一緒にお話つくろう会②byクリス(代行)

レス500 HIT数 17407 あ+ あ-


2008/06/11 15:34(更新日時)

設定:7つの惑星(世界)を舞台に登場人物たちが連合軍と言う巨大組織と闘うストーリーです👮是非、皆さん読んでみて下さい⤴【一緒にお話つくろう会】代表…

タグ

No.1141765 (スレ作成日時)

新しいレスの受付は終了しました

投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.401

>> 400 ミスチル「ここは私が守っております!連合軍は直ぐそこまで迫ってきてるんですよ!隊長が前線から離れるなんて!」

ミスチルがドグロの右腕ならばレッガは左腕だ。頭を使う仕事はミスチルが、力を使う仕事はレッガの担当である。

レッガ「安心しろぃ。連合軍が宇宙海賊の前線部隊と交えるのはあと3時間程度あるからよ」

3時間程度ある?しかの間違いだろう。

ミスチル「とにかく!早く戻って戴こう!暗殺者は完全に排除したのでね!」

レッガ「はいはい。分かった。じゃな」

重い腰を上げ、人一人程度の大きな酒ダルを持ち、歩いていく。

⑦「しゃあ!俺も前線に出るかな!」

⑭「なら俺も宇宙に出よう。敵を待つのは好かんからな」

②「お主らだけが、危険を冒さすのはの。儂もいこう」

レッガは「好きだぜ無謀な奴は」と言いたげに大きな声で吠える。

①「私もい…」

着いてこようとするクリスにハークは小声で耳打ちする。

②『クリスよ。前線は儂らに任せて…姫たちを任せて構わんかのぅ』

①「は…はい」

ハークの頼みにクリスは渋々返事をする。

No.402

>> 401 ⑤「頑張ってこいよ~!!」

③「あれ…セロはいかれないんですね?」

三人を元気よく見送るセロに手厳しい意見が飛ぶ。

⑤「はは…俺はコイツのお守り係ってことで」

デビルを抱え上げ、苦笑いで返す。それを見たクリスはセレナの肩に手を置き


①「ヒビリちゃんなのよ」

⑤「あぁ!また余計なことを!」

⑭「本当の事だろ。そう騒ぐな」

⑤「い…キックまで」

⑭「あとコイツの事も頼む」

キックは下着姿にされ縛られたマイナスを指差す。捕獲用魔科具の電撃を受け、気絶したままだ。

⑪リオ「まっ…任しといてぇよぉ…僕ちゃんに」

リーマ「お酒弱いのならあんなに飲まないで下さいよぉ…大丈夫?」

顔を赤らめたリオはリーマに支えられながら言う。

①「分かった。コイツから出来るだけ、協会の情報を聞き出しとくよ」

クリスは不気味な笑顔を見せる。どうやら戦場に出れなかった悔しさを尋問で晴らすつもりらしい。マイナスに皆が同情する。

⑭「まッ…ほとほどにな…では」

No.403

>> 402 ①「さぁ!いくよ!」

マイナス「ひぃい」

強烈な足蹴で目を覚ましたマイナスはクリスに連れていかれる。

⑤「ありゃ…半殺しはかたいね」

デビル「ムシャムシャ…そうだね」

自分でなくて本当に良かったと安堵しながら和やかな表情で見送る二人であった。











③「…あ」

ラ・ドル「姫…何処に行かれるおつもりかな?」

ハークたちについて行こうとしていたセレナを彼女(杖の先端の頭蓋骨)を優しく撫でるラ・ドルが止めに入る。

③「ハークたちが心配ですし…私も皆の役に立ちたいんです。行かせて下さい」

ラ・ドル「姫。貴方自信も狙われている事を忘れたとは?言わないでしょう?今は動く時ではありませんよ」

③「でも…」

ラ・ドル「駄目です。師匠のお気持ちも御察し下さい」

⑤「そうそう。身の安全を第一に考えなきゃ…アイツら見たいに人間離れしてないんだから俺たちはさ。それにセレナはダンテスティン国復興には欠かせない人なんだよ」

③「そうですね」

リオ「安心して!僕がいれば百人力さぁ…ヒック」

③「ふふ。有り難う。リオ」

No.404

>> 403 ミスチル「皆さん。ドグロ様がお呼びです」

③「ドグロさんが?」

ミスチル「えぇ。お暇な方で結構ですので…お付き合いを」

横目で、マイナスを引きずっていくクリスを見てそう言うと返答も聞かず、一人先に歩き始める。

③「行きましょう。私たちもここで避難し続けるわけにはいきませんから」

⑤「了解!お前も行くぞ!デビル!」

デビル「えぇ~やだやだやだぁ!やだったら!」

⑤「駄目!ほっといたらまた勝手にいなくなるだろう!お前を探しに行って、死にかけるのはもうごめんだ!ほら…こい」

デビルを抱え上げ、逃げられないようにがっしりと押さえる。

⑪「僕もぉ…い…いく…いくよぉ…あ」

酔っ払いリオは一度は立ち上がるが、すぐ座り込んでしまった。

ラ・ドル「親友よ。暫く休んでおくといい。リーマさん。すいませんが…我が友を頼みます」

リーマ「はい。任せて下さい」

⑪「ムニャ…ハィウ」

リーマに膝枕してもらい眠りに落ちたリオは幸せそうに寝息をたてている。

No.405

>> 404 レッガ「乗ったな?行くぞぃ!!」

ド派手な塗装で塗られた帆船型の宇宙船は異常に振動し、徐々にエンジンの回転を上げていく。相当な年期を感じさせる船だ。

⑭「こんな…ボロ…いや…船で宇宙に出れるのか…ぁ」

何かに掴まっていないと立つことすら出来ない船の中で、キックは不安気にそう漏らした。

レッガ「なにぃ…今日は少しばかり、暴れるが、でぇじょうぶ!」

壊れるのではないかと思うほど激しくモニターパネルを叩くレッガにキックは呆れる。

②「レトロ感がいいではないかのぅ」

⑭「しかし…ッ」

ゴオォォォォ

離発時の激しい横揺れに耐えるキックは必死の形相だ。対して、ハークは旅を楽しむかのようににこやかな表情で、一面砂漠の黒の惑星に見入っている。

レッガ「しっかり!着いてこいよ!にぃちゃん!」

『俺の船をなめるな。置いてかれるかよ』

通信機からは凱の声が聞こえる。レッガの帆船宇宙船の後方からはシャドーmkⅢ、凱の愛船が着いてきている。

No.406

>> 405 ⑦「しゃぁ!飛ばすぜぇ!シャドー!」

「リョウカイ フルネンショウ カイシ シールドカンリョウ」

ブースターから黒い煙を上げ、先を行くレッガの船に追随するようにシャドーmkⅢは大気圏をでる。









『もう直ぐ…宇宙海賊本隊と合流だ。あと少し頑張ってついてこいよぉ』

⑦「あのボロ船。相当な馬力だな…ちッ」

フルスロットで飛ばすシャドーmkⅢだが、前方のレッガ船との距離は縮まらない。

「シャアナイネ アノフネ コノフネノ ニバイノエンジン ツンデルシ」

⑦「お前!エンジンのせいにするな!根性だ!根性でいけぇ…おりゃ」

「ムチャイウナヨ バカガイ」

⑦「馬鹿じゃねぇ」

「ヘィヘィ」











レッガ「見えてきたぜ」

⑭「ほぅ…凄い数だな」

流星群と見間違えるほどの宇宙船が見えてきた。全ての船が宇宙海賊の旗を掲げいる。これほどの数でも連合・政府軍の艦隊の半分にも満たないとは―――

これから起こる戦闘の激しさを物語っているようだ―――

No.407

>> 406 『レッガ隊長。船体コード確認しました。誘導致しますので、そのまま低速でお進み下さい』

通信機に艦隊からの通信が入る。レッガは返事は返さなかったが、言われた通り、速度を落とし、操縦ハンドルから手を放した。シャドーmkⅢも従う。

⑭「でかい戦艦だな」

誘導される前方には通常の大型戦艦(全長800㍍) の2~3倍もある戦艦がいる。大きさでは過去に見た最大級の竜戦艦(竜王の愛船)の半分程度ではあるが、攻撃重視に作られた戦艦だけあって、攻撃性は竜戦艦にも劣らないだろう。

レッガ「だろう!だろう!このサイズはキング・ジュニアって俺ら(宇宙海賊)言うてんだ」

キング・ジュニアは一隻だけではない100隻はゆうに超えている。宇宙戦では種族屈指の銀狼だけのことはある巨大艦隊だ。連合軍と言えどこのサイズの船をこれ程多くは作れないだろう。

②「まいったのぅ…ふむ」

銀河を見つめ、ハークは独り言を言う。近づくる連合軍のリードの魔力を感じたのか、未知の生物の存在を感じとったのか、定かではないが、大賢者ハークすら弱音を吐く敵が迫っているのは確かだった。

ゴオォォォォ

No.408

>> 407 ⑦「シャドー。いつでも飛べるようにエンジンを温めとけよ」

「ハイハイ リョウカイイタシマシタデゴザル イッテラッシャイ ゴシュジンサマ」

キング・ジュニアのハッチが開き、誘導されるがまま自動操縦で船は船内へと着陸した。

「隊長。お待ちしておりました。連合軍との抗戦も直ぐそこまで迫っています」

レッガ「分かってるぞぃ!中央ルームに案内しろぃ」

「イエッサ!」

銀狼の屈強な男たち、言わば海(宇宙)の男たちに先導され、凱たちは全ての情報が集まっている中央ルームへと案内される。

⑭「この赤い点…全てが敵の戦艦なのか…」

キックは中央ルームに入るやいなや絶句する。中央の円形のモニターには敵艦隊の位置が示されており、間近に迫っていることはもちろんのこと敵の数すら明瞭に映し出されていた。

レッガ「百万人単位の軍勢だ。微かな勝機にかけるしかねぇんだよ」

モニターに入りきらないほどに赤点が表示されている。

②「戦は数ではないぞ。力ではなく知で戦うのじゃ」

⑭「そうですな。ハーク殿の言われる通りです」

⑦「知?」

頭をかく凱であった。

No.409

>> 408 ゴオォォォォ

⑯リード「もうすぐですね」

両手に持った二本の杖を交差させ、あと一時間もしない内に目視で確認できる距離にいる宇宙海賊の壊滅を思い描いているリードは不気味に微笑む。

④バジリス「はッ…」

⑯「では。挨拶でもするとしましょうか」

控えている兵士に投げやり指示を出す。兵士は敬礼し、命令を伝えるため駆けていく。

『各艦に次ぐ!ミサイル発射許可がおりました!MMLの発射を認めます!』

『ミサイル発射許可』

『ミサイル発射』

数万の大小様々な戦艦から連合軍の最大飛距離を誇る通称MMLが、次々に発射される。MMLの破壊力は中型戦艦程度なら簡単に爆破できる。威力・飛距離とも世界一の技術ミサイルである。

⑯「さぁ…政府軍の小型艇を全艇発進させなさい」

「ハッ!」

真っ直ぐ宇宙海賊の艦隊飛んでいくMMLを追うように政府軍の戦艦から数十万の小型艇が発進していく。リード将軍はそんな小型艇団を冷酷な視線で見つめ、長い金髪をなびかせる。

⑯「小型艇にコスモワープをさせなさい」

「え…しかし…それでは」

⑯「私の命令に背くのですか?」

「いッ…いえ。了解致しました」

No.410

>> 409 ④「残酷な命令を下すお人だ」

逃げるように命令を伝達しに行った兵士の背中を見て、バジリスは言う。

⑯「ゴミ(政府軍)も使い方によっては資源となるという教訓を伝えたまでです」

『宇宙座標D‐1‐2531へのコスモワープを開始します』

何も知らない政府軍の小型艇団は青紫の光に包まれ、次々にコスモワープに入っていく。

そう

その座標が宇宙海賊艦隊がいるど真ん中とは知らずに―――

⑯「さぁ…人間花火の鑑賞といきましょう…ふふ。実に死とは美しい」

無数のコスモワープの線光は一見、流れ星のように神秘的であった。先に《死》が待っているというのに―――

なんとも

美しい。

④「主人には…似るなよ化物」

人の死を芸術のように扱うリードに聞こえぬよう。頑丈な魔法牢に入った《ソレ》に言う。

④「ふッ気味の悪い奴だ」

『……』

《ソレ》は金色の眼球を剥き出し、身体を震わせた。

No.411

>> 410 ウゥゥゥゥ

ウゥゥゥゥ

ウゥゥゥゥ

⑭「なっ…なんだ?」

中央ルームは赤い照明に切り替わり、警報が鳴り、監視モニターは無数のミサイルの接近を警告している。

「隊長!敵艦隊からのミサイルです!」

レッガ「直ぐに!レーザー砲で撃墜だ!」

「イエッサ!」

銀狼の戦闘員は慌ただしく操縦席につく。

⑦「ついにおっ始まるのか!わくわくするぜぇ!」

⑭「不謹慎だぞ!まったく…」

②「ふむ」

ズキュゥゥ

ズキュゥゥ

ズガガァァ

宇宙海賊の艦隊から一斉にレーザー光線が放たれ、ミサイルを破壊し凄まじい爆破が起こる。だが、全てのミサイルは撃墜できず、レーザーをかいくぐって、ミサイルが艦隊に向かってくる。

レッガ「全艦!バリアーを展開!ミサイルをギリギリまで、近づけ近距離砲で撃ち落とすんだ!」

「イエッサ!近距離砲準備!」

「エネルギーチャージ完了!」

レッガの指揮のもと無駄のない統率のとれた動きで、銀狼たちは動く。流石は宇宙戦に慣れた宇宙海賊だ。

No.412

>> 411 バアァァァァァ

⑭「くっ…」

キング・ジュニアは大きく揺れる。どうやら近距離砲をも逃げ延びたミサイルが当たったのだろうが、バリアーのお陰で、船には損傷はない。

ズガガァァ

バアァァァァァ

②「激しいのぅ」

他の戦艦にもミサイルが直撃し、周りは爆発の嵐となっている。

レッガ「状況は!」

ズガァァァオ

「応答のしない船は数隻…撃墜されたようです。被害は軽度です」

レッガ「ちっ。連合軍め…遠くから卑怯な攻撃を」

反撃しようにもこの距離では宇宙海賊に打つ手はない。

⑭「MMLだな。このミサイルで、どれ程の船が撃墜されたことか」

爆破された船の残骸は四方に広がり、宇宙へ溶け込み、まるで、そこには船などいなかったように何もなくなっていく。

レッガ「連合軍の強みの一つよ。だが…宇宙戦殺しの通り名のMMLをこの程度の被害で耐えたんだ!幸先いいぞぃ!」

②「連合軍がただのミサイル攻撃で終わらすとは思えんがの」

レッガ「爺さん!目でも悪いのかい!ミサイルは全て爆発した…それにモニターには何も…ん!?」

⑭「ぁ!?」

No.413

>> 412 バアァァァァァ

突如、船の目の前に小型艇が現れ、バリアーに直撃し、爆発する。

⑦「まさか…」

凱は身を乗り出し、周りを見渡す。次々に小型艇が現れ、宇宙海賊の戦艦に体当たりしているではないか―――

レッガ「ぐぉ…なんと…」

小型艇の体当たりを受け、キング・ジュニアは激しく揺れる。

⑭「コスモワープか…なんて愚かなことを」

宇宙海賊の艦隊は次々にバリアーを破られ爆発していく。

「隊長!エネルギー率53%に低下…バリアーが破られます…」

バアァァァァァ

流星のような小型艇団の捨て身の突進にバリアーは悲鳴を上げている。

レッガ「エネルギーをバリアーに全集中!耐えろぉ!」

「イ…イエッサ!」

『うわぁああ』

コスモワープをし、次々に現れる小型艇団は前方の戦艦をかわすことなど出来ず、ただ突っ込むしかなかった。

バアァァァァァ

No.414

>> 413 『艦!損傷!操縦不能!うわぁ…ガッ』

『出力低下…飛行を維持でき…ガガッ』

各艦からの通信が次々に途切れていく。

「隊長!サーズ艦!リーナス艦!ダギ艦!応答なし」

レッガ「くそ…連合軍めぇ」

レッガは拳を握り、鋭い牙をさらけ出し、スクリーンに映る味方艦隊が激しく燃える様を見つめる。

②「人の命など…勝つためなら躊躇もせずに使い捨てるとはの」

⑦「ちくしょお!!あの小型艇たちはウマンダ星の船だぜ!連合軍の奴らなんて…ひでぇことを!!」

凱は故郷の人々が死にゆく光景を直視できず目を反らす。コスモワープによってやってきた数十万の政府の軍人が一瞬にして、命を落としてしまったのだ。今は敵同士の関係ながらも連合軍にいいように扱われている政府軍には宇宙海賊すら同情の気持を持ったことだろう。

ズズズズズズ

⑭「やっと…おさまったか」

「被害率15%…艦に問題はありません」

レッガ「直ぐに陣を立てなおせ!連合軍の艦隊との直接対決は近いぞぃ!」

「イエッサ!」

No.415

>> 414 『全艦に次ぐ!艦を立て直し!配置に戻れ!繰り返す!艦を…ガガッ』

レッガ「どうした!?」

『…ガガッ……ガッ』

通信にノイズが入り、音声が途切れる。

「電波ジャクです!連合軍から信号が送られています!」

通信士たちは通信の復帰作業にとりかかる。船内の全てのモニターの映像は途切れ、強制的に男の映像が映し出される。

『み…ガガッ…み…ガッ皆さん。ご機嫌よう』

男の映像が徐々に鮮明になっていく。金髪の長髪、整った顔つき、そして、冷酷な濁んだ目をもつ、連合軍3大将軍のリードであった。

『私はこの艦隊の総指揮官のリード将軍だ。お前たち獣どもを狩りにはるばる来てやったのだ…有りがたく思うがいい』

レッガ「なっなんだと!貴様ぁ!」

「隊長…こちらの声は彼方には届いていませんよ」

レッガ「分かっとるわぃ」

「すっすいません」

『そうだ。挨拶は気にいってもらえたかな?そちらは大分と被害が出ているようだな』

⑦「へっ…気に好かねぇヤローだぜ」

⑭「いえてるな」

No.416

>> 415 『私は寛大な人間でね。虫けら以下の君たちにチャンスをあげようと思っている』

レッガ「虫けらだとぉ!!」

モニターに向かっていこうとするレッガを銀狼の戦闘員たちは必死に止めに入る。

『考えてみろ…その中身のない頭でも分かるだろ?我々と貴様ら獣集団のどちらが勝つぐらいはな?』

『そこで、提案だ。素直に道を開けるのなら…見逃してやろう。どうだ?獣どもでも命は惜しいだろ?』

レッガ「こいつ!銀狼をどこまで侮辱するきだぁ!がぁ!」

「隊長ぉ!落ち着いて下さい!」

『死を選ぶか…私に恐れをなし逃げるか…せいぜい残り少ない時間で考えるがいい』

『あぁ…そうそう。そこには大賢者様も居られるんでしたな?忠告しておこう…老いぼれの魔法など私には一切通用しない。魔法界にでも避難しとくがいい…ガッ…ガガッ』

「信号遮断。連合軍との通信を断ち切ります…通信復帰」

通信士たちにより、リードの通信は途切れモニターは元の監視画面に戻る。

No.417

>> 416 レッガ「ええい!いい加減!放さんかい!」

「は…イエッサ!」

屈強な銀狼五人は手を放し、配置に戻る。

②「リードか…手強い相手じゃ」

⑭「ご存知なんですか?」

②「うむ。奴は魔法界の異端児…革命者と言った方がよいやもしれん。科学が進歩しているように魔法も日々進歩しておるが…奴はその進歩の先進者よ」

⑭「では…力は未知数と?」

②「……」

「隊長!」

レッガ「どうしたじゃい!?」

「離脱者があとをたちません。おそらく…先程の…」

宇宙海賊の艦隊から次々に戦艦が離れていく。

レッガ「な…宇宙海賊の誇りを忘れたのか」

②「恐怖は感染するのじゃ。先程の敵の攻撃で奴らの恐ろしさに臆しても仕方あるまい」

レッガ「ぐう…連合軍め…これを詠んで…通信を送ってきやがったのか」

レッガは離脱者を止めることはせず、見守る。おそらくは逃げるような輩を止めたところで、戦闘には役に立たないということを知っているのだろう。

⑭「今回の親玉は力だけではなく頭もきれるようだな」

レッガ「うむぅ…くそ!!」

No.418

>> 417 ゴオォォォォ

⑯リード「さぁ。開戦と行きましょう」

連合軍艦隊から政府軍の戦艦が徐々にスピードを上げ、先をゆく。

⑯「お手並み拝見といきますか」

④「はっ…我々(連合軍)が出るまでもないかと」











レッガ「先制をとれ!前艦メインキャノン砲を12時の方向へ!」

「イエッサ!!」

レッガ「前方にシールドエネルギー集中!敵も小型艦を出してくるだろう!小型艦戦に備え、小型艦に搭乗しろぃ!」

多く戦艦を失い、離脱者を多く出し、浮足ぎみの宇宙海賊艦隊をレッガは完璧ともいれる指示で、再び、艦隊をまとめ上げる。既に連合艦隊は射程距離に入っている。

⑦「俺もいちょ!かりでるぜ」

敵が近いとの報告を聞くやいなや凱は素早くシャドーmkⅢに乗り込みにいく。

⑭「私も宇宙戦といこうか…」

キックも小型艦に乗り込み、キング・ジュニアから飛び立つ。

②「凱・キックよ。任せたぞ…儂は奴を止めるでな」

No.419

>> 418 ゴオォォォォ

指揮官「獣どもに人間様の力を見せつけてやれ」

政府軍人「はっ!」

宇宙海賊からの一斉にキャノン砲が放たれる。政府軍艦隊はその攻撃を最新防御システムシールドでなんなく防ぐ。その間にもお互いの距離は迫っていく。

「敵艦接近!!敵艦から小型艦の発進を確認!」

レッガ「こちらも小型艦を全機出せぃ!艦は小型艦を援護に回るんだ!」

大型艦から嵐のように放射されるレーザー光線の間を縫うように宇宙海賊・政府軍の小型艦が飛び交い宇宙戦を繰り広げる。

⑦「キック!撃ち落とされるなよ!」

⑭「ふ…心配いらん。私は《飛ぶ》ことは得意だ。戦闘機の操作ぐらいわけないさ」

⑦「へッ…宇宙で羽が使えるといいのにな」

⑭「これが羽(戦闘機)がわりさ」

シャドーmkⅢとキックがのる戦闘機はそう交信を交わすとお互い別方向に別れていく。周りでは次々に戦艦が撃墜され爆発している。一瞬の油断で宇宙のもくずとなることだろう。

⑦「りゃあ!暴れるぜ!シャドー!」

「リョウカイ タイリョウセイサンヒンノ セントウキ ナンザ テキジャナイネ」

No.420

>> 419 ④「将軍…政府軍と宇宙海賊の抗戦が始まったようです」

通信機からは絶え間なく政府軍からの交信が送られてきている。戦況は五分五分といったところのようだ。

⑯「政府軍は宇宙海賊と長年戦争を続けてきましたからね。因縁の戦いと言う奴ですか」

ホログラムマップには政府軍・宇宙海賊・連合軍と3つの艦隊が表示されている。

軍義(グンギ)「獣(銀狼)と人間どちらが優秀か…つまらぬ争いを続けてきた両者もこれで決着がつくということ」

戦義(センギ)「さよう。連合軍が誇るX砲に仲良く飲まれてな」

④「だ…誰だ貴様ら!ここは司令官室だぞ!」

無機質な全身黒ずくめの二人の剣士は黒い仮面ごしに凄まじい殺気を放つ。

④「なんだ!やる気か!」

バジリスはカプセル型の薬を手に持つ。連合軍が巨額な投資、長い年月をかけて、パーフェクト(全種族融合生物)ともに研究をつづけてきた新薬である。

⑯「待ちなさい。私の直属の部下です」

④「う…それは早とちりを…ふん」

No.421

>> 420 軍義「改X砲のエネルギーチャージの完了をお伝えにきたしだい」

戦義「ご命令あらば…いつでも」

どこか協会員のような近未来的な恰好の黒剣士二人は膝をつき、リードの前に控える。

⑯「思ったより早いですね。しかし…まだ少し馬鹿どものお遊戯見学といきましょう。慌てずともゴミ掃除はいつでもできます」

連合軍艦隊は主力砲であるX砲に最大出力のエネルギーを貯め、待機している。そう政府軍は所詮時間稼ぎの手駒でしかなかったのだ。

⑯「種族間の争いなど連合軍の研究に比べれば下らぬもの…我らは神の領域させ踏み越えパーフェクトを作ろうとしているのですからね」

軍義「はは。パーフェクト…早くお目にかかりたいものですな」

戦義「巨人族の力、竜人の飛行能力、狐人の俊敏さ、エルフ・小人族の魔力、人間族の英知、様々な種族の長所を集めた完璧な生物」

⑯「流石は我らの指導者ドイス閣下よ。やることが違うと思わぬか」

軍義「そう思いまする」

⑯「パーフェクトが誕生すれば…こうして弱き種族争いなどなくなる。残り少ない貴重な対戦を見るのも悪くないだろう」

戦義「はは。待機いたします」

No.422

>> 421 ヒュゥウウウ

ドガアァァァ

バアァァァァァ

宇宙から炎に包まれ黒の惑星に1隻の宇宙船が墜落する。宇宙船は砂漠の上で粉々となり、破片は激しく燃える。

ピピッ

同時刻

黒の惑星、管制局、つまりはキングの内部にある惑星全土を監視するレザー室に宇宙からの未確認飛行物体が落下したことを伝える信号が鳴る。

「隕石か!?まさか…連合軍!?」

管制員の銀狼の一人が慌てて、落下拠点のデータに目をやる。

「いや。この反応は金属だ…宇宙船だな。救難信号を出してないところを見ると味方船ではないようだ」

別の管制員は通信機を操作し、偵察船の出動を要請する。















ゴオォォォォ

「放射能反応なし…これは政府軍の船だな」

「撃ち落とされて、ここに落下したって落ちか?」

偵察にやってきた銀狼の戦闘員数名は機器を用い安全を確認すると灰と化した宇宙船の残骸を調べる。

「こちらコード96。落下物を確認。政府軍の船と思われる…生存者がいないか念のため船内の確認を実施する」

「これで、生きてたら乗組員は化物だな」

「だな。だが…気だけは抜くなよ」

「了解」

No.423

>> 422 「どうだぁ?」

「ひどいもんです。乗組員の死亡確認」

一人の戦闘員は全焼した宇宙船に乗り上げ、元はコックピットであった場所を覗き込む。そこには乗組員である兵士二人が変わり果てた姿となって座っていた。

「こちらコード96から本部へ。乗組員の死亡確認」

『ご苦労様です。帰還して下さい。あとは処理班を送ります』

通信からの返答をきき偵察隊は早々と小型艇に乗り、キングへと帰還する。




そんな小型艇がいったのを確認し、砂の中に隠れていた男が姿を現す。男は大きく背伸びをし全身の砂を払う。

コイル「さぁてと…狩りを始めるか」

金髪の男は金属リングを無数につけた舌を出し、唇を丹念に舐める。

コイル「来るのを待ってたら日が暮れるっての」

男は7大中将の一人コイル中将であった。キメラの命令、ウマンダ星の警護に背き単身、黒の惑星に乗り込んできたのだ。

No.424

>> 423 一方、コイル中将が乗り込んできたとは知るよちもないセレナたちはキングの中心部もとは操縦室であったドグロの部屋へと足を運んでいた。

ミスチル「どうぞ…お入り下さい」

屈強な銀狼二人かがりで扉が開かれる。さっそく中心にある青い球体に優しく手を置くドグロが見てとれた。その球体は純粋で、まるで、小さな小さな惑星のようである。

⑤「へぇ…ここがキングの心臓部かぁ」

分厚い壁に覆われており、この場所の重要度が伺える。

ミスチル「キングは生命体です。この核があるかぎり、永遠に形を失うことはありません」

④「生命体?ここは宇宙船ではないのですか?」

ミスチル「えぇ宇宙船ですよ。ただし…生きた船ですが」

デビル「食っても不味そうだけどね」

壁をペロリと舐め、渋い顔をして見せる。

⑱ドグロ「キングについては…この俺様が話そう」

④「聞かせてもらえますか」

⑱「その昔、俺様の愛する人が…」

天井に描かれた美しい銀狼の女がその人なのだろうか―――

⑱「ここで死ぬんだのだ。俺様はもっと大事なものを失い戦いに勝利した…だが…もはや彼女を失った俺様は羽の折れた鳥だった」

No.425

>> 424 ⑱「この俺は死んだも同然だった…そして…俺は彼女の死に場所に居座ることを決めた」

⑱「この船に命を与え俺はこのキングに縛られる身となったのだ」

⑤「なんで、そんなことをしたの?わざわざ…船に命与えてまで、ここにいなくてもさ」

⑱「ふッ。貴様にはまだ分からんさ。本当に大事な人の死の重みなど…その重みは俺をここから離させてくれんほどに…そう。己にかかる重みで羽すら折れてしまうほど」

彼は遠い眼差しで、天井をみやげる。セレナはそんなドグロの真正面まで歩み寄り、手を差し出す。

⑱「……」

③「ダンスティン星にはこんな言葉があります。《死は終わりではなく始まりだ》と…確かに死ぬほどの辛い思いをした貴方は…自分を亡くしてしまったのかもしれません」

⑱「……」

④「ですが…新たな貴方が始まっているんですよ」

⑱「……」

④「立ち上がって貰えませんか…私たちに力を貸して貰えないでしょうか?」

ドグロは目を瞑る。

なぜ?

俺はこの地に止まったのか?

なぜ

未だに止まっているのだ?

彼女が事故で

いや

目を背けるな

奴に

殺されたのだ

そう

殺された事実から逃れたい一心だった

No.426

>> 425 奴から

俺は逃げてきたのだ

彼女の死から

アイツから

俺は

ずっと

逃げてきた―――

⑱「……」

ドグロはゆっくり目をあけ、差し出されたか弱い手に手を添える。

⑱「我、銀狼の長、キャプテン・ドグロ。姫、共に連合軍を打破しようではないか」

③「はっはい!」

人が変わったようにドグロは爽やかな笑顔を見せるとマントを脱ぎ捨て、青い球体の前に置かれた居座へと腰を下ろす。

⑱「俺は逃げてきた。だが…セレナ姫よ。姫は圧倒的な連合軍に恐れることなく挑んでいる。そんな姿を見せられたら…俺様もまた暴れてみたくなったぜ」

ゴオォォォォ

キングが揺れはじめる。

⑤「なんだぁ!地震か!?」

ラ・ドル「いえ…飛び立つ時がきたのでしょう」

デビル「え…飛ぶの!?」

キングの揺れが増していく。揺れが強くなるほど青い球体の輝きは強くなり、深い眠りからキングが徐々に目覚めていく。

⑱「相棒!まだ隠居は早かったようだ…行こうぜ!故郷(宇宙)によぉ!」

ゴオォォォォ

No.427

>> 426 ⑱「キング~!!ウオオォォォ!」

雄叫びを上げ、球体に魔力を注ぎ込む。深く地中に埋まったキングは大地を大きく揺らし、黒の惑星全土にその飛び立ちを知らせている。

ゴオォォォォ

ガガガガガガガカ

巨大な船体は地中から姿を現していく。キングと並べれば戦艦すら小石程度に見えてしまう。

③「凄い…」

ミスチル「私もキングが飛ぶ姿は始めてみます…はは」

永年の月日により、降り積もった大地を砕き、キングは徐々に大地から解放されていく。

ゴオォォォォ

No.428

>> 427 その船は人の手によって作られた物とは思えぬほどに大きく他を寄せ付けぬ、存在感を放ち、己のあるべき場所へと徐々に高度を上げていく。

コイル「おたまげたぁ…こんなでけぇ船…わくわくしてきたぜぇ」

凄まじい砂埃・土砂を巻き上げ、天空へと上昇していくキングに招かれざる客が飛び乗る。だが、そんなことなど知ってか知らぬか、キングは悠々と飛んでいく。

ゴオォォォォォ

⑱「改めて言おう。ようこそ。巨大戦艦キングへ」

③「こんな凄い船を見たのは初めてです」

ラ・ドル「スモッグの奴も影で驚いてるんだろうなぁ…スモッグの驚く顔が見たかったな。ふふ」

土が落ち、キングは本来の姿を見せている。銃口のような巨大砲を船首につけ、特殊鋼で出来た船体は地中に埋まっていたとは思えないほど美しく銀色に輝いている。そして、その身体に何万もの銀狼を守っているのだ。

ミスチル「これが我らの母のお姿か…」

キングは銀狼族にとって、母星のような存在である。キングの中で育ち、死ぬその時までキングの中で過ごす銀狼は少なくなくない。彼らにとって、キングは船ではなく―――

母星

母なのである。

No.429

>> 428 ドカァ

薄暗い廊下に鈍い音が単発的に鳴り、男の掠れた声が続く。

マイナス「知ってることは全て…話したッ…も…ぅゆ…るしてくれぇ」

①「そうかしら?」

口から血を流し、身体中のあちこちが赤く腫れ上がっているマイナスは息も絶え絶え、にこやかな笑顔を浮かべるクリスに言う。

①「協会はクラス別に別れてて、数は数万程度。H2008の座標にコスモワープすれば協会本部へ繋がる異次元トンネルに行けるってわけね」

マイナスは必死に首を上下に動かす。

①「まだ聞きたいことは山ほどあるの…よね」

急に笑顔を崩し、冷たい視線をマイナスに浴びせる。

マイナス「た…たすけてぇ」
















①「コイツからじゃ…この程度の情報が限度だな」

床に力なく倒れ、うめき声を上げているマイナスを見て、肩を落とす。マイナスが着ていた最新鋭の鎧は少し離れたところで、跡形もなく消し飛んでいる。もし脱がせていなければマイナスは粉々になり、何一つ情報を得られなかった。

①「いらないモノは処分するってわけか…」

粉々になった小型爆弾の破片を拾う。おそらく秘密保持のため任務失敗した協会員はこの鎧のような運命を辿ることになっているのだろう。

No.430

>> 429 「キングが飛んでるなんて夢みたいだ」

「ほんとうだぜ。信じらんねぇよ」

2ブロック地区を警備している二人の銀狼は窓に映る小さくなっていく地上に見入っていた。そんな二人の背後に舌を出し、無数の鎖を引きずりながら男が近づいていく。

コイル「夢なら俺は出てこないでしょう…へっ!」

一瞬

銀狼が男に気が付き声を発する前に二人の銀狼は身体を真っ二つに裂かれ、派手に血ぶきを上げる。

コイル「空飛ぶ巨大戦艦の中で狩りってのも燃えるねぇ」













①「今…一瞬、殺気が…まさか敵!?」

瞬時にはね上がり、姿を隠すように下がったオーラを感じたクリスは気配を感じた2ブロックに駆け出す。












コイル「ひゃぉ!!狼狩りってのは楽しいねぇ!」

2ブロックにいる銀狼たちは悲鳴を上げる間もなく斬り刻まれていく。

コイル「どいつも手応えない奴等だ。このコイル中将様を満足させてくれるやつはいねぇのかよ。ったく」

血の海と化した通路をなんともやる気のない歩き方で歩いていく。

No.431

>> 430 ①「なんなんの…これ…」

2ブロックは壊滅していた。幾人もの銀狼たちが血まみれになって倒れ、所々に鋭い何かで裂かれた傷が残っている。

①「誰!!」

人気を感じ、咄嗟に物陰に身を隠す。暗い通路をゆっくりと何者かが近づいてくる。

コイル「さぁ。そこにいるのは分かってるよ~出てきて狩らせてよ?狼チャン?」

暗闇の中から姿を見せた金髪の若男は腰につけた無数の鎖を引きずり、金属音を上げながら近づいてくる。

①「お前がやったのか!」

物陰に隠れつつ、剣に手をかける。クリスの挑発的な発言にコイルは驚く。

コイル「あらら?…銀狼じゃなくねぇ?」

ただ者ではないと感じたのか、コイルは己の武器である腰につけた鋭い刃先のブーメランを構える。

コイル「へっ。運がいいね。もうターゲットと遭遇って…しかも好みだ」

①「暗殺者の生き残りか…」

カチャ

剣を抜き、クリスは物陰から男の前に姿を現す。

コイル「あんなごろつきと一緒にしないでよぉ。俺は連合軍のコイル中将ね。あんたら狩りにきたってわけ」

①「敵ってことか…じゃ遠慮せずいかせてもらうわ」

No.432

>> 431 コイル「ひゅ~やるねぇ」

両者の間に風が吹き抜ける。風は渦となり、クリスの剣に集まる。

①「風よ。我が身となり、お力をお貸し下さい」

風に身を委ね、高速で剣を繰り出す。コイルはブーメランで防ぐが、簡単に弾かれる。

①「はッ!!」

コイル「おっと…ッ!」

完璧な突きで、コイルを捉えた。

①「なっ…」

はずだった。

だが、刹那にして、コイルは視界から消えてしまう。

コイル「人の目ってもんはさぁ。欠陥だらけなんだよね。知ってたぁかい?」

突如、再び視界に現れたコイルは短剣を両手に握り、クリスに襲いかかる。

①「くっ。魔法使いなのか!?」

コイル「いいや。普通の人間だよ!!」

短剣をどうにか受け止め、後ろに飛び距離をとったクリスは投げつけられた短剣をなんなく避けてみせる。

コイル「早い早い。すご過ぎだって。神剣?だっけソレ?」

腰につけた派手に装飾された剣を抜き、戦闘中とは思えないほど暢気な口調で言う。

①「お前、ほんとに中将なのか…」

とても大軍の中将には見えない。街角の不良少年といったところがお似合いだろう。クリスは武器を変え手の内が詠めないコイルに中々、手を出せずにいる。

No.433

>> 432 コイル「あんたのスピード見切るのに苦労しそうだなぁ」

低姿勢で剣を構える。だが、方は荒く剣士としての実力は底が知れているようだ。

①「次は外すことはない。覚悟するんだな」

コイル「おお…こわ」

地面を蹴りだした音が後から聞こえるはどの超高速でコイルの背後をとる。そして、クリスは剣を振る。

①「な…」

だが―――

またしてもコイルの姿はなくなり、剣は宙を斬る。

コイル「人ってのは7割…う?8割だったかな?まぁそんぐらいの割合を目から情報得てるわけなんだわ」

①「ッ…」

真正面から突如、現れ剣撃を浴びせる。クリスはなんとか剣を受け止める。

①「いったい…」

コイル「そんな重要な機関である目なんだけど…目には欠陥がある。そこをついてやればあんた程の剣士ですらこうなっちゃうわけ!」

また視界から消えてしまったコイルを周りを見渡し必死に探す。だが、気配はするものの姿は見えない。

コイル「こっち!こっち!」

①「くっ」

神出鬼没に現れ剣を繰り出されクリスは防戦一方になっている。

コイル「すごいじゃん。これも反応するんだぁ」

①「くそッ」

No.434

>> 433 コイル「目ってのは死角があるし、錯覚現象で違うふうに見えたり、目で見ているものなんてほんとうに正しいとは限らない」

剣を交えながらコイルは言う。

①「死角・錯覚だと!?」

コイル「あぁ。そうさ」

また視界から消える。クリスは何を思いたったのか、目を瞑り、ゆっくりと剣を下ろす。

コイル「あら!潔いいじゃんか!」

①「……」

奴が―――

死角をつき姿を消していると言うなら

私は自ら目を封じるまでだ―――

もう惑わされない。

コイル「なっ」

背後からの剣撃を受け止め、クリスは剣にオーラを集中させる。

①「はっ!!」

風は刃となり、コイルの鎧を易々と砕く。そして、数十m先へと強制的に吹き飛ばす。

コイル「っ…目瞑って…逆に動きよくなるってどうよ…くそ」

口から血を流しつつも機敏に態勢を立て直し、追撃をしかけに迫ってくるクリスに立ち向かう。

コイル「ただじゃやられねぇよ!」

①「もうお前の手は通じない!風よ!」

No.435

>> 434 ①「はぁ!」

コイル「まっ…ぐあぁ」

防御すらゆるさない剣速に当然、コイルは反応できず、腕を斬られ悲鳴を上げ剣をこぼす。

①「チェックメイトだ」

コイル「く…や…やるね」

落とした剣を拾おうとする。だが、クリスは剣を踏みつけ、喉元にその鋭い刃先をつきつける。もちろんコイルは動きを止めた。

①「素直に私の教えて欲しいことを喋ってくれたら…見逃して上げてもいいわ」

コイル「はは。何を聞きたいんだい?」

腕につけられた深い傷からの流血を渋い顔をしながら止血し溜め息混じりに言う。

①「連合軍はほんとうに人間を作っているのか…」

ドグロから聞いた真実のはずなのに

クリスはつい質問してしまう。

真実と認めたくない自分がいるのは確かだった。

コイル「ふ…どこで聞いたか知らないけど真実だよ」

①「お前も…なのか」

信じたくはない

だが――

急成長を遂げた連合軍

あの世界の軍をかき集めても足りぬほどの圧倒的な兵力

否定するにはあまりにも納得する事柄が多すぎる。

これは真実なのだ―――

No.436

>> 435 コイル「俺は天然ものだよ。ま…最前線に出ている連合軍のほとんどは養殖もんだけどね」

表情を崩すクリスを見定めるコイルは追い詰められた者とは思えないほど冷静でその内に何かを隠しもっているのか余裕すら感じられる。

①「そうか…まだ聞きたいことはある。パーフェクトは実在するのか?」

コイル「驚いた。あんたらそんな事までつきとめてたなんてさぁ」

①「誤魔化さず!言って!」

コイル「分かった分かったから。そう剣をつきつけないでよ。パーフェクトは存在するよ。ま…まだだけどね」

①「研究はどこまで進んでる!パーフェクトとはなんなんだ!」

コイル「研究の詳細までは俺じゃ分かんないけど…おそらく7~8割のあと一息まで進んでるだろうね。実際、未熟児と呼ばれる生物をこの戦闘にも連れてきているって情報も入ってる」

①「な…ピンタゴ星雲にパーフェクトが来てると言うの!」

コイル「いや…正確にはパーフェクトは全く別のモノだね。ほんとうのパーフェクトなら連合軍すら制御できない怪物だもの」

①「制御できない?連合軍は世界征服するためにパーフェクトを作ってるんじゃ…手に負えないものなんて作ってどおするの…」

No.437

>> 436 コイル「その通り、連合軍の目的はあくまでも世界征服だよ。だけど…ドイスの考えは違う。世界の破滅を望んでいるのさ」

予想外のコイルの言葉に耳を疑う。

ドイスはパーフェクトを作り世界を滅ぼそうとしている?

①「ならなぜお前はドイスに従って動いているんだ」

コイツ「面白そうだからさ…パーフェクトが世界を滅ぼす未来がね。少なくとも今の世界よりはより良い世界になる」

①「な」

コイル「完璧な生物(パーフェクト)がこの世界を治める。それが世界にとってもっとも理想的だ」

コイルの血は色を変え形を変え、スライム状のモノへと変化していく。

①「お前たちは間違ってる!パーフェクトを作ろうとしていることも!世界を滅ぼそうとしていることもな!」

コイル「なら!お前の手で連合軍を止めてみな!話は終わりだよ!」

スライム状の液体は一気に体積を膨張させてクリスに覆いかぶさろうと襲ってくる。

①「これは」

コイル「今度は俺の相棒が相手になるぜ!」

ゴオォォォォォ

No.438

>> 437 スライム状の液体は触手を無数に出し、クリスに攻撃を仕掛けてきた。右に左にと避けていくにつれコイルとの距離が開いていく。

①「これは…」

コイル「非力の俺がなぜ?中将か知りたいだろ?このマイペットのお陰さ!!!」

スライムに迂闊にも足を取られたクリスは必死に振り払おうとするが、斬っても切れない液体からは逃れられない。

コイル「死ぬ前にいいこと教えてやるよ。あんたらは連合軍には勝てないよ!今までは奇跡で乗り越えてきただろうけど!今度ばかりはそう上手くいかない!」

腕までも触手に封じられ完全に動きを止められたクリスの腹部に鋭く変形したスライムの触手がゆっくり迫ってくる。

コイル「連合軍は宇宙で戦っている宇宙海賊と政府軍もろともX砲で消しさるつもりなんだよね。バカな政府軍に手一杯のあんたらはX砲に呑まれちまうわけ!だから…直ぐ仲間も来てくれるよ!」

触手が腹部を貫こう とした時、閃光が視界をおおった。

コイル「なんだと…」

No.439

>> 438 ①「風林火山!!」

超回転で触手から逃れ、クリスの斬撃がスライムへと容赦なく降り注ぐ。

コイル「うおぉ!そんなバカな!」

再生すら追いつかない超スピードの斬撃にスライムは押されていく。

①「私たちは連合軍を止めてみせるわ!!」

コイル「あんたらはドイス閣下の理想をなんにもわかちゃねぇんだ~!うおおぉ!」

ピカッ

剣撃は光となり、風ともなった。

そして

場に静寂を与えた。












①「終わった…」

技の反動で膝をつく。度重なる身体の酷使に全身が悲鳴を上げている。このまま戦いを続ければクリスの身は無事ではいられないだろう。だが、戦うのが彼女の運命なのだ。

運命からは逃れられない。

そう。

それが世界の法則。

世界の均衡―――

コイル「っ…やっぱ強ええわ…」

大量の血(スライム)を失い、意識すら朦朧の彼からは死の恐れは感じられなかった。既に回復魔法を唱えようと手遅れの状態である。

No.440

>> 439 ①「それは…軍の生物兵器か…」

コイルの心臓の鼓動が弱くなるにつけ、残った破片を結合し元に戻ろうとするスライムの動きも悪くなっていく。

コイル「そうだ…パーフェクトの研究の一部…人体実験の犠牲者なわけ…ッ」

①「そんなことまでされて…なぜ…なんで…連合軍側につくんだ…」

コイル「ふ…あんたらには分からない…さ…」

①「間違ってるよ。お前は…間違ってる」

コイルを見つめるその目は敵へと向ける鋭い視線ではなく優しく悲しみに満ちた目だった。

コイル「これから…ほんとうの連合軍の恐ろしさを…あんたは体験するだろう…だけど…意思を強く持つことだ…っ…………」
















①「ドイス。お前は私が止める」

誰からも返事は返ってこない。だが、クリスの心からは強い返事があったに違いなかった。

ドイス

人から逸する者

人であって人でない存在

連合軍の指導者

世界を滅ぼそうとする者

クリスの両親を殺した者

クリスにとっても世界にとっても大きな負の存在―――

それが

ドイスだ

No.441

>> 440 宇宙での戦闘は激しさを増していた。両軍一歩も引かぬ死闘になっている。実力では上の宇宙海賊だが、数では不良。政府軍も永年の戦いで宇宙海賊との戦い方を身につけており、簡単にはやられてはくれない。苦戦は必至であった。


⑦「ちっ…通信が乱れ合ってやくにたたねぇな」

「ソウダネ マァ リョウグン シキハメチャクチャダ リキセンノセメアイッテヤツダネ」

通信からは絶え間なく幾万もの通信が入り、ノイズにしか聞こえてこない。両軍が放つ妨害電波の影響も大きいようだ。

⑦「なら!俺たちは敵の頭をとりにいくとするか!」

「マタ ムチャヲイウ レンゴウカンタイニ イッキデ ツッコムナンテ キコウダ」

⑦「ゆせぇ!我が道を行く!それがこの俺、凱さまよ!やっほ~!」

シャドーmkⅢは戦闘の真っ只中を何の障害ともせず、高速で突破する。混乱の中、ステルス機能を持ったシャドーmkⅢに防衛線を破られるが政府軍に気づく戦艦はいない。

「ステルスキノウモ レンゴウカンタイニハ ムリョクダトオモウヨ」

⑦「分かってるっての。敵さんのレザーの過ごさはな!」

No.442

>> 441 「ワカッテタラ コンナムチャシヨウトハシナイ バカ」

⑦「あ?なんか言ったか?」

「イイエ ナン~ンニモ ゴシュジンサマ」

装甲の強度は従来の三倍を超えると豪語していたナナの姿が凱の脳裏に浮かんでいた。

フルスピードで戦艦に体当たりしてもご自慢の錬金術の超合金には差し障りないと高笑いしていたが―――

⑦「いっちょ…試してみるかな」

シャドーmkⅢ版のガイブレイドを

「ナンカ イツニモマシテ ヤナヨカンナンデスケド」

「潰れたら自信過剰の整備士さん(ナナ)を恨むんだな」

「コンドカラハ セイシキメカ-ニシュウリシテモラウ」

シャドーmkⅢは警告アラームが鳴ると同時に大きく左折し、機体はアクロバットな飛行を始める。

⑦「さっそく。きやがった!この距離からレザーにひかかったか!」

「MMLミサイルサンキカクニン ロックオンサレテルネ」

⑦「このミサイルには慣れっこだっての」

前方からのミサイルをなんとか避ける。だが、ミサイルは直ぐに転回し、後方から再び襲ってくる。

No.443

>> 442 ⑦「おい!昔よりか性能上がってんじゃね~か!おもしれ!」

スピードでは圧倒的なミサイルに直ぐに追いつかれてしまうが、シャドーmkⅢは凱の巧みな操縦+シャドーのナビゲーションにより、またもミサイルの激突を避ける。

「ヤバイネ サンキガワカレテウゴキハジメタヨ サイキンノミサイルハAIヲツンデルラシイ」

⑦「3方向からのミサイルか…避けきれねぇな」

「シールドオープン ゲキタイホウジュンビカンリョウ タマタカイカラムダウチスルナヨ ガイ」

「分かってら。資金ねぇのはよ…だが!使わねぇのはもったいないだろ!」

「イッパツ イクラスルトオモッテルンダカ」

「え?…そんなに高いのか」

金欠の凱に対しての当て付けで、ナナが面白がってつけたメイン砲がこの銃砲だ。威力はお墨付きだそうだが。

「カルク ガイノイチネンブンノセイカツヒ」

「……マジか」

絶句する凱だが、容赦なくミサイルは襲ってくる。

No.444

>> 443 ⑦「そんな高けぇ玉…今ある玉はどおしたんだよ!?」

「センベツニ ゴシュルイケイゴコ ナナガクレタカラネ」

⑦「んじゃ…5発まではタダってことだな」

「ダカラッテ ムダニハウカウナヨ キイテルノ ガイ」

「分かってる。分かってるって!よしゃぁ!ぶっぱなすぜ!」

「ダカラ ソレヲワカッテルトハイワナイッテバ」

操縦席の横にパメルが現れ、銃砲の照準が映されている。凱は手前についた短銃型の発射装置を握り、ついている引金を引く。

ズゴオオォォォォ!!!

銃砲から勢いよく放たれた金色の弾丸は四つに別れ、辺りに爆発し、小爆弾を撒き散らす。

ズオン

ズゴン

ゴオオォォォォ

小さな爆破が無数に起こり、もちろん、向かってきたミサイルも巻き込まれる。そして、MML3機分を巻き込む大爆発が起きた。

ドゴオォォォ!!

シャドーmkⅢは爆発を加速源に一気にスピードを上げたのであった。

No.445

>> 444 ピッピ

「MMLターゲット爆破確認しました」

「よし。監視を怠るな。政府軍を突破してくるやもしれんからな」

「はっ」

シャドーmkⅢは艦隊のレザー網から消えていた。爆発による範囲に電波障害が起こっているのだろう。運よくも連合軍はシャドーmkⅢを撃墜したと勘違いしてくれたようだ。

⑦「ミサイルはどうだ」

「イマノトコロハ モンダイナシ」

⑦「しゃぁ。この調子で頼むぜ…う!」

ピピ

「サンジノホウガクカラ セントウキセッキン」

大きく旋回し、迫っくるシャドーmkⅢと類似する銀色の戦闘機に背後を取られまいと進路を変えるが、戦闘機は凱の操縦に確りついてくる。

⑦「しつこいやつだぜ。お前はよ」

モニターには戦闘機の操縦士の映像が送られてくる。

凱には見慣れた狐人

砦であった。

砦「よぅ…連合軍と遊ぶ前に俺と遊ぼうや!」

⑦「お前のしつこさときたら世界一だぜ。ったく」

戦闘機からレザー光線が放たれた。シャドーmkⅢは船体を反らし避ける。

砦「最後に残しておきたい言葉は?」

⑦「くたばれこのヤロー!」

砦「貴様らしい最後の言葉だな!死ぬ!」

No.446

>> 445 ⑦「俺の船を舐めてたら痛い目にあうぜ!砦!」

『ボロ船に遅れなどとらん』

狐人の最先端技術を積んだ戦闘機はシャドーmkⅢに遅れをとるどころか、機能面では上回っている。元々、シャドーmkⅢは狐族(狐人)のシャドーシリーズの戦闘機を改造したものだ。凱がフォックスから逃げる際に停泊船を盗んでウマンダ星から賞金稼ぎの第一歩を歩んだのだが、その時に盗んだ船こそが今のシャドーmkⅢなのだ。シャドーと凱との出会いについてはまた機会があれば触れることもあるだろう―――

レザーをぎりぎりのところで避けながら戦闘機から背後を逆に奪還しようと船体を回転させる。

だが、戦闘機は性能だけではなく操縦士の腕もかなりのもののようだ。砦は簡単に引き払われない。

⑦「シャドー!後方への攻撃砲は無いのかよ!」

「ナイネ カネノカンケイデ ソウビダイブケチッタカラネ」

⑦「おい!なんだ!金が無い俺のせいだって言いたいのかよ!シャドー!」

「スクナカラズハ フルソウビ ハイグレードノソウビナラ アンナキセイヒンセンニマケナインダケドナ」

⑦「っ…しゃねぇ根性だ!根性見せろ!」

「ムチャイウナヨ」

No.447

>> 446 狐人での宇宙船話で話題の最新作シャドーSH機に少しずつだが、確実に迫られてくる。このままではレザーの餌食になるのは時間の問題だろう。

2機の宇宙船は連合艦隊が先にあると言うのにお構い無し機体の限界、ブースターに火がつく寸前、フルスピードで飛ばす。

⑦「射撃の腕は相変わらず下手くそな奴だぜ」

『貴様も相変わらずゴキブリ並のすばしっこさには関心するぞ!凱!』

レザーが機体をかすめ、火花を散らしながらシャドーmkⅢは膨大な宇宙での追いかけっこを続ける。

『貴様は昔から逃げることにかけとは誰よりも優れているな。あの時のように《逃げる》だけはな』

⑦「俺は逃げねぇ!もう二度とな!」

『な!!』

シャドーmkⅢは突然ブースターを逆噴射し、急激にスピードを落とす。真後ろにつけていたシャドーSHは慌てて機体を傾け、激突をさける。

⑦「特大の一発くらわしてやれ!シャドー!」

「リョウカイ シャドーシリーズノセンパイトシテマケラレナイカラネ」

ドゴオォォォ!!

急減速で背後をとったシャドーmkⅢの銃砲が火を吹いた。

No.448

>> 447 砦「くそっ!ぐ…AI!状態は!」

「キキテイシ システムエラー ゼ ゼンテイシ……」

砦「くそぉ!!覚えておけよ!凱!くそがぁ!あああ!」

発射された弾丸は見事にシャドーSHに命中する。だが、爆発はしない。そのかわりに弾丸から発せられる電磁波により、機体の機器はことごとく破壊されている。もはや船と言うより箱の状態に近い。

⑦「敵さんの船はおだぶつしたようだな」

「マァネ ムダニマタタマヲツカチャッタケド」

シャドーmkⅢは颯爽と立ち往生する戦闘機の横を過ぎると直ぐに砦の視界から消えた。凱がとった奇策は無謀だった。ふつうなら船同時が激突して終わっていた。だが、凱は砦の腕を知っていた上で船を急停止させたのだ。結果は砦は見事に避けた。日頃から無謀な凱とて、砦の操縦技術高さを知らなかったらとてもではないが出来なかっただろう。

No.449

>> 448 「今何かレザーに映らなかったか?」

「あぁ、一瞬だったが…」

連合艦隊の最前列にいる長距離レザー監視システムを備えた戦艦のモニターに微かに探知反応が出ている。兵士はレザーの出力を上げ様子を伺う。

「どうした」

「はっ!先ほどの船がいた方角にまた反応が見られまして」

監視室を任されている男は眉間にしわを寄せながらモニターに目をやった。確かにレザーに反応がある。

「MMLで撃墜出来ていなかったのか」

反応は徐々に強くなり、監視室には警戒音が発せられる。

「MML搭載の小型船の発進許可を出す。ただちに抹消せよ」

「はっ」

兵士は機敏に敬礼し通信機のマイクを手にとる。他の兵士も慌ただしく持ち場の仕事につく。

「監視艦より…00123艦応答せよ」

『こちら。00123』

「小型船の出動命令がおりた。目標はDN1508からこちらに移動中…見つけしだい撃墜せよ」

『了解』

艦隊から十数機の小型船が指示された座標へと飛び立つ。小型船は両脇に船体ほどあるMMLミサイルをつけ、小型船らしからぬ火力を備えている。

ゴオオォォォォ

No.450

>> 449 シュゴーーッ

⑦「ったく!しつこいやつだぜ砦の野郎はよぉッ!!」
凱は頭をボリボリ掻いた。

PPP
「モシカシテ… オホモダチ…」

⑦「シャドー気持ち悪いこと言ってんじゃねぇよ!然し、あの調子じゃ又仕掛けてくるな…修行時代からしつこいからなぁ…」
ハアと小さく溜め息をついた。

Vi…Vi…
「ガイ レーダーニ スウジュッキノ コガタセンカクニン…」

⑦「流石にステルス走行も限度があるな。まぁ、敵が来たら叩き潰す。さぁ、行くぜシャドーッ!!
コアブースター解放フルスロットル全開!!」
カシャカシャ
「行くぜ!おらーっ!!」
ガチャ
凱は素早くキーボードを打ち込み左右のレバーを引いた。

ゴシューーッ

  • << 451 シャド「テキセンタイカラ ミサイルハッシャカクニン セッカクキレイニナッタノニ ボディニコレイジョウキズヲツケナイデヨ ガイ」 ⑦「多少傷ものの方がお前らしいぜ!シャドー!んだから気にするな!」 「キニスル キカイノハートハイガイトデリケートナンダヨ」 更に加速し、小型船から発せられたミサイル群を超スピードで突き抜ける。度胸・操縦技術を兼ね備えた無謀な男、または単なるバカにしか出来ない芸当だろう。 ⑦「どうだ!見たかよ。今のは際どかったぜ」 「ジサツコウイハ レンタルセンカリテヤッテホシイモンダ」 もちろんミサイル群は転回し、先ほどのMML同様、後方からシャドーmkⅢを襲ってくる。前方には小型船十数機がレザー砲を構え迫ってきている。 ⑦「ちょくら暴れるからよ。機体制御たのむぜ!」 「ハイハイ」 ピピピピピピピ シャドーmkの船内では警戒音が鳴り、超スピード・変則的な操縦に機体が悲鳴を上げている。
投稿順
新着順
主のみ
付箋

新しいレスの受付は終了しました

テーマ別雑談掲示板のスレ一覧

テーマ別雑談掲示板。ひとつのテーマをみんなでたっぷり語りましょう❗

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧