物語を…
つくりませんか?書き出しは私から…続きを一緒につくっていきましょう☆
友達に合わせて
作り笑いして
感情なんか忘れてしまった
私は機械だ
そう思って 生きて来た
貴方に出会うまでは…
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入学式の後、新入生はそれぞれの教室に入った。
彼女は窓際の席に着いた。外は眩しく、桜の花が校庭に散っていた。
…これから、3年。
大人しくしていれば大丈夫だ。目をつけられるような事をしなければ。彼女は自分に言い聞かせた。
その老犬は彼女をちらと見ただけで、すぐに疲れたように体を伏せてしまった。いつもの子犬も気になるが、それよりこの老犬は、何か彼女の心に引っかかるものを感じさせた。
彼女は、何気なくその老犬の絵を描き始めた。少しも動かないので描きやすかった。
それから毎日公園に行くが、あの老犬は見あたらない。子犬もどこにも見あたらない。誰かいい人に貰われたのだろう…彼女はそう思う事にした。あのフワフワの子犬だもん。きっとそう。でも、あの老犬を引き取る人がいるだろうか。彼女の足は彼女の結論が出る前に、保健所に向かっていた…
保健所から出てきた彼女の腕の中には、あの老犬が抱えられていた。どうしても老犬に自分の姿が重なってしまい、見捨てることができなかったのだ。
それから毎日、彼女は老犬の絵を描いた。
自分を見つめているようだった。
思えば、自分の事をしっかり見つめた事なんてあっただろうか。
自分を見つめる。考えれば難しい事だ。特にまだクラスに友達がいない彼女にとっては。
放課後、彼女は例の公園に行った。ぼーっとしてたらいつの間にかたどり着いたのだ。
ベンチに座ろうとした時、彼女は何か気配を感じた。あそこから…老犬が出てきたあそこから、姿を現した。
-…それが貴方だったの
「ねぇ」
彼は言った。
「犬、知らない?」
人に話しかけられるのに慣れてない彼女は、ただどもってしまった。
「い、犬…?」
あの白い犬の飼い主なのだろうか?
「うん。黒くて年寄りの犬なんだけど」
彼女はドキっとした。あの老犬は、彼女にとって自分を見つめる事の出来る、唯一の鏡のようなものだったからだ。失ってしまうのは怖かった。
「あの犬年取ってたし、最近見ないから心配してんだ」
彼女は何も言わなかった。この人はきっと飼い主だろう…言ったらあの犬はこの人の元へ戻ってしまう…
彼女は耐えきれなくなってその場を立ち去った。少年の声は彼女には届かなかった
家に帰り着くといつも仕事で居ないはずの母親がいた…
「もう帰って来たの」
母親が言う。彼女は何も言わない。口を開けば、何かしらされるに決まっている。
「あーあ、何でこんなコ産んじゃったんだろぉ」
母親が歩み寄って来た。途端、彼女の身体がすくむ。
「産まなきゃ、よかった」
いつもの事だ。いつも言われている。
産まなきゃよかった。
何度言われただろう。
何度言われても、何故慣れられないんだろう。言われるたび悲しくなって、彼女は家を飛び出してしまうのだった。母親の思うつぼだと分かっていながら。
あの少年がいた。
「風邪ひくよ、こんな所で寝ちゃ。しかも制服じゃないか。家に帰りなよ」
黙りこむ彼女。家にいるより風邪ひいた方がよっぽどマシだ。
-…それよりも。なぜこの人はここにいるのだろう…?
その時彼女は気付いた。彼が着ている服は汚れてて、ボロボロである事に。
「こんな所で何をしているんだ」
「すみません。雨が降っていたので…すぐ帰ります」彼が言った。
「親御さんも心配するのだから、早く帰りなさい」
何とかやりすごすことができた。
「やれやれ。君は…帰らないの?」
彼女は何も言えなかった。あの家に帰りたくなどなかった。
「あの犬…どうしたかなぁ」
彼がふと呟いた。
「保健所に連れてかれてしまったかな…」
彼女は言うことにした。あの犬は自分の家にいる事、そしてできれば飼い続けたいという事を。
彼に言うと、彼は安心したようだった。
「良かった。あいつは元気だったんだね。」
「そうだ…」
彼女は思い付いて言う「一緒にあの犬を飼おう。私毎日ここに来るから」
彼女は怖かったのだ。もし、親にあの老犬の事がバレたら…今度は何を言われるかわからない。
少年は了解してくれた。
帰路を歩いているとふと思った。私、あんなに人と話した事なんてあったっけ…
翌日。彼女は犬と公園へ向かった。そして彼は自分の『家』に案内してくれた。それは自然に囲まれた立派な家だった
それから毎日、彼女は学校が終わると彼の『家』に行った。そしてそこで遅くまで犬と少年の絵を描いた。
そこでは何の遠慮や気兼も無く、彼女は自分らしくいることができた。
彼とも色んな話をした。彼の生活、彼女の学校の話…そして彼女が絵を描く事が好きだということ。
「君も大変なんだね」
彼がふと呟く。
「僕だけだと思ってた。町の人は僕と違ってお金持ちで家族がいて…」
「え…」
彼女はうつむいた。彼には家族が居ないのを知り、複雑な気持ちになってきた。「この家は1人で造ったの?」彼女は話しを反らす事にした
家に帰ると母親がいた。彼女は、思い切って言ってみた。
「…ただいま」
何年振りに言っただろうか。もちろん、反応は無かったが。それでも彼女は続けた。
「お母さん」
途端、母親が振り向いてこう言った。
「私は、好きであんたの母親になったんじゃない!『お母さん』なんて呼ぶんじゃない!」
「聞いて、お母さん」
頬に痛みが走った。母親に話しかければ何かされるとは分かっていたが、彼女は話し続けた。
彼女の父親は子育てに自身がもてず、彼女と母親をおいて逃げてしまった。当時仕事も無かった母親は相当な苦労をし、またそのことを相談する相手もいなかったので、捌け口は自然と彼女への虐待に向かってしまった。
「私、家を出る」
彼女は決心した。これ以上この家にいてもお互い傷つくだけなのだ。母親は何も言わなかった。
彼女は、あのホームレスの少年の家に来ていた。
「あきら」
話しかけてきたのは、あきらのかつてのホームレス仲間だった。
「さとし…」
さとしはあの後家族とも和解し、今は幸せな生活を送っているのだという。
「あきらも、孤児院に戻ったらどうだ?いつまでもあの家に居るわけにはいかないだろう?」
「孤児院?」
彼女は、あきらが孤児院から逃げ出して来たことを初めて知った。
「もう、あそこには戻りたくないんだ」
あきらもまた孤児院でいじめを受け、行き場の無くなってしまった身だったのだ。
-…私と一緒なんだ…
彼女の目に涙がたまる。自分でも驚いた。
笑顔なんてどうやって作るんだっけ?どうやって泣くんだっけ…?
機械だった私が表情を表すなんて出来なかった。
そんな私が泣いてる‐…
彼女は、再び自宅の前に立っていた。
―私はもう、機械じゃない。
ドアを開ける。
「お母さん!」勇気を振り絞って言った。母親が奥から出て来た。
「あんたはもう、うちの子じゃない」
逃げ出したくなる自分を抑えて、彼女は話し続けた。
「私、ずっとお母さんの事恨んでた。ずっと、ずっと愛されたかった」
母親の平手が頬に飛ぶ。
「でも、私お母さんの気持ちなんて考えたことも無かった。お母さんだって辛かったのに…いつも自分が可哀想だとしか思ってなかったの」
母親が動きを止めた。
「ごめんね…ごめんね、お母さん」
それだけ言って彼女は家を出た。
…あきら。
私に『感情』を再び持たせてくれた人。
彼を救いたいと思った。
何一つできないちっぽけな私には傲慢な考えだろう。それでも何もせずにはいられなかった。
彼女は、あきらの『家』の前に来た。
あきらは、あの公園の遊具の下にいた。膝に顔をうずめている。美咲はあきらのもとに行った。
「あきら…さっきはごめん」
あきらは何も言わない。老犬は悲しそうに鼻を鳴らした。
「私…あきらに沢山助けてもらったんだ。だから、私もあきらのこと、助けたいの」
美咲はおにぎりなどを出した。さっき家を出る時持って来たのだ。
「奢られるのは嫌いだって言ったじゃないか…」
「いいから食べて」
美咲はいつの間にか怒ってる口調になっていた。
「貴方と私は何かの縁で出会った。同じ様な運命を辿って今まで生きてきた。同じ苦しみを味あって、いや、あきらの方が苦しんでいるはず…このままで良いの?もっと苦しみたいの?」
また涙が溢れてきた。今まで泣いてない分が一気に流れてきている様な気さえした。
「そんなの私が許さない!こっちが苦しくなる」
あきらは黙り込む。
「私は貴方を助けたい」
「もっと頼っていいんだよ。もっと、皆に弱い所見せていいんだよ…一人で頑張りすぎると、私みたいになる」
そう。誰かに相談すれば良かったのに。自分から殻を閉ざしてしまったから、結局もっと苦しい思いをすることになってしまった。
「戻ろう、孤児院。まだ間に合うよ」
「…」
あきらは黙ったままだ。
「ここでこのまま暮らしていたって、何も変わらないでしょう?」
あきらは、自分の過去を美咲に語った。
「僕の母さんは優しくていつも側に居てくれた。だから父さんの虐待にも耐えられたんだ…」
あきらが10歳の時だった。学校から帰って来ると母さんは居なかった。
やがて父さんが帰って来た。
「母さんは?どこ行ったん?」父さんは母さんの事を聞いてくる僕を殴った。
その後僕は近所のおばさんが話しているのを聞いた。
「そこで交通事故があったんですって」
もうここには母さんは居ない。この世にさえ-…
父さんもいつの間にか居なくなっていた。僕は有無もなく孤児院へ送られた
「いや」
あきらは立ち上がった。
「美咲に話して楽になったし、勇気もらった。…俺、孤児院に戻るよ」
「無理しないで」
彼にこれ以上傷ついてほしくなかった。
「あなたばかりがそんなに傷つくこと、ないじゃない…」
美咲は止まらない涙を拭おうともせずに言った。
「昔、母さんが言ってた。試練は、神様が、乗り越えられる人だけに与えるんだって…
俺は、神様に認められた人間なんだぜ」
彼は、笑ってこう言った。
その日は遅くなったのであきらの家に泊まった。明日一緒にそれぞれの居場所に戻る事を決意したのだ
明日でお別れか…短かったな。ううん、絶対また会える
美咲はそんな事を寝袋の中で考えていた。
-俺は神様に認められた人間なんだぜ
あぁ言ってたあきら、格好良かった。前より希望に満ちていて-あれ
この気持ち何て言うの?
美咲が成長した証拠だった
二人は外へ出た。足元には犬がいる。
「ほんとに大丈夫か…?」
「大丈夫、心配要らない。なんとかなる。ほら早く…」
離れて行くあきら。これで一件落着だ。涙はなんとか堪えられた。でも…
もしもう二度と会えないとしたら…
私に生きる希望と勇気を与えた貴方。10年経った後でも良い
-貴方がいなくちゃ
灰色の毎日が過ぎていく。
ここは東京。様々な夢を持ち上京してくる若者達に容赦なく厳しい現実は立ちはだかる。
古びた木造アパートの一室に彼女は住み、毎日バイトと学校生活に追われていた。
美咲はあれから高校を卒業し、今は東京で美術を専門的に学んでいる。学校生活は充実しているし、毎月母親からは手紙が来る。
ただ、画家としてまだ芽が出ず、苦しい日々を送っていた。
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一括ですがレスありがとうございます。 隙間なく無理やり入りお礼を…(自由なパンダさん0)
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ここで話してもどうにもならないし、改善させるように社内で話を通すように…(匿名さん1)
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