学生時代の恋を語るスレ
皆さんには学生時代、好きな人、片思いしてた人、思い届かず恋破れた人がいましたか?
これは主のそんな淡い恋のお話しです
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まずは登場人物から
俺(♂︎)→短髪。筋トレが趣味。恐らくフツメン。短足。なぜかガタイだけはいい
里穂(♀︎)→子供の頃から近所に住んでる幼なじみ。体育会系の男勝り。嫌いなものはおばけ
あおい(♀︎)→少女コミックをこよなく愛する夢女子。教室まで土足で入ってくるようなド天然。でもすごく優しい。
チョッパー(♀︎)→高校から俺らと仲良くなった里穂の親友の一人。やけに人と人をくっつけたがる性格。走り方がチョッパーに似ている
ジャッキー(♂︎)→俺の親友。ジャッキーチェンが大好きで少林寺拳法を習う。しかし大きくなるにつれ、ジャッキーチェンがやってるのはカンフーだということに気付き、おどける
肉まん(♂︎)→夏でも肉まんを離さない100キロ超えのスーパーヒーロー。マヨバター肉まんなるレシピを独自に開発した愛と勇気の戦士
その後、驚くことにA男とB子は付き合う事になる
チョッパーはさも自分の手柄とでも言わんばかりに自慢
チョッパー、後に語る
チ「男と女なんて第三者が『あなた達仲良いわねー。羨ましいー』って言っとけばお互い意識し合ってくっつくんだから。健康な男女ならなおさらね」
近所のおばさんみたいな言い分だが、ミョーに的を得ている
ここで里穂が
里「いいなーいいなー。あたしも彼氏欲しいー」
すかさずあおいが
あ「え?里穂好きな人いるの?誰よ誰よ?言いなさいよ」
一瞬里穂が赤くなり、こっちを見たような気がしたがすぐに誤解であることに気付く
先「席に付けー ホームルーム始めるぞー」
と俺の後ろにある教室のドアをガラッと開けたのに反応したんだ
ちょっと残念?拍子抜け?したのを覚えてる
そして
放課後になり、いつもの時間
いつもの帰り道
事件は起こる
里穂は力ない笑顔で震えながら話し出した
里「あはは。やっぱりね。お父さんなんかおかしかったもん。毎日帰り遅かったし」
俺「里穂…
おばさんは知ってるのか?その…」
里「よく分からないけど…
夫婦だから薄々は勘づいてるんじゃない?」
俺「そうだよな…」
こんな時俺は里穂になんて声を掛けたらいいのか分からない
里「………ねえ。俺君
あたし………どうしたらいいかな……」
俺「まだハッキリと浮気って決まったわけじゃないだろ?女の人とただ歩いてただけだし」
里「腕組んでたよ?それに見つめあってた」
俺「………もしもそうだったとしたら
里穂はどうするの?」
里「…わかんないよ、、、わかんないよ」
普段気の強い里穂がものすごく小さく見える
ちいさい頃からずっと一緒にいた女の子
この子を守ってやれるのは俺しかいない!
と、まだ高校生のガキだったが激しい決意を固めた瞬間だった
まさか里穂の家になにかあったか?
いや、だったら携帯の方に掛けてくるはず
そんなことを思いながら電話を取る
俺「はいもしもし」
あ「あたし、あおいー」
俺「おー、どした?てかなんで家の電話に掛けてんの?」
あ「ああ、そっか。携帯にかけ直す」
この天然ぶりである
•*¨*•.¸¸♬︎ ピッ
俺「で?なんだよ」
あ「んーべつに。ちょっと声聞きたくなって」
俺「なんだそりゃ。さっきまであんなに喋ってただろ。」
あ「なにしてたのよ
俺「ん?んー…ちょっと考え事」
あ「誰よその女!聞いてないんだけど?」
俺「女の事なんて言ってないだろうが!」
あ「俺君の事はわかるのよ。すぐ話し方に出るんだから。それで?どういう女なの」
神かこいつは?
俺「かなわないなあおいには」
あ「あたしというものがありながら他の女の事を考えるとはどういうことなのかね?説明したまえ」
どうするか迷った
ほんの少し前の出来事だから言ったとしてもうまく説明できる自信はなかった
俺は
俺「あー………里穂の事なんだ」
発したと同時にそれまで調子よく喋ってたあおいが一瞬無言になる
あ「なに?好きになった?」
俺「どどどどあほ。んなわけあるか!」
あ「わかりやすっw。どどどどあほだって。そんなテンプレ本当に言う人いるんだねー」
俺「いやほんとにそんなのじゃないんだよ。
俺の口からは言いにくい事で、俺自身もまだうまく話せるとは思えないから」
事態を察したあおいがそれまでのトーンを改める
あ「……なにかあったんだね
あんまり考えこんで体壊さないでよ?
時期が来たらそれとなく話してくれる?」
当たり障りのない優しい口調と言葉であおいが気を使ってくれてるのがわかる
俺「わかった。その時がきたら話すよ。あおいは優しいな」
あ「きゃー♡優しいって言われた!俺君好き!結婚してっ」
俺「はいはい、俺も11番目くらいに好きだよ」
あ「……チッ。だめだったか。じゃまたね、おやすみダーリン」
俺「あーおやすみ、ありがとな」
ピッ
で、結局あおいのやつは何の用だったんだ?
さすがに心配になったある日の夜
俺は里穂の家の前にいた
子供の頃から何度も遊びに来た里穂の家だったが俺はインターホンを鳴らすのに戸惑ったが
思い切って押してみる
ピンポーン
「はい、どちら様でしょう?」
すぐにおばさんが応対してくれた
俺「おばさん、お久しぶりです俺です。里穂学校長いこと休んでて心配になって」
おば「お見舞いに来てくれたのね、ちょっと待ってて今開けるから」
程なくしてガチャりとドアが開く
おば「今あおいちゃんも来てくれてるのよ。2階に居るから行ってあげて。あの子何があったのかおばさんにも話してくれないの。俺君知らない?学校でなにかあったの?」
あおいが来てる?あいつも心配だったんだな
でもここでおばさんにあのことを言う訳にはいかない
俺「心当たりはあります。とにかく里穂と話がしたいです。お邪魔します」
親父「ん?どうしたね?」
俺「里穂の事でちょっと」
あ「ちょっと!俺君!!」
俺「いいんだあおい。もうこれ以上我慢できない」
俺は一切を親父さんにぶちまけた
親父さんは特に否定しなかった
そうか見られてたか程度だった
親父「里穂は知ってるのか」
俺「はい」
親父「落ち込んでたか」
俺「はい」
親父「最低な父親だな」
俺「はい」
親父「俺君もそう思うか?」
俺「はい」
親父「でもな俺君、君も大人になったら分かる。世の中にはどうしようも無い感情というのがあるんだ。私と彼女は決して不真面目な気持ちではない。真剣なんだ。結婚も視野に入れている」
この言葉に俺は何かが切れた
俺「ふざけんな!!!!
好きになったからどうしようも無いだと?
恋愛やってんじゃねえんだ!!!それで残されたあんたの家族はどうなる!!
真剣だって?だったら奥さんと別れてから付き合うのが筋だろ!!
大人ってワードを縦にしてもっともらしい言い訳してんじゃねえよ!!!!
里穂が、、、、、里穂があんなに、、、、元気だった里穂が、、、
あんなに里穂が好きだった家族を元に戻せ!!!!
………初めてだったんだよ
里穂が俺に『私、どうしたらいいかな』って泣き言言ったのは
里穂にもしもの事があったら俺はあんたを絶対に許さない
里穂は俺が守る」
まくし立てる俺をあおいはただ黙って見ていた
親父「………………
そうだ。そうだな。君の言う通りだ。私は親として失格だ。家族にも本当の事を話そう」
そう言って親父さんは夜道を一人帰って行った
俺はしばらく放心状態でどのくらいそこにいたか思い出せない
誰もいない公園
全身の力が抜けその場にへたり込む
あ「俺君」
あおいは優しく声をかけてくれた
その声に緊張の糸が切れた俺は情けなくも泣いてしまう
俺「怖かった……里穂の親父さんに俺あんなこと、、、、
でも里穂が、、、里穂の為に俺が、、!」
そんな俺をあおいは優しく抱きしめてくる
あ「うん。よくがんばったね。すごくかっこよかった」
その言葉に安堵し俺は嗚咽混じりに声を上げてずっと泣いていた
高校一年生
初夏の出来事だった
1ヶ月が過ぎたある日曜日の朝
里穂からメールが届く
「長い間ご心配お掛けしました。気持ちの整理がついたので明日から学校行きます」
俺はそれまで寝てた頭をフル稼働させたつもりだったが、なぜかリビングに降りて食パンをかじりながら歯を磨こうとしていた
はっと我に返り、2〜3分うろうろしてから
そうだ。あおいに電話電話…っと
あ「うがああああ」
俺「あおい!起きろー!」
あ「なんやねん!まだ9時やぞ!」
俺「里穂からメールきた!明日から学校来るって!」
あ「ほ、ほんまか!?やったわよーうれしいわよー」
俺「……喋り方w」
あ「おめでとうミシェル。(意味不)それを祝して今日はお祝いおデートというのはどうかしら」
俺「デート?誰と誰が?」
あ「あなたとそしてわたくし」
突然の事で俺の心臓は鼓動の変化についていけない
俺は天にも登る気持ちを抑えつつ
俺「ええー。あおいとかよー。どこいくんだよ」
あ「お肉屋さんのコロッケが食べたい。俺君のおごりで」
俺「ズコー。なんだよ昼メシくらいおごるからもっと別のとこ行こうよ」
あ「ううん。あそこがいいの。お願い連れてって」
それまで足早だった鼓動が更に早くなった
悟られまいと必死でごまかす
俺「じゃ10分後に駅前集合な。遅れんなよ」
あ「あら女の子には準備というものががざいましてよ?おしゃれしなきゃいけないんですものふふふ」
俺「コロッケ買うのにおしゃれってどういうことや」
あ「だって…。久しぶりにいつもの俺君と会えるんだもん」
こいつはなんでこうもドキドキすることばっかり言うんだ?
俺「わかったよ。じゃ11時な」
あ「はーい。おみやげ忘れないでねー」
こうしてこの日、あおいとの予期せぬデートが決まった
そう言えばあおいと二人っきりで出かけるのは初めてだな
俺は30分前に待ち合わせ場所についてドキドキしながらそんなことを考えてた
ダサい格好してないかなとか寝ぐせついてないかなとか
すると
あ「おっ来てたな」
いきなり後ろからあおいが現れた
振り向くと薄い水色のワンピースを来ためちゃくちゃかわいいあおいがにこにこしながら手を振ってた
やばい
かわいすぎてまともに見れない
あ「ん?ん?」
そういってあおいは俺の顔を斜め下から覗き込む
俺は極力普段の感じを装ったが話し方はしどろもどろ
それを知ってか知らずかあおいは
あ「ふふふ。どう?かわいい?」
くそっ
完全に主導権を握られてる
あおいの方が一枚上手だ
あ「あのね、欲しいコミックがあるの。本屋さん行こっ」
俺の服のそでを引っ張りながらくるっと反転し、肩まであるちょっと長い髪をふわっとさせると
すごくいい香りがする…
つーかなに?
なんかいつもとちがうぞ?こいつ
こんなに女の子だっけ?
目的の本屋に到着
あおいは少々コミックの新刊が欲しかったらしくて4、5冊購入してた
余談だがそこの本屋でA男とB子にあった
仲良く腕を組んでぺちゃくちゃ喋ってる二人を見てたらあおいが支払いを済ませて戻って来てて
「羨ましそうに見てるーwww」
って言われてちょっと恥ずかしかった
俺「それはそうとそろそろお腹空かないか?」
あ「おっいいねえ。いよいよ例のやつっすか」
俺「久しぶりだなあの店も」
あ「今日は俺君のおごりだしいくらでも食べれそう」
俺「ははは。店のコロッケ全部食べていいぞ。明日の顔面が楽しみだがなくっくっくっ」
あ「言ったね?ほんとにやるよ?
こっからここまで買いってやつ一度やってみたかったんだよねー」
舌をぺろぺろしながらそんなことを言いだす
ヘビかこいつは
「あらー久しぶりねえ」
肉屋のおばちゃんが出迎えてくれる
と同時になんかにやにや
「いいねえ。今日は二人でお出かけなのね」
俺「いや、その」
あ「おばちゃーん!久しぶりー。元気してたー?」
「あらあおいちゃんなの?今日はずいぶん雰囲気が違うねえ。大好きな彼氏とデートだからかしら?」
みるみるあおいは顔から耳まで真っ赤になっていく
俺「おばちゃん!」
「www ごめんごめん。で?いつものコロッケでいいの?」
俺「いや、あおいが一度やってみたいことがあるっていうんで。ほら、あおい。やっちまえ」
あ「………ソンナニタベレナイモン」
俺「はあ?????
しょうがねえなー。じゃいつものコロッケとあとポテトね」
「おまたせー
ごめんねなんか余計なこと言っちゃって。はい、これおまけ」
俺たちはおばちゃんにお礼を言い、あの公園へ向かう
ベンチよりも芝生に座りたいというあおいのたっての希望から、適当な場所に座りこみ、二人で久しぶりのあの味を堪能する
俺「あー。やっぱうまいわー」
あ「うん、おばちゃんも変わりなさそうでよかった
知ってる?肉まん毎日このコロッケ買いに行ってるんだよ」
俺「げ。まじ?朝から肉まん食べて10時に購買でパン買って食べて昼にどデカ弁当食べてそれからコロッケ食べて晩飯も人の3倍くらい食うんだろ?あいつ一日2万カロリーぐらいとってるんじゃね?すげえよなあ」
あ「むっ。あたしだって食べようと思えばそのくらい食べれるよっ!
さっきだっておばちゃんがあんなこと言わなかったら店の商品コンプしてやったのにっ」
どうやら肉まんに謎の対抗意識を燃やしてるご様子
あ「里穂ともまたここで……
一緒に食べれるよね…………?」
俺「何言ってんだよ。できるに決まってるだろ」
あ「そうだよね。そうなるといいね……」
この言葉の本当の意味を俺が気付くのはずっと後の事だった
いつの間にか周りはオレンジ色に染まり、公園の時計は午後6時を過ぎていた
俺「あおいと話してると時間が過ぎるのが早いなあ。もうこんな時間だよ」
あ「ほんとだね。いくら喋っても喋り足りない感じだよ」
俺「じゃ暗くなるし帰ろ」
あ「俺君…
あのね」
俺「…ん」
あ「あ、あの…
今日はありがとう」
俺「なんだよ改まって」
あ「久しぶりにいつもの俺君と話せた
今とっても幸せ」
なんだ?この展開は
これはまさか
俺は一瞬チョッパーの何気ない言葉を思い出した
『男と女なんて第三者の一言でお互い意識してその気になる』
肉屋のおばちゃんの一言が俺たちをそうさせたって言うのか?
けど次にあおいから出た言葉はそうではなかった
あ「またみんなで来ようね」
あ「俺君。
今日ね、あたし誕生日だったの」
俺「え、えええええ???」
あ「おめでとうは?」
俺「あ、あ、あ、お、おめおめおめ」
あ「それでね、朝俺君から電話来た時まさかって思ったの。だって俺君に言ってなかったでしょあたしの誕生日」
俺「うん、、知らなかった」
あ「だからどこかで調べてくれたんだー!ってちょっと期待したの。でもそれが里穂の事で、あたしも嬉しくなって誕生日なんかどうでも良くなって」
俺「」
あ「電話の俺君の声、それまでと違ってすごく嬉しそうで。そんな俺君と誕生日一緒に過ごしたいって思ったら思わずデート誘っちゃった」
俺「ごめんな。俺知らなくて、、
あ、プレゼント、、、俺何にも用意してない、、」
あおいはなんとも形容し難いくらいの優しい笑みでキュッと俺の手を握り
あ「いいの。最高のプレゼント貰えた
いつもの俺君といつもの場所でいつものコロッケ食べていつもの時間過ごせた。素敵なプレゼントだよ」
俺「」
あ「ほんとはね、すごく怖かったんだよデート誘う時。泣きそうだったんだから!女の子に言わせんじゃないわよばか!」
俺「ぐうっ」
軽く腹パンされる
いいムードに持っていきたいのかコントしたいのかよく分からない
しかしいきなりの事に戸惑った俺に気を使ってくれるあおいの優しさは痛いほど伝わる
正直この腹パンで救われた感は大いにある
あおいも多分それは分かってた
あおいを家まで送り、自室に戻った俺はあおいの事ばかり考えていた
そう言えば里穂以外の女の子と二人で出かけたのは初めてだ
明日からは里穂も学校に戻ってくるし、また楽しい生活になりそうだ
そうだ。明日の朝は里穂の家まで迎えに行こう
•*¨*•.¸¸♬︎ピロリン
メール?あおいか?
携帯を開くと
なんだよチョッパーかよ
と少しガックリ
すまんチョッパーよ
そんな意味じゃないんだ
:件名ヒューヒュー☆彡
差出人チョッパー
本文 あおいと二人でどこいったのお( ・∀・) ニヤニヤ
ネタはあがっとるんや!洗いざらい吐けーヽ(`Д´)ノ
は?なんで知ってんだこいつ!
:件名Reヒューヒュー☆彡
差出人 俺
本文 なんの事かわかりませんな
:件名ReReヒューヒュー☆彡
差出人チョッパー
本文 けっ( ゚д゚)とぼけやがるか
明日たっぷり尋問してやるからな
(´ー∀ー`)
いかん!
こいつの手にかかればものの数分で学校中はおろか町内全域にまで噂が広まる
事実だけなら別に俺は構わないがきっとこいつの事だ
あることないこと吹聴してまわるに違いない
それだけは断固阻止せねば
里穂は教室にいた
昨日のメールで知ってたけどなんかほっとする
いつメン4人に囲まれ楽しそうに笑ってる
里「俺君〜。遅い〜」
俺「誰のおかげで遅刻したとおもってんだ!」
里「誰のせいよ」
俺「自分の胸に手を当てて考えろ!」
里「はて?」
俺「まだへりくつ言うか!この口か!この口かー!!」
里「きゃージャッキー助けてー
俺君がいじめるー」
ジ「どうせ一緒に登校しようって里穂ん家の前で勝手に待ってたんだろ」
俺「ぐっ まあそうだが」
肉「里穂。肉まん食え」
里「いらない。えーそうだったのー?言ってくれればよかったのにー。待ってたの?」
肉「チョッパー肉まん食え」
チョッパー「いらね」
俺「40分待ちました。」
里「ばーかばーかwwwふつう待つかねそんなにww」
なんとも微笑ましい会話だった
里穂がいることで一気に花が咲いたみたい
いや、この中の誰か一人かけてもそうなるに違いない
改めて仲間の大切さを知った日だった
昼休み
里穂を囲んでの昼食
相変わらず肉まんはブモーブモーと猛牛の如くかっ食らってる
そこへチョッパー登場
チ「さて。どういうことが説明してもらおうかお二人さん」
俺とあおいを見ながら勝ち誇ったように言う
あかーん!!
完璧に忘れていた!
あ「え?なにが?」
チ「君までとぼけるのかね?昨日は内緒で何してたんだい?ほらほら」
あ「なにって別に、、、
コロッケ買って公園で話してただけだよ?」
肉「コロッケーー!!てめえらふざけんな!!!!」
明らかに一人だけ違うことに憤怒している
その時、ジャッキーは黙々とえのきベーコンを食べていた
左利き
俺「そうさ。コロッケなだけさ」
チ「ふうん。みんなに内緒でねえ
( ≖_≖ )」
俺「なんだその顔は」
あ「ほんとだよっ。最近公園行ってなかったから急に行きたくなっただけ」
チ「あ、そう。ところであおい。誕生日おめでとう」
あ「あ、うん。ありがと」
チョッパーにやにや
チ「公園でいい雰囲気だったみたいだねぇええええ」
ぶほっ
どこまで知ってんだ
まさか見てたんじゃねえだろうな
その日の朝からなんか違和感みたいなものを感じていたが、この手紙を見て俺は確信した
里穂は何か悲しいことを隠して無理して必死に笑ってる
普段通り振舞ってたように見えたが空回りしてる感がある
子供の頃からそうだ
誰にも言えずに自分一人で溜め込む
小学校の頃そんな里穂を見かねて言ったことがある
俺「俺は里穂になんでも言ってるよ。母ちゃんに怒られたとき、本当は違うんだけど分かってくれなかった事とか、スカートめくりしたの俺じゃないのに先生にすごく怒られた事とか。それ言った時里穂凄い怒って母ちゃんと先生に言って助けてくれたよ?。なのに里穂は全然俺に泣き言言わない。俺だって里穂を助けたいんだ」
この事があっても余程のことがない限り里穂は助けを求めなかった
そんな里穂を見てるのが俺は心底悔しくて
気付いてあげれない、何も出来ない自分が情けなかった
道中でも悪い方にばっかり考えてしまう自分が嫌になる
無理して明るく振る舞うって事は悲しい結末の裏返しなのではないか?
里穂の両親の事は残念だが俺にはどうすることもできない
あまりにも無力だ
里穂の為とはいえ親父さんを焚き付けたのは他でもない俺だ
あの時の行動は間違っていたのだろうか
俺が親父さんにあんな事を言わなかったら里穂も苦しむことはなかった
そもそも里穂の両親の事はどうすることもできないといいながら、他人である夫婦間の事に首を突っ込んでる
そんな権利はどこにも無いはずだ
、、、、いや違う!
そうじゃない
権利を主張するなら俺と里穂の幼なじみという権利はどうなる?
、、、それもなんか違うな
権利とかそういう事じゃない
里穂なんだ
俺はただ里穂と一緒にいたいだけなんだよ
この前まで中坊だった俺が幼い頭で精一杯大切な女の子の事を考えていた
俺「、、、あ、ああ」
里「それでね、お母さん田舎のじいじんとこ行くの」
その先を聞くのがめちゃめちゃ怖かったが、構わず里穂は続けた
里「お母さん、あたしも一緒に行こうって」
目の前が真っ暗だった
目の前が真っ暗になる事ってほんとにあるんだな
恐れてた最悪な結末が唐突に来たって感じだった
里「ほら、もうす…………」
俺「だめだって!!!!!
平気なのか里穂は!!!
そんな簡単にさよならできるのか!!!」
寂しさだったのか悔しさだったのか
俺は知らないうちに目が潤んでた
俺「俺はいやだ!!!!!」
叫んだことで無意識に涙腺が崩れた
いつから俺はこんな泣き虫になったんだろう
わーわーと泣き散らす俺を見て
里「wwwwwwwwwwww」
はい?
里「泣きすぎwwwwwちゃんと聞かんかい。もうすぐ夏休みだからね、あたしもじいじの所に行くのっ。もちろん夏休みの間だけね?すぐ戻ってくるよw」
俺ボーゼン( ˙ㅿ˙ )
里「でもお母さんは向こうで仕事探して向こうにそのまま住むって。でもあたしこの街離れたくなかったのね?そしたらおじさんとこに相談したから高校卒業するまでお世話になりなさいって。おじさんとこ子供いないからすごく喜んでくれてて」
俺「あっ。、、、、そう」
里「隣町だからもちろん通学は不便だけど。俺君時々送ってくれるよね?くれるよね?」
俺「は、はははははは」
里「淡々と話してるけどそんな簡単なもんじゃなかったんだよ?子供と離れて暮らすお母さんの気持ちもわかったし、あたしだって一緒に暮らしたかったよ。でもお母さん日曜日は少し遠いけど毎週来てくれるんだって」
俺「プルプルプル:(;゙゚'ω゚'):」
里「で?さっきのわぁーわぁーわぁー!うえええん!!ってのはなんだったのかな?ん?」
俺「ワナワナ……………」
里「ん?ん?」
俺「まぎらわしいんじゃーーー!ぼけーーーーー!!!」
里「wwwwwwwあーウケるーーww
俺はいやだ!!!
からの
行かないでえぇぇーー!わぁーわぁー!だったっけ?wwww
じいじの所くらい遊び行かせろっつうんだよケラケラケラ」
俺「行かないでとは言ってない!」
俺は恥ずかしさと安堵感で顔を下げずにはいられなかった
極度の安心感が襲ってきてほっとすると同時にまた目頭が熱くなる感覚を覚える
なんだ、さよならじゃなかったんだ
これから3年間里穂と一緒にいられるんだ
これまで当たり前のようにそばにいた里穂
里穂がいない日常なんて考えたこともないくらい当たり前だった
その当たり前はこれからも続くんだ
不意にギシッとベッドがきしむ音がする
その音にゆっくり顔を上げると
里穂の顔のどアップが目の前
極々小さい声で
里「ありがとっ」
例えようのないくらい柔らかい里穂の唇が俺の口をふさぐ
クッキーの甘い味だったりシャンプーのいい香りだったり女の子独自の甘い香りだったりもう訳分からん状態
時間にして10秒くらいだったろうか
スっと里穂が離れたかと思うと
里「……………約束。
やっと果たせたっ///」
そう言ってカバンをとって
里「じゃね。ばいばい」
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