あの日の出来事

レス1 HIT数 468 あ+ あ-


2023/10/06 17:03(更新日時)

小説…と言えるのかどうかはわからないですが、気持ちがやっと落ち着いたので書くことにしました。小説の部類と言えるのならノンフィクションですね。
青々とした植物が風に揺られている。色とりどりの花が綺麗に咲いて、その真ん中には祖父が居た。これが私の幼少期の頃の記憶。今となっては過去の話だ。
去年の冬。雪がパラパラと降っている中、私は祖父母のいる家へ急いで駆けつけた。祖父が突然倒れたと言うのだ。酸素マスクをつけ、ベッドに横たわり弱々しく息をする祖父。私の知っている元気な祖父ではなかった。間も無くして、祖父は肺癌で六十何年もの人生を終えた。祖父の暖かった腕は、冷たくなっていた。「おじいちゃん。なんか死んだ事になっとるで。はよぉ起きて」と、水道水の水ぐらい冷たくなった祖父を見ていた。お葬式は出たくないと母親に言ったが、絶対に行けと言われ渋々出たが、あまりにもショックだった。白い死装束を纏い、安らかな顔で、寝ているように死んだ祖父。メイクもされていて、多少赤みがあった目元部分が隠れていた。それに思わず泣いてしまった。遺骨を収めるものを祖母が持っていた。そんな時、突然言ってきた。「これ、持って」と。笑顔で。泣き崩れていた私に祖母は言ったのだ。親戚も居たので持った。カタカタと手が震えていた。「震えすぎやよw」と。脳裏に離れなかった。それから暫く、祖父に関すること全てが泣くように。できれば聴きたくなかったが、父親が何度も言って来るので何度も泣いた。母親は父親を咎めた。それでもなおしつこく言ってきた。苦しかった。そんなある日。道徳の時間の振り返りの文を書いていた。内容がショッキングだったので泣きかけていたがなんとか堪えていた。すると、後ろの人が嘔吐した。その反動で私は泣いた。一気に祖父との思い出が思い出されて。我慢していたものが破裂した。卒業式のあとなんか最悪で、祖母の家に行ったら遺影を見せられここでも泣いた。何度人を泣かせれば気が済むのかと思った。そして今。最近よく祖父に関する記憶が度々思い出される。なんの前触れもなく、だ。あの日の記憶が鮮明に。色褪せていたものが鮮やかに、思い出されるので苦しい。私はあの日を忘れない。そして
あの時なぜ私に祖父の遺骨が入ったのを持たせたのか。なぜ笑っていたのか。あの時の祖母の顔と、何度もしつこく言ってきた父親は絶対に忘れないし許せない。

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No.3893258 (スレ作成日時)

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No.1

ショックな表現がおそらくありますので注意してください。

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