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俺のいきざま

No.40 16/03/15 22:39
迷 ( FQCEh )
あ+あ-

俺達兄弟は、向かい合わせに座り日本酒を注文した。


当たり前だが、一応兄貴の方が歳上だから、俺からお酌をした。


兄貴が俺に酌をしようとしたが、強がってしまった。


「良いよ、自分で注ぐから」


思っていた通り、兄貴は今まで何をしていたか、今は何処に住んで居るのか聞いてきた。


「今は、知り合いのところで、住み込みで働いてる」


清坊の名前を出す訳には行かないから、詳しくは話さなかった。


「みんな心配してるんだぞ、とにかく家に帰って事情を話せよ」


「今の職場に、後1ヶ月くらいは居ないといけないから、その後帰るよ」


「そんな呑気な事言ってる場合じゃねーだろ!おまえ、中3の授業料使い込んだんだろ?卒業式の後、学校の先生が家に来て、お袋が全部払ったんだぞ」


そうだった…
あの頃は、今のように銀行振込等なかった時代で、授業料は生徒に持たせる事が当たり前だった。


俺は、お袋から金を貰い学校に持って行く振りをして全部使い込んだのだ。
学校も1年間もの間、何も言って来なかったんだな。
貧しい時代だったからだろうか?


考えながら黙り混む俺に、兄貴はまだ、ごちゃごちゃ言って来る。


うるせーな…
1年間の授業料くらい、千住から入った金で十分払えただろうが。


「とにかく今すぐ帰れねーから」


それだけ言って、金をテーブルの上に起き先に店を出て、走って駅の改札に行き電車に乗った。


会計を済ませている兄貴には追い付かれずに済みほっとした。


口が軽い兄貴には、口止めをしても無理だから、今日中に俺が近場にいる事はお袋の耳に入るだろう。


お袋、ごめんな…


それから、俺を可愛がってくれた婆ちゃん…
千住の家に行く時に泣いてくれたよな…


婆ちゃん…ごめんな…


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