君が瞬きするたび恋に落ちる  #1

レス0 HIT数 256 あ+ あ-


2023/08/01 07:30(更新日時)

ーー瞬きするたび恋に落ちる。そんな非科学的な事などない、あの時の自分はそう思っていた。

私の名前は、岡田 七海おかだ ななみ。今年で高校1年生の16歳。彼氏なし。
1人だけ彼氏がいた時期があったけど、浮気が発覚でもれなく破綻。本人は浮気の自覚なし。その件以来彼氏がいない。

クラスメイトの女子が、
「私、彼氏が切れたことないのぉ〜」
みたいな、彼氏を在庫扱いするようなことを言ってる人もいるけど…。
世の中そんな完璧な男子なんていない。クラスメイトの男子だって欠点はある。
優しい男子はいるけど…。
その男子の名前は、『山崎 瑠偉やまざき  るい君』
この間クラス全員分のノートを配っていた時、「手伝うよ!」と言って3分の2ぐらい配ってくれた。
優しい男子もいるんだ、そう思った瞬間だった。

その日から気付いたら瑠偉君を目で追っているようになった。
でも、直接本人に話しかけたりはしない。というかできない。だって迷惑になるから。
私は2軍(?)、瑠偉君は1軍。いろいろな人から話しかけられている。こんな1軍以外の女子なんてどうでもいいって思ってるだろう。
ただ、毎日交わす
「おはよう!」
がたった一回きりの会話(?)だった。

朝休み中、親友からある噂を聞いた。親友の名前は尾畑 栞おばた  しおり。
「ななみん〜!おはよう!というか、この噂知ってる?ななみんのことなんだけど‥」
「しおりん、おはよう!噂ってどんな?何も聞いたことないけど。」
「知らないならいいや。」
「教えてよ〜!」
「今度ね。(気が向いたらね)」
「絶対だよ!」
「わかった!
ていうか聞いてよ、彼氏が昨日のデートの時に1時間も遅れてきたのにごめんの『ご』の字もないんだよ。ひどくない?」
「あ〜、それはひどいかも。」
「でしょ?」
この会話から分かる通りしおりんには彼氏がいる。確か隣のクラスだったっけ?
彼氏さんとは中学校が一緒だったらしい。

私としおりんは入学式の時に仲良くなった。一番初めの言葉は、しおりんが
「めっちゃ髪サラサラだね!どんなヘアケアしてるの?」
だった。
しおりんと私は席が前後だったんだ!『出席番号で考えたら、何で前後になるの?』って思う人もいると思うけど。席は先生達が勝手に決めた感じだから、出席番号とかは関係なかった。
しおりんがかけてくれた一言で私たちの中は一気に縮まった。
で、気付いたら親友になってた。

放課後になった。私は係の仕事でワークを集めて職員室に運ばないといけない。
階段を降りていると男子と女子の声か聞こえた。
カップルじゃない?そう思った。だって、男女でわざわざこんな道に来ないから。カップルならありえる。
本当は別の道を通っていきたかったけど、その道を通らないと職員室には行けない。だからワークで顔を隠すようにして通り過ぎた。相手の顔はしっかり見ながら。男子を見た瞬間、私は急いでその場を去った。

その男子は‥‥ 瑠偉君だった。女子の方は中村さん。中村さん1軍女子のリーダー。
やっぱり瑠偉君は1軍女子しか興味がないんだ。
そう思うと、胸の奥がギュッと締め付けれる気がした。
別に瑠偉君のことが好きなわけじゃないのに…

無事、職員室にワークを提出し終わって教室に鞄を取りに行った。
私は家に帰った。

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