いろんな本📖を読んで🎁

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自由人
07/08/26 15:21(更新日時)

いろんな本を読んで、気にいったところを、ピックアップしてみます🐣

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No.561259 07/06/29 19:51(スレ作成日時)

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No.51 07/07/03 19:48
自由人0 

>> 50 『それでもあなたの道を行け≠インディアンが語るナチュラル・ウィズダム』の本はこれで終わります🌠
ここまで、ピックアップしたレスを読んで下さり、ありがとうございました🙇😊

次は、
『月のしずくが輝く夜に ⭐アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅』

チカップ美恵子/著

の本から、ピックアップします😺

No.52 07/07/04 07:49
自由人0 

🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵
の本から…🌙

【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】

「チュッカワ・カムイ・ラン

イワ テッサン オラン

イワ テッサン コンカニマウネ

チノゥ ホロロ

月の世界から尊い神様が降りてきた

閑雅と聳えた岩のそばに降りた

聳えた岩に降りたなら

黄金色に輝く光が

あたり一面に渦を巻くように

たなびいた」♣

意訳詩 山本多助♉

  • << 54 「アイヌ民族が〈カムイ=神〉への祈りを捧げる〈カムイ・ノミ=神への祈りの儀式〉では、その都度〈イナウ=木幣(依り代)〉を作って〈ヌササン=祭壇〉に納める。ヌササンは必ず、太陽神のお出ましになる東の方向に向かって据えられる。 イナウは神々の御神体となるものだから、丹念に作られる削りかけである。 ここでイナウにまつわる神話を次に紹介します。」♉ (続く)
  • << 57 「太陽は〈ペケレ・チュプ・カムイ=明るい・太陽・神(明るい時に輝く神様)〉、 〈トカプ・チュプ・カムイ=日中・太陽・神(日中輝く神様)〉、 そして〈シ・カント・コロ・カムイ=天上界を・支配する・神様〉という。 シ・カント・コロ・カムイという言葉が示すように、太陽は天上界の絶対神ということである。 天空に輝く太陽神の存在がなければ、地球上の全ての生命は生まれてこないし、生命の存在はないと考えるからである。 それにしても月を〈クンネ・チュプ・カムイ=暗い・月・神様(暗い時に輝く神様)〉といい、太陽を〈ペケレ・チュプ・カムイ=明るい・太陽・神様(明るい時に輝く神様)〉と、どちらも“チュプ”というのだから、もしかすると、古代の人々は月は太陽の光によって満ち欠けを起こし、そして輝く存在であると言うことを知っていたのかも知れない。 太陽と月というアイヌ語を見ると、そんな思いがわいてくる。」♉
  • << 58 「アイヌ民族のカムイ観であるが、〈カムイ=神〉とは大自然の懐に抱かれて暮らすアイヌ民族と深い関わりを持つものを“カムイ”というのである。 カムイという言葉はアイヌ民族の最高の敬語であり、アイヌ民族とカムイは最高無二の関係ということである。 つまり、カムイという言葉は祈りの対象のみに向けられる言葉ではなく、現実にそこに暮らす人々(アイヌ民族)にも使われた言葉ということである。 カムイという言葉は、全てのものに対する慎ましさと尊厳が込められた素晴らしい言葉なのだ。」♉
  • << 59 「【コロポックル】(蕗の下の神様) カムイと同義語のアイヌ語に“クル”という言葉がある。 私の伯父、山本多助が著した『アイヌ・ラックル=人間・みたいな神様(天地創造)伝』の神話の世界に登場する英雄“ラックル”の名前でもあるが、この他に小人伝説の〈コロポックル=蕗の下の神様〉がある。 私の伯父は若い時分にアイヌ民族に伝承された神話などの聞き取り調査を方々で行っていたのであるが、帯広市の〈アイヌ・ウタリ=同胞〉からの聞き取りによると、この伝説の発祥地となったのは、古い時代に穴居生活をしていた〈トイ・チセ・コロ・クル=土の・家を・持つ・神様(土の家に住む神様)〉と呼ばれた人々が暮らしていた十勝川中央部辺りで、トイ・チセ・コロ・クルの異名が〈コロ・ポッ・ウン・クル=蕗の葉の・下に・住む・神様〉だったという。 記憶の糸は決して、切れてはいなかったのである。 伯父は、コロ・ポッ・ウン・クルが小人だったと言われているが、アイヌよりもやや小柄とは言え、全くの小人ではなかった、という。」♉
  • << 61 「【11月のある記憶 】 私の中に生命が宿された時 私は随分悩んだものだ 果たして 子供を育てられるのだろうかという 不安でいっぱいだったから しかし、私は既に生命を宿している そんな私の思いとは裏腹に お腹の中の生命は元気に動いていて 生命の躍動感を実感させられるのであった しかし、やはり自信はなかった 私は貧乏人の子沢山の家に生まれ育った 母は私が18歳の時に亡くなった 母になろうとしている私に いつもある記憶が蘇ってきた 17歳の頃だった 母は父の命日が近付いていたある日 誰かに聞いて貰いたかったのか 私達に聞こえるような声で のんべえだった父の愚痴をこぼしていた それを聞いた一番上の兄久幸は すかさず母に言った “何故、俺達を生んだんだ” 兄の言葉に母は黙り込んでしまう (続く)」♉
  • << 65 「【めぐる生命たち】 木洩れ日の中で ハラハラと枯れ葉が散っていき 枯れ葉は風に転がされて行く 春に萌えた生命の輝きたち 夏に風と共演し 美しい舞いを見せてくれた梢たち 晩秋には美しい衣裳をまとって 果てていく生命たち やがて土に戻るのであろう ひと冬眠って この寒さが通り過ぎたなら 柔らかな みずみずしい生命として 生まれるであろう 生命のめぐりたち」♉ チカップ美恵子🌼著者
  • << 67 「アイヌ民族の四つの季節を表したものを訳してみます[クローバー] 【パイカラ・チュプ🌸春の月】 3月🌙ト・イ・タンネ・チュプ=日が長くなる月➡(意訳)寒気も次第に和らぎ、日も長くなり、暖気の増す月 4月🌙アッ・ラッヌ・チュプ=樹皮の氷解する月➡益々暖気となり、樹皮も和らぎ、アッツシ材料の増す月 5月🌙モキウタ・チュプ=静かなる採取月➡食糧野草、草根も多く採れて、耕作、畑作も出来る月 【サク・チュプ🌴夏の月】 6月🌙シキ・ウタ・チュプ=大いに採取出来る月➡ハマナスの花も開花して、食糧を多く採取出来る月 7月🌙モマ・ウタ・チュプ=女性もよく働く月➡ハマナスも実が入り、食糧を最も多く採取出来る月 8月🌙シマ・ウタ・チュプ=女性たち多忙を極める採取月➡長い越冬の準備に女性も子供も大変に働く月 (続く)」♉
  • << 69 「天上界の神々が地上に降りられる前に、太陽神の光を嫌う悪魔や魔神達は、既にドロドロとした泥沼の暗黒の地下の世界に住んでいた。 そして、夜のとばりが下りると、悪魔や魔神達はどこからともなく飛び出してくるというのだ。 しかし、天上界の神々は美しい〈アイヌ・モシリ=人間の大地〉を造るのが、その役目である。 それに、〈モシリ・シカマ・カムイ=国土の守護神(島フクロウ神)〉はその名の通り国土の守護神であり、天上界から地上に遣わされた〈カムイ・チカプ=神の鳥(島フクロウ)〉である。 島フクロウは暗闇でもよく見える目を持っている。 島フクロウの目は悪魔や魔神達を威嚇し、アイヌ民族のコタン(村)を守る〈カムイ・シキ=神の目〉なのだ。 だから、後に島フクロウは〈コタン・コロ・カムイ=村の守護神〉と呼ばれるようになったのである。」♉
  • << 73 「【パイカラ=春🌸】 萌えだす生命たちがこぼれ落ちそう 森に生命があふれ カムイ・ワッカ(聖なる水)のせせらぎが心地よく響いていく 鳥たちは色とりどりの花の香りにのって 遥か彼方に向かい愛の調べを唄う 森はにわかにざわめき風が梢をわたる 獣たちは小躍りして柔らかな日差しに遊ぶ 大地はまどろみ ゆったりと時間は流れる あなたは憶えているだろうか この景色のことを 悠久の大自然の営みに触れたとき魂を揺さぶられ ここに立ちつくしていたことを 光り輝く生命たちに心奪われたことを」♉
  • << 74 「【光に向かって】 水平線の彼方を舟がいく まばゆいばかりの日の光に包まれて 吸い込まれていくように 舟はいく あの彼方には 自由や愛があるというのか 私にも まだ希望というものがあるというのか 昨日までの私は ここに来ることさえ ためらっていた 水平線が余りにも眩しすぎたから しかし そうしてためらっているうちに いつの間にか 時間は流れ 私は幾つも年齢を重ねていた 自分を愛おしむこともなく 涙の過去を振り返り ただただ人生をはかなんで老いていた 死が来る日を数えていたような気がする 幸福という言葉があったなんて とうの昔に忘れていた しかし じっとうずくまって 泣くのは もうよそう 今 こうして水平線を見ていると 勇気が湧いてくる 人に運命などない筈だ 降り注ぐ日の光をいっぱい浴びながら 私も 舟を出そう 光をくぐり抜け 自由という航海の旅に出よう ためらいもなく 諦めもない 希望のオールをしっかり握り ゆっくり ゆっくり行くのだ まばゆいばかりの日の光に包まれて 吸い込まれて行くように 私はオールを漕いで行く」♉
  • << 75 「【未来へ向かって】 街の片隅でひっそりと呻きあえというのか 人を押し分けて生きていきたいというのではない 多数者社会の少数者であっても 同じ人でありたいと願うだけだ この130年間アイヌは皆苦しんだ いや、その苦しみは今も続いている アイヌ・モシリに沁み込んでいった アイヌ達の涙は 涙はいつ乾くのか アイヌの命はどこにあるのだ 未開 野蛮 劣等と蔑まれてきた文化はアイヌの命なのだ アイヌであるがアイヌの文化に触れることに 怯えるアイヌ・ウタリが大勢いる アイヌはアイヌであるというだけで 自己との戦いの連続なのだ 私達はその中から もぎ取られてきた文化を一つ探り出しては それを明日への糧に生きてきた 私達は生きてきた 今日は何も言えなかったアイヌ・ウタリが明日は声を出すかも知れない 私達は生きているのだから 呻きはやがて声になっていく アイヌ達が己の手で 命の輝きを見つける時が来たのだ ウコ・チャランケしよう 私達は生きているのだ アイヌ・プリのチャランケだ ウコ・チャランケ(和解への道筋をつける為の話し合い、撤底論争という意味)して 私達は同じ人として未来を生きるのだ」♉
  • << 76 「私の伯父と母の故郷の釧路市のヌササンに奉られた神々…🐲🐻🐠 ♦ペケレ・チュプ・カムイ=太陽神 ♦クンネ・チュプ・カムイ=月神 ♦アペ・フチ・カムイ=火の神 ♦ワッカ・ウシ・カムイ=水の神 ♦コタン・コロ・カムイ=村を守る神(島フクロウ) ♦シ・カンナ・カムイ=雷神 ♦ピンネ・シリ・カムイ=雄阿寒岳の神 ♦マッネ・シリ・カムイ=雌阿寒岳の神 ♦ノッコロ・カムイ=知人岬の神 ♦チュプ・アッテ・カムイ=魚を司る神 ♦ユク・アッテ・カムイ=鹿を司る神 ♦レプン・カムイ=沖の神(シャチ) ♦キムン・カムイ=山の神(熊) チカップ美恵子🌼著」♉
  • << 77 「地球は水をたたえる美しい水の惑星である。 水は太古の時代から雨や雪となって地球をうるおし、やがてまた、天に戻るという循環を繰り返す存在で、それは永遠のリズムである。しかし、そのほとんどは海水に占められているという。 海水以外の淡水は雪解け水や地下水、川、滝、霧などに僅かにあるが、その大部分は氷河に封じ込められているということである。 私の兄は生前、地球はアイヌ語で〈ペッソ=水の坐〉だと言っていた。 アイヌ民族は水は氷が解けたものと捉えるが、まさに理にかなった捉え方であろう。 ペッのペというのは水を表す言葉であるが、ペッとなると、川という意味になる。川はまさに地球の血管のようなもの。どの文明も全て川筋に原点があるのだから。 水をアイヌ語でワッカというのであるが、伯父は、ワッカについてこう説明する。 ワッカというのは〈無限の表面〉という意味である。 水は草木や石、砂などと違って数を知ることが出来ない。水は水を汲むことによって、その使用量を量ることが可能となる。 水を汲む時の言葉が〈ワッ・カ=無限の・表面(水)〉と呼ばれるようになったのであると。水を汲むことをワッカタという。」♉
  • << 81 「【祈りうたをつむぐ】 宇宙の時間を刻む月や星たち 母なる大地に根をはって 人々の暮らしを潤してきた深い森 そこには住む動植物たち 心を癒すような蒼さをたたえた湖 木々たちのお喋りや風のうた 鳥たちのさえずり 大地への祈りうた それらは全てカムイ達 カムイ達を感じるままに心象風景を投影すること そうすると刺繍に生命の躍動感が生まれてくる それが生けるカムイ達なのだ 光輝く生命たちだ だから ごく自然に心の赴くままに針を進めること それはひと針ひと針に込められた女達の祈りうたであり 愛しい人への愛のメッセージなのだから」♉
  • << 82 「【魂は未来を駆ける】 布が年月を経て劣化して行くように その形をとどめることをやめる けれど 試練の時代を超えて カムイの心を布に織り込んで 美しい心に宿るのは不滅の魂 形あるものはいつの日か それが形あるものの宿命 そこに心があれば決して消えることはない魂がある たゆたいながらも現在に息づく民族の心 一針一針にカムイの心を紡いでいく 永遠という未来を呼ぶ不滅の魂」♉

No.53 07/07/04 09:33
自由人0 

>> 52 【祈り】

「魂の息吹が時代を駆け抜けていく

いくつもの時代を駆け抜けていく

訪れる人を聖なるベールで

そっと包みこみ

時代を駆け抜けていく

いくつもの時代の中で

人はいくたび戦い

苦しみ傷ついただろう

人々の願いは触れ合う喜び

傷つけあうことではない

憎しみには未来がないから

愛という未来を感じたいだけ

いくつもの時代を超え次の時代へ

心を紡いで行きたいと思うから

わたしは祈る」♉

No.54 07/07/04 11:30
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「アイヌ民族が〈カムイ=神〉への祈りを捧げる〈カムイ・ノミ=神への祈りの儀式〉では、その都度〈イナウ=木幣(依り代)〉を作って〈ヌササン=祭壇〉に納める。ヌササンは必ず、太陽神のお出ましになる東の方向に向かって据えられる。
イナウは神々の御神体となるものだから、丹念に作られる削りかけである。
ここでイナウにまつわる神話を次に紹介します。」♉ (続く)

No.55 07/07/05 07:49
自由人0 

>> 54 「(続き)
【舟造りの鳥神の話】

クマゲラはキツツキ科の鳥で全身の羽毛は黒く、頂に真っ赤なアクセントがある。鳴き声は周りによく響く高い声だ。アイヌ民族はこの鳥を〈チプ・タ・チリ・カムイ=舟を・彫る・鳥の・神様(舟造りの神様)〉という。

遠い遠い昔のことである。
アイヌ民族がまだ舟という乗り物を知らなかった頃のこと。
ある大きな川辺に一人の男の神様が住んでいた。名前を〈チュッ・カ・ラン・カムイ=月から降りられた神様〉といった。
チュッ・カ・ラン・カムイはアイヌ達が常日頃、様々な水難事故に遭い、死んで行くのを不憫に思い、なんとか出来ないものかと考えていた。しかし、妙案も浮かばず、一人思案にくれるばかりだった。

そんなある日、クマゲラが木の幹をつつくのを目にした。
クマゲラは雨の日も、風の強い日も、どんな日でも、毎日毎日、木をつつくのである。
チュッ・カ・ラン・カムイはクマゲラのその労を惜しまない作業に感心しつつも、それが、まだどういうことなのか、分からなかった。
そうこうしているうちに、またもや春先の増水で河川や湖の水流が渦を作って木々を押し倒し、とうとう〈コタン=村〉まで飲み込んでしまうという事態にまで(続く)」

No.56 07/07/05 08:01
自由人0 

>> 55 「(続き)陥ってしまったのである。
チュッ・カ・ラン・カムイはその時、木によじ登ってなんとか一命をとりとめたのであるが、それがクマゲラがつついていた木だった。この時の体験がチュッ・カ・ラン・カムイの画期的な大発見に繋がったのである。

白髪に白髭の老人となったチュッ・カ・ラン・カムイはコタンの人々に言った。
『水難事故で尊い生命が犠牲になるアイヌ民族の役に立ちたいとの思いで、私はやっと舟という便利な乗り物を造ることができた。これもみなクマゲラのおかげ。クマゲラへの恩を決して忘れることなく、また舟という便利な乗り物への感謝を忘れないように。』と。

それからクマゲラは〈チプ・タ・チリ・カムイ=舟造りの神様〉と呼ばれ、アイヌ民族に丁重に奉られるようになった。」♉

No.57 07/07/05 18:57
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「太陽は〈ペケレ・チュプ・カムイ=明るい・太陽・神(明るい時に輝く神様)〉、
〈トカプ・チュプ・カムイ=日中・太陽・神(日中輝く神様)〉、
そして〈シ・カント・コロ・カムイ=天上界を・支配する・神様〉という。

シ・カント・コロ・カムイという言葉が示すように、太陽は天上界の絶対神ということである。
天空に輝く太陽神の存在がなければ、地球上の全ての生命は生まれてこないし、生命の存在はないと考えるからである。

それにしても月を〈クンネ・チュプ・カムイ=暗い・月・神様(暗い時に輝く神様)〉といい、太陽を〈ペケレ・チュプ・カムイ=明るい・太陽・神様(明るい時に輝く神様)〉と、どちらも“チュプ”というのだから、もしかすると、古代の人々は月は太陽の光によって満ち欠けを起こし、そして輝く存在であると言うことを知っていたのかも知れない。

太陽と月というアイヌ語を見ると、そんな思いがわいてくる。」♉

No.58 07/07/05 19:06
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「アイヌ民族のカムイ観であるが、〈カムイ=神〉とは大自然の懐に抱かれて暮らすアイヌ民族と深い関わりを持つものを“カムイ”というのである。

カムイという言葉はアイヌ民族の最高の敬語であり、アイヌ民族とカムイは最高無二の関係ということである。
つまり、カムイという言葉は祈りの対象のみに向けられる言葉ではなく、現実にそこに暮らす人々(アイヌ民族)にも使われた言葉ということである。

カムイという言葉は、全てのものに対する慎ましさと尊厳が込められた素晴らしい言葉なのだ。」♉

No.59 07/07/05 19:35
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「【コロポックル】(蕗の下の神様)

カムイと同義語のアイヌ語に“クル”という言葉がある。
私の伯父、山本多助が著した『アイヌ・ラックル=人間・みたいな神様(天地創造)伝』の神話の世界に登場する英雄“ラックル”の名前でもあるが、この他に小人伝説の〈コロポックル=蕗の下の神様〉がある。

私の伯父は若い時分にアイヌ民族に伝承された神話などの聞き取り調査を方々で行っていたのであるが、帯広市の〈アイヌ・ウタリ=同胞〉からの聞き取りによると、この伝説の発祥地となったのは、古い時代に穴居生活をしていた〈トイ・チセ・コロ・クル=土の・家を・持つ・神様(土の家に住む神様)〉と呼ばれた人々が暮らしていた十勝川中央部辺りで、トイ・チセ・コロ・クルの異名が〈コロ・ポッ・ウン・クル=蕗の葉の・下に・住む・神様〉だったという。
記憶の糸は決して、切れてはいなかったのである。
伯父は、コロ・ポッ・ウン・クルが小人だったと言われているが、アイヌよりもやや小柄とは言え、全くの小人ではなかった、という。」♉

No.60 07/07/05 21:11
自由人0 

>> 59 「【コロポックル伝説】

昔、昔のこと。
阿寒のアイヌが大飢饉に見舞われ、苦しんでいた時に、村の青年がこの世をはかなんで死を考え、阿寒の山々を彷徨っていた。

青年がコロポックルの長老と出会ったのは、その時のことだった。
神々しい長老はその青年の行動を既に見抜いていて、そして言った。『若者よ、あんたは死ぬ気で山を彷徨っていたんだな。両親から授かった大切な体。人間は一度死ぬともう終わり。死ぬ気であれば、どんなことでも出来る。』と。

長老はその青年を〈トイ・チセ=土の家〉でもてなし、帰りには肉や魚などのお土産をどっさり持たせてくれた。
更には鹿や熊狩りで食糧を得られるようにと猟場まで教えてくれたのである。

こうしたコロポックルの温かい心使いによって阿寒のアイヌ達はなんとか難を免れることが出来たのである。

以来、阿寒のアイヌ達はコロポックルへの感謝を込めて、カムイという尊称を付けて〈コロ・ポッ・ウン・クル・カムイ=蕗の葉の下に住む尊い神様〉と呼ぶようになった。」♉

No.61 07/07/05 22:17
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「【11月のある記憶 】

私の中に生命が宿された時

私は随分悩んだものだ

果たして

子供を育てられるのだろうかという

不安でいっぱいだったから

しかし、私は既に生命を宿している

そんな私の思いとは裏腹に

お腹の中の生命は元気に動いていて

生命の躍動感を実感させられるのであった

しかし、やはり自信はなかった


私は貧乏人の子沢山の家に生まれ育った

母は私が18歳の時に亡くなった

母になろうとしている私に

いつもある記憶が蘇ってきた

17歳の頃だった

母は父の命日が近付いていたある日

誰かに聞いて貰いたかったのか

私達に聞こえるような声で

のんべえだった父の愚痴をこぼしていた

それを聞いた一番上の兄久幸は

すかさず母に言った

“何故、俺達を生んだんだ”

兄の言葉に母は黙り込んでしまう
(続く)」♉

No.62 07/07/05 22:48
自由人0 

>> 61 「(続き)
緊張が張り巡らされた沈黙の中で

ルンペンストーブは勢いよく燃え続け

ストーブの上の鉄瓶のふたがカタカタ鳴った

お湯がこぼれそうである

木枯らしが吹きすさび

風が窓をたたく音が

急に大きく聞こえた

母が残した日記には

私達子供は父親に一方的に

産まされたのだと書いてある

好きでもない相手との結婚を強いられた

自分は女であることを捨て

母親として生きようと綴っている

産めよ増やせよとは

母の生きた時代の流行言葉

私はそんな時代の申し子であろう

敗戦後のベビーブーム世代だ

それにしても

産めよ増やせよとは

何という侮辱

女は子産み道具でしかなかったということか

母の気持ちが

なんとなくわかるような気がしてくる

女には選択の自由などなかったのだ


私のお腹の中の生命は

ある時夢の中で私に言った

“早くおむつを取り替えてよ”

そんな小生意気なことを言うのは

色白の小さな女の子だった

母になることのおののきと

マイノリティーであることのおののきの中で

やがて その小さな女の子は誕生し

私は母になった
(続く)」♉

No.63 07/07/05 23:02
自由人0 

>> 62 「(続き)
私達の生は

この世に誕生するかけがえのない生命

しかし産み落とされた瞬間から

その生は その社会の仕組みによって

左右されてしまう運命にある

祝福される生命と

そうではない生命があって

生命の価値がある

生命の価値…

生命の価値…

アイヌ民族は怒りが足りないわ

アイヌ民族はもっともっと

日本人に怒りをぶっつけるべきだし

日本人はアイヌ民族のことを

もっともっと受け入れるべきだわ

私はアイヌでもないし

日本人でもない

私はハーフでありダブルよ

沖縄の伯父さんが娘に声をかけた

あなたはお母さんが言いたくとも言えない

しかし一番言いたいことを言ったね

その時 娘は16歳になっていた
(続く)」♉

No.64 07/07/05 23:12
自由人0 

>> 63 「(続き)
自分の意思が存在しない生き方など、私には到底出来ることではない。そんなことは死に等しいことである。
私は私という人格を持った一人の人間なのだから。
しかし、母の生きた時代はそんなことは許されることではなかった。

好きでもない相手の子を産み

女としては死に

母としてのみ生きる

凄まじい迫力であり、ショッキングなメッセージである。
母を思うと愛しさと辛さが込めあげてくる。
けれど母は私達子供を心から慈しみ、優しいまなざしを一時も忘れることなく果てていった。」♉

チカップ美恵子🌼著

No.65 07/07/06 09:24
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「【めぐる生命たち】

木洩れ日の中で

ハラハラと枯れ葉が散っていき

枯れ葉は風に転がされて行く

春に萌えた生命の輝きたち

夏に風と共演し

美しい舞いを見せてくれた梢たち

晩秋には美しい衣裳をまとって

果てていく生命たち

やがて土に戻るのであろう

ひと冬眠って

この寒さが通り過ぎたなら

柔らかな

みずみずしい生命として

生まれるであろう

生命のめぐりたち」♉

チカップ美恵子🌼著者

No.66 07/07/06 09:42
自由人0 

>> 65 「木々たちが萌えだす季節はまだ葉のない木々の枝をふっくらと赤く染めていく。萌えだす前のひと時の美しさである。
山々は生命たぎる木々に溢れ、稜線はみずみずしい生命に輝く。

野山を美しく彩る木々たちや、美しく咲き誇る花々も実は天上界の〈イカッ・カラ・カムイ=造化の女神〉手造りの被造物である。

アイヌ民族は四季折々の天与の恵みに感謝することを忘れることなく、大自然の懐に抱かれながら、平和に暮らす。大自然の豊かな恵みは豊かな精神をつくり、豊かな文化を育んでいく。」♉

No.67 07/07/06 11:45
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「アイヌ民族の四つの季節を表したものを訳してみます[クローバー]

【パイカラ・チュプ🌸春の月】

3月🌙ト・イ・タンネ・チュプ=日が長くなる月➡(意訳)寒気も次第に和らぎ、日も長くなり、暖気の増す月

4月🌙アッ・ラッヌ・チュプ=樹皮の氷解する月➡益々暖気となり、樹皮も和らぎ、アッツシ材料の増す月

5月🌙モキウタ・チュプ=静かなる採取月➡食糧野草、草根も多く採れて、耕作、畑作も出来る月

【サク・チュプ🌴夏の月】

6月🌙シキ・ウタ・チュプ=大いに採取出来る月➡ハマナスの花も開花して、食糧を多く採取出来る月

7月🌙モマ・ウタ・チュプ=女性もよく働く月➡ハマナスも実が入り、食糧を最も多く採取出来る月

8月🌙シマ・ウタ・チュプ=女性たち多忙を極める採取月➡長い越冬の準備に女性も子供も大変に働く月 (続く)」♉

No.68 07/07/06 14:57
自由人0 

>> 67 「(続き)
【チュッ・チュプ🎑秋の月】

9月🌙ムニ・オラッ・チュプ=枯葉月➡草木の下葉が枯れて落ち始める月

10月🌙シニ・オラッ・チュプ=落葉月➡草木の葉は紅葉して多く落ちる月

11月🌙ウレポッ・チュプ=足元に冷気を感じる月➡寒気日増しに加わり、足そこに冷気を感じる月

【マタ・チュプ⛄冬の月】
12月🌙シュニ・アン・チュプ=川鮭を多く捕る月➡たいまつを灯して最後の鮭を捕る月

1月🌙ク・エカイ・チュプ=弓折月➡寒気甚だ強く、しかけた弓さえ折れ砕ける月

2月🌙チュイ・ルプ・チュプ=凍結月➡激流は凍結しないものだが、この月ばかりは激流も凍結する月」♉

No.69 07/07/06 19:05
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「天上界の神々が地上に降りられる前に、太陽神の光を嫌う悪魔や魔神達は、既にドロドロとした泥沼の暗黒の地下の世界に住んでいた。
そして、夜のとばりが下りると、悪魔や魔神達はどこからともなく飛び出してくるというのだ。
しかし、天上界の神々は美しい〈アイヌ・モシリ=人間の大地〉を造るのが、その役目である。

それに、〈モシリ・シカマ・カムイ=国土の守護神(島フクロウ神)〉はその名の通り国土の守護神であり、天上界から地上に遣わされた〈カムイ・チカプ=神の鳥(島フクロウ)〉である。

島フクロウは暗闇でもよく見える目を持っている。
島フクロウの目は悪魔や魔神達を威嚇し、アイヌ民族のコタン(村)を守る〈カムイ・シキ=神の目〉なのだ。
だから、後に島フクロウは〈コタン・コロ・カムイ=村の守護神〉と呼ばれるようになったのである。」♉

No.70 07/07/06 19:20
自由人0 

>> 69 「(続き)
〈モシリ・カラ・カムイ=国造りの神〉はアイヌ・モシリの大地に山や平野、川を造って行く。
島フクロウ神と一緒に天上界から地上に遣わされた〈レエプ・カムイ=這う神様(犬の神様)〉もモシリ・カラ・カムイの作業の手助けを怠ることなく働いた。

〈イカッ・カラ・カムイ=造化の女神〉は四季折々に野山に咲き誇る木や草、花々を造って行く。
〈モシリ・シカマ・カムイ=島フクロウ神〉は天上界の神々から仰せ遣ったその役割に忠実によく働いた。

島フクロウ神は当初、美しい大地に出来た丘に佇んでアイヌ・モシリを見渡していたのであるが、国土が広がっていくにつれて、見晴らしが悪くなるばかりだった。
そこで、島フクロウ神は二人の神々から止まり木を賜ることになった。それが、この地上に一番最初に出来た〈チキサニ=ハルニレ(女性の樹木神)〉である。(続く)」♉

No.71 07/07/06 19:39
自由人0 

>> 70 「(続き)
アイヌ・モシリは広大な大地である。
神々のダイナミックな造形はまたもや島フクロウ神の見晴らしを悪くするのであった。
島フクロウ神は更に大きな止まり木を神々から賜ることになる。
この木が地上に出来た二番目の木〈ピンニ=ヤチダモ(男性の樹木神)〉である。

島フクロウ神がチキサニの方を見ると、チキサニは普段はそのままの木の姿で丘に立っているのであるが、麗らかな天気の良い日や月が皓々と輝く夜は必ず、女神の姿になっていた。
チキサニの精霊は美しい女神だったのである。

さて、この一際美しい姫神に恋をしたのが天上界きっての荒神様〈シ・カンナ・カムイ=雷神〉である。
ある日、雷神は地上に美しく輝くチキサニ姫目がけてまっしぐらに落下。故にチキサニ姫は六日六夜燃え続けることになる。が、なんと不思議なことに、燃え盛る火の中から男の赤ちゃんが誕生したのである。
赤ちゃんの名は〈アイヌ・ラックル=天地創造(伝)〉という。」♉

No.72 07/07/06 21:56
自由人0 

>> 71 「アイヌ・ラックルを産み、果てていったチキサニ姫は炭火、おき(火の神様の御神体)となり、更には〈アペ・フチ・カムイ=火の女神〉となって、その姿を地上に残した。

チキサニのその御神体は今日もなお、人々に役立っている。それは未来永劫、チキサニの生きた証として、人々の記憶から消えることはない。

古くから知られていることであるが、炭には防湿、防臭、浄化作用の効能があるが、近年は精神浄化の作用や体力づくりにも優れた効力を発揮すると言われている。

アイヌ・ラックルは大人になって、暗黒の国の魔女との戦いで魔女の妖術の黒い煙の渦で目を痛めてしまうが、その時、〈イレシュ・サポ=育ての姉神様(火の女神)」がアペ・フチ・カムイ=火の女神」の御神体(炭)で作った薬湯でアイヌ・ラックルの目を洗い清めた。

アペ・フチ・カムイとなったチキサニ姫は更に化身、権化して〈イレシュ・サポ=育ての姉神様(火の女神であり、太陽神の妹神)〉となり、アイヌ・ラックルを育てたのである。」♉

No.73 07/07/06 22:17
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「【パイカラ=春🌸】

萌えだす生命たちがこぼれ落ちそう

森に生命があふれ

カムイ・ワッカ(聖なる水)のせせらぎが心地よく響いていく

鳥たちは色とりどりの花の香りにのって

遥か彼方に向かい愛の調べを唄う

森はにわかにざわめき風が梢をわたる

獣たちは小躍りして柔らかな日差しに遊ぶ

大地はまどろみ ゆったりと時間は流れる

あなたは憶えているだろうか この景色のことを

悠久の大自然の営みに触れたとき魂を揺さぶられ

ここに立ちつくしていたことを

光り輝く生命たちに心奪われたことを」♉

No.74 07/07/07 13:27
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「【光に向かって】

水平線の彼方を舟がいく

まばゆいばかりの日の光に包まれて

吸い込まれていくように 舟はいく

あの彼方には 自由や愛があるというのか

私にも まだ希望というものがあるというのか

昨日までの私は

ここに来ることさえ ためらっていた

水平線が余りにも眩しすぎたから

しかし そうしてためらっているうちに

いつの間にか 時間は流れ

私は幾つも年齢を重ねていた

自分を愛おしむこともなく

涙の過去を振り返り

ただただ人生をはかなんで老いていた

死が来る日を数えていたような気がする

幸福という言葉があったなんて

とうの昔に忘れていた

しかし じっとうずくまって

泣くのは もうよそう

今 こうして水平線を見ていると

勇気が湧いてくる

人に運命などない筈だ

降り注ぐ日の光をいっぱい浴びながら

私も 舟を出そう

光をくぐり抜け

自由という航海の旅に出よう

ためらいもなく

諦めもない

希望のオールをしっかり握り

ゆっくり ゆっくり行くのだ

まばゆいばかりの日の光に包まれて

吸い込まれて行くように

私はオールを漕いで行く」♉

No.75 07/07/07 22:36
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「【未来へ向かって】

街の片隅でひっそりと呻きあえというのか

人を押し分けて生きていきたいというのではない

多数者社会の少数者であっても

同じ人でありたいと願うだけだ

この130年間アイヌは皆苦しんだ

いや、その苦しみは今も続いている

アイヌ・モシリに沁み込んでいった

アイヌ達の涙は

涙はいつ乾くのか

アイヌの命はどこにあるのだ

未開 野蛮 劣等と蔑まれてきた文化はアイヌの命なのだ

アイヌであるがアイヌの文化に触れることに

怯えるアイヌ・ウタリが大勢いる

アイヌはアイヌであるというだけで

自己との戦いの連続なのだ

私達はその中から

もぎ取られてきた文化を一つ探り出しては

それを明日への糧に生きてきた

私達は生きてきた

今日は何も言えなかったアイヌ・ウタリが明日は声を出すかも知れない

私達は生きているのだから

呻きはやがて声になっていく

アイヌ達が己の手で

命の輝きを見つける時が来たのだ

ウコ・チャランケしよう

私達は生きているのだ

アイヌ・プリのチャランケだ

ウコ・チャランケ(和解への道筋をつける為の話し合い、撤底論争という意味)して

私達は同じ人として未来を生きるのだ」♉

No.76 07/07/08 16:04
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「私の伯父と母の故郷の釧路市のヌササンに奉られた神々…🐲🐻🐠

♦ペケレ・チュプ・カムイ=太陽神

♦クンネ・チュプ・カムイ=月神

♦アペ・フチ・カムイ=火の神

♦ワッカ・ウシ・カムイ=水の神

♦コタン・コロ・カムイ=村を守る神(島フクロウ)

♦シ・カンナ・カムイ=雷神

♦ピンネ・シリ・カムイ=雄阿寒岳の神

♦マッネ・シリ・カムイ=雌阿寒岳の神

♦ノッコロ・カムイ=知人岬の神

♦チュプ・アッテ・カムイ=魚を司る神

♦ユク・アッテ・カムイ=鹿を司る神

♦レプン・カムイ=沖の神(シャチ)

♦キムン・カムイ=山の神(熊)

チカップ美恵子🌼著」♉

No.77 07/07/08 17:19
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「地球は水をたたえる美しい水の惑星である。
水は太古の時代から雨や雪となって地球をうるおし、やがてまた、天に戻るという循環を繰り返す存在で、それは永遠のリズムである。しかし、そのほとんどは海水に占められているという。

海水以外の淡水は雪解け水や地下水、川、滝、霧などに僅かにあるが、その大部分は氷河に封じ込められているということである。

私の兄は生前、地球はアイヌ語で〈ペッソ=水の坐〉だと言っていた。
アイヌ民族は水は氷が解けたものと捉えるが、まさに理にかなった捉え方であろう。

ペッのペというのは水を表す言葉であるが、ペッとなると、川という意味になる。川はまさに地球の血管のようなもの。どの文明も全て川筋に原点があるのだから。

水をアイヌ語でワッカというのであるが、伯父は、ワッカについてこう説明する。
ワッカというのは〈無限の表面〉という意味である。
水は草木や石、砂などと違って数を知ることが出来ない。水は水を汲むことによって、その使用量を量ることが可能となる。
水を汲む時の言葉が〈ワッ・カ=無限の・表面(水)〉と呼ばれるようになったのであると。水を汲むことをワッカタという。」♉

No.78 07/07/09 11:39
自由人0 

「【古代からのメッセージ】

アイヌ民族はカムイ達との暮らしの中で生の論理や尊厳を知り、共に生きることを学ぶ。
大自然の中での暮らしは容易なことではなく、常に危険を伴うものである。
狩猟や漁労には常に緊張感があったということである。
体験の積み重ねは神話や昔話となって、古老達によって語り継がれてきた。このような精神世界は不滅の魂として人々の記憶から消えることはない。神話や昔話は古代から贈られたかけがえのないメッセージである。

いつの時代において儀式というものは神聖なものである。儀式は生と死の時間を超越し、“生命のめぐりの環”によって、全てが結びついていることを数える。

儀式に参加することで人は神聖な時間と空間の言わば“聖地”を体験し、生きる手掛かりを知る。例え、それが苦痛を伴うものであったとしても。

それが生きる現実であり、脅威であり、生命の神秘なのだから。(続く)」♉

No.79 07/07/09 13:36
自由人0 

>> 78 「(続き)
アイヌ民族の子供達は幼い頃からフチやエカシ達が語る神話や昔話に耳を傾けて育つ。
そして、成長するまでにいつしかアイヌ民族の精神世界を学んで行くのである。生命を担うことの重さや、社会の担い手としての意味を知り、社会の一員として果たすべき役割は何かということを。
儀式の場で人は自分を見つめ、自分自身の存在理由や生きることの意味、試練を体験するということである。

アイヌ民族のこのような世界観は〈アイヌ・モシリ=アイヌ民族の国土(アイヌ民族の世界)〉という言葉に顕著に表れている。

アイヌとは人間、モシリは大地、あるいは島を表す。
アイヌ民族と大地とのハーモニーが奏でられているような美しい言葉である。

アイヌ・モシリはアイヌ民族の生活空間であると同時に聖地だったのである。
聖地は空気のようなものだから“大地を切り売り”することなどは考えられないことだった。国家や国境を持つことのなかった歴史が何よりもそのことを語っている。(続く)」♉

No.80 07/07/09 13:55
自由人0 

>> 79 「(続き)
アイヌ民族は儀式で大自然の恵みに感謝し、カムイ達の再生を願い祈りを捧げる。
アイヌ民族は必要以上のものを欲することはなかった。必要なものを必要なだけ、カムイから頂くのである。

もし、それが守られなかったとしたら、それはアイヌ・モシリとの調和=共生関係のバランスを崩し、環境破壊に繋がるということを知っていたから。

そして、それは大自然の啓示や、精神の荒廃・破壊を招くということも。

精神の荒廃な破壊は歌を知らない。歌を忘れた心は知らない。
歌を忘れた心は神話や昔話を語らない。人間性の破壊を招くということである。

アイヌ民族は儀式を通して、全てが繋がりあって生きているということや、人間らしく生きることを学ぶのである。」♉

No.81 07/07/09 22:30
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「【祈りうたをつむぐ】

宇宙の時間を刻む月や星たち

母なる大地に根をはって

人々の暮らしを潤してきた深い森

そこには住む動植物たち

心を癒すような蒼さをたたえた湖

木々たちのお喋りや風のうた

鳥たちのさえずり

大地への祈りうた

それらは全てカムイ達

カムイ達を感じるままに心象風景を投影すること

そうすると刺繍に生命の躍動感が生まれてくる

それが生けるカムイ達なのだ

光輝く生命たちだ

だから ごく自然に心の赴くままに針を進めること

それはひと針ひと針に込められた女達の祈りうたであり

愛しい人への愛のメッセージなのだから」♉

No.82 07/07/09 22:50
自由人0 

>> 52 🌵『アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅~月のしずくが輝く夜に』🌵 の本から…🌙 【チュッカワ・カムイ・ラン=月が降りる村】 「チュッ… 「【魂は未来を駆ける】

布が年月を経て劣化して行くように

その形をとどめることをやめる

けれど 試練の時代を超えて

カムイの心を布に織り込んで

美しい心に宿るのは不滅の魂

形あるものはいつの日か

それが形あるものの宿命

そこに心があれば決して消えることはない魂がある

たゆたいながらも現在に息づく民族の心

一針一針にカムイの心を紡いでいく

永遠という未来を呼ぶ不滅の魂」♉

No.83 07/07/09 23:08
自由人0 

>> 82 『月のしずくが輝く夜に🌵アイヌ・モシリからインドへの祈りの旅』チカップ美恵子🌼著の本から、ピックアップしたものをここまで読んで下さってありがとうございました😊

この本は今日で終わります🙇

次は
『見えてきた宇宙の神秘』野本陽代🌌著の本から、ピックアップしてみます😺

No.84 07/07/10 11:02
自由人0 

『見えてきた宇宙の神秘』
野本陽代🌌著の本から…⭐

「【台風の目、大赤斑】

不思議な形や美しいものは、何も星の世界や銀河の世界にだけあるわけではない。私達のごく近く、太陽系の中にも数多く存在している。

太陽系最大の惑星、木星の南半球で一際目立つのが、大目玉のような大赤斑。
木星は直径が地球の11倍、質量が300倍以上もあるのに、10時間足らずで1回自転してしまう。
その為、表面の雲が激しい風で流され、鮮やかな縞模様や渦があちこちで作られる。
台風のような渦の最大のものが、幅が約4万キロmもある大赤斑である。
大半の渦は作られては消えて行くが、地球が2個すっぽりと入る程大きな大赤斑は、17世紀に発見されて以来、300年以上も存在し続けている。

大赤斑の周りに見られる渦の連なりは、冬に日本海で見られる縄状の雲(カルマン渦)とどこか似ている。
規模は違うものの、風と雲が造りだす模様には、何か共通性があるのだろう。
そのせいか、木星の研究者の中には、気象学を学んだ人が結構いるという。」🌠

  • << 86 「【紫式部と水星】 太陽の回りを88日で一周する水星は、直径が地球の5分の2、質量は18分の1しかない。1回自転するのにかかる時間は約59日。従って3回自転する(3日)間に、太陽の回りを2回公転する(2年経つ)ことになる。 太陽に極めて近く、地球の6・67倍ものエネルギーを受け取っているため、日中の最高温度は金属も溶ける430度。 しかし、保温をしてくれる海も大気もない為、夜にはマイナス180度まで下がってしまう。 月のクレーターには科学者・哲学者の名前が多く付けられたが、水星のクレーターには主に芸術家の名前がつけられている。 ベートーベン、モーツアルト、ミケランジェロ、日本では、紫式部の名前がつけられている。 水星は形成されてかなり時間が経ったのち、冷えて収縮したらしい。 その為、表層が縮んでシワが寄ったように見える〈リンクル・リッジ〉と呼ばれる地形があちこちで造られた。 これは高低差が数キロmもある断崖で、いくつものクレーターを横切って500キロm以上の長さに及ぶものもある」🌠🌏
  • << 87 「【雲の下の真実、金星】 愛と美の女神ビーナスの名を古代人が金星に付けたのは、朝夕に明るく美しい姿を見せるからだろう。 金星を常に覆っている厚い雲が太陽の光をほとんど反射し、全体が真っ白に輝いている為、金星は太陽、月に次いで明るい。しかし、その雲の下に何が隠されているかについては謎であった。 地球より少し小さい金星は、地球の双子の兄弟だと思われてきた。 かつては地球と似たような環境で、海もあったらしい。しかし、現在の金星は地球とは似ても似つかぬ驚異の世界であることが、旧ソ連とアメリカが送った数々の探査機の調査によって明らかになっている。 大気の96・5%は二酸化炭素、残りはチッ素で、酸素はほとんど含まれていない。 大気が濃いため、表面の気圧は地球の90倍。旧ソ連が初期に送り込んだ探査機は、表面にたどり着かないうちに押し潰されてしまったという。 上空50キロmから70キロmの所を覆っている雲の主成分は、金と白金以外の金属を溶かしてしまうという濃硫酸。 外から金星の表面が見えないように、金星の表面からは太陽も星も、もちろん地球も見えない。 見えるのは厚く垂れこめた雲だけである。(続く)」🌏🌠
  • << 89 「【ふたたび月へ】 月は地球の潮汐力の為に、常に同じ面を私達に向けている。つまり地球からは裏側を見ることが出来ない。 1959年、旧ソ連のルナ3号が初めて撮った月の裏側の写真には、高地ばかりが写っていた。 もし、反対側が地球の方を向いていたならば、月をめぐる伝説は全く違ったものになっていたかも知れない。 月の満ち欠けは、月が地球の周りを回るにつれて、太陽と月のなす角度がたえず変化する為におこる。 月と太陽が同じ側にある時は、月の裏側に日があたるため新月に、地球をはさんで月と太陽が反対側にある時は、太陽が月の表側を照らすので満月となる。 新月から右側が段々に太って上弦の月になり、丸みを増して満月となる(月が満ちていくと言う)。 満月の右側から欠け始めて下弦の月となり、更に細って再び新月に戻る(月が欠けていくと言う)。」🌏🌠
  • << 90 「【大河があった?火星】 夜空の中で血のように赤く見えることで知られる火星なので、バビロニア人もギリシア人もローマ人も、この惑星に戦いの神にちなんだ名をつけた。 実際には火星は小さな惑星で、直径は地球の約半分、重さは約1割しかない。 軸の傾きが約25度で四季がある、自転に24時間37分かかる、という点が地球に非常によく似ている(地軸の傾きは23・5度)。 しかし、太陽の周りを687日かけて一周しているので、それぞれの季節が地球の倍程続くことになる。 長い間、火星には火星人がいるのではないかと考えられてきた。 1877年、イタリアの天文学者スキャパレリは火星表面の観測をしていて、そこに網目状に見える何本もの暗い線があることに気付いた。 彼はカナリ(イタリア語で〈すじ〉と呼んだが、それがチャネル(海峡)とかナル(運河)と訳された為、人々は火星には高等な知能を持つ火星人がいると信じるようになったらしい。 あると思って見ると、ありもしないものが見えてくる。 火星人が極冠から運河を通して水を引き、農耕をしているのを見た、という人まで現われた。(続く)」🌏🌌
  • << 93 「【木星の衛星】 木星の衛星16個の中で最も大きい4個(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)をガリレオが発見したことから、ガリレオ衛星と呼ばれている。 イオ衛星は木星に近い為、潮汐力で内部が歪められてしまう。その結果生じる摩擦熱が、火山の熱源となっている。イオの地形には、人間に火を与えたと言われるギリシア神話のプロメテウス、ハワイの火山の神ペレなど、神話に登場する火に関係のある名前がつけられている。 ガリレオ衛星の中で最も小さなエウロパ衛星は、表面が氷で覆われており滑らかだが、網目状の線が全体に走っている。 この氷の厚さは約100キロm、その下には海があるのではないかと考えられる。 もしも、本当にエウロパに海があるとしたら、これは地球以外で見つかる初めての海であり、原始的な生命が存在している可能性もある。 ガニメデは太陽系で最も大きな衛星で、氷で覆われた表面には無数のクレーターがあるだけでなく、複雑な溝や起伏が沢山ある。これは地殻変動があったことを物語っている。 カリスト衛星もまた表面が氷で覆われ、隕石によって出来たクレーターでうめつくされている。 4個のガリレオ衛星は、それぞれ個性的である。」🌏🌌
  • << 94 「【リング百態、土星】 土星の美しいとも言えるリングを最初に観測したのも1610年、ガリレオであった。と言っても望遠鏡の倍率が余り高くなかったので、リングというより土星の両側についている丸い〈取っ手〉のように見えたらしい。 2年後、再びガリレオが観測した時、取っ手は消えていた。 更に4年後、取っ手は再び見えたが、以前よりかなり平べったかった。ガリレオは自分が何を見ているのか分からず、悩んだようである。 土星の自転軸は27度程傾いている為に、赤道を取り巻いているリングも土星と共に傾く。 つまり、土星の一年(地球の29・5年)のいつ観測するかによって、リングの見え方は著しく変化する。 リングの縁が前面に傾いているときには、ガリレオが最初に見た時のように、三重の惑星のように見える。真横を向けば線状に見えるだろう。1995年、ハッブル宇宙望遠鏡は一本の線となった土星のリングを捉えた。(続く)」🌏🌠
  • << 97 「【横倒しになった天王星】 天王星は、小さな青緑色の円盤のように見える。直径は地球の約4倍、質量が約15倍。 地上からの観測によって、9本の暗いリングと、5個の衛星を持つことが知られていたが、1986年、更に2本のリングと10個の衛星が発見された。 天王星の最大の特徴は、自転軸が軌道面に対して98度、つまりほぼ直角に傾いていることだろう。 それに伴い、衛星の軌道もリングも傾いており、リングが丸く見え、衛星の動きもよく分かる。 84年かけて太陽を一周する間、北極では42年間夏が続き、同じ期間、南極では太陽の出ない冬が続く。残りの42年間は季節が逆になる。現在見えているのは南極である。 天王星が横倒しになっているのは、太陽系が誕生する過程で、地球程の大きさの別の天体が衝突した為だと思われる。 天王星のリングは、主に氷の粒で出来ている土星のリングとは異なり、岩石や炭素質の物質が多く含まれている。 その為、非常に暗い。 リングの幅は一番広いところでも100キロm、ほとんどが10キロm以下しかないのに、リングとリングの間は1000キロm以上もあいており、チリの帯がある。」🌏🌌
  • << 98 「【青い惑星、海王星】 青い惑星、海王星は天王星とほぼ同じ大きさで、直径は地球の約4倍、質量は約17倍。天王星と海王星が青い色をしているのは、太陽から遠く離れたところにある為である。 太陽の光がほとんど届かず、表面温度はマイナス200度以下と超低温。その為、大気に含まれるアンモニアなどは凍ってしまう。 しかし、まだ凍らずに残っているメタンには赤い光を吸収する性質があるので、私達には青い色だけが見えている。 ボイジャー2号は、木星の大赤斑とほぼ同じ、南緯20度あたりに〈大暗点〉と呼ばれる大規模な暴風域を見つけた。この暗点は直径が3万キロmもある楕円形で、大赤斑同様、時計と反対まわりに渦を巻いていた。 海王星の大気を不安定にし、大規模な天気の変化を引き起こすのは、内部の熱源と超低温の雲の上部との温度差ではないか、と考えられている。 海王星の衛星トリトンは、海王星の周りを6日で回っているが、その軌道が海王星の自転とは反対方向である。太陽系で最も冷たい天体で、表面温度がマイナス235度であることも分かった。(続く)」🌏🌠
  • << 100 「【最果ての惑星、冥王星】 冥王星は唯一、惑星探査機が訪れたことのない惑星で、情報が最も少ない。 冥王星は木星型惑星より遠くにありながら、地球型惑星のように固体表面を持っている。 その組成は岩石が主で、その他に水やメタンなどの氷もあるらしい。 地球の1万分の1とごく薄いながら、メタンの氷が蒸発して出来た大気も存在している。 最初から惑星として誕生したのではなく、太陽系が形成された後で惑星の仲間入りをしたのではないか、と考えられている。」🌏🌌
  • << 101 「【汚れた雪だるま】 太陽系の物質の全てが太陽や惑星に取り込まれた訳ではなく、太陽系内の空間には数多くの岩や氷の塊が漂っている。 その中には、太陽系の遥か彼方から太陽の近くまで、極端に細長い楕円軌道や双曲線軌道を描く〈彗星〉と呼ばれる天体も含まれている。 彗星は、氷に、岩石質や金属質のチリ状の固体物質と、メタン、アンモニア、二酸化炭素といった揮発性の物質の凍ったものが混ざり合って、汚れた雪だるまのようになっているらしい。 太陽から遥か遠く、寒冷の地にいる時は、彗星にはなんの変化も見られない。 しかし、火星と木星の間位までやって来ると、太陽の熱で少しずつ温められ、ガスの蒸発が始まる。この時、固体物質も放出され、それらが彗星本体の周りを取り囲んで〈コマ〉を造りだす。(続く)」🌏🌠
  • << 103 「【木星に衝突した彗星列車】 1993年3月、彗星ハンターとして知られるシューメーカー夫妻とディビッド・レビーが新彗星を発見した。 これは彼らが発見した9番目の彗星であったことから、シューメーカー・レビー第9彗星(略してSL9)と名付けられた。 SL9は発見された時には、木星の潮汐力によって既に20個以上の破片にばらばらにされていた。こんな彗星が見つかったのは初めてのことである。 天文学者の驚きはそれだけでは済まなかった。SL9の軌道を計算したところ、一列に並んだ破片が木星に向かって真っ直ぐに進んでいることが分かったからである。 そのまま行けば、秒速60キロmの速度で、1994年7月に木星に次々と衝突することになる。 滅多に起こらないというより、観測史上初の彗星と惑星の衝突。 これは是非とも観測しなければいけない。天文学者は万全の態勢でこの事態に備えた。(続く)」🌏🌠
  • << 105 「【母なる太陽】 太陽の直径は地球の約109倍の140万キロm、質量は地球の約33万倍もある。 太陽を構成しているのは主に水素とヘリウムのガスで、恒久的な地形のようなものは存在していない。 表面温度は5800度程だが、その中心は約1500万度、2000億気圧と想像を絶する世界である。 水素をヘリウムに変換する核融合が中心部で休むことなく続けられており、その副産物として生じる大量のエネルギーが、太陽表面に運ばれては、宇宙空間へと放出される。 地球はその50億分の1をちょうだいしているに過ぎないが、それが全ての根源となっている。 太陽表面は光球と呼ばれ、その外側には厚さ数十キロmの彩層、更にその周りに数百キロmの厚さのコロナが広がっている。 普段は光球が明るい為、彩層やコロナを見ることは出来ないが、皆既日食の際に短時間、その姿を現す。 不思議なことに、彩層の方が光球よりも温度が高く、コロナは100万度から200万度という超高温になっている。(続く)」🌏🌌
  • << 107 「【星さまざま】 星が一人前になるとは、その中心で核融合反応が始まり、星が膨らみも縮みもせず、一定の状態に落ち着くことをいう。 ガスとチリの雲が重力によって縮むと、おしくらまんじゅうをした時のように中が熱くなっていく。 中が熱くなれば、ヤカンでお湯を沸かした時のように、広がろうとする内部のガスの圧力が生まれる。 重力で縮めば縮む程、内部、特に中心部は熱くなり、圧力も高くなる。 しかし、表面から大量のエネルギーが逃げて行ってしまう為に、内部の圧力はなかなか重力に対抗することが出来ない。 縮んで縮んで中心部の温度が1000万度を越えると、これまでになかったことが起こる。ガスの主成分である水素が核融合を始めるのである。 4個の水素原子核が核融合して1個のヘリウム原子核が出来る際に、副産物として大量のエネルギーが放出される(1gの水素がヘリウムに変わるだけで、石炭15トンを燃やしたのと同じエネルギーが得られる)。(続く)」🌏🌌
  • << 110 「【華やかな老後】 年老いた星が放出した外層のガスはすぐに宇宙空間に拡散してしまう訳ではなく、10万年程、元の星の周りに漂っている。 小さな望遠鏡で見ると、その広がった様子が遠くの惑星のように円板状に見えた為、18世紀の天文学者はこれらの天体に〈惑星状星雲〉と名付けた。 この名は今も使われているが、実際は惑星とは全く関係のない、星の晩年の姿である。現在、1000個以上の惑星状星雲が見つかっている。 もし、放出されたガスが一様に広がっているならば、その結果造られる惑星状星雲の形も球状になる筈である。 ところが、ハッブル宇宙望遠鏡が観測した惑星状星雲の多くは、もっと複雑な形をしていた。 風車、スプリンクラーから放出された水、砂時計、羽根を広げた蝶々、二重になったガラス細工、小鳥、猫の目、幼虫などなど。 とても星の晩年の姿とは思えない。どうしたらこんな繊細な形が造れるのだろうか。そして、リアルカラーと言われるそれらの色。これまた息を飲む程美しい。(続く)」🌏🌠
  • << 112 「【衝突、合体する銀河】 大マゼラン雲は最近、天の川銀河とニアミスを起したらしい。 内部に星団や星雲が沢山あるのは、その時の衝撃によるものと考えられている。 『銀河どうしがニアミス?』と不思議に思うかも知れないが、宇宙ではニアミスどころか、銀河の衝突や合体が起こることも珍しくない。 私達の銀河系の直径が約10万光年であるのに対し、大マゼラン雲までの距離は17万光年。銀河系の直径の倍以下である。 アンドロメダ銀河までは220万光年で、22倍。 銀河の大きさに対して銀河間の距離が比較的短い上に、銀河は宇宙空間を秒速800キロmもの速度ででたらめな方向に移動している。これでは何も起こらない方が不思議というものだろう。 現実に衝突したケースが〈車輪銀河〉である。私達の銀河系のような普通の渦巻銀河の中心を写真右側にある銀河が突き抜けた。 その衝突のショックでガスとチリの雲が強く圧縮され、数十億個の新しい星からなる、直径が15万光年もある青いリングが造られた。 これ程大量の星が一度に形成されるのは珍しいので、車輪銀河は星の形成について研究するまたとない場所となっている。(続く)」🌏🌠

No.85 07/07/10 11:21
自由人0 

>> 84 「【太陽系の惑星たち】

地球の内側を回る惑星を内惑星といい、内惑星である水星と金星は、地球から見ると常に太陽の近くにある。

金星が明けの明星、宵の明星と呼ばれる理由の一つは、その時間帯にしか見えないからである。

更に太陽に近い水星となると、日の出の直前か、日の入りの直後に地平線近くで見えるだけ。
天文愛好家でも水星を見たことのある人は少ないという。

地動説を唱えて発想の大転換を成し遂げたことで知られる16世紀の天文学者コペルニクスは、死の床で『水星を見たことがないのが悔やまれる』と言ったとか。」🌏🌌

No.86 07/07/10 12:47
自由人0 

>> 84 『見えてきた宇宙の神秘』 野本陽代🌌著の本から…⭐ 「【台風の目、大赤斑】 不思議な形や美しいものは、何も星の世界や銀河の世界にだけある… 「【紫式部と水星】

太陽の回りを88日で一周する水星は、直径が地球の5分の2、質量は18分の1しかない。1回自転するのにかかる時間は約59日。従って3回自転する(3日)間に、太陽の回りを2回公転する(2年経つ)ことになる。

太陽に極めて近く、地球の6・67倍ものエネルギーを受け取っているため、日中の最高温度は金属も溶ける430度。
しかし、保温をしてくれる海も大気もない為、夜にはマイナス180度まで下がってしまう。

月のクレーターには科学者・哲学者の名前が多く付けられたが、水星のクレーターには主に芸術家の名前がつけられている。
ベートーベン、モーツアルト、ミケランジェロ、日本では、紫式部の名前がつけられている。

水星は形成されてかなり時間が経ったのち、冷えて収縮したらしい。 その為、表層が縮んでシワが寄ったように見える〈リンクル・リッジ〉と呼ばれる地形があちこちで造られた。
これは高低差が数キロmもある断崖で、いくつものクレーターを横切って500キロm以上の長さに及ぶものもある」🌠🌏

No.87 07/07/10 14:50
自由人0 

>> 84 『見えてきた宇宙の神秘』 野本陽代🌌著の本から…⭐ 「【台風の目、大赤斑】 不思議な形や美しいものは、何も星の世界や銀河の世界にだけある… 「【雲の下の真実、金星】

愛と美の女神ビーナスの名を古代人が金星に付けたのは、朝夕に明るく美しい姿を見せるからだろう。
金星を常に覆っている厚い雲が太陽の光をほとんど反射し、全体が真っ白に輝いている為、金星は太陽、月に次いで明るい。しかし、その雲の下に何が隠されているかについては謎であった。

地球より少し小さい金星は、地球の双子の兄弟だと思われてきた。
かつては地球と似たような環境で、海もあったらしい。しかし、現在の金星は地球とは似ても似つかぬ驚異の世界であることが、旧ソ連とアメリカが送った数々の探査機の調査によって明らかになっている。

大気の96・5%は二酸化炭素、残りはチッ素で、酸素はほとんど含まれていない。
大気が濃いため、表面の気圧は地球の90倍。旧ソ連が初期に送り込んだ探査機は、表面にたどり着かないうちに押し潰されてしまったという。

上空50キロmから70キロmの所を覆っている雲の主成分は、金と白金以外の金属を溶かしてしまうという濃硫酸。
外から金星の表面が見えないように、金星の表面からは太陽も星も、もちろん地球も見えない。
見えるのは厚く垂れこめた雲だけである。(続く)」🌏🌠

No.88 07/07/10 15:13
自由人0 

>> 87 「(続き)
金星の表面温度は465度もあり、まさに灼熱地獄。どれをとっても、愛と美とはかけ離れている。

金星の温度が高いのは、大気中に含まれる多量の二酸化炭素による温室効果の為である。
雲を通り抜けてくる太陽光が20%しかないにもかかわらず、金星はその熱をため込んでしまう。

旧ソ連は1961年から次々と金星探査機ベネラを送り、カプセルを表面に向けて放出して大気の情報を集めたり、探査機そのものを衝突させたり、着陸船を降ろして表面のカラー写真を撮ったりしている。

その後、アメリカは1978年にパイオニアを金星に送り、レーダーによる金星表面の地図造りに着手した。

その後を継いだのが1989年にスペースシャトルから打ち上げられ、翌年、金星に到着した金星探査機マゼランである。

マゼランは、全体の約90%の地形を調べることに成功。
その結果、ひまわりのような形をしたクレーター、台地状の火山、何千と見つかったパンケーキのような溶岩の塊、網目状になった割れ目、長く曲がりくねった溶岩流など、その複雑な地形の数々を見ることが出来るようになった。」🌏🌌

No.89 07/07/10 20:00
自由人0 

>> 84 『見えてきた宇宙の神秘』 野本陽代🌌著の本から…⭐ 「【台風の目、大赤斑】 不思議な形や美しいものは、何も星の世界や銀河の世界にだけある… 「【ふたたび月へ】

月は地球の潮汐力の為に、常に同じ面を私達に向けている。つまり地球からは裏側を見ることが出来ない。

1959年、旧ソ連のルナ3号が初めて撮った月の裏側の写真には、高地ばかりが写っていた。
もし、反対側が地球の方を向いていたならば、月をめぐる伝説は全く違ったものになっていたかも知れない。

月の満ち欠けは、月が地球の周りを回るにつれて、太陽と月のなす角度がたえず変化する為におこる。
月と太陽が同じ側にある時は、月の裏側に日があたるため新月に、地球をはさんで月と太陽が反対側にある時は、太陽が月の表側を照らすので満月となる。
新月から右側が段々に太って上弦の月になり、丸みを増して満月となる(月が満ちていくと言う)。
満月の右側から欠け始めて下弦の月となり、更に細って再び新月に戻る(月が欠けていくと言う)。」🌏🌠

No.90 07/07/11 08:02
自由人0 

>> 84 『見えてきた宇宙の神秘』 野本陽代🌌著の本から…⭐ 「【台風の目、大赤斑】 不思議な形や美しいものは、何も星の世界や銀河の世界にだけある… 「【大河があった?火星】

夜空の中で血のように赤く見えることで知られる火星なので、バビロニア人もギリシア人もローマ人も、この惑星に戦いの神にちなんだ名をつけた。
実際には火星は小さな惑星で、直径は地球の約半分、重さは約1割しかない。
軸の傾きが約25度で四季がある、自転に24時間37分かかる、という点が地球に非常によく似ている(地軸の傾きは23・5度)。
しかし、太陽の周りを687日かけて一周しているので、それぞれの季節が地球の倍程続くことになる。

長い間、火星には火星人がいるのではないかと考えられてきた。
1877年、イタリアの天文学者スキャパレリは火星表面の観測をしていて、そこに網目状に見える何本もの暗い線があることに気付いた。
彼はカナリ(イタリア語で〈すじ〉と呼んだが、それがチャネル(海峡)とかナル(運河)と訳された為、人々は火星には高等な知能を持つ火星人がいると信じるようになったらしい。
あると思って見ると、ありもしないものが見えてくる。
火星人が極冠から運河を通して水を引き、農耕をしているのを見た、という人まで現われた。(続く)」🌏🌌

No.91 07/07/11 09:21
自由人0 

>> 90 「(続き)
アメリカとソ連は1960年代から数多くの探査機を送り、その結果、生命が存在する生命の材料となる有機物質は発見されなかった。
この時、火星の土が赤いのは、酸化第二鉄などの鉄の酸化物、つまり鉄さびのせいであることが分かった。
血のように赤い惑星を造っていたのは、時々起こる砂嵐によって巻き上げられ、大気中を漂う、鉄さびを含んだ土だったのである。

赤道のやや南よりに、火星表面を5000キロm(北アメリカ大陸の幅とほぼ同じ)にもわたって引き裂いているように見えるマリネリス峡谷がある。
幅240キロm、深さ5キロm。土砂崩れと浸食の形跡があり、それが走る方向に沿って岩屑も見られる。
火星の表面では水は発見されていないが、昔大河があったことを思わせる形跡があちこちに見られる。

重力が地球の38%しかない為、軽い気体が宇宙空間に逃げて行ってしまい、火星の大気は地球の100分の1以下と非常に薄い。
その主成分は金星と同じ二酸化炭素。とは言っても、表面温度はマイナス125度から25度なので、環境は金星より遥かにましである。
もし、人間が太陽系の別の惑星に移住することがあるとしたら、硬い地面のない木星型惑星でも金星でもなく、そこは火星だろう。」🌏🌌

No.92 07/07/11 10:14
自由人0 

>> 91 「(続き)
火星の北極と南極は白く輝く極冠に覆われている。これは大気中に含まれる二酸化炭素が凝固して出来たドライアイスであると考えられる。このドライアイスの下には大量の氷があるとも言われている。

1995年、ハッブル宇宙望遠鏡で撮った火星の写真は天文学者を驚かせた。以前より雲が増え、全体が青みがかっていたからである。
火山の上には雲がかかり、その姿を見ることが出来なかった。
これは、大気中の水蒸気が凍って氷の結晶の雲がつくられた為で、バイキング探査機が訪れた20年前より、火星全体の温度が20度も下がり、より乾燥したことを示している。
一体、火星に何があったのだろうか。

戦争の神マース(火星)にはつきものということで、火星の衛星には〈フォボス(恐怖)〉と〈ディモス(混乱)〉という名がつけられている。どちらもいびつな、じゃがいものような形をしており、最長部分がフォボスは28キロm、ディモスは16キロmと非常に小さい。たぶん、小惑星が火星の引力に捕らえられたのだろう。
フォーボスは西から昇って東に沈む。火星を訪れることがあれば、二つの月が夜空で擦れ違う様子を見ることが出来るだろう。」🌏🌌

No.93 07/07/11 12:10
自由人0 

>> 84 『見えてきた宇宙の神秘』 野本陽代🌌著の本から…⭐ 「【台風の目、大赤斑】 不思議な形や美しいものは、何も星の世界や銀河の世界にだけある… 「【木星の衛星】

木星の衛星16個の中で最も大きい4個(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)をガリレオが発見したことから、ガリレオ衛星と呼ばれている。

イオ衛星は木星に近い為、潮汐力で内部が歪められてしまう。その結果生じる摩擦熱が、火山の熱源となっている。イオの地形には、人間に火を与えたと言われるギリシア神話のプロメテウス、ハワイの火山の神ペレなど、神話に登場する火に関係のある名前がつけられている。

ガリレオ衛星の中で最も小さなエウロパ衛星は、表面が氷で覆われており滑らかだが、網目状の線が全体に走っている。
この氷の厚さは約100キロm、その下には海があるのではないかと考えられる。
もしも、本当にエウロパに海があるとしたら、これは地球以外で見つかる初めての海であり、原始的な生命が存在している可能性もある。

ガニメデは太陽系で最も大きな衛星で、氷で覆われた表面には無数のクレーターがあるだけでなく、複雑な溝や起伏が沢山ある。これは地殻変動があったことを物語っている。

カリスト衛星もまた表面が氷で覆われ、隕石によって出来たクレーターでうめつくされている。
4個のガリレオ衛星は、それぞれ個性的である。」🌏🌌

No.94 07/07/11 14:04
自由人0 

>> 84 『見えてきた宇宙の神秘』 野本陽代🌌著の本から…⭐ 「【台風の目、大赤斑】 不思議な形や美しいものは、何も星の世界や銀河の世界にだけある… 「【リング百態、土星】

土星の美しいとも言えるリングを最初に観測したのも1610年、ガリレオであった。と言っても望遠鏡の倍率が余り高くなかったので、リングというより土星の両側についている丸い〈取っ手〉のように見えたらしい。

2年後、再びガリレオが観測した時、取っ手は消えていた。
更に4年後、取っ手は再び見えたが、以前よりかなり平べったかった。ガリレオは自分が何を見ているのか分からず、悩んだようである。

土星の自転軸は27度程傾いている為に、赤道を取り巻いているリングも土星と共に傾く。
つまり、土星の一年(地球の29・5年)のいつ観測するかによって、リングの見え方は著しく変化する。
リングの縁が前面に傾いているときには、ガリレオが最初に見た時のように、三重の惑星のように見える。真横を向けば線状に見えるだろう。1995年、ハッブル宇宙望遠鏡は一本の線となった土星のリングを捉えた。(続く)」🌏🌠

No.95 07/07/11 15:03
自由人0 

>> 94 「(続き)
このことからも分かるように、リングの厚みはその半径(30万キロm)に比べて非常に薄く、数キロm以下だと考えられている。

最初は一つのリングのように見えたが、望遠鏡の精度が上がるに連れて、間にいくつもの暗い隙間があり、何重にもなっていることが分かってきた。

更に1980年と81年に土星に接近したボイジャー1号と2号によって、このリングが何重どころか、レコードの溝のように同心円状になった1000本以上の細いリングの集合であることが判明した。

それぞれのリングは、小さいものは1mm以下、大きいものでも10m程の氷の粒子で出来ていたのである。

土星も木星同様、11時間弱という速い速度で1回自転している。
その為、赤道部分が膨らみ、上層大気の風は時速1800キロmにもなることがある。

にもかかわらず木星程はっきりした縞模様や渦は見られない。
時として〈大白斑〉と呼ばれる土星の嵐が観測されるので、土星の大気もかなり激しい活動をしているらしいのだが…。(続く)🌏🌠」

No.96 07/07/11 15:54
自由人0 

>> 95 「(続き)
太陽系の惑星の中で一番多くの衛星を持っているのは土星である。その数18個以上。
その中で最大のものが水星よりも一回り大きく、木星の衛星ガニメデとほぼ同じ大きさのタイタンである。

ボイジャーの探査の結果、表面で1・5気圧ある土星の衛星タイタンの大気のほとんどがチッ素であること、アルゴンやメタンなどが少量含まれていることなどが分かった。

タイタンではメタンの雨が降っており、表面にはメタンやエタンの海があるのではないか、とも言われている。」🌏🌌

No.97 07/07/11 18:26
自由人0 

>> 84 『見えてきた宇宙の神秘』 野本陽代🌌著の本から…⭐ 「【台風の目、大赤斑】 不思議な形や美しいものは、何も星の世界や銀河の世界にだけある… 「【横倒しになった天王星】

天王星は、小さな青緑色の円盤のように見える。直径は地球の約4倍、質量が約15倍。
地上からの観測によって、9本の暗いリングと、5個の衛星を持つことが知られていたが、1986年、更に2本のリングと10個の衛星が発見された。

天王星の最大の特徴は、自転軸が軌道面に対して98度、つまりほぼ直角に傾いていることだろう。
それに伴い、衛星の軌道もリングも傾いており、リングが丸く見え、衛星の動きもよく分かる。

84年かけて太陽を一周する間、北極では42年間夏が続き、同じ期間、南極では太陽の出ない冬が続く。残りの42年間は季節が逆になる。現在見えているのは南極である。

天王星が横倒しになっているのは、太陽系が誕生する過程で、地球程の大きさの別の天体が衝突した為だと思われる。

天王星のリングは、主に氷の粒で出来ている土星のリングとは異なり、岩石や炭素質の物質が多く含まれている。
その為、非常に暗い。

リングの幅は一番広いところでも100キロm、ほとんどが10キロm以下しかないのに、リングとリングの間は1000キロm以上もあいており、チリの帯がある。」🌏🌌

No.98 07/07/11 19:09
自由人0 

>> 84 『見えてきた宇宙の神秘』 野本陽代🌌著の本から…⭐ 「【台風の目、大赤斑】 不思議な形や美しいものは、何も星の世界や銀河の世界にだけある… 「【青い惑星、海王星】

青い惑星、海王星は天王星とほぼ同じ大きさで、直径は地球の約4倍、質量は約17倍。天王星と海王星が青い色をしているのは、太陽から遠く離れたところにある為である。

太陽の光がほとんど届かず、表面温度はマイナス200度以下と超低温。その為、大気に含まれるアンモニアなどは凍ってしまう。

しかし、まだ凍らずに残っているメタンには赤い光を吸収する性質があるので、私達には青い色だけが見えている。

ボイジャー2号は、木星の大赤斑とほぼ同じ、南緯20度あたりに〈大暗点〉と呼ばれる大規模な暴風域を見つけた。この暗点は直径が3万キロmもある楕円形で、大赤斑同様、時計と反対まわりに渦を巻いていた。

海王星の大気を不安定にし、大規模な天気の変化を引き起こすのは、内部の熱源と超低温の雲の上部との温度差ではないか、と考えられている。

海王星の衛星トリトンは、海王星の周りを6日で回っているが、その軌道が海王星の自転とは反対方向である。太陽系で最も冷たい天体で、表面温度がマイナス235度であることも分かった。(続く)」🌏🌠

No.99 07/07/11 20:40
自由人0 

>> 98 「(続き)
海王星はこれ程、超低温の世界であるにもかかわらず、チッ素を主成分とするマイナス200度の噴煙を噴き出す〈氷の火山〉らしいものが、発見された。

表面がピンクがかっているのは、メタンの氷の為で、その氷が溶けたり、凍ったりを繰り返していると思われる。

海王星の衛星トリトンは少しずつ海王星に近付いており、やがては海王星の及ぼす潮汐力によって、ばらばらにされてしまうだろう。」🌏🌌

No.100 07/07/11 20:53
自由人0 

>> 84 『見えてきた宇宙の神秘』 野本陽代🌌著の本から…⭐ 「【台風の目、大赤斑】 不思議な形や美しいものは、何も星の世界や銀河の世界にだけある… 「【最果ての惑星、冥王星】

冥王星は唯一、惑星探査機が訪れたことのない惑星で、情報が最も少ない。

冥王星は木星型惑星より遠くにありながら、地球型惑星のように固体表面を持っている。
その組成は岩石が主で、その他に水やメタンなどの氷もあるらしい。

地球の1万分の1とごく薄いながら、メタンの氷が蒸発して出来た大気も存在している。

最初から惑星として誕生したのではなく、太陽系が形成された後で惑星の仲間入りをしたのではないか、と考えられている。」🌏🌌

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