注目の話題: レストランに赤ちゃんを連れてくるな; 学校休むか休まないか…; 🍀語りあかそうの里🍀1️⃣0️⃣

👑フリードリヒ３世の吸血NACHTBUCH(夜記)♦🌃

No.25　13/08/22 19:43
F.vﾊﾌﾟｽﾌﾞﾙｸ=ﾎｰｴﾝﾂｫﾚﾙﾝ ( ♂ zNfWxe ) あ+あ-

大公と２人きりの時を見計らって、私は例の疑問をぶつけた❗

大公は大して驚いた顔もせず、こう呟いた♠

｢そうか、見たのか？
まあ貴殿ならば、見つけても不思議ではあるまい。｣

そして、
｢で、貴殿はこの問題をどう解いたのかな？｣

私は言った。

｢２つの筆跡が同一なのは疑いない！

ならば、あの図書室で見つけた古文書を書いたのは、あなただ❗

だが…、あの紙も装飾スタイルも、最近のモノではない、少なくとも３百年以上前のモノだろうと思う。
仮に百歩譲ったとして、あなたがラースロー王の真似ならまだしも、ルードルフ１世の文書まで偽造する理由は、見当たらない。
と言うことは…｣

私は沈黙した。

大公はこう促した♠

｢では貴殿の理性とやらは何と言っておる？

仮に理性を離れて、証拠だけなら、何と見る？｣

私は思い切って、こう叫んだ。

｢それは…全く有り得ない事だが、あなたとラースロー４世は同一人物という事だ❗｣

しばしの沈黙が訪れて、それから大公が語った。
｢仮にそれが事実だとして、貴殿はどうされる積もりかな？
世間に公表でもするか(笑)｣

｢いいや。仮に私がこれを公表しても、誰も私を信ずるまい！
第一、私がこの城を出られるかどうか？｣

｢なるほど、賢いな貴殿は(笑)

まあワシが貴殿を城から出すか否かは置いておいて…

貴殿はこれをどう思う？

世間の人間らには、想像すら出来ない力と生命を得て、無限に、自由に、この世界を気ままに生きられるとしたら？

人間は世界にとって、余りにも小さく、哀れだ❗
貴殿がこの先、何十年生きるか知らないが、それっぽっちの時間で、例えば貴殿の傾倒している音楽だけでも、どれだけ極められようか!?

この城で、ワシ以外にも見聞きした様々な物事を、賢い貴殿ならどう見たかな？

最近流行りの、小さな啓蒙思想だの理性だので、説明がつかないだらけの、この全てを！

貴殿も我々のように生きてみたい、とは思わなんだか？｣

自分でもビックリする程、私は落ち着いた声で答えた。

｢それは悪魔に魂を売って、不老不死を受けると言う事か？｣

大公は私に一歩近づくと、優しく笑みを浮かべながら、こう言った。

｢いや、悪魔では無い。
世間の死にゆく輩が、<ヴルコラカス>または<ヴァンパイア>などと呼んでいる者だ❗｣