出会い‥系?ですかね‥?

レス130 HIT数 10805 あ+ あ-


2010/05/17 15:56(更新日時)

出会い‥ 人は常に出会いを求めてるんだと思う‥ それは仕事にせよ私生活にせよ、出会い系にせよ‥何にせよ、何らかの出会いを求めてる‥ 40になる俺も、色んな意味で求めてると思う‥ 色んな出会いを振り返ってみた‥ちょっと下ネタ的な物もありますが、気に入らなければスルーして下さい。

No.1280654 (スレ作成日時)

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No.101

一瞬にして“状況判断”が出来た‥

無理して捕りにいくと、エラーをして、ノーアウト・1・3塁とピンチを広げ、万一次の打者に長打を打たれたら、一気に逆転される‥ここはベースを離れて前に出て確実に捕球し、あわよくば打者走者の背中にタッチしてアウトに出来るかも‥と考えた‥
俺は“後者”を選択‥
前に出て捕球‥そのままタッチ‥したが‥俺のグラブの革紐の結び目が相手のユニフォームのベルト通しに引っ掛かる‥そこからはまるでスローモーション‥俺はそこからグラブを離そうとする‥しかしランナーは一塁へ向かう‥走る力には勝てず、グラブに入れた左手首は反り返る‥“メキッ!メキメキッ‥!”骨が“割れる”鈍い感覚が腕から肩、脳にまで伝わる‥“折れた‥っ!”その瞬間激痛と共に頭が真っ白になった‥

近所の総合病院に担ぎ込まれる‥

“亀裂骨折”そう診断された‥

No.102

ポッキリ折れていれば治りも早かったらしいが、亀裂骨折‥加えて靭帯も傷めたらしく、手術の必要はないが、全治2ヶ月らしい‥

春の大会には間に合わせたい‥

翌日からギブスをしながらひたすら走り込みをした‥校庭の周り‥かつて巨人軍の桑田真澄がリハビリの際にグラウンドを走り続け作った“桑田道”‥そんな大層な物ではないが、花山道‥通称“花道”を作る事になる‥

“サトミ”程ではないが、“人種のるつぼ”と言われる我が校にもヤンキーはいる‥

夕方の走り込み‥必ず同じ場所にいるヤンキーねえちゃん2人‥最初は気付かなかったけど、いつ頃か気付く様になる‥

No.103

年が明けて、高校野球最後の年‥

幼い頃からのかかり付けの接骨院で“完治”のお墨付きを貰い、改めて自分の腕を見てゾッとした‥

ゴボウの様に、ほっそりとしている‥左手に力が入らない‥握力が右手とは比べ物にならない程弱々しくなっている‥愕然とした‥

久しぶりに両手でバットを握る‥
これまで右手だけでバットを振り続けていたが、いざ両手でバット振るとなるとやはり怖い‥でも振らないと始まらない‥俺は弱々しくバットを振った‥

振った印象は‥これでボールを打つイメージが思い浮かばない‥

久しぶりに落ち込んだ‥
しかし、やる事は分かっている‥
怪我をした10月からグラブをはめてない‥やっとキャッチボールを再開出来ると思ったが、また暫く無理になった‥
走り込みに加え、握力と手首の強化の為、細いロープにくくり付けられたボウリングのピンを握力と手首の力で巻き上げては下ろす‥そんな動作をひたすら繰り返す‥そして素振り‥
グラウンドの隅での別メニュー‥

ヤメたくなる‥



1月の末頃、野球部に異変が起きた‥

No.105

授業を終え、部室に行くと‥
ゴミ溜めの様な部室が綺麗に整理整頓されている‥呆然と立ち尽くす俺‥

「一体誰が‥?」

後から来たマナブが俺に声をかける‥

【どうした?】

「いや、これ誰が?」

【え!?何だこりゃ!】

驚いている‥
マナブも知らないか‥となると他の奴等も知らないんだろうな‥と当然の様に思えた‥

俺は相変わらず別メニューなので、ユニフォームに着替えたらグラウンドには向かわず、校庭の周りを走り、途中でベンチにグラブを置き、引き続き走り続ける‥筈だったんだけど‥
校庭の周りをなぞる様に走りベンチに近付くと‥学校指定のジャージを着た人が二人‥ベンチ前でマナブと話している‥
グラブを置きに行くと、ベンチには、いつも校舎の脇にいたヤンキーが2人いた‥

【し~君、後一人来るみたいだけど、マネージャーさんだってさ~。】

マナブが嬉しそうに俺に言うが、俺は‥

“雑用しなくて良くなるから、リハビリにいいかも‥”

‥ぐらいにしか思っていなかった‥

No.106

本当は凄く惚れっぽい俺‥
実は‥めぐみと付き合っている時、密かに同じクラスでバスケ部の“典子”という女子も好きだった‥3年間“密かに”好きだった‥で終るのだが‥
3年生では“ちえ”という女子も好きになる‥結局“ちえ”も言わずに卒業をする‥が、数年後人づてに俺を“好きだった”という事が分かり後悔する‥
めぐみと別れて以来、女子に優しく接してもらった事のない俺‥こんな性格だから、優しくしてもらったら練習に身が入らなくなりそうで怖い‥何を言ってやがる‥このイガグリが!と不安定な気持ちで黙々と走り込む‥

遠くで聞こえる野球部の声が、今日は一段と大きく聞こえる‥これもマネージャー効果か‥

グラウンドに面した体育教官室から、ジャージを着た女子がグラウンドに出ていくのが遠目に見えた‥その後から監督が出てきた‥

【集合ぉ~!】

監督がメガホンで全員を呼ぶ‥

ベンチ前に並ぶジャージ女子3名‥入部の挨拶をするらしい‥
一番最後にグラウンドに出てきた女子から‥

【1年の高橋真弓です‥】

(お‥おニャ〇コだ!)

おニャ〇コ大好きな2年生ピッチャーの辻井が叫ぶ‥

No.107

高橋真弓‥当然ですが(仮)です。

No.108

当時、一世風靡した某TV局の夕方の『夕焼けニャ〇ニャン〇』という番組の40名からなる“おニャ〇コ倶楽部”の一員らしい‥
辻井は興奮しまくっている‥

(か‥彼氏はいるんですかぁ~?)

おさまらない興奮‥

監督が‥

【おい‥真弓は俺の義理の妹だ‥変な真似してみろコラァ‥まともな体で部活が出来ると思うなよ‥】

今までに聞いた事のない凄味のある声で注意する‥

(は、はい‥)

ビビる辻井‥
しかししぶとい辻井‥それから10年後に見事真弓と結婚する事になる‥なんて事をこの時点では誰も知らない‥


【2年の飯田敦子です‥】

【2年の蒲田りえです‥】

先程の盛り上がりの後の挨拶でムッとしているヤンキー2人‥

挨拶も終り、俺はまた走り続けた‥

No.109

練習終了後、俺とコージとナオヤマとマナブとサッカー部とバスケ部の“悪友達”で近所の公園に行ってタムロする事が日課だ‥
しかしこの日俺は別メニューの為、バッティング練習が出来なかったので、仲の良い後輩.辻井にパートナーを頼み、1時間程、少し弱いハーフバッティングに付き合ってもった‥

「悪いね‥付き合ってもらっちゃって‥いい感じだよ。」

【いえ、お疲れ様です。】

早く帰してあげたかったから、片付けは自分がやり、辻井を先に帰した‥

片付けを終らせ、着替を済ませ、駐輪場に行くと誰かいる‥

「辻井か?」

の問いに‥

『飯田です‥』

マネージャーだ‥

「どうした?何してんの?」

『鍵無くしちゃったから壊そうとしてんすけど、中々壊れなくて‥』

「おいおい‥無茶すんなよ‥」

『だって帰れないし‥』

そう言って、石で鍵を叩き続けた‥

  • << 111 自転車の鍵なんてそう簡単に壊れる筈もなく‥ただ石を持っている手が痛いだけ‥ 『あぁ~昤!もう~昤!』 イラつくヤンキーマネージャー‥ ふと‥駐輪場の柱から飛び出しているネジに目をやる‥ 何か光ってる‥近付き見ると、野球のボールのキーホルダーが付いた自転車の鍵がブラ下がっていた‥ 手に取り、怒り心頭のマネージャーに声をかける‥ 「これ違う?」 振り向きそれを見るマネージャー‥ 『あぁぁぁぁ~~!何処にあったぁ?』 「そこにブラ下がってたよ‥」 『マジっすかぁ~?』 そう言うと、自転車の鍵を外した‥ いざ乗ろうとすると‥ ガガガガ‥‥と後タイヤに異音‥タイヤを押すとペコペコ‥パンクしてる‥ 『っちっきしょ~‥マジかよ‥朝から何か変だと思ってたけど、パンクかよ‥マジでツイてねぇ‥』 怒りを通り越して、ガックリうなだれている‥ 「家遠いの?後に乗っけてやろうか?」 『いや、家は近いから、押して帰ります‥』 「近い?だってここから直線2kmは民家なんてないよ‥」 『その2km先がウチ‥』

No.110

【お詫びと訂正】

ほぼ実話を元に書いている故、記憶が曖昧になってきて時期にズレが出てしまい辻妻が合わなくなりつつあります‥整理します‥

本編は4月(高校3年)までいってますが、短く紹介しようとした高校2年の時期が思いの外長くなってしまいました‥申し訳有りません‥珵

骨折したのは‥
高校2年の10月初旬‥

マネージャー入部‥
1月初旬‥とありましたが、4月初旬(高校3年)です。リハビリもこの時期頃に終ります。

読み辛い所が多々ありますが、引き続きお付き合い願います。

No.111

>> 109 練習終了後、俺とコージとナオヤマとマナブとサッカー部とバスケ部の“悪友達”で近所の公園に行ってタムロする事が日課だ‥ しかしこの日俺は… 自転車の鍵なんてそう簡単に壊れる筈もなく‥ただ石を持っている手が痛いだけ‥

『あぁ~昤!もう~昤!』

イラつくヤンキーマネージャー‥

ふと‥駐輪場の柱から飛び出しているネジに目をやる‥
何か光ってる‥近付き見ると、野球のボールのキーホルダーが付いた自転車の鍵がブラ下がっていた‥
手に取り、怒り心頭のマネージャーに声をかける‥

「これ違う?」

振り向きそれを見るマネージャー‥

『あぁぁぁぁ~~!何処にあったぁ?』

「そこにブラ下がってたよ‥」

『マジっすかぁ~?』

そう言うと、自転車の鍵を外した‥

いざ乗ろうとすると‥

ガガガガ‥‥と後タイヤに異音‥タイヤを押すとペコペコ‥パンクしてる‥

『っちっきしょ~‥マジかよ‥朝から何か変だと思ってたけど、パンクかよ‥マジでツイてねぇ‥』

怒りを通り越して、ガックリうなだれている‥

「家遠いの?後に乗っけてやろうか?」

『いや、家は近いから、押して帰ります‥』

「近い?だってここから直線2kmは民家なんてないよ‥」

『その2km先がウチ‥』

No.112

「え‥あのデカい家、君ん家なんだ‥」

『そ~ですよ。』

「送ってくよ‥この直線は物騒だし‥君は強そうだけど、女の子だしね‥」

『確かに小さい頃から、ここら辺は夜は危険て聞いてたし‥でも、ナオヤマ先輩とか公園で待ってるんじゃないの?私なら大丈夫だけど‥』

「いいよ、あいつ等は平気だろうけど、大事なマネージャーに何かあったら大変だからね‥」

『あ‥ありがとう‥ございます‥。』

「じゃ、行こうか‥」

No.113

マネージャーに俺のチャリを押してもらい、俺はマネージャーのチャリの荷台を持ち、後タイヤを浮かせながらチャリを押す‥

「あ、そうそう‥一応言っておくけど、君はどんだけ腕っぷしが強いか、気持が強いか分からないけど、“タメ口”はヤメなよ‥一応“上級生”だからね‥マネージャーさん。」

『は‥はい。気を付けます‥』

それから俺とマネージャーは2kmの直線の道を学校の事や野球部の事を話ながら帰った‥
マネージャーの家に着くと、チャリを置いた‥

「じゃ、また明日‥おやすみ。」

俺は自分のチャリに乗り、走り出そうとした‥

『あの‥!・・・・・・・あの‥明日も一緒に帰ってもらえますか?』

ちょっとびっくりした‥
明日も歩きになるんだろうら‥

「いいよ‥俺で良かったら‥」

『ありがとうございます‥おやすみなさい‥』

そう言うと、マネージャーは家の中に入った‥

No.114

翌日の部活終り‥

【し~君、公園行くでしょ?昨日来なかったし‥】

「ごめん‥暫くパス‥」

【出ました!また女すかぁ~?抜け駆けっすか?で、どっちのマネージャー?】

コージは鈍感なのか鋭いのか‥

でも正直、チームの4番として、キッチリ仕上げて大会に挑みたいし、他の部員より余計に練習しないといけない‥という理由もあった‥

駐輪場に行くと、マネージャーの飯田敦子が待っていた‥

「待った?」

【いえ‥花山先輩の居残り練習見てましたから、あまり待った気がしませんでした‥】

思いっきりの敬語‥少し違和感を憶えた‥それに髪の色‥栗色から真っ黒になってる‥担任に何か言われたか‥?でもこの方が似合ってはいる‥
“渡辺満里奈”似の小柄な“元”ヤンキー‥

「イメチェン?それとも担任に何か言われた?でも、その方がいいよ‥マネージャーっぽいし‥」

【本当ですか?嬉しいです!】

「いや、そんなに喜んでもらう程の事言ったかな?」

【はい!】

満面の笑顔‥少し見とれた‥

No.115

>> 114 街灯の間隔が長く、暗い真っ直ぐな夜道を歩き始めた‥

「マネージャーはさ‥なんで2年になってから入部する気になったの?それまでは何かやってたの?」

『あの‥“マネージャー”って呼ぶのは、部活以外ではヤメませんか?なんかくすぐったいです‥』

「え?そう?じゃあ、何て呼ぼうか‥」

『任せます‥』

「飯田さん‥“さん”付けもおかしいね‥じゃあ飯田‥でいい?」

『え?“飯田”ですか?う~ん‥分かりました。ちなみに先輩は?』

「俺?俺は“花山先輩”でいいよ‥」

『は、はい‥』

若干不満そうな顔で返事をした‥

「‥で、入部の理由は?」

『そうそう、もう一人のマネージャーの蒲田ちゃんいるじゃないですか‥蒲田ちゃんがコージ先輩に一目惚れしちゃって‥蒲田ちゃん、ああ見えて柔道部なんだけど、去年私と二人で渋谷に買い物に行った時、二人でヤン〇ガのモデルにスカウトされて、部に内緒で何回かモデルのバイトしてたら顧問にバレて‥やる気が無いならヤメろ‥って言われて本当にヤメちゃって‥少しグレて‥“悪”繋がりでコージ先輩と会って‥で、入部‥私も付き合って‥です。』

No.116

‥よく喋る‥

「へぇ~“悪”繋がりねぇ‥で、コージに一目惚れ‥変わってるね。飯田は彼氏とかいないの?」

『欲しいんですけどぉ‥私もある人に一目惚れっぽいんです‥何回か話もしてるんですけど、気付いてないんでしょうね‥』

「そりゃ、一目惚れじゃあ気付かないよ‥前置きもないんだし‥」

『やっぱし気付いてない‥』

「そうだよ‥言わないと気付き様もないよ‥頑張れよ。可愛いんだからさ‥」

気付くと飯田マネージャーの家まで10mぐらいの所まで来ていた‥

『ありがとうございます‥ここで‥。』

「おぅ、明日も?」

『嫌ですか?』

「いいよ。でもチャリは早目に直しなよ。」

『はい‥明後日の日曜に直します。』

「そうしな‥じゃね~!」

『おやすみなさい。』

お互い手を振り別れた‥

No.117

【し~君!し~君!ちょっとちょっと~!】

朝練終りで教室に向かう途中、コージが濃い眉毛を上下に動かしながら浮かれた顔で俺に駆け寄る‥

「どうした?なんか嬉しそうじゃん‥」

【春だよ春!春が来たよ~!】

「春って、今春じゃん‥大丈夫か?」

【された‥俺に‥マネージャーの‥告白‥蒲田が‥】

「落ち着けよ‥文章メチャクチャだよ‥」

【ごめん‥何だっけ?】

「だから、お前が蒲田マネージャーに告白された‥じゃないの?」

【そう!それ!流石し~君!頭いいじゃん!】

「良かったじゃん、で、どうすんの?付き合うの?」

【当たり前じゃん!その場で返事しちゃったよ~!】

「節操ないね‥いつかの海の時みたいにガッつくなよ‥」

【おぅ!あ、し~君、海といえば、あの子どうした?】

「めぐみちゃん?」

【そう!今度休みの時にダブルデートしようぜ!】

「いや、もうとっくに終りました‥それにめぐみちゃんは今京都だよ‥」

【なんだ~‥ごめんねぇ~一人で幸せで~!】

明らかに浮かれ過ぎ‥でもこういう力が原動力になって、部も盛り上がってくれたら‥と思った。

No.118

授業中も先生に注意される程浮かれてるコージ‥休み時間は蒲田マネージャーの教室に行き、体育館前の渡り廊下でお話‥

余程嬉しかったんだろう‥

でも怖いのは、終ってしまった後‥コージのテンションを考えると、部に与える影響は大きい‥

夕方の部活も終り、俺はリハビリの仕上がり具合いを見る為に、また辻井を付き合わせた‥

「ごめんね‥今日がラスト‥だと思うから。」

【大丈夫っすよ!早く復活してくれないと、俺等も困りますから‥!】

と言い、マシーンを動かしてくれた‥

久々のフルスイング‥

守る人間もいないので、バックネットに向かって打つが、打球の飛距離なんか分からなくても、バットにミートする感覚‥打球の勢い‥角度‥どれを取っても納得出来る仕上がりになっている‥

打ち終った後、辻井と握手をし、礼を言った‥

【ギリギリ間に合いましたね‥】

「ありがとう‥」

この後、練習試合2試合と、春の大会‥そして最後の夏の予選‥

早く試合がしたくてたまらなくなっていた‥

No.119

辻井と話をしながら後片付けをする‥

「片付けまで悪いね‥」

【いえ、このくらい当たり前っすよ‥】

二人で部室に入ると、マネージャーの飯田がいた‥

「マネージャー‥どうした?」

『いや、ここからだと二人の練習がよく見えたから‥眺めてました。』

俺は‥“こいつの一目惚れは辻井か‥”と思い‥
辻井は‥“先輩に告白か~?”と思っていた‥

なんか変な空気‥

『花山先輩‥今日もいいですか?』

「え‥?お、俺?辻井でなくて俺?」

『なんで辻井君なんですか?』

【いやいやいや!‥先輩~!早く言って下さいよ~!】

「へ?」

【お疲れしたぁ~!】

「いやいや、君達‥そうじゃないの?違うの?」

慌てる俺を見て、思わず吹き出すマネージャー飯田‥

『やっぱし気付いてないんた‥』

「ん?何が?」

『帰りましょうか?』

「あぁ‥はいはい‥」

二人は歩き始めた‥

「ところで、昨日言ってた一目惚れの相手はどうなった?」

『これから告白します‥』

「これから?どっかで待ち合わせとかしてんの?俺邪魔でしょ?」

『花山先輩、本当に気付いてないんですね‥』

と飽きれ顔‥

No.120

『好きです‥花山先輩‥私の一目惚れです‥』

「えぇぇ~~っ!俺ぇぇ~~っ?」

『そんなに驚かなくても‥予感もなかったんですね‥』

「そうだよ‥てっきり辻井かと‥」

『だからなんで辻井君なんですか?最近の雰囲気で分かりませんでした?』

「いや、そう言われればそうだけどさ‥まぁ、ありがとう‥」

『付き合うのは駄目ですか?』

「いや、付き合おうか‥でも夏が終るまで、出掛けたり出来ないよ‥集中したいし‥」

『いいです‥毎日会えるし‥』

「おいおい、ちゃんとマネージャーの仕事はしろよ‥」

『はぁ~い!』

コージがもう一人のマネージャー“蒲田”の告白に即答した事を笑った自分を俺は反省した‥

『先輩‥これから部活や学校以外で何て呼んだらいいですか?』

「何でもいいよ‥飯田は?何て呼ばれたい?」

『私?私は“敦子”だから“あっちゃん”がいいな‥』

「あ‥あっちゃん‥ね。分かった~。」

『し~君て呼んでいいですか?』

「し~君だぁ~?」

『だって何でもいい‥って言ったじゃん‥』

とションボリ‥

「分かったよ!」

『えへ‥し~君!』

我ながら恥ずかしい‥

No.121

晴れて飯田と付き合う事になった‥が、俺の部活に取り組む姿勢に変化はなかった‥

朝は5時起きで朝練‥夜はナイター施設が無いので、ボールが見えなくなるまではグラウンドで‥それ以降は学校の前の道をひたすらダッシュと素振り‥
そんな毎日を送った‥

春の大会‥少し困った事になった‥

野球部員は18名‥その中でピッチャーは2年の辻井と1年の板垣だけ‥板垣はいわゆる“軟式”出身で今一つ安定感に欠ける‥完全に辻井におんぶにだっこ状態である‥肘や肩の負担を考えると、もう一人ピッチャーが欲しい‥監督は俺を指名した‥

戸惑った‥

No.122

1年の板垣は‥入学間も無く辻井のリリーフで2試合程投げたが、まだ硬式ボールに馴染めず、春の大会での登板はない‥

ピッチャーの経験はないが、部内で一番の遠投力の俺‥大会まで日は無い‥突貫工事でキャプテンでキャッチャーのナオヤマとエース辻井と俺の三人でバッテリー間のサインと球種の確認をする‥
俺の持球は、MAX135km/hのストレートとフォークと曲がりの浅いカーブ‥
三人で学校に泊まり俺を鍛えあげる‥

マネージャー飯田は不満気だ‥

No.123

ここ最近、マネージャー飯田をかまってあげてない‥
夏までは‥という約束ではあったが、毎日一緒に帰る訳でもなく、学校内の屋上へ続く階段の踊場で、休み時間に少し話す程度‥
練習はキツいが、マネージャー飯田に提案を試みた‥

全体練習が終り、皆を見送り、俺はマネージャー飯田を待たせている部室に戻った‥

『話って何ですか?ミニ合宿はいいんですか?』

少しふてくされて言う敦子‥

「練習は10時には終るよ‥あっちゃんの家と学校の間に公園あったでしょ?もし来れるなら、11時に公園で会わない?そんなに長くはいれないけど‥」

『え?いいんですか?疲れてないですか?無理してないですか?』

過剰に気を使う敦子‥

「大丈夫だよ‥それに、せっかく付き合ってるのに、野球野球で可哀想な思いをさせてるし‥」

『う‥嬉しい‥。』

ちょっと泣く敦子‥

「じゃあ、これから練習だから行くね‥また後でね」

『はい!頑張って下さい!』

と言って帰ろうとする敦子を引き止め軽くハグ‥そして軽ぅ~いキス‥

「じゃ‥後で‥」

俺はその場を後にした‥

No.124

今の時代から思うと、何て純情な“出会い”なんだ‥
携帯が普及し、会話からメール‥それからネット、更にそこからの出会い系サイト‥
昭和の時代にも実は“出会い系サイト”に似た物も存在した‥“ペンフレンド”‥
自分にもいた‥
中学の頃‥部活をしていたので、通信制の教材の中での“ペンフレンド募集”‥今で言うところの“サイト”ですね‥物凄く純情な物ですが‥
俺が“通信制”をヤメるまでの約半年、週に1通ペースで続いてました‥
内容は、学校の事、部活の事、地元の事、友達の事、勉強の事、恋愛の事‥それなりに楽しかったかな。



話が逸れましたね‥

次から戻ります‥

No.125

ナオヤマと辻井の容赦無い突貫工事の初日も終り、シャワーを浴び、監督が頼んでくれた出前のカツ重を食った‥

肩にアイシング用の氷嚢を巻き付け外に出る‥

【おい、どこ行くんだ?】

ナオヤマが俺に言う‥

「ちょっと散歩‥」

【女か?】

「アホか‥」

【気を付けろよ‥】

「おぅ‥」

暫く歩くと、公園がある‥

「5分前か‥」

時計を見て辺りを見渡す‥まだ敦子は来ていない様だ‥

『し~君!』

電柱の影から突然敦子が飛び出した!

「うわっ!」

『遅いよ~!』

「遅い‥って、5分前じゃん‥」

『私は15分前に来てたよ~!』

「こんな暗闇で危ないよ‥」

『心配してくれるんだ‥嬉しい!』

「とにかくベンチに座ろう‥」

二人は公園の奥のベンチに座った‥

『今日凄く嬉しかった‥』

「そう?」

『でも、もうちょっとちゃんとして欲しかったな‥』

「夏が終ったらね‥」

『嫌だ‥今ちゃんと!』

困った‥あまり突っ走ると‥俺も男の子‥野球に集中出来なくなるかも‥でも‥

「じゃあ、ちょっとだよ‥約束だよ‥今日だけだよ‥あっちゃん。」

『うん‥』

No.126

目を閉じ待つ敦子‥

口の臭いを確認しながら、軽く息を吐く俺‥

そして‥

軽く唇に触れてヤメようとしたが、そうもいかなかった‥

唇と唇が軽く触れた瞬間‥敦子が俺に抱きつく‥!敦子の唇が俺の下唇を吸う‥俺の口に出来た隙間から、敦子の舌が入ってくる‥
拒む理由はない‥挑まれたなら、応戦‥
お互いの舌が絡む‥

『ん‥ん‥ぅん‥んっんっ‥』

どうやら俺は敦子のツボを捉えている様だ‥舌の裏‥

敦子は完全に脱力している‥

何をしている!イガグリ!自分に言い聞かせ我に帰る‥

繋った唇を外す‥

『もっと‥』

「今日はおしまい‥」

『嫌だ、もっと‥!』

「駄目!!」

涙を流す敦子を抱き締める‥

「ごめんね‥本当に野球に集中したいんだ‥だから‥ね‥。」

『分かった‥』

何とか言い聞かせ、少し話した‥

お互いの事、部活の事‥


あっという間の一時間‥俺は敦子を家まで送り、学校へと戻った‥

No.127

朝5時起床‥5時半過ぎから3人で走り始める‥やがて通学の部員と合流‥7時過ぎに3人のマネージャーが登場‥朝練終り間際に監督が来る‥

俺を含めた3人は、突貫工事中‥他の部員は通常練習‥

午後の練習は、ひたすら走り、投げる‥他の部員が帰った後、ミニ合宿の3人はミーティング、そして走り込み投げ込み‥

ようやく3日間の突貫工事が終った‥

初戦は3日後‥

明日は全員休みか自主トレ‥軽く前日調整をするので、俺は休む事にした‥



いつもの様に弁当を食い終えると、屋上へ続く階段の踊場で敦子と束の間のデート‥

『お疲れ様~!』

「いやいや、参ったよ‥今日休みで良かったよ‥」

『良く頑張りましたね!』

「ありがとね‥あっちゃん。」

敦子の頭を撫でる‥

“恥ずかしげもなく、よくやるな‥イガグリ君は‥”

と、心の中で呟いていた‥

「放課後さ、学校の前の海を散歩しようか‥」

『うん!』

そう言うと同時に、昼休みの終りを告げるチャイムが鳴る‥

「じゃあ、放課後‥」

『うん!バイバァ~イ!』

そう言って、教室へ戻った‥

No.128

心地好い潮風に吹かれながら、テトラポットに座っていると‥

『し~君、ごめぇ~ん!待ったぁ~?』

「待ったよ‥」

『ごめんね‥』

「嘘々‥少し前に来たとこ‥」

二人並んでテトラポットに座り、話始めた‥

『もうすぐだね‥』

「うん、緊張してきたよ‥」

何と無く敦子の様子がおかしい‥

「どうかした?」

『うん・・・・・・・・・し~君てさ、モテるんだね‥』

「え?なんで?」

『実はさっきね‥クラスの友達がし~君の事色々聞いてきてね‥告白したいらしい‥』

「お!嬉しいねぇ~!」

『え?信じらんない‥!』

「嘘々‥言えばいいじゃん、俺等付き合ってるって‥その子は俺等の事、知らないんでしょ?変な事にならないうちにさ‥」

『いいの?』

「いいの?って、あっちゃんは嫌なの?」

『そんな訳ないじゃん‥他の部員にも知られると思ってさ‥』

「大丈夫だよ‥別に隠す事でもないし、いつか分かる事だろうし‥その子に言ってあげな‥」

『うん‥ありがとう。』

四月の海の風は‥晴れているとはいえ冷たい‥
俺は敦子を後ろから抱き締める形に座り直した‥

「暖かい?」

『うん‥』

No.129

何を話す訳でもなく、敦子の肩に顎を乗せ、二人でただ海を眺めていた‥

どのくらい眺めていたのか‥知らぬ間に俺は眠っていた‥
敦子は黙って俺の寝息を聞いていた‥

唇に柔らかい物が触れる‥やがて何かが口の中に入ってきて、俺の舌を探している‥
俺はすぐに敦子がキスをしている事に気付いた‥心地好い感覚‥受け入れた‥

うっすら目を開けると、辺りは薄暗くなっていた‥
対岸の工業地帯の灯りがキラキラと、イルミネーションの様に綺麗に光っている‥ムードは満点‥フラッシュバックのせいで、オ〇ニーも封印していて、性欲は抑制されていた‥
キスは次第に激しくなってきて、少し垂れてきた唾液も気にならなくなっていた‥

“いかん!いかんぞイガグリ君!夏にやりきるまで待つんだ!”

心の中で叫ぶ‥

心を鬼にして、唇を放す‥

『し~君は強いね‥』

「ごめんね‥でも本当にあっちゃんの事大好きなんだよ‥」

『分かった、ありがとうね‥』

少しの沈黙の後‥

「さて、帰るか‥」

『うん、風邪ひいて試合出来なくなったらいけないし‥マネージャー失格だからね‥』

「ははは‥そうだね。早く帰って寝よう‥」

No.130

え~、携帯が壊れまして‥新しい携帯で続きを書こうとしましたが、書けません‥
とりあえず一旦終了しますが、またすぐに立ち上げますので、引き続きお付き合い願います。

『色んな出会いありますね‥』

で、検索願います。

感想スレも同時に立ち上げます。
感想の書き込みも宜しくです。

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