ペガサス

レス20 HIT数 1274 あ+ あ-


2019/01/27 14:48(更新日時)

日本のある町。
ツカ、ツカ、ツカ。
ブツ、ブツ、ブツ……。

1人の巨体な男が歩いていた。

「ドカ!」

誰かに足を掛けられ、巨体の男は転びそうになる。

やがて、足を掛けた1人の男が言う。
「よう、アレク。お前こないだ、2人の奴をボコボコにしたろ?彼奴ら、まだ意識がねぇんだよ!!よくもやりやがったな!」

やがて、巨体の男……アレクは言う。
アレクに話しかけた男、そして、もう1人の男が居る事を確認しながら。

「……なんだ?お前らの仲間か?」と。

190センチあるアレクからしたら、小さく2人の男が見える。

「仇を取りに来たぜ、ア……」
全部言う前に、1人の男はアレクの蹴りを喰らい、顔面に直撃し、そのまま、意識を失い、倒れた。
「ほぅほぅ、仇か。残念だな俺も今お前らと同じ気分だった」と、アレクはニヤリと笑い、言う。

1人になった男は、ガクガク震えて言う。
「頼む……俺は、頼まれただけだ。止めてくれ。た、頼む……」と。
そして、アレクは微笑む。
「そ、そうなんだ。だから、許してくれ」男は後退りしながら、逃げようとした。
「でも、死ね!」と言った1秒もしたかしない内に、男の後頭部に蹴りを入れた。

2人の男が倒れているのを通行人は、「うわぁ!!アレクだ!また、人を殺してる!」と逃げ出す。

通りかかった警官がアレクを見かけ、「アレク!またお前か!?」と言い、アレクに手錠をかける。
そして、その警察は救急車を呼んだ。

そのまま、アレクは逆らわず、連れて行かれた。

No.2779197 (スレ作成日時)

投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.1

やがて、アレクは、カビの生えた牢獄に入れられた。
「お前は殺人犯だ。ここで大人しくするよう、町長からの指示だ」と警察が言う。


1時間後。
町長が来る。
「アレク!!これで何人目だ!?お前はこのままで良いのか!?」とアレクを目の前にして言った。
「ペっ!」とアレクは唾を町長の前に吐きかけた。

「何時までそうしている!?もうお前の知っている町じゃないんだぞ!?いい加減目を覚ませ!!」
すると、アレクは町長を睨み付け、こう言う。
「そんな事、お前が言える立場なのか!?お前は5年前、2人の人生を狂わせた!!それを棚に上げて、偉そうにしてるな!!俺は忘れない!あの悲惨な出来事を!!涙を流したあの子もな!」
「もう、終わった事だ。お前はお前で人生を楽しめ。もう良いだろう」
町長はそう言い残し、アレクから去って行った。

「ふざけんな。俺が忘れたら可哀想だ……カレン………」と、アレクは独り言を言い、寒い牢獄の真ん中にあぐらをかいていた。

No.2

>> 1 ある、遠く離れた国。

1人の黒い戦闘着をきた女性のスマホが鳴る。

「もしもし……あぁ、仕事か。悪いな。20日程空ける。ちょっと私の故郷に帰る。理由?いやいや、流石に故郷が愛しくなってね、済まない。じゃ」とその女性は、電話を切った。

女性……戦名キッズ、本名、琴美は、下を向く。

済まない……実は故郷が愛しいんじゃない。逆だ、壊しに行くんだ。

見てろよ、5年前のあの痛みがまだ残る……アレクに誓った通り、約束は守った。カレンお姉ちゃんが使えなかったこの、戦闘用銃を、今は自由に使える様になった!

あの町長を殺し、あの町を血で染めてやる。



こうして、キッズは外に出て、バイクと低空飛行出来る、バイク飛行に乗る。

この速度だと、1週間で町に着く。
時速300までは出せる。

楽しみにしてろよ。地獄を見せてやる……と思いながら、キッズはエンジンをかけて、飛ばした。

No.3

>> 2 1週間後。
キッズは、何気にバイクから降りて、辺りを見渡す。

そして、近くを歩いていると、男が声をかけられた。

「君、変わった服装だね。どう?お茶でも」

その言葉にキッズはニヤリとする。
「私を忘れたか?カレンお姉ちゃん……と言えば解るかな?アレクでも解るか?」と言うと、男はビクリと驚く。

「お前は……まさか、こ、琴美か?」と冷や汗をかきながら言う。
「その通り、地獄から帰って来た。アレクは何処だ?」
キッズは、薄ら笑いから一気に顔色を変え、睨み付けた。
「あ、アレクなら、ここから5キロ先の牢獄に入れられている……町長じゃないと解らない」
「解った。正直に話したから助けてやろう。行け」
キッズは男の尻を蹴りあげた。

そして、ふたたびバイクに乗り、町長の館を目指し、走らせた。

5年前と場所が変わってなければ………覚えている……と思いながら。

No.4

>> 3 町長の館。
やはり、5年前と変わってない。
この風景も、何もかも……。

そう思いながら、キッズは何時も仕事で使っている銃を持ち、中に入る。

「貴様!誰だ!?」
警備員数人、キッズを囲んだ。
「私はゼファーの傭兵部隊、部隊長、キッズだ。町長の所まで案内をお願いしたい」と、キッズは冷静に言った。
そして、部隊長の証を出した。
「ゼファーだと!?世界一の傭兵王国の部隊長が何故こんな小さな町へ?」
「本名は琴美だ。忘れたか?5年前のカレン殺人としてのこの町を。その殺人の町の町長と話したい。その罪を彼をゼファー部隊長である私が裁きに来た。安心しろ、殺したりはしない。アレクと話したいだけだ。その居場所を聞くために来た」
「琴美!?まさか、お前が……」
「早く町長の所へ案内しろ。私は気が短い。本当に殺されたくなかったらな」
銃を1人の警備員の頭に突き付けた。
「……解った。案内する着いてこい」

こうして、キッズは銃を下ろした。

No.5

>> 4 「!?この女は?」
いきなり入って来た警備員の1人と、キッズで町長は驚いていた。
「琴美です。カレンの事故死で此処から離れて、今来たそうです。彼女は今、ゼファーから戻られました」
警備員の1人が言うと、町長は驚いていた。
「貴女が琴美!?信じられん。あの長かった髪もショートだし、赤いコンタクトも、黒い戦闘着も……本当に琴美なのか?」
「何度説明すれば良い?今はゼファーの傭兵だ。アレクがこっちの牢に入れられている様だな。話したい。案内しろ。それから、貴様の様な汚い奴が私の本名を言うな。今はキッズだ」
睨み付けながらキッズは言った。
「案内するのは構わない。俺に何かしらの思いがあって、わざわざ俺の所へ来たんだろう、キッズ」
「随分、あのマヌケから成長したな。カレンお姉ちゃんの命を奪ったのは、お前の管理が悪かったのを反省したか?まぁいい、私の本当の目的は少しこの町の空気でも吸ってからにしよう。とにかく、アレクに会わせろ」
キッズはニヤリと笑った。

No.6

>> 5 「暗く、汚いな。カビまで生えている。何故アレクを此処に入れた?私と同じ、アレクも被害者だろ?」

牢獄の通路を歩きながらキッズは、町長に問いかけた。

「アレクは5年前に3人殺している。これでも、最善を尽くした」

町長の言葉にキッズは爆笑していた。
「良く言うな?そうさせたのは、この腐った町の奴等全員だろ?そんな人殺しまで追い詰めた奴等が自由に生活し、追い詰められたアレクを牢獄か?変わってないな。お前も町もな」
「……」
町長はそれ以上は口を開く事はなかった。
やがて、アレクの元へ辿り着いた。

そして、先程よりキッズは大笑いしていた。
「情けないな、アレク。5年ぶりの再会で、牢屋か?」
「お前は?……まさか………」
「そうだよ。琴美だよ、町長さんよ、外してくれ。2人で話がしたい」
町長は、黙って去って行った。
「5年間ゼファーに居たのか?琴美」
「あぁ、そうだ。まぁ、話はこの牢獄から出た後だ。どうする?出るか??私はあらゆる鍵を開けるマスターキーを持っている。出るのは可能だ。警備員や町長が止めても、ゼファーの部隊長である私には手出しも出来ないだろう。どうする?出るか?」
アレクは頷いた。
「お前の再会は本当に嬉しいぜ。まさか生きていたとは」と言いながら。

こうして、アレクとキッズは外に出れた。

No.7

>> 6 キッズは、アレクを後ろに乗せ、町の中央の時計台にバイクを止めた。

そして、キッズはアレクに言った。
「降りて、アレク、ストレス溜まっているだろ?こんな腐った町のバカ共を相手にしていても、余計にムシャクシャするだけ、どうだ?喧嘩しないか?」
と微笑んでいた。

アレクは驚き、「喧嘩!?琴美、お前が喧嘩出来るのか?それに、お前相手は、殴る気にはなれない」と言った。

「お前は甘いなアレク。今のままの貴方なら、5年前みたいにまた悲劇を呼ぶよ?悪いのは悪い。そう思わなき駄目だし、私はゼファーの傭兵部隊長だよ?安心して、本気で来なよ」と優しくキッズは言った。

「………解った。武器は使わない方が良いか?」
「私のは銃だから使えないけど、アレクは自由に使いな」

こうして、喧嘩が始まった。

まず、仕掛けてきたのはアレクだった。

警棒で、キッズの頭を狙った。
素早い動きを正確に見抜いたキッズは、頭上で警棒を両手で掴み、そのままアレクに突き出した。

アレクの額に突き出された警棒に当たり、額から血が流れる。

「面白いな!琴美!!ハハハ!こんなに楽しいのは初めてだ!」
アレクは喜びながら、今度は、拳をキッズの顔面を狙った。

そのまま、キッズは拳を片手で止めた。


2人の喧嘩に、既に多数の人達が賑わっていた。
「あれ、ストリートファイターって云うんだよな?面白いぜ!!」と言う者や、「2人とも、やっちまえ!」等の声援が飛び交う。

余りにうるさい声援にキッズは嫌気が差した。

「待て、アレク。うるさいバカ共が来た、帰るぞ」と迷惑そうにキッズは言った。
「確かにうるさいな。これじゃ、喧嘩にならん」とアレクは頷く。

「アレク、お前の家に泊まりたい。5年前のあの家で良いか?」
「間違いないよ」
アレクの言葉を最後に、アレクを乗せたバイクはアレクの家に向かった。

No.8

>> 7 夜。
「風呂気持ち良かったよ」
キッズは既にコンタクトを外して、普通のブラウンの瞳に変わっていた。
「琴美、俺の久々の料理は美味しかったか?」
「あぁ、やはり、この家が1番良いや!」と少女の様な笑顔でキッズは応えた。

「しかし、驚いたな。良く生き残って帰って来たな。俺は死んだとばかり思っていたよ」
「まぁね、あんな弱かった私がゼファーだもんな。誰だってそう思うよ。だけど、大変だったよ。初めの頃は、金を狙われ、殴られ蹴られの日々だったよ。たまたま、通行人が、傭兵でそこの家に拾われたんだ。毎日地獄の特訓の日々だったよ」
「そんなお前が、今では、部隊長か?凄いよ」
「かなり腕の立つ傭兵だったから、ある程度力を上げて、そこから、部隊長を目指そうと更に特訓の量を重くしたんだ。かなり苦しかったけど、やった甲斐があったよ」
「そうか。カレンも喜んでる。お前がそこまでになったからな」
アレクの言葉に苦笑いをしながらキッズは、「そんなに傭兵は綺麗な仕事じゃない。私は数百人も殺している」と言った。

No.9

>> 8 次の日。
キッズとアレクは歩いていると、「これ、良かったら出て下さい。今、私の町では、高齢者の生活について、講演会をやっております」と、キッズにチラシを出してきた女性がいた。

「下らねぇ」とアレクは言うと、キッズは笑ってこう言った。
「出てみないか?それに確かめたい事がある」
「確かめてみたい事?」
「とにかく、行ってみようぜ」と、キッズはアレクの腕を引っ張った。

No.10

>> 9 とある、公民館。
「へぇー、中々デカイ講演会だな」
キッズは1番前に座ろうとした時である。
「アレク??そこの隣の女性は?」
後ろから声をかけられたので、2人は振り返る。

梨沙子だった。
「梨沙子か?この子は、琴美だよ」
アレクが言うと、梨沙子は驚いていた。
「あの、琴美ちゃん!?嘘みたい……全然違う。……でも良かった、生きていたのね!本当に良かった」と、梨沙子は言い、涙を流した。
「はぁ、相変わらず泣き虫だね。しかも恐ろしい位平和な考えだな」キッズは呆れて言った。

3人は並んで1番前に座った。
「しかし琴美、何でこんなのに出るんだよ。しかも1番前に座るなんて、どうかしてるぜ」
アレクの言葉にキッズはニヤリと笑ってこう言った。
「まぁ、見てな。本当のお楽しみはこれからだ」と。

No.11

>> 10 「では、これからこの町の高齢者向けの建設について始めます」と、若いエルフの男性が話す。
「アレク、何故エルフがこの町に居る?」
キッズは言うと、アレクは、
「2年前から小さなエルフの村をこの町が買ったのさ」と呆れて言う。
「どういう事だ?」
キッズは考えて言った。
「現在町の高齢者は、目が見えず良く転ぶ姿が見られます。そこで我々この町は……」と言った瞬間にキッズは立ち上がり、ステージに上がった。
「誰だね?君は??」
エルフが言うと、キッズは拳をエルフの腹に当て、苦しんで倒れている所で、マイクを持った。
「何だ?この低レベルの会は??私の名は、皆が知ってるであろう、琴美だ!」
一斉にザワつく。
「今はゼファー傭兵部隊長、キッズだ!お前らこの町の者は人殺しだ!!良く覚えておけ!5年前のあのカレンお姉ちゃんを殺した日の事を!!今度はお前らがそうなる番だ!!」
そう言ったキッズは、茶色い、何時もの銃と違うのを出した。
「あの銃は!?カレンの!?」とアレクは驚く。
そして、貰った講演会のチラシを投げ、ヒラヒラ落ちてきたチラシを銃で打った。
「ドン!ドン!ドン!」鈍い銃声でチラシは見事に3発真ん中に穴があき、座っていた人達は逃げ出した。

「まさか……それが目的で帰ってきたの!?琴美」と、梨沙子は言った。
キッズはニヤリと笑い、
「まだやる事がある。皆殺しはそれからだ」と言った。

No.12

>> 11 外に出たキッズ、アレク、梨沙子。

キッズは考えていた。

そういえば、あの町長は香水の匂いがしていた………まさか。

そう思い、キッズはアレクに言った。
「アレク、元エルフの村長は女か?」と。
「あ、あぁ……何で解ったんだ?」アレクが頷くと、キッズは言った。
「私の考えが正しければ………アレク、その女の館はここから近いか?」
すると、アレクは頷いた。
「やはりそうか。アレク、案内してくれ。その女の所へ」とキッズは言った。


1キロ歩いた。
やや大きい建物がある。
「ここか……」
キッズは言う。
「どうしたんだよ?エルフのソイツが何なんだよ?」アレクは、キッズに言う。
「確かめたい事がある。アレクと梨沙子は私が銃を出したら下がれ」とキッズは言い、館に向かった。

No.13

>> 12 インターホンを鳴らすと、エルフの女が出た。
「はじめましてかな?私の本名は琴美。そして今は、ゼファーの傭兵キッズと名乗っている。部屋に上がらせて貰って良いかな?」キッズは、傭兵のバッチをその女に見せた。
町長と同じ香水の匂いがした。
……やはり、そうか。
キッズは確信をした。

「まさか!噂の琴美さんですか!?」
「そうだ」
「………解りました。私は貴女達には逆らえないわ」
「だろうね」キッズは女の反応に笑った。

部屋の中央に、やはり、香水のビンがあった。

「……ここから、近くの講演会の計画を立てたのは貴女だな?」
キッズはそのビンを見て言った。
「………はい。そうです」と女が言った瞬間に、キッズはカレンの銃を取り出し、ビンに狙って発砲した。

「パリン!」
ビンは銃弾に当たり、割れた。
「………覚えておけ!貴女と町長は同罪だ!!なぁ、町長の奥様よ」
「!!そんなの、聞いてもないぞ!?」アレクは驚く。
「どうして、それを!?」エルフの女も驚いていた。
「甘く見るな。言ったハズだ。私は人殺しの傭兵だと。家族の皆殺しも何回もあるし、調査もした事がある」
「!!………琴美ちゃん……」
梨沙子は悲しそうな顔をしていた。

「さぁ、行くぞ、アレク」
「何処へ?」
「町長の所だ。この女を人質にしてな」
キッズは女の頭に銃を突き付けた。
「お前と町長、揃って死んでもらう」と、キッズは言う。
「琴美ちゃん……」悲しそうに梨沙子は言った。

No.14

>> 13 こうして、町長の館に着いた。
警備員は、動けず、そのまま町長の所へ辿り着く。

「キッズ!お前……」
町長は驚く。
「先ずはこの女をお前の目の前で殺す。次は貴様の番だ!町長!それから、ここの町は、ゼファーの國の皆さんにアレクと梨沙子以外は全滅させる!」
引き金を引いた瞬間に梨沙子が飛び出した。
そして、キッズの銃を持っている手を押さえ付けた。

「駄目よ!!琴美ちゃん!!これ以上人殺しはしないで!!カレンさんが泣いているわ!!」と泣きながら梨沙子は叫ぶ。

「ドーン!」
銃弾が梨沙子の腕にかすった。

同時にキッズは5年前の記憶がよみがってきた。

No.15

>> 14 遠い昔。

琴美は、幼い頃に両親は亡くなり、引き取ってくれる施設もなく、1人で働きながら過ごしていた。

理由は琴美の母親は、身体を売り、性病で亡くなり、琴美の父親は琴美を汚れた子供だと言い、去ろうとした所を町の何者かに殺された。

そして、その影響で働く場所や、町の皆は琴美には冷たかった。

そして、5年前。
異国から、顔の右半分火傷でボロボロだった、少女、そして、その恋人の男性がこの町に流れ着いた。

2人を琴美は自分の家に連れて行った。

そして、2人の名前は、アレク、カレンと言った。


しかし、そこから、3人は楽しく暮らしていた。

アレクは働きに行き、琴美は働く必要はなくなった。

学校にも琴美は、通わせてもらい、カレンはとにかく琴美には優しかった。

イジメにあい、琴美は泣いていると、カレンは何時も言ってくれていた。

「琴美、泣かないで……。私が居るわ、私達家族は、貴女を離したりしない。もう、独りぼっちじゃない。貴女は私が守るわ。だから、笑顔になろう」と。

何時も琴美を笑顔にしてくれたのは、カレンだった。

しかし、町の人達は、そんなカレンにも容赦なく狙った。

No.16

>> 15 ある日。
カレンは一丁の銃を持ち出した。
「カレンお姉ちゃん……その銃は?」
琴美は、カレンに聞く。
「いくら私達の事を町長に言ったけど、無理ね。私や貴女が命の危機がある様なら、この銃を使うわ。本当はこんな事はしたくないけど、私達の身は私達で守らないと」
すると、琴美は言った。
「やっぱり、私のせいでカレンお姉ちゃんは……」と涙を流しながら。
「泣かないで、私なら大丈夫よ!私は貴女の保護者よ。だから、守るのは当然でしょ?」と琴美の肩をカレンは抱いた。


そして、1週間後。
琴美が学校から帰ると、カレンが3人の男に暴力を受けていた。
琴美は、
「止めてよ!私達が何したの!?それ以上は止めて!!」と、叫ぶと、男3人は、「おー琴美か?お前もコイツの様になりたい様だな」と、琴美の髪の毛を掴んだ。
「痛い!止めて!!」
琴美が叫んだ瞬間に銃声が響く。
琴美髪を掴んだ男の手に銃弾が命中した。

「その子の手を離しなさい」
カレンは両手で銃を握る。
「お前……!」残りの2人の男はそう言いながらカレンに近づいた。
「逃げなさい!琴美!!」と叫び、カレンは少し下がった。
しかし、琴美は逃げなかった。
男がカレンの手を蹴り飛ばし、カレンは銃を落とした。

そして、酷い暴行を行う。
「カレン!」アレクが駆けつけた。
仕事の途中で、近くを通ったのである。

そして、カレンが落とした銃で、3人を撃った。

3人の男は、その場で絶命した。

「カレンお姉ちゃん!」
「カレン!」
琴美とアレクは駆けつけたが、遅かった。

そのまま、カレンが目を開ける事はなかった。

No.17

>> 16 葬儀もロクに出来ず、アレクは、カレンをそのまま土に埋めて、カレンの墓を作った。

そして、琴美は思っていた。
私のせいで、カレンお姉ちゃんは……私がやる事は、やらなければならない事は………?と。

そして、カレンの墓に、アレクを呼んだ。

「アレク、ナイフある?大丈夫、自殺はしないから」と、琴美に言われて、アレクは、ナイフを渡した。

そこで、琴美は髪をショートにバッサリ切った。

「琴美!?」
アレクは驚くが、琴美は言った。
「この髪に誓って、私は強くなるよ。アレク、カレンお姉ちゃんが持っていた銃、頂戴」と。
「どうする気だ?」
琴美は、切った髪をカレンの墓に添えて言った。
「明日、ゼファーに行くよ」と。
「ゼファーって、あの治安が悪く、世界一の傭兵国家の事か!?」
アレクが驚く。
「うん。私さえ居なければ、カレンお姉ちゃんは死なずに済んだんだ。だから、今度は私がその無念を晴らすんだ」
「………決心は変わらないのか?」
「うん。そして、カレンお姉ちゃんの銃を自由に操ってみせる。必ず強い傭兵になってね」
仕方なく、アレクはカレンの銃を渡した。
「解った。必ず帰って来いよ」と。


次の日。
飛行場には、同じ学校だった梨沙子が駆けつけた。
「私は待ってる!!待ってるから!」と叫ぶ。

しかし、そのまま、琴美は振り返る事なく、ゼファーへと飛び立った。

No.18

>> 17 現在。
「止めて!もう、止めて!琴美ちゃん!!」
梨沙子の腕には血が流れて、床に落ちていた。
しかし、梨沙子は必死にキッズの腕を抑えた。
「離せ!梨沙子!!コイツはカレンお姉ちゃんの命をっっ!」
しかし、梨沙子は続ける。
「まだ解らないの!?カレンさんは、こんな人殺しをさせたくて、亡くなった訳じゃないでしょ!?カレンさんは、貴女が何時も笑顔で、幸せな日々を守りたかったんでしょ!?それは貴女が1番解ってるハズよ!!何時まで憎しみで生きるの!?そんな辛い事をしないで!」
そして、アレクは梨沙子に続いて叫んだ!
「梨沙子の言う通りだ!!止めろ!俺だってカレンを亡くして辛かった!でも、もう止めろ!琴美が人殺しをするなんて、俺は悲しかった!!」と。

キッズの手が震え、銃を落とした。

そして、キッズは町長の胸ぐらを掴んだ。

「全てを奪われたんだ!!アレクも私も!!全てを返せ!!!」とキッズは涙を流しながら言った。

「済まなかった!!私が放置したばかりに!!」と町長は泣いていた。

「止めて!これ以上この人を攻めないで!キッズ、貴女が居なくなった後、彼は、食欲もなくなり、貴女の事を後悔して、死ぬ寸前までいったのよ!!そこまで攻めないで!」と、エルフは叫んだ。

No.19

>> 18 いきなり、辺りが暗くなった。
昼間だったハズが、暗くなる。

「!?」
全員が目にしたのは、地上に降りてきた、美しい白馬に羽の生えたものだった。

「!!まさか!あれは!」
町長は驚く。

そして言った。
「皆、外に出ろ!間違いない!この町の守り神、ペガサスだ!」と。

全員が外に出た時に、ペガサスはこう言った。
いや、言ってはいない、キッズには聞こえてきた。
「キッズ……良く乗り越えたね。君は悲しみから愛を学んだ。君にこれを上げよう」
と、聞こえたかと思いきや、黒かった戦闘着が、白く変わり、綺麗なペンダントが付けられた。
「まさか……それは、ペガサスの称号!!」と町長が言う。
「これから、君がこの町を守って欲しい。君にはそれが出来る」とまた、キッズに聞こえる。
「私が……?」
「そうだ、頼んだよ」と言って、ペガサスは消えた。

町長は頭を下げた。
「ペガサスの選ばれし者よ、この町長を君に託そう、キッズ」と。

No.20

>> 19 1週間後。
キッズは、バイクに向かう。
「1回ゼファーに帰るって、どういう事だ?」
アレクが言うと、キッズは言った。
「皆に挨拶して来るんだ。それから、国籍もやらないとな」
キッズは初めて笑顔になった。
「そうか。気をつけて行けよ、町長さんよ」とアレクは笑った。

「あぁ、これから大変になりそうだ」とキッズは言って、バイクを走らせた。


投稿順
新着順
主のみ
付箋
このスレに返信する

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧