年上女・年下男

レス68 HIT数 10771 あ+ あ-


2013/12/01 00:24(更新日時)


初恋って何なのか…

よく分からなかったあの頃

ある日突然好きになりました

私は小学6年生
あなたは…

ノンフィクションを少し交えながらの私の初恋のお話です。


13/11/19 06:17 追記
何かひとつ作品を残したくて、この小説を書く事にしました。
読んで下さってる方には、本当に感謝しています。
初めての挑戦で拙い文章ですが、最後まで書いていきたいです。よろしくお願い致します。

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No.2027386 (スレ作成日時)

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No.1


とある田舎町

いや、村と言った方が正しいのかも(笑)

周りは山と海に囲まれて
晴れた日の空は青く澄んでて空気はとても美味しい

自然いっぱいの町で私は育ったの

No.2


まずは私の自己紹介をするね。

古井理子フルイリコ
この春小学6年生になったばかり

性格は大人しいと思う。
かと言ってイジメにあってる訳でもなくて

私の同級生は全部で12人!!
超少ない(男5人女7人)

保育所の頃からずっと一緒だから
普通にみんな仲は良いと思う

私も昔は活発な方だったんだけど
高学年になるに連れ
いつしかあまり話さなくなってた

何でだろう…

No.3


小学6年生~春~

ある晴れた春の日

キンコーン
カンコーン
  キンコーン
   カンコーン


五時間目のチャイムが鳴った

体育の時間

体育は結構好き
走る事が好きだったな…
あの頃って

「今日は合同体育祭に向けて100m走とリレーの練習をします」

「やったぁ♪リレーだ」
「楽しみだね」

「リコちゃんパワー出さなくちゃね」
「ホントホント笑」
とひやかすその子達は

クラスでも仲良しの千恵チエと友美トモミだった。

No.4


「……もう、ひやかすのやめてよ」
と言いつつも

私もリレーの練習が楽しみの一人だったり♪

ところで【リコちゃんパワー】って言うのには理由があるらしく

数年前の秋の運動会での出来事

最後の種目紅白リレーで
私はバトンをもらい一所懸命無我夢中で走った

どうやらそれが速かったらしく
普段大人しい私がパワーを出したという事で
ある上級生が私につけてくれたアダナ?がそれである

嬉しいやら恥ずかしいやら
何とも複雑な名前だと思った

No.5


少し説明をします。

私の小学校では人数が少ないので
体育の時間は二学年合同で行います。

小1と小2
小3と小4
小5と小6
という感じ

今は小学5年生の子と一緒に体育の時間を受けています。

ちなみに小5の子は男6女6の12人とほぼ私達小6と同じくらいの人数

小5の子の雰囲気はちょっとやんちゃな感じがして私は正直苦手だったの


No.6


「用意、ピー」

ダダダダッ

「やっぱ○○君って、足速いね」
「すごいわ~」
と女子の声が飛び交った

「あー負けたー!!悔しい」
「やった~勝った」
と男子の声もする


ー100mの練習ー

いよいよ私の番になって
ドキドキと緊張で体が震えてきた

人前で何かするのっていつも緊張する…


「用意、ピィー」

ダダダッ

「リコちゃんパワーだ」
アハハハハ
誰かが笑ってたようだけど気にしない

一所懸命走るだけ

No.7

>> 6
ピィーッ

ハァハァ…ハァ…

同級生と走った三人中で私は一番になった

「リコちゃんやっぱ足速いね」
「ほんと。リコちゃんパワーには負けるわ笑」

友ちゃんと同級生の一人真奈美マナミが私に言った

「そんなこと…」
と言いながら
でもやっぱり一番は嬉しい

3人で歩きながらみんなのいるスタート地点に戻った


ピィーーー

「100mの練習はこれで終わりにします。
今からリレーの練習を始めます。」

先生が言った。

No.8

>> 7
「リレーだ、やった~♪」
「頑張るぜー」
「白組に勝ってやる!!!」

リレーとなるとみんなやたらとテンションが上がる

何でかな(笑)

私も声には出さないけど心の中でテンションが上がった


「紅白で別れて順番は各チームで決めて下さい」

紅白のチーム分けはもう最初から決まっているので
後は5・6年一緒になって走る順番を決める事に

まぁ私は言われた通りにするだけなんだけど

ちなみに私は赤チーム
友ちゃんと千恵ちゃんは残念ながら白チーム

No.9

>> 8
「リコちゃんは10番目でいい?」

「あ、うん…」

ここでテキパキと決めて指示をするのは同級生の健太ケンタだった。

彼は責任感が強く、勉強もスポーツもでき容姿も良い。
クラスに一人はいる典型的なモテ男くんだと思う(…多分)


「先生、決まりましたー」
「こっちも決まりました」

「じゃあ、始めましょう。」


あーまた緊張してきた
ドキドキ ドキドキ
でも楽しみでもある
ワクワク

と中途半端な気持ち…

No.10

>> 9
いよいよリレーが始まる
まぁ練習なんだけどね

えっと、白組の10番目は誰かな…と


「もしかして10番目?」
と小5の勇二ユウジが聞いてきた。

「うん」そう返すと

「あ~リコちゃんパワーかぁ」
とつぶやいた。

パワーは余計なのでは?と心の中でそう思いながら

リレーが始まる

「位置について
 用意ー ピーッ」


No.11

>> 10
ワァー
「○○ちゃん頑張って」
「頑張れーーー」


体育祭じゃなくても
リレーはいつでも盛り上がる

何かいいなこの感じ
とドキドキワクワクしながらもそう思った。


最初は白組がリード

「ワァー」
応援の声が聞こえる
みんな真剣に走っている

私も小さいけど声を出した


No.12

>> 11
この時何か視線を感じたような気がした

???
気のせいかな…

チラッとその視線の方に目を向けようとしたけどやめた


リレーは半分にさしかかり
白組が10mほど変わらずリードしている

みんなの応援の声は止まず
ひたすら声を上げている

あーもうすぐ私の番
どうしよう~と思いながらも
リレーの様子を見守っていた


No.13

>> 12
9番目の走者が走り出した

差は変わらず縮まらない

いよいよだ~
どうしよう~
こけたらみんなに怒られるよ

色々と考えてしまい
頭の中が真っ白に!!

さっきの視線も気にならないほどリレーに集中していた


そして10番目

勇二君がバトンを受け取り走り出した

そして少し後に私もバトンを受け取り走り出した

「リコちゃん!!」
「リコちゃんパワー行けぇー」
「頑張ってー」

みんなの応援の声が嬉しい
ここから一所懸命に走ろう

差が縮まらないかな
追いつけないかな


すると勇二君の背中が段々と近づいて見えた

もう少しあと少し

No.14


私と勇二君はほぼ同時に
次の走者にバトンを渡した

「やったぁー」
「リコちゃんスゴイ!」

差を縮める事ができた
みんな喜んでる
良かった~

走るのが終わって
一気に力が抜けた


……………


さっきと同じ?

やっぱり視線を感じる気がする
ふと目を向けてみると…

No.15


ある男の子と目が合ってしまった

何故か私達はお互いにしばらく見ていた


よく分からないけど

その子が私に向けて笑っているように見えた気がした

今思えば自惚れなんだろうな(笑)

そして私は視線をそらした

No.16


ワァー
 ワァー

「紅組勝った~」
「やったぁ」

どうやらリレーは紅組が逆転勝利したみたい

最後あんまり見てなかった…


「やっぱ健ちゃん速いな」
「さすがだね」

紅組のみんなは喜んでいる

紅組のアンカーは健ちゃんで、白組との差を広げての勝利だった

私ははっきり見ていないけど…


キンコーン
 カンコーン

そこで5時間目の体育が終わった

No.17


何だろう…
良く分からないけど

さっきのあの子の笑った顔が頭から離れない

一目惚れ?
いや違う、小さい時から知ってるし

でも今になって何でかな?

突然気になるのは

それは不思議な感覚でもあった

No.18


目が合った子の名前

岸本俊也キシモトトシヤ
小5の男子

体は私より少し小さくて

やんちゃな小5の中では俊也君は目立たない感じだと思う。

実は私あまり俊也君の事を知らない…

知ってるのは家の場所と二つ下の妹がいるって事ぐらい

あの時から急に気になりだしたのは確かだった。

年下の男の子俊也君に…

No.19


6年生になって二ヶ月が経ち
最上級生という自覚が何となく芽生えてきたかな…

1年生は無邪気でとっても可愛いし
と言っても…私もまだ充分子供なんだけど


春の体育祭も無事に終わり、普段と変わりない日を送っていた。

ちなみに春の体育祭とは、町周辺の4つの学校が集まって合同で行う体育祭の事です。

小さい学校だからできるイベント
私の楽しみな行事のひとつでもある


No.20


キンコーン
 カンコーン

ある日の中間休み

「あーやっと算数終わった」
「遊びに行こうで~」
「行こ行こ♪」

みんなの声で賑やかになった休み時間


「ケンチー外行こう」
男子の声が教室のドアから聞こえてきた。

「おぉー俊ちゃん」

???
見ると俊也君がドアの所に立っていて健ちゃんを呼びに来ていた

ドキッ

あれ?
びっくりしたのかな私…
俊也君を見ただけなのに

No.21


小5と小6の子って
正直あまり仲が良くない

私も特に小5の男子とはほとんど話しすらしない…

その中で俊也君と健ちゃんが仲が良いのは意外で
珍しい組み合わせのような気がした。

でも何か二人が仲良くしているのを見ると嬉しくなった。


そっかー。あまり気にした事なかったんだけど、俊也君と健ちゃん仲良かったんだ。

と心の中で思った。


「リコちゃーん」

No.22


「あ、千恵ちゃん」

「今日の算数難しかったね。宿題のプリントもあるし嫌だよー」

「私も算数苦手。そうだ!今日一緒に宿題しない?」

「ごめん、今週は生活当番だから最後まで残らないと帰りが遅くなるし…」

「そっかそっか、
私は来週当番だわ。あれってめんどくさいよね苦笑」

休み時間
千恵ちゃんと私は教室で話しをしていた

No.23


私の小学校では生活当番というものがある。

どんな事をするのかというと

小学4~6年生が五つの班に別れて一週間当番をする。

○学校中の窓の開け閉め
○一つの週間目標を決めてそれが出来ているかどうか学年ごとに確認する
例)朝のあいさつをする
ハンカチ・ティッシュを持つ等
○その週は下校時間まで残り最後に班で報告しあい日誌を書く

という結構めんどくさいもの(笑)

しかも私はその班長
班長というだけで荷が重い

No.24


土曜日の4時間目終了後
私は放送室に向かった。

班長は放送で生活当番の人を呼び集めないといけないのだ

さらにこれも面倒な仕事?(笑)

「お知らせします。
B班の生活当番の人は二階の理科室に集まって下さい。
四年生……君
五年生……君   岸本俊也君
……さん
六年生……君
は二階の理科室に集まって下さい。
繰り返します…」


ハァ~緊張した
放送するのって何か苦手
私の声って低いから変に聞こえる

しかも俊也君が一緒の班だし


教室に戻ると

「リコちゃん、生活当番の引き継ぎだよね。一緒に行こう」

千恵ちゃんが声を掛けてきてくれた。

「うん」


No.25


理科室に行くと
A班B班のみんながほぼ集まっていた。

A班の班長は健ちゃんだった。
この小説ではよくこの名前が出没するなー(笑)


「これから引き継ぎを始めます。」

とA班の班長健ちゃんから報告と連絡を聞いた。

無事に引き継ぎが終わると
A班のみんなは先に帰ることに

「千恵ちゃんバイバーイ。またね♪」
「バイバイ。月曜日ね♪」

私は千恵ちゃんに手を振ってさよならした。


その時かすかに…
耳を疑うような言葉が聞こえた気がした

No.26


「俊ちゃん、リコちゃんが好きなんだろー」

「それ言うのやめてよ」


ん?
何?
今何て言ったの?

見ると健ちゃんと俊也君がコソッと話している姿が

私はそれに気づかないように慌てて下の方を向いた…


えー!
えーー!!
えーーー!!!

まさか?
俊也君が私の事を?

幼いながらに
一気に心臓がドキドキして顔が熱くなった


No.27


いや、でも聞き間違いかも知れないし…

まさかそんな事あるはずないよね。

………


でもさっき話していた事が本当で
俊也君が私の事を好きだとしたら
これからどうしたらいいんだろう…

もう分からないやっ!!
色々と考えてしまって頭がグルグルグルグル回ってしまった


「リコちゃん?」
B班の一人5年の真希ちゃんが私に声を掛けてきた。

No.28

補足:真希マキ

「あ~ごめんっ」

周りを見ると班のみんなが席に座って
こっちを見ていた

いやいや
ダメだダメだ
今は生活当番の事だけに集中しよう!!

「まず来週の週間目標を決めます。何か案があれば言って下さい。」

と私は淡々と進めていく

ハーイ…




はぁ~何とか無事に終わったよ。

時間は12時50分
土曜日の帰る時間にしては遅い方


「リコちゃんバイバイ」
「バイバイ」

5年の真希ちゃんがそう言って、私と逆方向へ走りながら行ってしまった


「俊也君バイバイ」

No.29


後ろから少し離れた所で声が聞こえてきた

真希ちゃんの声だ!


私は後ろを振り返ってみる

すると真希ちゃんと俊也君が何か話しをしている様子が見えた。

小学校を起点に私は左方向へ
真希ちゃんと俊也君は右方向に家がある。

二人は仲が良さそうに見えた。
そうだよね、同級生だからね。


私はすぐに帰る方向に顔を向けて一人歩いて帰った。

その時、私の気持ちが少しだけ寂しく感じたのは気のせいではなかった

No.30




ある夏の日の夕方
近くの海に私はいた

夏になると海水浴場になるこの場所
波音が心地よく聞こえる


「何?話しって」

「うん…あのさ、
リコちゃんって好きな人いる?」

「えっ?何で」

………少しの沈黙


「実は僕リコちゃんが好きなんだ。僕の方が年下だけど」


目の前には俊也君がいる

ずっと気になってた人


………

「私も年が上とか気にしてたけど俊也君が好きなんだ…」


「えっ?本当に」

「うん。ずっと気になってたの」


俊也君が私に少し近づいた


ピピピピッ
 ピピピピッ


No.31


~小学6年生夏~


私は目覚まし時計で目が覚めた


あ…

夢を見ていたんだ
まるで本当にあった出来事かのように

何か恥ずかしくなった
朝から顔が熱く心がドキドキしている


私はここで
はっきりと分かってしまったんだ


ー俊也君が好きなんだー


それに気づいたのは
夏休みに入る終業式の朝の日の事


No.32


「友ちゃん、千恵ちゃん、おはよー♪」

「おはよ~」
「おはよう」

教室に入ると
もう既に友ちゃんと千恵ちゃんが登校していた。

教室の中は終業式とあってか
いつもよりザワザワしていた。


「明日から夏休みだね。どこか行くの?」
と二人に聞いてみる。

「私はお母さんの実家があるS県に行くんだ」
と友ちゃんが言う。

「えぇ、いいな~!」
「私行った事ない。千恵ちゃんは?」


「私はO府の叔父さんのところ。従兄弟と一緒に遊園地に行く予定だよ♪」

「そうなんだ~いいなぁ」
「遊園地楽しそうだね☆リコちゃんは?」


「みんないいなぁ。私はお盆に親戚が集まるぐらいだよ苦笑」


明日から夏休み!
ウキウキ気分でそんな話しをしていた。

No.33


一学期の終業式も
無事に終わり

通信簿の結果は…というと
まあまあ普通かな?
という感じで
ホッと一安心


夏休みの宿題は
どっさり出される

プリント・読書感想文・工作・絵などなど


でも明日からの夏休みはやっぱり楽しみ~♪


ただひとつだけ
俊也君に会えなくなるのが少し残念かな。。。


「ケンチー帰ろ」

俊也君が健ちゃんに声を掛けて来た。


No.34


私はチラッと
俊也君の方を見てみた

すると夢で見た事を
いきなり思い出してしまったのだ!

あ、ダメだっ
プイッと机を見て
帰る準備をした。


そして、俊也君と健ちゃんは
一緒に帰って行った…


二人は学年が違うけど
相変わらず仲が良かった。


チラッと聞いた話しだけど
健ちゃんはこの夏休みに弟と
俊也君と三人で電車に乗ってどこかに行くらしい


何かいいなと心の中で思った。
二人の仲の良さに
羨ましさと嬉しさを感じてしまった私がいた。


No.35


「リコちゃーん帰ろー♪」
「私も。一緒に帰ろう」

「うん」

友ちゃんと千恵ちゃんと一緒に帰る

そして
「たまには遊ぼうね。バイバ~イ」

「友ちゃんバイバイ♪」
「バイバーイ。また電話するね。」

友ちゃんとは家の方向が逆なのでここでお別れ


「千恵ちゃん、通信簿どうだった?」

「あまり良くないよー。でも音楽は良かったよ♪」

「千恵ちゃんピアノ弾くのも歌うのも上手だもんね」

「リコちゃんは?」

「まあ普通かな。でも家庭科が全然ダメ。私不器用だし、これじゃあお嫁さんになれないよ」

「まだ小学生だよ。先はまだまだ長いんだし、それに花嫁修業すればいいじゃん」

「そっかぁ~」
「そうだよ」

アハハハ
 ハハハハ

笑いながらたわいない?
小学生女子二人が
未来の話しをしながら家へと歩く
(苦笑)


No.36


ミーンミーン

外はせみの声がする
8月に入ったある朝の日

「暑いよ~」
私はダラダラしながら宿題の算数のプリントを解いていた。


「リコー」
お母さんの呼ぶ声がした。

「何?」
階段を降りると

「お母さん、おじいちゃんの様子を見に病院に行ってくるから」

「うん、分かった」

「昼はお姉ちゃんと昨日の残り物を食べてね。夕方には帰るから」

「うん、行ってらっしゃい」


お母さんはそう言うと
車で30分ほどの病院に行った。


私の家族は6人

板前のお父さん
スーパーで働くお母さん
中学2年のお姉ちゃん
おじいちゃん
おばあちゃん

おじいちゃんは
去年胃を手術して
退院して一度家に帰ったんだけど
体調が悪くなり
また入院した。

No.37


しばらくして

ジリリリーン
 ジリリリーン

家の電話が鳴った


今家には私一人
「もしもし古井です」

「もしもし谷村ですけどリコちゃんいますか?」

「友ちゃん?私だよ~」

「あっ、リコちゃん。元気だった?」

「うん元気元気。今算数の宿題してた」


終業式に会った以来
久しぶりに友ちゃんの声を聞いた


「そうなんだ~。同じー私も算数してるよ」

「ほんとに?ちょっと難しいよね」



と15分ぐらいベラベラと話しをしていた。

「じゃあ、またね」

「うん明日ね」

と電話を切った。


明日の昼から友ちゃんと遊ぶ約束をした。

千恵ちゃんは家族の人と
出掛ける用事があるみたいで
明日はダメだった…


No.38


次の日の昼過ぎ

ガラガラ…
「リコちゃ~ん」

友ちゃんが私の家に遊びに来てくれた


ドタバタドタバタ

「友ちゃん、いらっしゃ~い♪どうぞ」

「お邪魔します」


二階の私の部屋で遊ぶ事に…
今日は宿題やめて思い切り遊ぶぞ~
(まぁいつもの事なんだけどね笑)


最初は宿題の話しをしたり
漫画を読んだりして過ごしていた

「おやつ持ってくるね」

「…うん。ありがとう…」


ん?
友ちゃん少しだけ元気がない気がするけど
私の気のせいかな?


No.39


ドタドタドタ…
「おまたせ~」

下からオレンジジュースと
ポテトチップスを持ってきた

「食べよ♪食べよ♪」
「…うん…」


やっぱり友ちゃん
いつもと違うな。
私は聞いてみる


???
「友ちゃん、どうしたの?少し元気がないみたいだけど」

すると…
「うん。実は…話そうかどうしようかと思ってて」

友ちゃんが
そう言った

「え?何を?」


「リコちゃんって今、好きな人いる?」

「えっー?」


まさか!!
友ちゃんは
私が俊也君の事を好きなの知ってるの!?


「あの…えっーと…その…」

思いもよらない急な友ちゃんの質問に驚くのと
好きな人を他の人に知られてしまう恥ずかしさが

私の中で入り交じって
言葉を詰まらせる


No.40


ミーンミンミンミン…

………


「あ…えっと、私は…
と、友ちゃんは好きな人い、いるの?」

声が震える
まさか仲良しの友達と今ここで
こんな話しをするなんて思ってもなかったから


「うん」
即答だった


「誰かな?なんて、ハハハハ」
きっと教えてくれないだろうな


「健ちゃん」


早っ!
またもや即答
「えーそうなんだぁ~」
少しだけ驚いた


まぁ…でも
健ちゃんはスポーツも勉強も出来るから
好きになる人がいたっておかしくないよね

うんうん
心の中で納得する


No.41



そして友ちゃんは
話しを続けた

「それでね。リコちゃんは健ちゃんの事が好きなのかなって思って…それで聞いてみたんだ」


「そ、そうなんだ~何で私が健ちゃんを好きって思うの?全然違うよ。それに私は…」


あ…
余計な事を言っちゃった…
かも…


友ちゃんはキョトンとしながらも
また話し出す

「何かね。健ちゃんリコちゃんを見てる時があったし…」


えーー
全然知らなかった


「気のせいだよ、そんなの。それに私は自分からは男子と話さないし、友ちゃん私の性格良く知ってるよね?」


そう
自分から言うのもおかしいけど
私の性格は大人しい

本当に仲の良い子以外あまり話さないのだ


私は慌てて否定した
本当の事だから
友ちゃんに分かってもらおうと必死に伝えた


No.42



「じゃあ、おやつ食べようよ」

「うん。いただきま~す」

「おいしーね♪」
「うん」


友ちゃん
分かってくれたかな?

私も好きな人
友ちゃんに言ってみようかな


恥ずかしいし
ドキドキするけど

うん
言ってみよう。


「友ちゃん、おやつ食べたら学校の校庭に行かない?」

「うん、いいよ」

「じゃあ、そうしよっか」


おやつを食べ終えると
私達は家から
徒歩10分ぐらいの
小学校の校庭に行く事にした


No.43



シーーーーーン

「………」

 「………」


「誰もいない」
「夏休みだからね」


時間は16時30分
夏休みの学校の校庭


そこには誰もいなくて静かで
いつもと違って見える


「友ちゃんブランコいこー」
「うん」


私達はブランコに座った

キィーコ…
 キィーコ…

ブランコをゆっくりこぐ

No.44



よしっ!
今言おう!


「友ちゃん」

「ん?」


ドキドキ…
 ドキドキ…
今日は緊張ばっかりだ


「実は私も好きな人いるんだ」


「えっー?」


ついに!
言ってしまった!!


友ちゃんは驚いていた


「誰?誰?」


No.45



「5年の俊也君なんだ」


「えぇー?俊也君?何で?」

友ちゃんは
意外という顔で私の方を見ていた


「好きだなと思ったのはつい最近で…」

私は体育の時間に俊也君と目が合った事など
全て友ちゃんに話した


「そうなんだ~全然知らなかった」

友ちゃんはまだ意外そうに私を見ていた


No.46



はぁ~
全部言っちゃったよ…
恥ずかしい


「私が好きな人言ったの友ちゃんだけだから」


「わ、私もだよ。リコちゃん」


私達はお互いの顔を見ながら
笑ってしまった


「じゃあ、二人だけの秘密にしよう」
「うん。誰にも言わない。約束する」


私は小指を差し出し
友ちゃんの小指が私の小指と絡む

「ゆびきりげんまんうそついたらはりせんぼんのーます」


二人だけの秘密

好きな人がいるだけで
少しだけ大人になった気がした


No.47



「ねぇ、友ちゃんはいつから健ちゃん好きになったの?」

私は聞いてみた


「好きになったのは6年生になってからかな…前からかっこいいなと思ってたんだけどね」

友ちゃんは
恥ずかしそうにしながら
笑顔で私に話してくれた


「ふーん、健ちゃん勉強も運動も出来るしね」

「そうそう!でもそれだけじゃないんだよ笑」


友ちゃんは小柄で
同級生の中では中心にいる存在
頑張りやさんで責任感のある
女の子

私とは真逆な性格なんだけど
でも不思議と
一緒にいて安心できるし楽しい

色んな話しが出来る
私の親友


No.48



あれからも
私達はブランコに乗りながら
話しをしていた


好きな人を知ってもらって
心が少し楽になった気がした。


もしも今…
俊也君に私の気持ちを
知られてしまったら


どうなるんだろう…


今は好きな気持ちで
いっぱいだから
先の事なんて
全然考えられないけど


「もうそろそろ帰ろうかな」

「そうだね。時間が経つのって早いね」


時間は18時を過ぎていた


いつの間にか
空は茜色に染まっていて
きれいな夕焼けが見える


「バイバ~イ」

「バイバイまたね」

私達は学校で別れて家に帰った


No.49



「ただいまー」

「おかえり。夕方、千恵ちゃんから電話があったわよ」

お母さんは既に帰っていて
晩ご飯の用意をしていた。

クンクン
匂いからして
今日はカレーだね♪


「分かったー電話してみる」

千恵ちゃんの家に
電話を掛ける


プルルルル…プルルル…

「あ、もしもし古井ですけど千恵ちゃんいますか?」

「リコちゃん、私だよ」


「電話ありがとね。今まで友ちゃんと遊んでたんだー」

「そうなんだ。今日はごめんね。あのね、もうすぐ海水浴出来なくなるから、明日かあさってか一緒に海に行かないかな~と思って」

「いいね~♪行く行く!私は明日もあさっても大丈夫だよ。毎日でもいいぐらい笑」

「笑 分かったよ。友ちゃんにも電話して誘ってみるわ。日にちが決まったら電話するね」

「うん、ありがとう。よろしく~♪」


No.50



そして電話を切った


「♪~♪~♪~」

海に行けるとあってか
気分が上がってしまい
歌を歌っていると…

後ろから

「リコ、音痴ね…歌を歌うのもいいけど、計画的に宿題もしなさいよ!」

とお母さんの言葉


ガクッ

音痴って…

自分でも分かってるよ!!
分かってるけど

誰かにハッキリ言われると
ガックリする


はぁ~
晩御飯まで宿題しよ…

私は自分の部屋に入った


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