Dear my friend..

レス105 HIT数 3226 あ+ あ-


2006/08/11 20:29(更新日時)

£プロローグ
私は信じて良いのだろうか
人を信じるのが怖い
目の前で笑っているあなたのその笑顔は本物?
友達・裏切り・一方的な攻撃
だから私は刃を向ける
裏切られる前に
ごめんね…

━━━━━━━━━━━
『失ったもの』の続きです。今回はいじめたくなくてもいじめてしまうという子が主人公です。前回レスして下さった皆さんはもちろん、初めての人も大歓迎です☆

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No.157581 (スレ作成日時)

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No.51

>> 50 [衝撃]
シズカちゃんの言ってる事は言い訳にしか聞こえず、結局
また別の課題を特別に与えられた。
私達に、弱味に突け込まれたくないと思ってる気持ちが丸見えの強い姿勢を保ってるのがおかしかった。ユリコはナカナカ戻って来ず心配になって来た頃に帰ってきた。顔色が悪かった。ーその日の帰り道‥シズカちゃんの事を話そうとナオミが喋りかけた時に ユリコが言った
「…赤ちゃん出来たかも知れない」

No.52

>> 51 「沈黙」

私達は全員ユリコが言ったことに固まった
もぅシズカの事なんて報告する余裕もなく、ようやく私は口を開いた
「だ…誰の子…??」

No.53

>> 52 [迷い]
「マナト君(今 付き合ってる彼氏)」
「…それで、もし出来てたらどうするの?」とナツコ。
「産みたいけど、無理だと思うの。私まだ16だしマナト君は18。マナト君は働いてるし法律上では結婚出来るけど
現実問題は、そんな簡単なもんじゃないし‥いくら放任主義の私の親でも許さないと思うから」
「でもマダそうと決まった訳じゃない。取り合えず検査してみようよ」ナオミの一言で私達は検査薬を買いに行った。もちろん、一旦私服に替えてからだ。

No.54

>> 53 [結果]
検査薬で反応を見た。皆の間に緊張が走る。
『+』ハッキリと表示された。
迷ってたり悩んでる間は無かった。
ユリコは、その日の夜になってマナト君に電話を入れた。マナト君は逃げなかった。明日 マナト君は有給を取ってる、ユリコは学校を休み 二人で産婦人科へ行き しっかり調べてもらう事になったのだ。二人の両親には、それから報告すると。
ー翌日ー
二人は病院へ。
赤ちゃんは出来ていた。
私達はユリコからのメールを受け取った

No.55

>> 54 〔ミス〕
赤ちゃんができていたとメールが来て私は何て返せばいいのか悩んでいた。すると、携帯が鳴った。シズカちゃんだ。『ユリコちゃん子供できたんだね』メールにはそう書かれていた。どうやらユリコは気が動転していたらしく間違えてシズカちゃんにも送ったらしい。ユリコのメールには中絶の手術の日を決めてきたとか、学校にはバレないようにするなど書いてあったのに………

No.56

>> 55 [故意の事故?不意の事故?]
『…いい加減からかわれてる事に気付けば?ユリコが、そんな大事な事をアンタに話す訳ないじゃん。鈍感過ぎ!』そう返した。すぐに、ユリコを始め他のメンバーにも口裏を合わせてもらう様に電話で話した。皆もちろんOKしてくれた。ユリコの計らいで、学校にも周囲に触れられる事もなく上手く

No.57

>> 56 休学と言う形を取った。
ある日の事。
ユリコが歩道橋から落ちた。オナカを強く打ち、赤ちゃんはもちろん流れた。
ユリコも大ケガで入院した。ここで疑問がうまれた。
ユリコが落ちた時に シズカちゃんとカナエちゃんが、いたのだ。ユリコは色んな事が重なり意識がモウロウとしていた。だからハッキリした事は分からないが、もし ユリコが突き落とされたのだったら 私達はあの二人を永遠に憎しみ続けるだろう

No.58

>> 57 「真実と噂」

数日経っても放心しているユリコを私達は心配した。
そして疑問が生まれた「慎重に階段を降りるはずの妊婦が階段から落ちるだろうか??」

ナオミが言った
「絶対あいつらだよ。赤ちゃん殺して復讐!?あり得ないよ!」私はカナエがそんな子じゃないと期待したいが、真実は分からない。あれだけ苛めれば何をしてもおかしくないと思ってしまう

その上教室にはユリコが妊娠したという噂が広まっていた。流産したとは含まれていなかった。
シズカとカナエが広めたとしか思えないのだ。
「あいつらに同じ苦しみを味わってもらわないと気がすまない!!!!」

No.59

>> 58 [携帯]
ある休日、喫茶店で私達は色々と話し合っていた。その時ナツコの携帯が鳴った。メールの様だ。
段々ナツコの表情が強ばり、怒りとなっていった。
「これ見て!」ナツコが差し出した携帯を皆で囲む

No.60

>> 59 [動かぬ証拠]
『やったね!作戦成功(^O^)/私達の姿を誰かが見てたらしいけど、アイツらじゃない事は確かみたいね。まぁとにかく写真撮られてる訳じゃないから、何聞かれても「知らない」「そこには行ってない」で通そうね!だけどカナエちゃんが、ユリコの背中を押して転がり落ちた時スカッとしたよね。私の敵を倒してくれて有り難う。今度はカナエちゃんの敵である マリを私が退治するよ。また一緒に作戦立てよう!』シズカちゃんがカナエちゃんと間違えてナツコに送信した様だ

No.61

>> 60 [飛び降り]
ナツコが返信しようとする手をナオミが止めた。今怒ってメールをしても、適当に言い訳してくるかも知れない。だから暫くは、このメールに関しては一切何も言わないで黙って二人の様子を見ようと。
ー月曜日ー
真っ青になったシズカちゃんがナツコの元に走ってきた。メールの件について話してきたが知らない顔をしている。カナエちゃんは、その隙にナツコの携帯を取り出すのを見て私は「何してるの!泥棒!」と大声をあげた。カナエちゃんは携帯を握り廊下へ飛び出した

No.62

>> 61 「それはナツコのでしょう!?返しなさいよ!」
カナエちゃんはナツコへ誤送信されたメールを勝手に削除しようとしてたのだ。大事な証拠を消されてたまるものか!
もみ合ってる内に窓際まできた。今だ!
私は、カナエちゃんに突き飛ばされた様に見せかけワザと窓の外へ落ちた。記憶が定かな内にナツコの携帯から私、ナオミ、ユリコへあのメールを転送した。
確認し終えるとホッとしたのと同時に足の激痛が襲い私は動けなかった

No.63

>> 62 [大混乱]
私が三階の窓から落ちた時、ナオミが
「人殺し!」と大声で叫んでいたのだ。
先生が駆けつける。私達の思惑通り
カナエちゃんがナツコの携帯を盗み、取り返そうとした私にカナエちゃんが突き飛ばしたー誰の目からでも、そう見えたのだーナツコの携帯に残された あのメール。万が一の為に転送したメールが証拠となり二人は全員から「殺人犯」扱いされる様になった。そして足をケガした私は…

No.64

「クラスぐるみ」
クラスの皆は、イジメをしていた私を今は英雄として受け入れ、学校内外どこでも手を貸してくれた。
カナエとシズカはクラスだけでなく、学校中から物を投げつけられ私物はなくなり、罵声を浴びせられ続け、一週間後には学校に来なくなった。

「あいつらどぉしてんのかな」

「ん~てかさ、マリのは傷害罪だし普通ユリコの事件て、赤ちゃんの殺人とユリコの殺人未遂だよね。」
ナツコが平然と言う。どぅなるんだろ。私はアイツらが憎くて溜まらない気持ちが、いつまでも心にあった。
私達は放課後シズカとカナエの家をのぞいて行く事にした

No.65

>> 64 [発覚]
シズカちゃんの家に行くと誰もいなかった。
続いてカナエちゃん宅へ。シズカちゃんは家族と一軒の家で暮らしているが、カナエちゃんは地方から出てきて学校からの許可も貰い、マンションで一人暮らしをしている。家賃等は、親が出しているそうだ。インターホンを押すと中から男性が出てきた。一瞬間違えたのかと思ったが、そうではなかった。私達が知らなかっただけでカナエちゃんは年上の彼がいて半同棲をしていたのだ!ほくそ笑む様にして男の後ろから顔を出すカナエちゃん。幸せと勝ち誇った顔が入り交じった表情をしていた

No.66

>> 65 「どん底へ」
その笑顔に私達は殴ってやりたい気持ちでいっぱいになった。

でもこっちも内心ほくそ笑んだ。だってカナエは1人で苦しむんじゃない2人なんだもん。どん底に付き落とす!!
「カナエ最近来ないから…気にしてて、ノート置いてくね」 私達はさっさとノートを置くと、次の作戦へ動いた。

この幸せを壊さない手はナイ。カナエの彼氏、家族みんなぶっ壊してやる。

私達はそのまま警察にカナエがユリコを付き落としたと伝え、更に証拠としてあのメールを見せた。私達はイジメをしてたけど、怪我はさせなかったし、殺そうとまでしなかった。だから事実上、私達は法には振れないのだ。

数日後カナエは任意の取り調べを受け何日も帰って来なかった。

その翌日、カナエとシズカの親が私達に急に会いに来た。

No.67

>> 66 「逮捕」
カナエはついに逮捕されたのだ。階段からユリコを突き落とした時の目撃者もいたのが決め手となった。

学校の応接室。私達は3人、カナエとシズカの両親の前に座らされている。

きっと私達は責められる。でもあいつ等が悪いんだから、そんな筋合いナイ。

沈黙を破ったのは意外な言葉だった
「マリちゃん、うちの娘があなたにケガをさせて、本当にゴメンナサイ」
カナエの母親は涙ながらに謝罪してきたのだ

ナツコとナオミは明らかに心の中で笑っていた。私達が勝者なんだと

「あの子…本当にバカ!ユリコチャンの病院に行ってきました。赤ちゃんを…」
もぅ言葉になっていなかった

私は何故か泣きそうになった。

No.68

>> 67 [退学]
その後、カナエちゃんとシズカちゃんは自主退学をした。
暫くは色々と噂が回ったが、次第に落ち着いた。またたく間に私達は三年に進級し、大学や短大など学校へ行く者 就職する者‥それぞれの道を歩み始めた。

No.69

>> 68 [それぞれの道]
ユリコは、カウンセリングを受けながら立ち直り 少しバイトなどを始め段々と元気を取り戻してきた。彼‥マナト君はユリコから離れる事もなくユリコと結婚の約束もした。深い絆で結ばれた二人は ユリコが20歳になれば挙式する。
ナツコは美大へ行き ナオミは短大へ。私は、勉強が嫌いなので ある工場へ勤務する事になった

No.70

>> 69 [新しい環境]
職場には色んな人がいる。
カナエちゃんやシズカちゃんの様な大人しいタイプもいれば、何にでも口を挟んでくる人、偉そうな奴などなど‥。

No.71

>> 70 「引っかかり」

沢山の人の中での社会。楽しく、それぞれ歩き始めたのに私は何だか気持ちが晴れないでいる。

カナエは刑務所へ。アレほど強がってたのに、任意同行から帰って来た日、自殺未遂をしたらしい。カナエの母は精神を病み、通院しているらしい。彼氏とは自然消滅したらしく、最近街でカナエの彼氏だった男が女と手を繋いで歩いて居るのを見た。

カナエの幸せは全て壊す事に成功した

シズカは他県へ引っ越した。だからその後はわからない。

引っ越し当日シズカは私たちの所へ来て、ある言葉を言っただから、私は何かが心につっかえている

No.72

>> 71 [言葉]
「願いが叶って満足でしょう」
私達を責める訳でもなく、嫌味でもなく淡々として言ったシズカちゃんの言葉。何倍もの重みに感じた

No.73

>> 72 [日常]
仕事も慣れ始め、今まで見えてなかった面も見えてきて少し対人面で嫌気がさしてきた。きっと辞めて違う所に行っても同じだろう‥そう思いながら過ごしていた、ある日ユリコを交えてみんなで会う事になった。

No.74

>> 73 [再会と正当化]
久々に会ったみんなと楽しく過ごした。やっぱり職場の人より学生の頃の友達は最高だ。そして、話はシズカちゃんの一言に遡った。『仕返しにも程があるのよ。満足も何も、手を出す方が良くないよ』誰ともなく そういう話になった。私達は自分達のしてきた事を棚に上げ、正当化したのだ。自己満足の為に。

No.75

「満足?」
「そうよ!私達より自分達が満足だったの間違いよね!!私の赤ちゃん殺せたんだから」
ユリコの言葉には、かなりの重みがあった。
カナエとシズカはユリコが妊娠してると知っていて、突き落としたんだし…
ユリコが流産した時、一体どんな気持ちだったんだろ…
「ユリコの言うとおり実際は、カナエもシズカもケガをさせる事で、願いがかなったのよ。満足してるのは自分らでしょ。人を戒めてるつもりかっつ~の~」
ナオミが笑いながら続いた。

No.76

>> 75 「所でマリは仕事の方はどう?」ユリコの問いに私は答える
「慣れてきたけど、その分イヤな面も見えてきたよ。いい年こいて学生のイジメとほぼ変わらない様な事してくる奴もいるしね~。しょーもない事でギャンギャン言う人もいるし、でも何にも言わない大人しい人もいてるの。‥だけど職場の人は何故か信用出来なくて、どんなに仲良くしてても一線は引いてるよ」
「そっか‥。社会に出れば幼稚な事する人いてないと思ってたけど、そうでもないんだね」とナオミが言った。

No.77

>> 76 「私もさ 短大に進んで友達も出来たけど、色々あるよ~」とナオミ。対人面で少々お悩みの様子だ。「美大は?」私はナツコに訪ねた。「それがさ~楽しい事は楽しいけど、課題の提出期限ギリギリになったり時には思う様に描けなかったりするんだ。対人面は悪くないわ」ー『人』が気に入らなければ蹴落とせても、出された課題等で頑張っても気に入らない仕上がりになった所で、それを蹴落とす事は出来ない。気に入らないモノ=排除
世の中そう簡単にいかない事に直面している様だ。

No.78

>> 77 [それぞれの罰]
*優しく接してくれてた友達を冷たく突き放した私は、職場で冷たい態度を取られたりする事もある。*気に入らない人は即自分の思い通りに追放したナツコは、美大で思う様にいかない自分の作品作りに四苦八苦している。
*イジメに便乗しては喜んでいたナオミも、レベルの高い短大へ進んだが出来た友達は皆、頭が良くて一緒にいれば楽しいけれど賢いので
自分の何気ない会話がバカにされないか不安になるそうだ。*腹黒だったユリコは オナカの赤ちゃんがダメになった。
私は ふと思った。それぞれ自分にとって苦痛になる事ーバチが当たってるのではないかと。

No.79

『減退』
私達はそれぞれの時間に追われあの頃の事など忘れかけていた。私は職場の環境に馴染めず、長時間勤務や人間関係に疲れ辞めてしまった。あれから友達に会う事もだんだん少なくなっていた。プータローになった私は部屋に閉じこもり求人誌を眺める日々。昔は゛将来の夢゛なんて憧れた仕事があったのに‥私は自分で自分に腹が立った。「本当冴えないヤツ」心の中でつぶやいた。むしゃくしゃした気分を晴らそうと、近所の本屋まで行く事にした。 途中、足を引きずりながら歩く女性に出会った。彼女はゆっくりゆっくり進むのでマリはやがて彼女を追い抜いた。後ろを歩く女性を何気なく振り返ったマリは驚いた―――

No.80

>> 79 [変化]
「シズカちゃん!?」思わず声をかけた。シズカちゃんは、面影はあるものの とても綺麗になっていた。お化粧や整形の綺麗さでは無い。内面の美しさがそのまま出た様な輝きを放っていた。「マリちゃん。お久しぶりね」
透き通る幸せに満ちた声。その時、男性がシズカちゃんの元へ駆け寄る

No.81

>> 80 「タカユキさん、私の高校の頃 同じクラスだった子よ」
『友達』とは言ってくれなかった。当然だが何となく寂しい気持ちにもなった。ータカユキさんーは シズカちゃんの彼氏だ。年上の落ち着いた人。シズカちゃんとお似合いだ。
「これからデート?」私は聞いた。
「…お墓参りなの」
シズカちゃんは俯き加減に言う。タカユキさんが言葉を引き継いだ

No.82

>> 81 「高校の時に、ある人の子供を亡くしてしまったんだよ。その墓参り」
「それって…ユリコの?」私はタカユキさんではなくシズカちゃんに聞いた
シズカちゃんは、引っ越してからも毎日の様に、あの階段の下に花を供え 謝り続け天国に行ってる様に願ってるのだった。

No.83

『罪』
あれ程までにイジメをしていた私達は、何を求めていたのだろうか‥こんなにも人の人生を狂わせ自分達は過ぎた事だと振り返りもせず。先に進む事も出来ずにただもがいている‥許されるはずがない。私は全てを後悔していた。シズカちゃんの笑顔が胸に突き刺さり、まともに目も合わせられない。二人の高校を辞めてからの人生がどれ程のものだったか、その苦しみを思うと私は息苦しくなり、暗闇に引き込まれた様な錯覚に落ちた
「カナエちゃんは?今どうしてるの?」私はシズカちゃんに聞いた。一瞬シズカちゃんの表情が曇ったが、やがて静かに口を開いた‥

No.84

>> 83 [かなえちゃんの行方]
「亡くなったの」
私は、目の前が真っ暗になった気分に陥った。「嘘でしょう?」やっとの思いで、そう答えた。
「嘘だといいけど、本当なの…」シズカちゃんは涙目になっていた

No.85

>> 84 「マリちゃん達、カナエちゃんの所へ行った事覚えてる?
あの時カナエちゃんと半同棲の形で暮らしてた人ね、カナエちゃんが堀の外に出た時も受け止めてくれたのよ。周囲…特に男性側の身内からは猛反対されたけど、二人は押し切って結婚したの。その後にカナエちゃんは風邪をひいたんだけどナカナカ治らないし こじれてしまって
病院に行った頃には手遅れでね…」
私は、信じられなかったがシズカちゃんは人の不幸を作ってまで話す様な子じゃない。目まいがした…。シズカちゃんは「カナエちゃん言ってたよ『どうしてマリちゃんは急に冷たくなったのかな』って。私も未だにわからない

No.86

>> 85 カナエちゃんと二人で楽しく過ごしていて、誰にも迷惑なんてかけてなかったでしょう?なのに、貴女達のグループは…。」これを聞いた時
過去の私ならば『あんただって万引きの時カナエちゃんを疑って離れたじゃない!』と言い返してただろう。だけど、そう仕向けたのは私達だ。もしあの時シズカちゃんがカナエちゃんに付いても、また別の作戦を仕掛けている筈だから結果は同じだ。ーーー私は何も言えなかった。

No.87

>> 86 [心の傷]
心に受けた傷は、時間が癒してくれる。だけど、完全に消える事はない。
私はあのグループの中で、唯一連絡を取ってるのはユリコだ。お互いナカナカ会う機会はないけど 月に一度~二度は電話で話している。後は たまにメール位。ユリコは今でも言っている『新しい赤ちゃんが出来ても、私は前の赤ちゃんの事を忘れない。アイツらにされた事も忘れられない』と。だから きっとシズカちゃんも、心底から私達を許してはないだろう。沈黙を破ってタカユキさんが 口を開いた

No.88

『闇』
タカユキさんは沈黙を破る様に言った。「僕達も結婚するんだ。君達の間に何があったのかシズカから聞かされて知ってるけど、君にもシズカにも同じ様に生まれ変わるチャンスはあると思うよ。」
タカユキさんはシズカと並んで歩いて行った。独り残された私はその場から動けなかった。「カナエちゃんはもう居ない‥何処を探しても‥」「何処に行けば私の罪は消えるのか‥その罪さえ今は誰も責めてくれない‥」マリは暗く深い闇をさ迷いながら、ただフラフラと歩き出した。
目が覚めると自分の部屋に居て、シズカに再会した昨日はどうやって家に戻ったのか、記憶が無かった。夢の中で泣いていたのか、頬には涙が伝い目が覚めてからもボロボロ溢れでた‥
私は何をすればいいのだろうか。カナエちゃんは無念にも命を無くした‥マリは力が抜け、ただただ深い闇の中にいた。

No.89

>> 88 「本当の気持ち」
私はやっと気が付いた。自分の短絡的な考えがいかにバカだったか。
私はカナエちゃんに理由も無く敵意を持ち、イジメを楽しんで優しくしてくれた人を苦しめたんだ。そして、人生を狂わされ、裏切られ、ユリコの子供を殺した罪悪感と、悲しい気持ちのままカナエちゃんは死んだんだ
と…
私は卒業してから、時々心が苦しくなる理由がやっと解った。やっと自分の素直な気持ちが解った

許しては貰えないだろう。でもカナエちゃんのお墓参りに行こう

No.90

『Dear my friend』
私は部屋で手紙を書いた。カナエちゃんのお墓参りに行く前に、自分の過ちを冷静に見つめたかったし、カナエちゃんに対する懺悔と本音‥。読んではもらえない手紙を綴った。
いつのまにか朝が来ていた。私は一晩かけて手紙を書いていた。不思議と疲労感や眠気より、早くカナエちゃんのお墓に行きたかった。
まだ家族は寝ている。私は緊張からか落ち着かない、早朝にも関わらず家を出る事にした。自転車に乗り、カナエちゃんの家族に聞いたお墓のある場所に向かった。
カナエちゃん今逢いに行くよ‥。朝の冷たく張りつめた空気が私を清める様で、それがほんの少しだけ心強かった。

No.91

>> 90 お墓に行く前に、ある場所で待ち合わせをしていた。
ナツコ ナオミ ユリコだ。私は、三人に連絡を取った。ナツコとナオミは驚愕した。数日後には、私と同じ気持ちに至った様だ。ユリコもカナエちゃんの死には驚いていたが、あの時に奪われた赤ちゃんの事は忘れられない!の一点張りだった

No.92

>> 91 待ち合わせ場所に着くと、ナツコとナオミが来ていた。久しぶりに再会した友達に歓喜の声が上がった。待ち合わせ時間から10分が過ぎてもユリコは来ない。そもそも「行く」とは言ってなかった訳だし、私達はお墓へ向かった。
ー墓地ー
カナエちゃんのお墓に手を合わせる。お花と手紙を添えて。ナツコもナオミも それぞれに抱えてる想いをカナエちゃんに向けて心の中で話している。
その時、背後から足音が聞こえ振り向くと ユリコがいた

No.93

>> 92 「ユリコ!」
私達は嬉しさと驚きの気持ちが入り交じった。
「待ち合わせに間に合わなくて御免ね」
「いいの。気にしないで。ギリギリまで迷ったんでしょう?」と私。その言葉に頷いた。「私を突き落としたのはシズカちゃん。カナエちゃんは直接 手を下してないけど計画に参加してた訳だから、二人共許せなかった。ずっとね。でもね

No.94

>> 93 私の赤ちゃんが奪われた様に、私もカナエちゃんの命をカナエちゃんの両親から、奪った様なもの。私だけが一方的に恨み続けるのは勝手過ぎると思ったの」そういってお墓の前に立ち深くおじきをして手を合わせた。

No.95

>> 94 [祝福]
お墓に参ってから、私達のグループは何度か会っていた。私もバイトが決まったし、ナツコもそれなりに作品を仕上げられる様になり、ナオミは短大を卒業した後は職に就く。そんな中で、ユリコがマナト君と結婚した。 式にはグループと
シズカちゃんが呼ばれた。
幸せの鐘が鳴り響きフラワーシャワーに包まれてチャペルから二人が出てきた。私のバックの中にはカナエちゃんの写真が入っている。
(カナエちゃん、ユリコ綺麗でしょう?)私は心の中で訪ねた。空からは、溢れんばかりに柔らかい光が射しユリコや周りの人達に輝きを放った。

No.96

『夢』
あのお墓参りの日、家に帰り着いた私はすぐにベッドに潜り込んだ。やがて深い眠りに落ち、夢を見ていた。
私は制服を着て、独りで教室の隅に居る。周りは真っ暗なのに、そこが教室だと分かったのは多分匂いがしたからだ。教室の独特の匂い―――ふと誰かが私の腕に触れた‥振り返るとあの頃のままのカナエちゃんが立っていた。長いウェーブのかかったフワフワの髪、細くて白い肌、無表情で私に手を差し出した。私は何も言わずカナエちゃんの手を取り二人は歩き出した。何処に行くのだろう?漠然と考えて居たがそのままカナエちゃんに従って歩いた。いつの間にか独りになっていた私はカナエちゃんを探して果てのない無の中を走り回った。何かにつまずき転んだ‥と同時にあの頃の記憶が次から次に頭の中を駆け巡った。私は苦痛に堪えられず、頭がおかしくなりそうで、たまらず叫んだ。
大きな力で引き寄せられ、目の前に光が射していた。「手紙読んだよ」声だけが聞こえたが確かにカナエちゃんの声だった。「カナエちゃん!ゴメンね!許して貰えないのは分かってるけど、私は生きててもいい?カナエちゃん!本当は大好きだったよ!」声にはならなかったが私は必死に伝えた。
周りの空気が暖かく穏やかになったのを感じた。「貴方は貴方の道を信じて生きて‥」カナエちゃんの優しい唇が微笑むのを感じた。

No.97

>> 96 [真実]
許して欲しいと願っていた、私の潜在意識が見せた都合の良い夢だったのかも知れない。だけどカナエちゃんが言ってくれた言葉を信じる事にした。

No.98

>> 97 [現状]
あれから三年の時が流れた。ユリコは、『もも』ちゃんと言う名前の可愛い女の子を出産した。マナト君との仲も良好だ。ナツコは美大を卒業してデザイン系の会社で働いてる。元来気の強さが幸いしてか、どんな困難にも屈せず乗り越えている。ナオミは短大を卒業してから、就いた職場で今でも働いている。
私はバイトを辞めて、ある会社に勤めている。今度は何があっても逃げないで踏ん張っていた成果が現れてきたのか、周りとも打ち解けて
それなりに楽しく過ごしていた
そしてシズカちゃんは、あの時会った彼が海外赴任する事になり 可愛らしい式を挙げた後に渡米した

No.99

>> 98 [その後]
〇月×日
カナエちゃんの命日。あの日から私達は皆でお墓に参っている。去年までシズカちゃんも一緒だったが、今年はアメリカへ渡った為に来られない。しかし、この日に間に合う様に
私宛の住所でカナエちゃんに向けたメッセージを、絵葉書で送ってきた。私はそれを確かに受け取り 皆と一緒にお墓へと向かった。ユリコは、ももちゃんを連れて来ていた。

No.100

>> 99 [大切な友達]
シズカちゃんからの葉書とお花を供える。お線香もあげて
それぞれ思い思いにカナエちゃんに心の中で、言葉をかける。そんな中ももちゃんが、笑い声をあげて指をさしていた。私達は ももちゃんの指先を見る。そこには、カナエちゃんがいた!私には霊感なんて全くない。幽霊なんて信じてない。だけどカナエちゃんはいた。ナツコやナオミ ユリコも釘付けになっている

  • << 101 「カナエ!」最初に声を上げたのはユリコだった。そしてこう続けた「私の‥最初の赤ちゃんを貴女に任せる。貴女なら大切にしてくれるから」この言葉はカナエちゃんを許す事が出来たからこそ言えたんだと私は思った。カナエちゃんは優しく微笑み頷いた。 続いてはナツコだ 「御免なさい!」深かぶかと頭を下げる。カナエちゃんは、暖かい光でナツコを包む。ナオミも「失って初めてカナエの優しさを知ったの。ごめんね」その言葉に カナエちゃんは又微笑んだ
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