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学生時代の恋を語るスレ

レス50 HIT数 727 あ+ あ-

匿名さん( ♂ )
22/02/19 23:22(更新日時)

皆さんには学生時代、好きな人、片思いしてた人、思い届かず恋破れた人がいましたか?

これは主のそんな淡い恋のお話しです



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No.3477025 22/02/15 19:20(スレ作成日時)

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No.1 22/02/15 19:45
匿名さん0 ( ♂ )

まずは登場人物から

俺(♂︎)→短髪。筋トレが趣味。恐らくフツメン。短足。なぜかガタイだけはいい

里穂(♀︎)→子供の頃から近所に住んでる幼なじみ。体育会系の男勝り。嫌いなものはおばけ

あおい(♀︎)→少女コミックをこよなく愛する夢女子。教室まで土足で入ってくるようなド天然。でもすごく優しい。

チョッパー(♀︎)→高校から俺らと仲良くなった里穂の親友の一人。やけに人と人をくっつけたがる性格。走り方がチョッパーに似ている

ジャッキー(♂︎)→俺の親友。ジャッキーチェンが大好きで少林寺拳法を習う。しかし大きくなるにつれ、ジャッキーチェンがやってるのはカンフーだということに気付き、おどける

肉まん(♂︎)→夏でも肉まんを離さない100キロ超えのスーパーヒーロー。マヨバター肉まんなるレシピを独自に開発した愛と勇気の戦士

No.2 22/02/15 20:01
匿名さん0 ( ♂ )

これは高校時代の話
俺らは気の合う仲間でいつでも6人いっしょ
教室内ではいつも馬鹿話で盛り上がり、下校時にはいつも行くお肉屋さんのコロッケを買って公園で暗くなるまで喋っていた

週末にはカラオケに行ったり、誰かの家に泊まりに行ったり

カラオケに行った時は点数が1番低かった奴が外のタクシーに飛び乗り
「前の車を追ってください!」
と言い、1000円分走った所で
「クライアントからの命令で任務中止の発令が出たので引き返してください」
というのを携帯で生中継するという罰ゲームをやったことがあった

やる羽目になったのは脅威の57点を叩き出したジャッキーである

No.3 22/02/15 20:21
匿名さん0 ( ♂ )

ある日のこと、チョッパーが鼻を鳴らしながら興奮気味に話し出す

チ「A男とB子って仲良いと思わない?絶対お似合いだと思うんだよねー。
今日あの二人仲良さそうに話しながらあたしの方ちらちら見てくるのよ。
あれあたしに仲取り持って欲しいって合図なんだと思うんだわー」

里「おお!?いいねチョッパー!キューピットになるのか?やるのか?」

あ「すてき…♡♡
ああ…愛するふたりはこれから…」

俺とジャッキードン引き

肉「ちょっと肉まん買ってくる」


No.4 22/02/15 20:46
匿名さん0 ( ♂ )

その後、驚くことにA男とB子は付き合う事になる
チョッパーはさも自分の手柄とでも言わんばかりに自慢

チョッパー、後に語る
チ「男と女なんて第三者が『あなた達仲良いわねー。羨ましいー』って言っとけばお互い意識し合ってくっつくんだから。健康な男女ならなおさらね」

近所のおばさんみたいな言い分だが、ミョーに的を得ている

ここで里穂が
里「いいなーいいなー。あたしも彼氏欲しいー」

すかさずあおいが
あ「え?里穂好きな人いるの?誰よ誰よ?言いなさいよ」

一瞬里穂が赤くなり、こっちを見たような気がしたがすぐに誤解であることに気付く

先「席に付けー ホームルーム始めるぞー」

と俺の後ろにある教室のドアをガラッと開けたのに反応したんだ

ちょっと残念?拍子抜け?したのを覚えてる



そして

放課後になり、いつもの時間

いつもの帰り道


事件は起こる



No.5 22/02/15 21:02
匿名さん0 ( ♂ )

その日も帰り道途中の公園でひとしきり盛り上がった後に

ジ「おっ。こんな時間か。あのドラマ始まるから俺帰るわーおつかれー」
あ「そうだね。じゃみんなまた明日ねーばいばーい」

みんなは三々五々に散っていく

俺と里穂は同じ帰り道

夜の暗い道をふたりで歩く


そしてお互いの家近くの商店街に差し掛かった頃、

里穂の足がピタリと止まる



No.6 22/02/15 21:06
匿名さん0 ( ♂ )

里穂は一点をじっと見ていた


里穂の目線の先には


中年の男女カップルらしきふたり



俺「えっ」








その中年の男は紛れもない里穂の親父さんだった

女の方は俺は知らない

ふたりは腕を組んでゆっくりと歩いていた

No.7 22/02/15 21:11
匿名さん0 ( ♂ )

不倫…………

考えたくなかったが疑いようのない光景だった

幼い頃から俺を可愛がってくれたあのおじさんが今目の前で家族を裏切ってる


ショックだった


はっと我に返り里穂を見る


生気のない顔で呆然としてた

No.8 22/02/15 21:32
匿名さん0 ( ♂ )

里穂は力ない笑顔で震えながら話し出した

里「あはは。やっぱりね。お父さんなんかおかしかったもん。毎日帰り遅かったし」

俺「里穂…
おばさんは知ってるのか?その…」

里「よく分からないけど…
夫婦だから薄々は勘づいてるんじゃない?」

俺「そうだよな…」

こんな時俺は里穂になんて声を掛けたらいいのか分からない

里「………ねえ。俺君
あたし………どうしたらいいかな……」

俺「まだハッキリと浮気って決まったわけじゃないだろ?女の人とただ歩いてただけだし」

里「腕組んでたよ?それに見つめあってた」

俺「………もしもそうだったとしたら
里穂はどうするの?」

里「…わかんないよ、、、わかんないよ」

普段気の強い里穂がものすごく小さく見える

ちいさい頃からずっと一緒にいた女の子
この子を守ってやれるのは俺しかいない!
と、まだ高校生のガキだったが激しい決意を固めた瞬間だった

No.9 22/02/15 21:43
匿名さん0 ( ♂ )

俺「とにかく辛いだろうけど家に帰ろう。何かあったら力になる。いつでも電話してこい。家に居たくないのなら俺んちに来い」

里「うんありがとう。でも家のことで迷惑かけれないし
何かあったら言うね」

そう言って帰路につく里穂の足は震えていた
大人の勝手な行動でいつも傷つくのは残された子供だ
もしも本当に浮気なら俺はおじさんを絶対に許さない
こんないい子をこんなに不安にさせるなんて

No.10 22/02/15 21:51
匿名さん0 ( ♂ )

家に帰り、俺はメシも食わずに部屋のベッドに寝転んだ

里穂の事を考えていた

もしも両親が離婚することになったら里穂はどうなる?
おばさんが里穂を引き取ることになったら?
引越し?
どこへ?
転校?
離ればなれ?
あの里穂と?

悪い方ばかりへと思考は傾いていく

突然

ピロロロロロロロロロ♪



一本の電話が鳴り響く

そしてこの電話がまたも予想外の方向へと誘う



本日終了します
続きはまたノシ

No.11 22/02/16 07:13
匿名さん0 ( ♂ )

まさか里穂の家になにかあったか?
いや、だったら携帯の方に掛けてくるはず
そんなことを思いながら電話を取る
俺「はいもしもし」
あ「あたし、あおいー」
俺「おー、どした?てかなんで家の電話に掛けてんの?」
あ「ああ、そっか。携帯にかけ直す」
この天然ぶりである

•*¨*•.¸¸♬︎ ピッ
俺「で?なんだよ」
あ「んーべつに。ちょっと声聞きたくなって」
俺「なんだそりゃ。さっきまであんなに喋ってただろ。」
あ「なにしてたのよ
俺「ん?んー…ちょっと考え事」
あ「誰よその女!聞いてないんだけど?」
俺「女の事なんて言ってないだろうが!」
あ「俺君の事はわかるのよ。すぐ話し方に出るんだから。それで?どういう女なの」

神かこいつは?


No.12 22/02/16 08:03
匿名さん0 ( ♂ )

俺「かなわないなあおいには」
あ「あたしというものがありながら他の女の事を考えるとはどういうことなのかね?説明したまえ」

どうするか迷った
ほんの少し前の出来事だから言ったとしてもうまく説明できる自信はなかった
俺は

俺「あー………里穂の事なんだ」

発したと同時にそれまで調子よく喋ってたあおいが一瞬無言になる

あ「なに?好きになった?」
俺「どどどどあほ。んなわけあるか!」
あ「わかりやすっ‪w。どどどどあほだって。そんなテンプレ本当に言う人いるんだねー」
俺「いやほんとにそんなのじゃないんだよ。
俺の口からは言いにくい事で、俺自身もまだうまく話せるとは思えないから」

事態を察したあおいがそれまでのトーンを改める

あ「……なにかあったんだね
あんまり考えこんで体壊さないでよ?
時期が来たらそれとなく話してくれる?」

当たり障りのない優しい口調と言葉であおいが気を使ってくれてるのがわかる

俺「わかった。その時がきたら話すよ。あおいは優しいな」
あ「きゃー♡優しいって言われた!俺君好き!結婚してっ」
俺「はいはい、俺も11番目くらいに好きだよ」
あ「……チッ。だめだったか。じゃまたね、おやすみダーリン」
俺「あーおやすみ、ありがとな」

ピッ

で、結局あおいのやつは何の用だったんだ?



No.13 22/02/16 09:03
匿名さん0 ( ♂ )

次の日、里穂は学校に来なかった

あおいが心配そうに小声で俺に話しかけてくる

あ「心配だな…あの子普段からあんまりあたしに相談とかしないし、強そうに見えててもほんとはすごく繊細だし」


結局里穂はその日から一週間学校に姿を見せることはなかった

No.14 22/02/16 09:23
匿名さん0 ( ♂ )

さすがに心配になったある日の夜

俺は里穂の家の前にいた
子供の頃から何度も遊びに来た里穂の家だったが俺はインターホンを鳴らすのに戸惑ったが

思い切って押してみる

ピンポーン

「はい、どちら様でしょう?」
すぐにおばさんが応対してくれた

俺「おばさん、お久しぶりです俺です。里穂学校長いこと休んでて心配になって」
おば「お見舞いに来てくれたのね、ちょっと待ってて今開けるから」

程なくしてガチャりとドアが開く

おば「今あおいちゃんも来てくれてるのよ。2階に居るから行ってあげて。あの子何があったのかおばさんにも話してくれないの。俺君知らない?学校でなにかあったの?」

あおいが来てる?あいつも心配だったんだな
でもここでおばさんにあのことを言う訳にはいかない

俺「心当たりはあります。とにかく里穂と話がしたいです。お邪魔します」

No.15 22/02/16 09:34
匿名さん0 ( ♂ )

コンコン

里穂の部屋をノックすると

無言でドアが開く
あおいが開けてくれた

あ「あれ?俺君どうしたの?」
俺「さすがに心配でな。どう?里穂の様子は」
あ「うん、、、、落ち込んでる。だいたい聞いたよ」
俺「そう、、、
里穂?」

里穂の方を見ると里穂は酷くやつれていて、活発だった面影はそこにはなかった
そして消え入るような声で

里「2人とも心配して来てくれてありがとう。まだ気持ちの整理がつかないんだ。もうちょっと1人で考えさせて。お願い」

それから里穂が口を開くことは無かった

No.16 22/02/16 09:42
匿名さん0 ( ♂ )

あおいと里穂宅を出る

里穂のあんな姿を見るのは初めてだった
里穂は俺の前で悔し涙は見せても落ち込んだ姿は絶対に見せなかった
あそこまで里穂を追い詰めた親父さんを正直許すことができなかった

そんなことを考えながらあおいを家まで送っていた時、後ろから聞き覚えのある声がした

?「おー、俺君とあおいちゃんじゃないか」


里穂の親父さんだった

No.17 22/02/16 09:52
匿名さん0 ( ♂ )

親父さんに声をかけられ、あおいはどうしていいかわからずおどおどしてたように思う

親父「デートかい?里穂が見たら妬いちゃうねきっと」

などとデリカシーの欠けらも無いセリフを吐く
この人はどういうつもりでこんなことを言うんだろう?
自分の娘がてめぇの浮気が原因で痩せ細って飯も食えず心底落ち込んでるというのに
俺は顔面を蹴り上げてやろうかと腸が煮えくり返ってた

俺「おじさん。お話しがあります」


No.18 22/02/16 10:27
匿名さん0 ( ♂ )

親父「ん?どうしたね?」
俺「里穂の事でちょっと」
あ「ちょっと!俺君!!」
俺「いいんだあおい。もうこれ以上我慢できない」





俺は一切を親父さんにぶちまけた
親父さんは特に否定しなかった
そうか見られてたか程度だった

親父「里穂は知ってるのか」
俺「はい」
親父「落ち込んでたか」
俺「はい」
親父「最低な父親だな」
俺「はい」
親父「俺君もそう思うか?」
俺「はい」
親父「でもな俺君、君も大人になったら分かる。世の中にはどうしようも無い感情というのがあるんだ。私と彼女は決して不真面目な気持ちではない。真剣なんだ。結婚も視野に入れている」

この言葉に俺は何かが切れた

俺「ふざけんな!!!!
好きになったからどうしようも無いだと?
恋愛やってんじゃねえんだ!!!それで残されたあんたの家族はどうなる!!
真剣だって?だったら奥さんと別れてから付き合うのが筋だろ!!
大人ってワードを縦にしてもっともらしい言い訳してんじゃねえよ!!!!
里穂が、、、、、里穂があんなに、、、、元気だった里穂が、、、
あんなに里穂が好きだった家族を元に戻せ!!!!


………初めてだったんだよ
里穂が俺に『私、どうしたらいいかな』って泣き言言ったのは
里穂にもしもの事があったら俺はあんたを絶対に許さない
里穂は俺が守る」

まくし立てる俺をあおいはただ黙って見ていた



No.19 22/02/16 10:49
匿名さん0 ( ♂ )

親父「………………
そうだ。そうだな。君の言う通りだ。私は親として失格だ。家族にも本当の事を話そう」



そう言って親父さんは夜道を一人帰って行った


俺はしばらく放心状態でどのくらいそこにいたか思い出せない

誰もいない公園

全身の力が抜けその場にへたり込む

あ「俺君」

あおいは優しく声をかけてくれた

その声に緊張の糸が切れた俺は情けなくも泣いてしまう

俺「怖かった……里穂の親父さんに俺あんなこと、、、、
でも里穂が、、、里穂の為に俺が、、!」

そんな俺をあおいは優しく抱きしめてくる

あ「うん。よくがんばったね。すごくかっこよかった」

その言葉に安堵し俺は嗚咽混じりに声を上げてずっと泣いていた




高校一年生
初夏の出来事だった

No.20 22/02/16 20:08
匿名さん0 ( ♂ )

それからも里穂は学校に来なかった
メールしても返信が来ることは少なく、たまに返信が来ても
「だいじょぶ。ありがとう」
と絵文字も使う余裕のない文面
クラスでは色んな噂が立ち、その中にはどこで聞いたのか、両親が離婚するらしいからという事を話してる奴もいた
それを聞いた肉まんがスっと立ち上がり、邪推するな!と一喝
ガヤガヤしてた教室内が一気に静まり返った

俺は何度か里穂の家に行こうとしたが、里穂の心中を察すると来られても迷惑なだけだろうと思い行けずにいた
ジャッキーの提案で里穂に励ましの寄せ書きを贈ろう!ってなった時に家のポストまで行ったことが一度だけあった

No.21 22/02/16 20:14
匿名さん0 ( ♂ )

その間俺たちは学校で里穂を除く五人で固まるもなにか火の消えたような雰囲気
チョッパーが
「今日も公園行かないの?」って言ってきた日があったが、正直そんな気分にはまったくなれず、次第に放課後の談笑は無くなっていった

No.22 22/02/16 20:29
匿名さん0 ( ♂ )

そんな中で俺とあおいは毎夜電話することが多くなった
放課後の談笑が無くなっていたし、何よりあおいと話してたら心が休まる感じがしてた
お互い里穂の事が心配で雑談どころじゃないってのはわかっていたけど、不謹慎だがあおいと話していると少しだけ里穂の事が和らぐ
あの親父さんとの一件から、自分の弱さを見せた相手として心境の変化があったのかもしれない
気になってたのは、それまで好き好き愛してるなんて冗談で連発してたあおいがまったくそれを言わなくなった事だ


No.23 22/02/16 20:53
匿名さん0 ( ♂ )

1ヶ月が過ぎたある日曜日の朝
里穂からメールが届く

「長い間ご心配お掛けしました。気持ちの整理がついたので明日から学校行きます」

俺はそれまで寝てた頭をフル稼働させたつもりだったが、なぜかリビングに降りて食パンをかじりながら歯を磨こうとしていた
はっと我に返り、2〜3分うろうろしてから
そうだ。あおいに電話電話…っと


あ「うがああああ」
俺「あおい!起きろー!」
あ「なんやねん!まだ9時やぞ!」
俺「里穂からメールきた!明日から学校来るって!」
あ「ほ、ほんまか!?やったわよーうれしいわよー」
俺「……喋り方‪w」
あ「おめでとうミシェル。(意味不)それを祝して今日はお祝いおデートというのはどうかしら」
俺「デート?誰と誰が?」
あ「あなたとそしてわたくし」

突然の事で俺の心臓は鼓動の変化についていけない

No.24 22/02/16 21:28
匿名さん0 ( ♂ )

俺は天にも登る気持ちを抑えつつ

俺「ええー。あおいとかよー。どこいくんだよ」
あ「お肉屋さんのコロッケが食べたい。俺君のおごりで」
俺「ズコー。なんだよ昼メシくらいおごるからもっと別のとこ行こうよ」
あ「ううん。あそこがいいの。お願い連れてって」

それまで足早だった鼓動が更に早くなった
悟られまいと必死でごまかす

俺「じゃ10分後に駅前集合な。遅れんなよ」
あ「あら女の子には準備というものががざいましてよ?おしゃれしなきゃいけないんですものふふふ」
俺「コロッケ買うのにおしゃれってどういうことや」
あ「だって…。久しぶりにいつもの俺君と会えるんだもん」

こいつはなんでこうもドキドキすることばっかり言うんだ?

俺「わかったよ。じゃ11時な」
あ「はーい。おみやげ忘れないでねー」

こうしてこの日、あおいとの予期せぬデートが決まった

No.25 22/02/18 02:13
匿名さん0 ( ♂ )

そう言えばあおいと二人っきりで出かけるのは初めてだな
俺は30分前に待ち合わせ場所についてドキドキしながらそんなことを考えてた
ダサい格好してないかなとか寝ぐせついてないかなとか
すると

あ「おっ来てたな」

いきなり後ろからあおいが現れた
振り向くと薄い水色のワンピースを来ためちゃくちゃかわいいあおいがにこにこしながら手を振ってた
やばい
かわいすぎてまともに見れない

あ「ん?ん?」

そういってあおいは俺の顔を斜め下から覗き込む
俺は極力普段の感じを装ったが話し方はしどろもどろ
それを知ってか知らずかあおいは

あ「ふふふ。どう?かわいい?」

くそっ
完全に主導権を握られてる
あおいの方が一枚上手だ

あ「あのね、欲しいコミックがあるの。本屋さん行こっ」

俺の服のそでを引っ張りながらくるっと反転し、肩まであるちょっと長い髪をふわっとさせると
すごくいい香りがする…

つーかなに?
なんかいつもとちがうぞ?こいつ
こんなに女の子だっけ?

No.26 22/02/18 02:33
匿名さん0 ( ♂ )

道中、なんかいつもと違うあおいに俺は常にドキドキしてた
小物を見てはしゃぐ姿や、3万もする巨大なぬいぐるみを買って買ってと駄々をこねる姿とか
こいつこんなんだっけ?と思わせる仕草等を見ることができた

あ「あっ。ソフトクリーム!」
俺「おー。買おっか?何がいい?」
あ「あたしチョコミントー」
俺「‪w ふ、服の色に合わせてるのか?‪w」
あ「あ💢?だったらてめーの服の色グレーだから黒ごま食わすぞ」

たまに口が悪くなるといつものあおいに戻ったみたいでなんかほっとする


No.27 22/02/18 02:52
匿名さん0 ( ♂ )

目的の本屋に到着
あおいは少々コミックの新刊が欲しかったらしくて4、5冊購入してた
余談だがそこの本屋でA男とB子にあった
仲良く腕を組んでぺちゃくちゃ喋ってる二人を見てたらあおいが支払いを済ませて戻って来てて
「羨ましそうに見てるー‪w‪w‪w」
って言われてちょっと恥ずかしかった

俺「それはそうとそろそろお腹空かないか?」
あ「おっいいねえ。いよいよ例のやつっすか」
俺「久しぶりだなあの店も」
あ「今日は俺君のおごりだしいくらでも食べれそう」
俺「ははは。店のコロッケ全部食べていいぞ。明日の顔面が楽しみだがなくっくっくっ」
あ「言ったね?ほんとにやるよ?
こっからここまで買いってやつ一度やってみたかったんだよねー」

舌をぺろぺろしながらそんなことを言いだす
ヘビかこいつは


No.28 22/02/18 03:14
匿名さん0 ( ♂ )

「あらー久しぶりねえ」

肉屋のおばちゃんが出迎えてくれる
と同時になんかにやにや

「いいねえ。今日は二人でお出かけなのね」
俺「いや、その」
あ「おばちゃーん!久しぶりー。元気してたー?」
「あらあおいちゃんなの?今日はずいぶん雰囲気が違うねえ。大好きな彼氏とデートだからかしら?」

みるみるあおいは顔から耳まで真っ赤になっていく

俺「おばちゃん!」
「‪w‪w‪w ごめんごめん。で?いつものコロッケでいいの?」
俺「いや、あおいが一度やってみたいことがあるっていうんで。ほら、あおい。やっちまえ」
あ「………ソンナニタベレナイモン」
俺「はあ?????
しょうがねえなー。じゃいつものコロッケとあとポテトね」


No.29 22/02/18 03:38
匿名さん0 ( ♂ )

「おまたせー
ごめんねなんか余計なこと言っちゃって。はい、これおまけ」

俺たちはおばちゃんにお礼を言い、あの公園へ向かう
ベンチよりも芝生に座りたいというあおいのたっての希望から、適当な場所に座りこみ、二人で久しぶりのあの味を堪能する

俺「あー。やっぱうまいわー」
あ「うん、おばちゃんも変わりなさそうでよかった
知ってる?肉まん毎日このコロッケ買いに行ってるんだよ」
俺「げ。まじ?朝から肉まん食べて10時に購買でパン買って食べて昼にどデカ弁当食べてそれからコロッケ食べて晩飯も人の3倍くらい食うんだろ?あいつ一日2万カロリーぐらいとってるんじゃね?すげえよなあ」
あ「むっ。あたしだって食べようと思えばそのくらい食べれるよっ!
さっきだっておばちゃんがあんなこと言わなかったら店の商品コンプしてやったのにっ」

どうやら肉まんに謎の対抗意識を燃やしてるご様子




あ「里穂ともまたここで……
一緒に食べれるよね…………?」
俺「何言ってんだよ。できるに決まってるだろ」
あ「そうだよね。そうなるといいね……」


この言葉の本当の意味を俺が気付くのはずっと後の事だった


No.30 22/02/18 03:59
匿名さん0 ( ♂ )

ひとしきり食べた後、ジャッキーの事とかチョッパーの事とかを笑い転げながら話してる
途中で買ったドリンクを俺が飲んでると

あ「そっちのやつ美味しい?ちょっとひと口ちょうだい」

って無理やり奪ってきた
あっけにとられて見てると

あ「あたしのも飲んでみる?」

とか何気ない顔で言ってきた
さっきはあんなに顔真っ赤にして照れてたのになんでいきなりこんな大胆な事ができるんだ?
あおい、、いや女の子という生き物が俺には分からない

No.31 22/02/18 04:05
匿名さん0 ( ♂ )

ジャッキーってああ見えて実はマザコンなんだぞ
とか
チョッパーってああ見えて実はおばちゃんなんだよ
とか
肉まんってああ見えて実は痩せるとかなりイケメンなんだぞ
とか
楽しい話は永遠に尽きなかった
けど俺が里穂の名前を出すと一瞬無言になる
こいつなりにまだ里穂の心配してるんだろうなきっと

No.32 22/02/18 04:28
匿名さん0 ( ♂ )

いつの間にか周りはオレンジ色に染まり、公園の時計は午後6時を過ぎていた

俺「あおいと話してると時間が過ぎるのが早いなあ。もうこんな時間だよ」
あ「ほんとだね。いくら喋っても喋り足りない感じだよ」
俺「じゃ暗くなるし帰ろ」


あ「俺君…
あのね」


俺「…ん」


あ「あ、あの…
今日はありがとう」

俺「なんだよ改まって」

あ「久しぶりにいつもの俺君と話せた
今とっても幸せ」

なんだ?この展開は
これはまさか
俺は一瞬チョッパーの何気ない言葉を思い出した
『男と女なんて第三者の一言でお互い意識してその気になる』
肉屋のおばちゃんの一言が俺たちをそうさせたって言うのか?
けど次にあおいから出た言葉はそうではなかった

あ「またみんなで来ようね」


No.33 22/02/18 06:55
匿名さん0 ( ♂ )

あ「俺君。
今日ね、あたし誕生日だったの」
俺「え、えええええ???」
あ「おめでとうは?」
俺「あ、あ、あ、お、おめおめおめ」
あ「それでね、朝俺君から電話来た時まさかって思ったの。だって俺君に言ってなかったでしょあたしの誕生日」
俺「うん、、知らなかった」
あ「だからどこかで調べてくれたんだー!ってちょっと期待したの。でもそれが里穂の事で、あたしも嬉しくなって誕生日なんかどうでも良くなって」
俺「」
あ「電話の俺君の声、それまでと違ってすごく嬉しそうで。そんな俺君と誕生日一緒に過ごしたいって思ったら思わずデート誘っちゃった」
俺「ごめんな。俺知らなくて、、
あ、プレゼント、、、俺何にも用意してない、、」

あおいはなんとも形容し難いくらいの優しい笑みでキュッと俺の手を握り

あ「いいの。最高のプレゼント貰えた
いつもの俺君といつもの場所でいつものコロッケ食べていつもの時間過ごせた。素敵なプレゼントだよ」
俺「」
あ「ほんとはね、すごく怖かったんだよデート誘う時。泣きそうだったんだから!女の子に言わせんじゃないわよばか!」
俺「ぐうっ」

軽く腹パンされる
いいムードに持っていきたいのかコントしたいのかよく分からない
しかしいきなりの事に戸惑った俺に気を使ってくれるあおいの優しさは痛いほど伝わる
正直この腹パンで救われた感は大いにある
あおいも多分それは分かってた

No.34 22/02/18 16:44
匿名さん0 ( ♂ )

あおいを家まで送り、自室に戻った俺はあおいの事ばかり考えていた
そう言えば里穂以外の女の子と二人で出かけたのは初めてだ
明日からは里穂も学校に戻ってくるし、また楽しい生活になりそうだ
そうだ。明日の朝は里穂の家まで迎えに行こう



•*¨*•.¸¸♬︎ピロリン

メール?あおいか?

携帯を開くと


なんだよチョッパーかよ
と少しガックリ
すまんチョッパーよ
そんな意味じゃないんだ




:件名ヒューヒュー☆彡
差出人チョッパー
本文 あおいと二人でどこいったのお( ・∀・) ニヤニヤ
ネタはあがっとるんや!洗いざらい吐けーヽ(`Д´)ノ


は?なんで知ってんだこいつ!


:件名Reヒューヒュー☆彡
差出人 俺
本文 なんの事かわかりませんな


:件名ReReヒューヒュー☆彡
差出人チョッパー
本文 けっ( ゚д゚)とぼけやがるか
明日たっぷり尋問してやるからな
(´ー∀ー`)



いかん!
こいつの手にかかればものの数分で学校中はおろか町内全域にまで噂が広まる
事実だけなら別に俺は構わないがきっとこいつの事だ
あることないこと吹聴してまわるに違いない
それだけは断固阻止せねば

No.35 22/02/18 16:55
匿名さん0 ( ♂ )

次の日
里穂宅前
玄関前の道路でそわそわして20分
インターホンを押せばいいじゃないかと何度も葛藤するも
押せないヘタレな自分が情けない


30分

40分

里穂は出てこない

遅刻しそう

えーいままよ!とインターホンを連打

里穂ママ「ずいぶん前に出かけたけど?」

しまった!
不意打ちとは卑怯な!

短い足で顔を横にブルンブルン振り乱しながら全速力で学校にたどり着く

結果、遅刻

No.36 22/02/18 17:13
匿名さん0 ( ♂ )

里穂は教室にいた
昨日のメールで知ってたけどなんかほっとする
いつメン4人に囲まれ楽しそうに笑ってる


里「俺君〜。遅い〜」
俺「誰のおかげで遅刻したとおもってんだ!」
里「誰のせいよ」
俺「自分の胸に手を当てて考えろ!」
里「はて?」
俺「まだへりくつ言うか!この口か!この口かー!!」
里「きゃージャッキー助けてー
俺君がいじめるー」
ジ「どうせ一緒に登校しようって里穂ん家の前で勝手に待ってたんだろ」
俺「ぐっ まあそうだが」
肉「里穂。肉まん食え」
里「いらない。えーそうだったのー?言ってくれればよかったのにー。待ってたの?」
肉「チョッパー肉まん食え」
チョッパー「いらね」
俺「40分待ちました。」
里「ばーかばーか‪w‪w‪wふつう待つかねそんなに‪w‪w」



なんとも微笑ましい会話だった
里穂がいることで一気に花が咲いたみたい
いや、この中の誰か一人かけてもそうなるに違いない
改めて仲間の大切さを知った日だった

No.37 22/02/18 17:40
匿名さん0 ( ♂ )

昼休み
里穂を囲んでの昼食
相変わらず肉まんはブモーブモーと猛牛の如くかっ食らってる
そこへチョッパー登場

チ「さて。どういうことが説明してもらおうかお二人さん」

俺とあおいを見ながら勝ち誇ったように言う

あかーん!!
完璧に忘れていた!

あ「え?なにが?」
チ「君までとぼけるのかね?昨日は内緒で何してたんだい?ほらほら」
あ「なにって別に、、、
コロッケ買って公園で話してただけだよ?」
肉「コロッケーー!!てめえらふざけんな!!!!」

明らかに一人だけ違うことに憤怒している
その時、ジャッキーは黙々とえのきベーコンを食べていた
左利き

俺「そうさ。コロッケなだけさ」
チ「ふうん。みんなに内緒でねえ
( ≖_≖​ )」
俺「なんだその顔は」
あ「ほんとだよっ。最近公園行ってなかったから急に行きたくなっただけ」
チ「あ、そう。ところであおい。誕生日おめでとう」
あ「あ、うん。ありがと」

チョッパーにやにや

チ「公園でいい雰囲気だったみたいだねぇええええ」

ぶほっ
どこまで知ってんだ
まさか見てたんじゃねえだろうな

No.38 22/02/18 17:56
匿名さん0 ( ♂ )

焦って里穂の方を見る
里穂は肉まんとコロッケの話題で盛り上がってるようだ

ジ「ゴチソウサマデシタ(深々と一礼)
ところで人の事よりチョッパーはいないのか?休みの日に一緒に出掛ける相手」

なんてナイスなジャッキー💓

チ「うるせえ。イワすぞ」

震えるジャッキーの横で里穂が不機嫌そうな顔をしてた
ちょっと怒ってる?

里「もういいじゃない。それより誰か肉まんを止めて
今からコロッケ買いに行くから早退するって聞かないの」
肉「ブフーブフー」



No.39 22/02/18 18:03
匿名さん0 ( ♂ )

チ「あっ、今日はそしたらあそこ行く?久しぶりだもんねー」

里穂がちょっと困ったように首をかしげて、両手を合わせてごめんの仕草をする

里「ごめんだけど。まだ家の中がバタバタしてて。落ち着いたら必ず行くから。それまであたし抜きでお願いできる?」
チ「えー、里穂来れないのー」
あ「仕方ないよ。いつでも待ってるからね里穂。無理しないで」
里「ほんとゴメン、助かる」


No.40 22/02/18 18:05
匿名さん0 ( ♂ )

お昼休みも終わり、五時限目の授業中

後ろから紙切れが回ってきた
里穂からだ

里「俺君に話があります。放課後時間作れますか?」


No.41 22/02/18 23:05
匿名さん0 ( ♂ )

その日の朝からなんか違和感みたいなものを感じていたが、この手紙を見て俺は確信した
里穂は何か悲しいことを隠して無理して必死に笑ってる
普段通り振舞ってたように見えたが空回りしてる感がある
子供の頃からそうだ
誰にも言えずに自分一人で溜め込む
小学校の頃そんな里穂を見かねて言ったことがある

俺「俺は里穂になんでも言ってるよ。母ちゃんに怒られたとき、本当は違うんだけど分かってくれなかった事とか、スカートめくりしたの俺じゃないのに先生にすごく怒られた事とか。それ言った時里穂凄い怒って母ちゃんと先生に言って助けてくれたよ?。なのに里穂は全然俺に泣き言言わない。俺だって里穂を助けたいんだ」

この事があっても余程のことがない限り里穂は助けを求めなかった
そんな里穂を見てるのが俺は心底悔しくて
気付いてあげれない、何も出来ない自分が情けなかった



No.42 22/02/18 23:22
匿名さん0 ( ♂ )

逆に何も言わないからこそ気付いてあげれる事に気が付いたのはその後すぐ
きっとこの頃からだったと思う
里穂を守れるのは俺だけだって思い始めたのは

今里穂は窮地に立たされてる
自分じゃどうしようもない、気持ちの整理が着いたとはいってもまだ決めかねてる
俺を頼ってるんだ


No.43 22/02/18 23:43
匿名さん0 ( ♂ )

俺は手紙を里穂に返した

「二人だけで話そう。俺の家に来い。学校じゃダメだ」

後ろの席を振り向くと里穂はほっとした表情をして両手で小さくOKのサインをだした



さて、問題はあいつらをどう説得するか
いづれ分かることとは言っても今はまだ公には出来ない
力になりたいという気持ちはあいつらだって同じだろう
しかし里穂の事を考えると時期尚早だ

そして放課後

授業中にそんな事を悩んだが結局答えは出ず、俺はごり押す事に

俺「あーすまん。宿題あるから先帰るわー」

No.44 22/02/19 00:04
匿名さん0 ( ♂ )

全員ポカーン

ジ「あ?宿題だ?」
あ「、、、、、あっ」
チ「事件のにおいがするわ……!」
肉「ジャッキーなんか食いもんくれ」
里「じゃあたしも帰るね。肉屋のおばちゃんによろしくー」



俺は心の中でみんなに謝罪しながら途中で里穂と落ち合い、自分の家へと向かう

No.45 22/02/19 21:51
匿名さん0 ( ♂ )

道中でも悪い方にばっかり考えてしまう自分が嫌になる
無理して明るく振る舞うって事は悲しい結末の裏返しなのではないか?
里穂の両親の事は残念だが俺にはどうすることもできない
あまりにも無力だ
里穂の為とはいえ親父さんを焚き付けたのは他でもない俺だ
あの時の行動は間違っていたのだろうか
俺が親父さんにあんな事を言わなかったら里穂も苦しむことはなかった
そもそも里穂の両親の事はどうすることもできないといいながら、他人である夫婦間の事に首を突っ込んでる
そんな権利はどこにも無いはずだ



、、、、いや違う!
そうじゃない
権利を主張するなら俺と里穂の幼なじみという権利はどうなる?

、、、それもなんか違うな
権利とかそういう事じゃない
里穂なんだ
俺はただ里穂と一緒にいたいだけなんだよ



この前まで中坊だった俺が幼い頭で精一杯大切な女の子の事を考えていた


No.46 22/02/19 22:00
匿名さん0 ( ♂ )

俺宅に到着し、自室のドアに手をかけた時に

里「ボリボリボリ」
俺「は?」
里「むほ?ふっひーはべりゅ?」
俺「は?」

里穂はもごもごしながらどこから出したのかクッキーを俺に差し出す
大好きなアイスボックスのクッキーだ

俺「あ、ああさんきゅ。お茶持ってくるから入ってな」
里「ふん。はりはと」



No.47 22/02/19 22:12
匿名さん0 ( ♂ )

なんか思ってた感じと違うな…
もっと涙ながらに訴えてくる状況を予想してたんですけど

俺は母親に紅茶とコーヒーを頼み再び自室へ戻る

里穂はベッドに深く腰掛けて両足をぶらんぶらんさせながらクッキーを頬張っている

10分ぐらい沈黙が流れたようだったが実際には30秒程度の静寂

里穂の性格からしてこういう時は俺が先に喋ると機嫌が悪くなる
里穂曰く、タイミングと間を計算してるからその腰を折らないでとの理由

やがて


里「うちねえ
やっぱ離婚するんだって」


No.48 22/02/19 22:35
匿名さん0 ( ♂ )

俺「、、、あ、ああ」

里「それでね、お母さん田舎のじいじんとこ行くの」

その先を聞くのがめちゃめちゃ怖かったが、構わず里穂は続けた

里「お母さん、あたしも一緒に行こうって」

目の前が真っ暗だった
目の前が真っ暗になる事ってほんとにあるんだな
恐れてた最悪な結末が唐突に来たって感じだった

里「ほら、もうす…………」
俺「だめだって!!!!!
平気なのか里穂は!!!
そんな簡単にさよならできるのか!!!」

寂しさだったのか悔しさだったのか
俺は知らないうちに目が潤んでた

俺「俺はいやだ!!!!!」

叫んだことで無意識に涙腺が崩れた
いつから俺はこんな泣き虫になったんだろう
わーわーと泣き散らす俺を見て

里「‪w‪w‪w‪w‪w‪w‪w‪w‪w‪w‪w‪w」

はい?

里「泣きすぎ‪w‪w‪w‪w‪wちゃんと聞かんかい‪。もうすぐ夏休みだからね、あたしもじいじの所に行くのっ。もちろん夏休みの間だけね?すぐ戻ってくるよ‪w」

俺ボーゼン( ˙ㅿ˙ )

No.49 22/02/19 22:50
匿名さん0 ( ♂ )

里「でもお母さんは向こうで仕事探して向こうにそのまま住むって。でもあたしこの街離れたくなかったのね?そしたらおじさんとこに相談したから高校卒業するまでお世話になりなさいって。おじさんとこ子供いないからすごく喜んでくれてて」

俺「あっ。、、、、そう」

里「隣町だからもちろん通学は不便だけど。俺君時々送ってくれるよね?くれるよね?」

俺「は、はははははは」

里「淡々と話してるけどそんな簡単なもんじゃなかったんだよ?子供と離れて暮らすお母さんの気持ちもわかったし、あたしだって一緒に暮らしたかったよ。でもお母さん日曜日は少し遠いけど毎週来てくれるんだって」

俺「プルプルプル:(;゙゚'ω゚'):」

里「で?さっきのわぁーわぁーわぁー!うえええん!!ってのはなんだったのかな?ん?」

俺「ワナワナ……………」

里「ん?ん?」

俺「まぎらわしいんじゃーーー!ぼけーーーーー!!!」

No.50 22/02/19 23:22
匿名さん0 ( ♂ )

里「‪w‪w‪w‪w‪w‪w‪wあーウケるーー‪w‪w
俺はいやだ!!!
からの
行かないでえぇぇーー!わぁーわぁー!だったっけ?‪w‪w‪w‪w
じいじの所くらい遊び行かせろっつうんだよケラケラケラ」

俺「行かないでとは言ってない!」

俺は恥ずかしさと安堵感で顔を下げずにはいられなかった
極度の安心感が襲ってきてほっとすると同時にまた目頭が熱くなる感覚を覚える
なんだ、さよならじゃなかったんだ
これから3年間里穂と一緒にいられるんだ
これまで当たり前のようにそばにいた里穂
里穂がいない日常なんて考えたこともないくらい当たり前だった
その当たり前はこれからも続くんだ


不意にギシッとベッドがきしむ音がする


その音にゆっくり顔を上げると



里穂の顔のどアップが目の前



極々小さい声で



里「ありがとっ」


例えようのないくらい柔らかい里穂の唇が俺の口をふさぐ


クッキーの甘い味だったりシャンプーのいい香りだったり女の子独自の甘い香りだったりもう訳分からん状態

時間にして10秒くらいだったろうか


スっと里穂が離れたかと思うと


里「……………約束。
やっと果たせたっ///」

そう言ってカバンをとって

里「じゃね。ばいばい」


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