💖愛おしい

「じゃあ結婚でもするか！」

レンは冗談っぽく明るく言った。

私はドキッとした。
まぁ冗談とは言え、初めてプロポーズの言葉を聞いた…

「ハハッ、なーに言ってんの～！」
私は笑い飛ばしていた。

レンは苦笑して、車のハンドルに前かがみにもたれた。

「マイコと結婚したらどんな風かと思ってさ…」

独り言の様で、私はそれには答えなかった。

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旦那が
「引っ越しは、俺がトラックを借りて荷物を運ぶよ」
と言ってくれた。

別れる相手なのに…という違和感はあったけど、お願いした。

トラックの助手席に座って実家へ向かう途中、レンからメールが届いた。

「周りが、追いかけなくていいのかってウルサイよ」

私は、レンに対する気持ちを自分の中に探って、ありのままの気持ちを携帯に打ちこんだ。

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『例えば、レンと付き合ったとして、どんなにレンが私を大切にしてくれても、レンが自分の子供に会いに行っている時、私は寂しくてたまらなくなる。

小さな子供に嫉妬する自分が嫌で、逃げだしてしまうかもしれない。

私は本当はすごく独占欲も強いし、寂しがりで、面倒くさい奴なんだよ。』

当時の携帯に残したままの文面…

レンの返信を開くと

『新しい場所でも頑張れよ
応援してっから！』

だった。

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実家に着いて、荷物を全て運び入れ、旦那はそのまま直ぐに帰るという。

ウチの親は少し休んでいけと言ったが、旦那は車の前に残ったままだった。

私一人が最後に見送る。
「ありがとうね、帰り気をつけてね」

旦那は手を差し出し、私たちは握手した。

「今までありがとう。これからも頑張って」

初めて会った日の旦那を彷彿させる、爽やかな表情だった。
「うん、そっちもね」

旦那はトラックに乗り込んで、走り去った。

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実家に帰ってからの私は、一言で言えば傷心女だった。

酷い話だが、旦那ではなく、涼くんとの別れが尾をひいていた。
まだ夢の余韻の中にいたんだ。

でも、年明け早々仕事が始まってからは、まさに心機一転、新しい仕事や生活を楽しめたし、前向きになれた。

婚約者（旦那）を追って行った過去を知る人からは心配されたりしたけど、
「結婚は本当に私を必要としてくれる人としたいですね」
なんて、答えていた。

実際、旦那でも涼くんでもレンでも、本当に私が必要なら、連れ去りにくる位じゃなきゃ～と思っていた。

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私からは一切連絡をしなかった。

涼くんから連絡は来なかった。

レンからは最初の頃メールや電話がきたけど、次第に少なくなっていった。

旦那からは…
毎日連絡が来た。

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旦那は私がいなくなって、
「当たりまえの幸せ」
を実感したと言う。

当たりまえに食事が出てくる。
当たり前に洗濯した服がタンスにある。
当たり前に部屋が掃除されている。
当たり前に私がいる。

一人になった旦那は、私の存在の大きさを痛感したと言った。

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そして私も、毎日旦那と話したりメールするウチに、付き合いはじめた頃の気持ちを思い出していた。

初めて会った日ー

大学生の私は新しいバイト先で、時間ギリギリに駆け込んできた高校生と目が合った。

その時、時間が止まる様な感じがした。

挨拶をした私に、
「よろしくお願いします」と爽やかに笑った彼に私は好印象を抱いた。

バイトで同じシフトに入ると楽しくて、嬉しかった。
でもお互い彼氏彼女がいたから、バイト仲間としての付き合いだった。

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私の就職が決まって、バイト仲間でお祝いしてくれた日。

彼氏と別れ、高校生の彼に恋心を抱いていた私は、お酒の力を借りて
「好きかも」
と告白した。

しらふの彼は
「気持ちはすごく嬉しい。
でも彼女がいるから」
まっすぐな嘘のない答えで私は振られた。

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高校生の彼が大学生となったある日、久しぶりに連絡が来て、二人で食事をした。
彼は付き合っていた彼女と遠距離になって別れたと話した。

彼は私がまだ自分を好きなのかと思っていたみたいだけど、私にはその時夢中になっている彼氏がいた。

２度目のすれ違いー

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夢中だった彼氏とケンカ別れした直後だった、前のバイト仲間の集まりに誘われた。

私は、男はウンザリって気分だった。

だから、再会した彼に同じ大学の彼女ができた事も気にならなかった。

カラオケの後、ドライブして夜の海に行った。

横殴りの雨が降る中、私は一人で車から出て、海辺へ行った。

元彼の事で、悲しいやら悔しいやら、天気同様のグチャグチャな気分ー

そこに、大学生の彼がやってきた。

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「凄いね！今この海全部、２人で独占してるじゃん」

彼はそう言うと、大きく手を開いたまま、波を触りに行った。

ああ、目の前には大きな大きな海があったんだ。
暗闇に響く波の音に、心が震えた。

「ホント凄いね」

視界が開けるように、ウジウジしていた気持ちが一瞬にして消え去った。

大学生の彼はこの日、彼女と別れようと決めたそうだ。

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それからしばらく、大学生の彼と会うことはなかった。

彼は彼女と別れてから、連絡をくれた。

初めて、彼氏彼女が居ない私たちは、頻繁に会うようになり、急速に惹かれ合った。

そして、付き合う様になった。

彼は20歳、私は26歳になろうとしていた秋だった。

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付き合ってから３年後に、私が実家に帰って離れ離れになった間、旦那も、出会いからの月日を思い返したかもしれない。

離れなければ分からなかった「当たり前の幸せ」は、私も痛感していた。

旦那の良いところ、悪いところ…
悪いところ、不満、と言っても、仕事に忙しくて、私を見てくれないって事くらい…

何とも私は、子どもというか、わがままなんだろう…

反省した。

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実家に帰って４ヶ月が過ぎたある日、旦那は満開の桜の下で

「結婚してください」

とプロポーズをしてくれた。

「はい」

私は答えて、
２人して笑いあった。

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今現在、29歳の旦那と来月35歳になる私と子ども２人。

スレ文通りの、決して裕福ではない生活。
この先家計が苦しくなったら、下の子が乳離れした後に私が働こう。

でも正直な気持ち、子ども達が小学校にあがるまで家に居られたら幸せだ。

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旦那は今の会社は
「勉強になるし、スキルアップにもつながる」と言ってきた。

どんなに条件が厳しくても、イキイキと仕事に向かっている旦那に、私は何も言わないできた。

実際、旦那は先を見越して勉強し、資格を取得してきた。

そして最近、旦那の資格をいかせる企業から声をかけられた。

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現在、企業側が旦那の他数名を網にかけてるとのこと。

旦那みたいな人材、拾っといて損はないゾー！

なんて、これまた自惚れか…；

だけど、私はいつでも旦那の一番の味方でありたい。

それは、旦那がいつも私の味方でいてくれるから。

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昨日旦那は、会社で差し入れられたお菓子を、食べずに持って帰ってきた。

その他にも、自分で買ったチョコとか甘いもの系は、必ず持って帰ってくる。

旦那だって甘いものは好きなんだけど、無類の甘いもの好きな私を喜ばせたいからの行動だ。

私なら？
と考えると、

まず会社で食べきってしまうだろうし、旦那の為に買ったデザートを、我慢出来ずに食べてしまった事…何度もある；

小さなことだけど、そんな積み重ねに幸せを感じる。

旦那の様に優しくて、思いやりのある行動を私も見習いたい。

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初めまして🙇 お邪魔します🙇

素敵な旦那様に、素敵な主さん
きっと、お子さんたちもそんなパパママを見てスクスク成長してってくれるでしょうね😊

何だか、久しぶりにホンワカした優しい気持ちになりました☺

ありがとうございます🍒

突然失礼しました🙇✨

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>> 70 ありがとうございます💝

読んでくださって恐縮です🙇

子ども達にとって、旦那は休日以外は朝ご飯時しか会えないものの、なついてます。

子育てに関しては、私も試行錯誤の連続で、叱ってばかり💧ちっとも素敵じゃありません💦

子どもにとって旦那はオアシスみたいなものですね。

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娘は私立幼稚園に通っているが、そこはウチから一番近いから選んだ。

実はハイソなお家柄多く、たまーに、感じなくても良い劣等感を抱いてしまう自分がいる。

私は外で愚痴らない代わり、どんな悩みも全部旦那に聞いてもらう。

旦那は黙って聞いてくれた後、話の登場人物をギャグに交えてしまう。

そうすると、私のわだかまりはすっかりと消えてしまう。

きっと…イヤ絶対、旦那の方がストレスは溜まっているはずなのに、私に愚痴るのは稀だ。

仕事を家庭に持ち込まない（持ち込みたくないんだろうけど）、そんな姿勢も偉いなぁと思う。

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今日は上の娘のこと。

最近娘は口が達者になり、私に叱られたのを真似して、弟に向かって
「ダメでしょ！ちゃんとしなさい！もう怒るよ！」
なんてやっている。
でも１歳の弟は怒られてるのも分からず、ニコニコして、大好きなお姉ちゃんにぶつかっていく。
そうすると、娘は泣きながら、
「○○（⬅弟）なんてキライ！！居ない方がいい！！」
なんて叫ぶ。
居ない方が…なんて言葉に私はピキッ💢となり、又怒る！
そして娘は更にギャン泣き💦

まだまだ子どもの娘に、感情的になってしまう私も相当な子どもダ💧

旦那に言わせると、娘は私にソックリだそうな。
だからか、自分の嫌な部分を見るようで、余計にイライラしてしまうのだろうか…

娘が寝た後にしみじみと反省したりの連続ダ…

でも…

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でも…そんな時に旦那が居ると、娘は泣きながら旦那に抱きつく。

旦那はハグしながら話し、落ち着いた娘は私の元にやってきて
「ゴメンナサイ」
と謝る。
私も何で怒ったかを話しハグする。
感情的になりすぎた時には私も謝る。

私が子ども達を叱っている時、旦那は常に静観している。
その姿勢は、娘も私も追い込まないし、逃げ場にもなってくれている。

夜遅く帰ってきた旦那は、隣の部屋に寝ている子ども達、特に娘に顔を寄せ
「かわいいね～」
と振り返って言う。

産まれたばかりの娘に何時間も寄り添っていた旦那を思い出す。

ただ純粋に「愛おしい」という気持ちを忘れちゃいけないね。

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下の子は、二人目で男の子ってことだからか、良い意味で力が抜けて育児できている。

ただ旦那は、上の子に比べて下の子には厳しい…。
まだ１歳の行動に「コラッ」と叱る。
やはり異性には甘く同性には厳しくなるものか？

だけど、下の子は旦那が動けばヨチヨチとついて行く。
旦那が座っていれば、いいイス発見！とばかりに座りに行く。
眠くなれば、胸元にペッタリとスヤスヤ眠り出す。

「ありゃ寝ちゃったよ」
旦那は困った顔をするが、息子をそのままにして本を読み出す。

そんな風景を見ると実に微笑ましい。

でも数分後、上の子に見つかり、下の子は旦那の胸元から引き離され、大泣きするのだが…

子ども二人で旦那争奪する姿も、まぁまぁ…微笑ましいものだ。

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日々の生活の中で子ども達や旦那を「愛おしい」と思う事はたくさんある。

子ども達には「大好きよ」とハグするのは日常だけど、旦那には…なかなか言えないものだ。

ただ旦那が何かをやってくれた時にはどんな小さなことにも必ず「ありがとう」と言う。

愛おしい思いをプラスして「ありがとう」を言ってるけど、伝わってるかな❓

「愛おしい」と思う時、感謝の気持ちに満たされる。

見失わないように…この先も、ずっとね。

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ここ連日、帰りの遅い旦那だけど、
「ただいま」
と玄関から入ってくる時、実に爽やかだ。

若さか❓なんて思っていたけど、旦那は
「やっぱり家が一番いいね～」
と嬉しそうに、楽しそうに言う。

「狭い賃貸アパートですが」

「この狭さも又いいんだよね～」

なんて話すけど、

旦那にとって居心地良い場所であるのが嬉しい。

場所なんてきっとどこでも住めば都で、「人」が帰る場所そのものなんだって思う。

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さてさて、そろそろ月末。
定額いっぱい使ったし、日記も終わりにしようかな。

ちょっと振り返って、大切なものを再確認できた。

理屈じゃなく
毎日顔を合わせながら
感謝の気持ちを、
忘れないでいきたい。

子ども達は愛おしい❤
旦那はたまらなく愛おしい💖

『今あるもので十分幸せ』

感謝⭐

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