短編小説集⭐(みたいなもの)

レス5 HIT数 1462 あ+ あ-


2009/02/02 11:52(更新日時)

皆さんご覧頂きありがとうございます🙇

本当にど素人ですが、これから思い立った時に、短編小説を投稿していきたいなあと思ってこのスレ立てました。
自己満程度なので誹謗中傷はお止め下さい。
至らぬ者ですが、それでも読んでやるよって方は、宜しくお願いします🌟



では⭐

No.1158404 (スレ作成日時)

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No.1

【ネコみたい?】



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「最近猫飼ったんだけどさ」

「…え?」

「猫だよ、猫。白くて小さくて、大人しくて、ちょっと臆病なんだけど―」







今、ここには付き合ったばかりの男女のカップルがいます。

二人は猫について会話をしています。
というより、彼氏が一方的に話しているようです。

なぜかというと、彼女の方はまだまだ恥ずかしいようで、黙りこくってしまっているのです。

それでも初々しくて可愛いんだと彼氏は言います。



その初々しさと言えば、キスはおろか、手を繋ぐことだってとっても恥ずかしいのです。

もし手を繋ぐとでもなれば、一分おきに手の平を服で拭うことになります。

また、一緒に食事をする時も、何を思ってか彼女は味がするのかと思うくらい小さく切ってから口に運びます。食べ終わるのに1時間かかります。

アイスクリームを食べるとなれば、コーンまで溶けてくるもんだからそれはもう大惨事です。




何かと手を焼く子です。

No.2

>> 1 しかし、最近はそんな彼女にちょっと不満を感じてしまう彼氏。



いや、可愛いんだ。可愛いんだが。

やっぱり寂しい。

もっと、たくさん喋って、手も繋いで、いっぱい触れ合いたい。



彼氏は思います。


このままではいけない。

これはなんとかして克服しなければ…










「―でさ、臆病なんだけど……、聞いてるよね?…えっと、うん、そう臆病なんだ。」



二人は今猫の話をしています。

突然飼い猫について語り出した彼氏にきょとん、と彼女は、くりくりのまんまる眼をぱちくりさせています。


「……。
あ、いや、それがまた可愛くってさ~、…くりくりのまんまる眼をぱちくりさせるわけよ」

彼氏はうっとりと彼女を見つめて言いました。
彼氏の視線が恥ずかしくて、彼女は上手く返事が出来ずにいます。
取り敢えず「あ~」とか「え~」とか言っています。


「…でもさ、そいつ、なかなか懐いてくれないんだよな~。恥ずかしんだろうなあ。話しかけてもなーんかびくびくされちゃって、『にゃ~』とか『にぇ~』とかしか言ってくれなくて」

No.3

>> 2 「…へぇ~………」

止まらない彼氏の話に何と返事をしようかと彼女は必死に考えます。


「…何か色々と考えているんだろうけどな~…なんというか、まだ俺には、思ったことを言えて…いや、思うままに鳴いてくれないというか…」

「…あ~……」

どうしようどうしよう。彼女は混乱し出してしまいました。

何か他に言わなくちゃ。

彼女はひたすら考えます。


「…困ったことに、なかなか触れさせてくれないんだよな~」


「…そっかあ……」

猫について詳しくない彼女は、彼氏になんとアドバイスして良いのか分かりません。

彼女はまだまだ考えます。


「…俺って嫌われてるのかな…どうなのかな…はっきり言ってくれないから、何考えてるかも分かんないんだ…」

「……」

考えても考えても答えの出ない彼女はとうとう固まってしまいました。

No.4

>> 3 「…ついには固まる始末…いや、
……でさ、君に聞きたいんだけど、どうやったら懐いてくれると思う?」

「えっ」

いきなり問い掛けられ彼女は、はっと我に返ったようです。
でもやっぱり何と答えて良いのか分かりません。
しかしこれ以上黙っているわけにもいきません。




ふと、彼女は思いました。


猫もきっと、緊張してるんだ。
本当はいっぱい、可愛いがってもらいたいんだ。



ついに彼女は決心しました。

No.5

>> 4 暫く考えて、彼女は口を開きました。



「猫は…」


「うん、猫は?」


「猫は…ほんとは、あなたにもっと甘えたいんだと思う……でも、まだ出会ったばっかりで、その…色々…不安がいっぱいだから……」

「うん、」



「だ、だから…たくさん、抱きしめて…安心させてあげて…」



頑張って答え切った彼女は、恥ずかしくなって、赤くなった顔を俯けてしまいました。



「…そっか、そっか不安なんだ……うん、わかった。ありがとう。じゃあ、ちょっとおいで」


彼氏は喜びました。彼女をそっと引き寄せて、抱きしめました。


「…!?」

「ははっ、お前も早く俺に懐いてくれよな~」



安心するどころか彼女の心臓は飛び出るほどバクバク、初めての抱擁に彼氏もバクバク。





「ね…猫の話だよ…」


「うん…猫の話」



彼氏は彼女が心底可愛いと思いました。

次は必ずその赤く染めた頬にキスを落としてやろうと心に決めました。








おわり★

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