蛇(じゃ)の道は蛇(へび)

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小学生
2018/01/25 22:52(更新日時)

自分に取っては大変な事(悩み、苦しみ、悲しみ)だと思っていても、他人からすればたいした事じゃないって事は結構あるんですよね

みんな何かしらの悩みや不満を抱えているから、「私は大変です！辛いです！」とアピールすればするほど、「うん、こっちも悩み苦しみはあるよ」と反感を買われがちです

どんなに辛い経験をしている人でも、自分が経験した苦しみについては分かるけど、経験していない苦しみは分からないですよね

幼少時代、親から虐待されて、劣悪な環境で育ったという苦しみを経験した人が、親に虐待されている子供を目の当たりにした場合、我が事のように胸が痛くなるのは、そこにかつての自分が重なるからで、そういう経験をしていない人は、虐待されている子供を見て、「可哀想に、酷い親だな」と同情はしても、その子に自分の姿は重ならないから、本当の痛みは分からない訳です

虐待を一例に上げましたが、初めての妊娠出産の不安、家族を養って行かなければならない重圧、虐めの苦しみ、戦争の恐怖、等々、人には様々な悩み･苦しみ･悲しみがありますが、その全ては経験して初めて分かる事で、実際に自分が経験した事だから、同じ境遇にいる人の苦しみが分かる訳ですよね

昔、とんねるずの石橋貴明さんが、『真冬の深夜だったんだけど、仕事の移動で車に乗ってて、ちょうど赤信号で止まってた時、何気に窓から外を見てたら、工事現場の警備のバイトで旗降りをしてる若い兄ちゃんがいてさ、俺も昔、同じバイトしてた事があるから分かるのよ。めっちゃ寒くて辛いんだよね。兄ちゃん見ててさ、寒いだろうなぁ、温かい缶コーヒーでも差し入れてあげたいって気持ちになったよね』と言っていたのですが、まさに【蛇の道は蛇】で、自分が通ってきた道だから、その人の苦しみ、辛さが手に取るように分かる訳ですよね

全く面識もない赤の他人なんだけれども、石橋さんからするとその警備のバイト君はかつての自分自身なんですよね
辛かった当時の自分を助けてあげたいという気持ちになると言いますか…
もし石橋さんが警備のバイトで辛い思いをした…という経験がなければ、そのバイト君の事など気にも止めなかったでしょう

自分が経験していなくても、辛い目に遭っている人を見て、哀れんだり、同情する事はありますが、やっぱり実際に自分が経験した苦しみを味わっている人に向ける気持ちの方が圧倒的に強いものがありますよね

思いやりってこういう事かなって思うんですけど、やたらに「思いやりが大切」とか、場合によっては「○○は思いやりが無いです」と文句(思いやりの要求)を言っている人がいますが、思いやりの足りない人がこういう事を言うんだろうなと思います