不倫男
「不倫女」の課長です。
不倫女と出会ってから、離婚へ。そして
彼女を妻にするまでを、書き綴ってみます。
※不倫で悩まれている方など、不快に
思われた際はスルーをお勧めします。
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「今日は、何人と面接だったかな?」
・・・営業企画部が立ち上がってから半年、ようやく軌道に乗り始め、仕事量が増えていた。
更に優秀な部下だった木田を、本格的な関西進出の為に大阪営業所を所長として着任させることとなり、そのサポートも面倒を見なければならない。
それ以前から、「アシスタントを付けるよ⁈」と社長や部長から言われていた。が、本社の他の部署から、女性事務を異動させるのはやんわり断っていた。
総務部の次長からは、「経理課の東さんが、希望してるんだけど、どうかな?」と何度も話しがあった。
「いや〜、彼女が居なくなったら経理課まわらないでしょう!(正直、勘弁してくれよと思いながら)」
「何とかしますよ。限界来るまで!」と言っていた。
「え〜と、面接の人数は...7名です。」
部下の吉田が、履歴書のファイルを括りながら答えた。
・・・終電間際の退社が続くようになっていた。
「課長、アシスタント必要ですよ!」と
吉田がまず音をあげた。
(遊びに行けないとストレスたまるわな〜)
仕事も頑張り屋だが、まだまだ遊びたい盛りの25才。吉田とは4年一緒に仕事をして来た信頼もしている部下だった。
(もう総務部に頼むか⁉、しょうがないかな)
以前の苦い経験を思い出すと憂うつだった...
「課長、今日の面接は本命ですね!」
吉田が履歴書ファイルを俺のデスクに持って来た。
・・・憂うつな思いは半年前の4月のことだ。
営業企画部がスタートして、まず取り掛かったのは営業所の業績を分析することだった。
経理の資料を元に、営業所ごとのP/L[損益計算書]を作成する。その時に、経理課の事務スタッフに手伝ってもらった。
まずは、内海さん。当然のことながら、日々の経理業務があって、合間の時間に資料を作ってもらう...全く進まない⁉
見るべきデータを説明しても、「う〜ん、課長の仕事、私には難しくて〜」
俺の欠点だが、イライラして来ると顔に出る。自分では気付いて無かったが、眉間にシワがこれでもか‼という具合に、険しくなるそうだ…
それに気付いた、総務部の次長が来た。
「課長〜! ごめんごめん。何か上手く手伝えてないみたい?どうかな?」
「いやいや、経理の資料から抽出するだけだから、簡単なはずなんですが...」
「俺の説明も悪いみたいで!」
(あー、俺イライラして嫌味を言ってる)
「まあ、今日で最終だな。」
履歴書ファイルをめくりながら、一人一人、何を聞こうか考えていた。
・・・「課長、まだ新人だけど東さんを使ってみてよ!」
「経理の仕事は見習い中で、時間が取れるから...」と次長が申し訳なさそうに言って来た。
東さんは、4月に中途入社してきた子だった。前職でも経理を担当していたという経歴で、次長はかなり期待していて、
「いや〜これで経理は回るようになるわ‼」と幹部メンバーには事あるごとに話しているような子だった。
「内海さん、本職が忙しいですもんね!」
「ありがとうございます。ちょっとお借りしますね!」
(助かった〜、仕事早く進められそう)
しかし、期待通りには行かなかった...
「田中さくらさんの面接はどうしますか?」
一次面接を吉田が担当するかどうか?を聞いてきた。
・・・データ作成業務を東さんにお願いをする。
作成のポイントや、経理データからの抽出の仕方など、丁寧に教えた。
東さんも「確認なんですが」としっかり聞いてくる。
(やる気も有るし、この子、きっちりしてるな‼)俺は好ましく思い、この時は安心していた。
「課長〜、確認ですが、この資料から抜き出す数字はこの列で良かったでしょうか?!」
しばらく経って、「確認ですが、この入力の仕方で問題無いですか?」
「課長〜、“確認”ですが、これで良かったか?!心配になってー」
丁寧に“確認”すれば、するほど、聞きに来る頻度が増えてくる...
自分の仕事が手に付かない...
(が新人だし、やる気がある事は良いことだ‼)
「東さん、大体、要領掴めたかな?」
「はい、課長、頑張ります!」
聞いた事には答えてくれなかったが...明日からは大丈夫だろうと思っていた。
「そうだな〜、吉田が担当してくれ。」
田中さくらさんの履歴書を見ながら、一次面接は任せる事にした。
書類審査の合格者は全員で25名。一緒に働く仲間の目線で、面接をさせる目的。
だが正直には、全員と面接する時間は無かった。
・・・東さんの2日目....見事に俺の期待が、音を立てて崩れていく。
「課長〜!」「課長〜!!」
「課長〜〜!!!」
一日が何も出来ずに過ぎて行った。
(もう自分でやろう...)
「課長、面接の方がいらっしゃいました」
総務の堀さんが、呼びに来た。
・・・「ただいま」
久しぶりに、早めの帰宅。ほぼ毎日11時頃の帰宅が続いていたが、今日は、9時前に着いた。
「お帰りなさ〜い、今日は早いじゃない!」
妻の敦子が、驚いた顔をしながら俺を迎えた。
「まぁな、ちょっと疲れたから早く上がったんだ。」
「珍しい〜!・・ご飯にする?」
「あぁ、そうする。今日は何?」
俺は、31才。妻の敦子は、28才。夫婦二人の平凡な家庭。
「受付時の様子は、どうだった?」
面接の評価は、会社に訪問した時点から始まっている。
・・・「今晩のおかずは、アジのフライに肉ジャガよ!」
いつも、ごく一般的な料理を作るが、味には満足していた。
俺自身も、特に凝った料理を望まなかったのも有る。
「はい、ビール!」一杯目のグラスをいっきに飲み干す。
「私ね〜、今日は大変だったのよ‼、聞いて!」
「もう本当、うるさく質問してくるお客さんが来て〜!」
妻は、独身時代から同じ仕事を続けていた。後輩の面倒を見るくらいベテランになっていた。
「うん...うん...それで」
いつもの愚痴を話し半分で聴きながら、
アジフライにかぶりついた。
「挨拶も受け答えも、しっかりしてました。」
面接シートにチェックを入れる。
(第一ステップ通過、このまま進むかな?)
・・・「あ・な・た! 話し聞いて無いでしょ!!」
ほっぺをふくらませて、睨んでいる。
「いや〜、バレた。アジフライ旨くてさ!」
「バレた! じゃないわよ! いつも聞いて無いじゃん‼」
「ゴメン、ゴメン、それでお客さんがどうしたって?」
「もう〜! もういいわよ。それより、今度の土曜日に恵子が来るって話は分かってる?」
恵子は妻の高校時代からの親友。
俺たちは、この4月に引っ越しをしていて、新居に遊びに来るという。
「ありがとう! Bルームだね。すぐ行くよ。」
履歴書と職務経歴書の両方を再度、目を通した。
・・・「覚えてるよ! 恵子ちゃん、泊まっていくって?」
「うん、そうよ! 晩ご飯食べたら、カラオケでも行く??」
「良いよ! そうしよう。」
俺たちの出会いのきっかけは、恵子が作った。
同期入社で仲の良かった木村が、先に恵子と知り合い、合コンをセッティングした。
そこに来たのが、敦子だった。
出会った瞬間に、俺が口説いて来て『付き合う事になる!』と思ったらしい。
本当に付き合って3年、そして結婚して3年が経つ。
「こんにちは。斎藤さんですね。」
書類審査での『本命』は3人。その3人は最初から俺が面接する。
それも最終の人を迎えていた。
主です。すいません、前のレス11の文章を訂正します。
※出会った瞬間に、俺が口説いて来て『付き合う事になる!』と思ったらしい。
⇒出会った瞬間に、『この人、私を口説いて来る! きっと付き合う事になる!』と思ったらしい。
以上です。上段の面接の進行は、そのまま続きとなります。
読みづらくしてすいませんm(._.)m
「それでは、これで面接は終了です。」
「斎藤さん、何かお聞きになりたい点が有りますか?」
質問が無ければ、『最後の質問』を投げかける。
「いえ、有りません。」
「そうですか...そうだ、最後に聞いて宜しいですか?」
・・・敦子が、思った通りに行動した俺。
その後は...ゆっくりと流れる水のように、気付いたら6年が経っていた。
お互い、過度に干渉することはせず、気ままに過ごす。
“マイペースだね”と言われることが多かった俺には、程よく思っていた。
敦子も同じだと、思っていた。が、本音の気持ちは?...話しを聞く事が無かった。
「課長、次の面接の方がいらっしゃいました。」
吉田が席から立ち上がる。
「田中さくらさんですね。課長、面接してきます。」
「うん、頼むよ!」
「了解!」吉田が敬礼の真似ごとをして、サッと歩きだす。
(相変わらず、軽いな〜!)一瞬、声をかけようとしたが、やめた...
(まぁ、一度任せたしな。)
先ほど終わった、『斎藤さん』と他2名の本命の履歴書をデスクに並べた。
・・・土曜日の午後。約束通りに、恵子がやって来た。
「良い所じゃな〜い!! 、駅からも近いし!」
「う〜ん、目の前の通り、ちょっと車が多いから洗濯物が汚れるような気がするのよ!」
(え、聞いた事ないぞ!)
敦子を見ると、笑顔!
(満更でもない? のか??)
俺は、良いのか悪いのかをハッキリして欲しいタイプだった。
「おぉ、吉田! 田中さんの面接、終わったか?」
吉田が小走りに俺のデスクへやって来る。
「課長!! 今、大丈夫ですか?」
吉田のテンションが高い。
「吉田! どうした?? 落ち着けよ!」
「田中さんの面接をして欲しいんです! かなり良いんです!」
・・・夜は3人でピザを食べ、それから近くのカラオケボックスへ出かけた。
最初はそれぞれ、新曲にチャレンジしたが、その後は結局いつもの曲を歌う。
歌いまくって、もう満足!って御開きにしたのは、夜中の3時だった...。
家への帰り道、恵子が俺たちを見て、おもむろに言った。
「前にも言ったけど!」
「あなたたちさ~何かさ ... “兄妹” みたいだよね!?」
(ん?)敦子とお互いを見る。
「恵子〜 また?! なんでそう見えるの〜?」
「あんたが、旦那を見る時の目がさぁ〜」
また、俺とお互いに目を見つめる...。
敦子は3人兄弟の末っ子、真ん中は、お兄さん。
「まぁ、さ! 仲が良いってことで!」 恵子が俺たちの肩をポンと叩いた。
そんな仲の良い二人が...
1年後に離婚する事になる...。
不倫女のファンです
かなり楽しみにしてます
続き待ってます!
>> 16
主の課長です。
Rayさん、確かに『不倫女』の続きにはなるのですが、まず「さくら」ほど、文章力は無いのと視点が違うので、期待に添えないかもしれません。
昔の事を思い出しながら書いているので、ペースが遅いです。
ご了承くださいね。
いえいえ!
さくらさんとは違う視点で見れるからこそ楽しみにしてます。
気長に待ちますので、どうか続けて下さいね
「吉田、まずは説明してくれ!」
田中さんの面接の状況を聞いた。
聞いて呆れた…。
「お前は何を聞いてるんだ!? クラブは行くの?って!」
「いや、課長! 乗りも大事だって良く言うじゃないですか!!」
「確かに言うよ! だけどな、それはあくまで仕事の話!」
クラブでテンション高い、吉田の姿を想像してしまった。
…頭がクラクラして、天井を見上げる。
「それはそれとして、面接お願いします! 他の話しも合ってて、何か上手く説明出来ないですけど…とにかく良いと思います。」
(俺は、落ち着いた子と仕事がしたいんだよ! テンション高いのはお前が一人いれば良いんだ…。)
「田中さんには、俺が面接するって言ったんだな?!」
「はい、待たせてます。 絶対、課長も気に入りますって!」
会社のイメージも有る。仕方ないが、払拭しておこうと決めて、重い腰を上げた。
「お待たせしました。引き続いて面接します。」
挨拶しながら、席に着いて田中さんを見た。
「はい、宜しくお願いします。田中さくらと申します。」
(あ! に..似てる! いや、似てるなんてもんじゃ無い。ソックリだ…!)
顔を合わせた瞬間に、高校時代の彼女に
瓜二つだった。顔つきも雰囲気も...
「あー、え〜と…」
(落ち着け!良く見たら違うんじゃないか!落ち着け!)
動揺してるのが、恥ずかしくて冷静さを取り戻そうとした。
田中さんを見ると、目を伏し目がちにしていた。
目を合わせなかったことで、落ち着いて来た。
「田中さん、繰り返しになるかも知れませんが、いくつか質問させて下さい。」
出会ってしまった、さくらとの面接が...始まった。
「前職の仕事は具体的にはどの様な事をしてたのですか?」
まずは定番の質問から入る。応えを聞きながら、観察する。
顔の表情、特に目の動き。そして、手の動き。
(うん、落ち着いているじゃないか!)
話し方、内容も理路整然としていて、申し分ない。
次々と繰り出す質問に、ぶれ無く答える。
好感を持った。
しかし、自分の心に問いかける。
(昔の彼女に似てるからじゃないよな?
ひいき目に見てる事は無いよな?)
...もっと良く田中さんを観察した。
冷静さを取り戻して、面接官の目になってきた。
良く見ると、気になる事が出て来る。
相変わらず話す事はしっかりしているが、表情が気になった。
それは表情が何となく元気が無い。ほんの些細なことだが、違和感を覚えた。
落ち着いているのとは違う何か...?!
(乗りが良いと吉田が言っていたはずだがな〜?)
目の前にして何かを...感じている。
が、それは??
(病気か?身体が弱い?それとも他の理由?)
「そう言えば、前職を辞められてから、少し時間が経つてますが、その間は何を?」
「はい、その間は、実は腰を痛めてしまって病院に通ってました。」
(なるほど...正直に自分の不利な事を話せるのは、プラスだが...)
「事務作業はほとんど座っての仕事ですが、腰は大丈夫ですか?」
「大丈夫と思います。しっかりリハビリは出来たので、完治はしてますので。」
応えの内容は納得するのだが、何かしっくり来ない??...(何だろう?)
しっくり来ない何かを考えながら、質問に答えを見つけようとした。
「学生時代の就職活動はどのようにしていましたか?」
「前職はやりがいが有ったとおっしゃてましたが、なぜ事務職を志望するのですか?」
矛盾する事が無いか、かなり突っ込んだことまで聞いた。
返って来る応えは、なるほどと思わせる...。
(う〜ん、思考は納得しているのに、心が引っかかる??)
ハッ!と気付いた!!
(やる気か!? そう、この会社を受かりたいんです!という気が感じられないんだ!!)
そう思うとこれまでが、納得いく。
変に力が入っていないから、自然体で応えている。
すると、俺にとって応えが合点いく事になっている。
それは、作った言葉が無いから。
(間違い無い! なんだそうだったのか! )
一人納得して、面白くなった。
それは、入る気無いのに面接受けてる女と、そのセンスを楽しくなって来た面接官の俺!!
(最後の質問はどうかな?)
どう応えるか? 面接を終わろうとする。
「何か質問有りますか?」
充分に聞いて、センスの良さは分かった。
田中さんの質問は、そつなくな内容だった。
「本日はありがとうございました。」
面接終了を告げ、書類を整理しつつ、軽く雑談する。
「そう言えば、『ISO』ってご存知ですか?」
(最後の質問をぶつけてみた。どうかな?)
「良くは分かりませんが、新聞でその言葉が出ていた記憶が有ります。何かの規格のような物だったような〜。」
(新聞読むんだな。頑張って応えようとする努力型だな。)
田中さんが、続けて口を開く。
「あの~、質問しても宜しいですか?」
(うん?)「はい、良いですよ。」
「『ISO』はこちらの仕事上で、何か関係してくる事なんでしょうか?」
(おー!!、必要な事なのかを確認に来た!)
取引先で重要なテーマになっており、直接の関係は無いが、これから仕事上で関わる可能性が有ると思ってと説明した。
(ここまで、頭が回るなんて、中々居ないぞ!)
決まりかなと思っていた、他の1名と頭の中で比較検討し始めていた。
面接が全て終了した。
3人の本命の内、合格ラインに達した斎藤さんに絞り込んだ。
経験は申し分なし。人柄も明るく前向きで問題なし。
しかし、田中さくらさんを見てしまった。
事務の経験はなし。人柄は良き言えば、落ち着いている。悪く言えばやる気があるのか?(入社したいのか?)...不安。
それでも、センス!それは能力と言った方が良いのか。想像以上の仕事が出来そうなのが、期待させる。
書類上だけなら、間違いなく斎藤さん!
仕事を一緒にして見たいのは、田中さん!
いつも即決即断する俺が...迷う。
迷うのには、もう一つ理由が有った。
それは、アシスタントの候補者が社内に
1名いること。
経理課の東さん。
アシスタントがやはり必要と決まった時に、本人が希望してきた。
しかし俺は勘弁して欲しい事を、正直に社長と部長へ話した。
俺の苦労が増えると判断して、新規募集をする事になった。
但し、合格者と比較して最終的に採用か?東さんの異動か?を決定する折衷案が人事部から示されていた。
この就職難の御時世! いい人が応募する事が予想され、東さんの目はほぼ無いに等しい。
だが、ハードルは高かった。
心の中では、決めていた。
田中さんを、アシスタントにしたい。
昔の彼女の面影に淡い気持ちになる。
それは一瞬だけで、純粋に田中さんの能力が魅力だった。
現在、在籍する部下達も、優秀な人材から営業前線の責任者として、異動させていく。
そのことも有り、長くそばに居て、サポートしてくれる能力のあるアシスタントが、必要だった。
(田中さんを採用する為には、どうすれば良いか?)
人事部や社内を納得させられる事が必要だった。
頭をフル回転させて、考えた。
(よし! 賭けでも有るが、これで行こう!)
一つの答えを見つけた!
「小野さん、ちょっと相談が有るんです!」
人事部の課長を応接室に誘った。
「相談と言うか、お願いなんですが...」
小野課長は、直情型と言ったらいいのか、とにかく『熱い人』だった。
そして、頼りにされると『俺に任せなさい!!』と言うタイプ。
「何ですか? お願いって?」
面接の結果を、かい摘んで説明した。
二名に絞った事。その理由。どちらも良い事。
「いや〜、最終判断の決定打が欲しいんです。それで二人の前職チェックをして欲しいんです。」
小野さんの人柄と前職での仕事振りに賭けた。
「課長が、迷うなんて珍しいね? 決まった方の前職チェックは、するつもりだったから問題無いけど。」
小野さんが、頼まれた事で嬉しそうな表情を浮かべていた。
「よろしくお願いします。私が決められなかったら、小野さんが決めて下さい!」
「分かった!! ガッテン承知のすけ! 課長の為に一肌脱ぐか!」
(?ガッテン承知のすけ? 昭和かよ!)
と心の中で、ツッコミを入れながら、頭を下げた。
小野さんの人柄に賭けたのは、
ひとまず成功!
後は、田中さんの前職での評価。
俺の読みは、こうだった。
田中さんは、小規模な会社の専門職。社長や責任者と近くで、一緒に仕事をしているから、仕事振りは良く知っているはず。まして、センスが発揮されてれば評価は良いと想像出来る。
斎藤さんは、中規模な会社の事務職。仕事の内容からすれば、当たり障りの無い答えが返って来そうな感じがしていた。
真逆の結果なら、その時は無い物ねだりだったと思おう。
「課長〜!!」と大声!
出先から戻って、オフィスに入った瞬間に呼ばれた。
小野さんが、手招きしている。
近くに寄るにつれ、表情を見ると真っ赤な顔で、額の汗が光っている。
これは、かなり興奮している時の小野さん!
「どうしました?」
話しの内容は、察しがついたが、冷静さに務めて返事をした。
「田中さくらさんで、決まりだな!」
(お?!)「小野さん、どう言うことか、まず説明お願いします。」
小野さんの説明はこうだった。
まずは斎藤さんの前職に電話した。仕事の評価は悪く無かった。
人物も問題無かった。という事で、
及第点。
(悪く無かったね! ふむ! 予想通り)
次に田中さくらさん!
前職の社長と話しをした。
問題なんか有りゃしない!
文句も言わず、頼んだ事を懸命にやる頑張り屋。仕事が少なくて泣く泣く辞めてもらったが、仕事が増えたら戻って来て欲しいくらい思ってた...
同僚だったという女性の話しまで、小野さんは熱く語り出した。
その時、俺は賭けが上手く行ったことに安堵してほとんどもう、話しは耳に入って無かった。
(良し! さくらさんに何から仕事やってもらおうかな?!)
田中さくらさんの採用に関して、定例の幹部ミーティングで報告をした。
俺は“決まりました”と一言だけ。その後は、人事の小野課長が正に自分が決めたかのように、田中さんの評伝を話し始める。
総務部の次長も加勢する。
(一人取られちゃ大変だしな。)
「課長は、その人で良いかね。」社長が俺に問い掛ける。
「はい! 異存有りません!」
(俺が面接して決めたんですけどね。)
「田中さん、事務の経験は有りませんが、私が教えますので大丈夫です!」
「そうか、なら問題無いな。小野君OKだ。」
決定を受け入れた形になり、上出来過ぎて怖いくらいすんなりと決まった。
採用が決まった事を、田中さんの連絡先に電話した。
本人は不在だった。電話に出た母親に内定した旨を話し、帰宅された頃にまた掛けますと言ったら、“今日必ず電話させますから”と二回も言われ、“それでは”と断わり切れずにお願いした。
その後は、仕事になかなか集中出来ずに田中さんからの電話を待っていた。
田中さんからの、電話はなかなか掛かって来なかった。
時間が経てば、経つほど不安がつのる...
そう。それは、彼女が入社する気が有るのか確信を持てなかったから...。
あまりにも、俺の都合は上手く行き過ぎた。
今度は、彼女の都合が合うかどうかに成否が掛かっている。
面接の時、“御社が第一候補です”とは聞いた。
しかし、俺は信じて無かった。
そして、その日電話は来なかった。
「ただいま。」
帰宅の電車の中でも、田中さんからの電話が無かった理由を考えていた。
「お帰りなさい。今日は金曜日だから、
お寿司買って来たよ!」
「あぁ。」まだ、田中さんの事を考えていた。
「どうしたの? 浮かない顔して? 」
敦子に心の中を読み取られた気がして、ハッとした。
「いや、アシスタントを採用するって話してただろう...」
面接が終了して、第一候補が決定した事。内定の電話をした事。
折り返しの電話が無かった事。
入社の意志が心配な事...
かいつまんで説明する。
「な〜んだ、第二候補もまだ残してるんでしょ? そっちにすればイイじゃん!」
「いやいや、...」反論みたいに、“仕事の能力が有って気に入っている!”と言ってしまってから
またもやハッと空気の変化に気がつく。
「ふぅ〜ん! そんなに好い娘なの?!」
眉間にシワが寄っていた。
友達の恵子曰く、俺と付き合うようになって暫くしたら、同じ表情をするようになったらしいが。
「月曜日に返事来なかったら、第二候補にするか~!」
(考え過ぎたな〜、本当に斎藤さんにするかな?!)
今度は、斎藤さんに連絡するイメージを考えていた。
次の日の日曜日、敦子と出掛けた。
目的地は二子玉。
ウィンドウショッピングをしながら、ブラブラと店を廻る。
気に入った服が見つかると、お互いに品評。
似合う似合わない、持ってる服にコーディネート出来るか出来ないか。
買うつもりが無いので、全く似合わない服をワザと選んで、試着をしたり。
お店には、いい迷惑だが、やっぱり似合わず爆笑したり。
イタ飯し屋で遅めのランチを食べて、二人とも満足し、帰路につく。
一日が終わる。
(田中さんから電話が有るかな?)
明日の仕事を考えながら、眠りについた。
主さん体調悪いんですか?更新がとまってますが…楽しみにしてますよ☺
>> 35
主の課長です。
ゆうあさん、楽しみにして頂いてるのに、
お待たせしてすいません。
仕事がもの凄く忙しくて、過去を振り返る時間が無く、落ち着いたら更新したいと思います。
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