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「あいつの女」と呼ばれて

レス18 HIT数 1738 あ+ あ-

匿名( ♀ )
14/04/16 17:00(更新日時)

「あいつの女」

そう呼ばれるたびに優越感に浸り
日々美しく輝いているような気がしていた

でもそれとは裏腹に時は流れ老いていく自分

つまらない女からいい女へ

そしていい女からただの尻軽女へと墜ちていく日々をただ、ただ語ります。




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No.2082622 14/04/11 16:09(スレ作成日時)

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No.1 14/04/11 16:21
匿名0 ( ♀ )

車の窓ガラスに映るややほうれい線が目立ち始めた顔。

鏡で見るよりもシワやたるみが目立って仕方がない。

早く家に帰って自宅の鏡の前に立ちたい。


「鏡よ鏡…私が一番綺麗って言って。ずっと私の味方でいてよね…」

他人には絶対見られたくないけどこれが一番至福の時。

鏡の前で一番輝く表情をしてみせる。

ナルシストってきっと私みたいな事を言うのかな?



No.2 14/04/11 16:34
匿名0 ( ♀ )

「明日会える?」

「時間にもよる」

「会いたい、会えたら会おうよ。」

彼とのやり取りの中、約束にならない約束をして昨夜はドラッグストアで購入した唇のスキンケアを頑張った。

乾燥はしてないけどパッケージのプルプルの唇に惹かれて買わずにはいられなかった。

お風呂上がりに翌日の唇を想像して5分…10分…20分。
ピッタリ唇に密着するからテレビが面白くても口を開けて笑えない。

もうプルプルかな?

けっこうスースーして確かに乾燥した唇には効果がありそう。

だが極めて健康な私の唇にはこれといって効果は感じなかった。

「明日会えますように」

鏡の中の自分にそう言って私は寝床についた。




No.3 14/04/11 16:42
匿名0 ( ♀ )

翌日。

朝から顔を洗顔石鹸で顔を洗う。
1個5000円の洗顔石鹸。

高くて続けられない。そう思いドラッグストアの格安の洗顔料を何度か使ってみたけど顔が赤くなって痒みまで出て諦めた。

「私って安物は肌に合わないのよね」

そう言い聞かせるしかなかった。

ローン…ローン…ローン。

美容液にパック、どれもこれも金額の0が1つ多い。

毎月の支払いが嫌で嫌で仕方がない。

でも…真っ赤な顔にカサカサな肌になるのがもっともっと嫌。

モコモコの泡で丁寧に顔を洗いタオルで優しく水分をすいとる。


鏡の中の顔は昨日より調子が良さそうだった。

唇パックのおかげかな♪

だけど今日…会えないかもしれない。そんな気がして仕方がなかった。



No.4 14/04/11 18:09
匿名0 ( ♀ )

「下地にもなりますよ」
そう言われて買った美容液を2~3滴、手のひらにとり顔に塗る。

近頃は年のせいか肌荒れのせいかは分からないけど、美容液がスッと浸透する感覚がめっきり無くなり
渇いた肌にペラッと塗る感じに慣れてしまった。

美容室で買ったリキッドファンデ。
コンシーラーでシミソバカスをしっかり隠してファンデを丁寧に伸ばしていく。

赤みもシミもソバカスもすっかり消え、まるでのっぺらぼう。

眉を書きアイラインをひき、アイシャドーをのせ、チークをほんのり。

あっ。

目の下にハイライト入れなきゃ。

唇にはほんのり色付くリップを塗って完成。

本当はグロスを塗りたいけど、ベトつくグロスの変わりに淡い期待をのせて彼に会える事を祈り、リップのキャップを閉めた。


No.5 14/04/11 18:19
匿名0 ( ♀ )

私が彼に出会ったのは7年前。

彼も私も若かった。

お互い誰かも分からないまま恋に落ち、愛し合う度に彼が誰なのか私がどんな女なのかを探るスリルはどんな恋よりも刺激的で冒険的で毎日が新鮮だった。

でもお互いどんな人間なのか知らないままの方がもっと幸せだったかもしれない。



No.6 14/04/12 09:05
匿名0 ( ♀ )

大切に伸ばしてきた髪にスプレーをかけ丁寧にときながら、出会った頃の彼の姿を思い出していた。

彼に出会ってから長く伸ばした髪。

一度だけ別れを決意した時に短く切った事がある。
でも髪は断つことができても思いは絶ちきれなかった。


短くなった私の髪を見て私が何を言いたいのか分かった彼は何も言わずに私を抱きしめたあの日…。

愛に言葉なんていらない、本当にそうなんだって実感した。

涙だけが溢れて前よりもっと彼を好きになっていく瞬間だった。

彼の胸の中で、今私に言おうとしてる言葉がなんとなく分かった。



だから今も彼との関係が続いている。



あの時、彼の心を《さようなら、ありがとう》
と解釈していたら今頃どうなっていたのかな。






No.7 14/04/12 09:20
匿名0 ( ♀ )

髪も整い顔も完成。

まだ肌寒さが残る季節。
アウターを羽織り安物の腕時計を身に付け、お気に入りのバックにブランド物のハンカチを入れる。

ハイヒールを履き玄関の鍵を閉め"カツカツ"と音を立てて胸を張って歩く。

"ピピッ"

車のロックを解除して運転席に乗り込む。

エンジンをかけ、音楽を韓国ドラマのサントラに変え、ラブストーリーのヒロイン気取りでいつもの場所へ向かった。





No.8 14/04/15 15:59
匿名0 ( ♀ )

もう少しで満開になりそうな桜並木の坂を上り、20台ほど停められそうな駐車場へ向かう。

平日の昼間は営業マンらしきスーツ姿の男や、小さな子供連れの車が数台停まっている。

私は桜の木の下に車を停めた。

彼からの連絡を待つ。

コンビニで買った淹れたてのコーヒーがだいぶ冷めてしまった頃、携帯の着信音が鳴った。

待ち焦がれていた音ではなくいつもの音……


一気にモチベーションが下がっていく。

私は携帯を耳に当て電話に出た。

携帯から聞き慣れた声が聞こえる。

《もしもし?今日良太は何時に帰って来るんだ?》


No.9 14/04/15 16:17
匿名0 ( ♀ )

夫からの電話だった。

結婚15年目。

真面目で優しくて、家事の手伝いだってしてくれる夫。

夫の事は嫌いではない。

でも、気付けば結婚生活の半分を夫ではなく彼に費やしていた…。


《もしもし、今日は習い事もあるし7時過ぎよ。どうして?》

《いや、久しぶりに一緒に風呂に入ろうかと思ってな。良太が帰ったら連絡くれ。》


私は分かったと可愛いらしい声を出し、そそくさと電話を切った。

夫からの電話はいつもどこかで見られているかのようなタイミングで掛かってくる。

重いため息を吐き、すっかり冷めてしまったコーヒーを飲んだ。


No.10 14/04/15 16:34
匿名0 ( ♀ )

車から降りて、美しく咲き乱れようとしている桜の木の下で彼に電話をかけた。

いつまでも繋がらない電話に、苛立ちよりも虚しい気持ちの方が先だった。

《逢いたい》と言いたい時に言えない虚しさは出会った頃も7年経った今も変わらない。

もし彼と出会う事がなかったらきっと今も《逢いたい》と言えない事がこんなに辛いだなんて知らなかったかもしれない。




No.11 14/04/15 21:49
匿名0 ( ♀ )

虚しさが苛立ちに変わろうとした時電話が鳴った。

《すまない、今日はそっちには行けない。》

《分かってる。またね》

《……おぅ。》


そう、分かってる。

いつもそう。

彼に見せたくて仕方がなくなるほどメイクがきまった日に限って会えない。

また、ため息をついて車に乗った。


…仕事?
明日子供の入学式だから忙しいんでしょ?

そんな事くらい分かってるよ。


私は一人ぼっちでつまらない意地を張った。





No.12 14/04/16 08:26
匿名0 ( ♀ )

桜並木を横目に下る坂道。

ここの桜を眺めるのも今年で7回目になるんだ…。

家庭で辛い事があった時、悲しい時苦しい時はいつもこの場所に来ていた。

春は桜が夏はプールではしゃぐ子供や若者の声が、秋は美しく紅葉した紅葉やイチョウが、冬はひらひらと舞う粉雪が…いつも私を見守ってくれた。

こんな私を……。



ちょっとだけ涙が目にたまったような気がした。

通いなれた道を少しだけアクセル吹かして家路につく。




No.13 14/04/16 08:32
匿名0 ( ♀ )

家の中は散々だった。

でも…いつものこと。

楽な部屋着に着替え、めかしこんだ服は脱ぎ捨て私は掃除機を引っ張りだし延長コードで家の中心のコンセントにプラグを差し、掃除機をかけていく。

夫の靴下が掃除機に吸い込まれそうになったので慌ててスイッチを切り、引っ張り出す。

時計を見るともうすぐお昼だった。

携帯のバイブが鳴った。

メールが届いていた、珍しい差出人。

夫の兄嫁からだった。






No.14 14/04/16 15:56
匿名0 ( ♀ )

『お久しぶりです。

お元気ですか?

主人と話してましたが、お義母様をこちらで引き取りたいと考えてます。

そちらはどうお考えですか?

よろしければゴールデンウィークにでも集まってお話しませんか?』




…………はっ?



No.15 14/04/16 16:07
匿名0 ( ♀ )

去年から寝たきりになった義母。

散々わめいて家庭を掻き乱し、私を子供もろくに育てられない人間のクズ…どす黒い血が流れる女だと罵った義母。

口も聞く事ができないほどくたばり果てた義母を今頃引き取るだと?

長男の嫁のくせに冗談じゃない。

絶対に渡すものか。

……最後の最後に「いい嫁ヅラ」なんてさせない。

『結構です。
義母は寝たきりですよ。
今頃面倒を看たいと言われても正直困りますので。』


もう怖いものなんてなかった。
怖いどころか、笑いが止まらなかった。




No.16 14/04/16 16:19
匿名0 ( ♀ )

義母は人として最悪だったが、義母がいなければ夫とも子供とも出会ってなかったし彼とも出会ってなかったかもしれない………。



ある母の日。義母は私からの母の日のプレゼントが気に入らないとぶちキレ、「使えない嫁」と罵倒した。

結婚当初から精神的に不安定なところがあり私も極力割り切って付き合ってきたつもりだった。

でも、その日は義母に喜んで欲しいと、「大嫌い」な感情を必死に押し殺して選んだプレゼントを捨てられ、あげくの果てに罵声まで浴びせられ私は我慢できなかった。

夫も子供も置いて私は泣きながら車にエンジンをかけ、ただひたすら走った。

左手に良太がまだベビーカーに乗っていた頃何度か立ち寄った事がある公園が見えた。

私は煮えたぎる感情を抑えその公園の坂を上った。

No.17 14/04/16 16:37
匿名0 ( ♀ )

今よりも少し若い、当時の私は地味で世帯やつれしていた。

お洒落なんて二の次。
子供を育てるので精一杯。
義母の面倒で精一杯……。
成長していく子供と義母の関係に頭を悩ませる日々。


(もう……限界。)

そう心の中で叫び車のシートを倒し、恥ずかしいくらい泣いた。


そんな時彼の姿が飛び込んできた。
逞しい体つきの中年男性。

デカイ体で公園の水道の蛇口で顔を洗っている姿が妙に可愛くて、癒された。

またここに来たらこの人に会えるかな…?

思考回路がショートしたら回復するまで少し時間がかかるらしく私は女子高生のような淡い期待を胸に抱いていた。




No.18 14/04/16 17:00
匿名0 ( ♀ )

煮えたぎる感情は少し治まったが、涙はまだ残っていた。


義母のために流す涙なんて無い。
今なら鬼のように、そう思えるのに当時の私はまだ人間らしさがあったのかもしれない。


勢いよく家を飛び出したせいか家には本当に帰り辛かった。
でも実家は遠いし、まして今の現状を両親に相談できるはずもなかった。

帰る場所はここしかない。


玄関を開け、義母の顔も夫の顔も見ずに真っ直ぐ寝室に向かった。


子供が聞いてきた。
「ママどうして怒ってたの?」

大人の事情を知らない幼い子供が意地らしい。
「ちょっとね。ごめんね。」としか言えなかった。

「ばあちゃんのせいよ」と本当は言いたくて仕方なかった…。


その日の夜、夫が「いつもすまん。お前には迷惑かけるけど今の所、預かってくれるような場所も探せない。もう少し辛抱してくれ。」と言ってきた。

「私は長男とは結婚したつもりはない。」
そう喉まで出そうになった言葉を必死で飲み込む。

「分かってる…。今日は私もごめん。でも……」
そう言って夫の目を見た時、今日公園で見かけた彼の姿が脳裏に浮かぶ。

また会いたい…
一目でいいからまた会いたい。

胸がキュンとなる。


私はでも……と言いかけて「もう大丈夫。」と嘘をついた。


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