✨磯野家外伝👪✨💖UKIE&KATSUO
(⚠はじめに…この携帯小説は雑談掲示板過去ログ《2007ー10/02~》内にある✨磯野家外伝👪✨の続きです📖ですので必ずそちらを先にお読みになってからこの新スレに読み進んで下さい‼必須です‼よろしくお願いします💀)
🌷君を想うだけで胸が熱くなる…君を感じるだけで切なくなる…全国の👪磯野家ファンの皆様お待たせ致しました‼あの伝説のカッコイイ女、伊佐坂浮絵が帰って来ました✨
2年前に反響を呼んだ奇作👪磯野家20years later…の外伝で浮絵目線の未完に終わっていた物語が今ここに再開されます‼あなたは伊佐坂浮絵の全てを目撃する✨
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>> 98
🌷227🌷
風邪をひいても何を差し置いても仕事は休まなかった浮絵が丸3日も仕事を欠勤した…久しぶりの職場の空気はまるで自分だけ蚊帳の外のよ…
🌷228🌷
『じゃぁ飯食ってくるわッ、留守番頼んだぞッッ!』
最後のスタッフが外に昼ご飯を食べに行き社内はいつしか浮絵と佐々木だけになっていた…2m程しか距離のない互いのデスクからカタカタとキーを打つ音だけが響き渡る…二人の間に会話はなかった…浮絵がチラリと佐々木のデスクの書類に目をやった…その内容は何もかも完璧だった…
『…どういうつもり…?』
最初の言葉は浮絵からだった…
『ん…何がぁ?…』
佐々木は画面を食い入るように見つめキーを打つ手をやめない…
『出来ないフリしてたって私を馬鹿にしたい訳?』
『そっ…脳ある鷹は爪を隠すってねッッ!ハハハ…つぅか誰がいつ出来ないって言った?』
佐々木は青野に売ってもらった昼飯のメロンパンをかじった…
『無能なフリして私に言い寄ったメリットは一体何なの?私が何とかしてあげなきゃ!なんて思わせる母性本能でもくすぐる作戦か何かなの?』
『………』
佐々木は鼻唄を歌っていた…
『ねぇちょっと聞いてるのッッッ!?』
浮絵は机をドン!と叩いた…
『…そんなに俺の事が気になるんだぁ~フフフ、そっか…そっだよね…』
佐々木の笑みに浮絵はただならぬものを感じずにはいられなかった…
>> 103
🌷229🌷
『《好意の感情は消え去り易し、憎しみの感情は消え去り難し》どこぞの心理学者が言ってたっけ…』
『なッ、何が言いたいのよッッ!』
浮絵は佐々木を睨み付けたが佐々木は平然とした顔付きでまだ画面から目を離そうとしなかった…
『つまり相手を憎む感情の方が相手に好意を持つという感情に勝るって事ッッ…こんちきしょ!って思う大嫌いな人間程頭にずっと脳裏に焼き付くように残ってる…頭の隅にいつまでも苔のようにベッタリジメジメとねッッ!』
佐々木は背伸びをするとコーヒーメーカーの中のコーヒーを注ぎに席を立った…
『フン…私の頭の中に大嫌いで仕方ない自分という存在が苔のようにベッタリ張り付いている、アンタまさか私にそう言いたい訳?本当にそんな事思ってるなら相当めでたい人よねアンタってッッ!』
浮絵は我慢しきれず後ろから佐々木に詰め寄った…
『主任が好きな相手がどんな奴か知らないけど…俺絶対勝つ自信あるよッッ!最後は俺無しでは居られなくしてやるッッ!』
『はぁッッ!?アンタとうとうバカを通り越して究極の大馬鹿野郎の称号を手に入れたわねッッ!例え明日地球に隕石が衝突したって絶対アンタなんか好きにはならないッッッ!』
>> 104
🌷230🌷
最近の私はどうかしている…自分の感情が正確にコントロール出来なくなってきている…いつものあの冷静沈着な浮絵は影を潜め、ただ目先の見える事実だけにただ漠然と一喜一憂しているように思う…いつからこんなになっちゃったんだろ…
(俺無しでは居られなくなるだぁ!馬鹿も休み休み言えってんだッッ!バッキャローォォォォォッッッッ!)
終業の合図が鳴るや否や浮絵は鞄を担ぐとお先ッッ!とだけ告げて足早に玄関を後にした…もう限界だ、同じ空間で同じ空気を吸っていると思うだけで首に虫酸が走る…浮絵はもうすぐ12月という街をただ訳もなく歩き回った…
(忘れろ忘れろあんなバカ男の事はッッ!)
何度も髪をかきあげながら浮絵はあてもなく夕方の薄暗い町並みに吸い込まれていった…
『!ッッ、つ…痛いッッ!』
『あッ、す、すみません…』
道すがら通行人と肩が触れ道路に散らばった仕事の書類を集めると浮絵の中に何かがポツリと泡のように弾けるのが分かった…
(こ…これってッ、ま、まさか…ヤダ…絶対やだッッッッッ!)
浮絵はまとめた書類を両腕で抱え地下鉄の踊場まで駆け出した…
(ハアッ、ハアッ…そんな事ないッ、ハアッ、ハアッ…有り得ないッッ!)
>> 105
🌷231🌷
『お~い浮絵、いるかぁ~?入るぞぉ~ッッ?…んだよ居るのかよッッ、居るのなら返事くらいしろよなッッ!』
溜まったゴミ袋をヨイショと跨ぐと浮絵の兄の甚六は巨漢を揺らし浮絵のマンションの部屋に入っていった…
『あ…う~…甚ニイか…何ぃ?ファ~ァ~ァ…』
ソファーの上で眠りについてしまった浮絵は兄の低い声で目が醒めた…
『何ィ~はねぇだろ…ホラ、カーテン位開けろよなッッ!』
浮絵の寝ぼけた顔に初冬の暖かな太陽が照り付けた…
『で何の用なの?レディーの部屋にズカズカと上がり込んで…ワインボトルならこないだあげてからまだ…』
『ボトルシップの材料調達しに来た訳じゃないんだッッ…もっと大変な事ッッ!』
『大変?何よッ…』
甚六は自慢のアゴ髭を一度ツルンと撫でるとあぐらをかいて浮絵の前に腰掛けた…
『実は昨日マスオさんに逢いに磯野家に行ったんだ…したら…』
『……うん…』
浮絵の瞬きが止まった…
『カツオ君とカオリさんの離婚が正式に決まったって…』
『……………り、離婚……ん?嘘…嘘でしょ…』
甚六は目を閉じた…
『話はまだ終わっちゃいないよッッ…』
甚六は浮絵にズリと近寄った…
>> 106
🌷232🌷
『カオリさん…どうやら男性と一緒に生活しているらしい…』
甚六のその言葉に浮絵は耳を疑った…
『!ッッッ、だ、男…性ッッ!だ、誰それッッ!てゆーか何でッッ!?何でカツオ君がいながらまた別の男とッッ!?』
浮絵は知らぬ間に甚六の襟首を掴んでいた…
『イタイッッ、そ、詳しい事までは知らないよッッ、イタイよ離せってッッッ!何でお前がムキになんだよッッ、イテ…』
浮絵は化粧崩れの顔のまま鞄を抱えると甚六に鍵閉めといて!と合い鍵を甚六に放り投げた…
『ちッ、ちょっと浮絵ッ、どこ行くんだよッッッ!?』
浮絵は玄関で何度も躓きながらカツカツとヒールを鳴らし廊下に消えて行った…
『なッ、何なんだよアイツ…ッッ…』
甚六はズリ落ちそうな眼鏡を指で直すと余りにも汚い浮絵の部屋の掃除を始めた…
(いつも糞がつく位に綺麗な浮絵の部屋なのに…こんな汚い浮絵の部屋見た事もない…アイツどうしちゃったんだぁ?)
ただならぬ妹の様子に甚六は目を丸くした…甚六が腰を上げた時ふと台所のウィスキーボトルに目がいった…
『何だ…アハハ、あるんじゃんかぁ…ん~いい形だ…貰ってこ!』
- << 109 🌷233🌷 もうこの際だッ、どうにでもなれッッ!浮絵はカオリの携帯に電話を入れた… 『!ッッ、クッ…圏外かッッ!』 とにかく浮絵はカツオとカオリの住んでいた住居に向かった…こんな場合無関係なこの私がしゃしゃり出る幕ではない事位百も承知だった…だけどカオリが本当にカツオと別れ別の男と暮らしているならば例え部外者だろうが他人だろうが関係ないと浮絵は覚悟を決めていた…いても立ってもいられないッッ、じっとただ指をくわえて静観している訳にはいかないッ、浮絵はひたすら電話でカオリを呼び出していた… 《…はい、もしもし……》 『!ッッッッ、かッ、カオリさんッッッ!?』 《う…浮絵…さん?》 『話したい事あるのッ、今から時間作れない?』 とんでもなく冷ややかな声だと浮絵は自分でもヒイテいた…けどこんな一大事に悠長に猫撫で声なんて出してられるもんですかッッ! 《……》 『今何処にいる?近くまで私行くからッッッ!』 浮絵の迫力に負けたのかカオリは今いるマンションの近くの駅とそこにある小さな喫茶店の名前を浮絵に告げた… 『喫茶《シャルロ》ね、分かったッッ…』 それだけ言うと浮絵は避けるように電話を切った…
あ~😍どうなるのかな✨⁉
ワクワク💖ハラハラ😣そしてドキドキ💦
やっぱり佐々木くんはムカつくから、浮絵さん、佐々木に惑わされないで~😢💦
カツオくん、頼むから男を見せてくれ~😭‼
そんな感情を抱きながら、更新を今か今かと待ちわびている匿名です☺
ビリケン様、体調にはお気をつけて執筆頑張ってくださいませ✨
>> 107
🌷232🌷
『カオリさん…どうやら男性と一緒に生活しているらしい…』
甚六のその言葉に浮絵は耳を疑った…
『!ッッッ、だ、男…性ッッ!…
🌷233🌷
もうこの際だッ、どうにでもなれッッ!浮絵はカオリの携帯に電話を入れた…
『!ッッ、クッ…圏外かッッ!』
とにかく浮絵はカツオとカオリの住んでいた住居に向かった…こんな場合無関係なこの私がしゃしゃり出る幕ではない事位百も承知だった…だけどカオリが本当にカツオと別れ別の男と暮らしているならば例え部外者だろうが他人だろうが関係ないと浮絵は覚悟を決めていた…いても立ってもいられないッッ、じっとただ指をくわえて静観している訳にはいかないッ、浮絵はひたすら電話でカオリを呼び出していた…
《…はい、もしもし……》
『!ッッッッ、かッ、カオリさんッッッ!?』
《う…浮絵…さん?》
『話したい事あるのッ、今から時間作れない?』
とんでもなく冷ややかな声だと浮絵は自分でもヒイテいた…けどこんな一大事に悠長に猫撫で声なんて出してられるもんですかッッ!
《……》
『今何処にいる?近くまで私行くからッッッ!』
浮絵の迫力に負けたのかカオリは今いるマンションの近くの駅とそこにある小さな喫茶店の名前を浮絵に告げた…
『喫茶《シャルロ》ね、分かったッッ…』
それだけ言うと浮絵は避けるように電話を切った…
>> 109
🌷234🌷
豪華なシャンデリアとステンドグラスに囲まれた喫茶店《シャルロ》はまるでセレブ御用達の秘かな隠れ家のような雰囲気の場所だった…
『す…すみません…お待たせして…』
浮絵が喫茶店について約20分程過ぎた頃、カオリが心痛な面持ちで肩を竦めながら浮絵に言葉をかけてきた…
(落ち着いて浮絵…そう、深呼吸して…フゥ~)
『あのぅ…それで話って…』
カオリはゆっくり向かいの椅子に腰掛けた…
『貴方とカツオ君二人の事をどうだこうだって干渉しに来た訳じゃないの、ただ決断する前にどうしてもう一度私に相談してくれなかったのかなって…』
よくもまぁこんな歯の浮くような台詞が言えたものだ…金輪際相談なんか受けたくないってあれだけ怒ってたくせに…
『…すみません…もうこれ以上浮絵さんに迷惑かけたくなくて…』
突然こんな話が耳に入って来る事自体が最大の迷惑なんだッッ!浮絵は思わずそう心の中で叫んでいた…
『でカツオ君は離婚届を正式に受理したの?』
『初めは猛反対でした…もっときちんと話し合いしようって…けど私の気持ちがもう変わらない事を知って…半ば根負けした様子で…』
お冷やのコップの水滴がコップの底一面に溜まっていた…
>> 110
🌷235🌷
どうして突然こういう事になってしまったのだろう…浮絵は深いため息をつくとまた視線を窓の外の通行人にやった…
『私のほうから色々と相談に乗って貰ったのに…結局踏み止まる事が出来ませんでした…だから浮絵さんに申し訳なくて…何度も連絡しようとしたんですけど…』
『…いいわ、そんな事…そういうのを後の祭りって言うの…』
冷たい言い方だった…自分でも解っていたがこんな時一体どんな言葉で接すればいいのか浮絵にも見当が付かなかった…
『立ち入った事聞くようだけど…カオリさんあなた…』
『はい…磯野君とは今はもう別々に…私は別れた前夫、つまり冬馬の本当の父親と暮らしています…』
浮絵の意図する言葉を察したかのようにカオリは淡々と話の核心をついた…
『別れた旦那さん……か…』
浮絵の中で靄っていた全ての事が粉々に咀嚼され、まるで潮が引くようにザザッと押し流されていった…
『磯野君には本当に酷い事したと思っています…全部私の責任なんです…』
店員がコーヒーのお代わりを勧めて来たが浮絵は結構ですと断るとレシートを掴み立ち上がった…
『呼び出してゴメンなさい…さよなら、カオリさん…』
浮絵は精算すると店を後にした…
>> 111
🌷236🌷
今にも雪でも降ってきそうなどんより寒い夕方だった…何処をどう歩いたのか解らない…浮絵はいつしか知らない街の河原の土手に腰を下ろしていた…
(結婚するって、一体どういう事なんだろ…)
いくら考えても明確な答えが弾き出せないこの問いに浮絵の揺れる心は押し潰されそうに萎えていた…大好きで大好きで堪らなかったあの磯野カツオが正式に妻カオリと離婚した…本来ならその事実に高らかと歓喜の声を上げるのが普通の女性のする事なのか…いや、それは全然違う気がする…本当にカツオの事が好きであるなら何としてもがむしゃらに彼の幸せの後押しをしてあげるべきだったのではないだろうか…考えれば考える程自分自身が解らなくなる…空虚で何の取り柄もない不確かな人間に思えてくる…これまで何度カツオと一緒になった夢を見た事だろう…でも今の不安定な自分ではきっと彼の奥底に眠る全ての荷物を抱えてあげれるだけの器も技量もないのだ…
(う~寒いッッ!)
ベージュのコートの襟を立て両手を口に当てる…ジャンパーを着て震えながらノックを受ける少年野球の練習風景を眺めながら浮絵は数時間もそこに座っていた…
>> 114
🌷237🌷
数週間後の土曜日、入院中の母おかるから古い反物の遣いを言付かり浮絵は磯野家に足を運んだ…磯野家の玄関先ではカツオの母フネが曲がった腰を叩きながら箒で庭掃除をしていた…
『おばさま…こんにちは…』
『!ッッ、あ…浮絵ちゃんいらっしゃい…また今日はどうしたの?』
フネは浮絵を見上げるように腰を上げると優しく微笑んだ…
『母からこれを渡すように頼まれて…』
『おかるちゃんから?あぁ!古い反物だね、はいはい…』
フネは全てを理解したように浮絵から反物を受け取った…
『中でお茶でも…ん?』
フネは箒の柄で家の中をクイクイと指した…
『あ…はい…でも…』
『誰もいないから、ねッ、ささっッッ!』
下駄を鳴らしてフネは自分だけそそくさと家の中に入って行った…仕方なく浮絵も後を追うように中に入り家の玄関の戸を閉めた…
『サザエは同窓会とか何とか言ってたっけネェ~…最近はじっとウチにいる事なんてないんだよッッ…ホント困った子だよ…』
廊下を歩きながらフネは独り言のようにブツブツ呟きながら浮絵を居間に通した…浮絵は何をさて置きすぐさま父波平が眠る仏壇の前に座ると静かに合掌した…フネはその自然な光景に目を細めた…
>> 115
🌷238🌷
『浮絵ちゃんは生きてる頃も死んだ今でも本当にウチの人を大事に想ってくれる心の優しい子なんだねぇ~…』
浮絵の背中を眺めながらフネが呟いた…
『あッ、ヤダ…お、おばさま何なんですかッッ!私はその当たり前の事を…』
『その当たり前が出来ない子が世間では増えて来てるんだよ…私だってこの歳だもの、色んな人間を見て来たさ…』
フネは腰を叩きながら台所に向かおうとした…
『!ッッ、そだ浮絵ちゃんッ、お昼まだだろ?ウチで食べてかないかい?昨日筑前煮作り過ぎてね、美味しいオシンコもあるし…ね?一人で食べても侘しいし…』
フネに言われると無下には断れない…浮絵はいただきますと軽く微笑んだ…フネが食器棚から皿を取り出し始めた…
『あ…私もお手伝いしますッッ!』
『悪いね…いつも気を遣わせちまって…』
そういうフネだが浮絵にこうして家事を手伝ってもらう事に最近では心地よさも覚えていた…コタツの上にフネ手製の筑前煮と味噌汁、漬物とご飯が並んだ…
『美味しそう…こんなお袋の味久しぶりですッッ!』
質素な食生活に慣れていた浮絵は暖かい食卓に興奮した…
『ストーブの上にお湯湧いてるから…この煎茶美味しいんだよ…』
>> 116
🌷239🌷
フネと浮絵の二人だけの静かなお昼ご飯だった…
『ホンット美味しいですこの筑前煮ッッ!』
『ハハハ…そうかい?おかるちゃんの味には負けちゃいないだろ?』
お茶を啜りながらフネは皺だらけの顔にさらに溝を作った…
『若い頃はおかるちゃんといつも料理の腕を張り合ったもんだよ…私が料理教室に通い出したらいつの間にかおかるちゃんもその料理教室にいてさッッ…』
フネはおかるとの昔話に思い馳せている様子だった…
『母もいつもおばさまの話をする時は楽しそうで…磯野家とは家族ぐるみで仲良くさせてもらってましたから…』
浮絵はダシのよく染み込んだ大根を頬張った…
『そうだよね…楽しかったよねあの頃が一番…』
おそらく夫波平がまだ元気で皆がいた頃の回想に耽っているのだろう…頬杖をつくフネの顔を見ながら浮絵も当時の自分自身を照らし合わせていた…
『サザエもワカメもいい人と結婚してくれたしね…フフフ…』
フネの言葉の中にカツオの名前がないのに浮絵は少し戸惑った…フネはヤカンのお湯を急須に注ぎながらふと呟いた…
『本当にしょうがない子だよあの子だけは…』
フネの諦めにも似たその言葉が誰に対してのものなのか浮絵には容易に理解出来た…
>> 117
🌷240🌷
『浮絵ちゃん、離婚ってものはね…結婚するその何百倍もの決意が必要なんだよ…今のあの子にゃその哀しみの深さが解らないんだよ…』
フネの意味深な言葉だった…
『夫婦は男と女たった二人しかいない…本当は互いが傷付く割合は半分ずつであるのが普通なんだよね…だけどあの子は何てんだろ、悪い事全部自分でしょい込んで自分の中でかみ砕いちまうんだよ…』
フネは入れ歯が合わないのかしきりにカチカチ音を立てている…
『…何か解るような気がします…カツオ君、馬鹿がつくほど優しいから…自分の事よりもまず相手の事を考えちゃう…昔からそうですもんね…』
『まぁ別れて正解だったよ…あの子は結婚には向いてない…今の気持ちのまんまじゃ結婚してもきっと誰かをまた傷付けてしまう、そしてその何倍も自分にナイフを入れちまうのさ…』
『………』
軒先がコツコツ音がする…どうやら雪のようだ…曇ったガラス戸の隙間から浮絵はじっと今年の初雪を眺めていた…
『ねぇ浮絵ちゃん…』
『あ、はい……?』
『馬鹿だよねカツオって…』
『あ…アハハ…は、ハイ多分、馬鹿ですッッ!』
フネは浮絵ならきっとそう答えてくれるだろうと安堵の微笑みを浮かべた…
>> 118
🌷241🌷
慌ただしく何日かが過ぎた…年末にかけて暇になるはずの浮絵の遺跡調査の仕事は予想に反して異様な忙しさとなり勤務時間は朝早くから夜は深夜にまで及ぶようになっていた…浮絵は主任として各部署の担当に指示を送り接待に講演に出張にと休む間もなく日本中を駆け回っていた…
『んも~帰りたいぃ~ッッ!主任今日くらいはいいですよねッッ?』
『駄目に決まってるでしょッッ!早く先方さんに渡す資料スキャンしなさいッッ!あと一時間以内ッッ!』
『えぇ~ッッッ、今日も午前様ぁ~ッッ!?』
青野由紀子がもう限界とばかり頭を抱えた…
『ほい主任出来たよッッ、後何すればいい?』
慌ただしくパソコンを打つ浮絵の目の前に佐々木は浮絵から頼まれていた資料の束を置いた…
『…コホン…じ、じゃぁ明日の会議で使う君塚寺古墳の詳しい資料ウェブで集めといてくれる?』
『…ほい…』
佐々木は表情一つ変えず淡々と仕事をこなしていた…以前までロクに仕事をしない佐々木を敬遠していた周りのスタッフもあまりにも正確で早いその仕事振りに次第に一目置くようになっていた…
『佐々木君、教えてほしいんだけど…』
『あ、これっスか…これは…』
(何よッ、当てつけがましいッッ!)
>> 119
🌷242🌷
『何か凄いですね佐々木君…本当変身しましたよね~』
多忙な仕事が一段落着いたのは深夜1時だった…各部署の社員は皆疲れた顔で欠伸をしながらポツラポツラと席を立ち帰り始めていた…青野由紀子は少し離れた部長室で林部長と話しをしている佐々木に目をやると熱いブラックを飲む浮絵に言葉をかけた…
『…初めから出来るクセに出来ない振りするの私大ッッッ嫌いなのッッ!目上を馬鹿にするのも程があるッッ!』
『…けど何かカッコイイなぁ~佐々木君…何かピリッとしてると超色気あるし…顔はまぁ以前から合格点だし…』
浮絵はコーヒーのカップを荒々しく置いた…
『はぁ?青野今何てぇ?ハハハ、カッコイイだぁ?…よく言うわよ、あんなジキルとハイドみたいな奇人の何処に魅力があるってぇの!?可笑しくてお腹でお茶が沸いちゃうわッッ!』
『…てゆーか主任最近佐々木君の事になると特にムキになってませんか?』
青野は鞄を担ぎ今付き合っているらしい彼氏に迎えに来るよう電話を入れた…
『だッ、誰があんなコンコンチキの唐変木なんかにムキになるもんですかッッッ!』
『あんまり怒ると血圧上がりますよッ、あ、乗ってきます?車…』
『結ッッッッ構!』
>> 120
🌷243🌷
(何よ調子に乗っちゃってッッ…ホンットむかつくあの野郎ッッ!)
深夜の国道は車も疎らだった…浮絵のヒールの音は明らかに不機嫌だった…兄の甚六に迎えに来て貰おうと考えたがこの所毎日の呼び出しで今日はさすがに可哀相だ、浮絵はタクシーで帰る事にした…
(何が俺なしでは~だッッ、心配しなくても私あぁいうタイプ昔っからイッッッチ番嫌いだからおあいにくさまッッ!)
タクシー乗り場で一人待つ間浮絵は散々佐々木を毒づいた…
(もうッ、タクシーなかなか来ないじゃないッッ!)
通り過ぎる車のヘッドライトを怨めしそうに見送りながら浮絵は時計を見た…
『あのぅ…ちょっと道を尋ねたいのですがぁ~』
背後からいきなり声をかけられ浮絵はビクついた…そこに居たのはニット帽子に白いジャンパーを着た20歳前後の若者2人連れだった…こんな深夜に何しているのだろう…
『神保町へはどう行っったら…』
『あ、神保町ならその信号を……ッッッん!』
次の瞬間浮絵の身体がフワッと宙に浮いたかと思うと口を分厚い手で塞がれた!
(なッ、何ッッッ!?)
浮絵の身体は抵抗する間もなくそのまま若者二人に暗い路地へ引きずり込まれていたッッ!
>> 121
🌷244🌷
身体を浮かされたまま浮絵は何者かに雑居ビルの路地裏深く連れ込まれた!途中騒いだ為麻の袋のような物を頭だけ被され浮絵はその上から男達に静かにしろッと何度も殴られた!必死に抵抗したが目の前が真っ暗なのと迫り来る恐怖で浮絵の頭の中はパニックに陥っていた… ズリズリと引きずられながら浮絵の身体は突き当たりの金網の空間で止まった…
(い…イタイ…だ、誰…カたッ、たす…ッッ!)
袋を被されていたとはいえ顔面を幾度となく殴られて浮絵の左目の付近が大きく腫れ上がっているのが分かった…そして心の底からとてつもない恐怖を感じていた!
(ご、強盗ッッ!?…こ、殺されるッッ…)
下手に抵抗すれば命はないッ、浮絵は咄嗟に判断した…
『お…お金ならッッ、ここにあるわッ、さっ!』
浮絵は麻の袋を被されたまま持っていたハンドバックを振り回すように差し出した…全く視界がない…袋は首筋の所で針金で固く結ばれているようで解くのには時間がかかる…もはや抵抗せずお金だけくれてやればそれで済む、浮絵はただ祈るようにバックを宙に浮かせていた…男の一人が浮絵のバックを取るとガサガサと中を漁り出す音が聞こえた…
>> 122
🌷245🌷
男達はバックの中を暫く漁ると浮絵の財布の現金とカード類だけを抜き取りバックは無造作に捨てた…
(ヤダヤダ…お、お願いッ、このまま帰ってッッ!…お金ならあげるからッッ!)
暗闇の中浮絵は何度も心の中の恐怖と戦っていた…脚がガチガチに硬直しまるで骨が抜けたように立つ事さえままならない…数分の静寂が辺りを包んだ…
(い…行っちゃった?…ハアッ、ハアッ…)
浮絵は息を懲らして自分の辺りに全神経を集中させた…よかった、もういない…とにかく立ち上がろう、そう思った瞬間浮絵の耳に信じられない言葉が飛び込んで来た!
『折角だからヤッちまうかッッ…!』
(!ッッッ、……)
次の瞬間浮絵の身体に男の大きな身体が馬乗りになった!
『いッ、イヤァァァァァァッッッッ!』
『うるせッ、でけぇ声出すなッッ!』
浮絵の顔面にまた鈍い衝撃が走った!
(ア…アァ…や…ッッ!)
鼻の骨が折れたかも知れない…両手を拘束されてもはやそれを確認する為に触る事も出来ない…男達は息を荒げて浮絵のコートのボタンを外し始めた!
(犯されるッッ!)
今までかつて味わった事のない戦慄の恐怖が浮絵を支配していた…
『声出したらその瞬間殺すからッッ、アーユーオッケー?』
>> 123
🌷246🌷
『おいネェちゃん幾つだぁ?ハアッ、ハアッ…』
『………ッッ』
『歳聞いてんだよッッ答えろよッッ!』
男達は浮絵の服のボタンを取りながら非情にも恐怖で震え上がる浮絵に質問を始めた…
『ょ…40…ッッ』
『40ぅ?嘘付けッ、どう見たって27、8だろよッッ、歳を上にサバ読む奴聞いた事ねぇよなッッ!』
げすな笑い声が重なった…どうやらこの二人連れは金品略奪が目的ではないらしい…浮絵の極端に若く見える美貌が狼達の標的になってしまったのだ…
『とにかくこんな真夜中にこんな淋しい道一人で居たのが全ての間違いだッッ、観念して大人しくヤラれなッッ!ヒヒャヒヒャッッ!』
男の手は遂に浮絵の下着にまで到達していた!もう駄目だ、浮絵が覚悟を決めたその時だった!
『ねぇねぇお兄さん達、その辺りでもうやめといたら?実はその人若く見えて結構イッてるよッッ!?』
浮絵の耳に聞き慣れたあの不愉快な声が入って来た!
(!ッッッ、さッ……)
『んだテメェッッッッッ!』
真っ暗な浮絵には今この瞬間そこで何が起きているのか理解出来なかった…ただはっきりと分かったのはその断末魔の叫びのような声は佐々木のものではなく男達のものだったという事実だった…
>> 124
🌷247🌷
『もぅ主任ッッ、こんな夜中に何隠れんぼしてんのさッッ!』
浮絵が麻の袋を佐々木に取ってもらった時既に強姦魔達は佐々木の足元で傷だらけで唸っていた…
『あ…アァ…アァ…』
佐々木は震える浮絵の肩を取ると隣にゆっくり座った…
『大丈夫?…顔殴られたねッ、凄い怪我…けど安心してッ、コイツらは主任の怪我した約十倍位に叩きのめしといたからッッ!もうすぐ警察が来るよッッ…』
『わ…アワ…わ、私し…シ…』
浮絵は恐怖から解放されたのか思わずギュッと佐々木に抱き着いた…
『いッ、イタイイタイッ…ちょっと主任痛いからッッ…力抜いて…そう…ハハハ…』
浮絵の歯はまだガチガチと鳴っていた…
『こ、こ、こわッ、こわッ、怖かった…アァ…助かった、助かったんだ…ハアッ、ハアッ…』
佐々木を抱きしめる浮絵の腕は完全に硬直し、浮絵の意識ではもう離れなくなっていた…
『ほら主任力抜きなってッッ、これじゃ警察の人に恋人同士に間違われちゃうぜッッ!』
佐々木は仕方ねぇな~という顔で呆れた…
『だッ、駄目…も、もう少しこのままで…このままでいさせて……』
『いくら鉄の女でも深夜の一人歩きはやめた方がいいねッッ…アハハ…』
>> 125
🌷248🌷
病院で殴られた顔の治療を終え、所轄の警察署で事件の事情聴衆を済ませた浮絵と佐々木はゆっくり警察署の玄関を後にした…
『最近頻繁に発生している連続婦女暴行犯人だったんだってッッ…感謝状なんていらねぇっつのッッ!また警察署来るの面倒臭えし…』
佐々木は背広についた返り血を拭き取るのに必死だった…
『あ…そのぅ…本当に有難う…佐々木君がいなかったら私どうなってたか…本当に感謝してる、有難う…』
『ハハハ、いつもみたく《アンタ》でいいよッッ!佐々木君~なんて気味悪いッッ!』
佐々木はウチまで送るからと自分の車に浮絵を招いたが浮絵は一旦躊躇した…
『ンモッ、大丈夫ッ、心配しなくても主任の家の近くで降ろすよッッ、家まで突き止めたりしないってッッ…信用ねぇんだな俺って…』
『い…いや別にそんなんじゃ…』
浮絵はまるで初めて彼氏の横に乗るうぶな少女のように佐々木の車の助手席に座った…
『夜…明けちゃいそうだ…』
車の殆どない薄暗い国道を走りながら車内は沈黙に包まれた…
『強いんだね…』
『あぁ、アハハ…昔合気道少しかじってて…初めは防御ばっかしてたんだけど主任の傷ついた姿見たら本気になっちゃった…』
『……』
>> 126
🌷249🌷
初めて乗った佐々木の車の車内は余計な物もなく黒の基調ですっきりまとめられていて浮絵は不思議と落ち着いた…
『実は本当の事告るけどさっき主任の後つけてたんだ…こんな夜中に主任一人で帰ろうとすっからさ、俺心配になって…まぁそのいかがわしいスケベ心と正義感とが幸いして今回の危機を救えたんだけど…あ、誓って言うけどこんな事は後にも先にも今日だけだからねッッ、』
『……』
浮絵は少し遠慮がちに微笑みを浮かべ何気に佐々木のハンドルを握る横顔を見た…危機を助けて貰ったからそう見えるのか元々そうだったのかは解らないがその佐々木の横顔はいつになく清閑で男らしく浮絵には映った…
『これで少しは株が上がった?てか!』
佐々木はウィンカーを出しながら照れ臭そうに言った…
『それはそれ、これはこれッッ!』
『だぁ~ねッッ、やっぱりだぁ~ねッッ!やったァッ、ようやくいつものクールな主任に戻ってくれたぁ!ワ~イワ~イッッ!』
子供のような佐々木孝を見て浮絵は苦笑いしながら窓の外を眺めた…見ると夜が完全に明け、白い息を吐き朝刊を配る新聞配達員がせわしなく各家のポストに新聞をほうり込んでいるのが見えた…
- << 135 🌷250🌷 『ちょっと主任その顔どうしちゃったんですかッッ!?』 翌日出勤した浮絵のサングラス越しの腫れ上がった顔を見て青野由紀子や会社の同僚達は一斉に浮絵の周りに輪を作った… 『ハハハ、…あ…あぁ…き、聞いてない?』 浮絵は先に出勤していて既に仕事を始めていた佐々木の方をチラッと見た… (な、何だ…みんなに話してないんだ…) 浮絵はてっきり昨夜の事件を佐々木が自慢げに皆に話しているのだと思っていた… 『あ…こ、これ?アハハ、電柱にぶつかっちゃって…アハハ、アハハ…』 『電柱ですかぁ~!?んもぅ主任しっかりして下さいよッッ!』 同僚達はもっと他の面白い答えを期待していたのか何ぁ~んだ!という顔つきでそれぞれ蜘蛛の子を散らすように浮絵から離れていった… 『似合うよ、サングラス…フフフ…』 『うるさいッッッ!』 少し笑いを堪える佐々木に浮絵が小声で制止した…出勤まで顔を冷やしてはいたが殆ど寝ていないせいで腫れの痛みがなかなか治まらない…青野の不審感に満ちた眼差しを浴びながら浮絵は何事もなかったように仕事を始めた… (あ~ぁどうしよう…変な借りが出来ちゃったナァ~…) 浮絵は深いため息をついた…
>> 127
🌷249🌷
初めて乗った佐々木の車の車内は余計な物もなく黒の基調ですっきりまとめられていて浮絵は不思議と落ち着いた…
『実は本当の事告る…
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『ちょっと主任その顔どうしちゃったんですかッッ!?』
翌日出勤した浮絵のサングラス越しの腫れ上がった顔を見て青野由紀子や会社の同僚達は一斉に浮絵の周りに輪を作った…
『ハハハ、…あ…あぁ…き、聞いてない?』
浮絵は先に出勤していて既に仕事を始めていた佐々木の方をチラッと見た…
(な、何だ…みんなに話してないんだ…)
浮絵はてっきり昨夜の事件を佐々木が自慢げに皆に話しているのだと思っていた…
『あ…こ、これ?アハハ、電柱にぶつかっちゃって…アハハ、アハハ…』
『電柱ですかぁ~!?んもぅ主任しっかりして下さいよッッ!』
同僚達はもっと他の面白い答えを期待していたのか何ぁ~んだ!という顔つきでそれぞれ蜘蛛の子を散らすように浮絵から離れていった…
『似合うよ、サングラス…フフフ…』
『うるさいッッッ!』
少し笑いを堪える佐々木に浮絵が小声で制止した…出勤まで顔を冷やしてはいたが殆ど寝ていないせいで腫れの痛みがなかなか治まらない…青野の不審感に満ちた眼差しを浴びながら浮絵は何事もなかったように仕事を始めた…
(あ~ぁどうしよう…変な借りが出来ちゃったナァ~…)
浮絵は深いため息をついた…
>> 135
🌷251🌷
こんな時知り合いに逢いたくないと思えば思う程うまくいかないものである…浮絵が自宅マンションに帰宅すると玄関でワカメが立っていた…
『う、浮絵さんその顔ッッ…』
(アッチャ~ッッ…!)
『い、いらっしゃい…アハハ、どうぞッッ!』
浮絵は諦めたように天を仰ぐと慌てて玄関を開けるとワカメを匿うように部屋の中に入れた…
『ど、どうしちゃったんですかその顔ッッ!?』
『…それ聞かれるの今日で10回目…タハハ』
浮絵は鞄をドサッと寝室に投げ入れると何飲む?とヤカンに火をかけた…
『電柱にぶつけちゃって…』
『電…柱ぅ?』
ワカメは首を傾げた…
『…って皆には嘘付いたんだけどワカメちゃんには本当の事話すわッッ…実は…』
浮絵はヤカンの火の番をしながら昨日あった暴行未遂事件の事を詳しくワカメに話した…
『う、嘘信じらんない…でも何もされなくてよかった~…』
ワカメはまるで自分の事のように安堵した…
『青タン顔に出来たのなんて初めてッッ…こんな顔にされて悔しいから意地でも仕事行ったんだ今日ッッ!』
浮絵はヤカンの沸いた湯を紅茶のポットに注いだ…
『で今日は何?…まさかオメデタとか!』
『ち、違いますよッッ!』
二人は笑った…
>> 136
🌷252🌷
ワカメは鞄から一枚の紙切れを出し浮絵に手渡した…
『ん?何……?』
『お兄ちゃんの新しいアパートの住所…』
『え………』
そこには真新しいカツオの住む住所が記されてあった…
『カツオ君…実家に帰るんじゃなかったの?』
『…お母さんが帰ってくるなって…ここにはお前が帰ってくる場所なんてないって…だから今お兄ちゃんそこで一人で暮らしてる…』
ワカメはいただきますと紅茶を口にした…
『そうなんだ…』
浮絵は紙の住所を眺めながら複雑な思いに駆られた…
『カオリさん私の所にも来たよ…何度もごめんなさいって頭下げて…それ見てたら何かお兄ちゃんが哀れで…』
ワカメが初めて兄への同情を口にした…浮絵の知る限り初めての事だった…
『私のせいなのかな…』
ワカメが弱々しく呟いた…
『え?…どうして?』
『私がずっと二人なんかうまくいかなくていいッ、別れちゃえばってずっと心の中で願っていたから…だからお兄ちゃん達こんな事になっちゃったのかなって…』
『わ、ワカメちゃんのせいじゃないわよッッ、…そんなに自分を責めないで!』
そんな事で責められるならワカメのそれよりなお思いの強かったこの私の方だ…浮絵は思った…
>> 137
🌷253🌷
『昨日もお兄ちゃんのアパートに様子見に行ったんだ…したら部屋ん中まるで泥棒にでも入られたかのような散らかりようで…ご飯もちゃんと食べてないみたいだったから私おかず何品か作って冷凍庫に入れて帰ったんだけど…ハァ~…男って情けないよねッ、女がいないと一気に腑抜けになってしまうんだもんねッッ!』
『………』
浮絵の何とも説明しがたい雰囲気を悟ったのかワカメが慌てて言葉を重ねた…
『あッ、別に住所渡したのは…腑抜けの馬鹿兄ぃを世話して欲しいとか…そんな意味じゃッ、絶対そんな意味じゃないからッッ!勘違いしないでね浮絵さんッッ…私はただ…』
『有難うワカメちゃん…解ってる…解ってるって…フフフ…』
浮絵はワカメの優しい気持ちに微笑んだ…
『あ、メロン食べる?昨日母のお見舞いで貰ったんだけど一人じゃ食べ切れなくて…』
浮絵は冷蔵庫から半分に切った夕張メロンを取り出した…
『モチいただきますッッッ!横山君の分もお土産にいい?』
『ハイハイ、こりゃ食べる前から《ごちそうさま》ってか!』
浮絵の冗談にワカメはウマイウマイ!と手を叩いて笑った…ワカメの顔を見たら浮絵の顔の痛みはいつしか吹き飛んでいた…
>> 138
🌷254🌷
『寒いから気をつけて帰ってねッッ!』
浮絵はマンションの玄関口までワカメを見送るとまたねと手を振った…
『浮絵さん私……』
肩のマフラーをかけ直しながらワカメが言葉をかけた…
『ん?…』
『こんな日がいつか来ればいいなってずっとずっと毎日心の中で願ってた…』
『……』
浮絵は思わず視線を冬空に向けた…
『もしお兄ちゃんがフリーになっても浮絵さんが…浮絵さんが側に居てくれるッッ!浮絵さんがあの馬鹿でどうしようもないお兄ちゃんをきっと幸せにしてくれるんだって…』
『ワカメちゃん…』
『でも…そうじゃないのかなって…』
若いカップルが肩寄せ合いワカメの側を通り過ぎて行く…
『あんな駄目兄貴と一緒になったら…浮絵さんを不幸にしてしまうんじゃないだろうかって最近…』
『……』
浮絵は何も言わずただワカメの吐く真っ白な息を見ていた…
『彼は駄目兄貴なんかじゃないよワカメちゃん…カツオ君はこの伊佐坂浮絵公認の誰よりも素晴らしい男性だよッッ!』
浮絵は微笑みながらワカメの肩のマフラーを丁寧に直してやった…
『浮絵さん…お兄ちゃんの事好き?』
『…うん、好きだよッッ!』
ワカメは安心したように満面の笑顔で踵を返した…
>> 139
🌷255🌷
年が明け、浮絵の職場の仕事もようやく一段落した…
『なッ、何だよッッ…今から部長と出張会…議ッッ、イテッッ!』
部長室に向かおうとする佐々木の背広の裾をムンズと掴むと浮絵は誰もいない湯沸かし室に佐々木を強引に引きずり込んだ…
『ちょっと何なんだよ主任ッッ!』
迷惑そうに浮絵を見る佐々木の前で浮絵は腕組みをして仁王立ちした…
『…デートしてあげるッッ!まぁデートってゆうのも違うけど…身を助けてくれた恩人として一日だけ私と付き合ってあげても…コホン、いい…』
『は、はぁいぃ!?』
いきなり何言い出すんだこの人は?佐々木の困惑の表情はまさにそんな感じだった…
『望みだったんでしょ?映画でも遊園地でも水族館でも…一日だけアンタが好きな所一緒に付き合ってあげるわッッ!』
『あいにく映画嫌いだし高所恐怖症だし魚苦手なの俺ッッ…』
ダカラ、場所なんて何処だっていいのよバカッッ!浮絵は来週までに考えといてとだけ佐々木に告げ足早に自分の机に戻って行った…
『な…何なんだよ強引にッッ…まるでこないだまでの俺達と立場正反対じゃんッッ!フゥ~…クワバラクワバラ…』
佐々木は浮絵の気迫にただただ頭を抱えていた…
>> 140
🌷256🌷
『ウハ~聞きましたよ主任ッッ、その傷本当は強姦魔に襲われた傷だったんですってッッ!?で、主任を間一髪助けたのがあの佐々木孝ぃ~クゥ~ッッ、まるでドラマみたいな展開ですね~ッッ、キャハッッ!』
『笑い事じゃないッッ、こっちは死ぬかと思ったんだからッッ!』
事件の所轄警察から警官が改めて事情聴取に来た時、あの日の忌まわしい事件の全貌が職場の社員に知れ渡ってしまった…青野由紀子は浮絵に事件の事を聞き出そうと必死だった…
『けど本当に佐々木君主任の命の恩人なんですよね~?』
『…何が言いたいの?』
浮絵は向かいの余りによく喋る茶髪娘の口にチャックをしたくなった…
『こりゃ何かお返ししなきゃいけませんょね~ウフフ…』
口動かす前に手を動かしなさい手をッッ!
『デートの1回2回じゃ割に合いませんよね~ッッ…やだッッ、許しちゃいますッ、キャハッ、思い切って許しちゃいます~ヤダヤダ~ッッ!主任のエッチ!』
(…脳みそ大丈夫かこの娘…)
『男に見境いない尻軽の青野と一緒にしないでちょうだいッッ!そんな事しないわよバ~カッッ!』
酷い~と膨れる青野を無視するように浮絵は仕事を続けた…
ビリケン㍼💀さん、おはようございます🙇全然関係無い横レスです💦
読者の方はこの小説のイメージが崩れるといけないのでスルーして下さい🙏
昨日か一昨日江崎グリコCMリアルサザエさん25年後の磯野家をチラッとワイドショーで取り上げられてたもんで🙏
磯野カツオ36歳独身
(浅野忠信)
設定:野球ばかりしている自由人
磯野ワカメ34歳独身
(宮沢りえ)
設定:美しく聡明な女性に成長
フグ田タラオ28歳独身
(瑛太)
設定:マジメで優しそうな人柄
波野イクラ26歳独身
(小栗旬)
設定:高級車に乗り高級スーツに身をつつむ
磯野波平は生きている!?
仕事中だったもんで此処までしか観てません💧タラッ
ビリケン💀さん知っとるかなって思って…ついレスしました💦
すんません🙏💦
では長文失礼しました🙇
アル🍺
>> 145
🌷257🌷
『はぁ?大阪見物ぅッッ!?』
佐々木孝から浮絵に返事があったのはそれから数日後の事だった…
『そッ、来週の土曜日ッッ!新幹線のチケットは当然俺持ちで…ほら、去年奈良に出張行った日の事覚えてるよね?…主任だけ先に帰っちゃってさ、俺あん時主任と浪花の街を色々回りたかったんだけど…でさ、仕切り直しって訳でもないんだけど…大阪!アハハ…』
佐々木は去年浮絵と行った奈良への出張の話をしだした…浮絵には何の思い出もないあの忌まわしいだけの地獄の3日間…今思い出すだけでも頭が痛くなる汚点だ…
『何でまた今更大阪にまでッッ、近場でパッパと済ませればいいじゃないのよッッ!』
浮絵は明らかに不快な顔をした…
『…何処でも一日付き合ってくれるって確か主任そう言ったよね?』
『あ……ウ…い、言った…言ったけど…』
『じゃぁ決まりねッッ!詳しい事はまた明日にでもッッ!』
佐々木はニコニコしながら鞄を担いで職場の玄関を後にした…
(ったくッ…何であの忌まわしい過去をほじくり出す旅を再現しなきゃなんないのよッッ!)
佐々木との二人きりを改めて想像すると浮絵は思わず深いため息をつかざるを得なかった…
>> 146
🌷258🌷
昨夜までの関東地方の記録的な大雪は一旦止み、昨日まで運行を見合わせていた新幹線も通常通り運行される事となった…
(ハァ~…何で今日に限って止むかナァ~雪…いっその事もっと降って今日も新幹線も止まったままだったら良かったのに…)
真っ白のボア付きのロングコートに身を固め、浮絵は待ち合わせ場所の早朝の東京駅にいた…
『お待たせ~ッッ!』
約束時間スレスレに佐々木がやって来た…
『ホントアンタって人を待たせるの平気なんだねッッ!?いッつも急ぐ様子もなくタラタラと…』
『え?だってホラまだ約束の時間過ぎてないじゃんッッ!』
佐々木は時計を見ながら悪戯に笑った…
『だいたい人と待ち合わせしたら約束時間の何分か前に来てるのが普通最低限の大人の礼儀でしょ!違う?』
『そっかなぁ~じゃぁ約束時間ってのは何の為にあんのさ?その時間に来る為に約束すんだからそこまで相手に気を遣う事あんのかな~…』
あぁ腹が立つ…そうだった、コイツと話すだけで私の全神経を一気に擦り減らすんだった…そうだ、余計な事は言わないでおこうと浮絵は誓った…でないとこの先心身が持たない…
『じゃ行こっか、初めてのデート!』
『デートじゃないッッッ!』
>> 147
🌷259🌷
浮絵と佐々木は席番号を確認しながら車内を歩き指定された乗車席に腰を降ろした…2月の連休前でスキーやボードを担いで乗り込む若者も結構見受けられた…
『フゥ~ン…どういう風の吹き回し?今日はあのいつもの趣味の悪い安物ホストみたいな背広じゃないんだね…』
浮絵は隣に座る佐々木の余り普段見た事のない黒の大人っぽい服装に視線をやった…
『大人の女性に接する時はこれくらい常識さッッ、言っとくけど勝負服とかじゃないからかんぐらないでよッッ…』
(べ…別に一切意識してないし興味もないっちゅ~の!)
博多行きの新幹線のぞみがゆっくり発車した…前方の座席からスキー客の若者達の甲高い笑い声が聞こえた…
『で…大阪に着いたら何処に行くの?』
面倒臭そうに浮絵が窓を見ながら佐々木に言葉をかけた…
『別にこれといって決めてない…』
『何よそれッッ…あれだけ気合い入れてた割には計画性無いのねッッ!』
佐々木のその意外な言葉に浮絵は落胆した…自分はこの場にただいるだけでどうでもいいのかと少し女としてのプライドを傷付けられた気分になっていた…
『まぁ行けば何とかなるっしょ!』
その佐々木の軽い言葉に浮絵の顔は一層不愉快になった…
>> 148
🌷260🌷
『ねぇガム食べる?』
『…要らない…』
『ウワァ見て見てッッ、味噌カツ弁当だってッ、旨ソォ~ッッ!』
『…そっ!…食べればぁ?』
『ねぇ主任…折角のデートなんだからさ、もう少し笑って過ごさない?』
佐々木はあれこれと浮絵に言葉をかけるが全然楽しめない浮絵にとってはそれらが苦痛の何物でもなかった…
(笑えだぁ?それが出来る位ならもうとっくにしてるよッッ、ホント疲れるわコイツ…)
新幹線が新大阪駅に着いた頃には浮絵は性も根も尽き果てたような悲愴な顔付きに変わっていた…たった一度恩を受けただけでこれほどまでのいわば《罰》を与えられねばならないのか…浮絵は山の頂きで大声で叫びたい気持ちにかられていた…しかし一日付き合うと言い出したのはこの私だ…一度付き合うと誓った以上今日は何があっても我慢しなきゃ…
『とりあえず梅田にでも向かおっか!』
関西に土地勘のある佐々木は自分だけスタスタと地下鉄乗り場に歩き出した…
(ホント何様なのコイツッッ!もう彼氏気取りッッ!?…)
浮絵の我慢は限界に達していた…
(も~ダメ…今度変な事言ったら怒鳴り散らして帰ってやるッッ!)
浮絵はゆっくり佐々木の後ろをついて行った…
>> 149
🌷261🌷
梅田界隈を宛もなくぶらついた後佐々木は学生時代によく食べに来ていたという街外れの小さなお好み焼き店に浮絵を招待した…
『あんらタカちゃんやないの~久しぶりやなぁ~ッッ、元気しとったん?』
『相変わらず重(しげ)オバチャンも元気そうやな~』
浮絵が初めて聞いた佐々木の関西弁だった…そりゃそうだ、元々彼は姫路出身なのだから関西弁を話しても何ら不思議ではない…店はソースの匂いが壁中に染み付いた昔ながらのお好み焼き専門店だった…佐々木の姿を見ていかにも大阪のオバチャンという出で立ちの年輩の女性が佐々木の肩をパンパン叩いて久しぶりの再会を喜んでいた…
『今日はまたどないしたん?お母ちゃん所帰る途中か?姫路…』
『いや、違うねん…』
重オバチャンというお好み焼き店の店主は佐々木の後ろにいた浮絵に視線をやった…
『あ~んれマタ綺麗なお嬢ちゃんやないの~タカちゃんの彼女け?』
『い、いや…ち、違いますッッ、断じてッッ!』
浮絵が必死にその言葉を否定すると重オバチャンはカッカッと下品に笑った…
『まぁ立ち話もなんやから座ってお好み焼きでも食べてって!』
『ここのお好み焼き大阪一なんだ…』
『…どうして私と話す時だけ標準語なのよッッ!』
- << 151 🌷262🌷 『お嬢ちゃんも《重ちゃん特製ミックス焼き》でえぇやろ?うんえぇえぇ…騙された思ってこれ食べてみッッ!タカちゃんはウチ来たらいつもこれ頼むんや!』 浮絵に注文を聞く事もなく重オバチャンが独断で手際よくお好み焼きの具材をカシャカシャと掻き混ぜ鉄板に流し入れた…ジュ~という音とともにお好み焼き独特の香りが店内に充満する…佐々木は隣でまるで少年のようにその光景を眺めていた… 『重オバチャン俺の分焼いてそのままおいといてくれへんかな?この辺り久しぶりやし俺ちょっと近所の挨拶回りしてくるから…』 佐々木は浮絵にすぐ帰るから悪いけど一人で食べておいてと言い残し自分だけお好み焼き店の玄関を後にした…浮絵は重オバチャンと二人静かな店内に取り残されてしまった… 『はいミックス焼き出来たで…鉄板熱いから気ぃつけて食べやッッ!』 重オバチャンはニコニコ笑いながら浮絵を観察するように見つめていた… 『…い、頂き…マス…』 遠慮がちに浮絵はコテで具を割り、箸を取ると重オバチャンは違う違う!大阪はお好み焼きはコテでそのまま食べるんやと浮絵にアドバイスした… 『!ッッんッ、お、美味しいッッ!』 『そやろ?…』
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小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
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2レス 116HIT 匿名さん
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36レス 952HIT コラムニストさん -
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キマッたっ!!!!!!!!!(;^ω^) いやぁ~~~~!!我な…(saizou_2nd)
347レス 4103HIT saizou_2nd (40代 ♂)
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20世紀少年
2レス 116HIT コラムニストさん -
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500レス 5781HIT saizou_2nd (40代 ♂) -
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9レス 291HIT 関柚衣 -
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500レス 3255HIT 作家さん -
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2レス 116HIT コラムニストさん -
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500レス 3255HIT 作家さん -
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500レス 5781HIT saizou_2nd (40代 ♂) -
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