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『過ぎた日々はもう戻らない』
誰が言ったか…
本当にそうなのかな?嬉しい事、楽しい事、ツライ事や悲しい事も全て終わってしまうの?
※この話は現在進行中です。過去と現在と行ったり来たりして読みにくいかもしれません💦(過去…▼、現在…■と話の初めに付けます)
あと、主の都合で突然止めることがあるかもしれませんがご了承くださいm(__)m
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当時の私は心も体も酷く病んでいた。
父の暴力で男の人を信じられなくなり、男の人全てに対して酷い恐怖感を持った。仕事で体を壊し、人間関係も一部悪くなり人間不信にもなっていた。退職寸前までいったがそれでも何とか持ち直して仲の良い後輩と頑張る日々。
そんな二人の合言葉は『1140(いいシワ)』
どうせ年取ってシワくちゃになるなら笑い皺にしよう!
とのことで、嫌な事があっても笑顔を心掛けることにした。当時、仕事と人間関係で悩む後輩と考えた苦肉の策だったけど意外と効果があったみたい。仕事でツライ事も何とか乗り越えられた。
思えば後輩を励ます反面、私も後輩に救われていたんだと思う。
『1140』効果は意外な所でも表れた。
私は全然気づかなかったけど、どうやら彼(便宜上、加藤とします)の目に止まっていたらしい。
この頃、加藤君は職場内の移動で私の近くで仕事をしていた。お互い認識はしていたけど特に話もせず…
まさかあのヘラヘラ顔を見られていたとは…
しばらくして、加藤君の友達を伝って加藤君からみんなで遊びに行こうとお誘いがあった。
でも正直、あまり気が乗らなかった。
と言うのも、加藤君は日系人で生まれも育ちも外国。日本語は話せるが片言…
肝心の加藤君の友達は完全に外国人で日本語も加藤君以上に話せない。
会話どうしよう…
咄嗟に思ってしまった…
悩んだ末、一緒に誘われた後輩が行くなら行くことにした。たぶん断るだろうからそしたら私も断ろうとか考えていたら後輩、あっさりOK(笑)
2対2のグループデートをすることになりました。
■ちょっと休憩して現在へ…
今現在、私と彼ははっきり言って微妙。単なる倦怠期なのか、それとももうダメなのか…まだよくわからないけど…
以前より二人の関係が脆く壊れやすくなっている気もするし、繋がりが強くなったようにも見える…
ゆらゆら…ふらふら…
とてもとても曖昧です…
▼みんなで遊ぶ日までは一ヶ月近くあったが、お互い連絡先も交換したので私と加藤君、後輩と加藤の友達とでメールのやり取りが始まる。
とは言え、向こうは日本語を話せても文字にするのは苦手だったのでメールはローマ字になった。初めてのローマ字メールに苦戦しながらも、ちょっと新鮮な気持ちに…(笑)
一方、後輩達のメールのやり取りは…
加藤君の友達があまり日本語がわからないのせいか、意味不明なメールが入り意思の疎通ならず…
しばらくしたらお互い諦めたのかやり取りは無くなっていた。
なので連絡事項も含めて私と加藤君は毎日のようにメールをすることになった。
彼は基本的に仕事が夜勤なので、お互いに仕事の合間にメールをすることが多い。始まりは加藤君が早出をする日はだいたい午後の三時過ぎくらいだったかな。
加《Ohayo.kyouwa atsuine匤》
私《Ohayo.soudane...kyoumo hayade?》
加《HayadesuruⅤDemo choto daruine昉》
私《Ganbatte坥》
加《Hi ganbaru溿Sakichanmo shigoto ganbattene垬》
私《Arigatou坥Sorosoro shigoto hajimaruneⅨ》
加《WakattaⅤMata atodene溿》
他愛のない会話だけど、少し子供っぽい話し方をする加藤君とのメールはだんだんと日々の楽しみにもなっていった。
メールを初めて約一ヶ月後…
ついに約束の日が来た。
場所は地元のボーリング場。現地集合で待ち合わせなので私は車で後輩を迎えに行く。
私「向こうはどんな車で来るのかな?」
後輩「どうだろう?外人の乗る車ってわからないね」
私「やっぱ外車かな?」
後輩「かなぁ兊でも値段高いよねぇ…」
女二人、キャッキャッはしゃぎながら目的地に到着。早速相手に着いたよとメールを入れた。
事前にメールのやり取りもしていたし、後輩としゃいではいたけどまだ不安は残る…
はたしてちゃんと会話が成り立つのだろうか…(笑)
しばらくすると加藤君達が現れた。お互い軽く挨拶をして早速ボーリング場へと向かう。
最初はお互いぎこちなかったがそれもすぐに慣れ、ボーリングを楽しむ。
ちなみに外人チームが高得点を叩き出すのに対し、日本チームは並以下のスコア…
特に後輩が暴投連発(笑)私も何とか頑張るがスコアは伸びず…
それを見て安心(?)したのか加藤君はスコアを無視してスピンをかけるなど色々な投げ方を試し始めた。
え?私ら眼中に無い?
当然と言えば当然なんだけど…何故かそこで火がつく私の負けん気根性…
無駄に加藤君に対抗して何故かスピンかけに燃える(スコアじゃ勝てないので)
加藤君やみんなに笑われながらも対抗意識は消えず気付けばあっと言うまに2ゲームが終了していた。
ボーリングの後は隣にあった卓球場で卓球をしたがここでも小技を披露する加藤君。
小手先が器用なのかな?
とは言え、卓球は私も経験者なので負けずにビシバシ打ち返す。ちなみに後輩は道具を使う球技が苦手なのでちょっと大変なことになっていたが、みんなで騒ぎながら打ち合い教え合いと楽しんでいた。
特に私と加藤君は因縁の対決ばりに白熱したバトルを繰り広げる。勝負事に異常に燃える私に対し、飄々と楽しむ加藤君はある意味バトルの相性が良かったのかもしれない。
とは言え、何であんなに燃えたのかは未だに謎…(笑)
一通り遊んだ後はご飯を食べに行くことに。加藤君達のオススメの店があると言うのでそこに行くことになった。
私「店ってここから近いの」
加藤君「クルマですぐだよ」
私「じゃあ、一台で行こうか。どっちの車で行く?」
加藤君「オレたちクルマない」
私&後輩『はぃ?』
加藤君「クルマもってないよ」
私「どうやってここまで来たの??」
※加藤君達の住んでいる場所からボーリング場までは車で10分程の場所にあるので歩きだとキツイ。
加藤君「タクシー」
マジでか?
別にどうという事はないんだけど…最初に後輩と車トークで盛り上がっていただけに肩透かしをくらった気分だった。
『外人さんの乗る車=タクシー』
そして私の中で変な方程式が出来てしまった(笑)
予想通りと言えば予想通りな…
加藤君達の選んだ店はステーキのお店だった。まぁ、私も後輩も好き嫌いは無いし『花より団子派』だったので何の問題も無く…むしろお腹いっぱい食べれて満足だった。
ご飯の後はいい感じに外も暗くなってきたので夜景を見に行くことにした。
途中、私が車で聞いている洋楽が加藤君達の国では有名なアーティストだったらしくその話で盛り上がった。基本、洋楽派の私の持っているCDはほとんど加藤君の知っている曲ばかりだったのでお互いビックリ。
加藤君「日本人の車じゃないみたい!」
どうやら日本に来てからあまり聞く機会のなかったアーティストが多かったらしく興奮する加藤君。
でも日本人の車じゃないみたいって…微妙…
私の周りに音楽の趣味が合う人が全くいなかったのはそういう事だったのか…
私の趣味は国外向け…と…
でもいくら外人とは言え、聞いた限りでは加藤君とは音楽の趣味がバッチリ合った。
人生初の出来事に私もテンションも上がる。
■多少のズレは出てきたけど、三年近く経った今でも加藤君とは音楽の趣味が合う。お互いが買ってきたCDをお互いが気に入りることもしばしば。洋楽だけじゃなくて邦楽も同じだった。
ドライブをするときも聞く曲には困らない。
ちなみに、邦楽は何故か加藤君の方が詳しかったりする…
ん~…
私が知らな過ぎるだけかな?
音楽を聞くのが好きな二人だけど歌は下手くそ。カラオケに行くと大変なことになる『ザ・音痴カップル』…
洋楽に関してはお互い舌が回らず更に凄いことになる。
加藤君、外人なのに…
英語圏じゃないから関係ないのかな?でも、日本語も難しい漢字は読めないしテロップにもついていけず丸暗記の歌しか歌えないがそれでもたまちトチる。。
あなたはきづく、二人はあるく~♪くらいミチでも、日々てらす月~♪
………♪(中略)
…エイエンのふち~♪きっとボクはいう♪おもいかぁぉ?○×△☆×□~あぁ~~~🐚
作曲…モン○ル800
唄…加藤君
早口言葉の苦手な加藤君。
スペイン語なら何となく読めるらしいけど…やはり舌が回らず下手をすると丸暗記した私の方が歌えてたりもする。
まぁ所詮、どんぐりの背くらべだけど…
▼夜景を見た後は次の日が早い後輩を家まで送り届ける。次いでここにきて体力の限界を迎えた加藤君の友達も家まで送った。
残った二人…
気力も体力もまだ全然余裕(笑)
なのでしばらくドライブしてから別れた。
この時加藤君から遊園地に行くお誘いがあり、少し考えたけど次は二人で遊園地に行く約束をした。
いくらテンションが高かったとは言え、いつもの私ならそんなすぐにオッケーしなかったんだけど…不思議だ。
約束の日まではまだ日があったが、メールは相変わらず毎日していた。その頃にはローマ字メールにも慣れてきたのでメールを打つのも早くなる。それでもお互い意味の通じない部分があるのでそこは拙いながらも英語を駆使しながらやり過ごす。
彼はメールで自分の事を色々と話してきた。
特に聞いた訳じゃないけど家族だけに呼ばれるニックネームも教えてくれた。
加藤君《Demo hazukashii kara naishodayo溿昉》
じゃあ、何で言うんだ(笑)
ツッコミ所満載の加藤君のメール。
でも…
ニックネームが見たことないスペルで読めなかった…
どうせ聞いてもわからないだろうし…読み方は次に会ったときに聞こう。
ということで、加藤君のニックネームは保留に。
遊園地当日…
私の車で加藤君を迎えに行く。遊園地までは片道1時間半くらいだけど話をしながら行ったのであっという間に着いてしまった。
そして開園と同時に中に入る。
私も加藤君も絶叫マシーンもお化け屋敷も大好き。テンションマックスでその遊園地で一番のジェットコースターを目指す。
当然、ジェットコースターの待ち時間も加藤君とお喋り。でもその日は夏…待っている時間は太陽がジリジリと照り付けてとても暑かった。
すると加藤君、大きな体を生かして(?)日陰になるように立ってくれる。反対に日陰で風が吹いて寒いと、同じく大きな体で風を防ぐ位置に立ってくれる。
紳士だ!
ジェットコースターの待ち時間に何を思ったか加藤君、自らの弱点を告白。
加藤君「オレ、ワキの下くすぐられるのよわい」
何故いきなり弱点を教えるのかよくわからなかったが、せっかくだからくすぐってみる。
加藤君「あひゃひゃひゃひゃひゃ!」
加藤君は子供のように身をよじりながら笑う…
…面白い。
その後、話をするうちにスキンシップがエスカレートしてきた加藤君。手を繋ごうとしたり肩に触れたり…
基本、私は男の人にやたら触られるのはNGだけど加藤君は外国人…スキンシップも日本とは違うかもしれない…
かなり悩んだが、とりあえずくすぐって遠ざける事にした。
加藤君「あっひゃひゃひゃひゃひゃ!」
それでもスキンシップしたいのか、それともくすぐられるのが楽しいのか…
遠慮がちながらも手を繋ごうする加藤君。
加藤君「あひゃひゃひゃひゃひゃっ!」
当然、その度に私からくすぐりの反撃をされていた。
くすぐりも一段落した頃、やっとジェットコースターの順番がきた。テンションMAXの加藤君はいそいそと、私もワクワクしながら乗り込んでいざ発進!
チキチキチキチキ…
静かにレールを上っていく…
この緊張感がたまらない。
チキチキチキチキ…
地上が遠ざかる…
チキチキチキチキ…
レールの横に70mの文字が見える。
もう少し…
チキチキチキ…
…カタンッ
コースターは上るのを止め、静かに滑り出す。
いよいよ…きたぁ!
そしてコースターが一気に下へと駆け抜けるとき、それは起こった…
『フォォォォォォォォウ!!』
突然、甲高い雄叫びが隣から聞こえてきた。
えぇぇぇぇぇぇぇ!?(心の叫び)
ビックリして振り向くと加藤君が両手を上げて叫んでいる。
加藤君「フォォォゥ!!ホゥオゥ!」
凄まじい勢いで叫びまくる加藤君に呆然…
おかげで一番盛り上がる一番最初の下り坂をスルーしてしてしまった!!
加藤君「フォォォウ!フォゥ!フォォォォ~」
なおも叫びつづける加藤君はある意味大絶叫。
でも、ここまで叫んでいるのは加藤君ただ一人…
外国人だからリアクションが違うのかな…?
加藤君「フォォォォォォ!」
HG(昔流行った某芸人)みたい…
加藤君「フォォォウ!フォォォォォォ!!」
ちょっと恥ずかしかしい…
加藤君には申し訳ないけど、正直ドン引きしちゃいました(笑)
私「加藤君てジェットコースターに乗るときっていつも叫ぶの?」
コースターを下りて開口一番、どうしても気になったから聞いちゃった。
加藤君「うん。その方がおもしろい」
聞くと加藤君の友達も両手を上げて叫ぶとか…
外人さんはリアクションが大きいのね…
改めて加藤君が日本人では無いことを実感。
う~ん…
顔はどこから見ても日本人なんだけどねぇ…
加藤君「手もあげる方がたのしい」
私「そうなんだ」
まじまじと加藤君の顔を見てたら追加で言われた。どうやら、加藤君なりの乗り方があるみたい。
■絶叫マシーンは大ハッスルの加藤君も時と共に落ち着いたのか、最近はそこまで甲高い声で叫ぶことはなくなった。
変わりに少しボリュームを下げて…
「わぁぁぁぁぁぁぁぁ~」
になった。どうしてもまだ叫びたいらしい(笑) ちなみに両手上げは健在で、ときどきコースターに横に振られた弾みで脇を痛めてるけどそれでも腕を上げ続ける。
加藤君「ワキいたい…」
たまには手を下げなさい加藤君。
それでも絶叫好きは相変わらずで、少し前に加藤君の友達達と一緒に行った水族館にあったイス(?)に座って上から真っ逆さまに落ちて来るアトラクションに彼はハマりまくってた。
空いていたせいもあって15回くらい連続で乗ってたっけ…
加藤君「……ぁひゃひゃひゃひゃ!」
乗り物が落ちるにつれて加藤君の笑い声が近づいて来る。私も2、3回は連続で乗ったけど10回以上はさすがに無理!彼達はどれだけ体力あるんだろう??
加藤君&友達「…!!…○△×!!」
しかも一番上で母国語で何かを叫んでる(意味は「お母さ~ん!」とか「オカマ(?)」と加藤君が後で教えてくれた)
でも誰も『フォォォゥ!』は言ってなかった…
前はみんな言ってるみたいなことを言ってたけど…やっぱアレは加藤君だけなのかな?
加藤君「…ぉぉおおおお~!」
そしてまたまた近づく加藤君の声。結局、彼等は30分以上は乗り続けてた…
そんな彼とも最近は以前に比べて出掛ける機会が減ってきた。確か、一年くらい前に加藤君が派遣切りされてしばらくしたあたりからかな…
最初の頃は毎週のように遊びに行って旅行も月に一回か二ヶ月に一回のペースで行ってた。今考える遊びすぎだと思うけど…(笑)
今は遊びに行くのも数ヶ月に一回、旅行は年に一、ニ回。
理由を考えれば仕方ないし我慢もできるけど、加藤君のノリが悪くなった…というか、何事にも否定的になってしまったのが悲しい…
▼さて、ジェットコースターで激しく騒いだ加藤君。予想はしてたけど…そんな彼はお化け屋敷も大好きだった。
悲鳴なんて絶対にあげない加藤君は常にワクワクドキドキ。ビックリすると喜んで笑っている。
ちびっ子みたい…
そんなことを考えていると突然お化け登場。
加藤君「おっ♪」
私「ぅひゃあ!」
私もお化け屋敷は好きなハズなんだけど…
う~ん…
昔に比べて確実に弱くなってる…
いつもはお化け屋敷も絶叫マシーンも悲鳴をあげないのにこの時は不意打ち(?)で思わず悲鳴が出た。
それでも「きゃあ!」じゃないのが色気が無いな…などと考えていると…
加藤君「キャ~、キャ~」
加藤君が全く似ていない私の声真似をし始めた。
私「ちょ、やめてよ」
加藤君「キャ~」
私「おい!」
そんなやり取りをしていると前にいたカップルが笑っている…
私「ほら!笑われちゃったじゃん」
ちょっと恥ずかしかった。
そこのお化け屋敷はかなり長くて人がお化けに扮装して追い掛けてくる。途中、リタイアする箇所もあるけど負けた感じがするので私は意地でもしない。加藤君も全く怖がらないので当然、最後まで突き進む。
…が、私と加藤君はペースが早いのかどんどん前の人達に追い付き道を譲られる。
前にいてくれた方がいいのに…
いきなりお化け出たらわからないじゃん…
かなり警戒しながら進む私とは対照的に加藤君は普通に歩いている。ちなみに私は加藤君の服をガッチリわしづかみ。お化け屋敷に入る前に冗談で…
私「服伸びちゃったらごめんねぇ」
なんて言ったけど…
このままじゃ冗談じゃなくなるかもしれないなぁ。
お化け屋敷もだいぶ進んだ頃、突然現れたお化けに力の限り脅かされた。
お化け「うおぁぁぁぁ!」
ゾンビみたいなのが三体、叫びながら追い掛けくる。しかも一人は何故か足を左右に広げてジャンピングしながら。
私「えぇぇぇぇぇぇ!?」
加藤君「あひゃひゃひゃひゃ!」
色んな意味でビックリして叫ぶ私とは反対に加藤君は大爆笑。
私「さっさと行くよ!!」
加藤君「ひゃひゃひゃ!」
とりあえず加藤君を押して出口まで行く。
そういえば順番待ちをしてるときに中学生が泣きながら飛び出して来たけど…原因はコレか!!
お化け「あぁぁぁぁぁあ!」
ご丁寧にもお化けは出口ギリギリまでしっかり追い掛けてきてくれた。
振り返ると別の出口から出て来た人は力尽きて四つん這いになっている始末。
相変わらず迫力のあるお化け屋敷でした。
メインのジェットコースターとお化け屋敷を済ませて一息ついていたけど、ちょうどこのとき春と夏に新しいアトラクション(またまたジェットコースターとお化け屋敷)が出来ていたのでついでにそれも乗ることに。
まず、お化け屋敷。
これは歩くのではなく箱(棺桶?)に立ったまま入ってじっとしているものだった。
真っ暗で…しかも箱の壁で隣の様子はわからない。
ドキドキしながら待っていると目の前のステージ(?)でゾンビだか墓守りみたいなのがしゃべってる。
これだけ?
何だか拍子抜けしてたら…
「きゃあ!」
右~の方から何やら叫び声が…
「うぉっ!」
「わぁ!」
しかもだんだん近づいてくる。
ヤバイ!何か来てる!!
ドキドキしながらじっとしている。
「きゃっ!」
「うわぁぁぁぁ!〇△×!!□〇☆!!あぁぁぁ!」
「…×××!◇△○!」
ちびっ子の叫び声とお兄さんと思われる人の声が聞こえてきた。
でもポルトガル語だから意味はわからず…
ちびっ子絶叫してるよ。
あまりに必死なちびっ子の叫び声に一瞬、恐怖を忘れて笑ってしまった。
ちびっ子の必死な叫び声に思わず笑っていたら箱のふちから凄まじい顔をしたゾンビが顔を覗かせた。あまりの至近距離と不意打ち、そして手に持ったランプ(?)で不気味に照らされた顔をと目が合って私も思わず絶叫!
私「わぁ!いいよ!!こっち来なくて!!!」
でも何故か叫び声は悲鳴と言うより台詞…
しかも半ギレ(笑)
ここでも色気ゼロ…
そしてゾンビは無言で隣の加藤君の箱を覗く。
加藤君「あひゃひゃひゃ」
…何がそんなに面白いの?
私と同じ状況のはずなのにこれまた何故か爆笑する加藤君。全員が悲鳴をあげる中、私と加藤君だけが悲鳴をあげなかった。
私「お化け屋敷ビックリしたね」
お化け屋敷を出た後、園内をぶらぶらしながら加藤君と話をする。
加藤君「おもしろかった」
加藤君は上機嫌らしい。
私「そんなに?」
加藤君「うん。子どもがおもしろかった」
私「あの叫んでた男の子?」
加藤君「うん。さいしょ、おにいさんにずっと『手ちょうだい』言ってた。そのあとオバケでて、おにいさんに『こっちきちゃダメだよ!もどって!』言われてた」
よほど面白かったのか加藤君はまた笑っている。
少しわかりにくいけどつまり…
男の子
↓
お化け屋敷&個別に箱に入りお兄さんと離れて怖い
↓
とりあえず、箱の外からお兄さんと手を繋ぎたい
↓
お化け登場
↓
男の子パニック(ここで大絶叫)
↓
箱から飛び出しお兄さんの元へ
↓
お兄さん、男の子が出て来たことに焦って箱に戻そうとする
こんな感じかな?確か、アトラクションが始まる前に係の人が絶対に箱から出ないように言ってたっけ…
それじゃお兄さんも焦るよねぇ。
でもまさかそんなやり取りがあったなんて…
私も男の子とお兄さんのやり取りを想像&思い出して笑ってしまった。
加藤君は生まれも育ちも外国だけど、見た目は完全に日本人。どうやらクォーターらしい(加藤君談)なので普段はわからない外人さんの話も加藤君がいるとわかってしまう。
遊園地には外人さんもたくさんいたけど、誰も加藤君を外人と思わないらしくかなりプライベートな事も普通に話していたとか…
加藤君「みんなオレがガイジンってきづいてない」
加藤君は自分に気付かない人達を見てすっかり楽しんでる。
ちなみに、この時は加藤君は自分の事をクォーターと言ったけど、この一年後くらいに実はクォーターじゃなくて完全に日本の血しか入っていない事が判明(これまた加藤君談)
私の読解力が無いのか加藤君の説明が適当だったのか…
一年以上もクォーターと間違えてたし…
まぁ、あれだけド日本な顔してるからあっさり納得出来たけどねぇ(笑)
■ずっと変わらないと思っていたことがいつの間にか変わってしまった。
遊びに行く回数は減ったけど喧嘩の回数は増えた。
素直だった彼はいなくなっていつの間にか怒りっぽい彼がいた…
彼が変わったのか私が変えてしまったのかわからないけど…
時々、とても悲しくなる…
先週、些細なことで険悪になった。彼とレストランで外食していたら彼が片膝を立ててご飯を食べ始めたから…
私「それちょっと行儀悪いよ」
と軽く言ったら…
加藤君「(足を)たててるけどイスにのせてない」
と不機嫌になってしまった。
そういう問題じゃないんだけど…
説明しても一度ヘソを曲げるとなかなか話が通じなくなるのでその日はそのまま無言で帰宅。
当然、彼からの連絡はない。でもあまりに馬鹿らしかったから次の日に私から普通のメールを送って元通り。
前はこんなんじゃなかったんだけどなぁ…
些細な事でもちゃんと考えて答えを出す人だったのに。今は放置かぁ…
最近よく昔の加藤君を思い出す。素直で優しかった…
彼のそんな所に惹かれた…
いつの間にか素直で優しい彼はいなくなっちゃったけど、きっとまた会えると信じて出来る限りのことをしてきた。
それから一年以上立ったけど私の好きな彼にはまだ会えない。
私が至らなかったのかな…?
やっぱりもう会えないのかな…
どうしても伝えたいことがあったのに……
▼さて遊園地もそろそろ終盤に差し掛かる頃、私は疲れたのでもう帰りたいとか思ってたけど加藤君は違った。
加藤君「アレのりたい」
指差す先は一番新しくできた絶叫マシーン。
それだけなら別に問題は無いんだけど…
見れば長蛇の列。激混みもいいところで…
なんと4時間待ち!
絶対無理!!
私「…もう帰ろうよ」
加藤君「ん~~…のりたい」
帰りの運転(片道1時間半くらい)私なんですけど…
物凄く帰りたい私とは対照的に加藤君はまだ遊びたい様子。
とその時…
長蛇の列をふとみると『設備故障の為、本日の運行は終了いたしました』の看板が!
加藤君はガッカリしてたけど私はちょっとホッとしちゃった。
てことで乗るものも無くなったので帰宅。外はすっかり暗くなっていた。
よく考えたら、遊園地に開園から閉園までいたのって初めてかも…
当然、帰りの運転は疲れによる睡魔との戦いに…
加藤君「がんばって!」
加藤君の日本の免許はAT限定。私の車はMTなので運転の交代ができないから応援係。
私「…眠い」
加藤君「サキちゃんファイト!」
この時、遊園地は絶対に閉園まではいないと心に誓いました。
遊園地の後も私達は一緒に出掛けるようになった。
ドライブに行ったり少し遠くへ遊びに行ったり。
メールも毎日した。
そして少しずつ、お互いの距離が縮んでいく…
加藤君は根が素直だから私に好意を持ってくれているのがよくわかった。
その気持ちは素直に嬉しかったけどそれと同時に凄く困った。
この時の私は、男の人をどうしても受け入れられない理由があったから…
今の私には彼の本心がわからない。
昨日言った言葉も今日は180度違う言葉になっている…
今の加藤君は私の方を見ていない。
だから私の想いも言葉も届かなくなっちゃった…
何で…
こんななっちゃったんだろう…
▼ある日、加藤君からのお誘いがあった。
加《Mousugu bike no menkyo tote 1nen ni naru垬Sakichan ushiro nosete ageru溿》
どうやら二人乗りが解禁になるので一番最初に後ろに乗せてくれるみたい。
気持ちは凄く嬉しかったけど自校の原付き講習で茂みに突っ込んだ事のある私。
『二輪=危険』
の方程式が…
タイヤが4つ無いと不安だよぉ…(涙)
でも、せっかく言ってくれたし断りにくいし…
まぁ、二輪が危険なのは私だけだろうと言うことでとりあえずオッケーしてみた。
初めて乗るバイクの後ろ…
ちょっぴり緊張しながら…
乗り方がわからず加藤君に手を貸して貰って後ろにまたがる。
加藤君のバイクはスポーツタイプなのでお尻が上がってるような感じで後ろはちょっと乗りにくい。
…が、訳もわからず加藤君にしがみついていざ出発!
とりあえず走ってみないとわからないしね。
話には聞いていたけど、バイクって曲がるときに車体を倒すからちょっとテンパる。
加藤君は気を使って車体を倒さずなるべくゆっくり曲がってくれるけど、時々予想以上に車体が倒れる。内心…
ひぃ~~昉
とか思いながらも加藤君に合わせて私も体を傾ける。
てか、車体倒してて何故コケない!?
バイクはさっっっぱりわからないから不思議でしょうがないんだけど…
それでも、しばらく乗ってると慣れてきたのか周りを見る余裕が出てきた。
基本、絶叫好きの乗り物好きだからあっさり慣れちゃったよ。
でも、この『慣れ』が後々の加藤君を恐怖に陥れる事になるとはこの時は予想もしてなかったけどね…
バイクのドライブ(?)は夜の市内をブラブラ。海辺に行ってお散歩したり、車じゃ行けない細い道を走ったりして意外と面白かった。
でもそのうち時間も遅くなってきたので帰ることに。
家まで送ってもらったけど、そのまま家には入らず何となく家の前で話をし出す。
他愛のない話をしてると加藤君が…
加藤君「ん~…ヤバイかな」
何やら照れ照れする加藤君。
私「何が?」
加藤君「これいじょう、サキちゃんのこと好きになるとヤバイ」
超が付くストレートさ…
彼の態度で薄々は感じていたけどこんなにストレートに言われるとは思ってみなかった…
私「…何で?」
かなり動揺したけど取り繕って聞いてみる。
加藤君「だって、これいじょう好きになってダメだとオレすごいヘコむ」
なるほど…
加藤君の気持ちは凄く嬉しいんだけど…
でも…
私「今はちょっと…誰かと付き合うとか考えられない…かな…」
加藤君「………」
思いっきりヘコむ加藤君。
私「いや、別に加藤君が嫌とかじゃないよ!」
加藤君のあまりの落胆ぶりに私も想わず慌てる。
私「え~と…」
加藤君と連絡を取り合う数ヶ月前、私は酔っ払った父に自宅で暴力を受けていた。殴られた理由は特に無い。強いて言うなら『何かが気に障った』かな…?今までそんな事は一度も無く始めての暴力だったけど、その理由や何より父の態度に嫌気と恐怖を感じて男の人がすっかり怖くなってしまっていた。そのときは病院には行かなかったけど首も一週間くらい回らなくなってしまった。
そんなことをかいつまんで加藤君に話した。
加藤君「そか…」
小さい「つ」が抜けてるので何となく間の抜けた感じがするけど、真剣に話を聞いてくれた加藤君。
……………
何となく重い空気が流れる。
私「だから今は男の人はあまり信じられないんだよね…」
加藤君「そういう人だけじゃないよ」
『俺は違うぞ』と言うような目で加藤君はこっちを見る。
私「それはわかってるよ…」
わかってる…
でも気持ちがまだそれについて来ないんだよね…
加藤君「…うん」
またまたしんみりしてしまった…
加藤君「オレもわるいことしたことある」
私「?」
突然、加藤君が言い出した。
私「何を?」
加藤君「うわき」
……………
…意外だ。
そういうタイプには見えないんだけどなぁ…
世間知らずの田舎者(ちょっと失礼だけど昉)なタイプの加藤君の意外な告白。
人は見かけによらないねぇ…
まぁ、男の人はやる人多いって聞いたことあるし(偏見?)別にそこまで驚く事じゃないけど。
見ると加藤君はちょっと気まずそう…
なら何故今言うのか(笑)
一人で自爆してる姿がちょっと面白かったけどとりあえずフォローを入れてみる。
私「別に、する人はするんじゃない?」
加藤君「…うん。」
ちょっと安心顔の加藤君。
加藤君「あいては結婚してた」
……………………
それって…
私「…浮気じゃなくて不倫って言うんだよ」
加藤君「フリン??」
不倫という言葉が初耳なのか加藤君は?顔。
てか、軽い気持ちで聞いてたら意外過ぎる事実が判明してしまった…
気付くと時間もかなり遅く日付が変わっている。
とりあえず今日はもう遅いからとドライブのお礼をしてこの日はさよならをした。
加藤君の話は正直、衝撃的だったけどお互いの秘密を共有したみたいな感じで私達の距離は一気に近くなった。
それにしても不倫かぁ…
距離は近くなったけど何となく複雑な気持ちにもなる。
でもかなり後悔してるみたいだし…過去のこと気にしてもしょうがないかな。
ふと話をしているときの加藤君を思い出す…
とてもバツが悪そうで…叱られている子供みたいだった。
ちょっと不謹慎かもしれないけど…
それでもあえて話をする加藤君が何だか面白かった。
>> 49
お互いの距離が縮まっても私達の関係は相変わらずだった。
毎日メールのやり取りをしてたまに一緒に出掛ける。
私の気持ちを汲んでくれたのか加藤君も無理にアタックしてくることは無い。
ただ、彼はわかりやすい性格だから時々ラブ光線が見えたけど…
鈍感な私にもわかるくらいだから彼のわかりやすさは相当だと思う。
でも一度だけ…
加藤君「ん~…ヤバイ」
私「何が?」
加藤君「これいじょう、さきちゃんのこと好きになったらヤバイ」
私「そうなの?」
加藤君「だってふられたらオレすごいヘコむ」
そっかぁ…
…申し訳ない昉
加藤君の気持ちは嬉しいけどまだ踏ん切りがつかない…
彼は父親とは違うから大丈夫とは思うけど…
加藤君の事は徐々にだけど好きになりかけていた。
ごめんね、もどかしいよね…
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小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
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いつか王子様が2レス 29HIT シェヘラザード
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歌詞書きました🌙1レス 50HIT つきひ (10代 ♀)
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神社仏閣珍道中・改1レス 151HIT 旅人さん
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あ行がない世界6レス 85HIT 修行中さん (♀)
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ガーン2レス 109HIT 小説好きさん
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いつか王子様が
✒️📝📖作家から🍀🍀🍀 小説の解説や注釈には作家から、という前置…(シェヘラザード)
2レス 29HIT シェヘラザード -
あ行がない世界
所々に、「う」が入ってまっせ(ポッポ)
6レス 85HIT 修行中さん (♀) -
遠い国へ
「ケーキ、おいしかったね」 「今度は駅前のコンビニまで行ってみよう…(葉月)
7レス 124HIT 葉月 -
ニコニコワイン
ランチ 沖縄すば(そば) ジューシー(炊き込みごはん) かま…(旅人さん0)
66レス 2481HIT 旅人さん (20代 ♀) -
小説 高恥順次恥知らずに飲酒運転で北進
ブラック企業とさえ呼べない離職率100%以上のカス零細学習塾100%な…(匿名さん14)
16レス 275HIT 小説家さん
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独り言葉33レス 579HIT 通りすがりさん
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September〜アースウィンドあんどファイア500レス 1566HIT シェヘラザード (60代 ♀)
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Tell me a bedtime story500レス 1633HIT シェヘラザード (60代 ♀)
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お掃除やさんには裏がある5レス 177HIT 小説ファンさん
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🌊鯨の唄🌊②4レス 270HIT 小説好きさん
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September〜アースウィンドあんどファイア
けど音楽では美しいロマンチックな曲を何曲も共有して来た …(シェヘラザード)
500レス 1566HIT シェヘラザード (60代 ♀) -
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神社仏閣珍道中・改
(続き) などとブツブツ心の中でつぶやくうちに、かつての北の上新…(旅人さん0)
500レス 20357HIT 旅人さん -
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独り言葉
カテ違い つぶやき、です なんなんでしょね こんな つまら…(通りすがりさん0)
33レス 579HIT 通りすがりさん -
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Tell me a bedtime story
宿にチェックインしてから2人でピアノを弾いた。感動して感動して涙が出た…(シェヘラザード)
500レス 1633HIT シェヘラザード (60代 ♀) -
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マインドゲームス~ジョンとヨーコのバラードのその後
最後のレス。例様と私に関するスレを立てよう(シェヘラザード)
500レス 3314HIT 涼夏 名必 年性必
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小学校に行かせずに保育園に通わせる
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50レス 2618HIT おしゃべり好きさん -
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39レス 764HIT 東雲絵名 (20代 女性 ) -
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42レス 1080HIT 恋愛好きさん (30代 女性 ) -
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自分が惨めになるバイト
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18レス 422HIT おしゃべり好きさん - もっと見る