巨豚（愛妻）と世界で一番幸せな私

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小型犬（ ♂ xV4MLb ）
2016/03/22 22:36(更新日時)

肉を喰らう人。
肉を舐め回す人。
自分の欲望を際限なく満たそうとする我が愛妻。
欲望を最大の原動力に、『妻』という存在がつくりだす我が家庭環境。それはまさに、Zoological gardens（ZOO•動物園）。私はそんな愛妻の我欲の強さと共に生きていくことに、いささか不安を覚えることがあります。
表明的には草食動物のように、温和なそぶりを見せてはおりますが、その腹の中をうかがえば、まるで目隠しをした猛虎のごとく、制御不能に血に濡れた、欲望のエネルギーがトグロを巻いており、するどい牙がのぞく口蓋を全開にし、舌舐めずりをしながら、今さっき胃におさめたはずの満腹感も忘れ、新たなる獲物を虎視眈々と舐めまわし、まるでウサギさんかのように、極めてわざとらしく、小さなおちょぼ口を開きながら、ありとあらゆるモノを貪り喰らっております。もう十分すぎるほどの脂肪は蓄えてはいるけれど、食べることが止まらない。止める理由などとうの昔に捨て去ったよう……。
いつまでもいつまでも喰い続けているうちに、口にモノをいれたままウトウト眠くなり、腐った魚のようなゲップを豪快に放ち、腐った卵のような放屁に鼻はもげ落ち、飢えた獰猛な虎は、何事もなかったかのように、『眠る不動の巨豚ちゃん』と化します。
地鳴りのようなイビキに我が家は震えおののき、永遠に眠っていてくれ！2度と目覚めてくれるなと強く祈りました…。
しかしながら、巨豚ちゃん（愛妻）の、安らかなる寝顔を見つめておりますと、なんだかこちらも幸せな気持ちになりまして、日中の全てのストレスが一気に解消されるのであります。寝息をたてながら、ブヨブヨとヒクついた頬に、私の頬をそっとよせますと、その甘やかな暖かささえあれば、もはやこれ以上何を求めるものがあろうかと、誠に幸せな気持ちになります。コタツに眠りこける、巨熊（愛妻）のような彼女の分厚い背中に顔をうずめれば、この家庭で、否、世界で1番幸せなのは、私であると気づく次第であります。

幸せすぎてすいません。