少しだけ不幸な私/独り言

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ライカ( 6Rs31 )
12/07/12 07:40(更新日時)

産まれてから
現在までの私。


誰にも聞いてもらえない。

話したとしても
誰も真剣に聞いてくれない。

カウンセリングや
心療内科に行く勇気は無い。


少しだけ、不幸です。
特別どん底ではありません。

「生ぬるい」人生ですが、
読んで頂けたら、幸いです。



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No.1766230 12/03/20 01:39(スレ作成日時)

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No.101 12/03/26 18:04
ライカ ( 6Rs31 )

中学3年になった。

鬱陶しい先輩は居なくなり、
学校生活は、快適になった。

相変わらず、
ズル休みはしていたが、
学校が嫌と言うよりは、

ゲームの時間と
漫画の時間が
もっと沢山欲しいと言う
理由の方が 強かった。

独りの給食にも
慣れていったが、

いつも独りの私を、
気にかけてくれる
クラスメイトが出てきた為、

独りで食べる日は
少しずつ減っていった。

イズミさんだけは
相変わらず、
「何でライカさんなんかと…」
と言う顔をしながら、
迷惑そうに
給食を食べていたが。


演劇部だった3人は、
演劇部を廃部にし
新たに設立された
「パソコン部」に移った。

この パソコン部が
とても楽しかった。

誰一人として
私を蔑ろにはしない。
一年・二年の
後輩も沢山居たが、
新たに設立された
ばかりなのもあってか、

先輩も、後輩も無かった。
みんなが「一年生」のような
感じで、和気藹々と
ノンビリ楽しい部活だった。

パソコン部の人たちの
大半が「オタク」で、
同人誌が好きだった。

私が購入した
同人誌を貸す機会も増えた。


後輩から、
廊下で挨拶されることは
時々あったが、
私はにこやかに、
明るく礼を返した。

私のような
不快な気持ちには
なって欲しくなかったから。


No.102 12/03/26 19:59
ライカ ( 6Rs31 )

高校受験。

私は、勉強が
兎に角嫌い。

大嫌いだった。

目先の楽しいことばかりを
考える性格だった。

目の前にある
「辛いこと(イジメ)」から
少しでも逃げ出したくて。
現実を忘れたくて。
ゲームや同人にのめり込む。

それを続けていくうちに、
どんどん 勉強は
しなくなっていった。

ゲームや同人活動は、
私にとって
「防空壕」のようなものだった。


私のランクは
Eランク。
全く勉強していないから
このランクは当たり前。

美術・音楽・技術家庭科の
得意科目と、
普段の素行(内申点)で、
ランクを稼いでいた。

茶髪・天パ・化粧で
先輩から目を付けられていたが、
生まれ付きの茶髪も、天パも、
入学当時、先生に事情を話し、
きちんと断りを得ていたし、
(化粧は間近で見れば一目瞭然)

スカートの長さも、
靴下も、靴も、
みんな「校則」に従っていた。


主要五科目のテストは
最悪だった。

国語70~80
数学30~40
理科50~60
社会(地理)40~50
社会(歴史)50~60
英語40~50

数学が特に苦手で、
いつも赤点(追試)ギリギリだった。


受験勉強すら
したくなかった私は、
「推薦入学」を狙った。

推薦入学できるのは
商業高校。

私のEランクでは
余裕だった。
(商業高校のランクはJ)

先生に
「本当に、商業に入るの?」
「もっと高いところがあるのに」
と、しつこく言われたが、
「商業高校は、
就職に有利だと思うんで」
と、テキトーなことを言って
誤魔化していた。

受験勉強さえ
する必要が無かったら
どこでも良かった。

「高校に行かない」
と言う選択は、
父親が 許さなかった。


No.103 12/03/26 22:11
ライカ ( 6Rs31 )

無事、推薦入学をパスし、
みんなが受験勉強する中
私だけ 散々好き放題だった。

学校のズル休みも増え、
学校の授業も
ますますテキトー。

中3の二学期あたりから
強制的に 塾に通わされていたが、
推薦入学が決まると
無断で行かなくなった。
(塾から電話が来て
正式に辞めたけど)


テレビゲームに
同人活動。

当時の私には、
これしか無かった。


No.104 12/03/27 00:20
ライカ ( 6Rs31 )

卒業式当日。

私は、どうしても
成し遂げたいことがあった。

それは
「第2ボタンを貰うこと」

相手は、同じクラスで
野球少年のユウ。

直接「好きだ」なんて
言ったことないし、
言おうと思ったこともない。

貰えない確率の方が
明らかに高い。


卒業式が終わり、
みんなが帰り始めて、
人が減るのを待った。

ユウも私も
教室前の、廊下に居た。

ユウが帰ってしまいそうに
なった時、私は小声で

「あ、あの~っ」
「第2ボタン、貰えるかな?」

と、思い切って
聞いてみた。


ユウは、
キョロキョロと
慌てふためいた感じで
私にコソッと言った。

(ごめん、ちょっと待ってて)
(コイツがいるからさ~)

ユウは、親しい友人に

「おう、一緒に帰るべ!」
「その前に、ちょっと待ってろ!」

と声をかけ、
私に(コッチ来て!)と
手招きしてみせた。

ユウと 私は、
廊下をコソコソ早歩き。
中学1年生が使う
下駄箱へと向かった。
(中1と、中2~3で
下駄箱(玄関)の場所が違う)

中1専用の玄関で、
ユウはコートを脱いだ。

第2ボタンを外し、
「はい!」と
私に渡してくれた。

「…ありがとう。」

私がそう言うと、
恥ずかしそうに

「じゃあな!」

とユウは返し、
そそくさと
足早に去っていった。

ユウは、
教室の前で待たせていた
ユウの友人と2人で

ユウの父親の車に乗って
帰って行った。



ユウを見た
最後の姿だった。

第2ボタンを貰ってから
一度たりとも
会えたことはない。

「偶然、街中で会った」
なんてことも無い。

彼の家も
よく知らないし、
知っていたとしても
行く勇気は無い。


第2ボタンは
今でも 私の勉強机の
引き出しの中に、
大事に しまってあります。

彼は今、
どこで 何をやっているのかな…


No.105 12/03/27 14:57
ライカ ( 6Rs31 )

■高校一年生■

高校での生活が
始まった。

この頃の私。
161センチ・73キロ。
デブまっしぐら。

高校には ナント
私のことを毛嫌いしていた
イズミさんも居た。

幸い、クラスが別なので
話す機会も無かったが。

でも、イズミさんは
直ぐに居なくなった。
妊娠したとのこと。

中3の
クラスメイト伝いに

「途中で破水して
縫い合わせて破水を防いだ」

と聞かされた。
多分、イズミさんの
嘘だろう。

私は
2人の子を授かったが、
破水が始まったから
羊膜を縫い合わせるなんて
聞いたことがない。

(私が無知なだけかもしらんが)

本人との接触が無いので
これ以上のことは、
何も知らない。

イズミさん、
今どこでどうしているやら。



高校でも、
私の知る人間は
同じクラスには
一人も居なかった。

私は、すっかり
「人間関係」に
億劫になってしまい、

最初から
「友達要らない」
「独りがいいです」
を 貫くことにした。

私から友達を作ろうとすると、
絶対に、ロクなことにならない。

「最初から独り」ならば、
別に恥ずかしくも何ともない。

独り、万歳。
独り、楽しい。

他人、面倒臭いだけ。


強がりなんかじゃなく、
本当に、心底そう思った。


30過ぎた、今現在の私も、
この考えは 変わらない。


No.106 12/03/27 15:56
ライカ ( 6Rs31 )

高校生活が始まって
2ヶ月程は、

本当に 独りで過ごした。

相変わらず、勉強大っ嫌い。
授業なんて、殆ど聞いてない。
商業に入ったのに、
簿記が一番苦手で、
生まれて初めての赤点が
簿記のテストだった。

簿記の授業が、
メチャクチャつまらん。

テキストを
黒板に丸写し。
それをノートに書き写して
解いていくだけ。

簿記の時間は、
寝てばかりだった。


この頃は、
同人活動の全盛期。
3日徹夜で原稿なんて
ザラにあった。

簿記だけでなく、
数学の時間も
随分寝た。

教科書の角や、
算盤で、
頭を随分と叩かれた。


学校も、
相変わらず休んだ。

この頃は 父親も諦めていて
「〆切に間に合わないようなら
休んで描きなさい」
と言ってくれていた。

父親曰わく
「漫画を描いてるお前が
一番生き生きしているから」
とのこと。

父親が、そう言うなら…
と、父親が「休んで良い」
と言う日と繋げて、
(つまり2連休にする)
中学の時にズル休みをした方法で
沢山休んだ。


No.107 12/03/27 16:20
ライカ ( 6Rs31 )

高校では
美術部に入った。

この学校も
「帰宅部」が無く、
どこかに必ず
所属していなければ
ならなかった。
(面倒くさい…)


美術部での初日、

「コレを模写しろ」

と、石膏の立方体を
見せられた。

私は、石膏の
欠けた部分や
傷に至るまで、

綿密に描いた。

…ところが

「え?ナニコレ??」
「何で凹んでんの?(笑)」
「余計なの、要らないから」

と 先輩に言われた。


レベルが低いような気がしたのと、
先輩達が、遊んでばかりで
絵なんて描いていないのを見て、

ソッコー辞めた。


そんな時、私に
「演劇部に入らないか?」
「掛け持ちでも構わない」
と声を掛けてきた
クラスメイトが居た。

名前は シモウサさん。
黒髪のストレートで、
とても真面目そうな子。

私は
「美術部は辞めたばかり」
「入っても構わない」
と 承諾した。


演劇部では、
私の「デブサイク」が
大いに役に立った。

「汚れキャラ」に
向いているから。

最初の劇は
6月からの途中参加なので
大道具だったが、

次の劇からは
役を貰えた。


演劇部のシモウサさんとは
かなり仲良くなった。

シモウサさんも
絵を描くのが好きで、
(結構ウマい)
同人活動に
興味があったからだった。

昼のお弁当も
「ライカさんも
一緒に食べよう」
と、シモウサさんから
誘われるようになった。

シモウサさんの家に
随分遊びにも行ったし、
シモウサさんのお母様や
妹さんとも、親しくなった。


No.108 12/03/27 18:55
ライカ ( 6Rs31 )

自分で描いた同人誌を
売り出す為には、
同人誌即売会(イベント)に
参加しなくてはならない。

私は、
地元の小さなイベントに
よく参加していた。

参加サークル数、30個くらいの
超極小イベント。

当時の私にとっては、
それでも楽しかったし、
それが全てだった。

本が一冊でも売れると
感動した。

お金が無いから、
コピー本で
細々と活動。

印刷屋に頼む
「オフセット印刷」は
かなりの高値で、
夢のまた夢であった。


そのイベントで、
知り合った女の子が居た。

マエダ ヒロミさん。
ちょっと大人な雰囲気で、
私と同い年(当時15歳)なのに
「お水」「夜」っぽい感じ。

偶然にも、
同じ商業高校であった。
でも彼女は、

6月頃から
牝馬に休むようになり、
7月頃には
月に数日しか来なくなり、
二学期からは
全く顔を見せなくなった。

一学期修了の時点で、
自主退学したようだった。

でも、イベントでは
ちょこちょこ顔を合わせ
趣味の話をした。

何故学校を辞めたのかは
何となく聞けず。
こちらからは、
一切触れなかった。


この彼女と、
合作(合同)で、
オフセット印刷で
同人誌を発行しようと
盛り上がった。

描くページ、印刷代、売上、
全部はんぶんこで。

印刷代が半分なら、
お金の無い私でも
オフセット印刷で
本が作れる…


初のオフセット印刷。
初の合同本。
私は、胸を踊らせた。


No.109 12/03/27 19:09
ライカ ( 6Rs31 )

>> 108 ※訂正※

❌6月頃から
牝馬に休むようになり、

⭕6月頃から
頻繁に休むようになり、

No.110 12/03/27 19:29
ライカ ( 6Rs31 )

表紙のカラー原稿と、
中身の16ページの漫画が出来た。

私はヒロミさんに
「私は完成したよ」
と伝えた。

ヒロミさんは
「私も、後少しで完成。」
「ライカさんの原稿、
私に頂戴。私の原稿が
出来上がったら、入稿
(原稿を印刷屋に送ること)
しておくね」
「印刷代は、
私が立て替えておくね」


私は、
ヒロミさんの言葉を信じて、
原稿全てを ヒロミさんに渡した。


ところが、
待てども待てども、
ヒロミさんから
「原稿、印刷屋に送ったよ」
との連絡が来ない。

私はしつこく
「入稿は済んだの?」
と聞いた。

でも、
「う~ん…まだなんだよね」
「色々、忙しくて」
など。
適当にはぐらかされるようになった。

何ヶ月も待った。
でも、
印刷屋から本は届かない。

ヒロミさんから
明確に「入稿したよ」と
聞くことはなかった。


多分 途中で
描く気力が
無くなったんだと思う。

それならば
「私の原稿、返して」
と言ってみた。

ところがヒロミさんは
「原稿は無いよ」
「印刷屋に、送ったから」
と言った。


印刷屋に送ったのなら
ヒロミさんから
印刷代の請求が
あっても良い筈なのに。
それすらも無い。

ヒロミさんは、きっと

途中から
描く気力を無くし、

私が描いた原稿を
破棄したか、

もしくは
紛失したか。


この一件で
ヒロミさんとは勿論
疎遠→縁切りとなった。

私が
一生懸命描いた、原稿…。
返して欲しかった。


No.111 12/03/27 19:48
ライカ ( 6Rs31 )

高校では
いつも「独り」の私を
馬鹿にしてくる
クラスメイトが 多かった。

中学時代の
イズミさんのように
面と向かって
ストレートにではなく、

言葉の端々に
「ああ、私を馬鹿にしてるな」と
分かるような言い回しや、
言葉の語尾が混ざっていた。

遠くから、私に向かって
「デーブ!(笑)」
「キモイんだよ(笑)」
と、言葉を投げかけてくる
クラスの女子(3人組)も居たが。


シモウサさんしか
友達が居ない。

シモウサさんには
「親友」がいるから、
(この親友も演劇部)

シモウサさんは
私の相手ばかりを
しているワケにもいかない。

シモウサさんの親友とは
ごく普通に喋ったりはするが、
親しくなることは無かった。


私は、苦痛とまでは
いかなかったが、

「ここ(学校)に
 私の居場所は無い」

「高校に通う意味が無い」

とは、つくづく感じていた。


No.112 12/03/27 22:27
ライカ ( 6Rs31 )

高校一年の間に
私は更に
どんどん 肥えていった。

161センチ・73キロから
161センチ・81キロまでなった。

シモウサさんとの
下校途中に、
街にフラリと寄っては
チョコレートパフェを
食べる毎日。

(ちなみに
シモウサさんは細身)

相変わらず、父親から
「絶対に残すな」と
大量に出されるご飯。

運動などは一切せず、
引きこもりに近い生活。

体重計が、家に無い。
姿見用の鏡も無い。


肥えて当たり前だった。

「まぁ、こんなもんだろう」
と、ブクブク太っていく
自分自身に、そこまでの
危機感を抱かなかった。


No.113 12/03/27 23:41
ライカ ( 6Rs31 )

高校生活、
「独り」を決め込んだ私。

私をマトモに扱ってくれるのは
シモウサさんのみ。

クラスメイトも、
演劇部の先輩も、

どこか私を
見下している部分があった。


勉強しない私。
授業を全く聞かず、
居眠りばかりしている私…。



人間が苦痛。
他人が苦痛。
勉強が苦痛。

高校に行く意味。
高校に行って得るもの。

毎日が苦痛。
時間の無駄。




…私は、
高校を辞めることを
心に決めた。

父親に、相談した。

「学校に、私の居場所は無い」
「通う意味が見いだせない」
「毎日が苦痛で仕方が無い」
「高校を、辞めることにする」

父親は、
私の突然の決断に
かなり驚いていた。


父親には、何一つ
打ち明けることも
相談することも
無くなっていた。

「この人に、何を言っても無駄」
「私から、何か訴えたところで
結局、父親の言う通りに
させられるだけ」

いつからか
父親のことは、
全く信用しなくなっていた。


No.114 12/03/27 23:55
ライカ ( 6Rs31 )

父親から、
散々説得させられた。

「世の中を有利に渡っていくには、
せめて“高校卒業”の
【肩書き】くらいは必要だ」

今の私なら
父親の言いたいことが
よく分かる。

同じ仕事内容でも、
大卒と、高卒で、
初任給が違ったりする。

就職する上での
最低学歴は
「高卒」が殆ど。

「中卒」で雇うところなんて
かなり少ないだろう。


でも、その頃の私は、
まさに猪。

「漫画を描きたい」

ただそれだけしか
見えて居なかった。

ゴチャゴチャ言うと、
父親の
長ったらしいお説教を
喰らう羽目になる。

私は兎に角
「辞めるから」
「絶対辞めるから」
としか言わなかった。



どんな理由で説得しようも、
私の考えは、変わらない。
梃子でも動かない。

三学期も終わりに近づき、
父親は とうとう
説得を諦めた。


父親は
「辞めるのは認める」
「その代わり、
辞めたことを、絶対に
後悔するんじゃないぞ」
と言った。


私が 高校を辞めて
後悔したことは、
現時点では、取り敢えず
一度も無い。


No.115 12/03/28 00:10
ライカ ( 6Rs31 )

担任
「え~、ここで、
ライカさんから皆に
伝えたいことがある」
「ライカさん、起立して。
挨拶を。」

ライカ
「やりたいことが出来たので
辞めることにしました」
「お世話になりました」


三学期修了時、
クラスメイトの前で
私は、担任の先生から
ムリヤリ挨拶させられた。

誰一人として、
私の存在が
有ろうが 無かろうが、
関係の無い人間ばかりなのに。

本当は「自然消滅」したかった。

「あれ?そう言えば、ライカさん
最近、見ないよね?」
「ああ、そんな人いたねぇ」
「知らない。辞めちゃったんじゃない?」

…みたいなね。


私が挨拶した後の、
教室中の アノ空気(笑)

今でも
忘れられません。

「…は?」
「で??」
「だから ナニ??」
「誰もアンタの存在なんて
気にしてないから」
「黙って消えればいいのに」
「何で挨拶なんかしたの?」
「ナニ?構って欲しいの?」
「引き止めて欲しいの?(笑)」

こんな台詞が
アチコチから飛んできそうな
白々しい雰囲気。
教室中、シ~ンとしていて、

(誰か、何か言えよ)

みたいな、
気まずい空気になった。


シモウサさんだけは、
修了式が終わって帰り際、

「辞めても、また会おうね!」
「遊ぼうね!」
と言ってくれた。


No.116 12/03/28 00:19
ライカ ( 6Rs31 )

春休み中、
私は、バイト先を探した。

同人活動の為の
お金が欲しくて、
労働時間が長い場所を
ずっと探していたが、

なかなか 見つからない。

中卒だと
コンビニが多い。

でもコンビニは、
週に2~4日
1日4時間とか…

こんな程度では
全くお金が足りなかった。


そこで思い付いたのが、
中学時期、夏と冬で
短期アルバイトで世話になった
クリーニング屋。

同人誌購入や
同人活動資金の為に、
夏休み・冬休み
ビッチリ働いた場所だった。

夏と冬で
各10万ずつ稼いだ。

長期のアルバイト
募集しているかどうかは
分からないが、
一か八か。

私は「ゲリラ面接」に
向かった。


No.117 12/03/28 00:36
ライカ ( 6Rs31 )

クリーニング屋の
事務所のおばさんから
顔を覚えられていた私。

履歴書の提出すら必要無く、
直ぐに「OK」を貰った。

働き出したのは
4月15日から。

私は、プレス式の
アイロン作業を任された。

病院の給食で使う
腰エプロンや、
ホテルで使う
掛け布団カバーを

デカいアイロンで挟んで、
一気にシワを取る。

私と一緒に仕事をすることになった、
当時58歳の オバサン。
名前は ミツダさん。

このオバサンとの仕事が
最初は エラい大変だった。

「最近の若い子は…」と
舐められっぱなし。

物を投げられたり、
ぶつけられたり、
散々な扱いをさせられた。

当初、週6日の
8時間勤務だったのに、
ミツダさんの給料に
私の給料が追い付こうとすると、

「最近、暇だから。」
「ライカちゃん、週5にして貰える?」

と、上司でも何でもない
一「パート」である
ミツダさんに、
出勤日数を減らされる。

悔しい思いを
散々させられた。


No.118 12/03/28 00:47
ライカ ( 6Rs31 )

当時の私の給料。

時給525円 × 8時間
× ひと月21~23日勤務
交通費は無し。

1ヶ月で
9~10万円程度。

今からすれば
「極安」だが、
当時の私からすれば
「大金」であった。

中卒で、
仕事の選択肢が少ない私。
ミツダさんからのイビリに耐え、
頑張って働いた。

それもこれも
「同人活動」…

私の「生き甲斐」の為だった。


ここで
父親からの
提案があった。

「18歳になったら
漫画の学校に行きなさい」
「学校へ行くための
お金を貯めなさい」

漫画の学校…
私もずっと気になっていた。
テレビのCMでも
よく流れていたし。

私は、即答した。

「行くことにするよ」と。

漫画の学校ならば、
イジメも無く、
楽しく通えるに違いない。


No.119 12/03/28 00:59
ライカ ( 6Rs31 )

漫画の学校に行くために、
お金を貯める。

それは別に構わなかった。
私が通う学校だし。

でも、
銀行の預金通帳と
キャッシュカードを、
父親から、ムリヤリ奪われ、

自分で稼いだお金を、
自由に出し入れ出来なくされた。


月10万のうち、

10000円は 家に入れ、
50000円は 貯金に回され、
3~4万が渡された。

私の同人活動だが、
地元の田舎だけじゃ
満足出来ず、

私が
小学校4~6年まで住んでいた
「都会」で開催される
大きなイベントに
参加するようになっていた。

イベント参加費/2500円
都会までの交通費/往復4000円

同人誌の制作費や、
便箋・封筒・シールなどの
グッズ制作費を足すと、

3~4万円では
全然 足りなかった。


お金が足りないことよりも、
通帳やカードを
ムリヤリ奪われ、
ほぼ強制的に
貯金させられているのが、
もの凄く 嫌だった。


私は 父親と
衝突する毎日が
続くようになった。


No.120 12/03/28 04:14
ライカ ( 6Rs31 )

アルバイトが終わったら
父親の車で
一緒に帰っていた。

夕方5時に上がると、
私は父親の(整体の)職場へ。
徒歩15分。

父親の仕事は
大抵が 夕方6時頃に終わる。

それまで、待合室で
父親の仕事が終わるのを待つ。

父親の仕事が終わったら
一緒に夕飯の買い物をし
父親の車で帰宅。

この流れだったが、
父親と
通帳やらのことで
衝突してからは、

バイトが終わったら、
私一人で、勝手に帰った。

バイト先から自宅まで
約10キロ。
徒歩で2時間半の距離。


私は、
同人誌のネタなんかを
考えながら、
のんびりノロノロと歩いた。

そのせいで、帰宅するまで
3時間はかかった。

家に着くのは
夜8時過ぎ。

コレをやった初日は、
父親にかなり探された。

私が家に戻ると、
父親は留守で、
家には弟しか居なかった。


「父さんが、姉ちゃんを
探しに出ちゃったよ」
「どこに行ってたの??」

私は無言で
自室に籠もった。


父親が
何時に家に戻ったのかは
忘れてしまった。

「どこ行ってたんだ?」
「心配したぞ」

「…」

私が何か喋ったら
また説教するんだろう。

(喋ったら負けだ)

と勝手に考え、
ご飯すら食べなくなった。
(家族の顔を見たくなかった)
私はひたすら無言を
貫き通した。


No.121 12/03/28 07:25
ライカ ( 6Rs31 )

父親はまた
私を説得にかかった。

「お前が働く目的は何だ?」
「学校へ行くための、
貯金が目的だったはず」
「目先の趣味に
全額費やす為ではない」
「お前の年齢で、
趣味にかかる金が月10万は
ちょっと多すぎる」

そう話すと…

父親
「そもそもお前、【売上】は?」
ライカ
「…は?」
父親
「同人誌の売上だよ」
ライカ
「売上が何か?」
父親
「作るだけ作って、
一冊も売れないのか?」
ライカ
「そう言うわけじゃないけど」


私は、特別に絵が
うまいワケじゃないし、
面白い話が
思い付くワケでも無い。

印刷代や制作費用を、
売って回収出来るのは、
3分の1程度。

半分回収出来たら
私の中では
「かなり売れた方」だった。

ちなみに
発行部数も少ないので、
全部売ったとしても
「プラマイゼロ」である。


父親
「要するに、赤字なんだな?」
「採算が取れてないと」
ライカ
「だから、ナニ?」
父親
「そう言うのはな、
【道楽】と言うんだ」


※父親の経営していた
飲み屋が
「道楽」だと知ったのは、
私が子を授かってから、
母親から聞かされた。

この頃は
全く知らない。



今思うと、
13~16歳くらいまでは
かなりの反抗期だったんじゃないかと。

親の言うことが、
全て間違って聞こえる。

自分の考えが
一番正しいのだと。

親に言われるがまま
ではなく、
自分の好きなように
何でもやりたい。



父親は、
私の態度に根負けし、
通帳とカードを
返してくれた。


「ご飯くらいは
一緒に食べなさい」

「貯金は好きにしろ。
でも、家に食費は
入れるんだぞ」


家には変わらず
10000円を入れ続けたが、
貯金は
殆どしなくなった。


No.122 12/03/28 07:37
ライカ ( 6Rs31 )

自由な金が
増えた私は、

同人誌制作
同人誌の購入
同人誌即売会での交流

趣味における
行動範囲を広げ、
ますますのめり込んだ。

【都会】での
同人誌即売会で知った
新しいこと。

それは「コスプレ」
であった。

地元田舎のイベントでは
誰一人として
コスプレはしていなかった。

私は
「こんな楽しい交流があるんだ」
と、感激した。


同人誌即売会で
親しい友人が出来た。

ナルミさんと、

ナルミさんが「ナンパ」して
連れてきた、

コムロさん。

どちらも女性。

ナルミさんは、
私が発行していたペーパー
(売り出している同人誌の
情報を書いたチラシのこと)
を見て、
手紙をくれた方だった。

コムロさんは、
コムロさんがハイレベルな
コスプレをしているところを
ナルミさんが「ナンパ」して
知り合った方である。


この、お二方。

私の人生を
大きく変える人達で、

コムロさんは
今でも私の親友である。


No.123 12/03/28 07:50
ライカ ( 6Rs31 )

同人誌即売会での
みんなのコスプレを見て、

私も
やってみたくなったし、
「ライカさんもやろう!」
と誘われた。

でも、私は
「ピザ」な体型。

とてもとても
コスプレなんて…。

ここでナルミさんが
ハッキリと言った。

「ライカちゃん、
ダイエットしよう!」
「痩せたら、
コスプレ楽しもう!」

そう、ハッキリ言ってくれた。


ナルミさんの この一言が、
私を目覚めさせてくれた。

今まで、
「デブ」「キモい」など
バカにされることは
数え切れない程あったが、

面と向かって
「痩せた方がいいよ」と
言ってくれた人間は
誰一人として居なかった。

ナルミさんからの一言で、
「私、やっぱり
痩せた方がいいんだ」と、
ハッキリと分かった。



太っている人
全員とは限らないが、
自分が どれだけ肥えているか
自覚があまり無い人、
たくさん居ると思う。


ナルミさんからの
言葉が切欠で、
私は、ダイエットを決意する。


自分の体重が
81キロもあることを知ったのは
この時であった。

家には体重計が無いので、
父親の職場の
体重計を使って計ってみた。


「81」の数字に、
…目ん玉が
飛び出そうになった。


No.124 12/03/28 08:05
ライカ ( 6Rs31 )

ダイエット…

私は、
殆ど 食べなくなった。

父親に、
「生理止まるぞ!」
「死ぬぞ!」
と 散々言われたが、

それでも
殆ど食べなかった。

1日に、オニギリ一個と
刺身コンニャクのみ。

あとは、お茶か水。


こんな食事量なのに、
毎日水泳にも通った。

バイトが終わった後の、
2時間程だが。

休館日の火曜日以外は
必ず泳ぎに行った。


若さ故の、極端な、
ムチャなダイエットだった。


でも おかげで、
半年程で

81キロ→56キロ

まで落ちた。
途中「停滞期」があり
なかなか変動しない時期があったが、

それも
何とか乗り切った。

幸い、
生理が止まることもなかった。
むしろ、
28日周期で
キッチリ来るようになった。


No.125 12/03/28 22:16
ライカ ( 6Rs31 )

16歳の夏。7月末。
世間は夏休みの時期。

私のバイト先にも、
短期アルバイトで
やってくる学生が増えた。

その中に、
シモウサさんと、

中学生の頃、給食の時間
ひとりぼっちだった私を
気にかけてくれ、
一緒に食べようと
仲間に入れてくれた
元クラスメイトが居た。

名前は、ナミノさん。

男勝りでサバサバした、
ショートカットの女の子。
背も高くて、168センチ程あった。

ナミノさんの従兄弟の
タカノくん(17歳・男)

タカノくんの友達
(クラスメイト)の
オガワくんと
コウノくんも一緒だった。

世間が夏休みの間、
彼女達と一緒に、
私も楽しく働いた。

夏休みと
冬休みの期間は、
リネン(シーツ)の
洗濯物が 大量に来る。

特に、夏休み時期は酷い。
夜の9時、下手したら10時まで
パートもアルバイトも
全員が残ってリネンの作業。

それでも終わらず、
次の日に回されることもあった。

短期アルバイトの人達は
このリネンに回される。

私も、アイロンの仕事が終わると、
夏・冬休みの間だけは、
リネンの手伝いに回った。
(ミツダさんも一緒に)

昼休みは、
シモウサさんと、
ナミノさん達と、
一緒にご飯を食べた。

ナミノさんの従兄弟と、
その友人達とも
親しくさせてもらった。


No.126 12/03/28 22:41
ライカ ( 6Rs31 )

ナミノさんの従兄弟の
タカノくん。

タカノくんは、
ランドリーのおばちゃん達から
「トオルちゃん」
と 呼ばれていた。

容姿が、渡辺徹に
ソックリだったからである。

勿論、「トオル」と言う名前は
タカノくんの本名からは
かなりかけ離れている。


ナミノさんを通して、
この、タカノくんと、
オガワくん・コウノくんとは
随分と仲良くなり、

ナミノさん
タカノくん
オガワくん
コウノくん
私の、5人で、

よく遊ぶようになった。

シモウサさんとも、
このアルバイトが切欠で、
学校に通っていた時よりも
更に親しくなった。


ナミノさん達と
5人で遊んだ、何度目かの時、
帰宅時間が
夜遅くなってしまった日があった。

タカノくんが
「独りだと危ないから」
と、私の家の近くまで
付き添うと言い出し、

一緒にバスに乗り、
一緒に歩いて帰ってくれた。


その時の帰り道
信じられない話だが、

タカノくんから
突然告白された。

「あなたのことが好きです」
「付き合ってください!」


生まれて初めてされた告白に、
私は、かなり戸惑った。

何も言えず 戸惑っていると、
半ば強引に、私と手を繋いできて、

私を引っ張るような感じで
歩き出した。


No.127 12/03/29 05:01
ライカ ( 6Rs31 )

私は、手を引っ張られるも、
引っ込めることも出来ず。

そのまま、
家の下の坂道まで
来てしまった。

ボロボロの借家に住んでいた
私達。

家を見られたくなくて、
私は
「ここまででいいよ」
と言った。

タカノくんは
「返事は、
今じゃなくても構わないから」
「じゃあ、また明日ね」

と、少し離れた場所にある
バス停留所に向かって
歩いていってしまった。




私は、ひたすら
「ポカ~ン」と
していた。

こんな私を、
好きになる人が
現れるなんて。

ダイエットも
まだ途中で、
この頃はまだ、
65キロくらいは
あったと思う。

ファーストキスの相手
ハセガワくんからも、
「好きです」なんて告白は
されていない。


初めての告白だったが、
不思議と
嬉しい気持ちは無かった。

彼に、
恋愛感情が
無かったからだろう。


私は、
タカノくんの
クラスメイトの

オガワくんが、
気になる存在だった。

でも、心の片隅にはまだ、
中卒以来会ってない
ユウの存在が残っていて…。


タカノくんに
気持ちが傾きそうには
なかった。

それに、
私みたいなデブサイク女が
言える立場ではないが、

(批判覚悟で…)

タカノくんの容姿が、
どうしても
好みではなかった。

顔は、渡辺徹。
体型は「それ以上」だった。

自分が「デブス」なせいか、
太っている人は、
男でも 女でも 嫌だった。


「デブはデブを呼ぶ」
そう 思われたくなかったから。


No.128 12/03/29 05:21
ライカ ( 6Rs31 )

タカノくんに
返事が出来ないまま、
秋になってしまった。

10月…
学校祭の時期。

私は、タカノくん達から
「俺達の学校の
学校祭に遊びに来いよ」
と誘われていた。

私は、ナミノさんと一緒に
行くことにした。


タカノくん達の学校は
工業高校。
95%が男子で、
ほぼ男子校だった。

(私が通った商業は真逆で
95%が女子でした)

私は ナミノさんと2人で
楽しく学校中を巡った。

午後の時間帯から、
タカノくん・オガワくん・
コウノくんの3人は
自由行動になると言うことで、

彼等の教室の前で
待ち合わせをした。


ナミノさんと2人で
校内をまわり、

中庭のような場所で、
校内で買ったパンを
2人で食べている時、

ナミノさんから
聞かれた。


「タカノに返事、したの?」
と。

タカノくんは、
従姉妹である ナミノさんに、
私のことを 相談していたらしい。

私は、
ナミノさんに
正直な気持ちを伝えた。


ライカ(私)
「中2~3で一緒のクラスだった、
ユウを覚えてる?」
ナミノ
「ああ、ユウね。勿論覚えてるよ」
ライカ
「実は私ね、ずっとユウが好きで…」
ナミノ
「うん。気付いてたよ」
ライカ
「…! ああ、そうなんだ…」
「私、まだユウを忘れられなくてね。
まだ、他の人を好きになれそうにない」
ナミノ
「そうか~。」
「そりゃ~仕方無いよね」

一呼吸置いてから、
ナミノさんは言った。

ナミノ
「実はね、ユウは
アンタのことが 好きだったんだよ」



…私は ギョッとした。

落ち着いていた心臓が、
その言葉を聞いた途端、
バクバクと言い出した。


No.129 12/03/29 05:50
ライカ ( 6Rs31 )

ナミノさんと
ユウは、

幼なじみも同然で、

保育園・小学校・
(勿論)中学校も
ずっと一緒だったらしい。

ユウは、幼なじみ同然の
ナミノさんに、
私のことを、それとなく
相談していたと。

ユウはよく、
「ライカって、
好きな人居んのかな~」
と ナミノさんに
漏らしていたらしい。


確かに、ユウから
第二ボタンを
貰うことは出来た。

でも それは、
「最後の記念に」と…
そんな感じで
私に譲ってくれたのだと
思っていた。

ユウからは、
一切モーションも無く、
私を好きかもしれない…
と思わせるような素振りも
全く無かった。

(私が気付かなかった
だけかもしれないが)


ナミノ
「ユウは、かなり奥手で、
かなりの恥ずかしがり屋だからな~」
「仕方が無いっちゃ~、
仕方が無いよな。」


「私、ユウの家、知ってるよ。」
「行ってみる??」

ナミノさんに、そう振られたが
私は慌てて断った。

「そんな、迷惑なこと出来ないよ」
と…。


前は、私を
好きで居てくれたのかもしれない。

でも、もう10月。
新しい好きな子が
現れたかもしれない…。


ナミノさんは
「タカノに、そう伝えておくわ」
「タカノもイイ奴なんだけどね」
と私に言った。

タカノくんに、
私が直接断るべきなのだろうが、
当時の私は、
「言いづらい」気持ちの方が
先に立ってしまい…

ナミノさんを
頼ってしまった。


ちなみに、

さすがにナミノさんには
「容姿が好みじゃないし」
とは、言えなかった。

タカノくんは、
ナミノさんの従兄弟だしね…。


No.130 12/03/29 06:13
ライカ ( 6Rs31 )

ナミノさん達や、
シモウサさんは、

夏休み・冬休みの
短期アルバイトには
必ず顔を出すようになっていて
真面目に働くので、

おばちゃん達からも
顔を覚えられていた。

ナミノさんを通して、
タカノくんに
私の気持ちを伝えて貰ってからは、

タカノくんとは
何となく 遠くなった。
よそよそしくなったと言うか…。

私はずっと、
タカノくんの友人
オガワくんが
気になっていた。

でもやっぱり、
ユウの存在が、なかなか
心から消えず、

オガワくんとは

男友達。
それ以上でも
それ以下でも無い。

…特に何も無く終わった。


不思議なことに、

ナミノさん。
タカノくん。
コウノくん。

彼等の顔や 姿は、
今でも直ぐに思い出せるのに、

オガワくんの
顔は…

全く、思い出せない。

短期アルバイト時期、
毎日 顔を合わせていた
こともあったのに、

オガワくんの顔は、
数時間で忘れてしまう。

家に戻ると、
「オガワくんの顔、
どーだったっけ…」
思い出そうと必死になる。

次の日、
オガワくんが
ランドリーに働きに来ると、

「ああ、こう言う顔だった!」
「忘れないように、
焼き付けておこう!」

と 思うのだが、
やはり家に戻ると

「あれ………?」

頭の中から、消えている。


今でも、
全く思い出せない
オガワくんの顔。

「好みの容姿だった」

これだけは、
覚えているのだが。(笑)


No.131 12/03/29 06:36
ライカ ( 6Rs31 )

■17歳■
クリーニングの仕事も、
ダイエットも順調だった。

勿論、同人活動も。

アルバイトでは、
パートナーである
ミツダさんに
やっと認められ(?)

イビリもすっかり無くなり、
仲良しコンビとして
日々楽しく働いた。

余談だが、
おばちゃん同士
何人も集まると……

かなり 下品。
と言うか、汚い。

勤務中、下ネタ大爆発。

おばちゃん達の口から
よく飛び出す発言が

「しなびたナスビ」
(オヤジ世代のイチモツのこと)
「干しぶどう」
(黒ずんだ乳首のこと)

ミツダさんはよく、
ゲラゲラ笑いながら

「うちには
ライカちゃんが居るんだから!」
「汚いネタは
勘弁してよね~!」

と言っていた。
それはもう、
涙を流しながら笑っていた。



56キロまで落ちた私は、
同人活動では
コスプレも楽しむようになった。

縫製なんて、かなりデタラメ。
着なくなった服を切って、
ソレを「型紙」として使っていた。
ズボンなんかは、
この方法だとキレイに作れたりする。

同人誌の方も、
相変わらずコピー本が
メインだが、

コピーでは
追い付けないくらい
売れるようになっていた。

やはり
「都会」の大きいイベントは
売れる部数も、
コスプレの規模も違う。

同人誌を扱う雑誌に
自分で作った同人誌を送り、
掲載してもらい、

通販で、同人誌を
販売するようにもなった。

雑誌に載ると、
それなりに、申し込みがある。

通販の作業も、
とても楽しかった。


アルバイトのパートナー
ミツダさんの
迷惑にならないよう、

イベントの参加は、
1ヶ月~1ヶ月半に
1回と決めていた。


充実した
一年を 送れたと思う。


No.132 12/03/29 06:55
ライカ ( 6Rs31 )

■18歳■

漫画の学校に通う為、
3月末で、
クリーニング屋を辞めた。

辞める時、
ミツダさんからは
「目標に向かって
頑張ってね…!」
と、パジャマを頂いた。


漫画の学校だが、
当初は
東京の、一番大きい学校へ
通う予定だった。

東京の学校へ連絡を取り、
入る寮の段取りまでしていた。

でも、父親曰わく

「とても心細く見えた」
「不安そうに見えた」

とのことで、
東京行きはキャンセル。

小4~6年まで住んでいて、
月に一度の、同人誌即売会の
イベントでも慣れている
「近場の都会」にある
漫画の学校へ 通うことに。


心細い、不安だ、

と言うより、
「都会」のイベントで知り合った
同人仲間と
疎遠になってしまうのが、
凄く寂しかった。

それが、顔や態度に
出ていたんだと思う。


学校も、勿論楽しみだったが、
イベントで知り合った、
沢山の友達と 近くなる!

そのことが
何よりも嬉しかった。


漫画の学校も、趣味(同人)も
充実させた毎日を送ろう。

この時は、
強くそう思っていた。

でも
私は 変わってしまった。


「携帯」を持ち始めたのが
運の尽きだった。


No.133 12/03/30 02:15
ライカ ( 6Rs31 )

クリーニング屋での
アルバイトで
漫画の学校の為に貯めた
貯金額は、
結局、40万程度だった。

これでは、
入学金すら賄えない。

それでも、
入学金に40万は使われた。

-----

漫画の学校に通いながら、
アルバイトも
しなくてはならなかった。

学生なら誰でも入れる
女子寮に移った。

女子寮にかかる家賃と、
水道光熱費と、
女子寮から出るご飯(食費)代は、
全て、父親が払ってくれる。

でも、
月の小遣いは
勿論自分で稼がなくては。


アルバイトの面接、
何十個受けたか、
分からないくらいだった。

受けても受けても、
片っ端から落とされた。

私が如何に「使えない人間」に
見えるのかが、よく分かる(笑)

結局、半年間は
アルバイト出来ないまま、
父親から 更に
お小遣いの仕送りまで
させてしまうことになった。

父親が 月にくれた
お小遣いは、2万円。

同人活動をやっていく上では
足りない金額だった。



とても、恥ずかしい話。

私は、
いかに、自分の家が貧乏か。

人間が生きていく上で、
1ヶ月に最低、
どのくらいのお金が必要か。

…全く、知らなかった。

父親が
「うちにはお金が無い」
と言うことを、
全く感じさせないように
私達を育てた

と言っていた。

でも、
それが裏目に出た。


私は、
「大人というものは、
ある程度お金を持っている生き物」
…ずっと こう思っていた。
だから、父親に

「足りない。あと1万円
振り込んでください」

なんていうFAXを
毎月のように送った。

父親から
「我が家には、もうお金が無い」
「勘弁して欲しい」
と、父親の預金通帳の
コピーのFAXを
送られたことがあったが、

預金通帳の残高を見ても、
私には、サッパリ分からず。
ぜんぜんピンと来なかった。

(ちなみに
FAXにあった預金残高は30万)


No.134 12/03/30 02:46
ライカ ( 6Rs31 )

中学生の時、
クリーニング屋のアルバイトに
ありつけたのは、
クラスメイトからの 紹介だったし、

そのクリーニング屋を
長期パートとして働けたのは、
中学生時代の
短期アルバイトで、
事務のおばさんと
顔見知りになったからだった。

面接をして、
ゼロからのスタートで
働けたワケではない。


クリーニング屋も、
履歴書持参と
面接から入っていたら、
落とされていたかもしれない。



私は、
「面接下手」?
「頼りなさそうに見える」?
「デブサイクだから」?

面接に落ちる理由を
マイナスにマイナスに
考えていった。

自分が、いかに
劣った容姿をしているか、
それは重々承知であったから、
(ハマっていた
コスプレでさえも、
露出度が低いものばかり)

容姿が問われる仕事は避けて
面接をしたつもりだった。

たこ焼き屋
居酒屋のホールスタッフ
スーパーの裏方
出前寿司屋のレジ
コールセンター

ほかにも、色々…。


散々落ちまくって
悩んでいるところへ、

同人仲間の ナルミさんが、
「私と同じところに来る?」
と、声を掛けてくれた。

結局、
ナルミさんの「紹介」で、
清掃のアルバイトに
ありつけた。

「ナルミさんからの紹介」
と言うことで、
面接は無く、
履歴書のみでパスした。

大型百貨店の清掃。
16時~閉店する20時までの
1日4時間勤務。
時給820円。
週5日のシフト制。

働き始めたのは
10月半ばからであった。


No.135 12/03/31 01:13
ライカ ( 6Rs31 )

漫画の学校では、
虐められたり、
バカにされたりは
全く無かったものの、

友人は、
あまり出来なかった。

漫画の学校は、
「同い年」だけではない。

何歳からでも
入学可能なので、
クラスメイトに
年齢のバラつきがあった。

それに、
(私もかなりのオタクだが)
「個性的」過ぎて
ついて行けない人達も
かなり多かった(特に男性)。

この学校には
「専用寮」があって、
同じ寮の人達で
仲良くなる(固まる)傾向が
強かった。

学生なら誰でも入れる
女子学生会館を
利用していたのは
私だけ…。

専用寮は格安だが、
食事は付かないし、
2人の「相部屋」であった。

父親が
「お前は家事なんてやらんだろ」
「食事が出るところが良い」
として、
わざわざ、高額の
学生会館の方を選んだ。


私は、
この学生会館が、
凄く嫌だった。


No.136 12/03/31 01:41
ライカ ( 6Rs31 )

私が利用した
女子学生会館には

門限があった。
夜10時まで。

少しでも遅れると、
外の大きい門が
閉められてしまって
入れなくなる。

遅れそうな時は、
寮母さんに電話。
門を開けておくように頼む。

この電話、寮母さんに
凄く 嫌な顔(声)をされる。

遅れて帰った時は、
遅れた理由を書かされた。
ソレを寮母さんに提出。

---

友人を部屋に呼びたいが、
部屋が狭過ぎて
一人までが限界。

友人を呼ぶのにも、
寮母さんの許可と、

部屋番号
住人の名前
滞在時間(○○時~○○時まで)
友人の名前

これらを書いて
部屋に入らなくてはならない。

部屋が、兎に角狭い。
シングルベッドと
勉強机で、もうギュウギュウ。

友人を呼んだら、
友人の居場所は
ベッドの上のみ…(汗)

---

風呂・トイレ・ランドリーは
共同。まあまあ綺麗。

---

ご飯は、
朝夕2食出る。
一階の食堂で食べる。

かなりの大盛。
「デブの道まっしぐら」な量。

父親の出すご飯に
慣れ切っている私が
「大盛」と感じるのだから、
相当なもの。

私は、学生会館の中でも
孤独だった。

学生会館に居る人達は、
同じ専門学校や、
同じ大学に通っている人達が
多かったようで、

最初から、「輪」が
出来上がっていた。

「漫画の学校」の人間なんて
誰一人として 居ない。

容姿にも
自信の無い私。

(どうせ相手にされないだろう)
(また“デブ”“キモい”とか
思われるんだろう)
(知らない人達しか居ない場所で
独りでご飯なんて無理)
(こんな大盛食べ始めたら、
また太ってしまう…!)


そう思った私は、
半年間、一度たりとも
ご飯を食べに行かなかった。


No.137 12/03/31 02:02
ライカ ( 6Rs31 )

私が、あまりにも
ご飯を食べに行かないので、
寮父さんに、心配された。

寮父さんから直接ではなく、
寮母さんから
「寮父さんが、凄く心配してるわよ」
と、何度も聞かされた。

寮父さんが私を
心配していたのには、
理由があった。


これは、完全に
「私のミス」で、
寮父さんは、
何も悪くないのだが…


学生会館の風呂は、
午後の5時~11時までだった。

私は「AM」と「PM」を
勘違いしてしまい、

朝の5時~11時
だと思ってしまった。

風呂には誰も居なくて、
湯船も冷たい。

そこで気付いて
直ぐに出れば良かったのに、

バカな私は、
少しも「おかしい」とは思わず、
シャワーを浴びてしまった。

湯船は冷たかったが、
シャワーは普通に
お湯が出た。

私が呑気に
髪の毛を洗っていると


突然、
寮父さんが

風呂の
曇りガラスの
スライドドアを「ガラリ」…


寮父さん、
裸の私にビックリ。
驚愕な顔。→(°Д°;)
スライドドアを
「ガラガラピシャーン!!」
と慌てて閉める。

ドア越しに、
寮父さん。

「…あ…あぁ…アンタ!!」
「まだ風呂の時間じゃないよ!!」

一呼吸置いて

「ご、ゴメン!!」
「誰も居ないと思ったから!!」


私は
「す、スミマセン!!」
と謝って、
急いで髪の泡を洗い流し、
慌てて風呂から出た。


曇りガラスの
スライドドアに貼ってあった
風呂の時間帯を
よく見てみたら…

「午後5時~11時」
と 書いてあった。


---


この一件で、私が

「寮父さんに、裸を見られた!!」
「ショック!!!!」

と思い、ご飯を食べに
来れないのだろうと…

寮父さんは
気が気では なかったらしい。


私は、

「いえいえ、
勘違いした、私が悪いんです」
「こんな気持ち悪い体で、
お目汚し かえってスミマセン」

な気持ちだった。

ご飯を食べに行かないのは
太りたくないから。
ただ、それだけ。

寮父さんに見られたことなんて
スッカリ忘れていた。

No.138 12/03/31 02:13
ライカ ( 6Rs31 )

勇気を振り絞って(笑)

ご飯を食べに行くと、
配膳をしていた寮父さんから

「あぁ…良かった~」
「やっと食べに来てくれた!」
「風呂のことで、ショックで
食べに来れないんじゃないかと
思ってたんだよ」


…私は

「は???」

であった。


寮父さんに
心配されるので、

時々、食べに行くようにした。

水泳と 食事制限で
56キロまで落としたのに。

もう、
本当に 太りたくなかった。


でも、私は
騙されていた。

寮にあった 体重計に…。


なんと、
寮の体重計は
「マイナス5キロ」の
数字が出ていた。

メモリの針は「ゼロ」。
なのに、
5キロも少なく出る。

アナログの体重計には
よくあることなのか?
磁場? ただの故障??

実家に帰った時に
体重計に乗ると…

「61キロ」


…目ん玉飛び出た。

毎日毎日、
欠かさず体重を計っていた。
昨日、寮の体重計は
「56」を指していたのに。

1日で、5キロも増えるのか??

いやいやいや、
5キロもいきなり太ったら、
服の着心地で分かるもんだろう。

実家から戻り、
寮の体重計に乗ると…

やはり「56キロ」
であった。




再び、寮のご飯は

食べに行かなくなった。


No.139 12/03/31 02:38
ライカ ( 6Rs31 )

学生会館に入ってから、

ジワリジワリと、
体重が 増えていったようだった。

ご飯には、
かなり気を使っていた。

10月までバイトが決まらず、
父親からの仕送り(小遣い)から
細々と、オニギリやゼリーを
買って食べて過ごしていた。

でも
運動は しなくなっていた。

僅かな食事量でも、
リバウンドしたらしい。

多分、過度のダイエットで、
体が「飢餓状態」だったのだろう。


私は、
アルバイトにありついてから、
学生会館から 学校まで
往復を
歩くようにした。

片道6キロ。一時間半。

アルバイト先からは、
交通費が 月一万円出た。

その交通費も
同人活動の資金にしようと
思ったし、
ダイエットにもなるし。

徒歩は、一石二鳥であった。


2ヶ月で7キロ痩せ、
私は54キロになった。
身長は163センチ。

その後も、
体重維持の為に、
同人活動資金の為に、
徒歩は続けた。


今までの人生で
一番 痩せていた時期であった。


No.140 12/03/31 03:09
ライカ ( 6Rs31 )

■19歳■

漫画の学校
アルバイト
ダイエット
同人活動

全てが順調だったし、
毎日が快適だった。

漫画の学校は、
一度も休むことなく
皆勤であった。

兎に角、
楽しくて仕方が無い。

54キロをキープしていた私は、
どんどん お洒落にもなっていった。

同人仲間のナルミさんと一緒に、
服の買い物にも、よく行った。

アルバイトも、
最初は「お局様」から
色んな「粛清」を受けるも、
仕事の流れを掴んで
スムーズになると、
誰も何も言わなくなったし、

何より、
アルバイト先の
大型百貨店のトイレの
「落とし物」が

とても面白かった。

トイレによくある
「ベビーベッド付きトイレ」

…ここには
人が住んでいる。

ゴミ箱を見ると、
シャンプー・リンスの空容器
濡れたフェイスタオル
着用済みの下着
歯ブラシ
…などが捨ててある。

しかも、
手洗い用の洗面台(個室設置)には
垢がビッシリとこびりつき、

赤ちゃん用のベッドで
寝た形跡もあった。
(フケや抜け毛が…)


ゴミ箱によくあった
「落とし物」で、

ホモビデオと
ホモ雑誌があった。

普通のエロビやエロ本よりも
「ホモ」の方が
多く発見された。

私や ナルミさんは
スッカリ面白がってしまい、
ホモ雑誌やホモビデオを
「お持ち帰り」。
そして「回し見(読み)」。

8階男性トイレは
所謂「ハッテン場」。

ホモを連想させる
イタズラ描き、

「男の子募集」と、
携帯番号が壁に書かれていたり、

男性名の名刺に吐き出された
精液(汗)まで
落ちていることもあったし、

使用済みの ゴムも…(汗)


今でこそ「気持ち悪い」の
一言に尽きるが、
まだ18~19歳の私達にとっては、
新鮮な笑いのネタであった。


No.141 12/03/31 18:01
ライカ ( 6Rs31 )

アルバイトで
お金を得るようになって、

私は、生まれて初めて
「携帯」を手にした。

3和音で、
モノクロ画面で、
「棒」の携帯。

私の携帯は、「最後の」
モノクロ画面携帯だった。
(次のバージョンからカラー)

携帯のことを
全く知らない私は、

デザインと、
ボディカラーのみで
選んで買った。

(ちなみに
ボディカラーは
青紫のメタリック)

どこの会社が良いとか、
そんなもの、
比較のしようも無かった。

この携帯が、
私の人生を、
悪い方へと変えた。


「メル友広場」と言う
無料サイト…

「メル友とはなんぞや?」
好奇心から、
軽い気持ちで登録。

すると、
ワンサカワンサカ、
コメントが来る来る来る。

「初めまして、こんにちは」
「良かったら、メールしませんか?」

同じような内容で
同じようなハンドルネームで
(一番多いHNが「まさ」
その次が「けん」だった(笑)
返信しきれないくらいの
コメントが来た。


コレを「面白い」と
感じてしまった私。

「メル友」に
スッカリはまってしまった。

携帯片手に
ずっとメールをしている。

自己紹介から始まるわけだが、
お互いに「容姿」の話になると
凄く盛り上がる。

この頃「写メ」なんて
まだ無い時代。

文面から想像して、
妄想を 膨らませるしかない。

相手の見えない、
文面のみでの自己紹介は、
自分の中で
もの凄く「美化」される。

お互いに
勝手に妄想して、
勝手に盛り上がる。



同人活動は
変わらず続けていたものの、
漫画の学校へは
行かなくなってしまった。


No.142 12/03/31 18:32
ライカ ( 6Rs31 )

最初は
メールしあっているだけだが、

そのうち
メール相手と
会うようになった。

その中でも
(色んな意味で)「最悪」だった
男性を 紹介します。


まず、私が「最悪」だった
パターンを。

相手の男性は
当時で21歳。

自称「ビジュアル系」
趣味は、ビジュアル系の歌を歌うこと。
髪の毛は赤く、短髪。
身長は178センチ。
体重は…忘れた。
血液型はA型。

たったこれだけの情報で、
私は「そこそこ」の容姿を
勝手に妄想した。

この男性、
メールのやり取りだけで
「ライカが好きだ」と言う。

是非 会いたいと
言うことで、

この男性は、
わざわざ飛行機と
列車を使って、
私に会いに来てくれた。

駅で待ち合わせ。

それらしい格好の
男性がウロウロしている。

初のご対面。
お互いに、
服装のチェックをして、
「○○さん(くん)だよね?」
と確認。


この男性の
容姿の悪さに 愕然。(°p°;)

体型は、中肉中背。

髪の毛は 確かに赤いが、
中途半端でマダラ。
根元は黒い。

笑うと、複数のほうれい線と、
目元には 大量の笑い皺が…。

何よりも気持ち悪かったのが、
彼の「歯」であった。

笑うと、
ピンク色の歯茎と
歯並び最悪の前歯が、
剥き出しになる。

しかも、喫煙者の為か、
歯間に ヤニがこびりつき、
真っ茶色…!

複数のほうれい線
大量の笑い皺
歯間の茶色いヤニ

これらのせいで、
21歳には 見えなかった。


何とか我慢して、
カラオケに言ってみたが、
歌が、メチャクチャ下手。

「音程がハズレちゃった」
のレベルではない。
極度の「音痴」であった。

ビジュアル系が好きで
歌うのも趣味と言うから、
多少なりとも、
歌が上手いものだと
勝手に思い込んでいた。

生理的嫌悪感を抱き、
私は、冷や汗でビッショリに。
冷や汗をかきながら
鳥肌が立っているところに、

彼からの
「にじりにじり…」攻撃が。

カラオケの長椅子、
距離を置いて座っていると、

彼が、少~しずつ
ジワリジワリ
にじりにじり…と、
近づいてくるのだ。

私はそれに直ぐに気付き、
私も少~しずつ
距離を置く。

彼は「にじりにじり」
を辞めることなく、
少しずつ
私を追い込んで行く……


No.143 12/04/01 01:34
ライカ ( 6Rs31 )

にじりにじり…

ビジュアル系の彼は
必死に歌いながら、
私の真隣に来た。

私の手を握ろうと、
マイクを握っていない方の手が
バタバタと動き回っている。

私は、カバンや携帯、
曲ナンバーの載った
インデックスなど、

用も無いのに触りながら、
彼の手を避けた。



……とうとう
我慢の限界が来た。

冷や汗と鳥肌が
止まらない。

彼は
マイワールドに入り込んで
歌いまくっている。
(マイクは離さないタイプ)


私はそこで

「ごめん、親から電話架かってきた」
「ちょっと待ってて」

と嘘を付き、
カラオケルームから出た。

そして、全く別なメル友(男)に

『暇なんだけど、
これから直ぐに遊べない?』
『○○駅で待ってるよ』

と、素早くメール。

メールを送信した後、
電話をする振りをして
2~3分後、
カラオケルームに戻った。

マイワールドで歌う彼に、

「母親が倒れた」
「今すぐ実家に帰らなくてはならない」


そう、嘘を付いた。


No.144 12/04/01 01:44
ライカ ( 6Rs31 )

彼は、深刻そうな顔をし、
「それは大変だ」
と、一緒にカラオケルームを退出。

その時、先程メールした
全く別のメル友から返信が。

『急にどうしたの?』
『今すぐ遊べるよ』
『車で行くけど、
駅のどこで待ってたらいい?』

と来たので、
早歩きしながら慌てて返信。

『急にごめんね、ありがとう』
『○○駅の北側にお願い』

と打つ。

カラオケルームから出て
約15分後、ビジュアル系彼と
待ち合わせした駅へ戻った。

「私はここから、
親戚の車で帰るよ」
「飛行機まで使って来てくれたのに
本当にごめんね…」

彼は、
「事情が事情だから、
仕方が無いよ」
「また遊ぼうね、また会おう」
「ライカ、好きだよ」
…とまで言ってくれたが、
私は

(ごめん、
二度と会うことは無い…)

と 心の中で呟いた。

全く別なメル友から
『着いたよ。車の特徴は○○』
『車のナンバーは○○○○だよ』
と返信が来た。

私は、名残惜しそうな振りをしながら
ビジュアル系の彼と別れた。



携帯から、
ビジュアル系彼の
メアド、携番、
直ぐに消した。

そして
「メル友広場」も
一度解約して、
再入会をした。

一度解約して、
また新たに再入会すると、
IDが変わるからだ。


再入会した後、
メル友広場を覗くと…

ビジュアル系彼が
私を探していた。

“「ライカ」と言う女の子を
探しています”
“これを見たら、連絡ください”


…勿論、
二度と連絡を取り合うことは
無かった。


No.145 12/04/01 06:02
ライカ ( 6Rs31 )

ビジュアル系彼から
連絡が来ないよう、
勿論、着拒にもした。

飛行機まで使って
わざわざ来てくれたのに…

会ってから、
たったの2時間程度で
別れてしまった。

私は流石に
「可哀想過ぎた」
「我ながら最低だな」
と、申し訳無く思った。

でも、
生理的に無理なものは無理。

あの冷や汗と、鳥肌は、
後にも先にも
ビジュアル系の彼のみ。

こればかりは、今でも
「どうしようも無かった」
と思う。


ちなみに、
緊急で 突然呼び出した
メル友(男)とは、

ご飯を食べて、
ドライブして、
健全に過ごした。

学生会館の門限に
間に合うよう、
車で送ってくれた。

突然、会おうと呼び出した
理由を説明すると…

「それは仕方の無いこと」
「生理的に無理なのは、
俺にも経験あるよ~」

と、笑って聞いてくれた。

このメル友の名前は
ヒロくん。
年齢は、当時で20歳。
私より、一つ年上。

メル友広場では、
ゲームの話で盛り上がった。

容姿は、
「眼鏡の優しいお兄さん」
で、至って普通。

今現在も、たまに
「面白いゲームがあったら教えて」
など、
メールのやり取りは続いている。


No.146 12/04/01 06:29
ライカ ( 6Rs31 )

もう一人の男。

私と同い年。
背は165センチ。
中肉中背。
もっさり冴えない顔。
自衛隊所属。

泥で汚れた、黒い靴に
黒いカバン…
今でも覚えてます。


ビジュアル系の彼の時と
同じ駅で待ち合わせ。

彼は、初めて会うなり突然

「暇つぶしグッズ、持って来た?」

と言い放った。
私は「…は?」と返す。

「俺、つまんない男だから」
「多分、一緒に居ても暇だよ」

本当に、
やる気が無さそうに言う。
勿論、暇つぶしグッズなんて
持ってきてはいない…。

(なんだコイツ)

と思いながらも、
彼と一緒に買い物へ。

彼は、一言も喋らず、
私の後を、金魚の糞のように
ついて来るだけ。

私は、流石に頭に来た。

ライカ
「あのさ、遊ぶ気 あんの?」
「ちょっと失礼じゃない?」

自衛隊彼
「だから言ったよね?」
「俺と一緒に居てもつまんないって」

ライカ
「じゃあ、何で今日ここに来たの?」

自衛隊彼
「う~ん」
「どんなもんかな~って、何となく…」


私は、彼のやる気の無さに
すっかり呆れてしまい、
彼の前でわざと、
ガンガン メールしてやった。
(相手はやはり他のメル友)


もうアンタに用は無い。
どっか行け!


“暇つぶしグッズ、持ってきた?”
なんて 自分から言っておきながら、
私が「暇つぶし」に携帯をいじると、
メチャクチャ不機嫌そうな顔をする。

私は、わざと
早歩きをしながら
携帯を必死こいていじった。

自衛隊彼、
私の後ろから、

「なんだお前!」
「携帯ばっかいじりやがって!」

私は、メル友に電話。
自衛隊彼に聞こえるように、

「急にごめん!」
「今、時間ある?」
「今会ってる男、
チョー最悪でさぁ!!」
「私のこと馬鹿にしてる!!」
「これから遊ぼうよ」

と会話してやった。

自衛隊彼
「もういいわ!」
「俺、帰る!!」


私は
(ああ、さっさと帰れ)
と、心の中で呟き、
振り返りもせず、
電話しながら、直進を続けた。


勿論、自衛隊彼とは
これっきり である。

一体、ナニがしたかったのか。

私の容姿に幻滅し、
萎えてしまったのかもしれない。


No.147 12/04/01 14:45
ライカ ( 6Rs31 )

メル友と会う生活は、
半年ほど続いた。


私は、19歳にもなって
「処女」なことに
コンプレックス…とまでは
いかないが、

「早く済ませてしまいたい」
とは、ずっと思っていた。


同人仲間であり、
バイト仲間でもある
ナルミさんに、
前々から 相談をしていた。

「19にもなって経験無いなんて、
私って“化石”だよね」と。


ナルミさんはと言うと、
実はとんでもない人で…

小学6年生にして、
援助交際に、プチ家出。
車を持つ男は全て「足」で、
色んな男から、
散々貢いで貰ってきたと。

それはもう、
やることは やり尽くしたらしい。

そのことを、さも
「武勇伝」のように、
自慢気に話す子だった。

当時の私は、
「へぇ~…凄いねぇ」
と、思うばかりだったが。


“先輩”である ナルミさんに

「メル友と、ヤッちゃいなよ」

と 言われた。


私も、それは考えていた。
「初めての相手」に、
全く拘りが無かったし、

処女なんて、
取っておくだけ
恥ずかしいものだと
思っていた。

「好きな人に、処女を捧げる」
なんて、考えたことが無い。


ただ、
どんなモノなのか、
全くの未知の世界で、

怖い気持ちが
凄く強かった。


私は、幼い頃の
叔父からの性的虐待を思い出す。

「あんな感じ」なんだろうか?と。

叔父から
「挿入」はされたことがない。
童貞で、女性の体にも
全く詳しくない叔父は、
どこに入れるものか
よく 分からなかったようで。

「入れるよ~、ライカちゃん」

と、虐待中、叔父に言われたが、
生理すらまだの、
小学2年生だった私が
「どこに、何を入れるのか?」
分かるハズも無く…。



セックスが「あんな感じ」なら
あまり、経験したくはないと…






気持ち悪い。
怖い。
気持ち悪い。
怖い。
気持ち悪い。
怖い。
気持ち悪い。
怖い。
気持ち悪い。
怖い。
気持ち悪い。
怖い。

気持ち悪い。
怖い。

気持ち悪い。
怖い。


気持ち悪い。

怖い。


気持ち悪い。


怖い。





私は、悪い子。

こう言うことをしている 私は

悪い子なんだ。



地獄に 堕ちるんだ…。



No.148 12/04/01 17:39
ライカ ( 6Rs31 )

幼い頃の、
叔父との行為の 罪悪感。

7~8歳当時よりも、

叔父との行為の“意味”を

理解していくにつれ、
歳を取っていくにつれ、
どんどん
苦しいものと なっていった。

やられていた当時は、
別に、叔父から
殴られるワケでも、
暴言を吐かれるワケでもない。

私は 日々を
「何となく」過ごしていた。

気持ち悪い叔父。

私が我慢すれば
いいだけのこと。

両親に話したら、
「何をやってるんだ!お前は!」
と、両親から怒鳴られる。
叩かれる。殴られる。

両親に話したことが
叔父にバレたら、

何をされるか、分からない。


両親(特に父親)に怒られるのが、
何よりも怖かった。

この頃の私にとって
「親」とは、

親が絶対で、
完璧で、間違いが無くて、
親の言う通りにするのが
一番「間違いの無いこと」で。


今のように、
「親も所詮、人間だから」
なんて考えは、
当然 無かったから。



「親=神」

のような考えは、
反抗期の手前、
中学1~2年まで続いた。


No.149 12/04/01 18:21
ライカ ( 6Rs31 )

処女の話に戻る。

ナルミさんから

「ライカちゃんも
援交してみたら?」
「お金、貰えるし、
気持ち良いし、一石二鳥!」

と言われた。

お金(同人活動資金)が欲しかった私は、
ナルミさんの言葉に
軽く乗った。

【お金が貰える】
【処女も捨てられる】

私の頭には
コレしか無かった。


メル友広場にて
募集の書き込みをする。

「19歳・未経験・諭吉2枚」

そうすると、
何件かの返信が。

文面からでは
当然分からないが、
確実に、お金をくれそうな
40代のオジサンに決めた。

数日後、
学生会館前の、
大きな通りで待ち合わせ。

白い車が、一台。

運転席に乗っていたのは、
エロ漫画やエロビデオに
出て来そうな、
「いかにも」の
禿デブのオジサンであった。


「本当に、経験無いの?」
「そうは見えないな~」

オジサンは
何度も聞いてきた。

「本当に、“初めて”が
オジサンでいいの?」

私は、
(処女ってそこまで
アレなのかねぇ…)
と、疑問に思いながら

「はぁ、別に構わないですが」

「それよりも、お金、
先払いでいいですか?」
「ヤラれ損は嫌なんで」

と、素っ気なく答えた。

これは、
ナルミさんからの
アドバイスである。


「金」と
「処女を捨てる」

本当に、コレしか
頭に無かった。


No.150 12/04/01 23:51
ライカ ( 6Rs31 )

ホテルに着くと、
オジサンは約束通り
先にお金をくれた。

2万円を、財布にしまう。
私は心の中で
ガッツポーズ。


オジサン
「ライカちゃん、恋愛経験は?」

ライカ
「人を好きになったことは
何度かはありますけど、
付き合ったことは無いです」

オジサン
「えー!!
彼氏が居たこともないの!?」
「ますます信じられないな~」

オジサンが
信じようが 信じまいが、
それが事実だし…。


オジサンと一緒に
シャワーを浴びる。

オジサンは、私の
(エロい)テンションを
上げるつもりで

洗ってる最中
「いろいろ」してきたが、
好きでもない、
好みでもないオヤジに、

何をされようが、
テンションなんて
上がる筈も無く。

私の「ニュートラル」な状態は
変わらなかった。


体を拭いて、
2人でベッドに入る。

オジサン、
私の体にボディタッチ。

くすぐったいだけで
ただただ不快。

オジサン
「こうやってね、
スキンシップをして
気持ちを高めるんだ」




…。

私の気持ちに、
一切の波は無いまま、
事が始まる。



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