京女に魅せられて
思い通りにならない不思議な彼女は
古都に似つかわしくなく
挑戦的に自分の前に現れた
~【四条で待ち合わせ】より~
お邪魔します。
ここに登場するウサギちゃんが私の知る人にソックリでビックリしました。
.
またこの季節がやってきたね
はじめて声を聞いた時から迷いはないよ
だから迷わないで
私のものになって
相変わらず優しいね
ずっと変わらない
私を捉えて離さない
多分
そんなつもりはないんだろうね
好きでたまらないよ
会いたいね
>> 141
ウサギちゃんと私は似ている
いつも心の不可分を感じながら生活する私達
違うのは
普段スローペースな私が君には急いでいる事
じっとしている事が苦手であろう君が私との事はのんびりな事
もう少し急いでもいいんだよ
いや
のんびり一生かけても構わないよ
>> 140
ウサギちゃん
君は何故ここに飛び込んで来たんだい
私と出会うため
私や
それにまつわる事で君を不要に傷つけてしまった
見えない深い傷を持つ君
いつも何かを諦めている私
決して前向きな関係には思えないが
それでも
私と出会うためにここへ来たと感じて欲しい
>> 139
そもそも私は何故この店に足を運び始めたのか
短い時間に色んなものが頭を駆け巡る
当時の私は人生に諦めていたようなところがあった
今も意欲的とはいえないが
少なくともこの店によって私の生活が一変した事にはかわりなかった
>> 138
この店がいわく付きなのか
こういった場所ではありがちなのか
とかくこの店にまつわる男女間の人間模様は複雑だ
いや
逆に安直なのかもしれない
世間もこんなものかもしれない
マスターにしろ
年上女にしろ
私にしろ
>> 137
時折
通行人の目を気にしながら
あくまでも待ち合わせかの如く
わざとらしく携帯を触り腕時計を確認しながら
しばらく私はその場所に居た
ウサギちゃんが来ない事を祈りながら
>> 136
ありがちな痴話喧嘩にも見えたそのやり取りは
妙な修羅場だった
一人はマスターの彼女とおぼしき女
後はお節介な客が口を挟んでいるらしい
何故かマスターを擁護する女たち
一般常識が成立しない会話
こんな時に人間の本性が見える
>> 135
よく見ると
更に2~3人ほど女が居る
いずれも見知らぬ女
しばらく足を運ばない間に客層も様変わりしていたようだ
車の往来が途切れると微かに中の声が聞こえてきた
>> 134
マスターに何かあったのか❓
よく見ると扉のガラス越しにうっすら灯りが見える
目をこらすとマスターと見知らぬ女いる
遠目にもわかる緊迫感
覗き趣味はないが
私はその様子を見ていた
雪も見なくなってきたある日
気がついたら例の店に足が向いていた
ウサギちゃんは足が遠退いたと言っていたが
万に一の偶然に賭けてみる
え❓
クローズの札が下がる扉に立ちすくむ
ウサギちゃんどころか店そのものが動いていない
>> 132
趣味に没頭する疲労感
仕事の疲労感
女に振り回される疲労感
全て疲れるね
ウサギちゃん
何故君には疲れないんだろう
>> 131
ちまたでバレンタインの文字が目立ってきたね
いつもまわりを気遣うウサギちゃん
知人まわりから男女問わず
まるで御歳暮のようだね
ご苦労様
私には気遣いはいらないよ
気遣いではなく
君の気持ちが欲しいから
>> 130
時折
ふと君と 君のまわりの男連中に嫉妬光線だよ
ウサギちゃん可愛いよ
仕方ないよね
誰かのかわりでも構わない
側にいたいよ
いや
自分だけのものにしたいよ
>> 129
年末になり
またウサギちゃんとのやり取りが活発になった
毎日仕事ご苦労様
私もそれなりにやってるよ
君のメールや声は一番の癒しだよ
無理言ってもらった写メにもかなり癒されてるよ
何度見ても飽きないね
実際君が毎日横に居たら幸せだろうね
いつかそんな日がくる事を
何故か確信する自分が居るよ
>> 128
ウサギちゃん
君と知り合ってから
また新しい冬を迎えたね
初めて会話した日
私の頭の中に過った曲も冬の歌だった
あれから色々あったよね
手が届きそうになっては離れ
時折 君を見失いそうになりながらここまで来た
まだまだ君とは離れられそうにないよ
わからないけど
君にはとてつもなく意味深いものを感じる
>> 127
ウサギちゃんとやり取り出来ないまま
また時間だけが過ぎていた
今は気力がないよ
なんだか疲れてる
こうしているうちに
また君は誰かに口説かれていたりするんだろうね
仕方ないよね
そんな君だから好きなのかも知れないね
>> 126
ウサギちゃんとなかなか向き合えないまま
また時間だけが過ぎていた
疲れて寝てしまう毎日
忙しくしていると余計な事を考えなくていい
特別仕事が好きな訳でもないが
気がつけば仕事人間になっていた
面白くない男だね
働いて
食べて
寝て
また起きて
時折 趣味を楽しんで
何ら面白くもない生活
私にはウサギちゃんという光が必要だよ
ウサギちゃん
砂漠にダイヤモンドを見つけたみたいな気持ちだよ
>> 125
結局その日は頭痛が取れず
せっかくのウサギちゃんとの時間が訳のわからないうちに過ぎていった
私を気遣うウサギちゃんの表情も曇ったまま
夕方入った年上女の着歴を消したい気持ちと裏腹に
その画面すら見たくない
いつまで邪魔されるんだ
ウサギちゃんとの距離が縮まりかけると存在感を示す
いや
私が弱いだけだね
ウサギちゃんというサンクチュアリに踏み込む勇気がない
年上女を言い訳にしている情けないオジサンだよ
>> 124
酒の整理を終えたメンバーさんがおおまかな話をしてくれた
いざこざの原因が何かはマスターやメンバーさんにもはっきりしないようだが
店の外壁に年上女を中傷する貼り紙がしてあったらしい
年上女に狂わされた悲しい男
一瞬
以前の自分とダブったと同時に嫌悪感に襲われた
ウサギちゃんをマトモに見れない
自分が汚く思えた
頭痛がする
>> 123
『今日は元気ないね』
直球を投げてみる
ウサギちゃんはこちらを見据えて言いにくそうに口を開いた
『年上さん ここのお客さんとゴタゴタしたらしいねん』
『えっ そうなの❓』
『お付き合いしてたらしいねん』
さっきの電話はその件なのか
それより
ここの客とデキていた事に少々驚く
意外と衝撃はない
やはり私の中では過去のものになっているからだろう
>> 122
店に入るとマスターは見えない
何処かに行っているようだ
カウンターには滑らかに身体のラインを描くロングヘアーの後ろ姿
ボックス席にもまだ客は居ない
『待たせたね』
声を掛けると不安げな表情でウサギちゃんが振り返った
『マスターは今 足りひんもん買いに行ってはる』
ウサギちゃんの隣に座りながら内ポケットからタバコを出す
ウサギちゃんは気を利かせて灰皿を差し出してくれたが
相変わらず表情が固い
>> 121
久しぶりに例の店でウサギちゃんと待ち合わせをする
心なしか残業も苦にならない
足早に例の店に向かう途中に携帯が鳴った
年上女からだ
何の用だ❓
電話に出るか迷ったがやめる
そう
これからウサギちゃんに会うのに気分的に邪魔されたくない
そうしているうちに例の店に着いていた
>> 120
そんな妄想 いや 空想を現実が邪魔する
君は無理なんだよね
あのビストロで勇気を振り絞って教えてくれたよね
ウサギちゃん
君を救ってあげたい
闇の世界から
とりあえずそれまでは
草食系を気取ってみるよ
ウサギちゃんが安心していられる草原に案内するよ
>> 119
眠れない夜
ウサギちゃんの甘い匂いに包まれて眠りたくなるよ
心配しないで
何もしないから
嘘だよ
君が隣に居たら何度でも抱くよ
何度も 何度も
その先にあるのは幸せな眠り
>> 118
ウサギちゃんの生活リズムの中に私という存在が組み込まれているかどうかはわからないが
ある程度の間隔でウサギちゃんは私とのミーティングを希望してくる
会いたい
と言われる時は決まってウサギちゃんが疲れている時だ
必要とされているのか
ただの安全パイだと思われているのか
真実を知る事は野暮かも知れないね
でも
どんな理由にせよ私を求めてくれるのは嬉しいよ
欲を言えば
もう一歩踏み込んだところまで
私を求めてくれないか
>> 117
そんな風に過ごしながら
気がついたら季節は変わっていた
ウサギちゃんとの関係は前進も後退もせず
今や生活の一部になっていた
年上女の存在も よほどの事がない限り思い出す機会もない
ウサギちゃんと出会った当初から考えれば
私達のストーリーの中のキャスティングにかなりの変動があった事は間違いない
むしろ
キャストは私とウサギちゃんだけで充分だ
私だけのウサギちゃん
毎日同じようなメールをやり取りし
時折声を聞き
そして 気まぐれにミーティングする
ウサギちゃん
君の生活のプログラムに私の存在は組み込まれているかい
>> 116
ウサギちゃんと相変わらずやり取りを続ける中
たまに 音信不通みたいになる時がある
もちろんお互い様だが
そんな時は不安になるね
確固たる立ち位置を決められないでいる私とウサギちゃん
今 平和なだけに
余計な事をして波風をたてるのも趣味じゃない
じれったさも
何故か楽しんでいる自分がいるよ
ウサギちゃんが居る生活
そばに居るともっと楽しいんだろうね
>> 115
肩を抱き寄せた事はあるものの
それ以上先の進展を見ない私とウサギちゃん
いっそ連れ去ればいいのかな
てか
そんなの無理だよね
妄想の中では
幾度となく押し倒しているよ
考えただけでも気持ちいいよ
可笑しいと言われても仕方ない
まさに
これが私の本音だから
君を誰にも渡したくないよ
>> 114
気がつけば
例の店とは全く無関係なところで私とウサギちゃんの関係は歩き始めていた
マスターの存在すら
さながらTV番組の
【あの人は今】みたいだよ
ウサギちゃんとはほぼ毎日やり取りをする
相変わらず他愛もない会話
変な言い方かも知れないが
生身の女を相手にしている感覚がない
不思議な感覚に麻痺してしまっている
ウサギちゃん
なんて現実味の無い女なんだ
>> 113
ウサギちゃんと知り合ってどの位経っただろう
ウサギちゃんの存在感のせいか
随分前からの知り合いみたいな錯覚に陥るが
実際はまだ4ヵ月ほどだ
ウサギちゃんの事を考えない日は無い
ウサギちゃん
君は私の事どう思ってるの
メールに入力しては消す
私と結婚したいと思うかい
確認画面に進むが 保存して消す
完全にイカれてる
悪魔に翻弄されてしまった情けないおじさんだね
笑ってもいいよ
>> 112
ウサギちゃん
この腕の中に抱きしめてみたい
捕まえたと思えても
君はいつも上手に私の手をすり抜けていく
それは まるで
砂漠の美しい砂のように
風に身を任せながらも静かにその存在感を私の心に植え付けていく
>> 111
翌日
ウサギちゃんから全く昨日の事には触れない普段通りのメールが届いた
私もわざわざ報告するほどの事をあの男と話さなかったから普通に返信をする
お互いに昨日の事については一切触れなかった
それでも着実にウサギちゃんは私の中で自身の立場を確立していく
もしかしたら本当に悪魔なのかい
甘く 可愛く 切ない
やわらかな悪魔
>> 110
『ええ曲ですよね
今度その低音の魅力を聴かせてもらわなあきませんね』
わざわざ膝を突き合わせて話すにはいささか拍子抜けする話題
そして
結局
しばらくそんなどうでもいい話をしただけで私は店をあとにした
何だったんだ
ウサギちゃん
君の真意は何なんだ
こうしている間にも
ウサギちゃんの存在が私の心に より深く刻まれていくのがわかる
>> 109
私に話とは❓
ウサギちゃんとの事しかないだろうが
頭の中に色んなものが駆け巡る中
あの男が口を開いた
『普段カラオケ 何唄てはります❓』
予想外の切り口に私は言葉を選ぶ余裕もなく
マトモに普段歌う曲を答えた
>> 108
思えば
この前の 年上女との事をカミングアウトした後の気まずさから
今日の和んだ状況はあまりにも上手く出来過ぎていた
『同じものでええかな』
携帯の画面を見て絶句している私に
あの男が酒を勧めてきた
とっさの事に思わず頷いてしまった
膝を突き合わす❓
ウサギちゃんのこわい罠
>> 107
そこへメールの着信音
ウサギちゃんから❓
不思議に思いながら展開してみる
「こないだ例の店で私がお手洗い行った隙にサラリーマンさんバックレたやろ
仕返し(笑)」
なんてことだ
してやられてしまった
文面の続きには
「そいつがサラリーマンさんと膝突き合わせて話したいらしいねん
仲良くね❤」
いたずらな堕天使の笑えないジョークが書かれていた
>> 106
『ごめん ちょっとお手洗い』
おもむろに席を立ったウサギちゃんに目をやると
後ろのボックス席には既に誰もいない事に気付いた
店内の客はカウンターの私とウサギちゃんだけになっていた
閉店が近いのか
店のスタッフも ひとりふたりとあがっていく
カウンター越しには あの男と私
何とも言えない緊張感が漂っていた
>> 105
店に入る前の憂鬱はどこかに行ってしまったかのように
ウサギちゃんと私は例の店に居るかの如く和やかに飲んでいた
あの男も接客中とあって灰皿を確認する程度にしか私達の前に現れない
相変わらずのカシスソーダを飲むウサギちゃん
やはり酒のアテには苺のようだ
君がいつも甘酸っぱいのはそのせいなんだね
静かで優しい時間が流れていた
>> 104
タバコの火と同時に
私の心にも完全に火をつけたね
『ウサギちゃん 私を本気にさせると火傷するよ(笑)』
余裕を見せるつもりで言った台詞だが
あの男への挑戦状であり
私の本心でもあった
ウサギちゃんの真意はわからない
でも
もうそんな事はどうでもいい
私はウサギちゃんを愛している
>> 103
ウサギちゃん可愛いよ
初めて会った時から変わらない
屈託なく笑うその笑顔が好きだよ
楽しそうにしている君を見ているだけで心があたたかいよ
そんな私の心を知ってか知らずか
オーダーするのを忘れていた私にあの男がダニエルをツーフィンガーで差し出した
会釈で応えながらタバコをくわえる
『こっち向いて』
ウサギちゃんの声に振り向くと
両手を添えてライターに火を灯した堕天使が微笑んでいた
>> 102
『この方私の ええひとやの❤』
冗談まじりに微笑むウサギちゃんの甘い誘惑
私の ええひと
本気じゃないとわかっていても心を揺さぶられる
敢えて視線は合わさなかったが
こちらに顔を向けたあの男が私の視界に入っている
ウサギちゃんの紹介に
その場は沸き立ち盛り上がっていた
>> 101
『いらっしゃいませ ようこそ』
以前例の店で会った時よりも更に研ぎ清まされた端正な笑顔であの男が迎えてくれた
『どうも』
私も得意のポーカーフェイスで応える
既に静かなバトルが始まっているようだ
ウサギちゃんはスタッフや常連客に私を紹介し始めた
>> 100
あの男の店はウサギちゃんのエナジーチャージの場所らしい
細い路地を歩いて案内されながら話を聞いていると
ウサギちゃんのあの男への信頼度が嫌気がさす程うかがえる
少し落ち込み
少しジェラシーを感じながら歩いているうちに店に着いた
居心地の悪さは容易に想像出来るその空間に
堕天使にいざなわれて私は足を踏み入れた
>> 99
ウサギちゃんと再びやり取り出来るようになって嬉しい反面
すっかり私自身の立ち位置を見失っていたある日
ウサギちゃんがメールで あの男の店で飲まないかと提案してきた
返事に困ったが断るとウサギちゃんに会えなくなるような気がして誘いを受けた
ウサギちゃんの真意がわからない
でも会いたい
気持ちが交錯する
>> 98
以前と変わらない解散風景
ウサギちゃんの乗ったタクシーのテールランプを見送る
もしかしたら
私が間違ったカードを引かなかったら
たった今見送ったタクシーに同乗出来ていたのかも知れないね
そして ウサギちゃんの甘い匂いをもっと身近に感じられたのかも知れない
私はなんて馬鹿なんだろう
ウサギちゃん
君をこの腕に抱きしめたいよ
さっきまで一緒だったのに
凄く恋しいよ
>> 97
私はウサギちゃんに相応しくないのかも知れないね
「あの子は壊れ易いから」
端正な顔のあの男の切れ長な目が頭を過る
私は君を傷つけたはずなのに
こうしてまだ私と同席してくれている
幸せだけど 辛い時間
愛しくてたまらないけど手が届かない天使
ウサギちゃん
今君は何を考えているの
>> 96
『どないしたの 楽しない❓』
頭の中が真っ白な私にウサギちゃんは屈託なく話しかける
さすがだね
伊達にトラウマを背負ってないんだね
さっき君を落胆させた男に気遣う余裕があるなんて凄いよ
私は酷い男だね
自分の事しか考えてなかった
好きな女に不要な気遣いをさせてしまっている
最低な男だよ
>> 95
一度解れた糸を戻すのは容易ではないだろう
全て私自身が起こした事
あの男との事で君が遠くに感じた時も
結局私は年上女からの電話で寂しさをまぎらわせてしまった
心に傷を負うのはもう嫌だったから
私は弱い人間だよ
目の前で野菜を美味しそうに頬張るウサギちゃんは 今
私だけのものなのに
とても遠くに感じるよ
私は大事なところで違うカードを引いてしまったんだね
ごめんよ
ウサギちゃん
ごめん
>> 94
男に関したトラウマを持った彼女にするべき話じゃなかったかもしれない
後から気付くが遅かったようだ
私は昔から空気が読めないところがある
カミングアウトも実は自分が楽になりたかっただけなのかもしれない
私は弱い
せっかく私と繋がっている糸を手繰り寄せてくれたウサギちゃんなのに
私は自らその糸を解れさせてしまったんだね
さっき私を見つめてくれていたウサギちゃんの潤んだ瞳は
既に何処かへ消えてしまっていた
>> 93
『やっぱりサラリーマンさんも男やったんやね』
悦びに浸っていたのも束の間
ウサギちゃんは悟ったような表情で私を見た
その後の会話は以前と同じように楽しく語り合えはしたものの
一瞬近づいたように感じたウサギちゃんと私の間には
相変わらずくっきりと一線を引かれていた
いや
年上女との事を話した事でその一線はより鮮明になった気がした
>> 92
意外にもウサギちゃんは動揺していた
申し訳ない気持ちと
カミングアウト出来た解放感が入り交じる中
不謹慎にも動揺しているウサギちゃんを見て私はうれしくなっていた
私の事好きかい
言葉にする程私も野暮ではない
その困惑した顔は私への気持ちだよね
私と視線を合わさないウサギちゃんが愛しい
まさに 甘く至福の時を迎えていた
>> 91
軽い食事を頼み 私達は久しぶりにゆっくり話をした
テーブルにはカシスソーダとダニエルのタンブラーとグラスが寄り添っている
『なんでここやとわかったの』
確かにそうだ
でも
ここしか思い浮かばなかった
ここ数週間の空白を埋めるように私達は話した
ウサギちゃんはあの男の事を話してくれた
タクシー同乗で送ってもらうものの
特別な関係ではないという話に嘘はなさそうだ
私も年上女との事を話した
>> 90
走ってきたせいでかなり息が上がっていた
ウサギちゃんは呼吸の荒い私にすぐ気づいたようだった
『私を見つけてくれたんやね』
もういいよ
あの男とどうとか
マスターをどう思っているのかとか
ディープな過去を背負っているとか
今 目の前に居るウサギちゃんが私のウサギちゃんだよ
悪魔でも構わない
愛してるよウサギちゃん
声に出して言わなくても
そんな私の想いをわかってくれているような瞳で
ウサギちゃんは私を見つめていた
>> 89
所在をはっきり告げられていないのに
私は以前ウサギちゃんと食事したビストロへ向かっていた
週末とあって早目の夕食を取る客で溢れかえっている店内を見渡す
肩から腰にかけて身体のラインを描くようにのびている栗毛の後ろ姿が見えた
その瞬間
まわりの雑踏はモノトーンの世界
ウサギちゃんの後ろ姿だけがカラーに浮かび上がっていた
>> 88
直後に電話のコール
着信画面にはウサギちゃんの名前と電話番号
躊躇したが出てみる
胸の鼓動が高鳴る
『…私をさがしてや』
『えっ』
『私をさがしてや
私 サラリーマンさんが来るん…
ずっと待っててんよ』
うわずった声で私に怒るウサギちゃん
泣いていたのかい
私はウサギちゃんを捜しに走り始めていた
>> 87
雪がちらつく ある週末の夕方
ウサギちゃんからのメールに思わず立ち止まってしまった
『私の事迷惑に思ってるん❓』
そんな訳ない
苦しいだけだよ
とりあえず在り来たりな内容で否定する返信をした
>> 86
それからの私は
時折年上女と心の通わない世間話をする日々
今は敢えて電話を拒否する程の気力もない
私の生活なんてこんなものだろう
ウサギちゃんと出逢う前もそうだった
いつも何かを諦めている習慣が身にしみついてしまっていた
ウサギちゃんのあの甘い毒で夢を見ていただけなのかもしれない
ウサギちゃん
君に会いたい
会いたくないよ
>> 85
まだ始まってもいない恋だったが
まるで失恋したみたいだよ
墜ちた気持ちを引き上げられないまま
気がつけば数週間経っていた
ウサギちゃんの事は意識的に考えないようになっていた
>> 84
私はすっかり例の店から足が遠退いてしまっていた
ウサギちゃんからのメールにも当たり障りの無い返信をしていた
ウサギちゃんも何かを悟ったかのようにメールの数を減らしてきた
蜜月
あの甘い時間が懐かしいよ
ついこの間の事なのに
これまでにもハートは何回か砕け散ってきた
慎重でいたはずなのに
気がついたら近づき過ぎていたんだね
甘く柔らかな堕天使
今はその甘い匂いを思い出すと苦しいよ
>> 83
翌日 年上女からの電話
何気なく取ってしまった
メールは着信拒否にしたものの電話番号までは気がまわってなかった
『昨日は残念だったわね 愛するウサギちゃんはあれからあのイケメンと帰ったわよ』
何が言いたいんだ
『いいわね~若いしね どうせ私はオバサンだから(笑)』
一瞬 そんな事ないよ と言いかけたがやめた
ポツリと言ってのける弱音さえも
もはや裏があるようにしか聞こえない
今は何も考えたくない
年上女の事
あの男の事
そして
ウサギちゃんの事も
>> 82
ウサギちゃん
その男にはタクシー同乗で送ってもらうのかい
いや
送ってもらうのは もしかして翌日❓
考えたくない
いつも甘く私を包み込むウサギちゃん
今日は苦く私を暗く底深い闇に墜としていく
堕天使
いや
悪魔❓
違うよね
違っていて欲しい
>> 81
店を出てしばらく歩いたところでメールの着信音がした
ウサギちゃんからだった
「なんで私が御手洗い行ってる隙に帰らはるの
狙ってたやろ(笑)」
正直そんな事を考える余裕はなかった
ただその場から離れたかった
「明日も仕事だから ごめんね」
と返信した
返信完了画面を見ながら
あの店のアフターのウサギちゃんとその男の事を考えていた
>> 80
平日という事で明日の事も考え
私はマスターに会計を申し出た
ウサギちゃんはちょうど席を外していた
今日はウサギちゃんを送る必要はなさそうだ
マスターと年上女は談笑している
席を立ちかけた時
その男が私に小声で話しかけてきた
『あの子は壊れやすいから』
私はその男の顔を見た
私を見るその男の目は鋭い
マスターと年上女も私が席を立ったのに気付きこちらを見た
『ほな 今後ともよろしゅうに』
先程の鋭い目を細めてその男は笑顔で私を見送った
>> 79
『年上さんは私がサラリーマンさんと知り合う前からの仲良しさんなんやて』
ウサギちゃんはその男に私と年上女の説明をした
その男は改めて私と年上女を見て言った
『見たらわかりますよ』
何気ない一言だがその奥は底知れない
一瞬にして空間を気まずくする年上女に私は腹立たしさを覚えたが
これも私の身から出た錆び
ウサギちゃんは黙ってマスターの吸いかけの煙草の煙を見ていた
>> 78
『あらどうも こんないい男からなんて緊張しちゃうわね』
私をチラッと見ながらまんざらでもなさそうだ
ウサギちゃんは私にしたのと同じようにその男を年上女にも紹介した
『私とサラリーマンさんみたいなものかしら』
不意に勝ち誇るような笑みを浮かべて年上女が言い放った一言で
その男は私を見た
ウサギちゃんは笑ってはいたが
その笑顔にいつもの無邪気さはなかった
マスターは黙って年上女のカクテルをステアしている
なんて窮屈な時間なんだろう
>> 77
今日は帰った方がいいだろうとグラスを空けようと手に取った時
タイミングいいのか悪いのか
年上女がやってきた
『あら お揃いで』
年上女とはメアドを着信拒否設定にした以来だった
私と年上女は何事もなかったかのように会釈をしたがお互いの表情は心なしか堅い
その男は年上女にも一杯とマスターにオーダーした
>> 76
『こいつもなあ お店やってんねんよ』
唐突にウサギちゃんが異様な静寂を破る
その男はメンズバーを経営しているらしい
今日はたまたま休みだという
ウサギちゃんのテリトリーの偵察❓
マスターや私の品定めに来ているかのように
その切れ長の目で私やマスターを観察している
と同時にマスターとはすっかり友達口調だ
私もその男とウサギちゃんを交互に見ている
>> 75
複雑な気持ちのまま
私のグラスは空になっていた
『良かったら 一杯ご馳走させて下さい
日頃のお礼に』
端正な顔立ちのその男はあくまでスタイリッシュに私に話しかけてきた
日頃のお礼❓
ウサギちゃんの保護者のつもりなのか
それとも私への挑戦状か
断るのもオトナ気ないので好意を受ける事にする
異様な空気の中
マスターが黙ってボトルの栓をあける音だけがキュッキュッと鳴っていた
>> 74
ウサギちゃんによると
その男は自分のディープな過去の傷を癒すのを支えてくれた親友らしい
親友❓
上手にごまかしているのか
私は基本的に男女間の友情なんてものは信じない
ウサギちゃんはどうなんだ
男女の友情が成立するなんて思っているのなら
私の君への気持ちも友情に映っているのかな
>> 73
『この方なあ 私の相談役❤
めっちゃジェントルマンやよ』
ウサギちゃんは屈託なくその男へ私を紹介する
目が笑っていない男二人を目の前にしても無邪気極まりないウサギちゃん
計算なのか❓
いや
天然なのか
マスター
その男
私
異様に無口に牽制し合う男三人に
ウサギちゃんの笑顔が対照的だった
>> 72
兄妹のようにも見えるが違う
その男に対して悪態をつくウサギちゃんの顔は安心仕切った笑顔だ
マスター相手とはまた違う
入る隙の無い空気が漂っていた
『ホンマにええ男ですねぇ 是非この子を嫁に貰ろて下さいよ(笑)』
とウサギちゃんと同じ京都弁で冗談めかしてマスターに話し掛けるその男は余裕綽々だ
『サラリーマンさん こいつ私のSP(笑)』
ウサギちゃんの言葉にその男も好意的な笑顔で会釈した
私も会釈したが互いの目は笑っていないように感じた
>> 71
それからメールのやり取りや電話はするものの
お互いに忙しくて会えない日が続いた
残業の無い平日に久しぶりに例の店に寄る
カウンターにはいつもの席にウサギちゃんの後ろ姿
声を掛けかけて私は止まった
隣に知らない男が居る
マスターのいらっしゃいの声でウサギちゃんが私に気付く
同時に隣の男も振り向く
端正な顔立ちのその男はウサギちゃんを呼び捨てにしていた
>> 70
小さい一歩だけど
私とウサギちゃんは確実に近付いた
相変わらず家まで送らせてはくれない堅いウサギちゃんが私は好きだよ
タクシーのテールランプが見えなくなるまで見送ったあと
年上女にウサギちゃんを愛しているとメールした
そして年上女のメアドを着信拒否設定にした
>> 69
私は確信した
ウサギちゃんの心がこちらを向いている事を
ウサギちゃんの心はクリスタル製
壊れないようにそっと抱き寄せる
好きだよウサギちゃん
ウサギちゃんは私の事好きかい
ちゃんとしないといけないね
年上女との事
ちゃんと終わらせないといけないね
>> 68
『イタイ女やろ』
冗談ぽく言っているが私と目線は合わさずウサギちゃんは呟いた
これまでにもきっと幾つかの恋をしてきただろう
その度に今みたいな淋しい顔をしてきたのかい
私は黙ってウサギちゃんの肩を軽く抱き寄せた
身体を硬直させながらも
ウサギちゃんは無抵抗だった
>> 67
少しアルコールが回ってきた頃
ウサギちゃんは不意に話し始めた
『私なあ 出来ひんねん
男の人と その
アレが』
猥談の延長かと聞き流してしまうところだった
私はウサギちゃんを二度見した
『もしかして 前に聞いた事が原因なのかい』
私の問いかけにウサギちゃんはうつむきながら頷いた
そうか
常に引かれていた一線はそれだったんだね
ウサギちゃんが口にふくんだ氷を噛み砕く音が響いた
>> 66
ちゃんとした待ち合わせは これで何回目だろう
軽く飲めるビストロに入った
オーダーしたものを待つ間
スープのクルトンが好きだという共通点で盛り上がる
そしていつもの他愛もない話から 冗談めいた猥談まで
まわりから見たら普通のカップルだろう
見えない一線を引かれてはいるものの
ウサギちゃん
君の笑顔は甘く優しいよ
好きな女を目の前に
同じ空間で同じ時間を過ごせる事の楽しさを私は味わっていた
>> 65
翌日の夕方
昨晩のお詫びのメールがウサギちゃんから届く
介抱のお礼も兼ねて と食事に誘われる
食事の邪魔にならない程度に気に入っているフレグランスをつけてみる
支度している間に年上女から呆れた内容の俗っぽいメールが届いていたが返信はしていない
私とウサギちゃんの成り行きを全て把握したいらしい
心配ではなく把握
何処までも“俺様な女”だ
>> 64
結局その日もタクシーに同乗して送る提案は丁重に断られ
ウサギちゃんは千鳥足ながらも気丈に帰って行った
私との間にはっきりとした一線を引くウサギちゃん
いや
あんなに親しいマスター相手にも
踏み込ませない何かをもって接しているよね
ウサギちゃん
君の心の傷の深さは計り知れないよ
私は歩きながら出会って間もない頃のウサギちゃんのディープなカミングアウトを思い出していた
>> 63
少し低次元な気もしたが
マスターへのアピールと年上女へのささやかな報復として
私はウサギちゃんを介抱した
『おおきに❤ サラリーマンさん優しいなあ 今 優しくされたら私堕ちるえ
気いつけなあ(笑)』
寂しく甘えた顔でウサギちゃんは笑う
安心して堕ちればいいさ
一緒に堕ちてみたいよ
『サラリーマンさん 年上さん達と楽しく飲んで❓ せっかくのお休みやのに』
この期に及んで君はまだまわりを気遣うのか
私はマスターに目配せしてカウンターからボックス席に移った
年上女は一度も振り向かなかった
>> 62
『ウサギちゃん 年上さんに昔の恋の痛手を聞いてもらってたんだよね』
マスターは相変わらずの能天気っぷりだ
年上女は手を扇ぎながら謙遜していたが
その表情の端には優越感を漂わせていた
『あと マスターと彼女の話ね(笑)』
ウサギちゃんが潰れた原因
そんな事して楽しいのか
私は年上女を寄せ付けない姿勢をとり ウサギちゃんに話し掛ける
『大丈夫 大丈夫』
とウサギちゃんは笑っている
>> 61
土曜日の夜
出先で食事を済ませた後 例の店に立ち寄った
約束していなくともカウンターにはウサギちゃんの後ろ姿
『あら こんばんは』
そして年上女
ウサギちゃんを挟んで座る
マスターは当然のようにダニエルのボトルを掲げてこちらを伺う
私は頷きながら口にくわえたメンソールに火を着けながらウサギちゃんに目をやった
様子がおかしい
『ウサギちゃん 珍しく沢山飲んだんですよ』
メンバーさんが灰皿を置きながら言った
>> 60
ウサギちゃん
ウサギちゃんは私の事好きかい
ウサギちゃんの気持ちがマスターにあるのはわかるよ
私だって 精算出来てない年上女との事がある
だけどウサギちゃん
何故だかウサギちゃんは
私と同じ匂いがするよ
孤独な匂い
君の孤独
私があたためてあげるよ
>> 59
それからも
ウサギちゃんとは特に進展もなく
後退する訳でもなく
年上女との事をカミングアウトする訳でもなく
日々のメールのやり取りと
例の店でたまに肩を並べながら 同じ時間を過ごしていた
>> 58
『ウサギちゃんは延長を希望する❓一軒だけなら延長可能だよ』
『延長(笑) なんやエロい響きや』
転がるように笑いながら艶めいた話をするウサギちゃん
軽い言い方かも知れないけど
ウサギちゃん
君をお持ち帰りしたいくらいだよ
『けどアカン 男は仕事が出来てナンボや』
『延長はまた今度 な❤』
メールと同じで
外見からは意外に思える程
常識的な堕天使
私はメロメロだよ
>> 57
私の問いかけに
『馬鹿騒ぎ出来るとこ(笑)』
『サラリーマンさんの遊んではるとこも もっと教えてや』
そう言ってウサギちゃんは屈託なく笑った
ウサギちゃんとの関係に もう一歩踏み出したい
私はそんな事を考えていた
『せやけどサラリーマンさん 今日は平日やし もうリミットやろ❓ 今日はここで解散しよか』
ウサギちゃんはいつも絶妙のタイミングで私に言葉のキャッチボールを仕掛けてくる
>> 56
ほどなくして
やはり年上女の重圧が心地悪かったのか
『そろそろ私 おいとましようかな』
とウサギちゃんはコートを羽織った
丁度グラスが空いた私も店を出る事にした
店を出る時視界に入った年上女は私を見ていたが
私は振り返らずウサギちゃんと店を後にした
私とウサギちゃんは相変わらず手を繋ぐ訳でもなく歩いていた
『2人だとあまり代わり映えしないね ウサギちゃんは他にどんなところで遊んでいるの❓』
>> 55
マスターとウサギちゃんのやり取りに相づちを打ちながら
ピスタチオの殻を剥いていた時
すっかり常連顔の年上女が現れた
『マスターいいわね ウサギちゃんみたいな可愛い彼女がいて 若いしね』
その皮肉は私に向けられたものか
ウサギちゃんに向けられたものか
『ホンマやねえ マスター幸せやろ❤』
とウサギちゃんはノリよく気を遣う
私はウサギちゃんを見つめながらピスタチオを口に入れた
>> 54
珍しく残業の無い平日
例の店に立ち寄ってみる
特に待ち合わせた訳でもなく
それでもウサギちゃんはカウンターに居た
いつの間にか
私達は肩を並べて座るのも当たり前になっていた
でも
それ以上でも それ以下でもなく
相変わらずマスターとウサギちゃんとの会話には他を寄せ付けない独自の空気がある
『実は私もマスターん事好きやねんよ』
『サラリーマンさんの事かて好きやで』
時折頭をよぎる
ライクだよね
気にしないよ
>> 53
「あれからどうなってんの」
久しぶりに年上女とまともにやり取りした
私はウサギちゃんを刺激するのはやめてもらえないかと伝えた
「なあに(笑) 本気モードなんだ」
もはや年上女に特別な感情はない
私を手のひらで転がしていたつもりだろうが
もうそんな事はどうでもいい
その日はわかったような口調で引き下がった年上女だが
その後 何かにつけメールや電話を寄越してきた
私は適切にかわしていた
>> 52
その日もハシゴをする訳でもなく
程々の時間で私達は解散した
瞼にウサギちゃんの瞳が焼き付いている
出逢ったその日に私の懐にすぅっと入り込んできたあの瞳
意地っ張りでクリスタル製のハートを持ったこわい女
手をのばせば
いや
指を差し出しただけでも届きそうなところまで近付いたのに
ウサギちゃん 君は
なんて遠いところに居るんだ
>> 51
ウサギちゃんの心が揺れたら大成功だよ
『ドッキリみたいな感覚だよ
またに こういう刺激が欲しいかな❓』
冗談めかして言う私に意外なアンサー
『私は意外とシャレが利かんへんよ』
伏せ目がちに微笑む堕天使は私を甘く引き付ける
抱き締めてしまいたい気持ちを抑えてウサギちゃんを見つめていると
ウサギちゃんも黙って私を見つめていた
数秒間の視線のKISS
ウサギちゃん 好きだよ
気付いているよね
>> 50
私は年上女との関係を話してしまおうか悩んでいた
『なあ❓ サラリーマンさんには可愛いヒト居てはんの❓』
えっ 不意うち💡
『ウサギちゃん』
自分に向けられた私の人差し指をキョトンと見るウサギちゃん
『私にアプローチしてくれてはるんや❤
おおきに(笑)』
明らかに流されている
>> 49
それから
マスターには数年来の恋人が居る事が年上女との会話でわかった事
ウサギちゃんにとってはこれがきつかったようだ
『年上さんなあ 私にサラリーマンさんの彼女になりなはれって言わはんのんよ』
明らかな皮肉をウサギちゃんに投げ掛けながら
私との事をチクチク聞いているんだろう
容易に想像出来た
私を推薦してくれた事は有難いが
推薦人を考えたら素直に喜べない
これは私自身の身から出た錆びだ
>> 48
私の気持ちが読めるのか❓
ウサギちゃんはマスターの事を話し始めた
年上女が常連客になり
同世代のマスターとの話題に華が咲いているらしい
若いウサギちゃんには乗り切れない話
少し前に私がマスターとウサギちゃんに感じた疎外感を味わっているようだ
>> 47
『こんなラフなとこにも来はるんやね』
私はどんな印象を持たれていたんだろう❓
なんて考えながらお互い相変わらずのカシスソーダとダニエルを頼んだ
ウサギちゃんにしてみれば
私はいわばマスターの代わり
それでも構わないよ
マスターの代わりだろうけど
ウサギちゃん可愛いよ
話したい事を話せばいいよ 変化はウサギちゃんに任せるよ
>> 46
私がウサギちゃんとのメールに重点を置いていた間に
素っ気なくやり取りしていた年上女からのメールの内容を思い出した
「例の店 仲々気に入ったわ」
そうか
私が行けていない間に何かあったのか
問題がデリケートなだけに直球が投げられずにいた私に気付いたウサギちゃん
「どんなお店に連れてってくれはんの❓ 楽しみやわあ」
と話題をそらした
とにかく飲みながら聞こう
そう決めた私は今日のウサギちゃんに合わせてカジュアルな店にエスコートした
>> 45
約束の週末
いつもよりカジュアルな感じでウサギちゃんは待ち合わせ場所で私を待っていた
私に気づき笑顔で手を振っている
今日は例の店には行かない約束
確認の為私はウサギちゃんに聞いた
『飽きたの❓例の店』
私の質問にウサギちゃんは一瞬黙ったあと答えた
『サラリーマンさんの仲良しさん居てるやん❓
あの方とマスターめっちゃ気が合うみたいやね』
世間話のようにあくまで自然体に振る舞うウサギちゃんだったが私にはその話の奥が見えた
>> 44
それからも忙しいながらウサギちゃんとのメールのやり取りは続けた
趣味の話から多少の猥談まで
ノリが良いウサギちゃんとのメールはすっかり生活の一部になっていた
その間年上女からもメールや電話があったが全て手短に済ませていた
ある週末ウサギちゃんに久しぶりに例の店で呑まないかと提案した
ウサギちゃんからの意外な返信
「たまには別のとこ連れてって」
逆に願ったりだった私は数軒提案したが 何処でも構わないとの返事
とりあえず次の週末に待ち合わせる事を約束した
>> 43
ウサギちゃんはしばらく歩いたところで解散を提案してきた
これからなのに❓
と 少し拍子抜けしながらタクシーを拾い送ろうとしたが丁重に断られた
『サラリーマンさん 今日はおおきに』
ウサギちゃんを乗せたタクシーのテールランプが確認出来なくなるまで見送った
帰ろうと歩き始めたら携帯の着信音が鳴った
ウサギちゃんからのメール
「サラリーマンさん 私ん事気い遣うて下さって店から連れ出してくれたんやね
ホンマにおおきに
貴方が困った時 今度は私が助けるからね」
違うよ
何回も抱き寄せようとしたんだよ
でも 無理だった
サンクチュアリなんだよ
「どういたしまして その時はよろしく」
想いと裏腹な返信をして帰路についた
>> 42
『サラリーマンさん やっぱりジェントルマンやね』
不意をつかれて少し恥ずかしくなるがポーカーフェイスを決め込む
『あんまり気をもたせると本気にするよ』
『えー❓ ホンマにそう思ってんのにぃ』
『ウサギちゃん 私を本気にすると火傷するよ❤』
『ひゃあ ウケる♪』
本心だが見事にウケ流されてしまった
と同時にウサギちゃんは意識的なのか無意識なのか
私と一定距離を計りながら接している事に気付いた
>> 41
ウサギちゃんと私だけの甘い時間を邪魔するように携帯が鳴りメールを一件受信した
「今頃はウサギちゃんは腕の中かしら(笑)」
年上女からだった
一気に正気に戻された
私の腕の中
ウサギちゃんを私の手で包んでみたい
ウサギちゃんを手中に引き寄せるのには充分な距離だったが
私は躊躇した
ウサギちゃん
君を抱き締めたらシャボン玉のように消えてしまいそうな気がするよ
>> 40
外は少し冷えるがお互いアルコールが入っているせいもあり冷たい空気が心地好い
私達は歩く事にした
手を繋ぐ訳でもなく
並んだり どちらかが少し前になったりして
出会った頃からの話をしながら
ただ一緒に歩いた
ウサギちゃんは今 私だけのもの
このまま一緒に歩いてくれないか
私の一生が終わる日まで
>> 39
『明日オレ 朝はゆっくりでいいんだ』
『遊びたいね』
ウサギちゃんを店の外に促す
一瞬マスターと年上女の動きが止まったが
大人の二人は至ってポーカーフェイスだ
居心地が悪かったのかウサギちゃんは二つ返事でついてきた
私はウサギちゃんと年上女の分の会計をしてウサギちゃんと店を出た
背中に大人二人の視線を感じながら
>> 38
カウンター越しの不思議な四角関係
いや
必然なのかも知れない
私とウサギちゃんがもう一歩踏み出すには ここを通らなくてはいけないんだろう
マスターは営業中なんだよ
年上女に向けた笑顔と
君に向けた笑顔は同じもの
だけど
私が君に寄せる想いは
ウサギちゃん
君だけのものだよ
>> 37
年上女はその年の功を活かしてマスターと打ち解けている
ウサギちゃんは珍しく口数が少ない
そうか
私とウサギちゃんへの報復のつもりか
矛先はかなり間違ってはいるが
年上女は普段から子宮で物を考える女の典型だ
腹立たしさより哀れみを感じた
そんな事を知る由も無いウサギちゃんは少し寂しげだ
その寂しげな様子は私の心を一層ウサギちゃんへと走らせる
>> 36
年上女を捌け口と認めた自分の心は暗いが
ある意味晴れた
と同士にカウンターのウサギちゃん越しに座る年上女に嫌悪感を感じた
>> 35
そう 捌け口だった
しばらく生身の人間の体温に触れていなかったから人恋しさもあった
でもそこに心の無い関わりは虚しくなるだけ
私はウサギちゃんを抱き締めたい
それから先どうしたいかは考えてはいない
とにかく愛しい
抱き締めてあげたい
ウサギちゃん
君を捌け口になんて思わないし出来ないよ
>> 34
私は不器用で女なら誰でもいいという訳ではない
確かに年上女と知り合った当初は好きだった
ただ
この女の相手は私だけではない
最初は闘争本能を出した事もあったが
年上女はそれを高いところから見て楽しんでいた
それに気づいてからどの位経っただろう
私は生きてきてこれまで安らげる恋愛の経験がない
いつの間にか諦める事を覚えてしまった
諦めた相手に
欲求の捌け口になって欲しいとも考えなくなった
>> 33
どういうつもりなのか
なんて年上女の腹を探ったところで目の前の現実は変わらない
ウサギちゃんが切り出す
『年上さんはサラリーマンさんの仲良しさんなんやね』
間違いではない
でも 間違いなく心はウサギちゃんのものだよ
なんて野暮な事を言う程子供でもない
年上女は私の反応を伺い楽しんでいるようだ
私はポーカーフェイスでピスタチオの殻を剥く
>> 32
ある週末 私は例の店でウサギちゃんと待ち合わせをした
少し遅れて店に入って自分の目を疑った
カウンターに年上女がいる
そしてその隣にはウサギちゃん
心はかなり動揺したが
とりあえず年上女の反対側のウサギちゃんの隣に座る
>> 31
『貴方は私の言う事なんて聞きゃしないだろうから』
なんて放任主義を気取っていたクセに
最近 ウサギちゃんとのやり取りをしきりに知りたがる
ひがむ姿は年齢に関係なく
女を落とす
>> 30
てか そんなの無理だよね
それ以前に私には
年上女のスポンサーが居る
いわゆるパトロネス
私も男だから
なんて言い訳したところでウサギちゃんには何も関係無い事だろう
この事を話したからと言って驚きもしないだろう
だけど
出来れば知られたくないし
年上女とはそろそろ離れたいと思っていたところだった
>> 29
私とウサギちゃんのメールのやり取りが始まった
多忙ながらもウサギちゃんとは毎晩数通やり取りした
意外とマスターの話題抜きのやり取り
そして意外と礼儀正しい文面にまた引き寄せられる
勘違いを起こしてしまいそうな位楽しそうに返信してくるウサギちゃん
いっそ連れ去りたい気持ちになる
>> 28
その日、私はウサギちゃんとメアド交換した
あくまでも相談相手として
いや
下心はあるに決まっている
ただ ウサギちゃんがこちらを向いていないだけの話
『ライクね』
ウサギちゃんの言葉が頭をよぎる
構わないよ
好きになるのに理由はない
>> 27
寂しさは愛情の裏返し
どうやら私はウサギちゃんに本気になってしまったようだ
片想い確定の恋
当のウサギちゃんは私の事などOut of 眼中に違いない
女なら他にも居るはずだ
地球上の女はウサギちゃんだけではない
はずなのに
もはや私の瞳の中にはウサギちゃんだけがCOLORで映っている
>> 26
マスターとやり取りするウサギちゃんはとても自由だ
子供が親に向ける様な表情で
マスターは余裕綽々にそれを受け留めている
入る隙のない信頼関係が見えた
私は帰るところが無い様な寂しさを覚えた
>> 25
『競馬するんや』
意外やウサギちゃんが食いついた
『今日は荒れたよね』
マスターもか
話してみるもんだ
意外な共通点発見💡
これをきっかけに重かった空気の店内は通常モード
良かったのか悪かったのか
ウサギちゃんとマスターも通常モード
そう 私のウリは優しさ
>> 24
『なんやの』
ウサギちゃんの少し尖らせた口がkissを連想させる
いつもの屈託の無い笑顔はない
私の横に座ってカシスソーダをオーダーした
マスターは無言でタンブラーにクレームドカシスと炭酸水を注ぐ
メンバーさんは私から子機を受け取りグラスの結露を拭いてくれた
この空気に耐えられず
誰かに向けてという訳でも無く趣味の競馬の話をしてみる
『今日は調子良かったんだよね』
>> 23
年甲斐もなく心臓が鳴る
年甲斐もないのでマスターを見習いポーカーフェイスでコールを聞く
同じタイミングで後ろで誰かの携帯の着信音が鳴っている
あまりのタイムリーさに振り向くと
ウサギちゃんが携帯を耳に当てて立っていた
>> 22
『いいよ 店が潰れるまでには来るだろうから』
マスターも結構な意地っ張りのようだ
『あの 私が声かけてみましょうか』
不意に口をついた自分の台詞に後から驚く
『えっ じゃあお願いしていいですか』
メンバーさんから店の電話の子機を渡される
え❓
何言ってんだオレ
そう思うよりもこれからウサギちゃんの声を聞く事に気持ちが躍動している
マスターは視界に子機を持った私を入れながらもポーカーフェイスのままだ
>> 21
それ以上話を拡げない方がよさそうな空気の中
ピスタチオの殻を剥いて間をもたす
店のメンバーさんが切り出す
『マスター連絡してあげたら❓ ウサギちゃん意地っ張りだから来れないでいるんですよ』
確かに気は強そうだ
でも心はクリスタル製
男を振り回す典型だ
>> 20
『最近 来てないんだよねウサギちゃん』
何故か空気が少し重い
『ちょっと喧嘩しちゃってさ』
けげんそうな顔でマスターはそう続けた
え❓
喧嘩しちゃえる仲なんですか❓
首チョップ位の衝撃をくらう
マスターも珍しくヘラヘラ(←失礼)していない
>> 19
私が手水鉢の苺にウサギちゃんをダブらせていると
マスターがチェイサーとピスタチオを持ってきた
あれからウサギちゃんに告られましたか❓
なんてダイレクトな愚問をぶつける程子供じゃない
平静を装いマスターに話しかける
『ウサギちゃんやお姉さんは気ですか』
ウサギちゃんの事だけを聞けない心理
やばいね
>> 18
しばらく頭と心をクールダウンしたい
仕事が忙しいのも手伝って
ウサギちゃんの甘い匂いを忘れかける位の日数が経過した
予定のない週末に例の店に立ち寄ってみる
ウサギちゃんは見当たらない
カウンターに座ってダニエルをツーフィンガーで頼む
手水鉢に山盛りになっている苺の匂いがほのかに漂う
>> 17
更に追い討ちをかける様にウサギちゃんは続ける
『サラリーマンさんの事かて好きやで』
もういいよ社交辞令は
『ライクね』
わざわざトドメを射すご丁寧なウサギちゃん
私はいい歳の大人だ
構わないよ
頭の中でそう呟きウサギちゃんに向かって微笑む
ウサギちゃんも屈託なく笑う
堕天使の微笑
もう ノックアウトしそうだ
>> 16
『実は私もマスターん事好きやねんよ』
不意討ちで耳打ちされてクラッとしたのも束の間
『えっ そうなの❓』
この間曖昧ながらも確かに募集中とは言っていたが
既に私じゃないターゲットが居たのか
マスターは調子がよくて適当なところはあるが人望は厚い
ピスタチオの殻を剥く気力も失せる
>> 15
思わず顔を近付けてしまいたい衝動を振り払う様に
『今日はあの人来てないね』
と他の常連の女性を探すふりをする
少しは妬いたりするのか❓
なんて期待も見事に裏切られ
『サラリーマンさん お姉さんの事狙ってんねや~』
とウサギちゃんは愉しげだ
>> 14
甘くて柔らかな堕天使は
更に甘く私を襲撃してくる
『元気か気になっててん』
『疲れた時にサラリーマンさんと話したくなるねん』
こわいよ
可愛いよ
お手上げになりそうな気持ちをなんとか抑え
仕事が忙しかった旨を伝える
ヘッドロックを解除してくれたウサギちゃんは何のためらいもなく
当たり前の様に私の隣にこっち向きに座っている
>> 13
『も~❗どこに居てたの~』
振り向くとイタズラな笑顔の天使が居た
柔らかく甘い
悪魔の様な天使
堕天使が正解か
>> 12
柔らかい匂いに包まれつつ
激しいヘッドロック‼
『ギっ ギブ💡』
その柔らかな感触と
結構マトモに技がかかっている事に感心しながら手を軽く数回パタパタ叩くと
耳元であの鼻にかかった甘えた笑い声がした
>> 11
仕事が多忙を極め
気がついたら数週間経っていた
久し振りにウサギちゃんが通いつめるあの店に立ち寄った
店を見渡す
賑やかな雑談の中にウサギちゃんの姿はない
少し拍子抜けしてカウンターに座ってダニエルをツーフィンガーで頼む
と同時に
‼
>> 10
『で 今は募集中なの❓それとも懲りたの❓』
私がこう切り出すと
『多分 募集中やろね』
と曖昧な答えが返ってきた
続けてお互いの好みタイプが話題にあがったが残念ながらお互いにそれとは似つかない
お互いを見て笑った
>> 9
『っていう訳やねんわ』
ディープな話の区切りのようだ
『どない思う❓』
過去の恋愛の呪縛に苦しむひとりの女
よくある話だ
私は酒をやめてチェイサーの水を飲んだ
ウサギちゃんは相変わらず苺を頬張っている
>> 8
それは俗に言う
恋に堕ちた瞬間だと思う
私は不器用で女なら誰でもいいという訳にはいかない
ならば何故敢えてウサギちゃんなんだ
そんな愚問が頭をもたげながらも
もう遅い
敢えて困難な道を選んだのは私自身
私の頭の中などお構い無しに
ウサギちゃんはただひたすらに一生懸命話し続ける
>> 7
ウサギちゃんは声のトーンを上げ気味に意気揚々と話し始めた
その声のトーンには到底合わないディープな内容
私もある程度の経験はあるとは思うが
まるで別世界のワードがマジシャンのシルクハットから出てくるチーフの如く
次々に話し続ける
私は役不足だ
かなりの衝撃だよ
それより
一体君は何歳なんだ❓
と聞きたくなる程に
気がつけば
【ウサギワールド】
いや
【ウサギラビリンス】
に引き込まれて行った
>> 6
子供じゃあるまいし
大丈夫だよ
そんな訳無いよね
話は聞くよ
子供じゃあるまいし
凹むよ⤵
墜ちた気持ちを何とか持ち上げながら
何事もなかったかの様に言ってみる
『私で良かったら話聞くよ役不足でなければね』
【相談相手】
私の得意分野
私の真意に気付いてか知らぬふりをしているのか
とにかく私の得意分野を上手にかぎ分けてくる
>> 5
本当に罠だった
少しの時間だが久しぶりに感じた甘い感覚に酔い続ける事は許されず
私への好奇心は私という人間そのものではなく
私の洞察力と批判的発想へと向いている事を知らされる
『なぁ❓』
から始まるしなやかな京都弁
その後に続いたのは私じゃない人間への切ない恋物語だった
>> 4
それとは対極に私はといえば
いわゆる仕事人間
所詮社会の歯車的な
いわゆるフツーのサラリーマン
いい加減に❓
でも
それなりに年齢を重ねてきたせいか
少し皮肉っぽいところもあるが
何故かウサギちゃんの好奇心をくすぐるものがあったらしい
長年経験した社会の荒波のせいで
自分を守る事を無意識に覚えてしまった私の中に容赦なく飛び込んでくるこわい女
その無邪気な瞳は罠なのかい
>> 3
彼女の名前は仮に
【ウサギちゃん】
とする
ウサギちゃんはとにかく落ち着きが無い
好奇心が服を着て歩いている様な女だ
そのくせ心はクリスタル製みたいだから
これまたタチが悪い
>> 2
不意に普段カラオケでよく唄う曲が頭の中で回った
別れを予感させる曲
それとは逆行して
気持ちは前に前にと進み始めてしまった
ロングヘアに黒いワンピース
そしてロングブーツ
一見派手な様相
語る声は少し鼻にかかった甘えた口調
何故かとても耳に優しい
久しぶりの感覚がはしる
一目惚れ❓
数十年生きてきて一目惚れなど無縁だったから
これが一目惚れかどうかもわからない
初めて会話した日
手水鉢に盛られた苺をひとつ口に入れて
こちらを不思議そうに見つめていたね
その瞳は
実年齢をかき消す様なクリアな瞳
その視線はあまりにもシャープで真っ直ぐで
一気に私の懐に入ってきた
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