SENA ~私の恋物語~
「世奈って一目惚れした事ある?」
「ないない!ありえないよ」
「だよね!いつかしてみたいな~。一目惚れ。
いつも性格知ってから好きになってるパターン」
「みんなそうじゃないの?」
18の夏。
小学生からの親友、奈々が突然口にした "一目惚れ"
一目惚れってどんな感じなのかな。
見た目がドストライクじゃなきゃありえないよね。
生まれて18年、今までそんな人に出会った事がない。
特別理想が高いとは思ってないし、カッコいいって思う人は普通にいる。
けど、タイプではないし「あ、あの人カッコいいな」くらいの感覚で、その人とどうなりたいとかそういう感情を持った事がない。
今までの恋は、お互いがお互いを知って惹かれ合って付き合う。
そんな感じだった。
だから恋愛はそういうものだと思っていた。
13/07/22 03:16 追記
読んでくださっているか分かりませんが…←
この小説は私の実話です。
多少捻ったりしていますが、話のベースは私の18の頃の恋物語です。
長編になりそうですが、よろしくお願いします(^^)★
「化粧してないと目力無さすぎて嫌だな。あたし本当は奥二重だし」
毎日メザイクで奥二重を二重にしているから印象は変わる。
「でも全然普通じゃん。特にギャルとかさ、化粧した顔とスッピンがヤバいくらい変わる女いるけど、別人過ぎてビックリするもん。笑」
裕ちゃんはギャルが苦手らしい。
中学や高2くらいまでの自分は見せちゃヤバいと本気で思った。笑
唯奈に化粧されてマンバになったあたしなんて見たらドン引きしちゃうね。
一度だけマンバメイクをした時、プリクラ撮ったけど見つかったら…と思うと怖かった。
「世奈、おいで。」
ベッドへ横になり腕を伸ばす裕ちゃん。
腕枕ポーズ。笑
「おいで」って言われると、キュンキュンしちゃう…
裕ちゃんの腕に頭を乗せ抱き付いた。
電気のリモコンを取り、灯りを消した。
もう、このまますぐ眠れそう…
いい匂い……
目を閉じていると裕ちゃんがキスをする。
「ごめん世奈。眠れそうにない。」
「眠くないの?」
すると裕ちゃんがあたしの手を掴むと下半身へと手を移動させる。
「!」
生々しい表現は出来ないけど、裕ちゃんが言いたい事はすぐに分かる。
「だめ?」
小声で裕ちゃんが尋ねる。
「ううん…」
ゆっくり服を脱がされると、裕ちゃんがある事に気付いた。
「世奈、ズボンいつ脱いだ?」
「さ、さっき…」
別にそういうつもりじゃなくて、恥ずかしい話、パンツでないと眠れないあたしはいつも寝る時ズボンを脱ぐ。
初めて一緒に寝た時は、正直脱ぎたくて仕方なくて、でも恥ずかしくて我慢していただけ。笑
「あたし…パンツじゃないと…眠れなくて…///」
照れながら裕ちゃんに理由を話した。
「そうなんだ。笑
別に気にしないけど」
そしてパンツまでも脱がされる。
物音を立てないよう、あたし達はベッドの中で一つになった。
そのまま二人で眠りにつき、アラームで目を覚ます。
9時。
裕ちゃんと起きて、一緒にお風呂場へと向かった。
「誰もいないの?」
「あたしんち自営だから土日とかも休みないし、お母さんもお父さんも8時には出てってる。」
洗面所のドライヤーを持って部屋へ戻り、デートの準備を始める。
裕ちゃんは髪を乾かし服を着ると、洗面所で髪の毛のセットをしていた。
「あ、裕ちゃんおはよー」
ドアの向こうから里奈の声が聞こえた。
「おはよ。お邪魔してまーす」
「うん、全然いーよー♪」
化粧をして髪を乾かして服を選ぶ。
初めてのデート。
なかなか決まらない。
二階へ上がり、ゲームセンターへ。
プリクラコーナーへ歩き、中学生~高校生くらいの女の子たちがたくさんいた。
裕ちゃんと初のプリクラ。
もうあたしの彼氏…なんだよね…?
未だに信じられなくて、心から嬉しかった。
プリクラを撮り、裕ちゃんも一緒に落書き。
こんな些細な事でも嬉しい。
プリクラを半分に切り、片方を裕ちゃんに渡した。
「ありがとう。初のプリクラだな」
「うんっ♪」
手を繋いでゲームセンターをぐるぐる回る。
それから服をひたすら見て、スカートとカーディガンを購入。
お昼になり、フードコートは座るのも困難だった為、一回の飲食店へ移動。
どこも並んでいる状態だったけど、パスタ屋に並ぶ事にした。
あたしはトマトソースが好きだから、ミートに決めた。
裕ちゃんは…?
「明太子美味そうだな~」
店員を呼び裕ちゃんが注文してくれた。
「デザートはよかった?」
「えっ♪食べたいっ♪」
「じゃあ食べ終わったら頼もっか♪」
暫くして注文した料理が机に並ぶ。
「「いただきます」」
ミート美味しい!
粉チーズはたっぷりかける。
「ご飯食べてからどうする?」
裕ちゃんが問い掛ける。
「まだ13時過ぎだもんね。」
「この辺何もないからする事もあんまないよなー。
免許あれば遠くにでも連れてってあげれるのに。
あと半年先か。笑」
「そうだねー!
あたしも早く免許欲しいな♪」
喋りながら食べ終えると裕ちゃんがメニューを開いた。
「ご馳走様でした」
沢山食べてくれた裕ちゃん。
やっぱ男の子ってガッツリいけちゃうもんなんだね。
食器を片付けるために台所へ行く。
食器洗いを済ませ、冷蔵庫からプリンを取り出す。
食後のデザート♪
「裕ちゃん、プリン食べよ♪」
「まじで。俺プリン好き!笑」
同棲したらこんな感じなのかな。
同棲しよとかそういう話は一切ないんだけど。笑
でもこれから先ずっと付き合ってったとして、お互い社会人になったらいつかは同棲するかもしれないよね。
まだ18だけど、結婚も早くしたい。
裕ちゃんと…結婚したいな…。
夜になり、今日も裕ちゃんはお泊まり。
明日の夕方は裕ちゃんバイトだから昼過ぎにはバイバイか…。
「政樹、今日裕ちゃんからずっと連絡なくて…。
どうしよ…」
「え、まじで?」
「嫌な予感するんだ…。」
21時過ぎ、政樹とレジに入っていると入ってきた人を見て胸が痛んだ。
「裕ちゃん……」
入ってきたのは裕ちゃんと棚橋くん。
「裕ちゃん!」
思わず声を掛けた。
「……」
え……無視……?
何で?
あたし何かした?
ついこの間まで普通に仲良くてこの一週間で何があったの?
あたしはバックルームに逃げた。
あまりにも辛すぎて泣いてしまった。
バイト中なのに駄目だなぁ…。
バイトが終わる頃に裕ちゃんはもういなかった。
何しに来たの?
覚めてるってわざと見せつけるため?
ただ傷付けに来ただけなの?
「もうあたしたち終わりだよね。
裕ちゃんの態度、見てたでしょ?」
外で政樹と話していた。
「あれはないな…。」
裕ちゃん、好きな人出来たんでしょ?
あたし何となく分かるよ。
女のカンって当たるんだから。
帰宅し、部屋に入ると裕ちゃんからメールが届いた。
メール開くのが怖かった。
【別れよ。】
届いたメールの内容はこの一言だけ。
【いきなり何で?】
理由を聞きたくてすぐ返事をした。
【世奈の気持ちが大きすぎて、支える事も受け止める事も出来ない。】
意味が分からない…。
メールを見た後すぐ裕ちゃんに電話を掛けた。
でも裕ちゃんは出てくれなかった。
それからメールも返ってくる事はなく、あたしたちは別れる事になった。
政樹はあたしの隣に座ると少し切なそうな顔をしていた。
「どうしたの?」
「…俺、全部知ってるんだ。
あの連絡がないって言ってた日、あいつ女といたんだ。」
「……えっ…」
「この前、あいつと店長と俺と棚橋さんで飯食いに行ったんだけどそこで働いてる女、◯◯店でも働いてて」
「……」
「ごめん、俺やっぱ今のお前見てると隠してるみたいでしんどくて」
政樹は必死に謝ってきた。
別に政樹は何も悪くないよ。
それに…
女だろうなって予想はしてたから、ああ、やっぱりなって納得しちゃった。
「そっか。ありがとね。話してくれて」
辛い気持ちには変わりはないけど、もう本当に終わったんだなって改めて実感した。
ご飯を食べながら政樹の仕事の話を聞いたり、あたしも政樹に色々と話した。
「大変そうだな。無理すんなよ」
「うん、ありがと。
早く車欲しいし、今はお母さんの借りて不便だから頑張る」
それから政樹の車に乗ると、コンビニに車を停めて車内で再び語った。
「若原とは連絡取ってんの?」
「ううん、全くしてない。迷惑でしょ」
今何してるのかな。
この頃からあたしは『裕ちゃん』と呼ぶのを辞めた。
「…俺と付き合ってよ」
少し沈黙が続いたあと、政樹に突然告白された。
「えっ?」
「俺じゃダメ?
世奈がまだ若原の事好きなのは分かってる。
でも…好きなんだ。」
急すぎて何て言ったらいいか分からない。
「あっ…」
お母さんも焦った様子。
「あはは、俺若原じゃないっすよ!笑」
政樹は笑って答えた。
注文をして暫くすると料理が机に並ぶ。
食事中、政樹とお母さんは仲良く会話していた。
でも、政樹は無理してる様に感じる。
ご飯を食べ終えた後、お母さんを送ってから政樹の家へと向かう。
少し気まずい雰囲気の中、政樹が口を開いた。
「世奈のお母さんはやっぱ俺じゃなくて、あいつの方が好きなのかな…。」
話題はついさっきの出来事の話。
「ごめんね。嫌な思いさせて。
若原の方がいいとか、そういうのじゃないから」
「…俺、世奈のお母さんにあんまり会ったりしてないもんな。若原は結構頻繁に会ってたんだよな。
二度と間違われないように、ちょくちょく行くよ!笑」
最後は笑ってそう言ってくれた。
今はあたしも政樹の実家住まいだから、たまにの週末はあたしの実家に行こうと話をしていた。
あの日から少し経った頃、夜中に目が覚めてふと携帯をいじっていると、メール履歴に政樹が見た痕跡があった。
当時使っていた携帯は、待ち受け画面から↓スクロールボタンを押すとiモードや画像やメール履歴が出る仕様の携帯で、5件ずつ表示される。
履歴にはそのメールを見た時間と、クリックするとそのメール画面へ飛ぶ様になっていて、特に疚しい事はなかったけど、政樹は女友達とのメールのやり取りを見ていた。
あたしも古いやつだけど、政樹の携帯見た事あるし、まあいいやって思っていたけど、何となく今使っている政樹の携帯を手に取る。
すると政樹はある女とメールをしていた。
この名前…。
元カノ。
信じられない…。
あたしは携帯を閉じ、そのまま横になった。
そして、イライラが治まらなかったあたしは、政樹の携帯をもう一度手に取り、自分の携帯から元カノにメールをした。
『政樹の彼女です。
今付き合っているのはあたしなので、メールしたりするの辞めてください。』
今思えばドン引きレベルな事したなって思うけど、それと同時に政樹の事好きなんだって思った。
嫉妬するって事はそういう事かなって。
次の日の朝、政樹と同時に目を覚ます。
一緒に下へ降りて、歯磨きと洗顔を済ませ、リビングで髪のセットをする政樹。
「あたし、元カノにメールしたから」
「えっ…」
政樹は驚きながらも何も話そうとしない。
「…拒否したっていうのは嘘?」
「嘘じゃない。ごめん。解除…」
「そっか。もういいよ。行ってらっしゃい」
言いかけた政樹の言葉に被せる感じで冷たい言葉を発するあたし。
そのまま政樹の部屋へ戻る。
いつもは窓から手を振って見送るのも、今日は辞めた。
あたしも仕事の準備を始める。
するとすぐ政樹からメールがきた。
【世奈ごめん。
たまたま試験が◯◯であって場所聞くために連絡しちゃっただけなんだ。】
【メールの内容、それだけじゃなかったけど?
元カノに聞く必要あった?
それを口実にして、本当は連絡取りたかっただけでしょ】
どうしても優しくなれなかった。
夕方18時に帰宅をして、政樹も19時前に帰ってきた。
みんなでご飯を食べた後、部屋に戻る。
「世奈…本当ごめん」
「もういいよ。あたしも若原とメールするから」
するつもりは一切なかったけど、つい言ってしまった。
「それは……嫌…。」
「ふーん。変なの。自分は元カノの連絡先拒否解除してまでメールしてたくせに、あたしは元カレと連絡取って欲しくないって矛盾。ってか別にしないけどね。」
久しぶり政樹と出掛けたある日の休み。
久しぶりにあたしの実家に遊びに来る予定で、買い物の帰り道コンビニへ寄った。
スラムダンクが好きな政樹。
里奈がDVDを友達にやいてもらった事を話したら観たいって言うから、あたしの実家で観る事になった。
「世奈んち2回しか行ってないし、久しぶり!」
「そうだねー!スラダン観賞♪」
仲良くコンビニで飲み物やお菓子を買って、家まで数分だったために、あたしはシートベルトをするのを忘れていた。
「シートベルトちゃんとしろよ!」
急に怒鳴るように言い放つ政樹。
「あ、ごめん」
微妙な雰囲気で実家に帰宅し、部屋に入った。
「やっぱ俺帰るわ」
「は?スラダンは?」
「もういいや。」
そう言って帰ってしまった政樹。
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