テレクラ
先日、接待の帰りに得意先の方に誘われて大阪市十三のテレクラに行きました。
最初は「は⁉今どきテレクラ⁉」と思いながらも相手は得意先の重要な方なので楽しそうに振舞い同行しました。
続きます。
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(番外編)
主です。
2名をチョイスした。
正直なところを言えば、甲、乙、丙をつけがたい。
とりあえずのチョイス。
2人と共に部屋に向かう。
部屋は小さな日本のラブホテルのようだった。
まずは、汗で湿った身体を洗う。
3人で浴室へ入った。
向こう2名はテンションが高い、物怖じする僕をおいてけぼりをした。
2名のスタイルは良い。
足は長く、線も細い。
そして、稚拙ながら日本語を話せた。
続きます。
(番外編)
主です。
湯船は多少広い様に思えた。
2名の内、化粧の薄い方が湯船に背をつけ、その上に後ろ向きに僕、そして、化粧の濃い方が僕を向いて湯船に浸かった。
後ろと前から愛撫を受ける僕の様子を見ながら、相変わらず、2名は高いテンションを保ちながら、現地語でサインを出しているようだった。
任せるまま、されるがままで、湯船に浸かっていると、「ボン!」と音が鳴ったと同時に全ての電気が消えた。
続きます。
(番外編)
主です。
電気が消えた瞬間に、過去の記憶が蘇る。
あれは、ベトナムのホーチミンで日本人カラオケクラブで酒を呑み、歌を歌っていた時に、同じく、一瞬にして電気が消えた瞬間に全てのホステスが控え室に逃げて行ったことがあった。
数分後に電気が復旧すると同時にホステスが戻って来た。
「何があったのか?」
日本語と英語とジェスチャーで尋ねると、公安?警察?かが、見回りに来たとの返答だった。ベトナムは社会主義国だからだろうか?
深い理由を聞かずに、その場を過ごした。
今回は、化粧の濃い方だけが、裸のまま出入口へ向かい、そのまま扉を開けて、大きな声の現地語で何やら叫んで、誰かと会話をしている。
そして、戻ってきて「テイデン」である旨を僕に教えてくれた。
続きます。
(番外編)
主です。
「テイデン」の時間はどれくらいあっただろうか?
僕は湯船に背をつけて、化粧の薄い方の乳房を後ろから触っていた。
そうこうしている内に「ダン」と言う音と共に電気は復旧した。
もう、湯船には用事は無かった。2人に身体を隅々まで洗ってもらい、キングサイズ程度はあるだろうか?そんなベッドに向かった。
2人に愛撫をされる。
右側と左側に分かれての愛撫。
両手で各々の乳房を触る。
共に今度は、生まれたままの乳房だった。
されるがまま。
無様なジャップ。
しかし、快感は脳天を貫いていった。
続きます。
(番外編)
主です。
脳天を貫かれた快感は急所に直撃する。
性感体を刺激する。
我を忘れそうな感覚。リアルな手の平の感覚。
そうしている内に、店側が用意した女のコが部屋に入ってきた。
その容姿とスタイルは濃い方と薄い方を凌駕していた。
一旦、停止した後、新しい彼女はベッドに仰向けに寝る。
無言で、肌に顔を埋めろと刺すような目線で僕を見る。
無言で誘う。
無言で言う。
次は、
言われるがまま。
本能を晒したジャップ。
透き通る肌に溶ける感覚で、深く深く沈んで行く。
続きます。
(番外編)
主です。
いつの間にか、仰向けの僕。
3人になった女達は6本の手と、30本の指で僕を快楽へ導く。
下半身にはローションを塗りたくられ、さっき2回果てたせいか絶頂は遅い。
それは過熱する。
コイルモーターが過回転で焼け焦げるように。
それは発火する。
プロパンが燃焼温度の高い、青い炎のように。
両手に果実を掴みながら、あの世とこの世の境目に立ち、落雷を浴びた様に僕は果てた。
続きます。
(番外編)
主です。
放心状態の精神が、正常へと徐々に滑り戻ると同時に羞恥と懺悔が心を包む。
それは、目を開けることを拒み、五体を動かすことを拒む。
気だるいまま、後始末を行なった。
「アナタ、イイオトコネ、マタ、マッテル。」飽きるほどの拙い日本語を貰う。
「伺える。」
社交辞令ってことを。
「分かっている。」
女は子を宿し、子を産むことを。そして、僕自身もその股ぐらから産まれてきたことを。
「知っている。」
女は時には、腹を痛めた子を棄てる冷酷さを持ち合わせていることを。
如何なる状況でも、
だから、僕は女を求めても、女をどこかで信じていないかも知れない。
続きます。
(番外編)
主です。
帰りには、運転手に先に100バーツと宿泊先のホテルのカードを渡したら、行くときと違い、ものの数分でフロントガラスの向こう遠くにホテルが見えた。
イカサマ加減に辟易していた時に、タクシーは信号の赤色で停止した。
停止したタクシーに
「花のレース?」って言うのか?
「花の首飾り?」って言うのか?を売る少年2人が走り寄って来て、後部座席の窓を叩き、僕に買ってくれと屈託のない微笑みを投げ掛ける。
この国では、もう慣れた光景だったが、この2人は兄弟だろうか。
どことなく、「大樹…」と「洋介…」の様に見えた。
続きます。
(番外編)
主です。
大樹と洋介に見えた僕は、叩く窓に答える様に、窓を開けた。
開けた瞬間に運転手は現地語で
「△*◎★@◆…!!」
と何かを言ってる。
「相手にするな!!」
「買ってやってくれ!!」
「お前、バカだな!!」
どれかも分からない。
まぁ、どれでも良かった。
僕は2人に札を渡し、全ての花の飾りの輪を買った。
両手を合わし微笑む兄弟に
「今日は早く帰れるといいな!」と日本語で話し掛けて、
小さい方の子の頭をゴシゴシ、ゴシゴシと撫でてあげた。
信号は変わり、タクシーは指示通りに前進した。
続きます。
(番外編)
主です。
タクシーがホテルに到着したと同時に、両手で持たなければならない量の花の輪を不在の助手席に置いた。
「他のお客さんにプレゼントしてあげてください。」
そう言う僕の顔を、運転手はキョトンとした顔で一瞬、見た後、両手を合わせて応えてくれた。
降車すると同時に「Goodドライバー」と親指を立てた。
大樹と洋介…。
大樹と洋介…。
2人の名前が頭でこだましながら、渇いて暑い部屋に戻った。
続きます。
(番外編)
主です。
部屋には2つのベッド。
追加料金で各々、個室にし、女を連れて帰れるように旅行幹事が手配してくれた。
エアコンのスイッチを入れると同時に重くファンコイルの音が響く。
相変わらず、腹の具合は良くない。日本から持参した治め薬を同じく、日本から持参した紙パックの焼酎をラッパ呑みで流しこんだ。
テレビには日本人用のNHKから世界天気予報が流れてた。
大樹と洋介…。
紙パックを空にして寝ても、嫌な夢を見そうに感じた。
続きます。
(番外編)
主です。
さすがに紙パックは空には出来なかったが、遠くの記憶を手探りしながら、ラッパ呑みを続けてた。
小汚いプレハブの様な家。
4畳半と6畳、二間の家。
親父は4畳半の方で、お袋の髪の毛を掴み、引き吊り回している。
ゴツゴツと人が人を殴る音がしている。
暑い夜なのに、タオルケットを頭まで被り、奥歯をガチガチ鳴らしながら震える僕がいる。
この現実から、
この事実から、
否定と逃避の文字を知らない、幼い僕がいた。
続きます。
(番外編)
主です。
ありったけの勇気。
ありったけの母を守りたい衝動。
ありったけの全てで、ガチガチ震えてたタオルケットから、飛び出し倒れているお袋に覆い被さった。
「もう、お母さんを殴らんといて!!」泣きながら親父に訴えた。
訴えた僕に親父は顔面に向けて、蹴りを喰らわした。
爪先は僕の右目を直撃し、小さな僕は吹っ飛んだ。
疼くまったまま、一夜が過ぎた。
痛みと屈辱と恐怖と絶望。
一晩中僕は頭で繰り返した。
「いつか、殺してやる。」
「いつか、殺してやる。」
「いつか、お金を稼いで、お母さんを幸せにしてやる。」
「いつか、いつか」
続きます。
(番外編)
主です。
朝に酷い目の腫れの僕。
お袋は近所の目を気にしながら僕を眼科に連れていく。
お陰様で視力は著しく低下していた。
お陰様で呪いは、何かを見る度に思い出せる。
一生、忘れなくて済む。
何度目かの眼科への通院。
ある日、家に帰ると、幼なじみの大樹と洋介の他、みんなが夏休みの日常である、蝉撮りに誘いに来てくれた。
眼帯をした僕に大樹と洋介は「お前んち、いつもお父さんとお母さん喧嘩してんな。」
小汚いプレハブでは、筒抜けなのだろう。
大樹と洋介のその言葉は
蔑むように。
大樹と洋介のその態度は
見下すように。
僕は、いつしか、友達の輪から離れて、木陰から舗装されたアスファルトを眺めていた。
太陽が容赦なく照りつけるアスファルトを眺めていた。
続きます。
(番外編)
主です。
いつからか、友達の輪から離れた僕はいじめられっ子になっていた。
だから、1人で遊んだ。
お袋へは心配を掛けたくないから、笑顔で虫網と虫籠を持って、笑顔で出掛けた。
相変わらず、木陰に座って、灼熱のアスファルトを見ている日々。
フライパンで焼く、目玉焼きみたいになるんじゃないか?
とある日、お袋の目を盗み、冷蔵庫の玉子を1つ取り出して、虫籠に入れて持ち出した。
幼い眼帯のままの僕は、アスファルトに玉子を落としたが、目玉焼きにはならなかった。
そんなことを知ったお袋は僕を叩いて叱った。叩かれる母を守った眼帯の僕を叩いた。
それから、いくつかの日々を過ごした後、お袋は僕の前からいなくなった。
続きます。
(番外編)
主です。
自分を押し殺して生きてきた。
欲しい物を欲しいなんて言ったことも無かった。
大人になってからは、
人が休んでいる時も率先して、働いてきた。
命懸けで働いてきた。
そして、喰えるには困らなくなった。小銭は掴んだ。
そして、銀座で鮨を喰った。
北新地で肉も喰った。高い酒をひっくり返して呑んだ。
でも、何回繰り返しても、何にも満たしてくれなかった。
どんなに高級な物より、お袋が作ってくれた
「春巻き」と「エビカレー」に比べたら砂を噛んでいるようだった。
僕は、現実に目を戻し、ラッパ呑みを止めて、明日のゴルフの用意をして眠りについた。
続きます。
(番外編)
主です。
絶叫に近い叫び声。
自分の叫び声で目が覚める。
覚めた後は空調機のファンコイルの音が重く響いている音だけ。
ばたけた上布団。
こんな目覚めには慣れっこだった。
外国へ行こうが、何をしようが、こんな目覚めには変わりは無かった。
時刻は朝食には早かった。
テレビを点けて歯磨きをする。
鏡の前の僕。
少し、腫れぼったい。
夕べの酒のせいだ。
少し、目が腫れている。
眠りの間に泣いてたかも知れない。
潜在意識の奥底の本当の自分が怒っている。泣いている。
自分を殺して生きている。
そんな自分が嫌だと怒っている。泣いている。
悪夢は無意識な僕に潜在意識が投げ掛ける訴えであるとは知っている。
そんなことよりも、昨日の兄弟は早く帰れただろうか?
全てジャップが買ってくれたことに親から褒めてもらえただろうか?
服を纏いながら、また、強い自分に変身していく。
続きます。
(番外編)
主です。
外国の朝食は大好きだ。
いわゆるバイキング。
普段、果物を食べない僕でも口にする。
開店前のホテルのレストラン。「めちゃハングリー」であることをジェスチャーで伝えたら通してくれた。
パンにコーヒーにベーコン。
目玉焼きは避けて、スクランブルエッグ。
至福の時を終えて、部屋に戻り支度をした。
今日はゴルフ。
日本から自分のセットとシューズは持参していた。
支度を終えて、早めにロビーでタバコをふかしながらメンバーを待っていた。
続きます。
(番外編)
主です。
ロビーでの景色はまるで、東京駅のプラットホームにも思えた。
昨日、部屋へ連れて帰ったであろう彼女と今生の別れのように送るメンバー。
苦笑いを噛み殺し、横目で流していると、山さんが降りてきた。
真っピンクのTシャツの山さん。
驚いたのは、また、屈強な女性を連れていたことだ。
目の前を通り過ぎた2人の後ろ姿は今から工事現場へ向かう、剛質な2人組にも見える。
そんな2人にも、少し、古いがシンデレラエキスプレスを演じている雰囲気であった。
凝視出来ない僕は、片手に握っていた地図を見て、目線を逸らした。
続きます。
(番外編)
主です。
ゴルフ場へ向かうマイクロバスは高速道路を切り裂くように、ブッ飛ばす。
この国に制限速度はあるのだろうか?疑問に思うほどブッ飛ばす。
そんな車中で各々の持ち込みの肴と酒で酒盛りをする。
朝からゴルフ場へ向かうマイクロバス内での酒盛り。
ピンクいや、真っピンクのTシャツの山さんはホテルのバイキングの品々をタッパに入れて、くすねてきた、ベーコンやウインナーを振る舞っている。
おいおい😥
「山さん、それはやめようよ。」
そんな僕の指摘も、山さんは「何で?」って、表情で僕を見る。
山さんへは、マナーや倫理を説きたかったが、昨日の最低な自分が頭に浮かび、喉元まで出た言葉を常温の焼酎で流し込んだ。
続きます。
>> 320
(番外編)
主です。
相変わらず、遠慮会釈なしに、ブッ飛ばすマイクロバス。
いつしか、車窓には、土の「茶」と、木の「緑」と、空の「青」だけの景色になる。
小学3年生のある時、絵の具を買ってもらえなかった僕は、テーマである「学校を書く」を少ない絵の具で画用紙に絵を描いた。少ない絵の具は茶色と黒色と緑色。
思案して、運動場の絵を描いた。
だが、ほとんどの一面が茶色に化しただけの画用紙を担任の先生は、僕の絵を絵とは認めずに僕に投げぶつけた。
そんな記憶を思い出す、小色の景色。
そんな記憶を思い出す、単色の景色。
指摘したかったはずのウインナーを口に運び、酒を煽るマイクロバスの中の僕。
続きます。
(番外編)
主です。
ここは、名目カントリー。
タイガーウッズが優勝したコース。大きなパネル写真のウッズは勇ましい。
ティーラウンドでドライバーを握る僕。
既にマイクロバスで出来上がってしまい、真っ直ぐに立てないくらい。
1人ずつに付くキャディー。
僕のキャディーは機嫌が悪い。
恐らく、キャディー同士は「賭け」ている。
付いた客の成績でキャディー間で「博打」をしている。
そんなことを、お構い無く、酔いながら力任せに満振りの僕。
フックにスライスにボールも機嫌が悪い。
続きます。
(番外編)
主です。
コースはタフだった。ラフは深く、グリーンも難しい。
だが、そんなことよりも酒の抜けない僕。
容赦ない灼熱の太陽。
成績は散々。
いや、
散散散散々だ。
外国でのゴルフは昼食を挟まない。休憩もなく18ホール廻る。
終了前に既にフラフラの僕。
全てのラウンド終えた後に、キャディーへは相場の3倍のチップを渡した。
無言の「賭け」へのお詫び。
お金でしか、償えない。
斜めだった、ご機嫌が嘘のように晴れ「微笑む」キャディー。
それはまるで、スコールの後の太陽の様に、眩しい「微笑み」だった。
続きます。
(番外編)
主です。
シャワーの後のマイクロバス。
帰りの勢いは、行きよりも増してるがの如く高速道路を切り裂く。
成績を肴にするメンバー。
耳の痛い話題。
しかし、空腹のメンバー。
何を喰うか、ケンケンガクガクのメンバー。
じゃぁ、タイしゃぶは?
僕は、提案した。
日本食に近いタイしゃぶ。
タイ料理のタイしゃぶ。
得手も不得手も満たしてくれるだろう、タイしゃぶに全員賛成してくれた。
続きます。
(番外編)
主です。
タイしゃぶの店に到着するマイクロバス。
腹を空かせたメンバーは我先にと降車する。
僕は、いちばん後ろで降車し、降車する前に、マイクロバスの運転手にチップを渡し、「喰う」ゼスチャーを示した。
「待ってる間になにか食べておいて。」
ジェスチャーは通じた模様だ。
両手を合わせる運転手。
僕も両手を合わせて応えて、その後に「Goodドライバー」と、親指を立てた。
運転手のその「微笑み」は、先程のキャディーより、キュートに思えた。
続きます。
(番外編)
主です。
タイしゃぶ店でのメンバー。
鬼畜で、貪り喰らいつくジャップ。
喰い汚いジャップ。
僕は、空腹に反比例し、食欲はない。メンバーの貪り喰う姿に嫌悪を抱く。
食後のマイクロバス。
乗車時もいちばん後ろで乗車した。
「何か食べたか?」ジェスチャーの僕に右手で答える運転手。
僕は、何も言わず、「微笑み」でなく「笑顔」で返した。
マイクロバスはブッ飛ばす。
貪った後に睡魔に負けるジャップ達を乗せて。
マイクロバスはブッ飛ばす。
欲求に身を任すジャップ達を乗せて。
続きます。
(番外編)
主です。
ホテルの部屋に着く。
また、数班に分かれることになった。
僕は、今夜は、日本人街のタニヤへ向かう班に合流すると決めた。
とりあえずの休息のホテルの部屋。
ロビーへの待ち合わせまでには、時間が余った。
頭の中で、時間を逆算すると、ホテル内のタイマッサージを受けれることの計算を立てた。
マッサージは部屋へ呼んでも良かったが、ホテルのマッサージ場で受けることを無意識にチョイスし、ラフな恰好でエレベーターを降り、マッサージ場へ向かった。
続きます。
(番外編)
主です。
マッサージ場に客は僕が独り。時間的にも、空いていることは、安易に答えは出た。
マッサージ嬢は、20歳ぐらいだろうか?
髪は長いが束ねていて、マッサージ用の衣服を身に纏い、独特の「若さ」のオーラを放っていた。
タイマッサーには、屈強な体格の子か、残念ながら顔で商売が成り立たない子が、多かった。
しかし、今日のマッサージ嬢は、明らかにそれに合点しない。僕は、身を任せ、成績の良し悪しは別として、ゴルフの疲れをほぐしてもらった。
続きます。
(番外編)
主です。
案の定、若いマッサーは、ものの数分で、愚息付近を執拗に触れ出す。
案の定、それに、意思とは関係なく、反応する愚息。
案の定、ふしだらに白旗を挙げ、身を任せるジャップと化す。
交渉を投げ掛けるマッサー。
反応しつつも冷静なジャップ。
あくまでも公の場であることは、念頭にあった。
「で?」とマッサー。
「じゃぁ、手で」とジャップ。
あからさまに手で刺激し出すマッサー。
「金額はどれくらいで?」とマッサー。
誰かが来そうな不安を刺激に感じ、相場を示す、ジャップ。
「それでは足らないね。」とマッサー。
相変わらず、刺激を続ける。
そんな数分の交渉のまま、刺激を受け、マッサーの若い腕にしがみつきながら絶頂を迎えるジャップ。
結局、相場以上を霞め取られた。
残念ながら、テクニックに伏すジャップ。
残念ながら、刺激に弱い愚息。
マッサージは絶頂と共に終了し、薄暗いマッサージ場に、相場以上を支払う惨めなジャップがそこにいた。
続きます。
(番外編)
主です。
フラフラのまま、部屋に戻る。待ち合わせまでの時間の逆算には、まだ少し、余りがあったのでシャワーを浴びて、服を着替えた。
多めに持参したTシャツも、汗かきの僕には不足を示し、スクンビッドで購入することを計算させた。
不精髭を剃り、歯を磨き、待ち合わせの時間までに調整した。
今夜は女を連れて帰るかも知れない。
念のため、執拗に部屋は片付けて、ロビーへ向かった。
そう、この時には、僕の考える世界観が変わることをまだ、知らず、ロビーへ向かった。
続きます。
(番外編)
主です。
ここは、タニヤ。
ジャップの言語がある程度通じ、ジャップが円の力で構築させた街。
何度となく踏み入れた、欲求をあからさまにしている街。
コネで教えて貰った知らない店。
そこは、ビルの3階にあった。
コネで開店前に入店出来た。
女の出勤は定刻に満たさず、ホステスは、まばらだった。
少し、ぬるめのタイビール。
女達の出勤を待つジャップ達。
そうこうしている内に、着飾った数名の女達が、ゾロゾロ雛壇へ向かう。
雛壇へ座ると同時に「微笑み」をくれる女達。
そんな中に1人、着替えを終えて、少し、不機嫌そうに雛壇へ向かい歩く「No.18番」を見つけた。
今度は、甲、乙、丙で悩まなかった。
見た瞬間に電流が走った。
座るまでに、指名した。
雛壇からは「あ~」とため息が聞こえる。
彼女は雛壇に座る必要はない。俺は、お前がタイプだ。
そう、誇示するかのように呼びかけたが、相変わらず、不機嫌そうであった。
続きます。
(番外編)
主です。
「No.18」はホステスとしては、未熟。いや、最低だった。
簡単な日本語は通じたが、やる気が全くない。
盛り上がる他の班メンバー達。
僕の奥手も手伝い、それに相反し、盛り上がらない僕と彼女。
宴もタケナワになり、各々で分かれることになったが、今日、この彼女を連れ出すべきか、最後まで悩んだが、成り行き上、連れて帰ることを店に告げた。
店を出て2人になった。空腹を感じ、「日本料理に行く?」と、尋ねたが首を横に振る。
「日本料理嫌い?」ゆっくり彼女に尋ねた。
「ニホンリョウリ、スキ、デモ、オカネタカイネ。アナタ、オカネツカワナクテイイ。」
一瞬、「ん…?」と思った。
「じゃぁ、何が食べたいの?」と尋ねたら、彼女は僕の手を握りながら、歩き出した。
続きます。
(番外編)
主です。
彼女に連れられたのは、コンビニみたいな店。
パンみたいなのをレジに運ぶ彼女。
「ちょっと、俺、払うよ。」
「ワタシガ、アナタ、ゴチソウスル」と彼女。
価格は知らないが、何度目かのタイで初めてタイの人にごちそうになるようだ。
買い物を済ませ、タクシーを呼ぶ。
運転手に対し、現地語で行き先を告げてくれる彼女。
今夜は、専属ガイドがいるのと同じだ。
先払いしなくても、直ぐにホテルへ運んでもらえた。
フロントに身分証を提示させ、1名の追加料金を支払い、彼女を部屋に招いた。
「お腹すいた?」ゆっくり、尋ねる僕に、店では見せなかった、ありったけの笑顔で「オナカ、スキマシタ。」と答えた。
初めて見る笑顔に、胸が「キュン」と鳴ったのが、確かに分かった。
続きます。
(番外編)
主です。
簡素ながら食事を済ませた。
その感謝を僕から両手を合わせて気持ちを伝えた。
そんな僕に彼女も両手を合わせて応える。
食事の後、テーブルはそのままで、拙い日本語の彼女と、ジェスチャーを交えながら話すジャップがいた。
貧困な田舎。
父と母に楽をさせるためにバンコクへ来た。
しかし、酒を呑み、体を委ねることへの苦しみ。
だけど、将来は親に家を建ててあげたい。
そして、日本人のパトロンがいるらしく、執拗な嫉妬に苦労するが、嫉妬に比例しての対価は貰えていない。
そして、パトロンの変質に従わなければならない現状。
ケチなジャップ。
スケベなジャップ。
本能むき出しのジャップ。
遊びにかまけるジャップ。
だから、ジャップは華僑には勝てない…。
しかし、僕には、否定と批判をする権利はない。
僕も同じだ。
同じ穴のむじなだ。
続きます。
(番外編)
主です。
そんな身の上話と共に、簡単な日本語教室を開校した。
「発音」「読み」「書き」。
どれくらいの時間が経っただろうか?恐らく、夜半過ぎだ。
しかし、楽しかった。
笑い合いながらの日本語教室。
向かい合った2人。
安らぎの時間。
しかし、睡魔が訪れる。
ベッドは2人を呼んでいる。
シャワーを浴び、彼女は仕事に入ろうとする。
そんな彼女に僕は、伝えた。
今日は、交わりはいらないと。
「アナタ、オンナ、キライ?」
「ううん。大好き。」
笑い合う2人。
「でも、今夜はいいんだ。その代わり、ベッドは2つあるけれど1つで一緒に寝てくれないか?」
「そして、夢にうなされて、目が覚めたら抱き締めて欲しいんだ。」
ジェスチャーと噛み砕いた日本語で伝えた。
彼女は笑顔で了承してくれた。
続きます。
(番外編)
主です。
目が覚めた。
既に抱き締められている僕。
柔らかく、暖かい目覚め。
彼女の話では、僕は、朝早くうなされていたらしい。
彼女は従順に。
彼女は約束通りに。
彼女は昨夜の日本語全てを理解出来ずに、うなされた僕を優しく抱き締めて、優しく抱き締めたまま起きて、数時間を過ごした。
優しい目覚めだった。
暖かい目覚めだった。
愛しさに包まれた目覚めだった。
他から見ればバカな奴。
知っている。
彼女が何をしに泊まりに来たかを。
分かっている。
そんなことで、喜ぶ淋しさを。
でも、本当に暖かい朝だったんだ。
でも、本当に満たされた朝だったんだ。
だから、涙が出たんだ。
続きます。
(番外編)
主です。
「ドウシタノ?」
尋ねる彼女の肌に涙粒がつたう。
彼女に無言で、ギュッと抱き締めて答えた。
昨日の話、貧困を恨まず、苦痛に耐えて、それでも親を幸せにしたい小さい力と優しさ。
その優しさの片鱗を貰えただけで普段、絶対に泣かない僕は、彼女の胸で嗚咽する程、泣いた。
産まれた国や社会や経済や歴史に関係なく、優しかった。
彼女は抱き締めてくれた。
まるで、子供をあやすように。
彼女は背中をさすってくれた。まるで、子供を慰めるように。
それは、優しくて、孤独を癒してくれ、安らかで。
嗚咽は止まらなかった。
続きます。
(番外編)
主です。
彼女に朝食を誘ったが、太るのと、眠いのを理由に断られた。
レストランへ行くと、昨日のウェイターが
「めちゃハングリー」の大阪弁のジェスチャーをしてくれた。
余程、印象にあったのだろうか。微笑みで返し「NO‼」と答えて、「めちゃめちゃハングリー」をジェスチャーで示し、
独り言で「なんのこっちゃ。」と呟いた。
ジャップは贅沢だ。
昨日は大好きに思えたバイキングに、もう、飽きている。
レストランには、朝からタイビールを呑む旅行幹事の姿があった。
僕は、旅行幹事に今日の観光をキャンセルしたい旨を伝えた。
旅行幹事は深く聞かず、笑顔で「りいち君、そんなに昨日の子、良かったの?」とスケベ顔で尋ねる。
「ええ、もう、腰がガクガクですよ。」と適当に答えた。微笑みを添えて。
続きます。
(番外編)
主です。
食事を終えて、出口でウェイターがどうも僕が気に入ってくれたらしく、何やら現地語とハチャメチャな日本語で話掛けてくる。
意味は分からないが、とりあえず、握手をして彼の肩を叩いた。
ウェイターは、覚えたての「めちゃめちゃハングリー」のジェスチャーをしてる。
「オッケー、ナイス、めちゃめちゃハングリージェスチャーやで。Good!」と誉めてあけだ。
どうも憎めないウェイターだ。
部屋に戻ると身支度をする彼女がいた。
「今日のあなたの1日、僕にくれないか?」
僕は、言った。
昼は付き合えるが夜は店へのフィーはいるらしい。
なるほど。
当たり前の理論だ。
「じゃぁ、僕に1日ください。」
即答した。
続きます。
(番外編)
主です。
(僕がしたいこと。)
・Tシャツが欲しい。
・サングラスが欲しい。
・バンコクの電車に乗りたい。
・バンコクの下町を散策したい。
(彼女がしたいこと。)
・一度、部屋に帰って着替えたい。
・ボーリングがしたい。
(彼女がしなければならないこと)
・店に連絡すること。
・パトロンに体調が悪いと嘘の連絡をすること。
歪で不正常な関係。
たった1日の関係。
でも、彼女は確かに「営業」であるが、
・昨日、何もしなかったこと。
・今朝、嗚咽したこと。
その2つで、昨日、出会った不機嫌さはなく、いつも笑顔でいた。
それに利害はない。
それでいい。
続きます。
(番外編)
主です。
相変わらずの灼熱。
しかし、日本のようなまとわりつく湿気はない。
手を繋ぎ、本当のバンコクへ飛び出した。
なんだか、いつも笑顔でいてくれた。
なんだか、僕も笑顔だ。
交わったからこそ理解出来る関係よりも、まるで、それを知らない中学生のようだ。
なんだか、とても自由だ。
なんだか、とても自分らしい。
そして、電車とタクシーを乗り継ぎ彼女の部屋に着いた。
続きます。
(番外編)
主です。
下町の中に雑多で喧騒の中、幼き自分が育ったような風景。
そんな場所に彼女の部屋はあった。
僕は、女性の部屋は苦手だ。
それは、その人の全てとまでは見えないが、その片鱗が見えるからだ。
壁に飾られた何代か前の国王の写真。
タイの人は、国王への忠誠に厚く、神への信仰が深い。
居心地の悪さに、痺れを切らしかけた時にようやく、着替えが終わった。
そして、彼女は笑顔で空腹を訴えた。
続きます。
(番外編)
主です。
フリーマーケット。
いや、そんな表現じゃない。
「青空市場」その言葉が似合う。そんなところへ案内された。
食料に果物に生活衣類など、地べたに無造作にならべなれている。
活気は凄まじく、人をかわせて歩けない程の息苦しさ。
その中にあった、小汚い屋台の店。そこで、食事をしようと彼女。
僕は、タイ料理は苦手だと平謝りした。
でも、彼女は絶対に大丈夫と強引に僕の手を引く。
現地語で注文してくれたのは、プラスチックの皿に、ごはんの上に鶏肉が乗せられただけの質素な物。
そしてまた、支払いを済ませてくれた。
続きます。
(番外編)
主です。
質素な食べ物に、特性のタレをかける。
行儀が悪いのは承知で、匂いをかいだ。
恐る恐る、口に運ぶ。
う・美味い!!
凄く美味い!!
彼女は本当に屈託ない笑顔をくれ、自分の皿の鶏肉を僕の皿に乗せてくれた。
次は
買い物。値切りはしたがある程度で彼女に阻止された。
「彼等にも生活がある。」
僕は、これから以後、アホだのバカだの言われても外国で二度と値切ったことはない。
続きます。
(番外編)
主です。
さながら、デートするカップルである。
渇いたピンの倒れる音。
あまり、ボーリングは好きではない。しかし、それを興じている間抜けな僕がそこにいた。
日本でも、一度、奈緒に無理に連れて行かれたが、あまりの無様な格好に「嫌いになりそう。」とまで、言われたこともある。
平均50点ぐらいの腕前。
ゴルフとチェンジしたい点数しか出せない。
しかし、彼女の希望になんとか応じた。
ひたすら手加減なしに、満ぶりでボールを投げ込む。
手抜きが出来ない性分。
ボールはマッハの如くスピードをあげて進むがガーターに吸い込まれる。
あまりの早さにガーターで、ボールが跳ねあがる程の時もある。
へとへとになった僕がいた。
続きます。
(番外編)
主です。
全力の僕に彼女は、お腹を抱えて笑ってくれた。
より、親密になれたのなら、無駄な努力では無かったようだ。
彼女の笑顔は可愛かった。
松田聖子の娘のなんとかに似ていた。
お人形さんが、そのまま、大きくなったような顔だった。
2人で「健全」なタイマッサージを受けに行った。
2人で「大好き」な日本料理を食べに行った。
2人で「憧れ」のタイの電車に再度、乗った。
夜も更けて、ホテルへ戻る。
明日の朝、日本へ帰る、最終夜。
開校したばかりの日本語教室の最終夜である。
続きます。
(番外編)
主です。
部屋に戻り、彼女に日本語を懇切丁寧にレクチャーしながら、帰り支度をしていた。
彼女はクレバーだ。
恐らく、早い内に完全に日本語をマスターするだろう。
支度と日本語教室を終了させた後、ベッドの誘いを受ける。
今夜も交わるつもりはないことを彼女に告げた。
彼女に「魅力がない」訳ではないときちんと説明した。
彼女に「同情してる」訳ではないときちんと説明した。
だから、また、昨日の様に寝たいと彼女に申し出た。
彼女は微笑みながら、なんとか理解をしてくれて、僕たちは1つのベッドに収まった。
昨夜と違い、自ら近付いてきて、背中をさする彼女がいた。
時折、キスをくれた。
それは、誘惑のキスと感じながらも、額を彼女の額に当てながら、子守唄をもらったかの様に眠りについた。
続きます。
(番外編)
主です。
眠った時と同じ姿勢で目が覚めました。
目を開ければに既に彼女は目を開けていた。
「アナタ、ヤサシイネ。」
「アナタ、イイオトコネ。」と目覚めと同時に手の指で頬をなぞる彼女は、いつから目覚めて、いつから僕を眺めていたのだろう。
彼女の瞳は深い黒色で、ジッと僕を見つめて、まだ、薄目しか開けれいない瞼にも、優しく指でなぞっていく。
そして、指は耳たぶへ。
そして、指はうなじへ。
そして、指は背中を降り、真ん中あたりまで来た時に、指は手の平に変わり、細く弱い力ながら全力で僕を抱き寄せた。
続きます。
(番外編)
主です。
抱き寄せられた僕。
頬に、唇に、鼻先に、額に、瞼に彼女は軽くキスをしていく。
僕は、無言で、小さく首を振る。
「ダメだよ。」のサイン。
「もう、いいよ。」のサイン。
そんな僕のサインを頬に手のひらを当てて、停止させ、軽いキスを続けていく。
本音は抱きたいけども、抱きたくなかった。
抱かずに終わらせたかった。
彼女へは快楽だけを求めてはいなかった。
しかし、彼女はキスをしながら、布団の下では秘部が潤っていることを僕の膝や足に伝えている。
互いに目を開けながらのキスは長く、長く、続いている。
キスをする音。
僕の呼吸の音。
シーツが擦れる音。
それを聞きながら、ゆっくりと、ゆっくりと瞳を閉じる僕。
続きます。
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