オヤジギャル完結

緊張した顔の愛里が来て
俺の横へ座った。

太い腕を組み、険しい顔の
ボス(愛里の父親)が口を開いた

ボス「愛里ちゃんは知ってたの？」

愛里「ううん、ウチも昨日知ったし！
ありえんて思った」
(よしよし、今回はバッチリだな)

ボス「愛里ちゃんも騙されてた訳か、、、、、」

ボスは天井を見上げ悩み始めた

ボス「う〜ん、、、、そうか、、、」

沈黙が5分くらい続いた

正座してる俺は
足が痛くてたまらんかった。

そんな非常識な考えをしてると

ボス「愛里ちゃんは、どうしたい？このまま許して結婚したいの？」と真剣な表情

愛里「子供産まれるし、一応子供の父親だけん今回は許すつもり」

ボス「そうか、、、まあ愛里ちゃんが
イイなら仕方ないたいね。でもね、俺は嘘が1番嫌いだからね！もう嘘は無いだろね？次は許さんから」と鬼の形相で言われた。

俺「はい！もうありません。許していただき本当にありがとうございます。」と
ウルウルした瞳で言った。

結局、また俺は許してもらった。

帰り際に
「後日、両親連れてご挨拶に伺いますので
よろしくお願いします。」っとボスに伝えて俺と愛里はアパートへ帰った。

ホッとしたような愛里と俺、、、

愛里は俺に「よかったね！でも一発くらい殴られたらヨカったのに〜」って笑顔で
言った

愛里の父親は本当にイイ人だった
いや、愛里の家族みんなイイ人だった。

その家族、愛里、みんなに
俺はまだ嘘をついていた。

これは死んでもバレたくない
バレてはいけなかった、、、、、

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俺の最大の隠し事、、、
それは離婚歴が2回あるという事、、、

知り合って間もない頃に
愛里が言ってた

離婚歴のある男と何故付き合うのかな
バカじゃね？笑

俺も「そ、そうだよねー。愛里なら100%無理だろ？」と聞くと

愛里「もち200%無理たい！即効冷めるし！」って笑いながら言われた

そらそうだよな、人間失格みたいなモンだよな〜、まして2回もなんて、、、、

言えなかった。、、

年齢、名前、離婚歴、いっぱい嘘をついて
愛里の気持ちを引き止めてた。

言い訳にしか聞こえないだろうけど

本当に俺なんかと長続きすると思ってなかった。

最初から心に傷を持ってた愛里に
俺は言えなかった。

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腹をくくって俺は実家に帰り
3回目の出来ちゃったを話した。

オフクロは悲しんだ。
まして相手は20歳、、、

「も〜あれだけ妊娠には気をつけろて言ってたろ？何してるんかアンタは！」と
お説教された。

「40過ぎもなってから、、、、、」

オフクロは泣いてしまった。

オヤジはもう何も言わなかった。
呆れてるんだなと思った。

泣いてたオフクロが少し落ち着いたみたいで、また話し始めた

「相手の娘さん、アンタが×2て知ってるとね？」と聞いてきた

俺「いや、知らんよ。絶対言えない！バレたらアイツどうにかなるかもしれん」

母「そんな事いつかバレるどたい！すぐ正直に話してやらなんたい！死んだりしないどたい！」

俺「わからん！本当アイツはショックでどうなるかわからんとよ。だけん絶対言うなよ！」

母「、、、、、アタシは嘘は言えない！アタシを相手の親に合わせるのなら嘘は言えないからね！」
オフクロは怒鳴った。

もう70歳超えてるオフクロ、、、
ごめんね。問題ばかり持ち込んで、、、

俺は親を愛里の家に連れて行く事を諦めた。

俺の実家は海と山ばかりの田舎。

実家を出て愛里の待つアパートへ車を走らせる。

涙が出てくる
オフクロの泣いてる顔、
何も知らない愛里の笑顔、

ごめんなさい、ごめんなさい

車の窓からの景色が
いつもと違ってみえた

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アパートへ着くと
愛里は笑顔で待っててくれた

愛里「おかえり〜！どうだった？いつこっち挨拶来れそう？てかウチも省吾ん家に行きたかったな〜」
(俺は省吾じゃないのだか言い慣れてるので愛里は省吾と呼ぶ事にしたらしい(^^;;)

俺「ん〜オヤジがずっと体調悪いらしくてね。しばらくは来れないみたいよ(^^;;愛里は赤ちゃんお腹にいるけん長時間の車はダメーーーー(^_^)」と嘘をついた。
嘘を嘘で固めていってた。

愛里「そうか〜省吾のお父さん大丈夫ね？なら、良くなってからにしよ！」
愛里は笑顔で応えてくれた。

ハンパない罪悪感に襲われた
胸がキリキリ痛む！

愛里〜本当にごめん

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しばらくして愛里は病院の仕事を辞めた。

どんなに悪阻が酷くても
泣き言一つ言わず仕事してた愛里。

お腹も大きくなったので
アパートを引き払い
愛里の実家に住む事にした。

愛里の家族には本当に
良くしてもらった。

娘を騙してた俺にも本当に
良くしてもらった。

でも毎日が罪悪感でいっぱいだった

愛里の家族構成

爺ちゃん、婆ちゃん、父、母
弟2人、犬2匹

で、俺と愛里、、、

そう！愛里は1人娘だった。

俺が父親なら絶対許さんけどな
こんな嘘つき男

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俺は愛里の家族を騙し騙し生活してた

愛里の父親は
「まだ、お父さん具合悪いの？大変だね〜」って優しい笑顔で言ってくれる

あ〜居心地悪いな〜
でも言えないな〜

こんなやり取りをずっと繰り返してた

俺が親を連れて来ないので
愛里もイライラ、、、

どうにも出来なく俺は逆にイライラ

ちょくちょく喧嘩してた。

まぁ前から喧嘩ばっかだったけどね

でも愛里は妊婦さんなんだから
もう少し俺が気をつけてやるべきだったね

まして俺が1番悪いんだから


とうとう愛里が破水した(￣Д￣)ﾉ

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愛里は入院した
夜中に破水したが
すぐには産まれず
朝になり夕方近くに
無事出産した。

女の子だった

また女か、、、、
最初の嫁との間にも娘が1人
2番目の嫁との間には娘が2人

そして愛里の間にも
また娘、、、、

正直ショックだった

男の子が欲しかったな
俺は長男で1人息子だし

そんな感じで少し落ち込んでた

でも愛里は頑張ったんだし
褒めてやらなんな〜と思い
病院に行った。

愛里は笑顔でベッドに寝てた

母子ともに健康だと聞いて安心した

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愛里、、、よく頑張ったね
あんなにギャルだったお前が
今は母親みたいな顔してるね

そう思いながら
頭を撫でてあげた。

愛里は幸せそうだった

またそんな顔を見ると
罪悪感でいっぱいになった

痛かったか？
俺が聞くと

愛里「陣痛は大丈夫だったばってんさ、あの先生、何も言わずイキナリあそこ切りやがってさ！だご痛かったし！マジもうこの病院じゃ産まんし！」

いつもの愛里に戻ったw

そんな感じで毎日お見舞いに
行ってた。

出産3日後くらいにお見舞いに行った時に
愛里が不機嫌そうな顔してた

どしたの？と聞くと

愛里「なんかさ、ウチ夜中入院したじゃん？だから金が普通より高いて言われたったいね(-.-;)42万超えるらしいよ！マジそんな事なら朝まで我慢しとけば良かったし」

って怒り顔

俺「マジけ？、、、、出産一時金て42万？
それ超えるわけ？えらく高いね！ボッタクリじゃね？」

愛里「ん〜、、、まあここは色々設備が充実してるて話だけんね〜！でもさ、超えた分の料金って一括払いて話だけど、、、どうしよ〜ε-(´∀｀; )」ってかなり落ち込んでる。

俺「まあ超えた分は俺が何とかするからさ、愛里は気にせんで早く元気になれよ」と元気づけた

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カッコ良く言ってはみたが
実際、金なんてなかった

俺の仕事でのミスで
ほとんど給料がなく
貯金なんて出来てなかったからだ

愛里は
「ありがとう！なら安心！じゃあさ
少しでも安くする為に明日ウチ退院する！」

俺「えっ⁉︎(°_°)そんなダメたい！普通一週間くらい入院するど？身体大丈夫かよ？てか先生だって退院認めないど？」

愛里「そうかな〜、、、ウチは大丈夫だと思うけどな、、、まあ先生に頼んでみるよ」ってニッコリ

愛里、お前は本当に頑張り屋さんやな
本当にイイ奥さんだよ

あーーーー
辛いなーーーー
こんな俺を何で
選んだんだよーーーーヽ(￣д￣;)ノ


翌日、愛里は先生を説得し、見事通常より
2日早く退院してみせた

凄ぇーよ、愛里！

お金は俺の実家から10万借りて
病院代を無事払った！

しかし高いな
2日早く退院したのに
総額48万て、、、
帝王切開でもなく
普通分娩で2日早く退院して48万、、、

そんな高いの？

姉に聞いたら
その病院おかしい
あたし産んだ病院は32万で
10万返ってきたよ

だって、、、

ついてねーな

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退院して赤ちゃん連れて愛里の実家へ
帰った。

愛里の家族はみんな
赤ちゃんにベッタリ（＾_＾）

父母は特にニヤニヤ顔

俺が親を連れて来ないイライラも
赤ちゃんが癒してくれてた

たまに愛里父が
「早く実家に赤ちゃん連れて行かなんたい。お父さん、お母さん待ってるんじゃない？」

って言われてた

俺は
「はい、そうですね！オヤジの具合が良くなったら連れて行きます」ってごまかした。

俺には娘が3人いるからな
また女が産まれて
見たいだろうか、、、？
男だったら食いつくのは
間違いないんだけどな、、、

愛里の実家に赤ちゃんが入り
賑やかになった

愛里は赤ちゃんの扱い方、みたいな本を
読んでる。

俺に
「省吾も勉強せなんよ！お風呂とか入れてもらうけんな〜」って楽しそう

俺は「そんなん読まなくても大丈夫たい！
俺は姉の子を扱ってたけんね〜！任せろ！」っと胸を叩いてみせた

愛里「マジか(°_°)なら今日お風呂お願いしまーす」

俺「いいよ！任せ！」

風呂に入れる事になった。

赤ちゃん用のお風呂は
愛里のお母さんに買ってもらってた

さあ赤ちゃん入浴〜
俺が赤ちゃん風呂に入れると聞いてか

家族みんな見に来てた

手慣れた感じでやる俺(^^;;

家族一同「あれ〜、、、えらく上手ね〜」

俺「あっ、はい(汗)姉の赤ちゃんいれてたりしてたんで、、、身体が覚えてました(汗)」

家族一同「ふーん、、、良かったね！愛里ちゃん、これから風呂は任せるたい！」

愛里「だね〜！めちゃ助かる〜」

(本当にこの家族は人を怪しんだりしないのか、、、)


しかしこの赤ちゃん！
半端なく泣く！ずっと泣いてる

俺3人赤ちゃん出来たが
こんな泣く赤ちゃんは初めてだった

俺がいる時は交代で抱っこしてた

寝たかな思って
ベッドにやろうとすると大泣き！

こんな赤ちゃん、俺が女なら
ノイローゼなるわ

本当に嫁は大変だよな

これ読んでる男共！

嫁に偉そうに
「俺は仕事してんだよ！頭下げて金稼いでるんだ！」みたいな事言うなよ

間違いなく主婦がキツいから

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愛里は毎日一生懸命
子育てしてたよ。

オヤジギャルでも書いたが
愛里が高校生の頃、近所で捨て猫を
拾った。まだ子猫でめちゃくちゃ可愛いくて家に連れて帰った。

もち親は大反対！
いつもは親に反抗しない愛里も
この時は反抗した

「ウチが育てるからイイじゃん！まだ子猫だし可哀想じゃん！」

愛里は一生懸命親を説得した

あまりの愛里の一生懸命さに
父親も負け、「じゃあ愛里の部屋で飼いなさい！それが条件！」と愛里に言った

愛里は
「ありがと〜！ちゃんと育てるけん」

そう言って
愛里は子猫を部屋に連れて行った

翌朝、

愛里は朝ごはんを食べにリビングへ

父親「おはよ、愛里ちゃん！ご飯の残り子猫に持って行ってヨカけんね〜」
父親は笑顔で言った

ご飯をパクパク食べながら
愛里は答えた

愛里「おはよ！子猫？？もう居ないよ」

父親「え？？あれっ！昨日部屋連れて行ったんじゃないの？」ビックリ顔で父親

愛里はご飯噛みながら答えた

愛里「いや、あの子猫ね、夜中ニャーニャーうるさいから窓から投げ捨ててやったし！！寝れやしないわ」

父親「、、、、、そうなんだ」


そんな愛里が子育ては
一生懸命やってるんです(^^;;

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どんなに赤ちゃん泣いて睡眠不足だろうが
愛里は赤ちゃんを愛してた

笑顔でいつも赤ちゃんを抱っこしてた

猫を投げ捨てたヤツと同一人物とは思えんな

そんな一生懸命な愛里を見てたら

早く親連れて来ないとダメだな、
もう俺の嘘も限界だし

そう思い決意した俺は
俺の実家へ帰った。

オフクロに頭を下げて頼んだ

オフクロは
「行くのはイイけど本当の事を話すからね!
私は嘘はつけない」と眉間にシワを寄せて言った。

俺は頭を下げたまま
「それはダメ！頼むから言わんでくれ！まだ産後だし、育児のストレスとかあるし、まだ言わんでくれ！」と泣きながら頼んだ

オフクロは
「でも、いつかはバレるとよ！後でバレた方が愛里さんもショックだろ」と優しい感じで言った

「じゃあさ、向こうの親から俺に結婚歴あるのかとか聞かれたら話してイイよ！でもオフクロからは言わないでくれ！頼みます！」また深く土下座して言った

こんな土下座までする俺を見て
オフクロは

「わかった！聞かれたら全部話すからね！」仕方なくオフクロは了解した

オヤジは相変わらずシカト、、、

絶対行かないって言ってるらしい


とりあえずオフクロは
挨拶に来てくれる。

それだけで少しは安心した
愛里も喜んでくれるかな？(^^;;

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愛里の実家へ帰り、
愛里と父親は話した

愛里はホッとしたようだが
父親はオヤジが来ないのが
納得いってないみたいだった

そこは、また体調不良て事にした

考えてみたらさ
愛里の父親に赤ちゃん出来た報告してから
約1年、、、、
愛里は俺の家族、親戚、実家、
何も知らないでいたんだよな

本当にゴメンな。

またオフクロが挨拶来てから
父親がどんな話しをするかで
この先の運命が決まるな

神がいるなら
神は俺らをどうしたいのか？

ここまで何故飽きやすい愛里が俺について来たのか？

どうなるかは
今これを書いてる俺と俺の家族
愛里と愛里の家族だけが知っている

しばらくして
運命の日が来た
オフクロが来る！

俺は実家まで迎えに行った。

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