「上海リリ」感想スレッド

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2012/08/25 22:52(更新日時)

遅々たる更新ですが、読んで下さる方から
拙作へのご意見・ご感想をいただければ幸いです。

No.1433544 (スレ作成日時)

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No.1

こんにちは。

不倫といじめが主要なテーマの、小説と呼べるかどうか疑わしい、面白くもない読み物が溢れているミクルの小説カテゴリーに、手なれた文章で書き進められている「上海リリ」は、貴重な存在と感心しております。

チャイナの異国風味と描写、生活習慣、言葉遣いなどを正しく伝えることができれば、この小説は、ほぼ成功なのではないでしょうか。
ご健闘をお祈りします🐤

No.2

>> 1 Rukaさん
レスどうもありがとうございます。

私が書こうとしているのは、携帯小説という媒体には向かないテーマかもしれない。
そうした懸念は率直に言って今でも消えません。

ですが、当時の上海の雰囲気を魅惑的に伝え、かつ純粋に読み物として面白く書き進めたいと思っています。

  • << 4 失礼ですが、ご年輩の方とお見受けします。ミドルエージの余裕が感じられます。 現実は、まるで何かに搦めとられた抑圧と束縛、宿命の紐に縛られたような不自由さのなかで流れていますが、フィクションの世界では、ロマンスも宝石のように輝いて、たとえ悲しい物語であっても、美しく、普遍的な色彩を帯びたふくよかな音楽でありたいと思います。 最近、中国とは尖閣諸島でのトラブルがありましたが、善き時代の中華の心は、もう失われたのかもしれません。礼節、仁、義といった道徳は、もう陽炎のように実体がなく、煙のようにつかむことができない美徳だと思うと失ったものは大きいように感じられます。 かつて、美しい国土と人間の営みのなかで、その精神を育んできた日本という国にも言えることかもしれませんが。 現代はあらゆる面で病んでいます。だからこそ、エンターテインメントな夢物語も必要なのでしょう🐥

No.3

こんばんは😃

お題リレー小説でご縁をいただき、主さんの小説をお気に入りにさせてもらってます😊

元々、中国には興味関心が薄く、中国の書物らしい書物を読んだこともありません。
主さんの小説から、時代背景を想像しながら、中国を知りたいと思えるようになって来ました。ありがとうございます。

これからも楽しみに拝見していきます✨頑張って下さい🙋

追伸 私のつたない【罠】から【猫なで声】のリレーは圧巻でした🎵

No.4

>> 2 Rukaさん レスどうもありがとうございます。 私が書こうとしているのは、携帯小説という媒体には向かないテーマかもしれない。 そうした懸念… 失礼ですが、ご年輩の方とお見受けします。ミドルエージの余裕が感じられます。

現実は、まるで何かに搦めとられた抑圧と束縛、宿命の紐に縛られたような不自由さのなかで流れていますが、フィクションの世界では、ロマンスも宝石のように輝いて、たとえ悲しい物語であっても、美しく、普遍的な色彩を帯びたふくよかな音楽でありたいと思います。

最近、中国とは尖閣諸島でのトラブルがありましたが、善き時代の中華の心は、もう失われたのかもしれません。礼節、仁、義といった道徳は、もう陽炎のように実体がなく、煙のようにつかむことができない美徳だと思うと失ったものは大きいように感じられます。
かつて、美しい国土と人間の営みのなかで、その精神を育んできた日本という国にも言えることかもしれませんが。
現代はあらゆる面で病んでいます。だからこそ、エンターテインメントな夢物語も必要なのでしょう🐥

  • << 6 🍑Rukaさん 今時の定義だと、何歳から中年のカテゴリなのかちょっと自信がありませんが、 まだ「ご年輩」と呼ばれる年齢ではないです(笑) むろん、「若さ」を売りに出来るほど、もう若くもありません。 世間知らずなまま、年だけ中途半端に取ってしまいました。 日中関係は今、緊張状態にありますが、 私の描く物語は、正に両国が戦火を交えていた頃の話です。 租界時代の上海の、一見華やかな繁栄を享受している様でいて、 実は遠からぬ崩壊を予期した虚無的な都市感覚は、 むしろ、現在でこそ強く共感されうるものではないでしょうか。

No.5

🍑pureさん

こちらこそ、いつも短編リレーを楽しみに読ませていただいています。

私は、昔から李香蘭こと山口淑子さんや、
女スパイとして有名だった清朝の王女川島芳子、
あるいは戦前の上海でテロリストとして銃殺刑にされた日中ハーフの美女鄭蘋如といった、
中国の近現代史を彩る人間ドラマに興味を持って見てきました。

また、今は亡き香港映画スターのレスリー・チャン(中国名:張國榮)のファンでもあります。

彼の出演作品には、「覇王別姫」「ルージュ」「花の影」「上海グランド」等、
中国の近現代史を舞台にした物も多く、
そこで彼が演じた悲しくも美しい形象にも惹かれました。

私の拙い作品が、そうした哀艶な美を一端でも伝えられれば幸いです。

追伸
狐詣での短編など、pureさんの話はどれも博識が滲み出ていて、とても面白いです。

No.6

>> 4 失礼ですが、ご年輩の方とお見受けします。ミドルエージの余裕が感じられます。 現実は、まるで何かに搦めとられた抑圧と束縛、宿命の紐に縛られた… 🍑Rukaさん
今時の定義だと、何歳から中年のカテゴリなのかちょっと自信がありませんが、
まだ「ご年輩」と呼ばれる年齢ではないです(笑)

むろん、「若さ」を売りに出来るほど、もう若くもありません。
世間知らずなまま、年だけ中途半端に取ってしまいました。

日中関係は今、緊張状態にありますが、
私の描く物語は、正に両国が戦火を交えていた頃の話です。

租界時代の上海の、一見華やかな繁栄を享受している様でいて、
実は遠からぬ崩壊を予期した虚無的な都市感覚は、
むしろ、現在でこそ強く共感されうるものではないでしょうか。

No.7

>> 6 そうですね。
価値観の崩壊と多様性。現在の世界と近似しています。

詮索好きの女子👩です。
それで時々失敗します。
他愛ないおしゃべり、お許しくださいませ。

数年前に、わざわざビデオを借りて見た「ラストエンペラー」では、紫禁城の歴史を感じさせる豪華なエンペラー・グッズに溜息をつきましたが、それに反し、溥儀の不幸せそうな表情が対照的でした。
この映画ではなぜか、紅衛兵が毛沢東の写真と赤旗を掲げて、政府高官を引き回すシーンが心に残っています。そして女子紅衛兵が隊列を組み、歌い踊るパフォーマンスが悲しく胸に響きました。
時代に翻弄されたと言えば、高官も紅衛兵も変わりなく、更には、大国の統治と安寧は簡単ではないと、隣国の波瀾万丈の歴史を考える機会にもなりました。
以前、「三国志」や「水滸伝」を読んだとき、半端でない大陸の雄大さと人間の大きさを感じました。
悠久なる文化の国に一度は旅したいです🐤

  • << 9 私は今まで上海と台北に二回ずつ、 北京と香港、マカオにそれぞれ一回ずつ訪れました。 雄大な歴史の都、北京。 日本人にも親しみやすい雰囲気を持つ街、台北。 中国的な猥雑さとヨーロッパ的な洗練の入り交じる香港、マカオ。 どの都市も魅力ある顔を持っていますが、 私としてはやはり上海に最も惹かれました。 昔から男性的で堅い気風を持つ北京に対し、 ヨーロッパ租界の洗練された雰囲気を色濃く持つ上海は「女の街」と言われています。 2007年、ベネチア映画祭でグランプリとなった映画「ラスト・コーション(色・戒)」は、 1940年代の上海と香港を舞台にしていますが、 原作はアイリーン・チャン(張愛玲)の短編小説です。 チャンは上海出身の女流作家で、その魅惑的な作品群は、 現代中国の作家たちに多大な影響を与えるばかりでなく、 上海という都市そのもののイメージ形成にも貢献している様に 個人的には感じています。 むろん私はチャン女史には遠く及びませんが、 悪魔的な魅力を持つ都市の片隅で生きる、平凡な女性の喜びや痛みを丁寧に描きたいと思っています。

No.8

>> 7 🍑Rukaさん
ベルナルド・ベルトリッチ監督の「ラストエンペラー」をご覧になったんですね。

私としても中国の近現代史に興味を持つきっかけになった作品の一つであり、
良くも悪くも印象深い一本です。

ちなみに「ラストエンペラー」はイタリア人監督による合作映画で、
制作時の1987年は、まだ香港がイギリスの植民地だった時期でした。

溥儀役には香港俳優のジョン・ローン(中国名:尊龍)が選ばれる一方で、
婉容皇后役には当初、台湾女優のジョゼフィーン・シャオ(粛芳芳)が有力候補に挙がっていました。
ところが、最終的に皇后役を射止めたのは、本土(上海)出身のジョアン・チェン(陳冲)でした。

この決定の裏には、台湾政府の存在を敵視していた中国当局の圧力があったと言われています。

作品の内容もさることながら、制作の過程にも中国の複雑な近現代史が陰を落としています。

「三國志」や「水滸伝」は日本でも有名ですが、
「源氏物語」的な恋愛絵巻がお好きなら、「紅楼夢」がお勧めです。
岩波書店と平凡社から邦訳が出ています。

No.9

>> 7 そうですね。 価値観の崩壊と多様性。現在の世界と近似しています。 詮索好きの女子👩です。 それで時々失敗します。 他愛ないおしゃべり、お許… 私は今まで上海と台北に二回ずつ、
北京と香港、マカオにそれぞれ一回ずつ訪れました。

雄大な歴史の都、北京。
日本人にも親しみやすい雰囲気を持つ街、台北。
中国的な猥雑さとヨーロッパ的な洗練の入り交じる香港、マカオ。

どの都市も魅力ある顔を持っていますが、
私としてはやはり上海に最も惹かれました。

昔から男性的で堅い気風を持つ北京に対し、
ヨーロッパ租界の洗練された雰囲気を色濃く持つ上海は「女の街」と言われています。

2007年、ベネチア映画祭でグランプリとなった映画「ラスト・コーション(色・戒)」は、
1940年代の上海と香港を舞台にしていますが、
原作はアイリーン・チャン(張愛玲)の短編小説です。

チャンは上海出身の女流作家で、その魅惑的な作品群は、
現代中国の作家たちに多大な影響を与えるばかりでなく、
上海という都市そのもののイメージ形成にも貢献している様に
個人的には感じています。

むろん私はチャン女史には遠く及びませんが、
悪魔的な魅力を持つ都市の片隅で生きる、平凡な女性の喜びや痛みを丁寧に描きたいと思っています。

No.10

作品へのご意見・ご感想の他、
当時の風俗描写に関するご指摘等も随時承ります。

No.11

>> 10 こんばんは😃

非常に描写が想像しやすく、展開が楽しみですね。

いきなり携帯に入力されているのですか?
それとも、ある程度構成まで決めてあり、転記されているのでしょうか?
私もいつかは挑戦してみたいなと思いつつ、ボキャブラリーが無いので、おそらく生涯気持ちだけで断念しそうです。

気の向くままの短編やエッセイもどきぐらいが、ちょうど良いようです😊
主さん、頑張って下さいね✨

No.12

>> 11 🍑pureさん

感想どうもありがとうございます。

今書いている部分については前々からある程度構想というか、
イメージがあったストーリーを言語化している感じです。

「古都の蘇州から魔都の上海に出てきた
田舎娘がカルチャーショックを受ける」
「したたかな悪女の顔も持つ混血のモダンガール」
(当時の混血児は蔑視の対象であり、純粋な中国人の莉莉より蓉姐の方が、実はもっと過酷な出自)
「広東から流れてきた青幇(マフィア)の男」
(上海人から見て、香港を含む広東地方は品の無い田舎)等々

ただ、一つ一つのレスについては、
常に別の場所に書き溜めて転記する、というほど丁寧な書き方ではなく、
ぶっつけ本番的に直接打ち込む場合が多いです。

私からすると短編を見る限り、
pureさんの語彙も知識も豊富ですから、
いつか長編に挑戦してみてはいかがでしょうか。

No.13

読んで下さる方の為に、ここは本編の補足・註釈にも利用することにします。

本編レス60註釈
※高占非(ガオ・チャンフェイ)
…1930年代上海映画界の二枚目トップスター。
李香蘭時代の山口淑子が出演したことでも知られる「萬世流芳」(1942年)では、主役で救国の英雄・林則徐を演じた。

章子怡(チャン・ツィイー)主演の映画「ジャスミンの恋」(原題:茉莉花開)でも、
1930年代を生きる女優志願のヒロインが憧れるスターとして
この高占非の名が出てきます。

No.14

本文註釈

本編を読んでいて既にお気付きの方も多いと思いますが、
中国語では、兄を「哥哥(ガガ)」、弟を「弟弟(ディディ)」、
姉を「姐姐(ジエジエ)」、妹を「妹妹(メイメイ)」といいます。

ここから、自分より年長の男性の姓や名の後に「哥(ガ)」を付けて呼ぶと、
「~兄さん」「~兄貴」といった呼称になり、
自分より年長の女性の姓や名の後に「姐(ジエ)」を付けて呼ぶと、
「~姉さん」「~姐御」といったニュアンスになります。

また、これとは別に同世代(または年少)の相手の姓や名の前に「阿(ア)」や「小(シャオ)」を付けると、
日本語でいう「~くん」「~ちゃん」といった愛称になります。

作中でヒロイン莉莉(リリ)から「偉哥(ウェイ兄さん)」と呼ばれている年上の男性が、
彼と同世代の蓉姐からは「阿偉(アウェイ)」と呼ばれているのは、こうした背景を踏まえています
(彼の方でも『蓉姐』ではなく、『蓉蓉』と愛称で呼んでいますよね)。

No.15

註釈続き

「阿偉(アウェイ)」、「阿建(アジェン)」、「小明(シャオミン)」は日本語に直せば、
「偉ちゃん」「建くん」「明ちゃん」といった愛称になりますが、
名前全体の持つ響きを重視して、本文中では敢えて中国語本来の発音をカタカナ表記で(カッコ)内に示しています。

以上、分かりづらい説明ですみません。

No.16

当時の社会背景について簡単に書いておきます。

租界時代の上海では、表向きは欧米諸国や日本の支配を受け、
中国人は差別される立場に置かれていました。

しかし、裏では「青幇(チンバン)」や「紅幇(ホンバン)」と呼ばれる、中国人のマフィア組織が結成され
(中国語の『幇(バン)』は『組、グループ、派閥』の意味になります)、
阿片(アヘン)の密売や賭博場、売春窟の経営等に力を奮いました。

特に青幇(チンバン)は組織の規模、勢力共に発達が著しく、
ボスだった黄金榮(ホアン・ジンロン、こう・きんえい)や
杜月笙(ドゥー・ユエション、と・げつしょう)らは政治の表舞台でも活躍しました。

しかし、構成員の大半が貧しく教育もない人々であり
(当時は識字率が低く読み書きが出来ない人も珍しくなかった)、
彼らは否応なく血みどろの抗争に巻き込まれ、
また、厳しい組織の掟に背けば凄惨な死が待ち受けていました。

No.17

中国には標準語である普通話(プートンホア、北京語とも)の他に、
上海で使われている上海語、香港などで話されている広東語など様々な方言があります。

「方言」といっても普通話、上海語、広東語には
それぞれ英語、フランス語、イタリア語程の違いがあり、
漢字を媒介にしている全くの別言語と捉えるのが妥当な認識です。

ただし、本編では、人名の読み方などは基本的に上海語ではなく、
標準語の普通話の発音に従ってカタカナ表記しています。

登場人物全員が生粋の上海人というわけではなく、
蘇州や杭州や広東といった、外部から流れてきた人々の設定ですし、
何より筆者本人が上海語に詳しくないもので…。

No.18

本編の舞台である租界時代の上海は、巨大な歓楽街としての性格も色濃く持っていました。

舞庁(ダンスホール)で男性客と踊る「舞女」と呼ばれる女性ダンサーは、
今でいうホステスやキャバクラ嬢に該当する存在でした。

売れっ子の舞女は本編の蓉姐(ロンジエ)の様に豪奢な暮らしも可能でしたが、
職業としての社会的な地位は低く、多くの舞女は薄給で苦しい生活を強いられました。

それより悲惨なのは、「野鶏(イエチイ)」と呼ばれる街娼で、こちらは通りで客を引き、木賃宿で売春する、正にその日暮らしの女性たちでした。
騙されて売り飛ばされ、売春を強要される女性も少なくありませんでした。

十五歳の莉莉(リリ)が足を踏み入れた上海は、こうした女性の悲劇が日常茶飯事となっていた犯罪都市でもあったのです。

No.19

秋扇公主様

初次見面(はじめまして)。

「お題リレー」で
お世話になってます。
ヴァノーラと申しますm(_ _)m

公主様の作品
「上海リリ」は
昔、祖父母から聴いた上海が脳裏に浮かびます✨

あの‥教えて頂きたいのですが

作品の「上海リリ」は
M・ディートリッヒ主演の「上海特急」を彷彿させるのですが、
何か関連が公主様にあるのでしょうか?

No.20

>> 19 🍑ヴァノーラ様、晩安(こんばんは)!

こちらこそ短編リレーで、多様でウィットに富んだ作品を楽しく読ませていただいています。

「上海特急」については未見ですので(DVDを買ったけど観てない…)、その作品との直接的な関連はありません。

ただし、作中に登場する混血美女蓉姐の造型は、ディートリッヒをモデルにしています。

蓉姐のもう一人のモデルは、戦前の上海映画を代表する伝説のスター女優阮玲玉(ロアン・リンユイ)ですが、
彼女はその艶麗なイメージから、「中国のディートリッヒ」と呼ばれていました。

No.21

>> 20 公主様、
お応え頂き
ありがとうございました✨謝謝🙇

これからの
更新を
お待ちしております。✨

追記

映画「上海特急」
おススメです☝✨再見

No.22

>> 21 ヴァノーラ様及びここを見て下さる数少ない方々

ヒロインが電話ですれ違った少年たちと互いに知り合う場面まで更新しました。

これからもどうぞよろしくお願いします。

ヴァノーラ様追記

「上海特急」観てみます。

粗筋を読む限り、ディートリッヒ演じるヒロインの通称が「上海リリー」の様ですね。

ちなみに本編でのヒロインの命名は、百合(花言葉は『純潔』)を意味する“lily”の響きに被せたのもありますが、
基本的には茉莉花(ジャスミン)の「莉」から取りました。

茉莉花ことジャスミンは上海を含む中国の江南地方を代表する花であり、
「莉莉」だと日本語でも中国語でも同じく「リリ」と読むので(中国語だと正確には『リーリー』ですが)。

No.23

秋扇様

早速拝読させていただきました

直木賞作家の「小さいおうち」という本を思い出しました

昔の事項を書くのはたくさんの資料が必要ですし、想像力を必要とするので、それを書ける秋扇さんを羨ましく思います


No.13の「にいっと細まる」という言い回しが『斜陽』を彷彿させる表現力で良かったです


私ごとですが今「中国工芸茶」なるものにハマっているのでジャスミンはとても身近で親近感が湧きました


応援しています

頑張って下さいね

†美雨†

No.24

>> 23 🍑美雨さん

拙作を読んでいただき本当にありがとうございます。

「小さいおうち」は未読ですが、そんな偉い作家先生と比べていただけるなんて、恐縮です。

誰もがカメラ機能付き携帯電話を持ち、テレビやエアコン付きの部屋で暮らす現代日本とはかけ離れた世界の話なので、
色々資料を当たって書いていますが、苦労や不安は絶えません。

蓉姐は魔都上海の悪徳や誘惑性を象徴する人物なので、本編中の描写からそれを感じ取っていただければ幸いです。

芙蓉の花は中国では古来から美人の形容に用いられ、中国語の「芙蓉」には「蓮」の意味もありますので、蓉姐からは蓮の香りがする設定にしました。

ちなみに茉莉花(ジャスミン)の花言葉は「清純」で、芙蓉は「淑やかな恋人」、蓮は「沈着」だそうです(本編の蓉姐にはちょっと皮肉ですが)。

中国工芸茶といえば、お湯の中で包みが解けて花開くタイプの茉莉花茶は、ご存知でしょうか?

茉莉花茶の中でも最高級に属すので、私も数回しか賞味したことはありませんが、
湯の中で揺らめく花容がとても艶やかで、飲んで美味しい、観て嬉しい一品です。

それでは今後もどうぞよろしくお願いします。

No.25

本編に頻出する旗袍(チャイナドレス)について、ここで簡単に説明します。

これは、中国の北方の騎馬民族だった、満州民族(満人)の女性の衣装に起源が求められます。

そもそも、「旗袍(チーパオ)」の「旗(チー)」とは「満州民族」、「袍(パオ)」は「長い衣装」の意味です。

なお、中国の人口の9割以上を占めるのは漢民族(漢人)ですが、漢民族の伝統衣装は「漢服」と呼ばれる、日本の着物に似た服で、旗袍とは全く別物です。

満州民族は女性でも馬に乗って移動する習慣があったので
旗袍のスリットは馬に乗りやすくするために便宜的に入れられたものであり、
また、北方は寒冷な地域なので、女性でも旗袍の下にはズボンを穿くのが通例でした。

長くなるので次に続きます。

No.26

漢民族の王朝である明が、北方から南下してきた満州民族に倒され、彼らによる王朝「清」が成立すると、旗袍は支配階級である満州人の衣装として、中国社会に広く認知される様になりました。

なお、清朝の支配は「越南国」と呼ばれたベトナムにも及び、旗袍がベトナムに伝播し、現地で独自の発展を遂げて定着したのが、現在のベトナムの民族衣装、アオザイです。

しかし、清朝下の中国においては、大多数を占める漢民族を始め、他の民族が旗袍を身に付けることは許されませんでした。

1912年に清朝が倒れると、漢民族を始め他の民族の女性たちも旗袍の着用が許される様になり、そこから旗袍は女性の体を美しく見せるファッションとして発展を遂げました。

特に上海では、上は高位高官の奥様から下は街角の売春婦に至るまで幅広い層の間で、旗袍で着飾るファッションが流行し、袖丈やスカート丈のトレンドも目まぐるしく変わりました。

なお、旗袍は身体に密着した衣装の為、上層の婦人は仕立屋に依頼し体の各部を細かく採寸した上で作るのが主流でした(本編の蓉姐もそうして旗袍を入手しようとしていたわけです)。

No.27

秋扇様

ふたりの女性の対照的なところが読み手にわかりやすくいいですね
あまりやさぐれ感を出してしまうと下品になってしまうし、うまい具合でバランスを保っているのは人物設定や人物像がキチンと組み立てられているからですね


小皺の浮いた18才よりマシってあたり好きですね(笑)

私も2年前に中華街でアオザイを買いましたが
まだ一度も着てないです
早く着れる場面に出会いたいです


†美雨†

  • << 29 莉莉(リリ)と蓉姐(ロンジエ)の関係は、これからの物語の主軸になる部分なので、 莉莉から見た蓉姐、あるいは蓉姐から見た莉莉は、想像の余地を残しつつビビッドに描きたいところです (偉哥と小明、阿建ら男性の義兄弟の繋がりも、これから血肉を加えていきたいです)。 茉莉花(ジャスミン)も芙蓉も中国の名花ですから、互いを引き立てつつ、異なる色彩を持つ女性美が描ければ幸いです。 旗袍も素敵ですが、アオザイも魅力的ですね。 美雨さんが着られる機会に恵まれますよう祈っています (ちなみに購入されたのは、何色のアオザイですか?)。 余談になりますが、中国でも広東省や雲南省など南部は、気候・風土共に東南アジアに近く、 広東出身の偉哥は東南アジア風の美形(浅黒い肌、大きな二重瞼の目等)を想定して書いています。

No.28

秋扇公主さん、初めまして、バトーと申します🙇

『上海リリ』読ませていただきました。

僕は中国史に詳しいわけでは無いのですが、清朝末期から近代の中国史には大変興味があり、本作『上海リリ』は大変よく出来た作品だと思い、感想レスさせていただきました。

秋扇公主さんは、人物描写、背景描写ともに、非常に描き慣れていらっしゃるなぁ、という印象を受けました。
また、《映画館》をあえて中国語の《電影院》と表現されたり、人物の呼称一つでも、とても丁寧な設定付けがされていて、読みながら、主さんの細部へのこだわりに脱帽いたしました。
素晴らしいです。

今後も『上海リリ』の更新を、首を長くしてお待ちしております😊


余談ですが、最近『蒼穹の昴』という清朝光緒時代の中国を舞台にした日中合作のドラマの存在を知りました。
女優の田中裕子さんが西太后の役を演じられていたんですが、とても雰囲気が出てました。
『ラストエンペラー』は坂本龍一さんのテーマ曲が印象的です。

  • << 30 🍑バトーさん、今晩は。 拙作に関心を持っていただき、有り難うございます。 自分としても、乏しい中国語能力の上で、時代的なリアリティと文章表現上の分かりやすさの兼ね合いを考えながら、手探りで書いている状態です。 「蒼穹の昴」は原作小説、テレビドラマ共に未見ですが、以前から興味を抱いていた作品なので、これを機会に観てみようと思います。 なお、西太后を扱った作品は中国本土でも制作されており、本土出身の大女優・劉曉慶(リウ・シャオチン)が主演した「西太后―暴虐の美貌」等が有名です (ちなみに劉曉慶は映画で西太后を三回演じ、現地ドラマで中国史上唯一の女帝・則天武后にも扮した、正に『中国芸能界の女帝』です)。 西太后については、とかく残虐でおどろおどろしいエピソードばかりが語られ勝ちですが、近年再評価の動きが目立つのは良い傾向だと思います。 坂本龍一氏は「ラストエンペラー」に甘粕正彦役で出演もされていましたね。 実際の甘粕は五体満足で小太り、丸眼鏡の穏健な容貌だったのに、映画だと片腕で痩身、裸眼の不気味な風貌に脚色されていましたが、それはそれでノワールな魅力がありました。

No.29

>> 27 秋扇様 ふたりの女性の対照的なところが読み手にわかりやすくいいですね あまりやさぐれ感を出してしまうと下品になってしまうし、うまい具合でバ… 莉莉(リリ)と蓉姐(ロンジエ)の関係は、これからの物語の主軸になる部分なので、
莉莉から見た蓉姐、あるいは蓉姐から見た莉莉は、想像の余地を残しつつビビッドに描きたいところです
(偉哥と小明、阿建ら男性の義兄弟の繋がりも、これから血肉を加えていきたいです)。

茉莉花(ジャスミン)も芙蓉も中国の名花ですから、互いを引き立てつつ、異なる色彩を持つ女性美が描ければ幸いです。

旗袍も素敵ですが、アオザイも魅力的ですね。
美雨さんが着られる機会に恵まれますよう祈っています
(ちなみに購入されたのは、何色のアオザイですか?)。

余談になりますが、中国でも広東省や雲南省など南部は、気候・風土共に東南アジアに近く、
広東出身の偉哥は東南アジア風の美形(浅黒い肌、大きな二重瞼の目等)を想定して書いています。

No.30

>> 28 秋扇公主さん、初めまして、バトーと申します🙇 『上海リリ』読ませていただきました。 僕は中国史に詳しいわけでは無いのですが、清朝末期から… 🍑バトーさん、今晩は。

拙作に関心を持っていただき、有り難うございます。

自分としても、乏しい中国語能力の上で、時代的なリアリティと文章表現上の分かりやすさの兼ね合いを考えながら、手探りで書いている状態です。

「蒼穹の昴」は原作小説、テレビドラマ共に未見ですが、以前から興味を抱いていた作品なので、これを機会に観てみようと思います。

なお、西太后を扱った作品は中国本土でも制作されており、本土出身の大女優・劉曉慶(リウ・シャオチン)が主演した「西太后―暴虐の美貌」等が有名です
(ちなみに劉曉慶は映画で西太后を三回演じ、現地ドラマで中国史上唯一の女帝・則天武后にも扮した、正に『中国芸能界の女帝』です)。

西太后については、とかく残虐でおどろおどろしいエピソードばかりが語られ勝ちですが、近年再評価の動きが目立つのは良い傾向だと思います。

坂本龍一氏は「ラストエンペラー」に甘粕正彦役で出演もされていましたね。

実際の甘粕は五体満足で小太り、丸眼鏡の穏健な容貌だったのに、映画だと片腕で痩身、裸眼の不気味な風貌に脚色されていましたが、それはそれでノワールな魅力がありました。

No.31

🍑美雨さん

No.29がNo.27の貴方のレスに対する返信です。
分かりづらい書き方をしてすみませんでした。

追記:
ところで、なぜ、中華街で旗袍ではなくアオザイを買われたのですか?

No.32

本編でも少し言及しましたが、莉莉の出身地である蘇州と、小明や阿建の故郷である杭州は、古くから「杭蘇」と並び称される、中国江南地方の代表的な都市です。

水路の発達した蘇州は「東洋のベニス」とも呼ばれ、景勝地として知られる太湖があります。

一方、杭州には美景として著名な西湖が広がっています。
なお、杭州では「西湖龍井」と呼ばれる高級緑茶が特産物です。

本編で阿建が莉莉に「西湖龍井茶を出せ」と要求しているのは、蓉姐や偉哥の目を盗んで郷里の名品を飲もうと欲を出した為です。

No.33

なお、「蘇州美人」という言葉にも見られる様に、蘇州は古来より美人の多い土地として知られています。

特に、甘く柔らかな響きを持つ蘇州訛りは男性に好まれ、上海など近隣の地方出身の女性が、水商売の場で真似ることが多かったそうです。

小明が莉莉の口調からすぐ出身地を察したのは、偽装も含めて「蘇州出身」を自称し蘇州訛りで話す女性が上海には多かった為です。

No.34

本編では莉莉は「十五歳」となっていますが、
当時は数え年(生まれた時点の年齢を『一歳』と数え、新年を迎える毎に一歳年を取る)なので、現在の年齢に直すと、彼女は十三、四歳になります。

実年齢で言えば十三、四歳で、しかも女中育ちの発育の悪い少女を「十八歳」(現在の年齢だと十六、七歳)と言いくるめるわけですから、
誰の目にも明らかなサバ読み、という状況です。

No.35

本編でお茶の話題が続きましたが、ここで補足します。

上海、江蘇省、浙江省、安徽省から成る中国の江南地方は、緑茶の名産地です。

中国の三大緑茶とは、洞庭碧螺春(産地は莉莉の故郷、蘇州)、
西湖龍井(産地は小明&阿建の故郷、杭州)、
黄山毛峰(産地は後出の薇薇の故郷、安徽)であり、いずれも江南地方で生産されています。

三つの中でも、特に蘇州産の洞庭碧螺春と杭州産の西湖龍井は評価が高く、この二つだけで「二大緑茶」と呼ばれることもあります。
本編中で莉莉がこの二つの茶の缶を隣り合わせて並べるのは、そこから来ています。

なお、日本でも人気の高い茉莉花茶(ジャスミン茶)は、吐く息が花の香りになることから、中国では娼妓が口臭消しに好んで飲むことも多かったそうです。

No.36

「京都の着倒れ、大阪の食い倒れ」の様に、日本では地域ごとの「お国柄」があると言われます。

人口が多く、国土の広い中国も同様です。

まず、北京人は政治の中心地である地域性を反映してか、「議論倒れの理屈っぽい評論家気質」と言われます。

これに対し、上海人は、流行の発信地である土地柄をやっかんでか、「新し物好きの着倒れ」としばしば揶揄されます。

ちなみに「食い倒れ」ことグルメな気質で知られるのは広東人だそうです。

本編で食いしん坊なのは広東人の偉哥(ウェイ兄さん)ではなく、杭州出身の阿建(アジェン)ですが…。

ちなみに、北京など北方の男性が女性に対して強権的で家夫長的な態度に出るのに対し、上海や蘇州、杭州など江南の男性は一般に女性に優しいと言われます。

杭州から来た小明(シャオミン)は、由緒正しき江南の男というわけです。

No.37

主要な登場人物についてまとめておきます。

①莉莉(リリ)…本名「姚莉華(ヤオ・リーホア)」。江蘇省蘇州出身。公称年齢十八歳(実際は十五歳)。

②蓉姐(ロンジエ)…本名「白蓉香(バイ・ロンシャン)」。通称「蓉蓉(ロンロン)」。上海出身(ただし母親の出身は蘇州)。

③偉哥(ウェイ兄さん・兄貴)…本名「劉偉霖(リウ・ウェイリン)」。広東省広州出身。公称年齢二十八歳(実際は二十五、六歳?)。情婦の蓉姐からの愛称は「阿偉(アウェイ)」。更に上の兄貴分たちからは「小偉(シャオウェイ)」とも呼ばれる。

No.38

④小明(シャオミン)…本名「梁曉明(リャン・シャオミン)」。浙江省杭州出身。公称年齢十九歳(実際は十六歳)。

⑤阿建(アジェン)…本名「杜建成(ドゥー・ジェンチャン)」。浙江省杭州出身。公称年齢十九歳(実際は十六歳)。

今のところ、純粋な上海出身は蓉姐だけで、他は莉莉、小明、阿建が近郊都市(蘇州、杭州)から訪れ、偉哥に至っては少年時代に遠方の広東から上海に身一つで渡航してきた設定です。

No.39

「お題リレー短編小説」スレッドでも取り上げましたが(No.377『世界』)、
戦前の「魔都」上海を象徴する存在として、総合娯楽施設「大世界(ダスカ)」が挙げられます。
「ダスカ」とは「大世界」の上海語読みです。

フランス租界(フランスが統治権を得ている地域)に西洋風の建築様式で建てられたこの「大世界」は、
1930年代に有名な青幇(チンバン)の大ボス黄金榮(ホアン・ジンロン、こう・きんえい)の手に渡りました。

黄金榮は手に入れた「大世界」を、賭博・麻薬・売春等、
合法・非合法を問わないあらゆる享楽を提供する娯楽施設として経営しました。

「大世界」は「魔都」の妖しい夜を代表する歓楽施設として大いに繁栄する一方、
賭博や麻薬で身を誤った人々がその屋上から次々と飛び降りた為、自殺の名所ともなりました。
1918年の落成から1949年の中華人民共和国成立までの約三十年で、
「大世界」の屋上から身を投げて命を経った中国人の数は数百人に上るとも言われています。

「大世界」は現在でも華やかな歴史を伝える建築物として上海に存在します。

なお、横浜中華街の「横浜大世界」は、この上海の「大世界」を模して作られました。

No.40

偉哥の本名は「劉偉霖」ですが、これは普通話(中国語の標準語)だと「リウ・ウェイリン」、愛称の「阿偉」は「アウェイ」と発音します😃

しかし、広東人である彼が本来の母語、広東語で発音すると、
本名の「劉偉霖」は「ラウ・ワイラム」、愛称の「阿偉」は「アーワイ」となります。

普通話と広東語で全然読み方が違いますよね😥
ちなみに上海語だとまた更に別の読み方になります😱

偉哥にとっては、移住した上海で暮らす上で、正に外国語として、普通話や上海語を身に着けた訳です☝

本編は、近郊都市の蘇州から上海に来た莉莉がカルチャーショックを受け、苦労する展開です😣

これは同じく近郊の杭州から訪れた小明や阿建にも当てはまります😔

しかし、少年時代に広東から移住した偉哥は、言語面を含めてもっと苛酷な体験を経て大人になったであろう事を察して頂ければ、筆者として幸いです😢

No.41

こんばんは

一気に読ませていただきました。

冒頭 周挙人のところで働いていたというクダリから もうゾクゾクしました。

科挙に見事合格した家を後にする。

なんで?の疑問も お暇を出されと 後に綴ってある。

これだけでも 時代の移り変わりがよく分かります。

すごいです。

どこまで計算されてるんですか。

登場人物の姿も 目に浮かびます。

続きが ひたすら楽しみです。

No.42

>> 41 🍑月子さん

細部まで丁寧に読んで下さってどうもありがとうございます🙇

莉莉が何故仕えていた役人の周家を出て、故郷の蘇州から係累もない上海にやって来たのかは、
実はもう少し事情があるのですが、それはこれからのお楽しみです😃

ただ、ヒロインの莉莉を含めて他の土地から上海を訪れた登場人物は、
程度の差はあれ、いずれも「故郷を捨てた」あるいは「故郷に帰れない」事情を抱えています💔

例えば、小明、阿建を舎弟として抱え、莉莉にとっても兄的立場にある偉哥は、
その実、故郷にいる年の離れた実妹とは顔を合わせた事がなく、実妹の年齢も曖昧にしか覚えていませんよね😱

(彼自身が少年時代に上海に渡ってから、実年齢より大人と偽って暮らしてきたので、本来の年齢を数える感覚がおかしくなっているせいもありますが😠)

上海で生まれ育った蓉姐にしても、洋人の父と中国人の母から生まれた混血児であり、
当時の感覚からすれば父母の祖国両方から拒絶された存在です😔

これからの展開で、莉莉を含めた人々の喜びや痛みを丁寧に描いていきたいです💪

No.43

例えば、蓉姐。

混血の出世であれば、今の世の中でしたら 両国の懸け橋となるでしょう。

なのに この時代 洋国の人間ではない。
かと言って中国人でもない。
祖国忘失者でしかない 彼女の痛みが 悲しいですね。

それでも 稟として生きる女は美しいに決まっています。

登場人物に対する作者の愛が 伝わります。

私が書いてる訳じゃないのに 誇らしく感じます(笑)

期待してます。

No.44

>> 43 🍑月子さん

作家の村松梢風が川島芳子に取材して書いた「蒙古の唄」にも、
作者が上海のダンスホールで「アンナ」という混血の美人ダンサーに出会う場面があります。

恐らくはマカオにいたポルトガル人の父と中国人の母との間に生まれた彼女は、
上海では生粋の西洋人から蔑まれ、また、同僚の日本人ダンサーたちからも軽んじられる境遇にいます
(『アンナ』という西洋名も源氏名の可能性があり、彼女の本当の国籍や名前は不明です)。

「上海で生れたから上海以外は何処も知らない」と語る彼女は、マカオを訪れたことのある作者に向かって、父祖の住んでいたかの地について盛んに問い質します。

アンナが出てくるのはこの一場面だけですが、当時はポルトガルの植民地だったマカオ、梢風曰く「人種より国家の実力が物を云ふ」租界上海を象徴する形象として深く印象づけられました。

蓉姐のイメージには、ディートリッヒやヴィヴィアン・リー(『風と共に去りぬ』は1930年代の上海でも公開され大ヒット)、
あるいは李香蘭や阮玲玉といった往年の美人女優たちはもちろん、歴史的には全く無名の美女であるアンナにもヒントを得ています。

No.45

秋扇公主さん
『上海リリー』
面白く読ませて頂いてます。
旗袍の鮮やかな色が浮かびます。
姚莉華がどう変わっていくのか楽しみです。白蓉香はスタイル、器量が良さそう、そして気が強い。
これから二人の関係がどう変化して行くのか、また危なそうな環境の舞台もどう描かれるのか楽しみです。

名前が難しくて、なかなか感想レス出来ませんでした。😳

中国のことお詳しいですね。勉強になります。
短編リレー小説また宜しくお願いします。
いつもありがとうございます。

No.46

>> 45 🍑陽子さん

拙作へのご感想、どうもありがとうございます🙇

こちらこそ短編リレーでいつも楽しみに拝読しています😃

ところで、タイトルは「上海リリ」です😥
「リリー」と伸ばすと胡桃沢耕史先生の作品名になってしまうので(ちなみに私はこの作品、未読です)。

ヒロインの莉莉、蓉姐に加えて薇薇(ウェイウェイ)も本編に登場させましたので、こちらにもご注目を😉

登場人物の名前に関しては、私も最初、携帯電話の変換で苦労しました😠

ちなみに莉莉の本名「姚莉華(ヤオ・リーホア)」は、1930年代の上海で活躍した女性歌手の「姚莉(ヤオ・リー)」に因んでいます😉

蓉姐の本名「白蓉香(バイ・ロンシャン)」は、「白芙蓉のごとく香り立つ美女」という命名です😃

蓉姐のモデルの一人は李香蘭時代の山口淑子さんなので、「李香蘭(リー・シャンラン)」に字面も響きも似た名を付けたかったのです☺

ちなみに当時妖婦役で鳴らした美人女優に「白光(バイ・グワン)」という人もいましたので、「白」姓はそこから拝借しました😁

薇薇は、明るいおてんば娘役で人気を博した安徽省出身の趙薇(ヴィッキー・チャオ)に因みました(趙薇は今の人ですが…)。

No.47

登場人物まとめ

⑥薇薇(ウェイウェイ)…本名「蔡微瑩(ツァイ・ウェイイン、さい・びえい)」。安徽(あんき)省蕪湖(ウーフー、ぶこ)出身。莉莉と同年配。

ちなみに理容院のシーンで薇薇が着けていたイヤリングの石は、ガーネットの偽石という設定です😁

ガーネットはザクロの粒に似た赤紫の色彩に因んで、日本語でも「石榴石(ざくろいし)」と呼ばれますが、中国語でも同様に「石榴石」と書きますので…✨

No.48

本編レスNo.169註釈

※先施(シンシア)…先施公司(シンシアデパート)のこと✏

ここは、1917年10月、メインストリートの南京路に創業した上海初の民族系デパートで、上海の老舗四大デパートの一つとして大いに繁盛したそうです☺

当時の先施で日本製の包丁を売っていたかは不明ですが、
「(約束を破った際に薇薇や莎莎の耳を削ぐ為の)包丁を莉莉に持たせている😨」という話自体が、
蓉姐の嘘というかハッタリですのでそこはご容赦下さい🙇

No.49

>> 48 登場人物まとめ

⑦鴉児(ヤール)…八歳。花売りで生計を立てる孤児の少年。

本編中でも書きましたが、「鴉児」という名は飽くまで「カラスっ子、チビガラス」といった意味の愛称であって、
この子の本名ではありません☝

今の日本ならば、八歳の子供が物を売り歩いて日銭を稼ぐ事態は到底有り得ませんが、
1930年代の上海は子供の工員や物乞いも珍しくない時代でした☔

(莉莉にしても、蘇州で幼い頃から女中として労働に従事しながら十五歳まで育った訳です🌱)

鴉児の母親についてはこれからの展開で明らかにしていきますが、
中国語の「烏鴉(ウーヤー)」には字義通りの「カラス」以外に、
「売春婦、悪女」の意味もあります⚠

No.50

🍑読んで下さる皆様へ

目下調査中につき、本編の更新をストップしています🙇

その代わりと言っては何ですが、登場人物のモデルを以下に示しますので、ご興味のある方は画像検索等してご覧下さい😁

①偉哥(ウェイ兄さん/兄貴)
【青年期~壮年期(登場時)】
🍀高占非(ガオ・チャンフェイ=1930年代当時の二枚目俳優)
🍀劉徳華(アンディ・ラウ=香港俳優)
🍀古天楽(ルイス・クー=香港俳優)
🍀郭品超(ディラン・クオ=台湾アイドル)

②小明(シャオミン)
【少年期(登場時)】
🌱羅志祥(ショウ・ルオ=台湾タレント)
🌱梁俊一(アンソン・リョン=香港俳優)
【青年期~壮年期】
🍀鄭伊健(イーキン・チェン=香港俳優)
🍀梁朝偉(トニー・レオン=香港俳優)

③阿建(アジェン)
【少年期(登場時)】
🌱歐漢聲(オウ・ハンシャン=台湾タレント)
【青年期~壮年期】
🍀杜文澤(チャップマン・トー=香港俳優)
🍀陳小春(チャン・シウチョン=香港俳優)

④薇薇(ウェイウェイ)
🌹蔡卓妍(シャーリーン・チョイ=香港アイドル『TWINS』のメンバー)
🌹趙薇(ヴィッキー・チャオ=中国女優)

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