自分を信じて…
30半ばを過ぎ、自分が歩んで来た道を振り返ってみた… 忌まわしい過去 辛かった… そんな中で望んた事…笑いたい…自分らしく生きたい… 今思えば、あの頃の私がいたから…今の私がいる。 未来は自分の手で切り開く… 誰もが その力を持っている。 どうか諦めないで…
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目が覚めたら夕方だった。『どれくらい寝てたんだろう…』 階段を登る音がした。「起きたか…おい!どういう事だよ!正直に言えよっ!」 思い出したくなかったが…覚えてる事だけ話した。ボソボソと…話した。 「顔みたのかよっ!」『背後から目隠しされて解らなかった』 「車は!?」 『最初振り返った時チラッと見たのは…白』「見てね~のかよ!何人だ!」? 『3人か4人か…解らない』 「何も解らねぇのかよっ!逃げようと思えば逃げられただろ!お前にスキがあったからじゃねぇか!!!」 ナニコノヒト… 『殺されると思った!男2人の力で押さえられて敵うの?私が悪いの?スキって何?……………!!』 殆ど暴言に近い言葉を発してたと思う。 バッグを持って 階段掛け降りてとびだした。なんか言ってたけど私は、聞く耳持たなかった。
とにかく走った。ワケ解らなくなって走った。車に敵うはずなく…結局 追いつかれて車に乗せられた。 人目のない場所で口論になり…本当にどうでもよくなったのと、やけくそ…当て付け…悔しさ…色々な気持ちが私の中で爆発した。 バッグからカミソリを出して手首を切った。ザックリ…何ヶ所も。青い顔して あの人が手首を押さえた。 沢山血が出たけど痛みは感じなかった。 そのまま病院に運ばれた。暴言吐きながら相当暴れてたらしい。 手当てを受け 暫くして双方の両親がきた…あとは…良く覚えてない。地元には戻りたくない…と、わめいてたらしい。私は最低な人間だ…
自分がどうしたいのか解らなくて半狂乱になってた。『触るな!』そればかり叫んでた。ウチの親に何か言ってたけど、覚えてない。あの人に押さえつけられ 車に乗せられ家に向かった。 周りから見たら頭オカシイ女『ふざけんじゃねぇよ!てめぇ何様のつもりだよ!』 ダッシュボードに蹴り入れて暴言吐きまくり…「落ちつけ…落ちつけよ…」 引っ張っられながら2階に行った。 相当酷い姿だったと思う…流石にあの人は目に涙を浮かべてた。
あの人が泣いてる…何で泣いてるの? 暫く無言でいた… どれくらい時間が経っただろう…あの人のお父さんが部屋に入ってきた。 バシッ!!! 私はビンタをくらった「預かってる身なんだ!何やってんだ!」 『ごめんなさい』 泣きながら謝りました。落ち着いてから実家に電話して『ごめんなさい』と何度も謝った。傷はそこまで深く無かったが…後は残った。時々…見ると思い出す。バカな事した…本当に親不幸な娘だ。
私は あの人に酷い事をしたかも…冷静になれた時 考えた。 『最低な事をした…』私を見るのが辛かったんだと思う。毎晩飲み歩いて深夜帰宅。 あの時の私は素直に 自分の気持ちを伝えられなかった。本当は寂しかったんだと思う。お互い素直じゃないから 皮肉しか言えなかったんだと思う。 この頃から…過食になっていった。
とにかく食べた。なんでも良かった。ご飯 パン ポテトチップ… テーブル一面に好きな物並べて一気に食べた。食べる時だけイヤな事を忘れられた。寂しくなかった…その後は水を飲み 指を突っ込んで吐く。過食嘔吐。当時、自分は病気と気が付いてなかった。 時には泣きながら食べた…何故泣いてたのかは…思い出せない。
時々だけど、あの人は優しくしてくれた。 喧嘩になると相変わらず口論になったけど…出掛ける時は なるべく一緒に連れて行ってくれた。 そして 私はハタチになる…。 その頃 あの人の友達(カナの元彼)は色々あって、結局結婚しなかったらしい。 違う 彼女と付き合い始めてた。私は、その彼女 ミカさんと仲良くなった。ミカさんは 私の1コ上。何処か寂しそうに見えたけど、前向きで優しく、自分に素直で明るい人だ。よく4人で出掛けた。ミカさんと知り合ったこの頃が一番楽しかったかもしれない。
ハタチの夏…皆で海に行った。泳がなかったけど 子供みたいに…はしゃいだ。夏祭りにも行った。秋…だんだんとカナと会わなくなった。まだ…ミユキとツルんでたからだ。また薬に手を出した…と知り合いから聞いたのだ。本人に確認したら認めた…。他にもカナ絡みのモメ事に巻き込まれたり…カナは元彼に、妊娠して中絶した…と嘘をついて金を取ろうとしたり…無茶苦茶だった。私はそれを知ってカナから離れていった。冬を迎え、私は成人式を迎える。地元の会場で受付だけ済ませて帰った。
21歳の春…二度目の妊娠。服用してる薬も だんだんと少なくり 体調も 前よりは良くなってきたらしい。 妊娠したと報告して胎児に影響が出ない薬に切り替わった。 そして夏…入籍。 出産予定は冬。 あの人は「今度こそ…俺なりに幸せにする」と言ってくれ、その時初めてプレゼントを貰った…。結婚指輪。 双方の父親は 今度こそ孫が出来る…と喜んでた。沢山沢山迷惑かけて 勝手な事ばかりしてきたのに…喜んでくれた。そして、秋…ミカさん達が結婚。 スピード婚だった。
入籍したからといって、特別変わる事はなかった。変わった…と言えば姓と、あの人は前より増して飲みに行く回数が、かなり増えた事。子供が産まれたら、今までのように出掛ける事も難しくなるから、出産までは目をつむろう…と思った。ご両親も気を遣って下さって、出産が終わるまでは、とにかく無理をするな…と言われ、私は殆ど家事をしなかった。洗濯を干す程度だった。
安定期に入ってからは、なるべく動くようにした。初産は10時間程掛かると聞いてたので少しでも出産をラクにしたいと思ったからだ。家事も出来る事はやり、散歩をしたり…なるべく歩いた。そして冬を迎え…出産予定3週間前に迫った。 私は、あの人に『そろそろ夜は家に居て。いつ陣痛が来るか解らないし…』とお願いした。「解った」と言ってくれ、家に居てくれるようになった。 それから一週間後…なかなか出て来なくて辛かったけれど…無事に出産しました。
双方の両親、あの人も…喜んでくれた。新生児室に並んでる赤ちゃんを硝子越しから見て「ウチの子が一番可愛い!」…と。よくテレビで見る ありきたりな言葉だけど、嬉しかった。きっと…いいパパになってくれる…私も頑張ろう…と、思った。あの時の…あの人の笑顔…今は…ぼんやりしてて思い出せない…
私は22歳で母親になった。当時、私の周りには子供を産んだ友人が居なかった為、殆ど実家の母親か、お姑さんからアドバイスを頂きました。何も解らない私は、育児書を買ったり保健センターに色々相談したり…手探り状態の子育てでした。何年も薬を服用してた為、母乳はあげられず粉ミルクでした。 3時間おきの授乳は、キッチリ3時間後、オムツは節約の為、布オムツを使用。初めての子育てだった為、かなり神経質になってしまいました。あの人は初めの頃、子供をお風呂に入れてくれました。オドオドしながらでも一生懸命やってくれて、とても微笑ましい光景でした。
一番辛かったのは夜泣きだった(汗)よくある事だが、抱き癖もついてしまうし、寝付きが悪く…なかなか寝てくれなくて、家の事まで手が回らなかった。 子供を抱っこしたまま自分も寝てしまったり…ハッとして起きて、そろ~っとベビーベッドに寝かせようとすると「んぎゃ~!」 寝付きが悪く、ミルクも あまり飲まない…夜泣きは酷い…正直な気持ちを言えば、私の方が泣きたくなる日もあった…子供が2ヶ月になるまで、買い物と夕飯は、お姑さんがしてくれたので本当に助かった。
子供が生後2ヶ月になり、私もだんだんと家事をするようにした。音に敏感な子なので、寝てる時に掃除は出来ず…おぶって掃除をしたが、結構広い家だったので、毎日の掃除は正直きつかった(汗) 夕方までに家の事を終わらせるようにして、赤ちゃんを、お風呂入れてもらってる間、夕飯作ったり…という日々でした。 しかし…あの人が入れてくれてたのは生後1ヶ月くらいまでで、生後2ヶ月近くになった頃から だんだんと少なくなり…家にいるのも少なくなってきてた。
ポケベルは節約の為というのもあったが、今までみたいに友達と遊ぶワケにもいかないので、私は解約した。 あの人は…何を思ったのか携帯が欲しい…と言い出した。当時、携帯は まだ高くてキャンペーン中でも6万程だったような気がする。生活の為に、あの人の小遣いも減らさなければならない状況だった。『金銭的に無理だし 今は必要ないんじゃない?そんな大金ないよ』「パチンコで儲けたから、その金で買う」『え…?だったら少しでもいいから生活費にも…』「何で生活費に回すしかねぇんだよ!」…その後は口論…結局、勝手に携帯の契約をして月々の支払が増えた。新車購入して1年経過した頃で、車のローンは片手チョット…小遣いの他にも色々必要とかで よくお金をせびられてた。
携帯を持ってからは、殆ど家に居る事がなくなった。仕事から帰って来ると、着替えて すぐ出掛けて行った。『何処行くの?子供お風呂入れてくれないかなぁ?』と聞くと「帰ってから入れる」と言って出掛けていく。 夜9時…10時になっても戻らない。仕方なく私が入れて寝かしつける。あの人が帰るのは深夜1時~2時。毎日続けば、当然不満が出る。『いい加減にしてよ。子供とコミュニケーション取れなくなっちゃうよ?お風呂は約束でしょ?』「うるせぇなぁ…文句あるなら出て行けよ!」 私は唖然とした… 【この人…なに?私…間違った事言ってないよね…】心の中で呟いた。。。そして口論…【また…あの頃と同じになるんだろうか…】
流石にお舅さんが見かねて「遊びに行くのは構わないけど、赤ん坊風呂に入れてからにしろ!」と、言ってくれたけれど…私は少々首を傾げた。【遊びに行くのは構わない…?】案の定あの人は 子供を風呂に入れていけば文句言われる筋はない…と思ったらしい。 お風呂に入れてから出掛けて行き、帰宅は深夜2時…というのが暫く続いたが………長くは持たず、仕事から帰ると言葉を交わす間もなく、さっさっと出掛けて行く始末。 私はため息が多くなっていった…。
私は正直クタクタだった。我が子は寝付きが悪かった為、殆ど寝不足の毎日…眠れる時間があれば、寝たかった…しかし、あの人は勝手な事ばかり言ってきた。私がウトウトした頃帰って来て、何も言わずパジャマを脱がされる…『何?疲れたから寝かせてよ』無視…強引にセックスを求められる…嫌がる私を無視。一言「黙ってろ」…あの時の忌まわしい記憶が頭の中を駆け巡った…声も出さず、ただ…歯をくいしばって早く終わる事を願った。私にとって…セックスは物凄く苦痛で、人形のように表情を固める事しか出来なくなってた。。。
そして二人目を妊娠…ミカさんも妊娠してた。初めての子だ。時々ウチに遊びに来てくれ 妊娠中の事や、育児の事…色々な事を話した。しかし…私は切迫流産になってしまい1週間入院…安静が必要となり子供を連れて、暫く実家に帰る事になった。私が居ない間、あの人は かなり自由だったろう…時々電話は くれたが…「いつ帰って来るんだ?」の言葉が多かった。 実家には2週間程いる予定だったが、ついつい甘えてしまい1ヶ月近く居てしまった。
嫁ぎ先に戻る為、あの人が夜迎えに来る事になった。私はチョット憂鬱になり、気分転換も兼ねて昼間近くのスーパーへ買い物に行く事にした。歩いて5分も掛らない。道路を横断する為、横断歩道の前で信号待ちをしていた…何気なく…フと左側を見た。黒のワンボックスが目に入った。見覚えのある人が運転してた…近づく度に目を凝らした。『アキラだ…』アキラは私に気が付く事はなかった。何故か私は嬉しかった。暫く横断歩道の前に立ったまま…車が見えなくなるまで…立っていた。
嫁ぎ先に戻る為、あの人が夜迎えに来る事になった。私はチョット憂鬱になり、気分転換も兼ねて昼間近くのスーパーへ買い物に行く事にした。歩いて5分も掛らない。道路を横断する為、横断歩道の前で信号待ちをしていた…何気なく…フと左側を見た。黒のワンボックスが目に入った。見覚えのある人が運転してた…近づく度に目を凝らした。『アキラだ…』アキラは私に気が付く事はなかった。何故か私は嬉しかった。暫く横断歩道の前に立ったまま…車が見えなくなるまで…立っていた。【元気そうで良かった。頑張ってるんだなぁ…私も頑張ろう】心の中で呟いた…23歳を迎える春の出来事だった。
買い物を済ませて実家に戻った私は、真っ直ぐ食器棚に向かった。扉を開けて沢山並んでる食器の中から奥の方を探すと…あった。 アキラから貰ったマグカップ…春といっても、既に桜も散り そろそろ初夏を迎える頃だったが、私は温かい紅茶が飲みたくてポットからお湯を注ぎ、ティーバッグとミルクを入れミルクティーを作った。真っ白なマグカップに金色のロゴ…ありふれた土産物だけど、私にとっては宝物だった。『美味しい…』このマグで飲むと不思議と心が癒されてた。 『明日から また頑張ろう…』
夜、あの人の迎えが来て私は嫁ぎ先に戻った『心配かけてすみませんでした』ご両親に浅くお辞儀をしてリビングのソファーに座ると「息子が心配掛けるからお腹に影響出たんじゃないか?家に居るように言った方がいいぞ」と言われました。 『そうですね…』としか返事が出来ず、私は苦笑いをした。 久々に孫が戻って来て嬉しかったようで、この日は お舅さんがお風呂に入れてくれた。その後、あの人が子供にパジャマを着せてくれて私はホッとしたが…お舅さんがお風呂から出る前に、さっさと出掛けてしまった。 私のため息は 益々大きくなり、側ではお姑さんが困った表情をしていた…。
翌朝から、私は弁当を作る為に今までよりも早めに起きる事にした。家族分の朝食も作り 時間になったら あの人を起こしに2階に登る。毎朝シャワーを浴びるので少し時間に余裕を持たせなければならない。『時間だよ、起きて…』「ん…ん~」寝起きは かなり悪かったので機嫌を損ねないようにするのが大変だった…「風呂入るから服持って来い」 『何来て行くの?』 「〇〇のTシャツ」 私はタンスの中、洗濯物をたたんである所を探したが見つからなかった『見つからないから違うの着て行って』「あ~?何でないんだよっ!!探せ!」あの人はキレだした…。 もしや…と思い洗濯機の中を覗くと…あった…どうやら洗濯してなかったらしい。 『あったけど、洗濯してないみたい。』 「何で洗っておかね~んだ!!!」またキレだす…『私昨日帰って来たばかりだし…』 「夜でも洗えるだろ!!!役にたたねぇ女だなっ!」『なにそれ…そんな言い方しなくたっていいでしょ!』 「なんだと…このクソアマ!!!」 あの人はリビングの椅子を蹴り倒し、その辺にあった物を床に放り投げながら 私に向かって来た。
私は体が凍りついた…『殴られたらどうしよう…お腹の子が…』 私は両手でお腹を隠すようにした。「テメェは いちいちうるせぇんだよ!」叫んだとたん舅さんが 起きてきた「何やってんだ!」あの人は 舅さんから文句言われるのが面倒くさい様子で、舌打ちをしながら風呂場へ行った。舅さんが私に声を掛けてきた「朝から何をやってんだ?」 『すみません…着たかった服が無かったようで機嫌悪くなっちゃって…』舅さんはため息をついた後「嫁は旦那の機嫌を上手くとるのが当然だ。仕事に行くんだから下着から服まで揃えてやれ。」 『え…?』私は言葉が出なかった…もっと違う言葉が出ると思ってたのだろう…唖然とし過ぎて頭の中が真っ白になったのを覚えている…。
ボーっとしながら私は、とりあえず…あの人の服を用意した。あの人は、眉間にシワを寄せながら風呂から出てきた。舅さんは、あの人に「朝からデカイ声あげるな」 「ワリィ…アレが使えねぇからよぉ」私は…この会話を聞いて力が抜けていき、すぐ怒りが込み上げてきた。【何なの…この人達…私が間違ってるの?】なんとも言えない程の悔しさと怒りが混ざって 涙が出そうになり…必死でこらえて あの人を見送った『行ってらっしゃい…』…と小さな声で。私にとっての地獄の始まり…いや…もしかしたら、もっと前から…始まってたのに、まだ若く未熟だった為…気が付く事が出来なかったのかもしれない。
夏がやって来た。上の子は生後7ヶ月になり ハイハイも始まって目を離せない時期になり、お腹の子も元気に育っていた。昼間は子供を世話しながら、あくせく家事に追われる日々だった。でも皆仕事で居ない為、唯一気を抜ける時間でもあった。ある日…電話がなり受話器を取ると懐かしい声が聞こえた。 「もしもし…元気?」『あ…久しぶり!元気だよ~!』掛けてきたのは、同じ高校の同級生ユキエだった。「高校野球の季節が来たね~私応援しに行こうと思うんだけど一緒にどう?」私は即答した。『マジ~行く行く!』ユキエと私は学校サボっても夏の大会は必ず一緒に行く仲だった。「じゃ、〇日迎えに行くね」『解った~』 後になって気が付いた…子供どうしよ(汗) 実家に電話して都合を聞いてみたら、了解を得る事が出来た。 問題は…あの人だ。。
あの人が帰宅した。様子を伺うと機嫌悪くなさそうだったので聞いてみた。いつ誰と、何処で待ち合わせして、何処に行き、何時に帰るか…細かく聞かれ私は正直に話した。 『子供は実家にお願いするから…』「ふ~ん…構わないけど」 『良かった。ありがとう』約束は一週間後…私は、その日まで あの人の機嫌を損ねないよう、いつも以上に気を遣っていった。。。
そして約束の日が来た。実家で子供を預かってもらう為、ユキエとは地元で待ち合わせをした。私は子供を連れてバスに乗った。気温も高くお腹も目立ってきたので少々大変だったが、何事もなく地元に到着。実家の両親に子供をお願いして、胸を弾ませながら待ち合わせ場所に向かった。「うわ~久しぶり!」『ユキエ~!!!』 トコトコ歩く私を見てユキエは目を真ん丸にして驚いた…「お腹大きいじゃん!大丈夫なの?」『安定期に入ったから大丈夫!早く行こう!』私達は昔話して爆笑しながら球場へと向かったのだった。
地元から球場までは車で40分程。昔話で盛り上がってた為 あっという間に着いてしまった…丁度母国の試合が始まる所だった「良かったぁ間に合ったね~」私達は一番見やすい席を探して行った。キョロキョロ見渡してると、見覚えのある人が視界に入った。『あれ…まさか…』私が立っている場所から 結構離れてる席だったが…間違いない…アキラだった。アキラは元野球部主将…後輩の頑張る姿を見に来たのだろう。【まさか…来てたなんて…】胸の奥が凄い音を立てた…声を掛けたかったが…きっと集中して見たいだろう…と思い声を掛けないまま…ユキエにもアキラが来てる事を伝えないまま席に座った。
ユキエは試合に夢中だったが、私は試合よりもアキラの方に目が向いていた。アキラは元野球部メンバーと見に来ていた。その中にコウジも居た…あまり試合を見ないのもユキエに失礼だ…私は試合を見るようにしました。キャーキャー言いながら二人で応援した…昔に戻ったような気分になり…後輩達の姿と、高校時代のアキラをダブらせながら見ていたのだった。試合は残念ながら負けてしまい、ユキエは凄く悔しがっていた。横で私がボヤ~っとしてると「悔しくないの??」『え…あっ、ごめん(笑)悔しいよ』と言ったが心の中は違っていた(笑)
アキラには声を掛けないまま私達は帰った。ユキエは運転しながら 試合について熱く語ってた(笑)私は、うん…うん…とうなずく程度。音楽もかけてたので 話し声が良く聞こえない…ってのもあった(笑)急にユキエが「この曲凄くいい曲なんだよ!」GLAYのグロリアスだった。『私も結構好きだよ!』サビの“恋に恋こがれ 恋に泣く~”って歌詞が印象的で、時々口ずさんでた。グロリアスが流れてからは二人で歌いながら帰った(笑)
また機会があったら会おう…と言葉を交わして、私はユキエと別れ実家に戻った。『ただいま~ありがとう』と言って母親に試合結果を話した「残念だったね~」『まぁね…そうそう!アキラが来てたよ!』「あら!あのコも相変わらず野球好きなのねぇ」そんな話しを10分程して、そろそろ帰宅時間が迫った為、昼寝している我が子を抱いて私はバスで帰った。『帰ったら また現実に戻る…』楽しい想いをした後は 家が近づくにつれて、気持ちがだんだん重くなる私だった。祈るのは あの人の機嫌だけ…【何事も起こりませんように…】…と。
家に帰ると、お姑さんが夕飯の支度を始めてた。いつもより早い帰宅だったので、私は焦って台所に向かった。『すみません。私がやります』「大丈夫よ、私やるから座ってていいわよ」私はお言葉に甘えて 子供のオムツを交換したり、離乳食を食べさせたりしていた。あの人と舅さんが珍しく同時に帰宅。 『お帰り…』あの人は私を見下ろすような感じで「…帰ってたのか」と一言。『ご飯は?』「いらねぇ…」そう言いながら風呂場に向かって行った。この頃からあの人は…もう子供をお風呂に入れなくなっていて、大きくなったお腹をかばいながら、私が入れていた。
そして…私は23歳を迎えた。あの人とは相変わらず 殆ど会話もない状態だった。二人目を無事に産むでは…と思い、顔色を見ながら生活していた。不思議だったのは、全くと言っていい程 子供に興味がない所だ。硝子越しの新生児室から我が子を見ていた、あの人の笑顔は目の錯覚だったのだろうか…毎晩毎晩…出掛ける必要があるんだろうか…と考えてた時…【そういえば…お金…】少ない小遣いで、いくらパチンコで儲かる事があるといっても…私は急に胸騒ぎがした。『何だか嫌な予感がする…』 真夏の暑い昼間…ゾッとするような感覚、そして…落ち着かない自分が居て…どうにか胸騒ぎを押さえたい一心で 私は音楽をかけて、掃除をしながら歌って紛らわせていた。
その日もあの人の帰宅は深夜だった。いつからだろう…私は、あの人が夜中に玄関の鍵を開ける音で目が覚めるようになり、階段を登って来る足音が嫌いになっていた。あの人は寝付きは良かった。当然と言えば当然。睡眠時間は、ほぼ毎日4~5時間程度。イビキが聞こえてきて完全に爆睡した事を確認し、私は あの人の車の鍵を握りしめた…何故だか解らないけど、車…と思った。玄関からだと音が響く為、開ける音が響きにくい 台所の方のドアから外に出た【数分で戻らなきゃ】車の鍵穴にキーを差し込み、静かにドアを開けた。ダッシュボードに目が向いたが…なんとなく違う…と思った。運転席がやけに気になる…背もたれの後ろのポッケや日よけに手を入れる。違う…なんとなく…運転席の下に敷いてるマットをめくり後部座席の方を覗いた。何かある…それは汚れない為にか…小さなビニールの袋に入っていた。
『何だろ…』私は袋に入ってる物を取り出すと、自分の目を疑った。一瞬息が止まり、手が震えた。金融業のカードだった『う…嘘でしょ』嫌な予感は的中したのだった…それから先は、よく覚えていない…バレないように元に戻して静かに家に入ったと思う。車の鍵は置いてあった所に戻し、座り込んだ。頭の中が混乱して繰り返し駆け巡る言葉は【どうして…どうして…どうして…】ばかりだった。
その夜…私は眠れないまま朝を迎えた。幸い、あの人は気が付かなかったので その点は安心した。全員仕事に出掛けた後、私はショックで暫くソファーに座ったまま…何も出来なかった。追求したいが出来ない…探った事がバレたら間違いなく殴られるからだ。『きっと、かなりの額を使っているはず…これから二人目も産まれるのに…』裏切られた気持ちになり涙が溢れて止まらなかった…子供が目を覚ましグズっていたのも解らない程…ショックで…私は暫く泣き続けていた。
その日から私は、どうすればいいのか解らず悩んだ。色々な不安要素が出て来て、考え出すとキリがない…。 結局、誰にも相談出来ないまま数週間が経過した。ある日の週末の朝、あの人の仕事着を洗う為、ポケットの中に入ってる物を取り出していた。クシャクシャになった伝票らしき紙が入っていた。広げて見ると…金融業…ATMから発行された領収書だった。月々の返済金額と残高を見て言葉を失った…目の前が真っ暗。しかし…怖くて追求出来ず、領収書は証拠として隠し持つ事にした。
追伸...✏私の携帯が古い為か、文章と文章の間を1行空けると、へんてこな間隔で空白欄になってしまいます💧読んで下さってる方には 大変読みにくいと思います。すみませんm(_ _)mまた、時々誤字脱字があり、誠に申し訳ありません💦
私は、ため息ばかり出るようになっていた。【何だかんだ理由を付けて、お金を要求してきのは返済の為だったのか…?遊ぶ金欲しさに金融業にまで手を出したのか…そこまでして遊びたい理由って…】疑問だらけだった。付き合ってる頃を思い返す…怒りだしたら止まらないケド…優しい面もあった。俺なりに幸せにする…と言ってくれた言葉を信じていこうと決めたのに…。『私…あの人に何か悪い事のかな…』 あの人と口論になるたび、納得出来ない事は反論してたし 時には言葉が悪くなった時もある。怒り任せで出る売り言葉に買い言葉みたいなモノ。『ハァ…』また…ため息。 『駄目だ…音楽聴きたい…でも…今日は…』週末の為、お舅さんがお休みでいるのだ。 私は週末が大嫌い。 音楽かけながら家事が出来ない上に、座って休む事が出来ない程、家事に追われるからだ。真夏の暑い中、草むしりをしたり(時々具合が悪くなる💧)汚れた靴を沢山洗い、洗濯も山ほど出る…子供は、私にかまって欲しくてグズる。お腹も大きくなり胎動をハッキリ感じ取れる…本当は体も疲れていたが、心は もっと疲れてた。
その夜…いつもの通り あの人は出掛けた。 深夜0時をまわり、ご両親も寝付いた頃… 私は衝動的な行動をとった。【出て行こう】大きなバッグに子供服とミルク、お湯の入った水筒とオムツを押し込む。自分の物は貴重品のみ…子供をおんぶして黙って家を出た。田舎の深夜は、人通りもなく街頭も少ない。暗い道を何処までも歩いた。どれくらい歩いたか…実家に帰るつもりだったのだろう、気が付くと地元に向かう報告だった。『もう…やだ…』私は涙を流しながら歩いた。公衆電話を見つけ、実家に電話しようか迷った…。暫く迷い その場所をウロウロしてると…私の方に車が近づいて来た。
まさか…と思い私は逃げるように歩き出した「待って!」女性の声…振り向くと、お姑さんだった。「いったいどうしたの?最近様子が変だったから…玄関開く音が聞こえて見に行ったら あなたの靴がなくて」私は号泣しながら座りこみ『ごめんなさい…もう…どうしていいか解りません』…と声にならない声で言った。その時…お腹に激痛が走った。 『お…お腹が…』お姑さんはパニックになってしまい、側の公衆電話から救急車を呼んでくれました。
緊急外来をやってる一番近くの産婦人科が地元だった為、そちらに運ばれた。切迫早産…そのまま入院。家族が慌てて病室に入って来た。私は話せる程、気持ちに余裕が無かった為、医師から状態の説明を受けたそうだ…。翌朝、医師から絶対安静と診断され入院。 その間子供は実家。 一週間入院中、あの人が来てくれたのは、あの夜だけだった…退院後は産まれるまで実家に戻る事にした。この時、私は初めて母親に あの人は殆ど毎晩のように出掛けて行く事を話した。
実家に戻って数日後、あの人から電話があった『はい…』「体調はどうなんだ?」『だいぶ落ち着いてきた』 「そうか…」次の瞬間豹変「テメェ何考えてるんだ?あんな夜中にフラフラしやがって!親から電話あって 病院行ったら 一言も話さねぇし!」『ごめん…話せる程気持ちに余裕がなかった』「余裕がない?それはテメェが弱い証拠だ!ウチの親にまで迷惑かけたんだから謝れよな!」 確かに…私がとった行動は許される事ではないかもしれない…家族に心配、迷惑を掛けてしまった。でも…全て私が悪いの?『全部私のせい…?』思わず言葉に出してしまった。「当たり前だ。テメェ何が言いたいんだ?俺が悪いってか?」 『自分の中で心当たりないの?良く考えてみたら?』私は、そのまま電話を切ってしまった。すぐ電話が鳴ったが出なかった…出たくなかったのだ。止まったと思ったら また鳴る…何度も続き、煩くて私は電話線を抜いたのだった。
こんな状態で やって行けるか…私は不安になった。【あの家に戻りたくない…】ただ…私の中では唯一お姑さんだけは味方になってくれるかもしれない…という気持ちがあった。しかし、本来一番頼れるはずの人が頼れない…いつの間にか借金作ってるし。【アキラ…アキラは幸せかな…アイツの事だから、前向きに頑張って、きっと幸せに過ごしてるよね】自分に頑張れ…と言いきかせるように…私はアキラの事を思いながら 大きく深呼吸した。
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前に付き合っていた男性が他の女性には頑張って恋愛でリードするのですが、 私には「女友達は困ってたら…
14レス 116HIT 社会人さん (20代 女性 ) -
本音でお願いします
キャバ嬢から指名してくれてるお客さんを 店が定休日の日にプライベートで会いたい! って月曜に連絡…
13レス 276HIT 匿名さん (20代 女性 ) - もっと見る

