯと笑った…

『…笑いたけりゃ笑いなさいよっ！笑ってられるのも今のｳﾁよっ！』

環は何の根拠もない強がりを見せてみた…

（そっか…店の飲み物の中に睡眠薬を混入していたのね…ｸｯ…どうしよう…何とかﾎﾞｽ達に連絡が取れればいいんだけど…）

『おい刑事さんよっ！冥土の土産に教えてやろうか…あの仏壇職人2人はお察しの通り､ﾜｼらが始末したんだよっ！』

尾張と川上はｹﾀｹﾀと悪気もなく笑った…

『ｱｲﾂらの商売する仏壇屋の土地はｳﾁのﾊﾟﾌﾞ《ｴﾛｲｶ2号店》として買収する予定になっててな…何度か売ってくれと頼みに行ったんだが野郎ども､聞く耳持たなくてよ！そんな折奴ら何処で知ったか俺達の隠し預金の事探り出しやがって…それを餌にゆすって来やがった…だから親分の命令でﾊﾞｷｭｰﾝ…消してしまったという訳さっ！』

環の目が光った！

『親分…？ｱﾝﾀ達の他にまだ黒幕がいたっていうのっ！』

『…ﾌｯ…親分っ！顔を見せてやってくんなっ！』

尾張はそう言うと奥の椅子に腰掛けていた3人目の男を呼んだ…

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>> 44 👠35👠

『えぇ…確かに年輩の男性が眠っている若い女性を車に乗せて走って行くのを目撃しましたよっ！』

…《ｴﾛｲｶ》のﾅｰｽ葵に何とか環と川上が一緒に居たﾎﾃﾙの居所を聞き出した倉本とﾆｯｸはﾎﾃﾙのｸﾗｰｸから二人の目撃情報を聞き出していた…

『で､貴様っ！二人が何処に行ったのか判らないのかっ？言えっ！さぁ言えｺﾗｯ！』

『…ち､ちょっとﾎﾞｽｯ！落ち着いて下さいっ！善良な一般市民ですよっ！』

『んな事ぁ分かってるよっ！しかしこうしている間にもﾋﾞｰﾅｽは…ﾋﾞｰﾅｽは命の危険に晒されてるかも知れないんだぞっ！』

ｸﾗｰｸの掴んだ胸ぐらをｸﾞｲｯと引き離すと倉本は苛立つように煙草に火を付けた…

『ﾎﾞｽ…辛いのは分かります…俺だって…しかし何で…何でそんなに必死になるんですかっ！』

『馬鹿野郎ｯｯｯｯｯ！！』

倉本の拳がﾆｯｸの頬にﾋｯﾄした！

『当たり前だろがっ！俺達臍曲署の刑事達は皆ﾌｧﾐﾘｰなんだ！誰一人欠けても駄目なんだよっ！』

『……ﾎﾞ…ﾎﾞｽ…』

ﾆｯｸは切った唇を一度ゆっくり舐めた…

『とにかく俺はﾋﾞｰﾅｽを…麻生刑事を助けるっ！命に変えてもなっ！』

そう言うと倉本は車に歩き出した…

• << 47 👠36👠 ｺﾂｺﾂと靴音を鳴らし親分と言われている黒幕は暗がりからゆっくりと環に近づいて来た…顔が明かりに映し出されたその時！環は驚愕したっ！ 『あ…貴方はっ…！？』 『ｳｯﾌ～ﾝ…ﾊｧ～ｲ､麗美ちゃ～ん！…じゃなかった…刑事ｻｧ～ﾝ！』 『ま､ま､ﾏｰ君っ？』 そこに立っていたのは紛れもなくあのｴﾛｲｶのｵｶﾏﾎﾞｰｲのﾏｰ君だった！ 『貴方…が…黒…幕…！』 『ﾝﾓｩ…ﾔｧﾀﾞ！貴方の事信用してたのに～！まさか刑事さんだったなんてぇ～！』 環は目が点になりﾏｰ君を見つめていた… 『あの店や隠し預金全てを仕切っていらしたのはこのﾏｲｹﾙ富沢さんだったのさ！尾張は雇われ店長でただの使いっ走りってこった…』 川上が苦笑いしながら環に告げた… 『ｶﾑﾌﾗｰｼﾞｭだったのね！』 『ｳｯﾌ～ﾝ…仏壇屋殺しも全て私が命令した事なのっ！そして刑事の貴方を始末しようと思ったのもね！悪く思わないでね…環ちゃん～！』 環は拘束された体を一瞬ひるがえしﾏｲｹﾙ富沢に向かって体当たりを試みたが川上と尾張に取り押さえられ､数発のﾊﾟﾝﾁを腹部に浴びせられ､その場に蹲った…
• << 48 👠37👠 薄暗い倉庫の隅で横たわりながら環の意識は朦朧としていた…さっき川上達に殴られたお腹がｷﾘｷﾘと痛み後ろ手に掛けられた手錠の当たる手首に激痛が走る… （私…このまま死ぬのかな…結局刑事になって一度も役に立つ事出来なかったな…） 恐怖を通り越して諦めと絶望だけが環の萎えた心を支配していた… （…私の敬愛するﾃｷｻｽ刑事も確かこんな倉庫で…殉職したっけ…ﾌﾌﾌ…悪くないか…そんな死に方も…） 『おい美人刑事さんよぉ！ｵﾀｸもうすぐこの横浜港の海に沈むんだ！もう何の未練もないよなっ！』 突然監視役の川上と尾張が席を立ったように傷だらけの環に近づいて来た… 『どういう意味っ！殺したけりゃ一思いに殺しなさいよっ！』 川上と尾張は顔を見合わせて互いにﾆﾔﾘと薄ら笑いを浮かべ､じっと横たわる環を眺めた… 『どうせ死ぬんだ…ﾍﾍﾍ…』 『ち､ちょっと何っ？…何なのっ！』 この時環の胸にこれまで味わった事のない《女》としての恐怖が芽生えた！ 『なぁ川上さん…惜しいよなっ！こんなｲｲ女…このまま殺してしまうのは！ｲﾋﾋ…』 『楽しませて貰いますかねっ！尾張君っ！』 （や…ﾔﾀﾞｯ…た､助けてっ！）

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>> 45 ﾋﾞﾘ…麻生 環ｻﾝ💄✨
こんばんは!
(^O^)/

いつも、面白可笑しく拝見させて貰ってます。作風は💘
違う次回をまた待ってる…と言った者です。
この作品が始まったとき、そうじゃないかなと内心思ってました。
💨💦❗❓が無かったので…
疑って、逮捕しないで下さいね☝

これからもＧｶｯﾌﾟ揺らして頑張って下さい。
😁ﾆﾔﾘ

〇〇🍺

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>> 45 👠35👠 『えぇ…確かに年輩の男性が眠っている若い女性を車に乗せて走って行くのを目撃しましたよっ！』 …《ｴﾛｲｶ》のﾅｰｽ葵に何とか環… 👠36👠

ｺﾂｺﾂと靴音を鳴らし親分と言われている黒幕は暗がりからゆっくりと環に近づいて来た…顔が明かりに映し出されたその時！環は驚愕したっ！

『あ…貴方はっ…！？』

『ｳｯﾌ～ﾝ…ﾊｧ～ｲ､麗美ちゃ～ん！…じゃなかった…刑事ｻｧ～ﾝ！』

『ま､ま､ﾏｰ君っ？』

そこに立っていたのは紛れもなくあのｴﾛｲｶのｵｶﾏﾎﾞｰｲのﾏｰ君だった！

『貴方…が…黒…幕…！』

『ﾝﾓｩ…ﾔｧﾀﾞ！貴方の事信用してたのに～！まさか刑事さんだったなんてぇ～！』

環は目が点になりﾏｰ君を見つめていた…

『あの店や隠し預金全てを仕切っていらしたのはこのﾏｲｹﾙ富沢さんだったのさ！尾張は雇われ店長でただの使いっ走りってこった…』

川上が苦笑いしながら環に告げた…

『ｶﾑﾌﾗｰｼﾞｭだったのね！』

『ｳｯﾌ～ﾝ…仏壇屋殺しも全て私が命令した事なのっ！そして刑事の貴方を始末しようと思ったのもね！悪く思わないでね…環ちゃん～！』

環は拘束された体を一瞬ひるがえしﾏｲｹﾙ富沢に向かって体当たりを試みたが川上と尾張に取り押さえられ､数発のﾊﾟﾝﾁを腹部に浴びせられ､その場に蹲った…

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>> 45 👠35👠 『えぇ…確かに年輩の男性が眠っている若い女性を車に乗せて走って行くのを目撃しましたよっ！』 …《ｴﾛｲｶ》のﾅｰｽ葵に何とか環… 👠37👠

薄暗い倉庫の隅で横たわりながら環の意識は朦朧としていた…さっき川上達に殴られたお腹がｷﾘｷﾘと痛み後ろ手に掛けられた手錠の当たる手首に激痛が走る…

（私…このまま死ぬのかな…結局刑事になって一度も役に立つ事出来なかったな…）

恐怖を通り越して諦めと絶望だけが環の萎えた心を支配していた…

（…私の敬愛するﾃｷｻｽ刑事も確かこんな倉庫で…殉職したっけ…ﾌﾌﾌ…悪くないか…そんな死に方も…）

『おい美人刑事さんよぉ！ｵﾀｸもうすぐこの横浜港の海に沈むんだ！もう何の未練もないよなっ！』

突然監視役の川上と尾張が席を立ったように傷だらけの環に近づいて来た…

『どういう意味っ！殺したけりゃ一思いに殺しなさいよっ！』

川上と尾張は顔を見合わせて互いにﾆﾔﾘと薄ら笑いを浮かべ､じっと横たわる環を眺めた…

『どうせ死ぬんだ…ﾍﾍﾍ…』

『ち､ちょっと何っ？…何なのっ！』

この時環の胸にこれまで味わった事のない《女》としての恐怖が芽生えた！

『なぁ川上さん…惜しいよなっ！こんなｲｲ女…このまま殺してしまうのは！ｲﾋﾋ…』

『楽しませて貰いますかねっ！尾張君っ！』

（や…ﾔﾀﾞｯ…た､助けてっ！）

• << 51 👠40👠 『この悪党っ！私の身体に指一歩触れたら承知しないわよっ！』 ﾋﾀﾋﾀと環に忍び寄る川上と尾張に環は出来るだけ大声で威嚇したが二人は構わず環の長い髪を掴み上げて一度ﾋﾞﾝﾀをした！ 『ﾋﾋﾋ…意気のｲｲ女は大好きだ…犯しがいがあるってもんだ！どうした？…抵抗したきゃしてみろよ､ほれ！』 尾張は環の髪の毛をｸﾞｼｬｸﾞｼｬと無造作にかきむしるとおもむろに胸に手を当ててきた！ 『ｲﾔｧｧｧ！触んないでｪｪｪｪｪｪｪ！』 後ろ手に手錠をはめられた手はその汚い顔を殴りたくても殴れない！ （ｸｿｯ！…こんな奴ら…手足の自由が効けばｶﾘﾌﾗﾜｰみたいに殴り倒してやるのにっ！） 自分への情けなさとふがいなさに環は激しい絶望感にさいなまれた… 『ﾋﾋﾋ…しかし女刑事って皺だらけのﾍﾞﾃﾗﾝのｵﾊﾞﾁｬﾝばっかだと思っていたが…こんな綺麗な女が実際にﾃﾞｶだとは…驚きだなっ！』 『止めろっ！触るなｧｧｧｧｧｧっ！』 川上は環の豊満な胸を服の上から乱暴に揉みしだいた！ （…誰か…助けて…このままじゃ…） 激しく抵抗する環の頬に尾張のﾋﾞﾝﾀが再びﾋｯﾄした！ （ｸｯ…い､痛い…駄目っ…もう駄目！！）

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>> 48 👠38👠

ｼﾞｮﾝ･ﾏｸﾗｰﾚﾝ巡査は前妻とのひとときのﾃﾞｨﾅｰを終え一人港に佇んでいた…

『ﾌｯ…今日ﾓ結局妻《ﾛﾘｰ》ﾄ､ﾖﾘｦ戻ｽ事ﾊ出来ﾅｶｯﾀ…』

煙草をふかし眉間に皺をよせ哀愁に浸るｼﾞｮﾝに背後から声をかける者がいて殺気を感じたｼﾞｮﾝは自慢の拳銃の引金を構えた！

『誰ｯ！？』

『っとぉ…ｼﾞｮﾝ…やっぱりｼﾞｮﾝじゃないかっ！何してんの､こんな場所で…』

殺気の影の正体は黒岩刑事だった…

『何ﾀﾞ…黒ﾁｬﾝﾃﾞｽｶ…ｺﾝﾅ港ﾃﾞ何ｼﾃﾙﾝﾃﾞｽｶ？』

『ｼﾞｮﾝこそ何してんのよっ！署で留守番してたんじゃなかったのか？』

二人の刑事は互いに不思議そうに顔を見合わせながらまあいっか！と苦笑いした…

『秋葉原での時西ぁみちゃんのｲﾍﾞﾝﾄ盛り上がっちゃってさ！気分良かったから歩いて帰ろうと思ったのさ…』

二人の会話が一瞬止まり同時に埠頭をうろつく不審な人影を見逃さなかった…

『…こんな真夜中にあんな倉庫から人が出てくるなんて…不自然だとは思わないか？…ｼﾞｮﾝ…』

『ｲﾋﾟｶｲｴ～…確ｶﾆ不自然極ﾏﾘﾅｲﾃﾞｽ…』

次の瞬間二人の刑事は男が出てきた倉庫に歩き出した…

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>> 49 👠39👠

錆びたｺﾝﾃﾅが並ぶ埠頭の路地は街灯もない真っ暗闇で道行く者を今にも飲み込みそうな勢いだ…

『おいｼﾞｮﾝ…匂わないか…これは事件の匂いだ…』

いつになく真面目な黒岩を見てｼﾞｮﾝは苦笑いした…

『確ｶﾆ麻薬ﾉ取引ﾃﾞﾓ行ﾜﾚﾃｲｿｳﾅ不気味ｻﾃﾞｽ…』

ｼﾞｮﾝと黒岩はゆっくり足取りを目的の倉庫に進めた…割れた硝子窓から侵入すると二人の刑事はいいようのない不気味な静けさに息を飲んだ…何かを悟ったように黒岩が先に腰の拳銃を抜き､構えた…次いでｼﾞｮﾝが腹巻きに入れていた拳銃を抜いた…

『間違いない！何かあるっ！ｼﾞｮﾝ…慎重に行けよっ！』

黒岩とｼﾞｮﾝは二手に分かれるとｼﾞｮﾝは階段を上に､黒岩は地下の階に足を進めた…地下の廊下は無機質なﾊﾟｲﾌﾟが縦横無尽に張り巡らされておりそこから滴り落ちる水滴は不気味な音階を奏でている…

（…怖い…ｽｯｺﾞく怖い…けど今の俺はｽｯｺﾞくｶｯｺｲｲ…！）

拳銃を眼前に構え辺りを鋭く見渡す黒岩は今のその自分の姿にあからさまに酔いしれていた…廊下を数ﾒｰﾄﾙ歩いた時､黒岩は何人かの人間の話し声を聞いた！

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