愛おしい小さな娘

レス148 HIT数 31810 あ+ あ-


2014/03/20 16:45(更新日時)

忘れない。
小さな命を授かった事を知った日からのことを。


2007年に再婚をした私達夫婦と家族のお話しです。

2008年1月に天使になった娘。
私達夫婦にとって、彼女の身の上に起こったことで大きな動きがありました。

辛い時・寂しい時に心の支えの一つに成ってくれたミクルに…ミクルの仲間に…私自身の記録として日記ではなく、経過年数がありますので小説として残します。


13/12/06 07:44 追記
感想スレです。
http://mikle.jp/thread/2031703

お言葉を頂けると嬉しいです。
(≧∇≦)

No.2030858 (スレ作成日時)

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No.101

>> 100 家に着いて驚いた。

『どうしたのコレ?』


寝室のベッドが動かされていた。

ベッドカバーも替えて、洗濯までしてあった。

ベッドがくっついていた。


『落ちたら大変な事になるでしょう? 何時も心配だったんだ。』

いやいや…
アナタの寝相の方が心配でしょ~!
と突っ込んでみた。

『大丈夫!頑張る!』

何を頑張るんだ。
(-_-#)と
言葉を飲み込んだ…


今日、私が仕事をしている間にやったんだ…
コレをやっている昭一を想像してみた。

不器用な昭一。
きっと方角なんて気にしなかったんだろう。


残念!!!
やり直しo(`▽´)o
である…

北枕はね……
と言いながらやり直して貰った。

No.102

>> 101 昭一がお休みの日は、いつもより1時間くらい早めの夕飯・お風呂を済ませる様に心がけた。

コミュニケーションの時間にあてる為だ。

『いつもはこの時間は何やっているの?』

お風呂あがりは、血流をよくし、出産の時にtotoとスムーズにご対面が出来る様にと、股関節の周りを柔らかくするストレッチをやる様にしていた。


以前は、自分の不在の時の私の事なんて気にもしなかったのに…

totoを意識してるのか?
私に意識的に気を遣っているのか解らなかった。


今だ!!

『ねぇ…確認したい事が有るんだけど…』

『出産の事? 里帰りでも、こっちでも大丈夫だよ。早く決めないと…たらい回しとかニュースでやってるよね。志乃ちゃんが安心できる環境で…』


私はまだ出産の予約を入れていなかった。

実家の母親も具合が悪いらしい…
姉の所も次女が高校受験だった。


『そうだよね…こっちで出産しようかな? 』

『いぃょ🎵そうしなよ🎵』


昭一は喜んだ。
前の奥さんは、6ヶ月の時に早い里帰りをしてしまって大きくなる子を一緒に見守っていなかったのだ。

No.103

>> 102 数日モヤモヤ・イライラした時間が過ぎました。

いつもなら、由子に電話をするが、寛ちゃんが出張から帰ってきていた。


こんなんじゃダメだと思っていた。


携帯で子供の事などを会話できるサイトが無いか探し『ミクル』と出会った。


登録を済ませ、色々と読んでみた。

みんな色んな事で人に訊けないことがあるんだなぁ~

高齢者出産で心配して悩んでいるのは私だけではないんだ。

えっ?こんな事をドクターに訊けない人もいるんだ…


悩んでない人なんかいないんだ…と安心した。

No.104

>> 103 昭一は今日も帰りが遅いとメールが入っていた。

佐藤君との会話を思い出していた。


本当に昭一は彼女と別れたいと思っているんだろうか?


身体だけの欲求を満たす関係なら風俗だって良かったはず…


ミクルを開いた。

既婚者で浮気をしている女性のスレを読んだ。

なぜ、斎藤律子は家庭を持ちながら浮気をするのか?

なぜ、別れないのか?

なぜ、昭一なのか?

No.105

>> 104 こんな事を考えていては胎教に良くないとは解ってはいても…

どうしても、ふとした時間があると考えてしまう。

考えれば考えるほど…
あの写真が思い出されては消える。

あの写真は昭一が撮影したものなの?

あの腕で彼女を抱いたの?

考えると息苦しくなる。


泊まりもしないで、帰宅をしてくる昭一。

朝になれば、昨夜の夕飯の食器もお弁当箱も洗って置いてある。


No.106

>> 105 なんで、私だけがこんなにも苦しい思いをしなくてはならないの?

浮気をした人が苦しい思いをするのは自業自得でしょう。

私は何にもしてないのに…

ただ、昭一と結婚して生活を頑張っていただけなのに…

私が誰をどんな風に傷つけたというの??

No.107

>> 106 『みんな、志乃みたく強くはないんだよ。』

この言葉がまた私を支配する。

幼なじみから言われ言葉。


私だってそんなに強くない。

だから、こうやって迷い、悩み、苦しむのだ…

でも、私の周りには浮気をされて離婚しないで修復している夫婦を知らない。

離婚しないで、何とか子供の為に生活はしていても、心まで修復している夫婦は存在しない。

半ば諦めている夫婦は存在する。


いつも悩むと経験者の話を聴いたり、本を読んでから解決策を見いだしてきた。


何か引っかかった。

昔読んだ本で、海外の心理学者が書いた本。

クローゼットの中に手放したくない本が箱に詰めてあった。


探しにクローゼットに入った。

No.108

>> 107 『どうすれば愛は長続きするのか』


タイトル、そのものズバリだ!


時間の許す限り読み返した。


この本の一説に
『真実のうえに愛は生き長らえる。』


…だったかな?!…

((すみません。現在、友人に貸してしまって手元に無くて…こんな感じの言葉が書いてありました。))



昭一と、話し合いをしなければならない。
と思った。

No.109

>> 108 『本気で修復したいって思っている?』


『思っているよ。どうかした?何かあった?』


『あのね、もう少し早く帰ってきて欲しいなって思って…不安なの…』

素直に言葉にできた。


昭一の帰りが遅い日が続くと、朝しか会話の時間がないこと。
1人暮らしとなんら変わりがない様に感じていた。
ことを話せた。


『なるべく早く帰ってくる様にするよ。
今度の上司が早く帰る人だから……』


久しぶりに仕事の話しをしてくれた。

『夕飯を家で食べているけど、途中で何か食べているよね?』

菓子パンやサンドイッチ等の軽食を食べていることも話してくれた。


少しだけ、昭一の様子が解って安心した。


彼女が私の携帯番号を知っていたことが気になっていることを話した。


『見せた覚えはない。』


携帯を取り出して私のアドレスを見せて貰ってビックリした。

“カミさん”って登録されていた。
住所は未入力
しかし写真は添付されている。

由子と一緒に陽気に笑って写ってる写真。
昭一が好きな1枚。


送受信フォルダー名は“家族”

コレではバカでも見つけられる…

私の携帯は、彼女が昭一の携帯から抜き取ったに違いない。


昭一のプロフィールを確認した。
住所は入力されていなかった。
写真は由子と寛ちゃんと3人で写っている。
これも昭一のお気に入りの1枚。

いつもは写りの悪い自分が恥ずかしくない1枚らしい。
私が写したのだ。

No.110

>> 109 さすがに鞄は抵抗があったから聞いてみた。

『自宅住所が解るもの? 入ってないと思うよ。』

ガサガサと鞄の中身を全部床に出してくれた。

仕事の書類が入ったクリアーファイル
スケジュール帳。
まぁ、当たり前に入ってるよね。

ボールペンが3本。
なんで3本???

歯ブラシセット
新品の袋入り靴下
新品の袋入り黒いハンカチ
折り畳み傘
どこかに旅行ですか???

ポケットティシュが…
あっちこっちのポケットから出てきた。
合計4つ…
どんだけ~ッ???
確かポケットティシュだけどさっ(-_-#)

居酒屋の期限がとっくに切れたサービス件 数枚。
こんなの早く捨てろ!!!(-_-#)

小さく畳んだコンビニ袋 数枚。
何に使うんですか???
(ρ_;)

ゴム 数本
意味あるんかい?
(ρ°∩°)


確かに住所に繋がる物はスケジュール帳だけど住所は記入してはいなかった。

けど…けどだよ…

この物達と一緒にお弁当が入っていると思うと微妙~~

No.111

>> 110 見せてくれて、ありがとう。
そして、ごめんなさい。
と伝えた。

『いぃんだ、鞄の中の掃除にもなったしね。』

ポジティブに捉えてくれるんだ(笑)

こんな夜中なのに…


『やっぱり志乃ちゃんの番号は俺の携帯からだよね。怖い思いをさせて本当にごめん。』


名前くらい入力しておいて欲しかったわ…
“カミさん”って…
一目瞭然ぢゃない。

鬼ぢゃないだけマシか…

元奥さんはなんて入力されているか今気になってます。

No.112

>> 111 昭一の動向は、私のスケジュール帳ではなく、キッチンのカレンダーに記入する様になった。

残業か飲みなのか…

連絡はあっても遅いのは変わらなかった。

飲みが続くと、また落ち込む…
考えてしまうのだ…

あの写真。
記憶から抹消したい。

昭一は彼女と別れられたのだろうか?

今も、私に嘘をついて一緒に過ごしているのではないか?


辛くなった…

ミクルを開く。
同じ様に苦しんでいる人のスレを読む。

まだ、レスをした事が無かった。

No.113

>> 112 昭一に、解って貰いたい“気持ち”が他人の投稿によってたくさん書かれていた。

1つのスレタイが目に止まった。

まるで、今の私の心境だった。

『浮気を許したい』

このスレと一年以上お付き合いさせて頂く事になるとは思っていなかったスレ。


振り返る。

私にとって、大事な時間の…
心の歩みが書かれている宝物の様なスレです。

閉鎖という形でも、読み返すことが出来ることに感謝します。

No.114

>> 113 『今夜も、歓迎会という名の飲み会なんだって…さっ…』

totoに話しかけていた。

この頃は、いろんな言葉をtotoに話しかけていた。

まるで独り言の様に…


カレンダーに飲み・食事の文字が増えていくのを見る。

『今夜も歓迎会で遅くなる。ごめん。』

何もメールが無い時は残業。

この頃は1日おきに、なんだかんだ言って飲み会が入っていた。

メールは決まって20時前に入る。


飲み会に20時で参加出来るなら、1日くらい早く帰ってきてくれても良いのに…

食器もお弁当箱も朝に私が洗う事もあった。

No.115

>> 114 とうとう2日連続になった…

堪忍袋の緒が切れた。


なんで飲みとか食事だと20時には仕事を終えられるのに…
週1日も早く帰ることは出来ないの??!

確かにベッドには横になってるよ。
でもね。落ち着いて寝てないって知ってるの?!

寝てるから良いとか勘違いしてるの!!


段々とヒートアップしていくのが自分でも解っていた…

けど…止まらなかった…


誰が離婚はしないって言ったの!!

誰が修復したいって言ったのよ!!

こんなんじゃ、何も変わってないじゃない!!

もぅこんな生活は嫌だ!!
totoと出ていく!!
今直ぐにでも出て行きたい!!!!

バンツツ!!

泣きながら寝室のドアを閉めた。


翌朝、目を覚ました時にはベッドにはいなかった。

ソファーで寝てる。

起こしてなんてやらない。
お弁当も作ってあげない。

飲みや食事に誘う会社の同僚にやって貰えば良いんだ!!

彼女にやって貰えば良いんだ!!!!!!!!!!


泣いた。
声を押し殺して泣いた。

No.116

>> 115 最近の私は泣いてばかりで疲れていった…

こんな私でも、totoは成長してくれていた。

唯一の味方のtoto。

ごめんね。
こんなに弱いママで…
ママがtotoにしてあげられるのは、無理にでも食べて栄養を送ってあげることだけ…
それだけは、ちゃんとしてあげなくちゃね。

No.117

>> 116 私の精神状態は、良かったり、良く無かったり…


切り替えが上手く出来る時と出来ない時があった。


自己分析が始まる。


切り替えが上手くいく時…
昭一に思っていることを話すとコントロールが効く…

切り替えが上手くいかない時…
昭一に感情をぶつけるとグシャグシャになる…

(ρ°∩°)

昭一に受け止めて貰えると落ちつく事に気が付いた。


落ち着いて話すこと。
出来てなかった。


我慢して、我慢して…
大きくなって爆発していた。


例の本にも書いてあった。

愛情を植物に例えて
『手入れをマメにしないと枯れてしまう。』


私の昭一への愛情も、
昭一に手(愛情)を入れて貰えないと枯れてしまうんだ。


この日、昭一は有休を取った。

午前中は無言で過ごした。


No.118

>> 117 ♪♪ッ ♪♪ッ
昭一からメールがきた。

ごめんなさい。
…から始まっていた。

仕事の事が書かれていた
その事は、私に理解して欲しい。

出ていかないで欲しい。

と書いてあった。


メールで返信した。
ごめんなさい。
私も言い過ぎた…

1人でいると悪い方悪い方へ考えてネガティブになってしまうことを書いた。


♪♪ッ ♪♪ッ
悪い方ってどんな風に考えてしまうの?


毎晩遅いのは、家に帰ってきたくないんじゃないか?

彼女と会っているんじゃないか?
と疑ってしまう。

そうなると、写真が思い出されて頭から離れずに、忘れられなくて…
冷静ではいられなくなる。


♪♪ッ ♪♪ッ
そっちに行っていい?


いいよ。

部屋に入ってきた昭一は、無言で私を抱きしめてくれた。

『絶対に彼女とは会ってなし、信じられないかもしれないけど……信じて欲しい。』

と言われた。


許したいけど…
信じたいけど…

今回は、深く広く傷つき過ぎた。
信頼していたから特に広範囲に傷ついた。

嫉妬という血が傷口から流れでてしまう。

乾いてきたかと思ったら、少し乱暴に扱われると…
また、吹き出してしまう。

自分1人では解決出来ない。

少しの優しさを…
愛情を… 関心を…
私に毎日、少しずつ欲しい。

と昭一に話した。

No.119

>> 118 愛情も関心もある…
根底には志乃ちゃんとお腹の子供がいてくれるから仕事も頑張れる。

今は、仕事と仕事関係の付き合いが優先してしまう。
志乃ちゃんに、どうしてあげたら良いか解らないんだ…

どうしたら信用して貰えるか解らないんだ。

と言われた。


考えた。

仕事が忙しいのは理解出来た。

仕事優先になるのも理解出来る。

自分が昭一と同じ立場で仕事をしていたら考えれば理解出来ることだ。

でも、信じることが出来ない。

どうしたら昭一を信用できるのか?


私が、帰宅してからのtotoと二人で過ごす時間は変えられない…

20時頃に、飲みや食事のメールが来るとイラっとする。

無くなれば、不信感が募る。

同じ時間帯に残業でもメールがきたら?
どうなる…

悪い気はしない。

うん。
悪い気はしないよな。


私がベッドに入る時間におやすみメールが入ったら…

これは気分が良いかも…


20時と23時に昭一が私にメールを入れることになった。

No.120

>> 119 ドク ドク ドク…

今日も元気ですよ~♪

凄く元気いっぱいな心音♪

足の浮腫もないし、ママもお元気そうですね。

あっ見て下さい。
指しゃぶりしているのかなぁ~♪

良かったo(^-^)o
見る度に大きくなっているんだね♪


いつもは平日に来るけれど、今日は土曜日で初の母親教室。
まだ、少し早いけど…晒しなんて巻いたことが無いので教えて貰います。

次いでに、時間も余裕を持って来たので、モニター録画だけをして貰いに寄ったら…

此方へどうぞ。
と声を掛けられ、何時ものドクターのいる診察室に、何時も通りに誘導されてしまった。

何だろう
ドキドキ…
何か異常があったのかな?

あれ?
いつもの院長先生じゃない。

ナニ? ナニ???
どう言うこと?


『え~っと今日は…
頭囲……全長……で順調ですよ。』


んっ?

『あの、今日はビデオだけのつもりで来たのですが…
何か異常とかがあって通されたんじゃないのですか?』


『えっ??? そうだったんですか?〇〇くん』…と看護士さんを呼んで確認をしてくれた。

『待ってる間に少しお話ししましょうね。』

カルテを見ながら…『出生前診断ってご存知ですか?……』と穏やかに説明をしてくれました。

次回の検診の時にお話しする様に決まっていたらしい。
任意で受けることが出来る。

『希望されますか?。』

少し考えて…
『希望します。』
と返事をした。

No.121

>> 120 なにやら、提携の大学病院での検査になるらしく、紹介状を持って予約を入れて診察を受けるらしく
2回行く様に説明を受けた。

その病院は、私の実兄が15年前に亡くなった病院で場所は知っていた。

今、私達が住んでいる所からは電車を乗継いでいくと2時くらい掛かる所にある病院だ。


一通り説明を受けた後に看護士さんが確認後…手違いで通してしまった事を伝えに来てくれた。

次回の検診予定日を先に延ばしてくれた。

大学病院へ予約が取れ次第、連絡をくれる事になった。

No.122

>> 121 初の母親教室。

予想通り、若いママさん達が多かった。


やっぱり、そうだよね…
場違いな感じがしたけど、友達を作りに来たわけじゃないし、totoの為の情報収集にきたんだから…


若いママさん達は顔見知りなのか、前例の方で賑やかに陣取っていた。

私は一番後ろの方に座った。

少し控えめな若い小柄な女性が1つ明けて座った。

目が合ったので、軽く会釈をして『こんにちわ』と声をかけてみた。

ぱっと向日葵の様な笑顔が印象的な女性で『こんにちわ』と
返してくれた。

ペアを組み、巻いてみる事になったので
晒しの巻き合いをする事になった。

自分のお腹以外の妊婦さんのお腹を触るのが始めだったので、凄くドキドキ❤した。


『こんにちわ~触りますよ~』とお腹の赤ちゃんにご挨拶してそぉ~っと巻き始めた。

totoより1ヶ月半遅い予定日だったので、お腹の膨らみが無かったので、自分が巻かれることを考えたら恥ずかしくなった。

彼女も、私がした様にtotoにご挨拶をしてくれた(笑)
『わぁ~❤1ヶ月以上も早いと大きく感じるんですね❤』

彼女はとても丁寧に触ってくれた。


教室も終わり、帰る前に講師の助産師さんに、腹巻きタイプの腹帯との使い分けが気になり質問をしに行った。


残っていた数人の若いママさんも寄ってきた。

助産師さんは、
どちらでも大きくなるお腹が、冷えずに安定していたら大丈夫だと教えてくれた。

No.123

>> 122 母親教室を受講しました。

というスタンプを押して貰った母子手帳を返して貰い、帰ろうとして階段を降りていた時に声を掛けられた。

先ほどの若い小柄なママさんだった。

『帰りは駅の方まで行きますか?ご一緒にいぃですか?』

『大丈夫ですよ。一緒にいきましょう。』


仕事もしていて、実家が遠くて、里帰り出産をしない。

職場には、経産婦さんがいないので妊娠中の話しができないこと等を話してきてくれた。

駅に近づくと話し足りない感じがして、お茶をしていくことになった。


彼女の名前は、美鈴ちゃん。
職場結婚をして、兼業主婦。
産後、実家に帰る予定でいるらしい。


この日は、アドレス交換をして別れた。

No.124

>> 123 『志乃さん、お元気でしたか?』

希美からのメールだ。

こちらの方へ週末に仕事でくるので、由子も誘って久しぶりに会いたい。
というメールだった。

早速、由子に連絡をしたが返事がない。

いつもなら、半日かからずに返事が来るのに…
携帯でも落とした(前科あり)と思い、自宅に電話をした。

繋がったが…

どうも、様子がおかしい…
私から行くことにした。

由子の家には、初めて電車で行く。

この駅は確か…
斎藤律子が電話で言っていた駅だった。

ケーキを買い、由子の指示通りに歩いていった。


No.125

>> 124 由子が泣きそうな顔で出迎えてくれた。

『どうしたぁ?何があったの?寛ちゃんは?』


お茶を入れ、ケーキを食べながら話しを聞いた。


由子は×1。
元旦那の所に女の子が1人いる。

引き取りたかったが、諸事情で元旦那が引き取っていた。

その娘は中学3年になっていた。

ずっと実母の様に慕っていた継母と元旦那が離婚したらしい。

そのことで傷ついた娘は家出をして…3日間帰ってきてない。

流石に心配になり、心あたりを探したけど見当たらなくて由子に連絡があったらしい…

由子は10年以上会っていないらしく…どうして良いか解らなくて…寛ちゃんも不在で引き籠もり状態だった。

No.126

>> 125 『由子はどうしたい?』

10年も会ってない娘だけど…
所在地が解らないのは心配。

探したいけど…
会って何て言葉をかけて良いのか解らない。

強引にでも、引き取らなかった理由も知っているだけに…
火がついてしまった…

『いくよ。』

『どこに?』

『決まってんでしょ!探しに行くよ!』

『どこに?』


私達は自分のことだと弱気なのに、
互いのことになると強気だ!!

本当に変な関係だけど一番信頼できる相手。


『元旦那の所と、
元継母の所に行って話しを聞いてくるんだ!!!
アンタは誰が何と言おうが血の繋がった実母なんだ!!
言葉なんて、会ったら自然出てくるもんだ。考えるな!

ついでに学校にも行くよ!
サッサと連絡して車だせ!!!!

妊婦を怒らせるな!!!』

と一気に喋ってから、頭の中でグルグルと考えていた…

離婚した夫婦と元々妻と子供。
思春期真っ只中。

由子の娘をどぉ扱うか…

子供の様な半分大人…

考えるのが面倒だ
会ってから考えよう…

兎に角、安否確認が先だ!

No.127

>> 126 『元旦那に会うのは構わないけと……
前妻さんに会って何て言えば良いの…』


『娘が大変お世話になりました。』って感謝の言葉から始めれば良いの!

相手だって由子が何しに来たのか察しがついてるんだから、

大丈夫。
離婚の事は、聞かない。言わない。
娘の交友関係等で知っていることを聞くだけに留めること。


わかった?

はい。


元旦那の家の近くまでは、無言で向かった。

No.128

>> 127 車が停まった。

電話で元旦那を呼び出した様だ。

正面から元旦那が歩いてきた。

私も10年振りに由子の元旦那の和生に会った。


『迷惑かけて、すまん。』

美和が行きそうな友達とか連絡してみたの?
誰も知らないの?
学校も休んでるの?

いつから休んでるの?

矢継ぎ早に由子は聞いてはいるもののピンと来ない返事ばかり…


『和生さん。美和ちゃんの事を奥さんに任せ切りで何も解ってないんでしょう?


『すみません。本当に困ってしまって…』



和生…由子の元旦那

美和…由子の長女

No.129

>> 128 元奥さんに、美和ちゃんの交友関係を聞いて探しても手掛かりはなく、とりあえず学校に行ってみた。

担任と話しをすることが出来た。

ここ2ヶ月くらいはまともに学校に来ていないらしい。


由子が1人の女の子を見て和生に話し掛けていた。

美和ちゃんの幼なじみを見つけた。

彼女に聞くと、他校の生徒と連んでる。
夕方~夜にかけて△△という繁華街で見かける。
情報を貰った。

No.130

>> 129 夕方の繁華街。

買い物途中の主婦、若いサラリーマンやカップルが目につく。

由子と和生さんと3人で探しにきた。


由子は、いきなり1人の少女に走り寄り、抱きしめた。


この由子の行動にビックリしたのは、私と和生さんだけではなかった…

『きゃーぁーぁー!!!!ヤダヤダヤダ…助けて!!!!!』 (°□°;)


美和ちゃんも由子のことが解らなかったのだ!


周りは人だかりが出来始めて…

和生さんも駆け寄り、美和ちゃんを落ち着かせ様と
『美和、落ち着け!ママだよ!よく見ろ!!』と声をかけた。


やっと認識したのか、大泣きを始めた。


そのまま、家へ連れて帰り、話しを聞く。
と言っていたので、私は3人と別れて自宅へ帰った。

No.131

家に着いて、ご飯の支度をした。

また、totoと2人の食事かもしれない…

作る気も食欲もなかった…

久しぶりに歩いたせいなのか、少し足が疲れを感じた。
床に仰向けに寝て、ベッドに足を上げてみた。

気持ちいぃ~♪

totoは気持ちいぃかな?

お腹でどんな格好をしているのかな?

寝そうになっていた。

ポコン♪
………
ん?…

お腹に手をあて、さすって『toto』と声をかけてみた…

ポコン♪

胎動だo(^-^)o

胎動だよね?

…………

気のせいかな?

No.132

>> 131 そして、大学病院の予約の日がやってきた。

言葉には出さなかったがずっと考えていた。不安だった。


高齢初産の為にtotoに何かあったら…


命の選択…


万が一の時には…
昭一は、どんな決断を下すのだろうか?

私は、その決断を聞いても産むと言い切れるだろうか?


向かう先は、実兄が亡くなった病院。

あの日の悲しみが蘇っては消えた。

この病院には縁があるのか…


そんな事を考えては余計に不安になっていった。

No.133

>> 132 真っ白で大きな建物。
太陽の照り返しが眩しかった。

まるで光の中に入っていく様に私と昭一は入っていった。


病院の中も真っ白で光が入っていた。

誰もいない。

一瞬、間違えて違う建物に入ってしまったんじゃないか?
と思った。

予約票と一緒に渡された案内図を確認した。

やはり、合っている。

病院の産科を想像していた…
不思議に思いながら奥へ進む。


脇のカウンターから声をかられ、振り返ると二人の女性が笑顔で迎えてくれた。


予約票を出したら丁寧に
『承っております。ご案内致します。』と、まるでホテルと錯覚する様な感覚になった。


女性の後を追ってエレベーターに乗り、広い白い部屋へ通された。

部屋の中央にも、白い大きな変型楕円形のデーブルが印象的な部屋。

『すぐに担当ドクターが参りますので、こちらで少しお待ち下さい。』

と言って昭一と二人になった。


自分の鼓動が大きく聞こえる。

あまりに白で統一されていたのもあるのか…緊張していた。

No.134

>> 133 コン♪コン♪
ガチャリ…

入ってきたのは、五十代の女性と私より少し年上くらいの女性。
二人とも白衣に身を纏い品のある優しそうなドクターだった。

羊水検査の説明や手順と検査のメリットとデメリットの説明を、男性の昭一にも分かる様にゆっくりと穏やかな口調で話してくれた。

私も昭一も家族や親戚縁者に障害を持った人が思い当たらないこと。
この検査で総ての障害が解る訳ではないこと。
流産の危険は少ないが0ではないこと。
それらを考慮して、リスクを侵してまで検査をする必要性があるのか?

万が一、結果に障害が見つかった場合は出産するのか否か?

この2点を、次回の予約までに夫婦で話し合って答えを1つに決めておく様にと言われた。


検査を受けるなら予約の日時に来院する。

検査を受けないなら、予約2日前の15時までにドクターに電話でキャンセルを伝えることになった。

No.135

>> 134 建物から出て、一気に緊張感から解放され深呼吸をした。

まるでtotoが話しを聞いていて、息を潜めていた様に感じた。(笑)


広い敷地の中を歩きながら聞いてみた。

『説明を受けてどう思った?』

『う~ん…そうだね…』と膨らんだお腹に気を遣い、ゆっくりと歩く私の手を繋いで昭一は話し始めた。

障害の心配より、流産の心配の方が大きい…
出来る限り流産のリスクは避けたい。

勿論、検査を受けるのは私だから…
私が受けたい。と考えるのなら反対は出来ない。

『検査を受けることは、ないんじゃないかな?』

そう話してくれた。

私も同感だった。

No.136

数日後に病院へ連絡をした。

電話に出たのは、50代のドクタ-だった。


『二人で話し合い、検査を受けない事にしました。』

と伝えた。

今後の参考にと、いくつか質問を受けた。

大学病院の研究の一環の為の質問だった。

検査を受けて、障害が見つかったとしても出産をするつもりでいる。

出産前に障害が解っていたら…
勉強をして環境を整えてあげる事もできるが…
数%でも流産のリスクがあるならリスクを回避したい。


ただ、それだけだった。

高齢初産ということ。
周りに同じ経験をしている人がいない。と言うだけで臆病に成っていた。

出産をするという事を本当の意味で覚悟を決めたのはこの時だった。

No.137

『これから行っても良い?』

由子からメールが入っていた。

メールが入ってから数時間経っていたので電話をした。

『ごめんね、今メールに気付いたんだ(笑) ウチで良ければおいで~』

『忙しいんじゃない?大丈夫?』


いつもとなんか様子が違う…
遠慮してる?…


『夕飯の支度をしていたんだけど…レモンシロップとめんつゆを買い忘れたから、出掛けようか迷ってたんだ…買ってきてくれる?』


買い物を頼んでしまえば遠慮しないで来てくれるのを知っていた。

『解った。買って行くよ。後は何かある?』


暫くしてインタ-フォンが鳴り由子が来た。

No.138

>> 137 夕飯を作っていたので少し片付けと、お茶を入れ様としていたら…

『そのまま続けて…何となく1人で過ごしたく無くて来たの…』

心配になりながら…
正面に座って話したくない話題なのかな?と思いながら手を動かしながら由子と夕飯を作った。


この前の病院の話しをしながら…
由子が話してくるのを待った。

『あのね…』

No.139

>> 138 由子は重たそうに話し始めた。

『寛ちゃんと別れなければいけないみたいなんだ…』

『…』

寛ちゃんは、凄い独占欲が強く由子がパートに出る事も心良く思わない。

だから、自分が人より稼いでくる。

家にはあまり居ない由子を1人にさせてしまう。

そんな関係を私は由子が良ければ…と思ってみていた。


『美和のこと…美和を引き取りたい。って話したんだ。
そしたらね‥元旦那に会った事が怒りに触れてしまったみたいで…もう疲れちゃった……』

No.140

そこまで嫉妬深い事に驚いた。

『今の寛ちゃんの勤務は?』

『怒りながら、出張に行ったよ…』

『今日は泊まっていくことは出来る?たまにはゆっくり話そう。』


寛ちゃんへの電話を私がしてみた。
信用はしていないだろうが…
とりあえずのOKは貰えた。


過去に由子が何かして、こんなに嫉妬深くなっているのか?

自分に置き換えて考えてみた…

昭一の浮気が現実だと分かってからの私の言動や行動は、昭一が何をしても信用出来なかった。

いや、今も100%の信用など有り得ない。


…まさか由子が浮気した?

それも考えられないことだった…

  • << 144 秋も深まってきた頃、Dr.の勧めもありマタニティスイミングも始めた。 とても楽しかった。 陸では転んではイケない。と神経を使っていたので、一度水中に入ってしまえば、転ぶ心配は無い。 マタニティスイミングと言えばプ-ルサイドを歩いたりするんだと思っていた。 想像を裏切られた! 普通にクロールや平泳ぎ、バタフライ、背泳ぎまで…仕上げに胡座をかいた状態で潜水。 何秒息をとめていられるか… 全然マタニティぢゃなかった(>_<) それでも、手足を思いっ切り伸ばせて浮きながら動ける感覚嬉しくて毎週通った。 美鈴ちゃんも安定期に入ったらやりたいと言っていた。

No.141

>> 140 『ねぇ由子…寛ちゃんが怒っているのは、それだけが理由なの? 美和ちゃんを引き取る事とかは関係ないの?』


『きっと…出張先で浮気してると思う。もぅ一年くらい経つと思う。』

ポツリと言った。

浮気を疑って怒っている人が…浮気をしているって事?


由子は続けた。

寛ちゃんにとって今回の美和のことはキッカケに過ぎなかった。
長い同棲生活で、親からの反対に贖えなく成り由子との結婚を諦めたんだと…


『由子はそれで良いの?』

『どうだろ…今は何も考えられない…』


ずっと苦しく辛かったのだろう…
暫く泣いていた。

抱きしめることしか出来なかった。

No.142

>> 141 久しぶりに由子とベッドに並んで寝ていた。

『こぉして一緒の布団に入るのは、私が人恋しい時に志乃はいつもしてくれるね…ありがとう。志乃はいいなぁ~私はどこで間違えたんだろう…』


『何が羨ましいの?昭一に浮気されてるんだよ…子供だって、やっと授かったけど…この子が20歳の時には私はお婆ちゃんだよ…由子なんてもう大きく育っているじゃん…隣の芝は青く見えるもんだよ‥』

『そうかな?』

『そんなもんだよ。』

昭一は子供部屋に寝ている。

隣の由子は、寝たふりなのか…
寝息を立てていた…


明け方に由子がベッドから降り部屋から出ていった。

トイレにしたら長い時間だった…


リビングで昭一と話していた。

No.143

>> 142 リビングを通りトイレへ行った。

この頃にはtotoの胎動もシッカリ?と云うのか…うにゅぅ~って感じで動いていた。

お腹を冷やさない様に寝る時には腹巻き、日中には晒しを巻いていた。


『結構大きく成ってるよね。』

私に気を遣ってか…totoの話しをしていた。

私は睡魔に負けてベッドへ戻って行った。

暫くウトウトしていたら、由子が朝食を用意してくれるから寝ていられる…

今の私には睡眠は何よりの栄養だった。

No.144

>> 140 そこまで嫉妬深い事に驚いた。 『今の寛ちゃんの勤務は?』 『怒りながら、出張に行ったよ…』 『今日は泊まっていくことは出来る?たまには… 秋も深まってきた頃、Dr.の勧めもありマタニティスイミングも始めた。

とても楽しかった。

陸では転んではイケない。と神経を使っていたので、一度水中に入ってしまえば、転ぶ心配は無い。

マタニティスイミングと言えばプ-ルサイドを歩いたりするんだと思っていた。

想像を裏切られた!

普通にクロールや平泳ぎ、バタフライ、背泳ぎまで…仕上げに胡座をかいた状態で潜水。
何秒息をとめていられるか…

全然マタニティぢゃなかった(>_<)

それでも、手足を思いっ切り伸ばせて浮きながら動ける感覚嬉しくて毎週通った。

美鈴ちゃんも安定期に入ったらやりたいと言っていた。

No.145

>> 144 毎晩遅い昭一にイライラしてきていた。

本当にtotoと二人暮らしみたい…

そろそろ…色んなものを揃えて行かなくちゃ成らないのに…

一週間のウチの1日で良いから…一緒にゆっくりと過ごしたい。
と云う欲を抑えきれなくなり泣いてしまう回数が増えていた。必然的にミクルを開く回数が増えていた。

妊娠の不安と浮気の不安…自分1人では解決出来ない悩み…

昭一の心は縛れない。totoがいるから…離婚しなかったの?


更なる不安が私を襲う。


昭一が帰ってきた。

もう、そんな時間なんだ…

No.146

>> 145 ご飯を食べている昭一に話しかけた。

『なんで毎晩こんな時間になるの?』

涙と一緒に次々と言葉が出てくる。

『本当に仕事なの?毎日?女と別れて無いんじゃないの?本当は帰ってきたく無いんじゃないの?』


昭一は、箸を置いた。

『そんな事はない。毎晩遅いことは、悪いと思ってる…けど…本当に仕事なんだ。信じて欲しい。』

何をどう信じたらいいのか解らず、ただ泣いているだけだった。


そっと肩を抱いてくれたが…温もりも信頼も感じられなかった。

No.147

『どぅしたら、信じてくれるのか。そんなに俺のこと信じられないか…これ以上どうしたら良いか解んないょ。』


昭一は疲れ切った表情で独り言の様に話し始めた。


私も、信じたい。
…けど…
何故信じられないのか?
浮気をされる前は、本当に100%疑ってなかった…
由子に話したあの時でさえ…信じていた。

でも、実際は浮気をされていた。

好きって私の気持ちが、邪魔をして昭一の浮気を見抜けなかった。

昭一を信じられないんじゃなく、私自身が自分を信じられなく成っていたんだと思えた。

『もぅ解らない。何を信じていぃのか解らない…こうして一緒にいるのに…毎日帰ってきてくれるのに…』


二人共疲れていた。

泣き疲れて私はそのまま昭一の腕の中で夢の中へ吸い込まれていった。

そんな日が何日か続いた。

No.148

>> 147 『何をしても許して貰えないのか……もぅ疲れたよ…』

昭一の表情から本当に仕事だってことは読み取れる。

でも感情が理解出来ない。

疑ってしまう。

何でこんなに疑ってしまうんだろう?

疑う様な行動は、帰りが遅いだけ…

自然に自分に問いかけていた。


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