海堂尊『桜宮サーガ』を語る🌸🏥🚑

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2017/07/19 05:44(更新日時)

海堂尊先生の『桜宮サーガ』シリーズを感想を綴る部屋🌸🏥🚑。
『チーム・バチスタの栄光』をスタートに架空都市桜宮市を中心に東京霞ヶ関、北は北海道雪見市、大阪浪速市、ドイツ・ブリュッセル、アメリカやフランスなどを舞台に繰り広げられる医療サスペンスシリーズ📖。


16/08/25 08:58 追記
ネタバレがけっこうしてると思いますのでこれから海堂尊作品を読もうとするひとは見るのを控えた方がよろしいと思います📖。

16/09/22 10:02 追記
どの作品もおすすめだけど今年読んだ中での1、2はこれ!

『輝天炎上』

『ブレイズメス1990』

気になる方は本屋で手にしてお読みください。

No.2348099 (スレ作成日時)

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No.201

ようやく『玉村警部補の災難』読めた。
間々に今回の主役となる玉村警部補と従来の田口先生が各々の事件の顛末を語ってくれるオムニバス形式。
「東京都二十三区内外殺人事件」は『イノセント・ゲリラの祝祭』の文庫に収録されてたからさほど新鮮味はない。
むしろ他の三編、それぞれテレビ業界の殺人事件、医療被験者のアリバイ崩し、そして本人を別人へと生まれ変わらせる生業と事件が多彩。
短編ながらそれぞれ短く主要な『田口白鳥シリーズ』のミッシングリンクになってる。
桜宮科学捜査研究所、『輝天炎上』で天馬くんたちがレポート取材として出てきたけど桜宮市警直轄みたいな。
加納警視正と斑鳩室長、このふたりがやはりというか桜宮の未来を握る官僚なのはたぶん間違いない雰囲気を漂わす。
それに加納警視正は何かと玉村警部補とお遍路に行きたがる口癖も変わらない(笑)。
ちょっと意外なのは玉村警部補がネットゲームにハマッてた一面。比較的、『桜宮サーガ』の内ではマジメな人物と思ったのに意外だった📝。
なんだかんだ田口先生と役柄や役割上、似ている一面は多くある。
『玉村警部補の災難』はふつうにと表現すれば語弊あるけど、刑事ドラマとしてふつうに読める一冊📖。

No.202

『玉村警部補の災難』に収録されている「青空迷宮」、タイトルだけ見たら一見さわやか。
だけど中身は殺人事件。
加納警視正と玉村警部補のやり取りはいつものようだけど、加納警視正に食いつく小松ディレクターがいい。
このひとは相変わらず目鼻が利く。取材人としても女性ながらプロ意識を感じさせる。
テレビ業界は主要な大きいテレビ局はもちろんだけど、地方局も生き馬の目を抜く業界なんでしょうね。
桜宮のテレビ局は中央と地方の中途半端な位置づけ?桜宮市は田舎でもあるのは各作品でもわかるけど。

No.203

棚橋鑑識官は『相棒』の六角精児さん的役割でしょう。
『ナイチンゲールの沈黙』『輝天炎上』『玉村警部補の災難』などに登場してるけど悪意や敵意がないふつうな人物。
『輝天炎上』でも別宮葉子の取材に答え、適度にやりこめられる。
数少ないふつうの人物の印象。
鑑識という役柄上、活躍はさせにくいのかな?

No.204

玉村警部補はなかなか遍路送りになりませんね。
加納警視正と縁ができてから出世はあきらめたびたび事件に遭遇、苦労が絶えない。
田口先生と似たような境遇の持ち主がいるだけ安らぐんでしょう。
『東京都二十三区内外殺人事件』(祝祭)の方では藤原看護師とお茶しようとしてた場面はちょっと救いかも📝(笑)。

No.206

ふと思ったけど加納警視正が劇中で使用してるDMA(デジタル・ムービーアナリシス)は怪奇番組の超常現象の解明に実際、使えないんでしょうか?
犯行現場の犯人の身長や性別などを特定する機械だから超常現象がもし本物なら幽霊の正体?を突き止められるのではないかな?
幽霊からデータが取れるかわかりませんけど(苦笑)。

No.207

『青空迷宮』の冒頭とラストはさりげなくメタフィクションぽい。
加納警視正、玉村警部補が読んでる本をネタバレしてるし。
私もけっこうこのスレで各作品のネタバレしてますから📝。どの程度のひとが見てるか知りませんけど。
Aiが海堂作品以外で使われてるんでしょうか?
刑事ドラマ、たとえば『相棒』などでも画像解析の例が使われるのは少ないと思うんだが。
たいがい二時間ドラマのトリックは古典的だし観光地とのタイアップなどあるから懐古的になるのはやむを得ないと思う。
CTはともかくAiやデジタル・ムービーアナリシスは一般人で浸透してるのは海堂作品の読者くらいと思われる📝📖。

No.208

白鳥さんも加納警視正もなぜ忙しい合間にゲームをクリアできるんだ?
フィクションだから、という理由は置いといても白鳥さんは『ナイチンゲールの沈黙』で、加納警視正は『エナメルの証言』の物語前とはいえふたりとも官僚であり公務員なのに。
白鳥さんに限っていえば『ナイチンゲールの沈黙』や『アリアドネの弾丸』で空腹の描写がある。
つまり普通に業務や役割を果たしている痕跡はある。
だけど『弾丸』で東城医大が危機なのにDMAのなかにあるゲームをクリアできるのか?
ゲームの内容中身にもよるだろうけど、一日24時間は変わらないはず。
そしてネットゲームを三日でクリアした加納警視正。
謎すぎる、としか表現できない(苦笑)。

No.209

『玉村警部補の災難』に収録されている「四兆七千億分の一の憂鬱」の171頁の五行目が“田麦”の誤字になってる。
昨日かな。とあるブログでもこの誤字は指摘されてたけど編集担当は気づかないままだったんでしょうか📝。

No.210

一昨年でしたけ?TBSの年末のオムニバスドラマ『このミステリーがすごい!』に海堂尊作品ありました。
昨年は海堂尊作品はなかったけど今年はラインナップに入るのかな?
『玉村警部補の災難』は向いてると思う📖。
「青空迷宮」は単発ドラマに向いてる雰囲気ある。

No.211

時おり、結界という言葉がシリーズのなかに出てくるけど海堂尊先生は風水を信じてるんでしょうか。

No.212

『輝天炎上』の小百合、すみれの章を読むとふしぎな感じ。
彼女たちはたしかに生きている。しかし、公や社会的には亡くなったことになっている。
生きたまま亡霊や透明人間になった側の感じがなんとも表現しにくい。
小百合は復讐のためというのはまさに亡霊みたいな存在、すみれも東城医大への復讐はしたいけどもそれより小百合と彼女の行動を止めたい数少ない良心がある。
双子でここまで表裏一体で生き方がちがう物語は凄まじい📝。DNAの二重螺旋のように絡み合う姉妹。

No.213

『極北クレイマー』をはじめて読んだ時は鶴岡師長が桜宮小百合と接点があるとはまったくわからなかった📝。
ふつうに極北市民病院て師長をしてる人物に見えた。だけど、本編とはちがう物語でまた別な一面が書かれてることは『桜宮サーガ』に多くある。
人の一面が多様といえるの著してる📝。

No.214

『極北クレイマー』『極北ラプソディ』を読んで学ぶことはまずひとつ。
市町村などの首長さんを選ぶ時は本当に地元のために貢献や奉仕してくれるひとに投票すること。
病院などもだけど災害対策なども首長さんの意見や対応しだいで遅れることあると思う。
病院や公園のトイレなどの改善などもその一歩📝。
『極北』シリーズは勉強になります📖。

No.215

『桜宮サーガ』シリーズに麻雀が出てくるのは『ジェネラル・ルージュの凱旋』『螺鈿迷宮』が顕著。
あと副読本の『伝説』で海堂尊先生の半生のなかでかな。
私は麻雀をしないからわからない。だけど、作品で世界観や人物の魅力を際立たせてると思う。

No.216

『極北クレイマー』を読むとほんと地方地域の等身大な感じ。
どこにでもある市民病院で地域地方の財政が苦しいなか病院をやっていく。
田口・白鳥シリーズみたいに殺人やサスペンスは起きないけど代わりに三枝先生が逮捕されてゆく。
何度読んでも三枝先生が逮捕されるがいかないしやりきれない。
けど舞台となる極北市民病院にもいろいろな人物がいる。
タヌキな室町院長、平松事務長、師長同士は互いに反目してるし不良な研修医後藤先生。
かといって皆がみな悪人では決して悪人ではない。どこにでもいる普通の人たちの物語📖。
後藤先生に隠された過去がラストの感動に涙を誘う。

No.217

『極北クレイマー』のサーベイヤーが登場し市民病院を審査するところがあったけどあらためて読むと天下り機関そのものだなと実感。
審査にお金がかかり審査後の改善後もお金がかかり医療現場にどう役に立つのかいささかわからないことばかり。
前半に登場した姫宮香織は直接間接的ながら現場に反映させ主人公の今中先生の助けになった。
あらためて読むとうまい具合に比較されて読者に考えるように伝わっている📖。
だけど、一方では西園寺さやかによって三枝先生逮捕の手が忍び寄る。
広崎消防士、この人物が真実を知ることは“パンドラの箱”なのかどうかというのが遺族にとって疑問に感じる。
『肖像』の飯沼さんも“パンドラの箱”を開けられた人物のひとり。
医療ミスという現実や実感、言葉の難しさがあると思う📝。

No.218

『ナイチンゲールの沈黙』は早くに浜田小夜と牧村瑞人が自首をしてれば大事にはならなかったと物語の顛末にある📝。
浜田小夜という看護師の持つ闇に気づく者は少なかった。
彼女と牧村瑞人が事件を複雑にしたがために、白鳥さん田口先生加納警視正玉村警部補が捜査に奔走することになる。

No.220

『玉村警部補の災難』でネットゲームの話題が出てくるけど、玉村警部補のネットゲームのハンネが“ヘンロ”。
よほどお遍路を意識しているとしか思えないけど桜宮から四国にいまだ行くことはないという。
『桜宮サーガ』世界の四国は現実とかわりないのかあるいは極北や浪速みたいに架空の地名に変えられ現実と違うのか気になる。

No.221

『輝天炎上』をあらためて読むと、この時点でのすべての因縁が収束してた物語と伝わる。
『ジーン・ワルツ』の三枝茉莉亜、理恵先生、『極北クレイマー』の鶴岡師長、桜宮姉妹によって因縁や関係あるひとたちが引き寄せられているよう。
直接、物語に関係してなくてもまたどこかでつながるとも思わせる📝。

No.222

立派な医者もいればうまい具合に立ち回る医者もいる。
医療は患者を救うのがおそらく最良の答え。
だけど○○委員会や○○機構などなんのために存在してるかわからない存在もある。
医療そのものは答えのない迷路や迷宮みたいなものかもしれない。

No.223

『極北クレイマー』を読むと今中先生の扱いをぞんざいにしてたから、室町院長は信頼を得れなかった。
『極北クレイマー』に限っていえば市長、病院長、今中先生ら医者や看護師などの関係に齟齬をきたしている。
あちこちでほころびが物語が開始される以前に表面化してる📝。
実社会やどこにでもいる会社など通じることを海堂尊は時にコミカルに書きながらもリアリティあることとして伝えている📝。

No.224

『田口白鳥』シリーズの田口先生は物語のはじめの段階では、出世競争に加わることなく論文ひとつ書くこともない平々凡々な不定愁訴外来の医者。だけど、バチスタの調査を任じられてからはリスクマネジメント委員会、Aiセンター長と任されながらも相も変わらず。
高階病院長を少しばかり憎々しげに思っても、結果的には大学病院を支えることになる。
田口先生自身がある程度、東城医大に愛着があるから守れたといえる。
この辺は『極北クレイマー』の今中先生はややちがう書かれ方をされてる。
もとからよその市民病院に飛ばされた身の上なことや室町院長に面倒ごとを任されぱなっしだったこと。また病院改革は姫宮や市長の声がなかったら進まなかったこと。
彼自身の真面目な性格や医療についての考え方がまわりに理解されない。なにより上司である室町院長が理解してくれないのも結果的には齟齬をきたす。
だけど『極北クレイマー』のラストで今中先生は物語のはじめ頃は大学病院に戻ることを願っていたのに、最後は市民病院に残る形になる。
投げ出すことはかんたんだけど、根づくことのむずかしさを知りながら市民病院を一医者として守ろうと決める。
非常勤から一時的とはいえ病院長になる点はある意味、サクセスストーリー。
続編『極北ラプソディ』ではさすがに非常勤ではないらしいものの、世良院長のもとにただひとりいる男性医者になってしまう。

No.226

『極北クレイマー』後の鶴岡師長は職場を失って魂が抜けたようになった頃に『輝天炎上』での桜宮すみれが尋ねて娘のように接してたんでしょうか。
『輝天炎上』の鶴岡師長がすみれから見たら無口な人というのは『極北クレイマー』とはまるで別人のように描写されている📝。
『輝天炎上』のすみれと鶴岡師長の場面が短いために想像する以外ないけど、いずれ何らかの形で鶴岡師長とすみれの接点が書かれるんでしょうか。期待もしたい。

No.227

『極北クレイマー』の室町院長と続編『極北ラプソディ』の医療請負人である世良雅志院長。
室町院長は赤字のまま病院経営、それでも彼なりに経営を立て直そうとサーベイヤーを呼んで審査をしてもらえことのひとつの案📝。
対して世良院長は徹底して削るとこは人員を含め可能な限り削る。できることはするできないことはしないと徹底している。なおかつ診療代を払わない患者のカルテは破り捨て今後は一切、診ないという対応。
極端な話としては室町院長は緩いところもあり、世良院長は徹底してきびしくする。
『極北シリーズ』ではまともらしい答えが出てくるのは『極北ラプソディ』のほんとラスト📝。
主人公である今中先生の目を通して一般市民である読者に問い語りかける。
室町院長が市長や市民病院の医者や看護師との板挟みにもなってるいうのもじっくり読めば伝わる。コミカルに表現されてはいるけど。
世良院長はメディアやネットを使って地方と中央に訴えるやり方。ある意味、いまの時代にかなった方法。
だけど『極北シリーズ』を読むと今中先生の立場になって自然と考えさせられる。海堂尊先生の表現力が幅広く深い📝。

No.228

『極北ラプソディ』の世良先生はその気になれば極北市民病院を見捨てるつもりはあったでしょう📝。
だけど、今中先生の将来を考えたら大学に戻って勉強するか救命救急センターに派遣することでかろうじて彼の将来を守ろうとした節はあると思われる。
しかし、ひとりでマスコミの矢面に立つ現状。おそらく極北に来る前もそうやって何かと戦ってきたんでしょう📝。
世良先生が医者でもあるけど、地域医療請負人になった背景は何なのか。

No.229

『桜宮サーガ』シリーズを読むと、社会のいびつな構造が見えてくる。
目に見えない物事が浮き彫りにされていくというか📝。
もちろん医療従事者に限らずマスコミの人たちも日々、伝えていると思う。
だけど、職種や職業、環境などによって物事の受け取り方は異なる📝。
『極北クレイマー』から『極北ラプソディ』に至るまで概要としてであるが、『極北ラプソディ』の冒頭に書かれている。
極北市民が世良先生に裏切られたことを。だけど、中には『極北ラプソディ』で亡くなった田所さんみたいに医療費不払いの人々もいる現実。
極北の医療を壊したのは市役所であり市民そのものという冷たい現実も向こう側にある📝。
市民を先々代、そして先代の室町院長が甘やかしたツケと言えなくもない。
世良先生が行ってるのは彼らの真逆。だけど、世良先生は伝える。
“医療はボランティアではない”、と。
財政破綻した市や地域は他人事ではない現実。それは医療も無関係でいられないひとつの現実。

No.230

『桜宮サーガ』シリーズを読むとどの立場で読み考えるか?というのも海堂尊の書く物語にメッセージとしてあるでしょう📝。
“医療ミス”“たらい回し”などの言葉や表現も医者の側からしたら患者を助けるためのやむをえない状況もある。『凱旋』から『伝説』でのオレンジ病棟が『凱旋』時より速水先生の不在もあり対応できなくなりマスコミ取材側からたらい回しでは?と問いかけられる。
『極北ラプソディ』でも極北市民病院の医者は世良先生と今中先生のふたりだけでは救急対応できなく救命救急センターに対応を頼むしかない。
どの立場で読み考えるかでまったく考え方は変わるというのもある📝。

No.231

『極北ラプソディ』で世良先生が今中先生を大学に戻そうとしたり救命救急センターに派遣したのは、たぶん彼の将来を守り経歴に傷をつけない世良先生ができる精一杯の配慮と思われる。
もしも、極北市民病院が世良先生によってつぶれたら今中先生がかつての後藤先生同様に行き場のない先生になってしまう。
だけど、今中先生は速水先生に問うまでもなく答えはすでに胸に秘めている📝。

No.232

『極北クレイマー』で木村署長は西園寺さやかと斑鳩室長らに利用されたかわいそうな人物。
中央に返り咲きたい気持ちは理解しないでもないけど、三枝先生を逮捕した影響や批判受けて極北の署長のまま。
三枝先生の逮捕が市民のためではないという影響や結果だった📝。
また利用された広崎消防士もこの人物もまた被害者。『極北ラプソディ』で消防士を続けながら極北市民病院が変わってしまったことから本音から吐き捨てる。
この人物が三枝先生を逮捕させるきっかけを与えたにしても法的には罪にならない。彼は母子がなぜ死んだのか知りたい気持ちを西園寺さやかに利用されただけ。
広崎消防士については一個人やひとりの人間としては間違えてはいない。
だけど間違いなのは正体のわからない西園寺さやかに利用されたこと📝。

No.233

日本三分の計は各作品を読むと、着実に水面下で進んでるように思える。
現実の日本道州制は遅々として進むどころか話題にさえ上がらなくなったけど。
『桜宮サーガ』で日本三分の計が私が読んだ中で最初に目にしたのは『極北ラプソディ』次に『輝天炎上』そして『ナニワ・モンスター』。
もし他に読者がいたらまた私とはちがう順序でしょう📝。
『ナニワ・モンスター』はざっと目を通したけど、医療というよりは政治色が濃い雰囲気。医療が無関係ではないけど。
『極北ラプソディ』は世良先生の背景を書きながらそこに彦根くんがわずかにかんでいる。
『輝天炎上』では白鳥さんの前で彦根くんは堂々と日本三分の計があるのをはっきり明示している。『弾丸』での彦根くんの謎の行動が明らかになるのが『ナニワ・モンスター』。
たまたまだろうけど私が読んだ順番は、トリックが明らかになって理にかなう。
けど日本三分の計は果たしてどうなったのか。気になるところ📖。

No.234

世良先生が『ブラックペアン1988』からの二作後から『極北ラプソディ』までの空白期間は私は読めてないからなぞ。
神威島で人生が救われたか通過点なのかはそれはおそらく読む側しだいもあると思う。
『極北シリーズ』自体は他のシリーズとちがい難題が解決してないまま物語は終わる。世良先生と花房さんがくっつく形がハッピーエンドなんだろうけど(苦笑)。
極北市民病院が市民のために救われたかはわからないまま物語が終わってしまう。
『極北ラプソディ』にはいくつか見せ場がある。その辺はドラマティック📝。

No.235

『ブラックペアン1988』を読むと昭和時代の医療の難しさが書かれている。いつの時代も難しいと思うけど。
若き日の世良先生を主人公に据え若い高階先生、渡海征四郎の確執。そして佐伯清剛病院長。
まさに東城医大の原点が物語に書かれている。
若き日の世良先生が意外なくらい真面目さを秘めている。だけど、高階先生と渡海先生の間で悩み翻弄される。
等身大の医者になろうとする姿がある📝。

No.236

癌告知でも『ブラックペアン1988』時代の田口先生、速水先生、島津先生の医学生時代がすでにそれぞれの個性や考え方が出てる。
田口先生の不定愁訴外来は患者への安易な慰めではなく治療の一環もあると思うしケアや不平不満の吐き出しと私は考える。
だけど、田口先生が不定愁訴外来をつくるひとつの原点になってる渡海先生のお言葉。厳しすぎる点はあるが📝。
渡海先生は『モルフェウスの領域』のヒロイン涼子にも影を与えている。
しかし、日本にはいないらしい。日本の医療を彼は見捨てたか見放したのか……。

No.237

『ブラックペアン1988』は作中に『サラダ記念日』や『となりのトトロ』が出てくる。
だけど、後々の物語を考えたら世良先生と花房さんが結ばれるまで時間がかかっている。
『ブラックペアン』以降に東城医大内にいろいろ確執や反発があったのは後の物語でうかがえはするけど詳細がわからないのがもどかしい📝。

No.238

医療でも新しいことを進めよう世間に知らせようとすると必ずためされる。
『ブラックペアン1988』の時代を考えると医療が変わる兆しでもあったように思われる。
だけど、若い高階先生が気概に溢れてはいるけど焦りもわずかに見られる。世良先生たちさらに若い先生たちは翻弄される。
だけど、時代の流れもある。しかし、時代の流れにいることを登場人物たちはわからないもどかしさ📝。

No.239

海堂尊先生が書く登場人物はデフォルメ部分が強調される面が目立つけど意外に真摯な一面もある。ある一面が強調されるとある一面が弱く薄く見えるのは人間にありがちなこと。
強引な手腕や上司の命令などはたしかに部下からはいやなもの📝。
だけど、そんな組織の上に立つひともある種の孤独を抱えている。
『弾丸』や『肖像』での高階病院長は取り返しのつかない過去をいまだに胸に秘めている。よかれと思って罪滅ぼしのつもりでAiセンターを建てても桜宮小百合から怨恨を持たれる。
『極北ラプソディ』の世良先生も医療請負人という立場があり病院をなんとか黒字にしたものの先が見えない市民病院。
組織の大小に関わらず、トップに立つ者の悩みや孤独、葛藤。自分の行いが地域の未来を左右する📝。
ある意味、白鳥さんや田口先生、加納警視正、玉村警部補みたいにひとに使われたまにひとを使うくらいの中間管理職くらいがあんがいふつうにしあわせに思えなくもない。
白鳥さんや加納警視正とて霞ヶ関、それぞれ厚労省や警察庁からしたらまだまだ下っ端に近い中間的な職にあると思う。
室長や警視正といっても手腕が振るえる範囲はあんがいちいさいかもしれない🏢。

No.240

『ブラックペアン1988』で佐伯清剛病院長は若き日の高階先生を試そうとする。
必ずしも新しい医療技術は否定してない。だけど、失敗は許されない失敗は認めるという医療の難しい観点も書かれている。
渡海先生が存在感が凄い。だけど、佐伯清剛病院長の真意に気づいていないのがこの人物のふこうなところ📝。
佐伯清剛病院長を一方で憎しみに近い感情を持ちながら一方ではちゃんと認めているところもある複雑さ。
ふと思うけど、『ブラックペアン1988』で佐伯清剛病院長はともかく渡海先生が去ってしまう。
そしてその後に、速水先生が“天才”もしくは“ジェネラル・ルージュ”として名を馳せる。
天才は同じ病院にふたりは要らないというあらわれではないかと思う。
『伝説』でまだ研修医の速水先生を“天才”と感じながら世良先生は東城医大を去った渡海先生にも思いがある📝。

No.241

『ナニワ・モンスター』をあらためて読むと未知のウィルスによる経済封鎖もしくは侵略という雰囲気。
浪速府を経済的に孤立させるためにマスコミを誘導して市民の不安を煽っている。
報道や空港での検疫が全体を通してみるとちぐはぐな印象を与えている📝。

No.242

来週『ケルベロスの肖像』が放送される。
できたら『チーム・バチスタの栄光』から再放送してほしいもの。

No.243

『ブラックペアン1988』の因縁が長い時を経て『ケルベロスの肖像』『輝天炎上』に至る。
患者の身体、あるいは人生を救うためにペアンを残したことが災いする。
『桜宮サーガ』のシリーズを読むと医療ミスやたらいまわしという表現は安易にできなくなると思う。
本当の医療ミスもあれば『バチスタの栄光』のように意図した殺人もある。たらいまわしにしても救命救急に対応できない病院もある。
医療が不測の事態に陥り病状不明な患者をむやみに受け入れることはできない。速水先生みたいな人物であれば助けられるかもしれないけど凡庸な医師には不可能。
『伝説』での速水先生が去ったオレンジ病棟、『極北ラプソディ』で一度は破綻した市民病院の世良先生と今中先生の現状。
『極北ラプソディ』では救命救急は雪見市救命救急センターに託すことでバランスを取っているともいえる。だけど、おそらく世間から見ればそれはたらいまわしかもしれない危うさ。

No.244

東城医大と桜宮一族の因縁の輪廻(?)もあれば、佐伯清剛病院長と渡海先生の因縁もある。
佐伯病院長と渡先生の因縁は『ブラックペアン1988』でとりあえず終わってるけど、渡海先生は日本を離れている。
『桜宮サーガ』は現実の人生と同じくらいに紆余曲折があり長い物語📝📖🏥。
東城医大以外にも帝華大、極北大、浪速大など各大学の意識やライバル関係、医学教室の在り方など背景が人物や物語を左右している。場合によっては現在を含む未来への医療さえも📝。

No.245

『ナニワ・モンスター』だとウィルスや感染症は作品内の徳衛先生の持論だと、空港での水際検査は何も役に立たないという。空港で検査しても他から人はいくらでもやってくるから。
ただ作品内でのインフルエンザウィルス「キャメル」は海外に渡航歴がない人物から発症し世間に発覚する。
この「キャメル」に感染した人物、子どもだけどいつどこで感染したかは作品内では不明なまま。子どもの行動範囲から推測されるに家や学校、あるいは塾などの習い事場、もしくはほんのたまに遠出した際の行き先くらい。だけど、子どもの行動範囲を考えたら限られるはず。
どこかで潜在的に感染した者から感染したと考えられる。
謎のままだけど。
ちなみに『ナニワ・モンスター』内でうがいがインフルエンザウィルスなどに役に立たないことは名言されている。
私は習慣として外出した際にしてる。

No.246

『ナニワ・モンスター』の第二部カマイタチは別の作品の印象さえ受ける。
浪速の検察が東京霞ヶ関にケンカを売る構図。だけど、ここでも異質なそんざいかんを放つ斑鳩室長。警察庁にもいることから各省庁のあらゆる情報を握っている黒幕。
厚労省の一官僚である白鳥さんでは倒せない相手でしょうか。むしろ、一病理医である彦根くんの方が身が軽く戦うには打ってつけだろうか。
第二部カマイタチだけ読んでると霞ヶ関と検察モノの小説📝。

No.247

村雨府知事は厚労省の白鳥さんに興味があるんでしょうか?
白鳥さんも彦根先生も充分に非常識と思うけど(苦笑)。
『桜宮サーガ』はほんの何気ない一文や一言でも伏線になり得るから注意しとかないと忘れる📝。

No.248

インフルエンザウィルスで経済的孤立化する浪速府。
『ナニワ・モンスター』は中央対地方のシミュレーションの前哨戦ともみえる。
村雨弘殼府知事はまさに大阪府知事、市長をつとめた橋下徹さんを彷彿させる一面はある。
インフルエンザ『キャメル』が何らかの形で浪速府に持ち込まれその結果、経済的封鎖をされ孤立。村雨弘殼府知事の地方の独立を阻む。
一方で監察医について踏み込み監察医の在り方について語る彦根先生。
機能しているようで実は機能していない監察医。
舎人町を村雨弘殼に案内する彦根先生。
『ナニワ・モンスター』は町の診療医、検察、そして府知事と視点が異なる物語がありながら浪速府を舞台にしているのはかわりない📝。

No.249

『ナニワ・モンスター』の鎌形さんみたいな人物はどの程度いるものだろうか。
『桜宮サーガ』の人物はだいたい一見、腹黒そうや闇に堕ちてそうな人物はあんがい根っこは純粋な人物がいる。
鎌形さんもそのうちのひとり。故郷を日本と呼ぶ人物。
何より検察という立場にありながら自らのお膝元である霞が関にガサ入れする芯の通った捜査。
厚労省にガサ入れされびびってしまう八神課長。彼は悪いことしてないけど自分の所属してる組織にガサ入れあったらふつうにびびる。
霞が関の闇の部分を見てしまう八神課長。八神課長はだんだん転落していくみたいで気の毒。
斑鳩室長が警察庁の闇の部分だからありとあらゆるところに手を伸ばしまた本人の采配しだいで力を行使される。
東城医大が『弾丸』で助かったのは加納警視正からの配慮あってのこと。
それにしても『桜宮サーガ』において桜宮に因縁が集束していくのだろうか?
登場人物のすべてではないにせよ、遠く北海道極北にまで東城医大の血脈はありまた今中先生も東城医大を耳にする。
浪速府においても徳衛先生は不定愁訴外来を耳にする。

No.250

海堂尊先生の作品は現実に直接間接的に影響を与えている点はある。
死体画像にCT導入への働きかけは『伝説』にも記されているように現実には行われておらず、逆に一般人の我々はそれが行われていると思い込みする。
『伝説』によると死体へのCTの働きかけは海堂尊先生が知り合いからの助言や本人自らが行動したことで国へ働きもある。
ドクターヘリの導入なども作品内で問題提議されてるから結果的に現実に影響があってドクターヘリは配備されている。
海堂尊先生が各作品で書いてることはだんだんと現実の方が追い越そうとしてる部分もある📝。
政治的なことになるとさすがに日本三分計画(現実には日本道州制)などはさすがに追いついてないと思うけど、報道に出る出てない面があると思うから一概には言えないと思われる📝。
『桜宮サーガ』は何気ない一言や一文でさえ登場人物、あるいは地域地方の未来さえ左右してることがある。
だから現実においても伝わらない知らないところで物語や時代は動いていると言えなくもない。
無関係な事象はないのかもしれない📝。

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