そのとき！善吉はｯ‼

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自由人
2018/06/29 02:34(更新日時)

善吉（よきち）は悩んでいた。
うんちに停まるハエを捕るか？
その回りを旋回している
新鮮なハエを捕るか？
うんちに止まっているハエはデカイ‼
回りを旋回しているハエは若い‼
「もし、私がカエルなら…」
そう善吉は悩んでいた。

「はッ！そうか！」

善吉は閃いた！
カエルは手でモノを掴める！
「うんちのハエは手で捕り、
飛んでるのは舌で捕ろう！」と

善吉は片手間に物事をこなせる
性格ではない
その証拠に善吉が想像に更ける
数分前に近所のそば屋で
その出来事は起きた。

善吉はそば定食を頼み、
手打ちそばに薬味つゆにお吸い物
お昼は定番の馳走である。
左手に茶をとり、右手にお箸
左手でお吸い物をおぼんから避け
また、左手でお茶を呑み
右手はそのままそばへ

その時である、

お吸い物が勝手に動きだし
滑るように右端へ向かっていく
ではありませんか、
「あぁｯ」
善吉は箸でお吸い物を掴もうと
お椀の角に引っ掛かりこぼし
左手の茶はそばにぶちまけ
そのまま顔からそばに突っ込む
荒行を成し得たばかりなのだ。

天におわす神は
善吉の人畜無害な人柄を知り
全てを悟って一言を呟いた
☆YA-ME-TE~OKINA-SA~I@.kami☆
まさに神々しく無駄のない御言葉

当の本人には、
少し耳痒く感じる程度であった。

案の定

ハエを掴もうとした手はうんちに
飛ぶハエを落とす勢い余って
限界まで伸ばした舌は
うんちに巻き付いてしまった

人生ってこんなもの
そう自分を悟し
食後の昼寝に更けった。