幸せになっていい？

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修行中さん（ 10代 ♀ ）
2021/10/07 02:33(更新日時)

「触んな」「消えて」「学校来ないで」「キモい」「死ね」

なんて酷い言葉だろう…こんな言葉を毎日聞かされた…
いじめられるようなことはしていないのに…

今日も私は学校にいる。いじめられるけど…
今日は，謎に呼び出された。同じクラスの，男の子。
「放課後，体育館裏にきて」
そう言われた。いじめられる気しかしないけど…

放課後

私は体育館裏で待っていた。
「あっ，いたいた！」
来た。何されるんだろうな…怖いな…
「ちょっと，話がしたくて呼んだんだ。忙しいのに，ごめんな。」
「ぜ、全然大丈夫！ですっ！忙しくないもん。」
「そっか」

「あのさ，お前，毎日のようにいじめられてんじゃん？」
「…うん…そうだよ…？」
「その…辛くないの？」
「え？」

思わずこんな声が出た。

「辛くはないよ。もう慣れた。」
「は？」

怖い…！ものすごい低音で言われた…

「慣れたって何？」
「……」
「いじめられるの慣れるとか，そんなんおかしくない？」
「……うん…」
「いじめられたいの？」
「いや！いっ…いやだっ…よっ…！」
「だよね」

なんでそんなこと聞くのよ。

「俺も耐えれないから。」
「え？」

なに言ってんの？耐えられない？どういうこと？

「あんさ，俺，お前を守りたい」

守る…？

「だから，俺と付き合ってほしい」
「えっ………！」

告白？されたの？今？

「でっ，でも！私なんかが幸せになっちゃダメなの！そういう運命なの！
あなたと付き合ったら，あなたまでいじめられちゃうわ！だから…だから…！」
「ほんとにそう思ってる？」

私はうなずく。私なんかが幸せになるなんて，おかしいもん。

「じゃあ，これはなに？」

そう言って，私の顔を手で包み込むように触った。
そして，親指が目のあたりで動く…

「涙……」

いつの間にか涙を流していた……

「そう。涙だね。俺は，お前の辛い顔が見たくないの。だから，お前と付き合って，
お前を守って，幸せになって欲しいの。」
「っ………！」

風が私たちを包み込むみたい。彼は，私の頬を触り，私の手は彼の手に重なっていた。

「私っ！幸せになっても……っ！いいのっ……？」
「うん」

彼は優しい笑顔で頷いてくれた。

幸せになっていいみたい……
そして私は，彼とちゃんと向き合い，そして……

「私を守ってください」

そう応えた。彼は嬉しそうで，私を強く，優しく，もう離さないのかな？
くらいな感じで抱きしめた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜　次の日　〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

やっぱりいじめられる…でも，すぐに彼が来て，

「いじめんのはダサいからやめたほうがいいとおもうよ？」

といった。少し怖いが，瞳の奥に優しい火の玉がある気がした。

それから数日後，いじめは無くなった。
幸せになれたんだ。
よかった…！

彼は，神様だ。幸せにしてくれたんだもの。

ありがとう。