京女に魅せられて

レス147 HIT数 13173 あ+ あ-


2015/12/19 22:49(更新日時)

思い通りにならない不思議な彼女は

古都に似つかわしくなく

挑戦的に自分の前に現れた


~【四条で待ち合わせ】より~

No.1144989 (スレ作成日時)

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No.101

>> 100 あの男の店はウサギちゃんのエナジーチャージの場所らしい

細い路地を歩いて案内されながら話を聞いていると

ウサギちゃんのあの男への信頼度が嫌気がさす程うかがえる


少し落ち込み

少しジェラシーを感じながら歩いているうちに店に着いた


居心地の悪さは容易に想像出来るその空間に

堕天使にいざなわれて私は足を踏み入れた

No.102

>> 101 『いらっしゃいませ ようこそ』

以前例の店で会った時よりも更に研ぎ清まされた端正な笑顔であの男が迎えてくれた


『どうも』

私も得意のポーカーフェイスで応える

既に静かなバトルが始まっているようだ


ウサギちゃんはスタッフや常連客に私を紹介し始めた

No.103

>> 102 『この方私の ええひとやの❤』

冗談まじりに微笑むウサギちゃんの甘い誘惑


私の ええひと


本気じゃないとわかっていても心を揺さぶられる


敢えて視線は合わさなかったが

こちらに顔を向けたあの男が私の視界に入っている

ウサギちゃんの紹介に

その場は沸き立ち盛り上がっていた

No.104

>> 103 ウサギちゃん可愛いよ

初めて会った時から変わらない

屈託なく笑うその笑顔が好きだよ

楽しそうにしている君を見ているだけで心があたたかいよ


そんな私の心を知ってか知らずか

オーダーするのを忘れていた私にあの男がダニエルをツーフィンガーで差し出した

会釈で応えながらタバコをくわえる

『こっち向いて』

ウサギちゃんの声に振り向くと

両手を添えてライターに火を灯した堕天使が微笑んでいた

No.105

>> 104 タバコの火と同時に

私の心にも完全に火をつけたね


『ウサギちゃん 私を本気にさせると火傷するよ(笑)』


余裕を見せるつもりで言った台詞だが

あの男への挑戦状であり

私の本心でもあった


ウサギちゃんの真意はわからない

でも

もうそんな事はどうでもいい

私はウサギちゃんを愛している

No.106

>> 105 店に入る前の憂鬱はどこかに行ってしまったかのように

ウサギちゃんと私は例の店に居るかの如く和やかに飲んでいた

あの男も接客中とあって灰皿を確認する程度にしか私達の前に現れない


相変わらずのカシスソーダを飲むウサギちゃん

やはり酒のアテには苺のようだ


君がいつも甘酸っぱいのはそのせいなんだね

静かで優しい時間が流れていた

No.107

>> 106 『ごめん ちょっとお手洗い』

おもむろに席を立ったウサギちゃんに目をやると

後ろのボックス席には既に誰もいない事に気付いた

店内の客はカウンターの私とウサギちゃんだけになっていた


閉店が近いのか

店のスタッフも ひとりふたりとあがっていく


カウンター越しには あの男と私

何とも言えない緊張感が漂っていた

No.108

>> 107 そこへメールの着信音

ウサギちゃんから❓

不思議に思いながら展開してみる

「こないだ例の店で私がお手洗い行った隙にサラリーマンさんバックレたやろ
仕返し(笑)」


なんてことだ

してやられてしまった


文面の続きには

「そいつがサラリーマンさんと膝突き合わせて話したいらしいねん
仲良くね❤」


いたずらな堕天使の笑えないジョークが書かれていた

No.109

>> 108 思えば

この前の 年上女との事をカミングアウトした後の気まずさから

今日の和んだ状況はあまりにも上手く出来過ぎていた


『同じものでええかな』

携帯の画面を見て絶句している私に

あの男が酒を勧めてきた

とっさの事に思わず頷いてしまった


膝を突き合わす❓

ウサギちゃんのこわい罠

No.110

>> 109 私に話とは❓

ウサギちゃんとの事しかないだろうが


頭の中に色んなものが駆け巡る中

あの男が口を開いた

『普段カラオケ 何唄てはります❓』

予想外の切り口に私は言葉を選ぶ余裕もなく

マトモに普段歌う曲を答えた

No.111

>> 110 『ええ曲ですよね
今度その低音の魅力を聴かせてもらわなあきませんね』


わざわざ膝を突き合わせて話すにはいささか拍子抜けする話題

そして

結局

しばらくそんなどうでもいい話をしただけで私は店をあとにした


何だったんだ


ウサギちゃん

君の真意は何なんだ


こうしている間にも

ウサギちゃんの存在が私の心に より深く刻まれていくのがわかる

No.112

>> 111 翌日

ウサギちゃんから全く昨日の事には触れない普段通りのメールが届いた

私もわざわざ報告するほどの事をあの男と話さなかったから普通に返信をする


お互いに昨日の事については一切触れなかった


それでも着実にウサギちゃんは私の中で自身の立場を確立していく


もしかしたら本当に悪魔なのかい

甘く 可愛く 切ない

やわらかな悪魔

No.113

>> 112 ウサギちゃん

この腕の中に抱きしめてみたい


捕まえたと思えても

君はいつも上手に私の手をすり抜けていく


それは まるで

砂漠の美しい砂のように

風に身を任せながらも静かにその存在感を私の心に植え付けていく

No.114

>> 113 ウサギちゃんと知り合ってどの位経っただろう


ウサギちゃんの存在感のせいか

随分前からの知り合いみたいな錯覚に陥るが

実際はまだ4ヵ月ほどだ

ウサギちゃんの事を考えない日は無い


ウサギちゃん

君は私の事どう思ってるの

メールに入力しては消す


私と結婚したいと思うかい

確認画面に進むが 保存して消す


完全にイカれてる

悪魔に翻弄されてしまった情けないおじさんだね

笑ってもいいよ

No.115

>> 114 気がつけば

例の店とは全く無関係なところで私とウサギちゃんの関係は歩き始めていた

マスターの存在すら

さながらTV番組の
【あの人は今】みたいだよ


ウサギちゃんとはほぼ毎日やり取りをする

相変わらず他愛もない会話


変な言い方かも知れないが

生身の女を相手にしている感覚がない


不思議な感覚に麻痺してしまっている


ウサギちゃん

なんて現実味の無い女なんだ

No.116

>> 115 肩を抱き寄せた事はあるものの

それ以上先の進展を見ない私とウサギちゃん

いっそ連れ去ればいいのかな

てか
そんなの無理だよね


妄想の中では

幾度となく押し倒しているよ


考えただけでも気持ちいいよ

可笑しいと言われても仕方ない


まさに

これが私の本音だから

君を誰にも渡したくないよ

No.117

>> 116 ウサギちゃんと相変わらずやり取りを続ける中

たまに 音信不通みたいになる時がある

もちろんお互い様だが

そんな時は不安になるね

確固たる立ち位置を決められないでいる私とウサギちゃん


今 平和なだけに

余計な事をして波風をたてるのも趣味じゃない

じれったさも

何故か楽しんでいる自分がいるよ


ウサギちゃんが居る生活

そばに居るともっと楽しいんだろうね

No.118

>> 117 そんな風に過ごしながら

気がついたら季節は変わっていた


ウサギちゃんとの関係は前進も後退もせず

今や生活の一部になっていた


年上女の存在も よほどの事がない限り思い出す機会もない


ウサギちゃんと出会った当初から考えれば

私達のストーリーの中のキャスティングにかなりの変動があった事は間違いない


むしろ

キャストは私とウサギちゃんだけで充分だ


私だけのウサギちゃん

毎日同じようなメールをやり取りし

時折声を聞き

そして 気まぐれにミーティングする


ウサギちゃん

君の生活のプログラムに私の存在は組み込まれているかい

No.119

>> 118 ウサギちゃんの生活リズムの中に私という存在が組み込まれているかどうかはわからないが

ある程度の間隔でウサギちゃんは私とのミーティングを希望してくる


会いたい

と言われる時は決まってウサギちゃんが疲れている時だ


必要とされているのか

ただの安全パイだと思われているのか

真実を知る事は野暮かも知れないね


でも

どんな理由にせよ私を求めてくれるのは嬉しいよ


欲を言えば

もう一歩踏み込んだところまで

私を求めてくれないか

No.120

>> 119 眠れない夜

ウサギちゃんの甘い匂いに包まれて眠りたくなるよ


心配しないで

何もしないから


嘘だよ

君が隣に居たら何度でも抱くよ

何度も 何度も


その先にあるのは幸せな眠り

No.121

>> 120 そんな妄想 いや 空想を現実が邪魔する


君は無理なんだよね

あのビストロで勇気を振り絞って教えてくれたよね


ウサギちゃん

君を救ってあげたい

闇の世界から


とりあえずそれまでは

草食系を気取ってみるよ

ウサギちゃんが安心していられる草原に案内するよ

No.122

>> 121 久しぶりに例の店でウサギちゃんと待ち合わせをする

心なしか残業も苦にならない


足早に例の店に向かう途中に携帯が鳴った


年上女からだ

何の用だ❓

電話に出るか迷ったがやめる


そう

これからウサギちゃんに会うのに気分的に邪魔されたくない


そうしているうちに例の店に着いていた

No.123

>> 122 店に入るとマスターは見えない

何処かに行っているようだ


カウンターには滑らかに身体のラインを描くロングヘアーの後ろ姿

ボックス席にもまだ客は居ない



『待たせたね』

声を掛けると不安げな表情でウサギちゃんが振り返った

『マスターは今 足りひんもん買いに行ってはる』


ウサギちゃんの隣に座りながら内ポケットからタバコを出す

ウサギちゃんは気を利かせて灰皿を差し出してくれたが

相変わらず表情が固い

No.124

>> 123 『今日は元気ないね』

直球を投げてみる


ウサギちゃんはこちらを見据えて言いにくそうに口を開いた

『年上さん ここのお客さんとゴタゴタしたらしいねん』

『えっ そうなの❓』

『お付き合いしてたらしいねん』


さっきの電話はその件なのか


それより

ここの客とデキていた事に少々驚く

意外と衝撃はない


やはり私の中では過去のものになっているからだろう

No.125

>> 124 酒の整理を終えたメンバーさんがおおまかな話をしてくれた

いざこざの原因が何かはマスターやメンバーさんにもはっきりしないようだが

店の外壁に年上女を中傷する貼り紙がしてあったらしい


年上女に狂わされた悲しい男


一瞬

以前の自分とダブったと同時に嫌悪感に襲われた


ウサギちゃんをマトモに見れない

自分が汚く思えた

頭痛がする

No.126

>> 125 結局その日は頭痛が取れず

せっかくのウサギちゃんとの時間が訳のわからないうちに過ぎていった

私を気遣うウサギちゃんの表情も曇ったまま


夕方入った年上女の着歴を消したい気持ちと裏腹に

その画面すら見たくない


いつまで邪魔されるんだ

ウサギちゃんとの距離が縮まりかけると存在感を示す

いや

私が弱いだけだね


ウサギちゃんというサンクチュアリに踏み込む勇気がない

年上女を言い訳にしている情けないオジサンだよ

No.127

>> 126 ウサギちゃんとなかなか向き合えないまま

また時間だけが過ぎていた


疲れて寝てしまう毎日

忙しくしていると余計な事を考えなくていい


特別仕事が好きな訳でもないが

気がつけば仕事人間になっていた


面白くない男だね

働いて

食べて

寝て

また起きて

時折 趣味を楽しんで

何ら面白くもない生活


私にはウサギちゃんという光が必要だよ

ウサギちゃん

砂漠にダイヤモンドを見つけたみたいな気持ちだよ

No.128

>> 127 ウサギちゃんとやり取り出来ないまま

また時間だけが過ぎていた


今は気力がないよ

なんだか疲れてる


こうしているうちに

また君は誰かに口説かれていたりするんだろうね

仕方ないよね

そんな君だから好きなのかも知れないね

No.129

>> 128 ウサギちゃん

君と知り合ってから

また新しい冬を迎えたね


初めて会話した日

私の頭の中に過った曲も冬の歌だった

あれから色々あったよね


手が届きそうになっては離れ

時折 君を見失いそうになりながらここまで来た


まだまだ君とは離れられそうにないよ

わからないけど

君にはとてつもなく意味深いものを感じる

No.130

>> 129 年末になり

またウサギちゃんとのやり取りが活発になった


毎日仕事ご苦労様

私もそれなりにやってるよ


君のメールや声は一番の癒しだよ

無理言ってもらった写メにもかなり癒されてるよ


何度見ても飽きないね

実際君が毎日横に居たら幸せだろうね


いつかそんな日がくる事を

何故か確信する自分が居るよ

No.131

>> 130 時折

ふと君と 君のまわりの男連中に嫉妬光線だよ


ウサギちゃん可愛いよ

仕方ないよね


誰かのかわりでも構わない

側にいたいよ


いや

自分だけのものにしたいよ

No.132

>> 131 ちまたでバレンタインの文字が目立ってきたね


いつもまわりを気遣うウサギちゃん

知人まわりから男女問わず

まるで御歳暮のようだね

ご苦労様


私には気遣いはいらないよ

気遣いではなく

君の気持ちが欲しいから

No.133

>> 132 趣味に没頭する疲労感

仕事の疲労感


女に振り回される疲労感

全て疲れるね


ウサギちゃん

何故君には疲れないんだろう

No.134

雪も見なくなってきたある日

気がついたら例の店に足が向いていた


ウサギちゃんは足が遠退いたと言っていたが

万に一の偶然に賭けてみる


え❓


クローズの札が下がる扉に立ちすくむ

ウサギちゃんどころか店そのものが動いていない

No.135

>> 134 マスターに何かあったのか❓

よく見ると扉のガラス越しにうっすら灯りが見える

目をこらすとマスターと見知らぬ女いる


遠目にもわかる緊迫感


覗き趣味はないが

私はその様子を見ていた

No.136

>> 135 よく見ると

更に2~3人ほど女が居る


いずれも見知らぬ女

しばらく足を運ばない間に客層も様変わりしていたようだ


車の往来が途切れると微かに中の声が聞こえてきた

No.137

>> 136 ありがちな痴話喧嘩にも見えたそのやり取りは

妙な修羅場だった


一人はマスターの彼女とおぼしき女

後はお節介な客が口を挟んでいるらしい


何故かマスターを擁護する女たち

一般常識が成立しない会話


こんな時に人間の本性が見える

No.138

>> 137 時折

通行人の目を気にしながら


あくまでも待ち合わせかの如く

わざとらしく携帯を触り腕時計を確認しながら

しばらく私はその場所に居た


ウサギちゃんが来ない事を祈りながら

No.139

>> 138 この店がいわく付きなのか

こういった場所ではありがちなのか


とかくこの店にまつわる男女間の人間模様は複雑だ


いや

逆に安直なのかもしれない

世間もこんなものかもしれない


マスターにしろ

年上女にしろ


私にしろ

No.140

>> 139 そもそも私は何故この店に足を運び始めたのか

短い時間に色んなものが頭を駆け巡る


当時の私は人生に諦めていたようなところがあった


今も意欲的とはいえないが


少なくともこの店によって私の生活が一変した事にはかわりなかった

No.141

>> 140 ウサギちゃん

君は何故ここに飛び込んで来たんだい


私と出会うため


私や

それにまつわる事で君を不要に傷つけてしまった


見えない深い傷を持つ君

いつも何かを諦めている私


決して前向きな関係には思えないが

それでも

私と出会うためにここへ来たと感じて欲しい

No.142

>> 141 ウサギちゃんと私は似ている

いつも心の不可分を感じながら生活する私達


違うのは

普段スローペースな私が君には急いでいる事

じっとしている事が苦手であろう君が私との事はのんびりな事


もう少し急いでもいいんだよ

いや


のんびり一生かけても構わないよ

No.143

相変わらず優しいね

ずっと変わらない

私を捉えて離さない


多分

そんなつもりはないんだろうね


好きでたまらないよ


会いたいね

No.144


またこの季節がやってきたね


はじめて声を聞いた時から迷いはないよ


だから迷わないで

私のものになって

No.145


.

No.146


お邪魔します。
ここに登場するウサギちゃんが私の知る人にソックリでビックリしました。

No.147

にゃお

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