孤児

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名無し
2017/08/21 11:40(更新日時)

自分の親、自分の育った家庭環境について、それが正常だったのか？異常だったのか？は以外と自分では分からないものである。

しかし、世の中には色んな家庭があり、どれが正常でどれが異常かというのは一概に言えない。

おそらく多くの人は、一つの目安として、ホームドラマや、サザエさんなどに出てくるような家庭を『普通の家庭』と見なしているのではないだろうか？

私は、母親のいない子を幾度か見てきたが、彼らの傾向として、何か孤独を背負っているような、そして冷めた感じを持った人が多いような印象がある。
無論、私が出会った母無き人達の数など、全体数のごく一部に過ぎないのだし、さらには私の主観に過ぎない事は言うまでもない。

私自身と言えば、『孤児』として施設で育った身であり、いわゆる親の愛情というものを知らないせいか、親子連れの姿を見ると大人になった今でも、瞬時に子供の視点に戻ってしまい、複雑な気持ちになる。

妬みではないのだが、一人で生きて行かなくてはならない孤独感、親という絶対的な味方、帰る場所が無い悲しみというのは、口で説明できるものではないので、多くの子はそれが当たり前の与えられたのに、なぜ自分には与えられなかったのか？この無念さに苦しむのだ。

他人の子を可愛がってくれる大人は基本的にいない。孤児で生きてきた私が身に染みて感じた事だ。当たり前の事であるが、普通に親がいる人は、意外とこの当たり前が理解できていない人が多い。

男と女の決定的な違いは、男は親以外に自分を養ってくれる存在はないが、女は親以外にいくらでも養ってくれる存在がある事だ。これは実に大きな違いで、違いというよりも、同じ人間でありながら、男と女が全く違う生き物である事の証拠である。

この違いから分かる事は、男は稼ぐ以外に生きる道はなく、稼げるから存在の意味があり、稼げない男は価値がないのに対して、女はただ存在するだけで価値があるという事になり、女に生まれた時点でボーナス人生であるという事だ。
男の人生は我慢･忍耐修行なのに対して、女の人生はご褒美人生である事が、男女の決定的な違いである。

私の好きな著名人、杉良太郎氏が、「上を見ても、下を見てもキリがない」と言っていたのだが、氏は、孤児の里親になって学校へ通わせたり、貧困国で教育を受けられない子供達の為に学校を建てたりと、他にも様々な活動をしており、世の中には色んな人間がいる事を見てきたのだと思う。
生活環境、人生というのは本当に様々で、国際規模で見れば、紛争地域で命からがらの暮らしをしている人もいれば、日本のように生命の危機がない平和な地域で暮らしていても、文句や愚痴ばかりの人もいて、どんなカードが配られるかは分からないが、その配られたカードに不服があっても、そこに文句を垂れても仕方がない。配られたカードは変えようがないのだから、受け止めるしかないのだ。その中で最善を尽くすしかないわけで、おそらく氏の言いたかった事はそういう事なのではないかと思う。

親無き事を嘆いたって、親は生き返らないのだからどうにもならない。受け入れて生きて行くしかないのだから。それはどんな人にも当てはまる事なのだろうと思う。